(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063962
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】模型玩具及び調理玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/30 20060101AFI20240507BHJP
A63H 33/42 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A63H33/30 B
A63H33/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172179
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 圭
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA18
2C150CA20
2C150DB10
2C150DC12
2C150DK20
2C150EA13
2C150EA19
(57)【要約】
【課題】手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことが可能な模型玩具及び調理玩具を提供する。
【解決手段】キッチン玩具1は、まな板部20が設けられた本体部10と、まな板部20上に設けられた右側人参模型31と、まな板部20上に右側人参模型31と近接した状態で並列配置されて設けられた左側人参模型32と、を備え、右側人参模型31は、まな板部20に移動不能に係合され、左側人参模型32は、まな板部20に左右方向に沿って右側人参模型31から離間する方向に移動可能に係合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部が設けられた本体部と、
前記板状部上に設けられた第1形象体と、
前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられた第2形象体と、を備え、
前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、
前記第2形象体は、前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される、
ことを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記板状部上の前記第2形象体が設けられる部位に凸状又は凹状の係合部が設けられ、
前記第2形象体に前記係合部と凹凸嵌合により係合される凹状又は凸状の被係合部が設けられ、
前記被係合部は、前記係合部よりも前記並列配置される方向の寸法が大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記係合部及び前記被係合部のいずれか一方に突起が設けられ、
前記係合部及び前記被係合部のいずれか他方に前記突起と対応する窪みが設けられ、
前記第2形象体が前記第1形象体と近接した状態で前記突起が前記窪みに係止され、
前記第2形象体が前記並列配置される方向に沿って移動して前記第1形象体から離間することにより、前記突起が前記窪みから外れる、
ことを特徴とする請求項2に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記第1形象体は、調理対象物の一部が形取りされており、
前記第2形象体は、前記調理対象物の他部が形取りされるとともに前記第1形象体と連なって前記調理対象物の形状をなす、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の模型玩具。
【請求項5】
板状部が設けられた本体部と、
前記板状部上に設けられ、調理対象物の一部が形取りされた第1形象体と、
前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられ、前記調理対象物の他部が形取りされるとともに前記第1形象体と連なって前記調理対象物の形状をなす第2形象体と、
前記調理対象物を切断する刃物の形状を模した第3形象体と、を備え、
前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、
前記第2形象体は、前記第1形象体と近接する側を前記第3形象体で押圧されることにより前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される、
ことを特徴とする調理玩具。
【請求項6】
前記第2形象体の前記第1形象体と近接する側の外縁部がR面取りされている、ことを特徴とする請求項5に記載の調理玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具及び調理玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キッチン用品を模した模型玩具が提供されている。例えば特許文献1には、玩具セットの一つとして、ベース材と膨張剤とを混合した中間材を投入可能な模擬オーブンが開示されている。この模擬オーブンに模擬パンの生地として作製された中間材が投入されると、20分後に約1.2倍の厚さに膨らむようになっている。そして、模擬パンには、乾燥後に油性剤を塗布することにより、焼き入りを模した色が付されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の模型玩具では、模擬パンの投入から調理後の模擬パンを得るまでに時間が掛かり、調理前後の状態変化を模した遊びを手軽に楽しむことができなかった。
【0005】
本発明は、手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことが可能な模型玩具及び調理玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る模型玩具は、板状部が設けられた本体部と、前記板状部上に設けられた第1形象体と、前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられた第2形象体と、を備え、前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、前記第2形象体は、前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される。
【0007】
本発明の一つの態様に係る調理玩具は、板状部が設けられた本体部と、前記板状部上に設けられ、調理対象物の一部が形取りされた第1形象体と、前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられ、前記調理対象物の他部が形取りされるとともに前記第1形象体と連なって前記調理対象物の形状をなす第2形象体と、前記調理対象物を切断する刃物の形状を模した第3形象体と、を備え、前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、前記第2形象体は、前記第1形象体と近接する側を前記第3形象体で押圧されることにより前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことが可能な模型玩具及び調理玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るキッチン玩具の全体斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るキッチン玩具を上方側から見た斜視図である。
【
図3】右側人参模型と左側人参模型を下側から見た斜視図である。
【
図4】(a)は、左側人参模型が右側人参模型と近接した状態のまな板部近傍と包丁模型を前方上側から見た斜視図であり、(b)は、左側人参模型が右側人参模型から離間した状態のまな板部近傍と包丁模型を前方上側から見た斜視図である。
【
図5】(a)は、左側人参模型が右側人参模型と近接した状態のまな板部近傍の上面図であり、(b)は、左側人参模型が右側人参模型から離間した状態のまな板部近傍の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態ではキッチンを模したキッチン玩具(模型玩具、調理玩具)1について例示する。キッチン玩具1は、人形等を用いながら飯事遊びができる玩具である。キッチン玩具1は、全体が横長の略直方体状に形成されており、流し台12や調理台14が設けられた本体部10を備えている。流し台12の下側には扉部16が設けられている。調理台14の下側には、引き出し部17及び収容空間18が設けられている。以下では、キッチン玩具1の扉部16側を前側、その反対側を後側とし、キッチン玩具1を前側から見たときの引き出し部17側を右側、その反対側を左側として説明する。
【0011】
図2に示すように、調理台14の上面には、厚板状のまな板部(板状部)20が設けられている。まな板部20上には、人参を模した人参模型(調理対象物)30の茎部から胴部の中央部までの部分が形取りされた形象体である右側人参模型(第1形象体)31と、人参模型30の胴部の中央部から先端部までの部分が形取りされた形象体である左側人参模型(第2形象体)32とが設けられている。右側人参模型31と左側人参模型32は、人参模型30の胴部の中央部が形取りされた部分が互いに近接するような位置で、右側人参模型31を右側、左側人参模型32を左側としてまな板部20上に左右方向に並列配置されている。右側人参模型31と左側人参模型32が近接した状態で連なることにより、両者が全体として人参模型30の形状をなしている。
【0012】
キッチン玩具1では、右側人参模型31と左側人参模型32が近接した状態で、使用者が両者の境界部B(
図3等参照)に、例えば後述するような包丁模型(第3形象体)40(
図4参照)を上方から宛がって下方に下ろすことにより、左側人参模型32が左側に移動し、右側人参模型31と左側人参模型32の間が開く。これにより、キッチン玩具1で遊ぶ使用者は、右側人参模型31と左側人参模型32から構成される人参模型30を包丁模型40で切ったかのような感覚を抱く。キッチン玩具1は、このようにして調理を模して楽しむことができる玩具である。以下、キッチン玩具1の各部材の構成について詳しく説明する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本体部10は、前面、後面、左右の側面、及び下面を構成する外壁部10aと、上面を構成する天板部10bと、上面の後方端縁に沿って設けられる上棚部10cとが一体に設けられている。外壁部10aの内側は中空とされている。外壁部10aの前面側に設けられた扉部16は、両開き可能な開き戸である。天板部10bの左側に設けられた流し台12には、蛇口12aとシンク12bが配置されている。本体部10の内側であってシンク12bの下側に位置する箇所には、シンク12bの排水溝部分から連通した状態を模して形成された図示しない配水管が後壁部の内面側に設けられている。
【0014】
まな板部20は、上方側から見て左右方向に横長の略矩形状の板状部材とされており、その四隅がR面取りされている。
図2における拡大
図E1に示すように、まな板部20上のうち右側人参模型31が設けられる部位には、下方側に凹状に凹んでなる第1係合部21aが設けられている。第1係合部21aは、その開口端21a1が左右方向に横長の略矩形状となっている。
【0015】
一方、まな板部20上のうち左側人参模型32が設けられる部位には、上方側に凸状に突出してなる第2係合部(係合部)22aが設けられている。第2係合部22aは、左右方向に横長の略直方体状に突出しており、その四隅が角R状とされている。第2係合部22aのうち前後方向に向けられた両側面の左右方向略中央部には、内側に向けて円弧状に窪んでなる窪み部(窪み)22a1がそれぞれ設けられている。各窪み部22a1は、第2係合部22aの上端部から下端部に亘って上下方向に延びる形で設けられている。
【0016】
次に、
図3を参照して人参模型30について説明する。
図3では、人参模型30のうちまな板部20に向けられる下側を手前側として図示している。人参模型30を構成する右側人参模型31の下側には、下方に向けて凸状に突出する第1被係合部31aが設けられている。第1被係合部31aは、左右方向に横長の略直方体状に突出しており、その四隅が角R状とされている。また、第1被係合部31aは、上下方向、左右方向、及び前後方向の寸法がまな板部20に設けられた第1係合部21aにほぼ隙間なく収まるような寸法で設けられており、第1係合部21aに凹凸嵌合されるようになっている。第1被係合部31aは、第1係合部21aに凹凸嵌合された状態で接着等により固定され、移動不能とされる。
【0017】
人参模型30を構成する左側人参模型32の下側には、下方側に凹状に凹んでなる第2被係合部(被係合部)32aが設けられている。第2被係合部32aは、その開口端が左右方向に横長の略矩形状となっている。第2被係合部32aの上下方向寸法及び前後方向寸法は、まな板部20に設けられた第2係合部22aの上下方向寸法及び前後方向寸法と略一致している。一方、第2被係合部32aの左右方向寸法W2は、第2係合部22aの左右方向寸法W1よりも大きくされている。このため、第2被係合部32aは、第2係合部22aに凹凸嵌合された状態で、その左右方向寸法W1の範囲内で左右方向に移動可能とされる。
【0018】
第2被係合部32aのうち前後の内側面の左側寄りの部分には、外側に向けて円弧状に突出してなる突起部(突起)32a1がそれぞれ設けられている。各突起部32a1は、第2係合部22aの窪み部22a1と対応するように第2被係合部32aの開口部から底面部に亘って上下方向に延びる形で設けられている。突起部32a1は、窪み部22a1にほぼ隙間なく係止されるようになっている。
【0019】
右側人参模型31と左側人参模型32は、両者の境界部Bにわずかな隙間を設けた形で左右方向に近接している。右側人参模型31のうち左側人参模型32と近接する側(左側)の外縁部31b、及び左側人参模型32のうち右側人参模型31と近接する側(右側)の外縁部32bは、それぞれR面取りされている。なお、本発明の実施形態では右側人参模型31と左側人参模型32がわずかな隙間を設けた形で近接する構成を例示するが、本明細書でいう右側人参模型31と左側人参模型32が「近接」することには、右側人参模型31と左側人参模型32が隙間を設けることなく当接することも含む。
【0020】
次に、
図4及び
図5を参照して、包丁模型40を用いて、左側人参模型32が右側人参模型31と近接した状態から右側人参模型31から離間した状態とされる動作の動作態様について説明する。
図4(a)及び
図5(a)に示すように、左側人参模型32が右側人参模型31と近接した状態、即ち全体として人参模型30の形状をなしている状態では、左側人参模型32の突起部32a1が第2係合部22aの窪み部22a1に係止されており、第2係合部22aが第2被係合部32a内の左端側に位置した状態で両者が嵌合されている。
【0021】
この状態から、使用者が
図4(a)に示すように刃物の形状を模した包丁模型40を人参模型30の境界部Bに上方から宛がい、包丁模型40を下方に下ろす(押す)。すると、右側人参模型31はまな板部20に固定されていることから、左側人参模型32の左側の外縁部32bが包丁模型40により左側に押圧され、突起部32a1が窪み部22a1から外れる。そして、左側人参模型32が第2係合部22aに沿って左方向(
図4(a)で示すD1方向)に移動する。なお、突起部32a1が窪み部22a1から外れる際に抵抗が生じるため、包丁模型40を下方に下ろした際に抵抗感を感じ取ることができる。
【0022】
包丁模型40により押圧された左側人参模型32が左方向に移動すると、第2係合部22aが第2被係合部32a内の右端側に位置した状態(左側人参模型32が右側人参模型31から離間した状態、
図5(b)に示す状態)となる。そして、左側人参模型32が左方向に移動することにより、左側人参模型32と右側人参模型31との間の隙間が開き、
図4(b)に示すように包丁模型40がまな板部20上まで下ろされる。このとき、左側人参模型32の右側の外縁部32bがR面取りされていることにより、包丁模型40が当該外縁部32bに沿って下方に円滑に誘導される。
【0023】
以上説明したように本発明の実施形態に係るキッチン玩具1では、人参模型30の境界部Bに上方から包丁模型40等を宛がって下方に下ろすことにより、左側人参模型の外縁部32bが包丁模型40により押圧されて左側人参模型32が左側に移動する。これにより、左側人参模型32が右側人参模型31から離間する。このため、キッチン玩具1で遊ぶ使用者は、包丁模型40で人参模型30を切ったかのような感覚、即ち人参模型30を調理したかのような感覚を抱き、手軽に人参模型30の調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことができる。
【0024】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の模型玩具及び調理玩具を提供することができる。
【0025】
第1の態様に係る模型玩具は、板状部が設けられた本体部と、前記板状部上に設けられた第1形象体と、前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられた第2形象体と、を備え、前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、前記第2形象体は、前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される。
【0026】
この構成によれば、第2形象体が第1形象体と近接した状態で第2形象体の第1形象体と近接する側の外縁部が押圧されることにより、第1形象体が上記並列配置される方向に沿って移動して第2形象体から離間する。例えば、第1形象体と第2形象体が並列配置されて連なることにより調理対象物の形状をなすようにする。そうすると、使用者が第1形象体と第2形象体が近接した状態で両者の境界部に例えば刃物の形状を模した形象体を上方から宛がって下方に下ろすことにより、当該形象体により第2形象体の外縁部が押圧されて第2形象体が移動して第1形象体から離間するので、使用者は調理対象物を切ったかのような感覚を抱くことができ、手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことができる。
【0027】
第2の態様に係る模型玩具は、前記板状部上の前記第2形象体が設けられる部位に凸状又は凹状の係合部が設けられ、前記第2形象体に前記係合部と凹凸嵌合により係合される凹状又は凸状の被係合部が設けられ、前記被係合部は、前記係合部よりも前記並列配置される方向の寸法が大きい。
【0028】
この構成によれば、係合部と凹凸嵌合された被係合部が上記並列配置される方向に沿って移動可能とされるので、被係合部が設けられる第2形象体を上記並列配置される方向に沿って移動可能とするための具体的な構成を実現することができる。
【0029】
第3の態様に係る模型玩具は、前記係合部及び前記被係合部のいずれか一方に突起が設けられ、前記係合部及び前記被係合部のいずれか他方に前記突起と対応する窪みが設けられ、前記第2形象体が前記第1形象体と近接した状態で前記突起が前記窪みに係止され、前記第2形象体が前記並列配置される方向に沿って移動して前記第1形象体から離間することにより、前記突起が前記窪みから外れる。
【0030】
この構成によれば、第2形象体が第1形象体と近接した状態から第1形象体から離間する方向に移動する際、突起が窪みから外れる。これにより、刃物の形状を模した形象体等により第2形象体の外縁部が押圧されて突起が窪みから外れる際に生じる抵抗が、調理対象物を切る際に受ける抵抗感と錯覚されるため、使用者は調理対象物を切ったかのような感覚をより現実的に抱くことができ、手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを効果的に楽しむことができる。
【0031】
第4の態様に係る模型玩具は、前記第1形象体は、調理対象物の一部が形取りされており、前記第2形象体は、前記調理対象物の他部が形取りされるとともに前記第1形象体と連なって前記調理対象物の形状をなす。
【0032】
この構成によれば、第2形象体が第1形象体から離間することにより調理対象物を切ったかのような感覚を抱かせるための第1形象体及び第2形象体の具体的な構成を実現することができる。
【0033】
第1の態様に係る調理玩具は、板状部が設けられた本体部と、前記板状部上に設けられ、調理対象物の一部が形取りされた第1形象体と、前記板状部上に前記第1形象体と近接した状態で並列配置されて設けられ、前記調理対象物の他部が形取りされるとともに前記第1形象体と連なって前記調理対象物の形状をなす第2形象体と、前記調理対象物を切断する刃物の形状を模した第3形象体と、を備え、前記第1形象体は、前記板状部に移動不能に係合され、前記第2形象体は、前記第1形象体と近接する側を前記第3形象体で押圧されることにより前記板状部に前記並列配置される方向に沿って前記第1形象体から離間する方向に移動可能に係合される。
【0034】
この構成によれば、第2形象体が第1形象体と近接した状態で第2形象体の第1形象体と近接する側の外縁部が第3形象体で押圧されることにより、第1形象体が上記並列配置される方向に沿って移動して第2形象体から離間する。このため、使用者が第1形象体と第2形象体が近接した状態、即ち調理対象部の形状をなす状態で両者の境界部に第3形象体を上方から宛がって下方に下ろすことにより、第2形象体が第1形象体から離間するので、使用者は第3形象体により調理対象物を切ったかのような感覚を抱くことができ、手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを楽しむことができる。
【0035】
第2の態様に係る調理玩具は、前記第2形象体の前記第1形象体と近接する側の外縁部がR面取りされている。
【0036】
この構成によれば、使用者が第1形象体と第2形象体の境界部に第3形象体を上方から宛がって下方に下ろした際、上記R面取りされた部分に沿って第2形象体が第3形象体により左側に押圧されるとともに第3形象体が下方に円滑に誘導される。このため、第2形象体が第1形象体と近接した状態から第1形象体から離間した状態とされる動作を円滑なものとすることができ、使用者が手軽に調理前後の状態変化を模した遊びを効果的に楽しむことができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば上記の実施形態では、調理対象物とされる形象体として人参を模した人参模型を例示したが、これに限定されるものではなく、食品を模した様々な形象体を用いることができる。また、上記の実施形態では、第2係合部が凸状とされ、第2被係合部が凹状とされた構成を例示したが、第2係合部が凹状とされ、第2被係合部が凸状とされた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 キッチン玩具 10 本体部
10a 外壁部 10b 天板部
10c 上棚部 12 流し台
12a 蛇口 12b シンク
14 調理台 16 扉部
17 引き出し部 18 収容空間
20 まな板部 21a 第1係合部
21a1 開口端 22a 第2係合部
22a1 窪み部 30 人参模型
31 右側人参模型 31a 第1被係合部
31b 外縁部 32 左側人参模型
32a 第2被係合部 32a1 突起部
32b 外縁部 40 包丁模型
B 境界部
D1 方向
W1,W2 左右方向寸法