(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064047
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0283 20230101AFI20240507BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172345
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博之
(72)【発明者】
【氏名】宇野 佐登志
(72)【発明者】
【氏名】栗原 義輝
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】本開示は、利用者に公平な充電料金を請求することを目的とする。
【解決手段】充電装置は、所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、
を備える、
充電装置。
【請求項2】
前記充電時間内において前記充電対象に電流が流れなくなった場合に、前記充電装置が利用できないことを示す情報を外部装置に送信する送信部を備える、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電時間内においては、前記充電対象に電流が流れているかいないかに関わらず、前記充電対象が充電中であることが表示される表示部を備える、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電時間内において前記充電対象に電流が流れていない場合、前記表示部は、前記充電対象に電流が流れていない時間は課金対象外である旨を表示する、
請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記充電時間内において前記充電対象に電流が流れなくなった後、前記充電対象に電流を流すことが可能となった場合、前記充電対象に再度電流を流し始める制御部を備える、
請求項1に記載の充電装置。
【請求項6】
充電対象への充電を行う充電装置と、
前記充電装置における充電料金を前記充電装置の利用者へ請求する外部装置と、
を備え、
前記充電装置は、所定の充電時間内において前記充電対象に電流が流れ始めた開始時刻及び前記充電対象に電流が流れなくなった終了時刻を送信し、
前記外部装置は、前記充電時間における単位時間ごとの単価と、前記充電装置から取得した前記充電対象に電流が流れていた前記開始時刻及び前記終了時刻とに基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
充電システム。
【請求項7】
所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得し、
取得した前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
処理をコンピュータが実行する充電料金算出方法。
【請求項8】
コンピュータに、
所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得し、
取得した前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、
処理を実行させるための充電料金算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、充電スペースの利用時間に応じた課金を行うことのできる充電器課金システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術のように、従来のシステムでは、充電終了条件が成立した場合又は利用者が明示的に充電を終了するための操作を行った場合に充電終了となる。そして、従来のシステムでは、充電開始時刻と充電終了時刻との差分に基づいて充電時間が算出されるため、当該充電時間内に充電対象に電流が流れていない時間があっても、その時間も充電時間に含まれてしまい、利用者にとって不公平な充電料金を請求される場合があった。
【0005】
そこで、本開示は、利用者に公平な充電料金を請求することができる充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る充電装置は、所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する算出部と、を備える。
【0007】
本開示に係る充電システムは、充電対象への充電を行う充電装置と、前記充電装置における充電料金を前記充電装置の利用者へ請求する外部装置と、を備え、前記充電装置は、所定の充電時間内において前記充電対象に電流が流れ始めた開始時刻及び前記充電対象に電流が流れなくなった終了時刻を送信し、前記外部装置は、前記充電時間における単位時間ごとの単価と、前記充電装置から取得した前記充電対象に電流が流れていた前記開始時刻及び前記終了時刻とに基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する。
【0008】
本開示に係る充電料金算出方法は、所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得し、取得した前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、処理をコンピュータが実行する。
【0009】
本開示に係る充電料金算出プログラムは、コンピュータに、所定の充電時間内において充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価を取得し、取得した前記充電対象に電流が流れていた時間、及び前記充電時間における単位時間ごとの単価に基づいて、前記充電時間における充電料金を算出する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、利用者に公平な充電料金を請求することができる充電装置、充電システム、充電料金算出方法、及び充電料金算出プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】充電装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】充電装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】充電装置により実行される処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図6】充電装置により実行される処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態に係る充電システム10について説明する。
本実施形態に係る充電システム10は、利用者に公平な充電料金を請求するシステムである。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る充電システム10の第1の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、充電システム10の概略構成を示す図である。
図1に示すように、充電システム10は、充電装置20及びサーバ40を含む。充電装置20及びサーバ40は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。サーバ40は「外部装置」の一例である。
【0015】
充電装置20は、電気自動車(EV)及びプラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載されている走行用バッテリへの充電を行う装置である。車両は「充電対象」の一例である。なお、充電装置20の種類は限定されず、急速充電装置でもよいし、普通充電装置でもよい。
【0016】
サーバ40は、所定の事業者が保有するサーバコンピュータであって、充電装置20における充電料金を充電装置20の利用者へ請求するものである。なお、
図1では、充電システム10におけるサーバコンピュータをサーバ40の1台としているが、これに限らず、充電システム10におけるサーバコンピュータは複数台存在してもよい。
【0017】
次に、充電装置20のハードウェア構成を説明する。
図2は、充電装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、充電装置20は、マイコン30と、通信部35と、充電開始ボタン36と、充電終了ボタン37と、計測器38と、表示部39とを含む。
【0019】
マイコン30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、及び記憶部34を含んで構成されている。
【0020】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又は記憶部34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又は記憶部34に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0021】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0022】
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。各種プログラムの一例として、記憶部34には、充電料金算出プログラム34Aが格納されている。
【0023】
通信部35は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。通信部35は、ネットワークNに対して接続されている。
【0024】
充電開始ボタン36は、車両への充電を開始するためのハードウェアキーである。
充電終了ボタン37は、車両への充電を終了するためのハードウェアキーである。
【0025】
計測器38は、充電装置20の所定の回路における情報を計測する装置である。一例として、計測器38は電圧計であり、当該回路に流れる電圧値を計測する。
【0026】
表示部39は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部39は、タッチパネル方式を採用して入力機能を有していてもよい。表示部39をタッチパネル方式とする場合は、充電開始ボタン36及び充電終了ボタン37をソフトウェアキーで構成してもよい。なお、表示部39は「表示部」の一例である。
【0027】
ここで、充電装置20では、充電開始ボタン36が操作されたことに基づいて車両への充電を開始し、充電終了ボタン37が操作されたことに基づいて車両への充電を終了する。そして、第1の実施形態に係る充電システム10では、充電開始ボタン36が操作されてから充電終了ボタン37が操作されるまでの間の時間が「充電時間」となる。
【0028】
また、充電装置20では、車両に出力可能な最大の電力量(以下、「最大電力量」とする)が予め定められており、充電装置20の状態及び車両の状態に応じて、最大電力量の範囲内の電力量を車両に出力する。
【0029】
次に、充電装置20の特徴的な機能構成について説明する。
図3は、充電装置20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、充電装置20のCPU31は、機能構成として、設定部31A、取得部31B、算出部31C、送信部31D、及び制御部31Eを有する。各機能構成は、CPU31が記憶部34に記憶された充電料金算出プログラム34Aを読み出し、実行することにより実現される。
【0031】
設定部31Aは、計測器38の計測結果を監視し、当該計測結果に応じた充電装置20の状態を設定する。一例として、設定部31Aは、車両に出力した出力電圧と計測器38により計測された電圧値との関係に基づいて、充電装置20の状態を設定する。そして、設定部31Aは、当該関係が第1の関係にある場合、充電装置20の状態を、充電装置20が車両に接続されていない未接続状態に設定する。また、設定部31Aは、当該関係が第2の関係にある場合、充電装置20の状態を、充電装置20が車両に接続されているが、充電が行われていない非充電状態に設定する。さらに、設定部31Aは、当該関係が第3の関係にある場合、充電装置20の状態を、充電装置20が車両に接続され、充電が行われている充電中状態に設定する。
【0032】
取得部31Bは、所定の充電時間内において車両に電流が流れていた時間を取得する。具体的には、取得部31Bは、車両への充電が終了したことに基づいて、充電時間内において設定部31Aが充電装置20の状態を充電中状態に設定した時間を取得する。
【0033】
また、取得部31Bは、充電時間における1分ごとの単価を取得する。ここで、記憶部34には、充電装置20における1分ごとの単価を示す単価情報(例:2円/分)が記憶されている。そして、取得部31Bは、車両への充電が終了したことに基づいて、記憶部34に記憶された単価情報から充電時間における1分ごとの単価を取得する。
【0034】
算出部31Cは、取得部31Bが取得した、車両に電流が流れていた時間、及び充電時間における1分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金を算出する。例えば、充電時間を5時間(300分)、充電時間内において車両に電流が流れていた時間を4時間(240分)とすると、算出部31Cは以下の充電料金を算出する。具体的には、算出部31Cは、2×240=480で、充電時間における充電料金を「480円」と算出する。
【0035】
送信部31Dは、充電時間内において車両に電流が流れ始めて開始情報送信フラグが成立した場合に、車両の充電が開始したことを示す情報(以下、「開始情報」とする)をサーバ40に送信する。また、送信部31Dは、上記の開始情報送信フラグがONの状態で充電時間内において車両に電流が流れなくなった場合に、充電装置20が利用できないことを示す情報(以下、「終了情報」とする)をサーバ40に送信する。具体的には、送信部31Dは、充電時間内において、設定部31Aにより充電装置20の状態が充電中状態に設定された場合に開始情報を送信し、非充電状態に設定された場合に終了情報を送信する。そして、開始情報又は終了情報を取得したサーバ40は、取得した情報に基づいて、後述する記憶部44に記憶された充電装置情報を更新する。
【0036】
また、送信部31Dは、上記の開始情報及び終了情報に加え、以下の情報もサーバ40に送信する。
【0037】
例えば、送信部31Dは、算出部31Cが算出した充電時間における充電料金を示す料金情報をサーバ40に送信する。その後、サーバ40は、取得した料金情報に基づいて、充電装置20の利用者に対して充電料金を請求する。一例として、サーバ40は、充電装置20の利用者を特定する利用者ID(Identification)に紐付くクレジットカードに、取得した料金情報に基づく金額を課金することで、当該利用者に充電料金を請求する。なお、これに代えて、サーバ40は、利用者IDに紐付く利用者端末(例:スマートフォン)に料金情報を送信して充電料金を請求してもよい。この場合、利用者は、利用者端末を通じて、いわゆるスマホ決済等の決済手段で充電料金を支払うことができる。
【0038】
また、送信部31Dは、充電装置20の利用者を特定する利用者ID、利用者の使用実績、充電時間、及び充電電力量等を示す利用者情報をサーバ40に送信する。さらに、送信部31Dは、充電装置20の状態、例えば、待機中、充電中、又は故障中等であるかを示す充電装置情報をサーバ40に送信する。
【0039】
そして、上記の料金情報、利用者情報、及び充電装置情報をサーバ40に送信するタイミングは限定されず、例えば、充電装置20側で定めた所定のタイミングで送信してもよいし、サーバ40側からの送信要求を充電装置20側で取得したタイミングで送信してもよい。
【0040】
制御部31Eは、充電時間内において車両に電流が流れなくなった後、車両に電流を流すことが可能となった場合、車両に再度電流を流し始める。ここで、車両に電流が流れなくなった後、車両に電流を流すことが可能となった場合は、例えば、車両側のスケジュール機能で設定されている充電禁止期間が経過した場合、及び走行用バッテリの保護時間が経過した場合等を含む。そして、設定部31Aにより充電装置20の状態が充電中状態に設定されたことに基づいて車両に再度電流を流し始める場合、制御部31Eは、送信部31Dに開始情報をサーバ40に送信するよう指示する。
【0041】
次に、サーバ40のハードウェア構成を説明する。
図4は、サーバ40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、サーバ40は、CPU41、ROM42、RAM43、記憶部44、入力部45、表示部46、及び通信部47を備えている。各構成は、バス48を介して相互に通信可能に接続されている。
【0043】
CPU41は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU41は、ROM42又は記憶部44からプログラムを読み出し、RAM43を作業領域としてプログラムを実行する。CPU41は、ROM42又は記憶部44に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0044】
ROM42は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM43は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0045】
記憶部44は、HDD、SSD又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。記憶部44には、充電装置20から送信された料金情報、利用者情報、及び充電装置情報が記憶される。なお、充電装置20から開始情報が送信された場合、CPU41は、記憶部44に記憶された充電装置情報を充電中に更新して、充電装置20が利用中であることを他の利用者に把握可能とする。また、充電装置20から終了情報が送信された場合、CPU41は、記憶部44に記憶された充電装置情報を待機中又は故障中等に更新する。例えば、終了情報に続いて充電終了ボタン37が操作されて充電終了条件が成立したことを示す情報が送信されていない場合は、CPU41は、充電装置情報を故障中に更新して、充電装置20が利用できないことを他の利用者に把握可能とする。また、終了情報に続いて上記情報が送信された場合は、CPU41は、充電装置情報を待機中に更新して、充電装置20が利用できることを他の利用者に把握可能とする。また、記憶部44には、充電装置20の位置を示す位置情報、及び充電装置20の予約状況を示す予約情報等も記憶されている。
【0046】
入力部45は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0047】
表示部46は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部46は、タッチパネル方式を採用して、入力部45として機能してもよい。
【0048】
通信部47は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。通信部47は、ネットワークNに対して接続されている。
【0049】
図5は、充電装置20により実行される処理の流れを示す第1のフローチャートである。CPU31が記憶部34から充電料金算出プログラム34Aを読み出して、RAM33に展開して実行することにより、当該処理が行われる。
【0050】
図5に示すステップS10において、CPU31は、利用者の認証処理を行う。当該認証処理では、利用者が保有する充電認証カード及びスマートフォン等を用いて、充電装置20を利用する利用者の認証が行われる。そして、CPU31は、ステップS11に進む。
【0051】
ステップS11において、CPU31は、充電が開始されて車両に電流が流れているか否かを判定し、流れていると判定した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に進む。一方、CPU31は、車両に電流が流れていないと判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS14に進む。一例として、CPU31は、充電開始ボタン36が操作された後、充電装置20の状態を充電中状態に設定した場合に、車両に電流が流れていると判定する。
【0052】
ステップS12において、CPU31は、開始情報送信フラグが成立しているか否かを判定し、成立していると判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS13に進む。一方、CPU31は、開始情報送信フラグが成立していないと判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS14に進む。
【0053】
ステップS13において、CPU31は、開始情報をサーバ40に送信すると共に、開始情報送信フラグをONに設定する。そして、CPU31は、ステップS14に進む。
【0054】
ステップS14において、CPU31は、車両に電流が流れてなく、かつ開始情報送信フラグがONであるか否かを判定し、車両に電流が流れてなく、かつ開始情報送信フラグがONであると判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS15に進む。一方、CPU31は、車両に電流が流れてなく、かつ開始情報送信フラグがONでないと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS16に進む。一例として、CPU31は、充電装置20の状態を非充電状態に設定した場合に、車両に電流が流れていないと判定する。
【0055】
ステップS15において、CPU31は、終了情報をサーバ40に送信すると共に、開始情報送信フラグをOFFに設定する。そして、CPU31は、ステップS16に進む。
【0056】
ステップS16において、CPU31は、充電が終了されたか否かを判定し、終了されたと判定した場合(ステップS16:YES)、ステップS17に進む。一方、CPU31は、充電が終了されていないと判定した場合(ステップS16:NO)、ステップS11に戻る。一例として、CPU31は、充電終了ボタン37が操作された場合に、充電が終了されたと判定する。
【0057】
ステップS17において、CPU31は、取得処理を行う。当該取得処理では、ステップS11からステップS16までの充電時間内において車両に電流が流れていた時間と、記憶部34に記憶された単価情報から充電時間における1分ごとの単価とが取得される。そして、CPU31は、ステップS18に進む。
【0058】
ステップS18において、CPU31は、算出処理を行う。当該算出処理では、ステップS17で取得した、車両に電流が流れていた時間、及び充電時間における1分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金が算出される。そして、CPU31は、ステップS19に進む。
【0059】
ステップS19において、CPU31は、送信処理を行う。当該送信処理では、ステップS18で算出した充電時間における充電料金がサーバ40に送信される。そして、CPU31は、フローチャートの処理を終了する。
【0060】
以上説明したように、第1の実施形態に係る充電装置20では、CPU31は、所定の充電時間内において車両に電流が流れていた時間、及び充電時間における1分ごとの単価を取得する。そして、CPU31は、取得した、上記の車両に電流が流れていた時間及び上記の1分ごとの単価に基づいて、充電時間における充電料金を算出する。これにより、当該充電装置20によれば、実際に車両に電流が流れていた時間に基づく充電料金が利用者に請求されるため、利用者に公平な充電料金を請求することができる。
【0061】
また、第1の実施形態に係る充電装置20では、CPU31は、充電時間内において車両に電流が流れなくなった場合に終了情報をサーバ40に送信する。これにより、当該充電装置20によれば、サーバ40により充電装置20に対応する充電装置情報が故障中に更新されることで、他の利用者が充電装置20に充電に訪れることを抑制することができる。
【0062】
また、第1の実施形態に係る充電装置20では、表示部39に、充電時間内においては、車両に電流が流れているかいないかに関わらず、車両が充電中であることが表示される。例えば、充電時間内においては、車両に電流が流れているかいないかに関わらず、表示部39に「充電中」との文字が表示される。これにより、当該充電装置20によれば、利用者に車両が充電中であることを把握させることができる。
【0063】
また、第1の実施形態に係る充電装置20では、充電時間内において車両に電流が流れていない場合、表示部39は、車両に電流が流れていない時間は課金対象外である旨を表示する。例えば、CPU31は、充電時間内に充電装置20の状態を非充電状態に設定した場合、当該非充電状態の期間は表示部39に「現在は課金対象外です」との文字を表示させる。これにより、当該充電装置20によれば、利用者に課金対象外の状態にあることを把握させることができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る充電装置20では、CPU31は、充電時間内において車両に電流が流れなくなった後、車両に電流を流すことが可能となった場合、車両に再度電流を流し始める。これにより、当該充電装置20によれば、利用者に充電再開の操作をさせることなく、車両に再度電流を流し始めることができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本実施形態に係る充電システム10の第2の実施形態について、上記実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0066】
第2の実施形態に係る充電システム10では、上記実施形態において充電装置20が備える機能構成の一部を、充電装置20に代えてサーバ40が備える。具体的には、当該充電システム10では、
図3に示す機能構成のうち、充電装置20が設定部31A、取得部31B、送信部31D、及び制御部31Eを備え、サーバ40が算出部31Cを備える。
【0067】
また、サーバ40が算出部31Cを備える場合、充電装置20に対応する単価情報は、充電装置20の記憶部34に代えて又は加えて、サーバ40の記憶部44に記憶されている。
【0068】
上記の場合、充電装置20の送信部31Dは、充電時間内において開始情報送信フラグが成立したことに基づいてサーバ40に送信する開始情報に、当該電流が流れ始めた開始時刻を示す開始時刻情報を付加する。なお、充電時間内において開始情報を複数回送信する場合、当該送信部31Dは、2回目以降の開始情報に車両に出力した充電電力量及び車両の走行用バッテリの充電率等を付加してもよい。この場合、サーバ40は、取得した2回目以降の開始情報に基づいて現時点における充電電力量及び走行用バッテリの充電率をグラフ化し、グラフ化した充電電力量及び走行用バッテリの充電率を利用者端末(例:スマートフォン)から閲覧可能としてもよい。これにより、利用者は、現時点における充電電力量及び走行用バッテリの充電率を把握することができる。
【0069】
また、充電装置20の送信部31Dは、充電時間内において車両に電流が流れなくなったことに基づいてサーバ40に送信する終了情報に、当該電流が流れなくなった終了時刻を示す終了時刻情報を付加する。そして、サーバ40の算出部31Cは、取得した開始情報が示す開始時刻と終了情報が示す終了時刻との差分を1セットの充電時間として算出する。その後、算出部31Cは、算出した充電時間と、記憶部44に記憶された単価情報とに基づいて、当該充電時間における充電料金を算出する。
【0070】
図6は、充電装置20により実行される処理の流れを示す第2のフローチャートである。なお、
図6に示すステップS20からステップS26までの処理は、
図5に示すステップS10からステップS16までの処理と同様のため説明を省略又は簡略する。
【0071】
ここで、
図6に示すフローチャートでは、ステップS26において、CPU31は、充電が終了されたか否かを判定し、終了されたと判定した場合(ステップS26:YES)、ステップS27に進む。
【0072】
ステップS27において、CPU31は、送信処理を行う。当該送信処理では、充電終了ボタン37が操作されて充電終了条件が成立したことを示す情報がサーバ40に送信される。そして、CPU31は、フローチャートの処理を終了する。当該ステップS27で送信された情報を取得したサーバ40は、充電時間内における各セットの充電時間の充電料金を合算して、充電時間全体の充電料金を算出する。
【0073】
以上説明したように、充電システム10は、充電装置20側で充電料金を算出することに限られず、サーバ40側で充電料金を算出することもできる。
【0074】
(その他)
上記実施形態では、車両を「充電対象」の一例としたが、これに限らず、ノートパソコン及びスマートフォン等の他の媒体を「充電対象」の一例としてもよい。
【0075】
上記実施形態では、単位時間の一例を「1分」としたが、これに限らず、単位時間の一例を「30秒」及び「5分」等のように、「1分」より長くしても短くしてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態でCPU31がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理をCPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0077】
また、上記実施形態では、充電料金算出プログラム34Aが記憶部34に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。充電料金算出プログラム34Aは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、充電料金算出プログラム34Aは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10 充電システム
20 充電装置
31B 取得部
31C 算出部
31D 送信部
31E 制御部
34A 充電料金算出プログラム
39 表示部
40 サーバ(外部装置)