特開 2024-64046 充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024064046

(43)【公開日】2024-05-14

(54)【発明の名称】充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 30/0283 20230101AFI20240507BHJP

   G06Q 30/04 20120101ALI20240507BHJP

【ＦＩ】

G06Q30/02 490

G06Q30/04

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022172344

(22)【出願日】2022-10-27

(71)【出願人】

【識別番号】000002037

【氏名又は名称】新電元工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001519

【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】加藤 博之

(72)【発明者】

【氏名】宇野 佐登志

(72)【発明者】

【氏名】栗原 義輝

【テーマコード（参考）】

5L030

5L049

【Ｆターム（参考）】

5L030BB01

5L030BB11

5L049BB01

5L049BB11

(57)【要約】

【課題】本開示は、利用者に公平な充電料金を請求することを目的とする。
【解決手段】充電装置は、所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、
を備える、
充電装置。

【請求項2】

前記取得部は、
複数種類設けられた前記単位時間ごとの単価の中から、前記充電対象に出力した前記電力量に応じた種類の前記単位時間ごとの単価を取得する、
請求項１に記載の充電装置。

【請求項3】

充電開始前に、前記充電対象に出力する最大の前記電力量及び最大の前記電力量に応じた前記単位時間ごとの単価の組合せと、前記充電対象の前記充電時間とを選択させる画面が表示される表示部を備える、
請求項１に記載の充電装置。

【請求項4】

前記算出部が算出した前記充電時間における充電料金を外部装置に送信する送信部を備える、
請求項１に記載の充電装置。

【請求項5】

充電対象への充電を行う充電装置と、
前記充電装置における充電料金を前記充電装置の利用者へ請求する外部装置と、
を備え、
前記充電装置は、所定の充電時間内に前記充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、
前記充電装置又は前記外部装置は、前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
充電システム。

【請求項6】

所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、
取得した前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
処理をコンピュータが実行する充電料金算出方法。

【請求項7】

コンピュータに、
所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、
取得した前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
処理を実行させるための充電料金算出プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、充電スペースの利用時間に応じた課金を行うことのできる充電器課金システムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－０８３２０５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、特許文献１に記載の技術のように、従来のシステムでは、充電装置の最大出力で単位時間ごとの単価が決定されていることが多く、利用者にとって不公平な充電料金を請求される場合があった。

【0005】

そこで、本開示は、利用者に公平な充電料金を請求することができる充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムの提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示に係る充電装置は、所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、を備える。

【0007】

本開示に係る充電システムは、充電対象への充電を行う充電装置と、前記充電装置における充電料金を前記充電装置の利用者へ請求する外部装置と、を備え、前記充電装置は、所定の充電時間内に前記充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、前記充電装置又は前記外部装置は、前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する。

【0008】

本開示に係る充電料金算出方法は、所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、取得した前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、処理をコンピュータが実行する。

【0009】

本開示に係る充電料金算出プログラムは、コンピュータに、所定の充電時間内に充電対象に出力した単位時間ごとの電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価を取得し、取得した前記充電対象に出力した前記単位時間ごとの前記電力量、及び前記充電対象に出力した前記電力量の前記単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、処理を実行させる。

【発明の効果】

【0010】

本開示によれば、利用者に公平な充電料金を請求することができる充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】充電システムの概略構成を示す図である。

【図2】充電装置のハードウェア構成を示すブロック図である。

【図3】充電装置の機能構成の例を示すブロック図である。

【図4】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。

【図5】充電装置により実行される処理の流れを示す第１のフローチャートである。

【図6】表示部に表示される表示例である。

【図7】充電装置により実行される処理の流れを示す第２のフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本実施形態に係る充電システム１０について説明する。
本実施形態に係る充電システム１０は、利用者に公平な充電料金を請求するシステムである。

【0013】

（第１の実施形態）
まず、本実施形態に係る充電システム１０の第１の実施形態について説明する。

【0014】

図１は、充電システム１０の概略構成を示す図である。
図１に示すように、充電システム１０は、充電装置２０及びサーバ４０を含む。充電装置２０及びサーバ４０は、ネットワークＮを介して接続され、互いに通信可能となっている。サーバ４０は「外部装置」の一例である。

【0015】

充電装置２０は、電気自動車（ＥＶ）及びプラグインハイブリッド自動車（ＰＨＶ）等の車両に搭載されている走行用バッテリへの充電を行う装置である。車両は「充電対象」の一例である。なお、充電装置２０の種類は限定されず、急速充電装置でもよいし、普通充電装置でもよい。

【0016】

サーバ４０は、所定の事業者が保有するサーバコンピュータであって、充電装置２０における充電料金を充電装置２０の利用者へ請求するものである。なお、図１では、充電システム１０におけるサーバコンピュータをサーバ４０の１台としているが、これに限らず、充電システム１０におけるサーバコンピュータは複数台存在してもよい。

【0017】

次に、充電装置２０のハードウェア構成を説明する。図２は、充電装置２０のハードウェア構成を示すブロック図である。

【0018】

図２に示すように、充電装置２０は、マイコン３０と、通信部３５と、充電開始ボタン３６と、充電終了ボタン３７と、計測器３８と、表示部３９とを含む。

【0019】

マイコン３０は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３１、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３２、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３３、及び記憶部３４を含んで構成されている。

【0020】

ＣＰＵ３１は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、ＣＰＵ３１は、ＲＯＭ３２又は記憶部３４からプログラムを読み出し、ＲＡＭ３３を作業領域としてプログラムを実行する。ＣＰＵ３１は、ＲＯＭ３２又は記憶部３４に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。

【0021】

ＲＯＭ３２は、各種プログラム及び各種データを格納する。ＲＡＭ３３は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。

【0022】

記憶部３４は、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。各種プログラムの一例として、記憶部３４には、充電料金算出プログラム３４Ａが格納されている。

【0023】

通信部３５は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット（登録商標）若しくはＦＤＤＩ等の有線通信の規格、又は、４Ｇ、５Ｇ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、若しくはＷｉ－Ｆｉ（登録商標）等の無線通信の規格が用いられる。通信部３５は、ネットワークＮに対して接続されている。

【0024】

充電開始ボタン３６は、車両への充電を開始するためのハードウェアキーである。
充電終了ボタン３７は、車両への充電を終了するためのハードウェアキーである。

【0025】

計測器３８は、充電装置２０の所定の回路における情報を計測する装置である。一例として、計測器３８は電流計であり、当該回路に流れる電流値を計測する。

【0026】

表示部３９は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部３９は、タッチパネル方式を採用して入力機能を有していてもよい。表示部３９をタッチパネル方式とする場合は、充電開始ボタン３６及び充電終了ボタン３７をソフトウェアキーで構成してもよい。

【0027】

ここで、充電装置２０では、充電開始ボタン３６が操作されたことに基づいて車両への充電を開始し、充電終了ボタン３７が操作されたことに基づいて車両への充電を終了する。そして、充電装置２０では、充電開始ボタン３６が操作されてから充電終了ボタン３７が操作されるまでの間の時間が「充電時間」となる。

【0028】

また、充電装置２０では、車両に出力可能な最大の電力量（以下、「最大電力量」とする）が予め定められており、充電装置２０の状態及び車両の状態に応じて、最大電力量の範囲内の電力量を車両に出力する。そして、充電時間内においては、計測器３８により回路に流れる電流値が計測され、当該計測された１分ごとの電流値及び車両に出力した出力電圧に基づいてＣＰＵ３１により充電時間内に車両に出力した１分ごとの電力量が算出される。なお、ＣＰＵ３１により算出された電力量は、充電時間内に車両に出力した１分ごとの電力量を示す電力量情報として記憶部３４に記憶される。

【0029】

次に、充電装置２０の特徴的な機能構成について説明する。
図３は、充電装置２０の機能構成の例を示すブロック図である。

【0030】

図３に示すように、充電装置２０のＣＰＵ３１は、機能構成として、取得部３１Ａ、算出部３１Ｂ、及び送信部３１Ｃを有する。各機能構成は、ＣＰＵ３１が記憶部３４に記憶された充電料金算出プログラム３４Ａを読み出し、実行することにより実現される。

【0031】

取得部３１Ａは、所定の充電時間内に車両に出力した１分ごとの電力量を取得する。具体的には、取得部３１Ａは、車両への充電が終了したことに基づいて、上記の電力量を記憶部３４に記憶された電力量情報から取得する。

【0032】

また、取得部３１Ａは、所定の充電時間内に車両に出力した電力量の１分ごとの単価を取得する。ここで、記憶部３４には、所定の電力量の範囲についての１分ごとの単価を示す単価情報が記憶されている。一例として、単価情報は、１～１０ｋＷは「５円／分」、１１～２０ｋＷは「１０円／分」・・・などの情報を含む。そして、取得部３１Ａは、記憶部３４に記憶された単価情報の中から、上記で取得した充電時間内に車両に出力した１分ごとの電力量に応じた種類の単価を取得する。

【0033】

算出部３１Ｂは、取得部３１Ａが取得した、車両に出力した１分ごとの電力量、及び車両に出力した電力量の１分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金を算出する。例えば、３０分の充電時間のうち、車両に対して、９０ｋＷ（５５円／分）が出力された時間を５分、４５ｋＷ（３０円／分）が出力された時間を５分、２０ｋＷ（１０円／分）が出力された時間を２０分とすると、算出部３１Ｂは以下の充電料金を算出する。具体的には、算出部３１Ｂは、５５×５＋３０×５＋１０×２０＝６２５で、３０分の充電時間における充電料金を「６２５円」と算出する。

【0034】

送信部３１Ｃは、算出部３１Ｂが算出した充電時間における充電料金をサーバ４０に送信する。上記の場合、送信部３１Ｃは、３０分の充電時間における充電料金が「６２５円」であることを示す料金情報をサーバ４０に送信する。その後、サーバ４０は、取得した料金情報に基づいて、充電装置２０の利用者に対して充電料金を請求する。一例として、サーバ４０は、充電装置２０の利用者を特定する利用者ＩＤ（Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）に紐付くクレジットカードに、取得した料金情報に基づく金額を課金することで、当該利用者に充電料金を請求する。なお、これに代えて、サーバ４０は、利用者ＩＤに紐付く利用者端末（例：スマートフォン）に料金情報を送信して充電料金を請求してもよい。この場合、利用者は、利用者端末を通じて、いわゆるスマホ決済等の決済手段で充電料金を支払うことができる。

【0035】

また、送信部３１Ｃは、上記の料金情報に加え、以下の情報もサーバ４０に送信する。
例えば、送信部３１Ｃは、充電装置２０の利用者を特定する利用者ＩＤ、利用者の使用実績、充電時間、及び充電電力量等を示す利用者情報をサーバ４０に送信する。また、送信部３１Ｃは、充電装置２０の状態、例えば、待機中、充電中、又は故障中等であるかを示す充電装置情報をサーバ４０に送信する。

【0036】

そして、上記の料金情報、利用者情報、及び充電装置情報をサーバ４０に送信するタイミングは限定されず、例えば、充電装置２０側で定めた所定のタイミングで送信してもよいし、サーバ４０側からの送信要求を充電装置２０側で取得したタイミングで送信してもよい。

【0037】

次に、サーバ４０のハードウェア構成を説明する。図４は、サーバ４０のハードウェア構成を示すブロック図である。

【0038】

図４に示すように、サーバ４０は、ＣＰＵ４１、ＲＯＭ４２、ＲＡＭ４３、記憶部４４、入力部４５、表示部４６、及び通信部４７を備えている。各構成は、バス４８を介して相互に通信可能に接続されている。

【0039】

ＣＰＵ４１は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、ＣＰＵ４１は、ＲＯＭ４２又は記憶部４４からプログラムを読み出し、ＲＡＭ４３を作業領域としてプログラムを実行する。ＣＰＵ４１は、ＲＯＭ４２又は記憶部４４に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。

【0040】

ＲＯＭ４２は、各種プログラム及び各種データを格納する。ＲＡＭ４３は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。

【0041】

記憶部４４は、ＨＤＤ、ＳＳＤ又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。記憶部４４には、充電装置２０から送信された料金情報、利用者情報、及び充電装置情報が記憶される。また、記憶部４４には、充電装置２０の位置を示す位置情報、及び充電装置２０の予約状況を示す予約情報等も記憶されている。

【0042】

入力部４５は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。

【0043】

表示部４６は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部４６は、タッチパネル方式を採用して、入力部４５として機能してもよい。

【0044】

通信部４７は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット（登録商標）若しくはＦＤＤＩ等の有線通信の規格、又は、４Ｇ、５Ｇ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、若しくはＷｉ－Ｆｉ（登録商標）等の無線通信の規格が用いられる。通信部４７は、ネットワークＮに対して接続されている。

【0045】

図５は、充電装置２０により実行される処理の流れを示す第１のフローチャートである。ＣＰＵ３１が記憶部３４から充電料金算出プログラム３４Ａを読み出して、ＲＡＭ３３に展開して実行することにより、当該処理が行われる。

【0046】

図５に示すステップＳ１０において、ＣＰＵ３１は、利用者の認証処理を行う。当該認証処理では、利用者が保有する充電認証カード及びスマートフォン等を用いて、充電装置２０を利用する利用者の認証が行われる。そして、ＣＰＵ３１は、ステップＳ１１に進む。

【0047】

ステップＳ１１において、ＣＰＵ３１は、充電が開始されたか否かを判定し、開始されたと判定した場合（ステップＳ１１：ＹＥＳ）、ステップＳ１２に進む。一方、ＣＰＵ３１は、充電が開始されていないと判定した場合（ステップＳ１１：ＮＯ）、充電が開始されるまで待機する。一例として、ＣＰＵ３１は、充電開始ボタン３６が操作された場合に、充電が開始されたと判定する。

【0048】

ステップＳ１２において、ＣＰＵ３１は、充電が終了されたか否かを判定し、終了されたと判定した場合（ステップＳ１２：ＹＥＳ）、ステップＳ１３に進む。一方、ＣＰＵ３１は、充電が終了されていないと判定した場合（ステップＳ１２：ＮＯ）、充電が終了されるまで待機する。一例として、ＣＰＵ３１は、充電終了ボタン３７が操作された場合に、充電が終了されたと判定する。

【0049】

ステップＳ１３において、ＣＰＵ３１は、充電時間における電力量及び単価の取得処理を行う。当該取得処理では、記憶部３４に記憶された電力量情報から当該電力量が取得され、記憶部３４に記憶された単価情報の中から、上記で取得された当該電力量に応じた種類の単価が取得される。そして、ＣＰＵ３１は、ステップＳ１４に進む。

【0050】

ステップＳ１４において、ＣＰＵ３１は、充電料金の算出処理を行う。当該算出処理では、ステップＳ１３で取得した、車両に出力した１分ごとの電力量及び当該電力量の１分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金が算出される。そして、ＣＰＵ３１は、ステップＳ１５に進む。

【0051】

ステップＳ１５において、ＣＰＵ３１は、充電料金の送信処理を行う。当該送信処理では、ステップＳ１４で算出した充電時間における充電料金がサーバ４０に送信される。そして、ＣＰＵ３１は、図５に示すフローチャートの処理を終了する。

【0052】

以上説明したように、第１の実施形態に係る充電装置２０では、ＣＰＵ３１は、所定の充電時間内に車両に出力した１分ごとの電力量及び車両に出力した電力量の１分ごとの単価を取得する。そして、ＣＰＵ３１は、取得した、上記の１分ごとの電力量及び上記の１分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金を算出する。これにより、当該充電装置２０によれば、実際に車両に出力された電力量に基づく充電料金が利用者に請求されるため、利用者に公平な充電料金を請求することができる。

【0053】

また、第１の実施形態に係る充電装置２０では、ＣＰＵ３１は、複数種類設けられた１分ごとの単価の中から、車両に出力した電力量に応じた種類の１分ごとの単価を取得する。これにより、当該充電装置２０によれば、予め用意された１分ごとの単価を取得することで、充電料金の算出に要する時間を削減できる。

【0054】

また、第１の実施形態に係る充電装置２０では、ＣＰＵ３１は、算出した充電時間における充電料金をサーバ４０に送信する。これにより、当該充電装置２０によれば、サーバ４０に充電時間における充電料金を提供することができる。

【0055】

（第２の実施形態）
次に、本実施形態に係る充電システム１０の第２の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。

【0056】

第２の実施形態では、充電装置２０の表示部３９には、充電開始前に、車両に出力する最大の電力量及び最大の電力量に応じた１分ごとの単価の組合せと、車両の充電時間とを選択させる画面が表示される。表示部３９は「表示部」の一例である。

【0057】

具体的には、ＣＰＵ３１は、図５に示すフローチャートのステップＳ１０で利用者の認証処理が完了したことに基づいて、図６に示す画面を表示部３９に表示させる。

【0058】

図６は、表示部３９に表示される表示例である。図６に示す表示部３９には、メッセージ情報３９Ａ、最大出力情報３９Ｂ、充電時間情報３９Ｃ、及び最大料金情報３９Ｄが表示されている。

【0059】

メッセージ情報３９Ａは、利用者に対する種々のメッセージを示している。一例として、図６では、メッセージ情報３９Ａとして「以下から選択してください」と表示されている。

【0060】

最大出力情報３９Ｂは、車両に出力する最大の電力量及び最大の電力量に応じた１分ごとの単価の組合せを示している。一例として、図６に示す最大出力情報３９Ｂは、４５ｋＷの単価が３０円／分、９０ｋＷの単価が５５円／分、１５０ｋＷの単価が９０円／分であることを示している。そして、当該最大出力情報３９Ｂでは、上から２行目のチェックボックスにチェックマークが付されている。これにより、図６に示す画面では、車両に出力する最大の電力量として９０ｋＷが選択されている。

【0061】

充電時間情報３９Ｃは、車両への充電を行う充電時間を示している。一例として、図６に示す充電時間情報３９Ｃは、１５分、３０分、及び４５分の３種類の充電時間を示している。そして、当該充電時間情報３９Ｃでは、上から２行目のチェックボックスにチェックマークが付されている。これにより、図６に示す画面では、充電時間として３０分が選択されている。

【0062】

最大料金情報３９Ｄは、最大出力情報３９Ｂ及び充電時間情報３９Ｃの選択結果に基づく最大充電料金を示している。一例として、図６に示す最大料金情報３９Ｄは、最大充電料金が１，６５０円になることを示している。

【0063】

以上説明したように、第２の実施形態に係る充電装置２０では、充電開始前に、車両に出力する最大の電力量及び最大の電力量に応じた１分ごとの単価の組合せと、車両の充電時間とを選択させる画面が表示部３９に表示される。これにより、当該充電装置２０によれば、充電開始前に、充電料金の上限額を利用者に把握させることができる。

【0064】

（第３の実施形態）
次に、本実施形態に係る充電システム１０の第３の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。

【0065】

第３の実施形態に係る充電システム１０では、上記実施形態において充電装置２０が備える機能構成の一部を、充電装置２０に代えてサーバ４０が備える。具体的には、当該充電システム１０では、図３に示す機能構成のうち、充電装置２０が取得部３１Ａ及び送信部３１Ｃを備え、サーバ４０が算出部３１Ｂを備える。

【0066】

また、サーバ４０が算出部３１Ｂを備える場合、単価情報は、充電装置２０の記憶部３４に代えて又は加えて、サーバ４０の記憶部４４に記憶されている。この場合、充電装置２０の送信部３１Ｃは、車両への充電中における所定の送信タイミング（例：１０秒間隔）で充電情報をサーバ４０に送信する。また、当該送信部３１Ｃは、車両への充電が終了したことに基づいて充電情報をサーバ４０に送信する。上記の充電情報は、充電装置２０の状態、時刻、車両に出力した充電電力量、及び車両の走行用バッテリの充電率等を含む。そして、サーバ４０の算出部３１Ｂは、取得した充電情報と、記憶部４４に記憶された単価情報とに基づいて、充電時間における充電料金を算出する。なお、充電装置２０からサーバ４０へは、充電情報に限られず、他の情報も送信可能である。

【0067】

図７は、充電装置２０により実行される処理の流れを示す第２のフローチャートである。
図７に示すステップＳ２０において、ＣＰＵ３１は、利用者の認証処理を行う。そして、ＣＰＵ３１は、ステップＳ２１に進む。

【0068】

ステップＳ２１において、ＣＰＵ３１は、充電が開始されたか否かを判定し、開始されたと判定した場合（ステップＳ２１：ＹＥＳ）、ステップＳ２２に進む。一方、ＣＰＵ３１は、充電が開始されていないと判定した場合（ステップＳ２１：ＮＯ）、充電が開始されるまで待機する。

【0069】

ステップＳ２２において、ＣＰＵ３１は、充電情報の送信タイミングであるか否かを判定し、送信タイミングであると判定した場合（ステップＳ２２：ＹＥＳ）、ステップＳ２３に進む。一方、ＣＰＵ３１は、充電情報の送信タイミングでないと判定した場合（ステップＳ２２：ＮＯ）、ステップＳ２４に進む。

【0070】

ステップＳ２３において、ＣＰＵ３１は、充電情報をサーバ４０に送信する。そして、ＣＰＵ３１は、ステップＳ２４に進む。当該ステップＳ２３で送信された充電情報を取得したサーバ４０は、例えば次の処理を行う。まず、サーバ４０は、当該充電情報に基づいて、現時点における充電電力量及び走行用バッテリの充電率をグラフ化する。そして、サーバ４０は、グラフ化した充電電力量及び走行用バッテリの充電率を利用者端末（例：スマートフォン）から閲覧可能とする。これにより、利用者は、現時点における充電電力量及び走行用バッテリの充電率を把握することができる。

【0071】

ステップＳ２４において、ＣＰＵ３１は、充電が終了されたか否かを判定し、終了されたと判定した場合（ステップＳ２４：ＹＥＳ）、ステップＳ２５に進む。一方、ＣＰＵ３１は、充電が終了されていないと判定した場合（ステップＳ２４：ＮＯ）、ステップＳ２２に戻る。

【0072】

ステップＳ２５において、ＣＰＵ３１は、充電情報をサーバ４０に送信する。そして、ＣＰＵ３１は、図７に示すフローチャートの処理を終了する。当該ステップＳ２５で送信された充電情報を取得したサーバ４０は、当該充電情報と、記憶部４４に記憶された単価情報とに基づいて、充電時間における充電料金を算出する。

【0073】

以上説明したように、充電システム１０は、充電装置２０側で充電料金を算出することに限られず、サーバ４０側で充電料金を算出することもできる。

【0074】

（その他）
上記実施形態では、車両を「充電対象」の一例としたが、これに限らず、ノートパソコン及びスマートフォン等の他の媒体を「充電対象」の一例としてもよい。

【0075】

上記実施形態では、単位時間の一例を「１分」としたが、これに限らず、単位時間の一例を「３０秒」及び「５分」等のように、「１分」より長くしても短くしてもよい。

【0076】

上記実施形態において、単価情報に含まれる情報を、時間帯又は曜日等に応じて異ならせてもよい。例えば、朝（６：００～１１：５９）の時間帯における１～１０ｋＷは「７円／分」、昼（１２：００～１７：５９）の時間帯における１～１０ｋＷは「５円／分」等と単価情報を設定してもよい。また、平日（月火水木金）における１～１０ｋＷは「３円／分」、休日（土日）における１～１０ｋＷは「５円／分」等と単価情報を設定してもよい。

【0077】

上記実施形態において、充電装置２０の表示部３９に表示される情報は図６に示す内容に限定されない。例えば、図６に示す内容に加えて、充電中における現在の充電料金が表示部３９に表示されてもよい。

【0078】

なお、上記実施形態でＣＰＵ３１がソフトウェア（プログラム）を読み込んで実行した処理をＣＰＵ以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ－Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ）等の製造後に回路構成を変更可能なＰＬＤ（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｌｏｇｉｃ Ｄｅｖｉｃｅ）、及びＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの１つで実行してもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡ、及びＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ等）で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。

【0079】

また、上記実施形態では、充電料金算出プログラム３４Ａが記憶部３４に予め記憶（インストール）されている態様を説明したが、これに限定されない。充電料金算出プログラム３４Ａは、ＣＤ－ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、及びＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、充電料金算出プログラム３４Ａは、ネットワークＮを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。

【符号の説明】

【0080】

１０ 充電システム
２０ 充電装置
３１Ａ 取得部
３１Ｂ 算出部
３１Ｃ 送信部
３４Ａ 充電料金算出プログラム
３９ 表示部
４０ サーバ（外部装置）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】