(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063958
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】人形遊び用玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/42 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A63H33/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172174
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 圭
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA06
2C150CA08
2C150DC03
2C150DC08
(57)【要約】
【課題】表示を変化させる手動操作が楽しい人形遊び玩具を提供する。
【解決手段】人形遊び用玩具1は、ガイドリブ36、ガイド凸条31,32等のガイド部と、ガイド部にガイドされ、第1摘み部120及び第1表示部110を有する第1スライド部材100と、ガイド部にガイドされ、第1スライド部材100の背面側に設けられ、第2摘み部230を有する第2スライド部材200と、第2スライド部材200のスライド操作に応じて移動可能に設けられ、第1表示部110よりも前面側に配置される第2表示部421を有する連動部材400と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド部と、
前記ガイド部にガイドされ、第1摘み部及び第1表示部を有する第1スライド部材と、
前記ガイド部にガイドされ、前記第1スライド部材の背面側に設けられ、第2摘み部を有する第2スライド部材と、
前記第2スライド部材のスライド操作に応じて移動可能に設けられ、前記第1表示部よりも前面側に配置される第2表示部を有する連動部材と、
を備えることを特徴とする人形遊び用玩具。
【請求項2】
前記第1表示部及び前記第2表示部が出没するよう前記第1スライド部材の前面側に設けられるカバー部材を有することを特徴とする、請求項1に記載の人形遊び用玩具。
【請求項3】
前記第1スライド部材は、第1係合部を有し、
前記第2スライド部材は、第2係合部を有し、
前記ガイド部は、前記第1表示部が前記カバー部材から突出する位置で前記第1係合部と係合して前記第1スライド部材のスライド移動を規制する第1移動規制部と、前記第2表示部が前記カバー部材から突出する位置で前記第2係合部と係合して前記第2スライド部材のスライド移動を規制する第2移動規制部と、を有することを特徴とする、請求項2に記載の人形遊び用玩具。
【請求項4】
前記第1スライド部材は、第1副表示部を有し、
前記第2スライド部材は、第2副表示部を有し、
前記第2スライド部材の背面側には第3副表示部を有するパネル部材が設けられ、
前記カバー部材は、前記第1副表示部、前記第2副表示部及び第3副表示部を表示可能に開口する表示窓部を有することを特徴とする、請求項2に記載の人形遊び用玩具。
【請求項5】
前記連動部材は、揺動可能に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の人形遊び用玩具。
【請求項6】
前記第1スライド部材は、前記第2スライド部材と当接して前記第2スライド部材と共にスライド移動する係合当接部を有する、請求項1に記載の人形遊び用玩具。
【請求項7】
ベース部材と、
前記ガイド部を含み、前記ベース部材の一部を囲むパネル部材と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の人形遊び用玩具。
【請求項8】
客室部分が左右に開閉自在に設けられる人形遊び用走行玩具を有し、
前記パネル部材は、前記客室部分の上部に設けられる接続係合部と上下方向に係合する被接続係合部を有し、
前記ベース部材は、前記客室部分に挟持されるようにして配置される際に、前記客室部分に設けられる挟持係合部と横方向から係合する被挟持係合部を有することを特徴とする、請求項7に記載の人形遊び用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形遊び用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、幼児等の子供が遊ぶ人形遊びでは、その情景を空想しながら行われることがある。そして、その情景の空想をより具体的にするための玩具として、家や病院、学校等の建物や自動車、飛行機、バス等の乗り物等を模した形態を備える人形遊び用玩具が提供されている。そして、これらの人形遊び用玩具には、その情景の変化やイメージを補助するため、文字、図柄等が表示され、当該表示の変化が可能な表示部を備えるものがある。特許文献1には、病院を模した人形遊び用玩具が開示される。この人形遊び用玩具は、病院や患者の状態を表示する表示部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の表示部は、他の部材と連動して表示が変化することで楽しめるものである。近年では、表示の変化を楽しむため、電気で駆動される表示器(例えば液晶やLED等)を用いることも考えられるが、幼児等の子供にとっては手動操作が楽しいこともある。
【0005】
本発明は、表示を変化させる手動操作が楽しい人形遊び玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る人形遊び玩具は、ガイド部と、前記ガイド部にガイドされ、第1摘み部及び第1表示部を有する第1スライド部材と、前記ガイド部にガイドされ、前記第1スライド部材の背面側に設けられ、第2摘み部を有する第2スライド部材と、前記第2スライド部材のスライド操作に応じて移動可能に設けられ、前記第1表示部よりも前面側に配置される第2表示部を有する連動部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示を変化させる手動操作が楽しい人形遊び玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のカバー部材の正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のカバー部材の背面斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の第1スライド部材の正面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の第2スライド部材と連動部材を示す正面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の平面ガイド部を示す正面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のパネル部材を省略した表示部の背面図であり、第1スライド部材、第2スライド部材が共に下限位置に位置する状態を示す。
【
図9】本発明の実施形態に係る人形遊び玩具の
図8のIX-IX断面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る人形遊び玩具の
図8のX-X断面にパネル部材を追加し、正面側から見た断面斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の表示部の正面図であり、第1スライド部材が上限位置に位置し、第2部材が下限位置に位置する状態を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の表示部の
図11の状態において、カバー部材を省略して示す正面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の表示部の正面図であり、第1スライド部材及び第2スライド部材共に上限位置に位置する状態を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の表示部の
図13の状態において、カバー部材と第1スライド部材を省略して示す正面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のパネル部材を省略した表示部の背面図であり、第1スライド部材、第2スライド部材が共に上限位置に位置する状態を示す。
【
図16】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具と合体するための人形遊び用走行玩具を示す斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具と合体するための人形遊び用走行玩具であって、客室部分を開いた状態を示す斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具と人形遊び用走行玩具を合体させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を図に基づいて説明する。人形遊び用玩具1は、小さな複数の人形を用いて、保育園をイメージして遊ぶことができるように形成される。人形遊び用玩具1は、室内床をイメージして形成される平板状のベース部材2を備える。ベース部材2の上面には、保育園の建物をイメージして形成されるパネル部材3が設けられる。パネル部材3は、湾曲して形成されて、ベース部材2の上面縁近傍に配置されることでベース部材2の一部を囲むように設けられる。
【0010】
なお、以下の説明においては、パネル部材3の正面側を前又は正面とし、その反対側を後又は背面とし、ベース部材2の上面を上、その反対側を下とする。また、人形遊び用玩具1を正面から見て左側を左、右側を右として説明する。
【0011】
パネル部材3は、中央部に略平板状の表示部10が設けられる。パネル部材3は、表示部10から左方向、右方向にそれぞれ湾曲して延在する左パネル部4、右パネル部5を有する。左パネル部4、右パネル部5は、それぞれ2階建て状に形成され、開口する窓部6が複数設けられる。左パネル部4には、保育園に入場する扉をイメージして形成される扉部7が設けられる。右パネル部5には、2階部分から滑ることができる滑り台8が設けられる。
【0012】
図2は、表示部10を分解して示し、パネル部材3とベース部材2を分解して示している。パネル部材3とベース部材2は、パネル部材3の複数の凸部3aとベース部材2の複数の凹部2aが凹凸係合して接続される。表示部10は、カバー部材50と、第1スライド部材100と、第2スライド部材200と、連動部材400と、パネル部材3に形成される平面ガイド部30と、を有する。
【0013】
図3及び
図4に示すように、カバー部材50は、上部を窄まらせた上下方向に長い略平板状に形成される。カバー部材50には、上部に屋根部51が設けられる。屋根部51は、
図4に示すように、左右の側面に凹湾曲状の側板51aが設けられる。屋根部51の後側には、後屋根部60(
図2参照)が取り付けられる。側板51a間の上端は、出没開口部51bとされ、後屋根部60が取り付けられた状態で上下方向に開口される。
【0014】
図3に示すように、カバー部材50は、正面側における屋根部51の下側に、2つの雲の間に虹が掛かっているように形成される装飾部52が設けられる。装飾部52の下側には、前後方向に開口する表示窓部53が設けられる。
図4に示すように、表示窓部53の下端は、板面を上下方向とする規制横板54が設けられる。規制横板54の下面には、上下方向に延在する複数の縦リブ55が設けられる。なお、装飾部52は、別パーツとすることもできる。
【0015】
カバー部材50の表示窓部53の左右には、それぞれ、上下方向に長いスリット状に開口するガイドスリット56(左ガイドスリット56a、右ガイドスリット56b)(ガイド部)が設けられる。
【0016】
図5に示すように、第1スライド部材100は、板面を前後方向に向けて略平板状に形成されて、本体部150と、本体部150から上方に延在する支持板部130と、支持板部130の先端に設けられる円盤状の第1表示部110と、を有する。本体部150は、左右方向が若干長い略長矩形状であって、前面が第1副表示部101とされる平板部151を有する。平板部151の外縁は、略長矩形環状であって、平板部151の面(第1副表示部101)よりも若干前側に突出している環状段部152が設けられる(
図9、
図10も参照)。
【0017】
各環状段部152の外側には、壁状の被ガイド壁部153が設けられる。各被ガイド壁部153の背面側には、外側に張り出すように、上下方向に長い略長矩形状のフラップ部154が設けられる。換言すれば、被ガイド壁部153とフラップ部154は、断面L字状に形成される。被ガイド壁部153とフラップ部154は直交し、その接続部の正面側には複数(左右それぞれ3個)のガイドリブ155が設けられる。
【0018】
また、左側のフラップ部154は平板部151の下端よりも突出する。左側のフラップ部154が下方に突出した部分の前面には、先端部が半円状であって、板面を左右方向に向けて立設する板状の第1摘み部120が設けられる。第1摘み部120の直上の左側のフラップ部154には、第1係合部121が設けられる。第1係合部121は、左側のフラップ部154よりも若干幅広な部分の縁から凹状に形成される凹部とされる。
【0019】
図2及び
図8に示すように、本体部150の背面側の上端には、係合当接部156が設けられる。
図8に示すように、係合当接部156は、板面を上下方向に向けて本体部150の背面から後方に短く突出し、左右方向の略中央部が間欠する。
図5に示すように、支持板部130は、略台形状に形成される。第1表示部110は、本発明の実施形態においては、太陽を表す模様が設けられる。
【0020】
図6に示すように、第2スライド部材200は、板面を前後方向に向けた略平板状に形成される。第2スライド部材200は、上側に凸形状とされる凸部201が設けられる。第2スライド部材200は、本体部250が凸型形状とされ、換言すれば、大四角形部251と、小四角形部252が設けられる。ここで、平坦面として形成される大四角形部251の前面は、第2副表示部202とされている。大四角形部251の左右の縁部には、上下方向に長い長矩形状のフラップ部254が左右それぞれに設けられる。
【0021】
フラップ部254は、
図10に示すように、大四角形部251の前面側に突出するように設けられる。左側のフラップ部254の背面は、大四角形部251と断面がクランク形状に形成され、角部がパネル部材3の平面ガイド部30に設けられる上下方向に長いガイド凸条31(
図7も参照)に係合し、ガイドされる。右側のフラップ部254の背面には、上下方向に延在する凹溝254aが形成され、ガイド凸条32(
図7も参照)と凹溝254aが係合し、ガイドされる。
【0022】
図6に示すように、左右のフラップ部254の前面から小四角形部252の縁部に沿って、凸形凸条253が設けられる。左側のフラップ部254は、大四角形部251の下端よりも突出し、左側に突出する左第2係合部222(第2係合部220)を有する。左第2係合部222は、係合凹部222aを有する。右側のフラップ部254の下端も大四角形部251の下端よりも突出し、右側に突出する右第2係合部223(第2係合部220)を有する。右第2係合部223にも係合凹部223aが設けられる。右第2係合部223が設けられるフラップ部254の前面には、板面を左右方向として半円形の突端を有する第2摘み部230が設けられる。
【0023】
連動部材400は、第2スライド部材200のスライド操作に応じて移動可能に設けられる。本発明の実施形態の連動部材400は、揺動自在に設けられることで移動可能とされている。この他、例えば、第2スライド部材200のスライド操作に応じてスライドするようにして移動可能とすることもできる。連動部材400は、揺動部材410と、第2表示部421を有する雲形部材420とを備える。揺動部材410と雲形部材420は、支点430で連結されると共に、揺動部材410と雲形部材420は前後方向に所定間隔を有して設けられる。
【0024】
支点430は、より詳細には、雲形部材420の背面側から支点430を見た
図6のQ1部拡大図に示すように、揺動部材410からは切欠部411aを有する円筒軸部411が前方に向けて立設し、雲形部材420から後方に立設する円筒軸部422が切欠部411aと係合する形状で形成される。従って、雲形部材420は、揺動部材410に対して相対的に固定される。揺動部材410と雲形部材420は、支点430でのみ接続する。従って、支点430以外の個所においては、揺動部材410と雲形部材420の間は所定間隔を空けて開放空間とされている。
【0025】
揺動部材410と雲形部材420は、カバー部材50の背面側に突出して設けられる軸部57(
図4、
図8参照)が支点430(円筒軸部411,422)に相通して一体的に揺動する。軸部57は、平面ガイド部30の軸支持部33(
図7参照)を相通して後屋根部60の対応個所により支持される。
【0026】
図7に示すように、パネル部材3に設けられる平面ガイド部30は、板面を前後方向に向けた平面部35が設けられ、前述したガイド凸条31,32が左右にそれぞれ設けられる。ガイド凸条31,32(ガイド部)は、上下方向に長く設けられる。また、平面ガイド部30には、ガイド凸条31,32よりも高さが低く形成される格子状の補強リブ34が、平面部35の前面の全体に設けられる。平面部35の左右端は、平面部35の前面と直交するように前側に立設する左ガイド壁部35a、右ガイド壁部35bが設けられる。左ガイド壁部35a、右ガイド壁部35bが平面部35と接続する角部には、略三角形状のリブ状に、複数のガイドリブ36(ガイド部)が設けられる(
図10も参照)。
【0027】
左ガイド壁部35aには、第1移動規制部310が設けられる。第1移動規制部310の周囲を拡大斜視図として示す
図7のQ2部の囲み図に示すように、第1移動規制部310は、周囲がU字状に切り欠きされることで左右方向に弾発可能な板バネ部310aが形成されて、板バネ部310aの先端には右方に向けて突出する突起部310bが形成される。
【0028】
第1移動規制部310の直下の左ガイド壁部35aには、第2移動規制部320としての左第2移動規制部321が設けられる。左第2移動規制部321は、第1移動規制部310と同様に、板バネ部321a、突起部321bが形成される。なお、突起部321bは、板バネ部321aの前後方向の寸法における略中央より後側に形成され、第2スライド部材200の左第2係合部222のみに対応する。また、左第2移動規制部321と上下方向同位置における右ガイド壁部35bには、第2移動規制部320としての右第2移動規制部322が設けられる。右第2移動規制部322は、
図7の拡大斜視図としたQ3部の囲み図に示すように、左第2移動規制部321と対称な同形状に形成され、板バネ部322a、突起部322bが形成される。右第2移動規制部322は、第2スライド部材200の右第2係合部223のみに対応する。
【0029】
平面ガイド部30の平面部35の右上には、周囲をU字状に切り欠きして板バネ311aが形成された補助第1移動規制部311が設けられる。板バネ311aの突端には、前方に向けて突出する突起部311bが設けられる。
【0030】
また、平面ガイド部30の平面部35には、複数の接続ボス部37が設けられる。複数の接続ボス部37は、カバー部材50の複数の接続ボス58が接続し、ねじ止めされる。また、パネル部材3の平面ガイド部30の平面部35には、組立て状態においてカバー部材50の表示窓部53に対応する位置に、表示窓部53よりも若干大きいサイズで左右方向が若干長い略長矩形形状の第3副表示部30aが設けられる。
【0031】
図2及び
図8~
図10に示すように、第2スライド部材200は、第1スライド部材100の背面側に設けられる。表示部10の組立状態においては、第1スライド部材100の左右端縁は、左ガイド壁部35a、右ガイド壁部35bの複数のガイドリブ36によりガイドされる。また、第2スライド部材200の左側のフラップ部254は、ガイド凸条31によりガイドされ、右側のフラップ部254の凹溝254aはガイド凸条32にガイドされる。また、第1スライド部材100の第1摘み部120は左ガイドスリット56に挿通されてガイドされ、第2スライド部材200の第2摘み部230は右ガイドスリット56bに挿通してガイドされる。
【0032】
また、第1スライド部材100のガイドリブ155は、カバー部材50の上下方向に長い左右2本のガイド縦リブ560(ガイド部)(
図4参照)の後面縁と摺接する。また、ガイド縦リブ560の内側面は、第1スライド部材100の被ガイド壁部153の外側面と摺接する。このようにして、平面ガイド部30、カバー部材50のガイド部(ガイドリブ36、ガイド凸条31,32、ガイドスリット56、ガイド縦リブ560)により、第1スライド部材100、第2スライド部材200は左右方向、前後方向の移動が規制されて、上下方向の一方向に移動自在にガイドされる。
【0033】
なお、第2スライド部材200の凸形凸条253は、第1スライド部材100のフラップ部154の背面や支持板部130の背面と近接又は摺接し、第1スライド部材100と第2スライド部材200の前後方向の位置決めがされている。
【0034】
また、第2スライド部材200と揺動部材410は、前後方向で同位置に配置される。よって、第2スライド部材200と揺動部材410は、第2スライド部材200の上下方向の移動で第2スライド部材200(凸部201)が揺動部材410と干渉(当接)する位置関係とされる。一方、第1スライド部材100は、第1表示部110が揺動部材410と雲形部材420との間に配置される前後方向の位置関係とされ、第1表示部110は揺動部材410と雲形部材420との間を挿通する(
図9参照)。
【0035】
第1スライド部材100及び第2スライド部材200は、
図1、
図8、
図9では、下限に位置されている。このとき、
図9に示すように、第1スライド部材100の下端及び第2スライド部材200の下端は、カバー部材50の規制横板54の上面と当接する。
【0036】
この状態から、
図11に示すように、第1スライド部材100の第1摘み部120を左ガイドスリット56aに沿って上昇させると、出没開口部51bから第1スライド部材100の第1表示部110が突出する。
図12及び
図12のQ4部を拡大した囲み図に示すように、第1表示部110が突出した第1スライド部材100の上限位置では、凹状の第1係合部121が第1移動規制部310の突起部310bと係合する。従って、第1スライド部材100は、上方への移動が規制される。なお、平面ガイド部30に設けられる補助第1移動規制部311によって、第1スライド部材100の右側が背面から第1スライド部材100を押圧することができるので、左右のバランスが取られている。
【0037】
第1スライド部材100を上限位置に位置し、第2スライド部材200が下限位置に位置するとき、カバー部材50の表示窓部53からは、第2スライド部材200の第2副表示部202が露出する。第2副表示部202は、例えば、第1表示部110と関連する図柄をシールの貼着により設けておくことができる。本発明の実施形態においては、太陽を模して表示する第1表示部110と関連して、第2副表示部202には青空に虹が掛かった図柄を設けることで、より一層、情景を空想して遊ぶことができる。
【0038】
第1スライド部材100を上限位置に位置し、第2スライド部材200が下限位置に位置する状態から、第2スライド部材200の第2摘み部230を右ガイドスリット56bに沿って上昇させると、揺動部材410に第2スライド部材200の凸部201が当接し(
図15参照)、揺動部材410は、第2スライド部材200の上昇に伴って支点430周りに上方向(反時計回り)に移動する。雲形部材420は、揺動部材410と共に支点430周りに回動して移動して、出没開口部51bから突出する。
【0039】
第2スライド部材200が上限位置に到達すると、
図13に示すように、雲形部材420(第2表示部421)は、第1表示部110の前側に突出し、第1表示部110を半分程度隠すように位置し、太陽に雲が掛かった状態となる。
【0040】
図14及び
図14のQ5部、Q6部を拡大した囲み図に示すように、第2スライド部材200の上昇限位置では、第2係合部220における左第2係合部222の係合凹部222aに第2移動規制部320の左第2移動規制部321における突起部321bが凹凸係合する。同様に、第2係合部220における右第2係合部223の係合凹部223aに第2移動規制部320の右第2移動規制部322における突起部322bが凹凸係合する。第2移動規制部320と第2係合部220の凹凸係合により、第2スライド部材200は上昇移動が規制される。
【0041】
第1スライド部材100及び第2スライド部材200が共に上限位置に位置しているとき、カバー部材50の表示窓部53からは、平面ガイド部30の第3副表示部30aが露出する。第3副表示部30aは、例えば、第1表示部110及び第2表示部421と関連する図柄をシールの貼着により設けておくことができる。本実施形態においては、太陽に雲が掛かった状態関連して、第3副表示部30aには曇りの天気や雨の天気を現した表示を設けるとよい。
【0042】
また、第1スライド部材100及び第2スライド部材200が共に上限位置に位置しているとき、
図15に示すように、第2スライド部材200の本体部250の大四角形部251の上端縁は、第1スライド部材100の背面に設けられる係合当接部156の下面に当接する。この状態から、第1スライド部材100の第1摘み部120を左ガイドスリット56aに沿って下に降ろすと、第1スライド部材100は第2スライド部材200と共に下方にスライド移動して、
図1、
図8等の状態とすることができる。
【0043】
なお、第1スライド部材100及び第2スライド部材200が共に下限位置に位置するときには、第1スライド部材100の第1副表示部101が表示窓部53から露出する。本発明の実施形態においては、第1副表示部101には、太陽が出ていない状態である夜をイメージする図柄を設けることができる。また、第1スライド部材100及び第2スライド部材200が共に下限位置に位置するときに第2スライド部材200の第2摘み部230を上方向に持ち上げると、第2スライド部材200の本体部250の大四角形部251の上端縁が第1スライド部材100の背面に設けられる係合当接部156の下面に当接しているので、第2スライド部材200と共に第1スライド部材100を上方向にスライド移動させて上限位置とすることができる。
【0044】
また、人形遊び用玩具1は、他の人形遊び用玩具と組み合わせて遊ぶこともできる。例えば、
図16は、バスを模した形態の人形遊び用走行玩具600である。人形遊び用走行玩具600は、運転席611や前輪612を有する車両の前側部分610と、客室部分620とを備える。客室部分620は、左客室部621と右客室部622とを有する。左客室部621、右客室部622は、それぞれ、後輪である車輪625a,625bを有する。
【0045】
図16、
図17に示すように、客室部分620の左客室部621と右客室部622は、前側部分610とヒンジ部650を介して接続されることで、左右に開閉自在に開くことができる。
図16の下側から見たP1部に示すように、左客室部621、右客室部622の下面には、それぞれ、挟持係合部630及び支柱631が設けられる。挟持係合部630は、内側(車輪625a,625bが取り付けられる外側と反対側)に向けて鉤状に形成される。
【0046】
図18に示すように、人形遊び用玩具1は、人形遊び用走行玩具600と合体させることができる。人形遊び用玩具1と人形遊び用走行玩具600の合体は、先ず、人形遊び用走行玩具600の運転席611の底板下面から突出する突起613(
図17参照)を、ベース部材2の後側の凹部2aに嵌める。そして、
図18のP2部から見た図に示すように、挟持係合部630を、人形遊び用玩具1のベース部材2の左右の側面にそれぞれ設けられる凹状の被挟持係合部2b(
図2参照)に係合させる。このとき、支柱631は、被挟持係合部2b近傍の角部2cの角に当接して、ベース部材2に対する客室部分620の位置合わせがなされる。このようにして、パネル部材3が客室部分620の上部に配置される。次に、P3部から見た図に示すように、パネル部材3の平面ガイド部30の下端背面側に突出する係合突起30bを、人形遊び用走行玩具600の前側部分610の上部に設けられる鉤状部616(
図17も参照)に引っ掛ける。そして、複数の凸部3a(被接続係合部)を、複数の凸部3aに対応して客室部分620の上部に設けられる複数の孔部627(接続係合部)に嵌め込む。
【0047】
なお、滑り台8は、客室部分620の左客室部621の後面窓623に接続させることができる。また、客室部分620に設けられる、シーソー等、独立して人形遊びを行うことができる独立人形遊び用玩具680は、人形遊び用走行玩具600と合体した人形遊び用玩具1の周囲に配置して、独立して遊ぶことができる。
【0048】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の人形遊び用玩具を提供することができる。
【0049】
第1の態様に係る人形遊び用玩具は、ガイド部と、前記ガイド部にガイドされ、第1摘み部及び第1表示部を有する第1スライド部材と、前記ガイド部にガイドされ、前記第1スライド部材の背面側に設けられ、第2摘み部を有する第2スライド部材と、前記第2スライド部材のスライド操作に応じて移動可能に設けられ、前記第1表示部よりも前面側に配置される第2表示部を有する連動部材と、を備える。
【0050】
この構成によれば、第1スライド部材の背面側に配置される第2スライド部材をスライド操作することで、第1スライド部材の第1表示部の前面側に第2スライド部の第2表示部を出没させることができ、後側の部材の操作をしても前側に表示が出現するので、変化の態様に面白みがあり、表示を変化させる手動操作を楽しいものとすることができる。
【0051】
第2の態様に係る人形遊び用玩具は、前記第1表示部及び前記第2表示部が出没するよう前記第1スライド部材の前面側に設けられるカバー部材を有する。
【0052】
この構成によれば、第1表示部や第2表示部を、カバー部材から出没させるように第1スライド部材や第2スライド部材をスライド操作することができる。
【0053】
第3の態様に係る人形遊び用玩具は、前記第1スライド部材は、第1係合部を有し、前記第2スライド部材は、第2係合部を有し、前記ガイド部は、前記第1表示部が前記カバー部材から突出する位置で前記第1係合部と係合して前記第1スライド部材のスライド移動を規制する第1移動規制部と、前記第2表示部が前記カバー部材から突出する位置で前記第2係合部と係合して前記第2スライド部材のスライド移動を規制する第2移動規制部と、を有する。
【0054】
この構成によれば、第1表示部や第2表示部を突出させた状態や、没入させた状態で保持させることができる。
【0055】
第4の態様に係る人形遊び用玩具は、前記第1スライド部材は、第1副表示部を有し、前記第2スライド部材は、第2副表示部を有し、前記第2スライド部材の背面側には第3副表示部を有するパネル部材が設けられ、前記カバー部材は、前記第1副表示部、前記第2副表示部及び第3副表示部を表示可能に開口する表示窓部を有する。
【0056】
この構成によれば、第1表示部及び第2表示部が没入した状態では表示窓部から第1副表示部を表示させ、第1表示部のみが突出した状態では第2副表示部を表示窓部から表示させ、第1表示部及び第2表示部が突出した状態では表示窓部から第3副表示部を表示させることができる。
【0057】
第5の態様に係る人形遊び用玩具は、前記連動部材は、揺動可能に設けられる。
【0058】
この構成によれば、連動部材に支点を設けた簡単な構成で、第2スライド部材のスライド操作に応じて確実に移動可能な連動部材とすることができる。
【0059】
第6の態様に係る人形遊び用玩具は、前記第1スライド部材は、前記第2スライド部材と当接して前記第2スライド部材と共にスライド移動する係合当接部を有する。
【0060】
この構成によれば、第1スライド部材のスライド操作と同時に、第2スライド部材もスライド操作することができる。例えば、第1スライド部材の第1表示部及び第2スライド部材の第2表示部の両者がカバー部材から突出した状態において、第1スライド部材の操作のみで第2スライド部材の第2表示部も没入させることができる。
【0061】
第7の態様に係る人形遊び用玩具は、ベース部材と、前記ガイド部を含み、前記ベース部材の一部を囲むパネル部材と、を有する。
【0062】
この構成によれば、ベース部材を、例えば室内床を模した板状に形成し、パネル部材を、例えば保育園の建物のように形成して、人形遊び用玩具を保育園を模した形態として遊ぶことができる。
【0063】
第8の態様に係る人形遊び用玩具は、客室部分が左右に開閉自在に設けられる人形遊び用走行玩具を有し、前記パネル部材は、前記客室部分の上部に設けられる接続係合部と上下方向に係合する被接続係合部を有し、前記ベース部材は、前記客室部分に挟持されるようにして配置される際に、前記客室部分に設けられる挟持係合部と横方向から係合する被挟持係合部を有する。
【0064】
この構成によれば、人形遊び用玩具と、人形遊び用走行玩具を合体させて、多様な遊びの機能を備えたスケールの大きな人形遊び用玩具を提供することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 人形遊び用玩具 2 ベース部材
2a 凹部 2b 被挟持係合部
2c 角部 3 パネル部材
3a 凸部 4 左パネル部
5 右パネル部 6 窓部
7 扉部 8 滑り台
10 表示部 30 平面ガイド部
30a 第3副表示部 31 ガイド凸条
32 ガイド凸条 33 軸支持部
34 補強リブ 35 平面部
35a 左ガイド壁部 35b 右ガイド壁部
36 ガイドリブ 37 接続ボス部
50 カバー部材 51 屋根部
51a 側板 51b 出没開口部
52 装飾部 53 表示窓部
54 規制横板 55 縦リブ
56 ガイドスリット 56a 左ガイドスリット
56b 右ガイドスリット 57 軸部
58 接続ボス 60 後屋根部
100 第1スライド部材
101 第1副表示部 110 第1表示部
120 第1摘み部 121 第1係合部
130 支持板部 150 本体部
151 平板部 152 環状段部
153 被ガイド壁部 154 フラップ部
155 ガイドリブ 156 係合当接部
200 第2スライド部材 201 凸部
202 第2副表示部 220 第2係合部
222 左第2係合部 222a 係合凹部
223 右第2係合部 223a 係合凹部
230 第2摘み部 250 本体部
251 大四角形部 252 小四角形部
253 凸形凸条 254 フラップ部
254a 凹溝 310 第1移動規制部
310a 板バネ部 310b 突起部
311 補助第1移動規制部 311a 板バネ
311b 突起部 320 第2移動規制部
321 左第2移動規制部 321a 板バネ部
321b 突起部 322 右第2移動規制部
322a 板バネ部 322b 突起部
400 連動部材 410 揺動部材
411 円筒軸部 411a 切欠部
420 雲形部材 421 第2表示部
422 円筒軸部 430 支点
560 ガイド縦リブ 600 用走行玩具
610 前側部分 611 運転席
612 前輪 613 突起
616 鉤状部 620 客室部分
621 左客室部 622 右客室部
623 後面窓 625a 車輪
625b 車輪 627 孔部
630 挟持係合部 631 支柱
650 ヒンジ部 680 独立人形遊び用玩具