(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064071
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 605B
A63F5/04 620
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172394
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 大
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CA01
2C182CD12
2C182CD34
2C182DA27
2C182DA35
2C518CA03
2C518CA08
(57)【要約】
【課題】基板構成を改善した遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機301は、メダルレス遊技機であり、遊技に関する制御を実行可能な主制御基板310と、遊技価値に関する制御を実行可能なメダル数制御基板312とを備え、メダル数制御基板312は、一の種類の遊技機を制御するための第1制御情報と、他の種類の遊技機を制御するための第2制御情報と、備え、主制御基板310から所定情報を受信することに基づいて、第1制御情報及び第2制御情報のいずれか一方を用いて、遊技価値の付与に関する特定制御を実行可能である。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、
遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段と、
前記遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段と、
を備え、
前記遊技価値制御手段は、
一の種類の遊技機を制御するための第1制御情報と、他の種類の遊技機を制御するための第2制御情報と、備え、
前記遊技制御手段から所定情報を受信することに基づいて、前記第1制御情報及び前記第2制御情報のいずれか一方を用いて、前記遊技価値の付与に関する特定制御を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、
遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段と、
前記遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段と、
遊技者に前記遊技価値を付与するときに前記遊技価値に関する情報を表示可能な表示手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記遊技価値制御手段に送信可能な情報として、第1特定情報と、前記第1特定情報とは異なる第2特定情報と、備え、
前記遊技価値制御手段は、
一の種類の遊技機を制御するための第1制御情報と、他の種類の遊技機を制御するための第2制御情報と、備え、
前記遊技制御手段から前記第1特定情報を受信することに基づいて、前記遊技価値を遊技者に付与するときの前記表示手段の表示態様を、前記第1制御情報を用いて第1表示態様に制御可能とし、
前記遊技制御手段から前記第2特定情報を受信することに基づいて、前記遊技価値を遊技者に付与するときの前記表示手段の表示態様を、前記第2制御情報を用いて第2表示態様に制御可能とする
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、
遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段と、
前記遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段と、
通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記通常遊技状態に制御可能な通常区間と、前記特定遊技状態に制御可能な有利区間と、を制御可能な区間制御手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記遊技価値制御手段に送信可能な情報として、第1特定情報と、前記第1特定情報とは異なる第2特定情報と、備え、
前記遊技価値制御手段は、
前記遊技制御手段から前記第1特定情報を受信することに基づいて、前記有利区間において実行されたゲームの回数を計数するように制御可能であり、
前記遊技制御手段から前記第2特定情報を受信することに基づいて、前記有利区間において実行されたゲームの回数を計数しないように制御可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、
遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段と、
前記遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段と、
複数の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記遊技価値制御手段は、
複数の遊技状態のうち、一の遊技状態から他の遊技状態への移行が発生した場合に、外部に遊技状態に関する情報を出力するための出力手段を備え、
前記遊技制御手段から所定情報を受信することに基づいて、前記出力手段を有効化する制御及び前記出力手段を無効化する制御のいずれか一方を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルなどの物理的な遊技媒体の介在なしに遊技を行えるスロットマシンなどの遊技機があった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一形態は、実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段と、前記遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段と、を備え、前記遊技価値制御手段は、一の種類の遊技機を制御するための第1制御情報と、他の種類の遊技機を制御するための第2制御情報と、備え、前記遊技制御手段から所定情報を受信することに基づいて、前記第1制御情報及び前記第2制御情報のいずれか一方を用いて、前記遊技価値の付与に関する特定制御を実行可能であることを特徴とする遊技機の構成にした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の一実施形態に係るメダルレス遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】第1実施形態のメダルレス遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態のメダルレス遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態のメダルレス遊技機における遊技方法を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態のメダルレス遊技機における遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
【
図6】第1実施形態の計数ボタンランプの発光態様を示す図である。(a)は消灯状態、(b)は点灯状態、(c)は低速点滅、(d)は高速点滅を示す。
【
図7】第1実施形態の計数を促す報知情報の一例を示す図である。(a)は小表示、(b)は大表示を示す。
【
図8】第1実施形態の計数完了後における投入メダルの有無に応じた報知方法を示すフローチャートである。
【
図9】(a)は計数完了後に投入メダルが残っていない場合の報知情報の一例であり、(b)は計数完了後に投入メダルが残っている場合の報知情報の一例である。
【
図10】第1実施形態の計数ボタンの長押し状態継続を示すタイムチャートである。
【
図11】(a)は計数ボタンの操作中はボーナス告知が待機されることを示す図であり、(b)は特定条件が成立した場合には、計数ボタンの操作中であってもボーナス告知が実行されることを示す図である。
【
図12】第2実施形態の遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図13】第2実施形態の遊技機の遊技当日の差枚数の変化を、模式的に示すグラフである。
【
図14】第3実施形態の遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図15】第3実施形態のメダルレス遊技機における主制御基板での機種識別情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板での機種識別情報受信処理を示すフローチャートである。
【
図17】第3実施形態のメダルレス遊技機における主制御基板での払出情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図18】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板での払出処理を示すフローチャートである。
【
図19】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル払出時の遊技メダル数表示装置での表示内容を説明するための図である。
【
図20】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板でのゲーム数計数処理を示すフローチャートである。
【
図21】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板でのボーナス情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図22】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板での制限機能有効化処理を示すフローチャートである。
【
図23】第3実施形態のメダルレス遊技機におけるメダル数制御基板での押し順ベル役入賞監視処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態では、本発明の前提となる主要な機能を備えた遊技機について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せず、メダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機ともいう)である。
以下、メダルレス遊技機として、AT(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なAタイプのスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称する。
【0008】
図1は、メダルレス遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。
表示窓6の側部には、有利区間ランプ13を設けており、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。
前扉1aの上部には、報知手段として動作する表示器8を備えている。表示器8は、例えば、1画面の液晶表示器を例示することができるが、これに限らず、複数画面の構成(例えばメイン画面とサブ画面)でもよい。なお、表示器8に代え又は加えて前扉1aの下部(下パネル)に液晶表示器を設けても良く、必ずしも表示器8を設けなくてもよい。
【0009】
表示器8の側方には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時や表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
【0010】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御部10を備え、また、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御部20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0011】
図3に示すように、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15などの各部が接続されている。
なお、
図3の破線部(専用ユニット19)は外部の機器であることを示している。
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
副制御部20には、ナビランプ12、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、表示器8、スピーカ9、ランプ11などの各部が接続されている。
副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
【0012】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、遊技価値表示手段であり、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(RAMなど)と表示手段(7セグLEDなど)とを備え、主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり払い出された場合は、その貸出数や払出数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、表示手段に表示する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による払出しにより遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0013】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(一時的にRAMに記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(一時的にRAMに記憶)する。
主制御部10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0014】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0015】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を、計数データとして機外の専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御部10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御部10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示装置7において「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御部10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示装置7において「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば返却ボタンが操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
【0016】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0017】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0018】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(掛け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0019】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0020】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御部20は、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、
図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、掛け数表示手段であり、遊技における掛け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御部20は、遊技の開始(スタートレバー3の操作)を検知すると、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御部20は、精算ボタン2dの操作に応じ、ベット数に対応する遊技メダルが投入されたことを検知すると、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入に応じて消灯する。
【0021】
有利区間ランプ13は、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する報知手段である。
有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するが、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(AT等)中に点灯するようにしてもよい。
ただし、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0022】
確率設定装置16はATの当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御部10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてATの当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0023】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御部10が、入力した貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0024】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、返却操作(返却ボタンの押下)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0025】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータ等と呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
【0026】
メダルレス遊技機1における遊技(メダルレス遊技ともいう)について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
遊技開始処理を実行する(S1)。
遊技開始処理では、まず、メダルレス遊技機1は、専用ユニット19から出力された貸出データを入力する。
具体的には、遊技者が、専用ユニット19において遊技メダルの貸出操作を行うと、専用ユニット19から貸出数を特定可能な貸出データが出力されるので、メダルレス遊技機1は、この貸出データを入力する。
メダルレス遊技機1は、貸出データを入力すると、主制御部10が、当該貸出データに基づいて貸出数を特定し、当該貸出数に対応する遊技メダル数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示させる。
「貸出数」が「100」の場合、遊技メダル数表示装置7において表示されている初期の遊技メダル数は「0」であるから、「0」から「100」(=0+100)に更新される。
遊技開始処理では、次に、遊技者による操作に応じ、遊技メダルの投入を行う。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新し、副制御部20は、ベット数ランプ2fが有する3つのランプをすべて点灯させる。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
【0027】
抽選処理を実行する(S2)。
遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御部10は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
副制御部20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0028】
リール回転処理を実行する(S3)。
具体的には、主制御部10が、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0029】
リール停止処理を実行する(S4)。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御部10は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0030】
入賞処理を実行する(S5)。
主制御部10は、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0031】
払出処理を実行する(S6)。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、対応する数の遊技メダルを払い出す処理を実行する。
主制御部10は、例えば、10枚払出役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に払出数「10」を加算する。
【0032】
メダルレス遊技機1は、複数の遊技状態を遷移しながらS1~S6の処理を実行することができる。
図5は、メダルレス遊技機1において遊技可能な遊技状態の遷移図である。
図5に示すように、メダルレス遊技機1は、通常遊技状態、CZ状態、AT状態の遊技状態を移行可能に構成されている。
主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御を実行する。
例えば、CZ状態への移行をかけたCZ移行抽選やAT状態への移行をかけたAT移行抽選が各ゲームにおいて実行され、CZ移行抽選に当選すると次ゲーム以降にCZ状態に移行し、AT移行抽選に当選すると次ゲーム以降にAT状態に移行するように制御を実行する。
副制御部20は、遊技状態や所定条件に応じて表示器8等の報知手段を介して演出を行う。
例えば、連続演出における当落分岐の演出(例えば、CZ状態において、複数ゲームに亘りAT当選の可能性を示唆する表示を行いつつ、特定の操作手段(例えばMAXベットボタン2b)の操作に応じAT移行抽選の抽選結果を表示する演出など)を行う。
通常遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが設定されていて、各ゲームにおいて、CZ状態やAT状態への移行確率が、通常確率状態よりも高確率状態の方が高まるように制御される。
また、ATの当選確率は、低設定値よりも高設定値の方が高まるように制御される。
また、ATの当選確率を当選役によって異ならせることもできる。例えば、レア役に当選した場合におけるATの当選確率を非レア役におけるものと比べ高確率に設定する。
【0033】
主制御部10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
また、主制御部10の初期状態(リセット時)には通常区間に制御され、通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
【0034】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間と比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間の終了条件としては、所定の遊技状態が終了した場合や有利区間リミッタに到達した場合に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
有利区間リミッタは、「1回の有利区間中の遊技メダルの獲得数(差数)が、上限数(例えば、2400)に到達した」という条件を満たすことである。
このため、主制御部10は有利区間中に獲得した遊技メダル数を計数し、記憶部に記憶する。
また、有利区間では、有利区間ランプ13は点灯可能な状態に制御される。
なお、これに限らず、有利区間に移行後、遊技者が保有する遊技メダル数が増加する遊技状態(AT中等)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯を開始してもよい。
また、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0035】
遊技終了処理を実行する(S7)。
遊技終了処理では、遊技メダルの計数処理を実行する。
具体的には、遊技者により計数ボタン2cが操作されると、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7に記憶・表示されている遊技メダル数を計数する。
より具体的には、計数ボタン2cが短押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する。
計数ボタン2cが長押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を減算する。
計数ボタン2cの長押しが継続された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算する。
これにより計数量を特定可能な計数データが専用ユニット19に出力される。
専用ユニット19は、入力した計数データに基づき計数量の総数を持メダル数として記憶する。
専用ユニット19では、返却操作に応じ、カードユニットにおいて持メダル数がICカードに記憶され、次いで、当該ICカードがカードユニットから排出される。
なお、ICカードは、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」の場合にのみ排出可能である。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作して計数処理を実行させる必要がある。
遊技者は、排出されたICカードに基づいて再遊技や景品交換を行うことができる。
再遊技は、S1において現金を投入する代わりに、ICカードをカードユニットに挿入する。
これにより、専用ユニット19における貸出操作等に応じ遊技開始処理(S1)が実行可能になり、次いで、抽選処理(S2)~払出処理(S6)が実行可能になる。
【0036】
本発明に係るメダルレス遊技機1は、上述の構成に加え、以下の特徴的な構成を備えている。各項目の構成をそれぞれ単独で搭載してもよく、組み合わせて搭載してもよい。
【0037】
(報知手段による計数誘導)
本発明のメダルレス遊技機1において、副制御部20は、計数ボタンランプ2eなどの報知手段において計数ボタン2cの操作を促す報知を実行することができる。
計数ボタンランプ2eは、計数ボタン2cの周辺に設けられるLEDのランプである。
計数ボタンランプ2eを、計数ボタン2cに内蔵して計数ボタン2cそのものを発光させることもできる。
例えば、計数ボタン2cの操作が可能な状態では、計数ボタンランプ2eを点灯し、計数ボタン2cの操作が不可能な状態では、計数ボタンランプ2eを消灯する。
つまり、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が、
図6(a)に示すように「0」の場合には計数ボタンランプ2eを消灯し、
図6(b)に示すように当該遊技メダル数が「1」以上の場合には計数ボタンランプ2eを点灯する。
これにより、計数ボタンランプ2eが点灯している場合、計数ボタン2cの操作が可能であることを遊技者に知らせることができる。
また、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が上限値に近い場合(例えば15000以上の場合)、計数ボタンランプ2eを点滅するように制御する。
このように、計数ボタンランプ2eを点滅させることで、遊技者に、計数ボタン2cの操作を一層促すことができる。
すなわち、計数ボタンランプ2eを遊技者が認識し易いように発光させることで、遊技メダル数が上限値に近く、そのまま、遊技メダルが払い出された場合に「遊技不可」の状態になることや、当該「遊技不可」の状態になる前に、計数ボタン2cの操作を行うことで、「遊技不可」を回避できることを知らせることができる。
計数ボタンランプ2eを点滅させる場合、遊技メダル数が上限値に近づくほど点滅速度を速くする制御も可能である。これにより、遊技メダル数がより上限値に近いことを遊技者が一層認識しやすいようにできる。
例えば、遊技メダル数表示装置7において記憶されている遊技メダル数が「15000以上で、かつ、16000未満」の場合(例えば、
図6(c)に示すように「15000」の場合)、計数ボタンランプ2eを低速点滅させ、当該遊技メダル数が「16000以上で、かつ、16000未満」の場合(例えば、
図6(d)に示すように16000の場合)、計数ボタンランプ2eを高速点滅させる。
このように、計数ボタンランプ2eなどの報知手段は、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値の量)が例えば「15000~16000」(第1の量)である場合に、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作を促す計数ボタンランプ2eの点灯(第1報知)を実行可能であり、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値の量)が例えば「16000~16300」の場合(第1の量よりも多く上限値よりも少ない場合)に、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作を促す計数ボタンランプ2eの点灯(第2報知)を実行可能であり、第2報知は、第1報知よりも、遊技者が認識しやすい報知になるように高速点滅にしてある。
計数ボタンランプ2eの発光色を変化させることで上記計数誘導を行うことができる。
例えば、第1報知として緑色で計数ボタンランプ2eを点灯又は点滅させ、第2報知として赤色で計数ボタンランプ2eを点灯又は点滅させるようにもできる。
また、このような段階的な計数誘導を、表示器8を介して報知することもできる。
例えば、
図7(a)に示すように、第1報知として「計数してください。」という報知情報を小さい文字で表示(小表示)し、
図7(b)に示すように、第2報知として「計数してください。」という報知情報を大きい文字で表示(大表示)することができる。
図7(b)に示すように、「あと○○枚で上限値に達します。」という報知情報を加えてもよい。
また、スピーカから音声などの音情報で上記報知情報などを報知することもできる。
また、所定ゲーム数毎に報知を行うこともでき、上限値に近づくほど報知タイミングが速くなるように、ゲーム数の間隔を少なくしたり、音量を大きくすることができる。
このような報知手段による計数誘導により、遊技メダル数表示装置7における上限値超過により「遊技不可」の状態となる前に、遊技者に適切な計数操作を案内して「遊技不可」の状態とならないようにすることができる。
【0038】
(計数ボタンの演出時の利用)
計数ボタン2cを演出時の操作手段として使用することができる。
副制御部20は、例えば、連続演出における当落分岐の演出として、通常、表示器8等を介して「MAXベットボタンを押せ」というメッセージを報知させるところ、「計数ボタンを押せ」というメッセージを報知したり、計数ボタン2cの操作に応じてプレミア演出を実行したり、「○○○体撃破せよ」というメッセージを表示させ、計数ボタン2cの操作により計数量が○○○に到達したことに応じてプレミア演出を実行するなど、演出と計数とを連動させることができる。
また、計数させたいときに、これら演出の頻度を高くしてもよい。
例えば、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が上限値に近づくほど演出の実行頻度を高くする。
また、「遊技メダル数」が存在している(1以上ある)ときにのみ計数操作と連動した演出を実行するように制御してもよい。
すなわち、表示器8などの報知手段において、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が「1」以上である場合に、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作を促す報知を実行可能であり、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が「0」である場合に、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作を促す報知を実行しないようにできる。
【0039】
(計数中のBGM再生)
遊技メダルの計数中(計数ボタン2cの操作中)にBGM(例えば、従来のスロットマシンにおける払い戻し音)を再生することができる。
例えば、所定場所(メダル払い出し口の周辺等)にスピーカ等の発音手段を設け、副制御部20が、当該発音手段から払い出し音を出力させる。
これにより、従来のスロットマシンを模した演出を実行することができる。
ただし、遊技中にも計数できてしまう(計数ボタン2cの操作が可能)ので、遊技状況に応じてBGMの再生態様を制御してもよい。
例えば、「非遊技中」は通常音量で再生し、「遊技中」は極小音量で再生し、「連続演出中」は無音で、「入賞による払出中」は払い出し音優先(例えば、払い出し音の音量を他のBGMより大きくする)で再生する。
これにより、状態に応じた適切なBGM再生を行うことができる。
また、計数中のBGMを、短押しと長押しで異なるようにしてもよい。
例えば、短押し時は「ピピ」という短押し用BGMを再生し、長押し時(50)は「50」計数ごと(300ミリ秒ごと)に「ピロリロ~」という長押し用BGMを再生する。
また、短押しの場合、BGMが非常に短くなるが、連続で短押しが行われた場合、計数の判定としてはそれぞれ短押しと判定されるが、BGM再生の判定としては「長押し」と判定して、長押し用のBGMを再生してもよい。
また、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が多い場合(例えば1万)、長押し中、BGMを途中で再生しないようにしてもよいし、長押し状態を維持したまま特定数の計数を超過した場合(例えば1万突破した場合)、特別なBGMに切り替えて再生してもよい。
特別なBGMに切り替える場合、さらに表示器8やランプなどでも演出内容を切り換えるなどして、連動する演出を行ってもよい。
【0040】
(投入メダルが残っている場合の計数誘導)
計数完了後に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」の場合、副制御部20は、「また遊んでね」などの遊技の終了を示す報知情報1を表示器8に表示したりスピーカ9から音声で出力させることができる。
このような報知情報1の報知により、計数の完了を認識させることができる。
なお、計数完了後に当該遊技メダル数が「1」以上記憶・表示されている場合、報知情報1は報知しない。
この場合、遊技者は、計数ボタン2cを操作して、当該遊技メダル数を「0」にする必要がある。
遊技メダルが「1」でもあると、専用ユニット19においてICカードの返却ができない仕様だからである。
ただし、このような専用ユニット19の仕様だと、遊技メダル数表示装置7で記憶・表示されている遊技メダル数が「0」であれば、ベット数が設定されている(投入メダルが残っている)状態でもICカードの返却ができてしまう。
このため、遊技者が投入メダルが残っていることに気づかずにそのまま帰ったり、他の遊技者により盗用されるなどの問題が発生する。
そこで、本実施形態のメダルレス遊技機1は、計数完了後に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」の場合で、かつ、投入メダル(ベット数)が残っている場合(ベット数ランプ2fが点灯状態の場合)は、「投入メダルがあるよ!精算してね!」といった精算操作を促す報知情報(報知情報2)を報知する。
すなわち、表示器8などの報知手段は、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作され遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が「0」となった場合であって、ベット数ランプ2f(掛け数表示手段)に表示されるベット数(掛け数)が「1」以上である場合に、精算ボタン2d(特定操作手段)の操作を促す報知を実行し、他方、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作され遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が「0」となった場合であって、ベット数ランプ2f(掛け数表示手段)に表示されるベット数(掛け数)が「0」である場合に、精算ボタン2d(特定操作手段)の操作を促す報知を実行しない。
【0041】
図8は、計数完了後における投入メダル数の有無に応じた報知方法を示すフローチャートである。
同図に示すように、主制御部10は、計数ボタン2cの操作があったか否かを判定する(S11)。つまり、計数操作の有無を判定する。
計数ボタン2cの押下があった場合(Yes)、遊技メダル数が「0」か否かを判定する(S12)。つまり、計数が完了したか否かを判定する。
具体的には、主制御部10は、計数ボタン2cの押下があったことが判定された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」か否かを判定する。
S12において遊技メダル数が「0」でない場合(S12-No)、S11に戻る。
つまり、計数が完了していない場合、計数操作により遊技メダル数を「0」にする必要がある。
S12において遊技メダル数が「0」の場合(S12-Yes)、投入メダル数が「0」か否かを判定する(S13)。つまり、計数が完了している場合、次に、投入メダルの有無を判定する。
投入メダルの有無は、具体的には、RAMに「1」、「2」又は「3」のベット数が記憶(設定)されていれば投入メダル数は「0」でない(投入メダルはない)と判定し、ベット数が記憶(設定)されていなければ投入メダル数は「0」(投入メダルは有る)と判定する。
S13において、投入メダル数が「0」である場合(S13-Yes)、報知情報1を報知する(S14)。つまり、計数完了後において、投入メダルが残っていない場合に報知情報1を報知する。
例えば、
図9(a)に示す「また遊んでね」などの報知情報を表示器8において表示する。
遊技者は、この報知情報をみることで、安心して遊技を終了することができる。
S13において、投入メダル数が「0」でなかった場合(S13-No)、報知情報2を報知する(S15)。つまり、計数完了後において、投入メダルが残っている場合に報知情報2を報知する。
例えば、
図9(b)に示す「投入メダルがあるよ。精算してね!」など、精算を促すメッセージを表示器8において表示する。
これにより、遊技者に、投入メダルが残っていることや、その精算が必要なことを気づかせることができる。
このように、遊技メダル数表示装置7において「1」でも遊技メダルが記憶・表示されていると、専用ユニット19においてICカードの返却ができないが、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」であれば投入メダルが残っている状態でもICカードの返却ができてしまうことにより、遊技者が投入メダルが残っていることに気づかずにそのまま帰ったり、他の遊技者により盗用されるなどの問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0042】
(計数ボタンの長押し継続)
主制御部10は、計数ボタン2cの長押し状態は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」になった後も継続するようにして、当該遊技で払出しが発生したときには、この払出分も長押しによる計数の対象と判定する。
計数ボタン2cの操作中も遊技が出来てしまうが故の対応であり、また、計数しながら残り数ゲームだけ遊技したことで発生した払出分も計数されるので、計数ボタン2cを押し直すことなく遊技を終了することができる。
【0043】
図10のタイムチャートを参照しながら詳細に説明する。
前提として、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「120」で、投入メダル数(ベット数)は「3」残っているものとする。
この場合、計数ボタン2cの長押しが継続されると、同図に示すように、1回目、2回目、3回目の長押し検知により計数量「50」が遊技メダル数から減算され、その結果、3回目の長押し検知により遊技メダル数が「0」になる。
ただし、投入メダルは残っているので、遊技メダル数が「0」になった後でも遊技を行うことができる。
本例では、遊技メダル数が「0」になった後に、残っている投入メダルを使用して遊技を行い、内部抽選処理において、特定の小役(10枚払出役)に入賞したものとする。
ここで、本実施形態のメダルレス遊技機1は、遊技メダル数が「0」になった後も、計数ボタン2cが長押し操作された状態である場合には、当該操作を有効に扱うように制御する。
これにより、その後に払い出された遊技メダルを最大「50」の範囲内で自動的に計数することができる。
つまり、このとき、遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数は特定の小役の入賞に応じて「10」加算されるため「0」から「10」に更新されるが、計数ボタン2は長押し操作されたままであるため、再操作することなく、自動的に、当該「10」が計数量として計数され、当該計数量を示す計数データが専用ユニット19に送信される。
【0044】
すなわち、本実施形態のメダルレス遊技機1は、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作された場合に所定の処理を実行可能な処理手段を備え、この処理手段は、計数ボタン2c(計数操作手段)が短押し(第1の態様)で操作された場合、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル(遊技価値)のうち、「1」(最小単位)の遊技価値を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するための第1処理を実行可能とし、計数ボタン2c(計数操作手段)が前記第1の態様よりも操作受付時間が長い態様である長押し(第2の態様)で操作された場合、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)のうち、「50」(特定単位)の遊技価値を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するための第2処理を実行可能とし、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が0となった後も計数ボタン2c(計数操作手段)が第2の態様で操作されたまま、遊技の結果に基づいて遊技メダル(遊技価値)が付与された場合に、当該遊技メダル(遊技価値)も計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するための第3処理を実行するようにしてある。
このように、遊技者は計数ボタン2cの長押し操作を行いながら遊技を行うことで、遊技メダル数がなくなったあとの遊技で獲得した遊技メダルについて、計数操作を開始した後に獲得した遊技メダルを含め、すべての遊技メダルを計数することができる。
このため、計数ボタン2cの長押し時の快適性を高めることができる。
【0045】
(計数に係る演出の省略)
電源投入後、遊技可能になると同時に計数ボタン2cが有効となるが、このとき、計数に関する各種演出の実行が間に合わないか否かを、演出に関わる各機器の状態(立ち上がり状態)により判定し、当該判定の結果に応じて演出を実行するか省略するかを制御することができる。
例えば、上述の「計数ボタンの演出時の利用」などにおいて、計数ボタン2cと表示器8とを連携させた演出について説明したが、この場合、電源投入後、表示器8の立ち上げが完了していないことが判定された場合には、特定条件が満たされたとしても当該演出を省略する。
なお、演出に関わる各機器が立ち上がり完了/非完了は、立ち上がり完了までに要する時間の経過/非経過に基づいて判定したり、例えば表示器8の場合は所定画面の表示/非表示を画像認識技術を用いて判定することができる。
【0046】
(計数操作に関する説明)
計数に関する操作方法を表示器8において表示する。
例えば、計数ボタン2cを短押しした場合には遊技メダルが「1」計数され、計数ボタン2cを長押しした場合には遊技メダルが最大「50」計数され、計数ボタン2cの長押しが継続された場合には遊技メダルが最大「50」づつ計数される旨の説明を表示器8に表示する。
特に、上述の「遊技不可」の状態になった場合の対処方法(計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値未満に減らす方法)を「遊技不可」発生時に表示器8に表示する。
また、非遊技中に表示器8に表示するメニュー画面などから、計数の方法を文字だけでなく図や映像を使って説明してもよい。
特に、「15000」以上貯めないでほしい旨(遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数が上限値近くまで到達したら計数ボタン2cを操作して減数して欲しい旨)や上限値が「16300」であることなどについて注意書きを表示する。
これにより、メダルレス遊技機1に慣れていない遊技者によるメダルレス遊技を効果的にサポートすることができる。
【0047】
(他の機能)
他の機能として、以下の機能を設けることもできる。
【0048】
(下パネルにおける演出)
下パネルに液晶表示器(表示器8)を備える場合、出玉状況が見えるように出玉に応じたメダルの映像を表示することができる。
例えば、ドル箱や、下からメダルがあふれる表現など、実物のメダルが払い出されているように見える映像を再生する。
下パネルに液晶表示器を備えない場合、LED等を使用して箱数を表現するなどして出玉感を表現してもよい。
これにより、従来のスロットマシンで遊技をしているような演出効果を奏することができる。
【0049】
(小ドアの設置)
前扉1aよりも物理的に小さい小ドアを設け、小ドアを開いたときに、主基板周辺のコネクタ抜けや、電源ボタン周辺だけを露出させて、これらを局所的にチェックできるようにできる。
従来のスロットマシンは、セレクターやホッパーなど、メダル処理に必要な機器を備えており、これらの機器をチェックするために前扉1aという大きなドアを開く必要があった。
これに対し、本発明のメダルレス遊技機1は、実物のメダルを使用しないため、セレクターやホッパーなどのハードウエア部品が少なく、その分、チェック範囲が限定されるため、当該チェック範囲に小ドアを設ければ足りる。
これにより、メダルレス遊技機1の構成をより簡素化・小型化することができ、店員によるチェックも容易化できる。
【0050】
(誤差玉への対応)
ベット数(例えば1や2)が設定されたまま(残存したまま)放置されている場合のリセット機能を搭載することができる。
具体的には、遊技メダル数表示装置7において記憶されている遊技メダル数は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によりリセットする(「0」にする)ことができるが、ベット数が設定されている状態でリセットされても、ベット数は残存したままである。
このため、本発明のメダルレス遊技機1では、ベット数が残存する状態において、遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合には、ベット数をリセットすると共に、専用ユニット19に対し残存ベット数を含むリセット情報を出力するようにする。
そして、専用ユニット19は、入力したリセット情報をホールコンピュータ(非図示)に転送するようにすれば、ホールコンピュータにおいてリセット情報に含まれる残存ベット数を誤差玉(誤差メダル数)として検出できるようになる。
このような残存ベット数のリセット機能を搭載しない場合、ベット数を記憶するRAMのクリアや遊技メダル数クリアボタン14の操作を行う必要があり、ベット数が設定されている状況では「精算ボタン2dの操作」→「計数ボタン2cの操作」という手順を経る必要がある。
本発明のメダルレス遊技機1は、残存ベット数のリセット機能を備えることで、このような煩わしい操作を行う必要がなく、ホールコンピュータにおいて、効率よく正確に誤差玉を把握することができる。
【0051】
(プレミア演出)
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数や、1回の有利区間内での払出数が特定数に到達したときなど、特定の条件が満たされた場合に、プレミア演出として、表示器8等において、従来の遊技機(実物のメダルを使用するスロットマシン)において報知されるホッパーエラーが生じていることを表示する演出を行うことができる。
メダルレス遊技機1では実物のメダルを使用することはなく、ホッパーエラーが生じることはあり得ない。
このため、ホッパーエラーの表示が遊技者はすぐに何かの演出(プレミア演出)だと気づく可能性が高く、意外性のある演出が可能である。
プレミア演出は、5秒程度のフリーズ演出でもよい。
すなわち、報知手段は、実物のメダル(遊技媒体)を使用して遊技を行うことが可能な従来のスロットマシン(遊技機)において実行されていたホッパーエラーなどの実物のメダル(遊技媒体)に関する演出などの報知を特定の条件が成立した場合に実行可能である。
【0052】
(ウェイト時間を利用した報知)
ウェイト時間を利用した報知を行うことができる。
スロットマシン遊技では、スタートレバー3の操作があっても、前回のゲームでのリール41の回転開始からの経過時間が規定時間(4.1秒)を経過していない場合には、リール41の回転開始を一時的に待機させて(ウェイト時間を発生させて)リールの回転開始を遅延させるように規定されている。
実物のメダルを使用するスロットマシン遊技の場合、いずれかのタイミングではメダルを投入することがあり、そのメダルの投入に時間を取られることからウェイト時間が発生せずフルウェイトで遊技するのが難しかった。
これに対し、メダルレス遊技の場合、遊技メダルの投入はベットボタン操作だけなので、投入に時間を取られないため、ウェイト時間が発生することが多くフルウェイトでの遊技が容易となる。
ただし、メダルレス遊技であっても、専用ユニット19における貸出操作は必要なことから、本実施形態のメダルレス遊技機1は、副制御部20において、ウェイト時間(遊技者側)中に表示器8に表示する制御を行う。
これにより、フルウェイトでの遊技をより容易に行うことができる。
また、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」となったタイミングで報知してもよく、当該遊技メダル数が1~2となったタイミングで報知してもよい。
【0053】
(計数ボタンを用いたボーナス告知)
計数ボタン2cの操作に応じてボーナス当選を告知することができる。
リアルボーナスの遊技が可能なAタイプのスロットマシンにおいて、ボーナスの当選を告知するための告知ランプを設ける機種が知られている。
この種の告知ランプは、ボーナス当選ゲームのゲーム終了時に遊技操作系ボタン(ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、停止ボタン5、スタートレバー3)が操作されていると、点灯せず待機状態となるように制御されることが知られている。
本発明のメダルレス遊技機1において、このようなボーナス告知制御を行うことができ、この場合、遊技操作系ボタンに計数ボタン2cを含めてもよく、含めなくてもよい。
遊技操作系ボタンに計数ボタン2cを含める場合、
図11(a)に示すように、ボーナスゲームの終了時(第3停止ボタンの解除時)をまたいで計数ボタン2cが押下されている場合には、当該押下中はボーナス告知を待機させておき、当該押下が解除されたこと(計数ボタン2cから遊技者の指が離されたこと)を契機としてボーナス告知を実行する。
なお、
図11(b)に示すように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が所定数以上(例えば、5000以上)、かつ、特定の抽選に当選した場合など、特定条件が成立した場合には、計数ボタン2cを操作していてもボーナス当選ゲームが終了したことを契機に告知ランプが点灯するなどして、これをプレミアパターンとして演出することもできる。
これにより、従来にない演出を実行できる。
【0054】
(貸出操作を促す報知)
報知手段は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が所定数になった場合に、所定の報知を行うことができる。
例えば、遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数が「1」や「2」などになったときは、「貸し出しを行ってください」などのメッセージを表示器8に表示する。
すなわち、報知手段は、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)が特定の量になった場合に、専用ユニット19における貸し出し操作(遊技に使用可能な遊技価値を貸出データとして外部から入力するための操作)を促す報知を実行可能にしてある。
これにより、遊技メダル数の不足により遊技メダルの投入ができず、遊技が滞る問題を未然に防ぐことができる。
【0055】
以上説明したように、本発明の遊技機は、実物のメダルを使用せずに遊技を行うことが可能なメダルレス遊技機1であって、遊技メダル数表示装置7に表示される遊技メダル数が上限値未満かつ所定数以上となった場合に計数操作を促す報知を行うようにしている。
例えば、計数ボタン2c又はその周辺にLEDなどの発光手段を設け、計数できるときは点灯、計数できないときは消灯、計数を誘導するとき(遊技メダル数が16000以上の場合)は点滅などに制御する。
これにより、「遊技不可」となる前に、遊技者に適切な操作を案内することができる。
また、本発明の遊技機は、遊技メダル数表示装置7に表示される遊技メダル数を計数する操作を行った際、遊技メダル数が「0」となり、かつ、投入メダル(ベット分)が残っている場合に、投入メダルを精算又は使用することなどを促す報知を行い、遊技メダル数が「0」となっていない場合は上記報知を行わないようにしている。
これにより、遊技メダル数表示装置7に「1」でも遊技メダルが残っていると、専用ユニット19においてカード返却操作ができないが、遊技メダル数表示装置7の遊技メダルが0であれば遊技メダルがベットされていてもカード返却操作ができてしまうという仕様であっても、ベット分の取り忘れを防ぐことができる。
【0056】
また、本発明の遊技機は、遊技メダル数表示装置7に表示される遊技メダル数を計数する操作を行った際、計数ボタン2cの長押し操作により「50」ずつ計数し続ける制御が実行されるところ、計数ボタン2cの長押し状態は、遊技メダル数表示装置7の遊技メダル数が0になった後も継続するように制御することで、長押し状態が継続したまま遊技を行い当該遊技で払出しが発生した場合、この払出分も長押しによる計数の対象として処理することができる。
これにより、計数ボタン2cの長押し操作時の快適性を高めることができる。
【0057】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-134010)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機では、遊技機にデータとして記憶する遊技価値の処理に関する検討が十分とはいえない問題があった。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、各実施形態及び他実施形態間で互いに同様の機能を果たす部分には、適宜、同様な名称を付し、また、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号等を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
【0059】
(遊技機201の構成)
図12は、第2実施形態の遊技機201の制御構成を示すブロック図である。
本実施形態の遊技機201は、第1実施形態と同様に、実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な装置である。つまり、遊技機201は、メダルとしてメダル数記憶部212aに記憶した疑似メダル(いわゆるクレジットメダル)を利用した遊技を実行する。
副制御部20等を備える副制御基板220Aの構成は、第1実施形態と同様である。副制御基板220Aは、例えば、遊技に関する演出等を制御可能である。
【0060】
一方、主制御基板210Aは、主に遊技に関する処理、制御を実行する第1モジュール211、主にメダル数に関する処理、制御を実行する第2モジュール212を備える。つまり、第1実施形態の主制御基板は、主制御部10を有する1つのモジュールが、遊技及びメダル数に関する処理、制御を統括して実行していたのに対して、本実施形態の主制御基板210Aは、2つのモジュールの主制御部211b、メダル数制御部212bがこれらの処理、制御を内容に応じて分担して実行する。
第1モジュール211、第2モジュール212は、同一の電気基板によって構成されていてもよく、主制御基板210Aを2つの電気基板に分離して構成されていてもよい。
このように、主制御基板210Aを2つに電気基板を分離した形態では、両基板間を電気ケーブルで接続して通信可能にすればよい。この形態では、主制御基板210Aを収容するケースは、2つの電気基板を一緒に収容するケースを設けてもよく、また、2つの電気基板を個別に収容する2つのケースを設けてもよい。
【0061】
第1モジュール211と、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、有利区間ランプ13等との間は、必要に応じて通信可能である。
第1モジュール211は、主記憶部211a、主制御部211b(遊技制御手段)を備える。
主記憶部211aは、各種抽選処理に利用するテーブル、遊技に関する各種プログラム等の情報を記憶する。
主制御部211bは、遊技に関する処理、制御(各種抽選処理、遊技状態の制御等)を実行する。
【0062】
第2モジュール212と、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、遊技メダル数表示装置7、電源装置15等との間は、必要に応じて通信可能である。第2モジュール212と、専用ユニット19(台間装置)等との間は、遊技機201に設けられた接続端子板19aを介して通信可能に接続されている。また、第1モジュール211及び第2モジュール212の間は、必要に応じて通信可能である。
第2モジュール212は、メダル数記憶部212a、メダル数制御部212b(遊技価値制御手段、計数手段、第1出力手段、第2出力手段)等を有する。
メダル数記憶部212aは、メダル数に関する処理、制御を行うための各種情報(当日の差枚数、MY、プログラム等)を記憶する。
メダル数制御部212bは、メダル数に関する制御、処理等を実行する。
【0063】
(メダルカウント処理)
図13は、第2実施形態の遊技機201の遊技当日の差枚数の変化を、模式的に示すグラフである。
メダル数制御部212bは、メダルカウント処理として、当日の遊技開始からの差枚数、MYをカウントする。メダル数制御部212bは、差枚数、MYを、遊技機201の電源がオフの状態からオンにされることにより、ゼロにリセットする。詳細な説明は省略するが、メダル数制御部212bは、従来と同様なメダルカウント処理(メダル投入数、メダル払出枚数のカウント)を実行する。
メダル数制御部212bは、これらのカウント情報(計数手段の計数結果に関する情報)を、遊技性能情報として、所定タイミング毎に、主制御部211b、専用ユニット19に送信する。
【0064】
その後、これらのカウント情報は、専用ユニット19からホールコンピュータ等を介して、複数の遊技機を統括的に管理する機関等(遊技機情報センタ等)に送信されてもよい。
また、主制御部211bは、少なくとも一定間隔で、メダル数制御部212bから受信したメダルカウント情報を、副制御部20に送信してもよい。
【0065】
実施形態において、メダルの差枚数、MYの用語は、以下の意味で用いる。
(差枚数)
差枚数(Y枚)は、純差枚数である。つまり、「差枚数(Y枚)=総払い出し枚数-総投入枚数」である。このため、差枚数は、「総払い出し枚数<総投入枚数」であればマイナスとなり、一方、「総払い出し枚数>総投入枚数」であればプラスとなる。
【0066】
(MY)
MYは、遊技当日の遊技時点における差枚数(Y枚)と、差枚数最小値(Ymin)との差数を示す。差枚数最小値は、遊技時点において、遊技者による遊技価値の消費が、電源投入後最も大きくなった状態の数値である。また、MYは、差枚数最小値を更新してから、遊技者が遊技価値をどれだけ獲得したかを示す。
つまり、「MY=|Y-Ymin|」である。なお、MYは、「Ymin≦Y」の場合のみ更新される。
【0067】
例えば、
図13の例では、差枚数Yは、遊技開始後に減少する。そして、差枚数Yは、遊技回数X1の時点において-5000枚となる。メダル数制御部212bは、Yminとして-5000枚をメダル数記憶部212aに記憶する(♯1)。
遊技回数X1以降は、遊技回数X5の時点において、差枚数Yは、-5000枚よりも小さい数値である-10000枚である。メダル数制御部212bは、Yminとして-10000枚をメダル数記憶部212aに記憶し、つまりYminを更新する(♯2)。
【0068】
上記例では、当日の遊技開始から遊技回数X1までのMYは、ゼロとなる。
また、遊技回数X1以降、遊技回数X2までは、MYは、遊技回数X1の差枚数-5000枚を基準として、カウントされる。例えば、遊技回数X2(X=X2、Y=2000)時点のMYは、7000(=|2000-(-5000)|)となる。
遊技回数X5以降では、差枚数最小値Yminは、-5000枚から-10000枚に更新される。例えば、遊技回数X6(X=X6、Y=2000)時点のMYは、12000(=|2000-(-10000)|)となる。このように、遊技回数X2,X6のMYは、差枚数が同じ2000枚であっても、基準となる差枚数最小値Yminが異なるため、数値が異なる。
このように、MYのカウントは、当日の差枚数最小値が起点となるため、ある時点で差枚数最小値が更新されると、その差枚数最小値が新たな起点となる。
【0069】
(MY上限値に到達時の処理)
メダル数制御部212bは、メダルカウント処理によるMYが上限値である19000枚に到達したことの条件を満たした場合に、MY上限到達情報(特定情報)を主制御部211bに送信する。なお、MYの上限値は、機種の仕様等に応じて適宜変更することができる。また、MY上限到達情報(特定情報)を送信する条件は、MYが19000枚を超えたこと等にしてもよい。
なお、メダル数制御部212bは、MYが19000枚を超えたゲームにおいて、差枚数については、MYが19000枚を超えた枚数についてもカウントする。
例えば、ベット前の状態でMYが18999であり、ゲーム開始時において3枚ベットすることによりMYが18996の状態で15枚役に入賞した場合には、MYが19011となる。この場合、メダル数制御部212bは、19000枚を超えた枚数11枚については、差枚数(つまり遊技者の獲得メダル)としてカウントする。
【0070】
図13の例では、遊技回数X8の遊技終了時点で、MYが19000枚である。このため、メダル数制御部212bは、遊技回数X8の遊技終了時点で、遊技終了情報を主制御部211bに送信する(♯3)。
主制御部211bは、MY上限到達情報の入力があるか否かを、常時監視している。主制御部211bを構成するCPUは、MY上限到達情報が入力される入力端子を有していてもよく、通常の通信処理でMY上限到達情報を受信するようにしてもよい。
なお、MYが増減するタイミングは、メダル払出処理終了後のみであるので、主制御部211bは、MY上限到達情報の監視(特定情報を受け取ったか否かを判定する処理)を、メダル払出処理終了後のみに実行してもよい。
主制御部211bは、MY上限到達情報をメダル数制御部212bから受信することに応じて、メダル数制御部212bに対して、動作停止命令(動作停止の命令の発動)を送信する。
【0071】
メダル数制御部212bは、主制御部211bからの動作停止命令を受けたことに応じて、専用ユニット19に対して動作停止命令を受けたことを通知する。メダル数制御部212bは、動作停止命令を受けた後には、メダルカウント処理を停止してもよい。また、専用ユニット19は、この通知後には、新たなメダルの貸し出しを停止してもよい。
【0072】
メダル数制御部212bは、動作停止命令を受けたことに応じて、主制御部211bに対して、専用ユニット未接続時と同様の通知を行う。
これに応じて、主制御部211bは、ベットボタン2a,2bによるメダル投入操作、スタートレバー3等のレバー操作を受け付けない遊技終了状態(特定状態)に制御する。つまり、主制御部211bは、遊技に関する制御のうち、メダル投入操作、スタートレバー3のレバー操作等を受け付ける制御(特定制御)を実行不能な状態に制御する。
【0073】
但し、メダル数制御部212bは、MY上限到達情報を送信後であっても、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作を受け付ける。これにより、遊技者は、獲得したメダルを計数処理して、専用ユニット19に出力後、ICカードに記憶させて払い出すことができる。
また、主制御部211bにおいても、精算ボタン2dの操作を受け付けてもよい。
なお、遊技機201、専用ユニット19は、このような計数処理、払い出し処理を、MYが19000枚以上になったことに応じて、自動で行ってもよい。
【0074】
以上の処理により、遊技機201の電源投入後、MYが19000枚以上になった場合には、遊技機201は、遊技に関する操作を受け付けない状態となるので、遊技者は、遊技を継続できない。
メダル数制御部212bは、遊技終了状態であるか否かに関わらず、遊技機201の電源がオフにされた後、再度電源投入されることにより、MYをゼロにリセットする。
また、主制御部211bは、設定値1~6の変更(打ち直し含む)の操作を受け付けたことにより、遊技終了状態を解除する。これにより、遊技機201は、再度遊技可能な状態に制御される。
【0075】
MYが19000枚に到達した場合における上記以外の制御は、遊技機201の仕様等に応じて、適宜設定できる。
例えば、遊技機201は、MYが19000枚に到達した場合に、以下の制御を行ってもよい。
(1)主制御部211bは、メダル数制御部212bからMY上限到達情報を受信した場合であっても、所定条件を満たしている場合には、遊技終了状態としない制御を実行してもよい。
所定条件は、例えば、ボーナス中のゲームにおいてMYが19000枚に到達した場合である。この場合には、主制御部211bは、MY上限到達情報を受信した場合であっても、このボーナス終了までは、遊技終了状態の発動を待機してもよい。また、主制御部211bは、このボーナス終了までは、メダル数制御部212bに対する動作停止の命令を待機してもよい。
これにより、遊技機201は、ボーナス終了まで遊技を継続でき、かつ、ボーナス中に遊技者に付与したメダル(19000枚を超えてボーナス中に増えた差枚数)をカウントできる。
【0076】
(2)MY19000枚の直前枚数(例えば18950枚等の所定数)を超えた状態(つまりMY上限到達情報の送信直前)のゲームにおいて、例えば、強ベル役、レア役の当選、入賞に応じて各種抽選処理が実行されることによりボーナスや上乗せの当選の可能性があり、かつ、入賞メダルが付与さることによりMYが19000枚に到達する状態では、副制御部20は、当該レア役等に対応する入賞時の演出(特定演出)を行わないようにしてもよい。つまり、副制御部20は、レア役等の入賞時の演出を、MY19000枚の直前枚数に到達前までは実行し、MY19000枚の直前枚数に到達後には実行しなくてもよい。
これにより、遊技機201は、MYが19000枚に到達し遊技終了となる遊技において、上記抽選処理が実行された場合であっても、上記抽選処理を遊技者に意識させないように制御できる。
【0077】
(3)MYは、リプレイ役が入賞しても、増減しない。そこで、上記(2)と同様にMY19000枚の直前枚数の状態のゲームにおいてリプレイ役が入賞した場合には、副制御部20は、リプレイ役入賞の演出(入賞音等)を変化させることにより、遊技終了状態の到達が近いことを、遊技者に報知するようにしてもよい。
なお、遊技終了状態の到達が近いことは、リプレイ役の入賞時に限らず、他の当選役の入賞時等にも報知するようにしてもよい。
【0078】
(4)主制御部211bは、動作停止命令を副制御部20に通知してもよい。この場合には、副制御部20は、遊技終了が終了したことを、表示器8に表示することにより、遊技者に報知してもよい。
ここで、遊技機201は、遊技者の遊技開始時の操作、遊技終了時の操作を受け付けることにより、遊技者の遊技履歴を、遊技者の終了操作に応じて二次元コード等に変換して、表示器8(メイン画面、サブ画面等)に表示する機能を有する場合には、副制御部20は、動作停止命令の通知後であっても、この遊技終了時の操作を受け付けるようにしてもよい。但し、動作停止命令の通知後には、遊技機201は、遊技を継続できない状態であるので、副制御部20は、この遊技開始時の操作を受け付けないようにしてもよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の遊技機201は、主制御基板210Aの制御、処理を、第1モジュール211の主制御部211b、第2モジュール212のメダル数制御部212bに分担することにより、これら制御部を構成する各CPUを効率よく動作させることができる。また、遊技機201は、MYの計数結果を、複数の処理に有効利用できる。
【0080】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、各実施形態及び他実施形態間で互いに同様の機能を果たす部分には、適宜、同様な名称を付し、また、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号等を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
【0081】
(遊技機301の構成)
図14は、第3実施形態における遊技機301の制御構成を示すブロック図である。
本実施形態の遊技機301は、第1実施形態と同様に、実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な装置である。つまり、遊技機301は、遊技メダルとしてメダル数記憶部312aに記憶した疑似メダル(いわゆるクレジットメダル)を利用した遊技を実行する。
副制御部20等を備える副制御基板320の構成は、第1実施形態と同様である。副制御基板320は、例えば、遊技に関する演出等を制御可能である。
【0082】
一方、第3実施形態の遊技機301の制御構成においては、主に遊技に関する処理、制御を実行する主制御基板310と、主に遊技メダル数に関する処理、制御を実行するメダル数制御基板312とを別個に備える。つまり、第1実施形態の主制御基板は、主制御部10を有する1つのモジュールが、遊技及びメダル数に関する処理、制御を統括して実行していたのに対して、本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を別個に備えて、2つの制御基板がこれらの処理、制御を内容に応じて分担して実行する。
このように、主制御基板310とメダル数制御基板312とを分離した形態では、主制御基板310とメダル数制御基板312とを個別に収納するケースを設けて、両基板間を、コネクタを有する電気ケーブルで着脱可能に接続して通信可能にすればよい。したがって、主制御基板310とメダル数制御基板312のいずれか一方のみを交換可能な構成となる。
【0083】
主制御基板310(主制御部310b)と、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、有利区間ランプ13等との間は、必要に応じて通信可能である。また、主制御基板310には電源装置15が接続され、電源装置15は各制御基板に電源を供給する。
主制御基板310(遊技制御手段)は、主記憶部310a、主制御部310bを備える。なお、主制御部310bが各種制御を行うので、主制御部310bが遊技制御手段を備えると捉えることもできる。
主記憶部310aは、各種抽選処理に利用するテーブル、遊技に関する各種プログラム等の情報を記憶する。
主制御部310bは、遊技に関する処理、制御(各種抽選処理、遊技状態の制御等)を実行する。例えば、ゲームの実行により当該ゲームに設定されたベット数を特定可能な制御情報がメダル数制御基板312に送信され、役の入賞時には、払い出されたメダル数を特定可能な制御情報がメダル数制御基板312に送信される。
【0084】
メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)と、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、遊技メダル数表示装置7、役比モニタ装置50との間は、必要に応じて通信可能である。メダル数制御基板312と、専用ユニット19(台間装置)等との間は、遊技機301に設けられた接続端子板19aを介して通信可能に接続されている。また、主制御基板310及びメダル数制御基板312の間は、必要に応じて通信可能である。
メダル数制御基板312(遊技価値制御手段)は、メダル数記憶部312a、メダル数制御部312b等を有する。なお、メダル数制御部312bが各種制御を行うので、メダル数制御部312bが遊技価値制御手段を備えると捉えることもできる。
メダル数記憶部312aは、メダル数に関する処理、制御を行うための各種情報(AT機に対応したプログラム、ノーマル機に対応したプログラム等)を記憶する。
メダル数制御部312bは、メダル数に関する制御、処理等を実行する。例えば、ゲームの実行に基づきベット数を特定可能な制御情報を主制御基板310(主制御部310b)から受信した場合には、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を当該ベット数に対応した分更新(減算)し、役の入賞時に基づき払い出されたメダル数を特定可能な制御情報を主制御基板310(主制御部310b)から受信した場合には、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を当該払出数に対応した分更新(加算)する。
なお、本第3実施形態においては、実物のメダル(遊技媒体)を使用しない構成であるので、上記「払出し」は、実際には実物のメダルが払い出されるものではなく、遊技者が保有する遊技メダル数が増加(遊技価値を付与)するものとなるが、実物のメダルを払い出す構成に本発明を適用してもよい。
【0085】
このように、本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を別個に設け、主制御基板310からの制御情報に基づき、メダル数制御基板312が遊技メダルの払出しに関わる処理を行うことから、機種変更等により主制御基板310が変更された場合でもメダル数制御基板312を共通的に使用することが可能となる。
すなわち、遊技機301は、遊技に関する制御を実行可能な遊技制御手段(主制御基板310)と、遊技価値に関する制御を実行可能な遊技価値制御手段(メダル数制御基板312)とを別個に備えるのである。
【0086】
また、遊技機301の機種を変更する際には、主制御基板310を変更することとなり、例えば、押し順ナビが実行される所謂AT機から押し順ナビが実行されない所謂ノーマル機に変更する際には、主制御基板310を変更することとなるが、メダル数制御基板312は、このような複数の主制御基板310に対応した制御が可能なプログラムを有していて、AT機の主制御基板310及びノーマル機の主制御基板310のいずれが接続された場合でも遊技メダルの払出しに関わる制御が可能となる。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、一の種類の遊技機(例えば、AT機)を制御するための第1制御情報(AT機に対応したプログラム)と、他の種類の遊技機(例えば、ノーマル機)を制御するための第2制御情報(ノーマル機に対応したプログラム)と、備え、遊技制御手段(主制御基板310)から所定情報を受信することに基づいて、第1制御情報及び前記第2制御情報のいずれか一方を用いて、遊技価値(遊技メダル)の付与に関する特定制御を実行可能となっている。
これにより、主制御基板310が変更された場合でも、メダル数制御基板312を共通的に使用して、遊技メダルの払出しに関わる制御を確実に行うことができる。
また、メダル数制御基板312を共通使用することにより、遊技機301の開発コストを低下することができる。
以下、上記特定制御について詳しく説明する。
【0087】
(役比モニタ装置)
まず、役比モニタ装置50について説明する。
本第3実施形態においては、メダル数制御基板312に役比モニタ装置50を備え、主制御基板310からの制御情報の受信に基づき、メダル数制御基板312が遊技メダルの払出し等に関わる役比モニタ情報を生成して表示する。
役比モニタ装置50は、7セグメントLED(DPあり)を4個用いることで4桁の数字を表示可能な装置であり、メダル数制御基板312の基板上に配設されてクリアケースを透して外部から役比モニタ情報を視認可能に構成され、役比モニタ情報として、累計の有利区間比率、累計の指示込役物比率、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の連続役物比率、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率を所定期間(例えば、4800ms)毎に切り替えて表示する。
【0088】
役物比率における「役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)、第2種特別役物(所謂CB)、及び普通役物(所謂SB)を示しており、「役物比率」とは、役物作動中の払出し÷総払出し×100で算出される比率である。
連続役物比率における「連続役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)を示しており、「連続役物比率」とは、第1種特別役物作動中の払出し÷総払出し×100で算出される比率である。
指示込役物比率における「指示込役物」とは、「役物」に指示機能(押し順ナビ)が作動した遊技(例えば、AT)における払出しを含んだものであり、「指示込役物比率」とは、(指示機能作動中の払出し、役物作動中の払出し)÷総払出し×100で算出される比率である。
【0089】
役比モニタ装置50における4個の7セグメントLEDで表示する4桁の数字のうち上位2桁の識別セグは、表示する情報を識別するためのものであり、「7U.」「7P.」、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」を表示する。例えば、識別セグに「7U.」と表示されている場合は、累計の有利区間比率であることを示し、識別セグに「7P.」と表示されている場合は、累計の指示込役物比率累計の有利区間比率であることを示している。
【0090】
役比モニタ装置50における4個の7セグメントLEDで表示する4桁の数字のうち下位2桁の比率セグは、各種比率の算出結果を表示するためのものであり、2個の7セグメントLEDを用いて2桁の数字で表示する。
また、役比モニタ装置50が正常な動作が可能であるかを確認するために、電源が投入されてから所定期間(例えば、4800msの間)は、識別セグと比率セグにはテストパターンを表示する。例えば、役比モニタ装置50を構成する4個の7セグメントLEDの全てを点滅態様で表示する。
【0091】
このように、本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を別個に設け、主制御基板310からの制御情報に基づき、共通使用するメダル数制御基板312が役比モニタ装置50に役比モニタ情報を生成して表示する構成とすることから機種変更等により主制御基板310が変更された場合でも共通使用したメダル数制御基板312で役比モニタ情報を表示することができる。
また、メダル数制御基板312を共通使用可能な構成であるため、主制御基板310毎に役比モニタ装置50を設計する必要性を無くすことができる。
【0092】
(機種識別情報の送受信)
本第3実施形態においては、主制御基板310からの制御情報に基づき、例えば、メダル数制御基板312が役比モニタ装置50に役比モニタ情報を生成して表示する構成であるため、主制御基板310の変更に応じて、変更された主制御基板310で制御する機種の識別情報をメダル数制御基板312が把握する必要が生じる。
そこで、本第3実施形態においては、遊技機301の電源投入時に、主制御基板310からメダル数制御基板312に機種を識別可能な機種識別情報を送信し、メダル数制御基板312では受信した機種識別情報に基づき、主制御基板310で制御される機種に対応した情報の生成や表示を行う。
機種識別情報は、例えば、押し順ナビ機能がなく遊技区間の制御を行わないノーマル機(所謂Aタイプ)、押し順ナビ機能があり遊技区間の制御を行うAT機、ボーナス搭載機等を識別可能な情報である。なお、機種識別情報は、各機種の遊技上の特徴的な機能や規格上で必須となる機能を識別可能な情報であれば何れでもよい。
【0093】
図15は、主制御基板310(主制御部310b)の電源投入時に実行される機種識別情報送信処理を示すフローチャートである。
まず、機種識別情報送信処理が実行されると、電源が投入されたか否かを判定する(S20)。つまり、遊技機301の電源投入の有無を判定する。
電源の投入がない場合(No)、本機種識別情報送信処理を終了する。
S20において電源の投入があった場合(S20-Yes)、機種識別情報を送信(S21)して本機種識別情報送信処理を終了する。つまり、遊技機301の電源の投入時に、主制御基板310(主制御部310b)からメダル数制御基板312(メダル数制御部312b)に対して、そのとき主制御基板310で制御される機種を識別可能な情報が送信される。
なお、機種識別情報の送信時期は、電源が投入されてから遊技に関わる処理が開始されるまでの間であれば何れでもよい。
【0094】
次に、
図16は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)の電源投入時に実行される機種識別情報受信処理を示すフローチャートである。
まず、機種識別情報受信処理が実行されると、電源が投入されたか否かを判定する(S22)。つまり、遊技機301の電源投入の有無を判定する。
電源の投入がない場合(No)、本機種識別情報受信処理を終了する。
S22において電源の投入があった場合(S22-Yes)、機種識別情報を受信する(S23)。つまり、遊技機301の電源の投入時に、主制御基板310(主制御部310b)から送信された機種識別情報を受信する。なお、機種識別情報の受信の有無を判定して受信があった場合に本処理(S23)を行うようにしてもよい。
【0095】
次に、受信した機種識別情報(受信情報)と既に記憶されている機種識別情報(記憶情報)が同一のものであるか否かを判定する(S24)。つまり、遊技機301の前回の電源投入時に送信されて記憶されている機種識別情報と、今回送信された機種識別情報が同一のものであるか否かを判定する。
受信情報と記憶情報が同一のものであった場合(Yes)、本機種識別情報受信処理を終了する。
S24において受信情報と記憶情報が同一のものでなかった場合(S24-No)、役比モニタ情報を初期化する処理を行い(S25)本機種識別情報受信処理を終了する。つまり、遊技機301の電源の投入時に受信した機種識別情報が前回までの機種識別情報と異なっていた場合、主制御基板310が交換されたこととなり、既に生成されて記憶されている役比モニタ情報は不必要となるので初期化する。なお、このとき受信した機種識別情報を今回以降の機種識別情報として新たにRAMに記憶する。
【0096】
このように、本第3実施形態においては、遊技機301の電源の投入時に、主制御基板310からメダル数制御基板312に対して、そのとき主制御基板310で制御される機種を識別可能な機種識別情報が送信されることから、遊技機301の機種に応じた役比モニタ情報の生成や表示を行うのである。
例えば、AT機の場合には、累計の有利区間比率(「7U.」)や累計の指示込役物比率(「7P.」)を生成して表示する必要があるが、ノーマル機の場合には、これらを生成したり表示したりする処理を省略することができる。なお、対応する比率セグには常にハイフンを表示すればよい。
すなわち、メダル数制御基板312(メダル数記憶部312a)には、例えば、AT機に対応して役比モニタ装置50を制御する第1制御情報(プログラム)と、ノーマル機に対応して役比モニタ装置50を制御する第2制御情報(プログラム)とが設けられ、遊技制御手段(主制御基板310)から所定情報(例えば、機種識別情報)を受信することに基づいて、第1制御情報及び第2制御情報のいずれか一方を用いて、遊技価値(遊技メダル)の付与に関する特定制御(役比モニタ情報を表示する制御)を実行可能とするのである。
したがって、機種変更等により主制御基板310が変更された場合でも共通使用したメダル数制御基板312で役比モニタ情報を表示することができる。
【0097】
また、メダル数制御基板312が機種識別情報の受信に基づき、前回までの機種識別情報と同一のものであるか否かを判定することから、メダル数制御基板312では、主制御基板310の交換に伴い遊技機301の機種が変更されて遊技上の特徴等が変更された場合でも、変更された機種に対応した制御を行うことができる。
また、受信した機種識別情報が前回までの機種識別情報と異なっていた場合、既に生成されて記憶されている役比モニタ情報は初期化するので、機種の変更に伴い新たな役比モニタ情報を確実に生成することができる。
【0098】
(払出しに関わる処理)
本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を個別に備えて、主制御基板310からの制御情報に基づき、メダル数制御基板312が払出しに関わる制御を行う構成であるため、主制御基板310が変更された場合でも、共通に使用するメダル数制御基板312において、主制御基板310の変更に応じて払出しに関わる役比モニタ情報を生成する必要がある。
そこで、遊技メダルの払出し時に、その払出しが、役物による払出し(ボーナス中の払出し)か、指示機能である押し順ベル役入賞時の払出し(AT中の払出し)か、通常の払出し(AT中の払出し)か、を識別可能な情報を主制御基板310からメダル数制御基板312に送信し、メダル数制御基板312では受信した払出属性情報に基づき、払出しの属性を反映した情報の生成や表示を行う。
【0099】
図17は、主制御基板310(主制御部310b)における役の入賞に伴う払出し時に実行される払出情報送信処理を示すフローチャートである。
まず、払出情報送信処理が実行されると、払出しがあるか否かを判定する(S30)。つまり、いずれかの役の入賞に伴うメダルの払出しの有無を判定する。
払出しがない場合(No)、本払出情報送信処理を終了する。
S30において払出しがあった場合(S30-Yes)、払出数情報を送信する(S31)。つまり、遊技メダルの払出しの発生により、払出す遊技メダル数を特定可能な払出数情報をメダル数制御基板312に対して送信する。
【0100】
次に、払出属性情報を送信(S32)して本払出情報送信処理を終了する。つまり、払出しの発生により、今回の払出しの属性を識別可能な払出属性情報をメダル数制御基板312に対して送信する。
例えば、ベル役の入賞により8枚の遊技メダルの払出しがあった場合、その払い出しが指示機能(押し順ナビ)の作動を伴う払出しであるか否かを識別可能な情報を払出属性情報として送信する。
なお、払出数情報及び払出属性情報の他に、払出しが発生したことを示す情報を送信してもよい。また、払出属性情報により識別可能な情報としては、上記した以外でもよく、例えば、指示機能の対象である押し順ベル役に入賞により遊技メダルの払出しがあった場合、その入賞が指示機能の作動により入賞したか、あるいは指示機能の作動なしで偶発的に入賞したかを識別可能な情報を送信してもよい。
【0101】
次に、
図18は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)の払出し時に実行される払出処理を示すフローチャートである。
まず、払出処理が実行されると、払出数情報を受信したか否かを判定する(S33)。つまり、主制御基板310から送信された払出数情報の受信の有無を判定する。
なお、このとき払出しが発生したことを示す情報の受信の有無を判定してもよい。
払出数情報を受信していない場合(No)、本払出処理を終了する。
S33において払出数情報を受信した場合(S33-Yes)、払出属性毎に払出数を記憶する処理を行う(S34)。つまり、主制御基板310から払出数情報を受信した場合、当該払出数情報とともに払出属性情報も受信することとなるので、この払出属性毎に払出数をRAMに記憶する。
例えば、ベル役の入賞により8枚の遊技メダルの払出しがあった場合、その払い出しが指示機能(押し順ナビ)の作動を伴う払出しであった場合、指示機能の作動を伴う払出数として計数記憶して、累計の指示込役物比率を算出し、その払い出しが指示機能(押し順ナビ)の作動を伴わない払出しであった場合、指示機能の作動を伴わない払出数として計数記憶して、累計の指示込役物比率を算出しない。また、その払出しが役物による払出しであった場合、役物による払出数として計数記憶し、各役物比率を算出する。
【0102】
次に、機種識別情報毎の払出表示処理を実行(S35)して払出処理を終了する。
本第3実施形態においては、遊技メダルの払出し時に、遊技価値に関する情報を表示可能な表示手段としての遊技メダル数表示装置7において遊技メダル数の更新(加算)表示を行うこととなるが、このときの更新表示を電源投入時に受信した機種識別情報に対応した態様にするようにしている。
つまり、遊技メダル数の更新(加算)表示を行う場合、AT機に対応する機種識別情報(第1特定情報)を受信したときと、ノーマル機に対応する機種識別情報(第2特定情報)を受信したときにおける遊技メダル数表示装置7の更新態様を変化させるのである。
【0103】
例えば、
図19(a)に示すように、メダル数制御基板312は、AT機に対応した機種識別情報を受信した状態において、8枚の遊技メダルの払出しが生じた場合、第1表示態様として遊技メダル数表示装置7の遊技メダル数を「300」から「308」に一度(加算途中の数値を表示せず)に更新表示する。
一方、
図19(b)に示すように、メダル数制御基板312は、ノーマル機に対応した機種識別情報を受信した状態において、8枚の遊技メダルの払出しが生じた場合、第2表示態様として遊技メダル数表示装置7の遊技メダル数を「300」→「301」・・・・「308」というように、所定時間(例えば、0.5秒)間隔で1枚毎に遊技メダルが増加するように更新表示する。
【0104】
つまり、メダル数制御基板312は、予め遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数の更新態様を複数種類で実行可能に構成して、特定制御として主制御基板310からの機種識別情報に応じて遊技メダル数表示装置7の更新態様を変化させるのである。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、一の種類の遊技機を制御するための第1制御情報(AT機に対応するプログラム)と、他の種類の遊技機を制御するための第2制御情報(ノーマル機に対応するプログラム)と、備え、遊技制御手段(主制御基板310)から第1特定情報(AT機に対応する機種識別情報)を受信した場合には、遊技価値(遊技メダル)を遊技者に付与するときの表示手段(遊技メダル数表示装置7)の表示態様を、第1制御情報を用いて第1表示態様(
図19(a)に示す態様)に制御可能とし、遊技制御手段から第2特定情報(ノーマル機に対応する機種識別情報)を受信した場合には、遊技価値を遊技者に付与するときの表示手段の表示態様を、第2制御情報を用いて第2表示態様(
図19(b)に示す態様)に制御可能とするのである。
【0105】
なお、機種識別情報に応じた更新態様は上記以外でもよく、機種識別情報に応じて更新態様が変化するものであれば何れでもよい。また、機種識別情報が3種類以上ある場合には、その種類毎に異なる更新態様を設けるようにしてもよい。
また、遊技メダル数表示装置7を液晶表示器等により構成し、機種識別情報に応じて液晶表示により更新態様を変化させるようにしてもよいし、遊技メダル数の更新時に機種が異なることを識別可能な液晶画像を別個に表示するようにしてもよい。
また、主制御基板310から遊技メダルの払出し時に払出属性情報をメダル数制御基板312に送信するようにしているが、払出属性情報を送信せずに、メダル数制御基板312が遊技メダルの払出し時に主制御基板310から受信した遊技状態情報を参照して、払出し時の遊技状態情報に基づき払出しの属性を決定するようにしてもよい。
【0106】
このように、本第3実施形態においては、遊技メダルの払出し時に、主制御基板310からメダル数制御基板312に対して、所定情報としてその払出しの属性を識別可能な払出属性情報が送信され、メダル数制御基板312では払出属性毎に払出数を記憶することから、主制御基板310が交換された場合でも、共通使用するメダル数制御基板312において、特定制御として遊技機301の機種に応じた役比モニタ情報の生成や表示を行うことができる。
また、メダル数制御基板312は、予め遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数の更新態様を複数種類で実行可能に構成して、遊技メダル数表示装置7での遊技メダル数を更新表示する場合に、主制御基板310からの機種識別情報に応じてその更新態様を、第1表示態様と第2表示態様のいずれかに変化させることにより特定制御を実行するので、主制御基板310が交換された場合でも共通使用するメダル数制御基板312において、遊技機301の機種に応じた遊技メダル数の更新表示を行うことができるし、遊技者に対して更新態様の変化により遊技機301の種類を認識させることができる。
【0107】
(ゲーム数の計数処理)
本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を個別に備えて、主制御基板310からの制御情報に基づき、メダル数制御基板312が役比モニタ情報等を生成するためにゲーム数の計数に関わる制御を行う構成であるため、主制御基板310の変更に応じてメダル数制御基板312では、ゲーム数の計数に関わる制御を変更することとなる。
例えば、AT機の場合、主制御基板310(遊技状態制御手段)は、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態(AT)とに制御可能であるが、ノーマル機の場合、主制御基板310(遊技状態制御手段)は、通常遊技状態は制御可能であるが特定遊技状態に制御可能ではない。
また、AT機の場合、主制御基板310(遊技状態制御手段)は、特定遊技状態を制御可能であるので、通常遊技状態に制御可能な通常区間と、特定遊技状態に制御可能な有利区間とを制御可能な区間制御手段を備えているが、ノーマル機の場合、主制御基板310(遊技状態制御手段)は、区間制御手段を備えていない。
このように機種毎に遊技状態等が異なることとなるので、遊技状態等の変化に応じてゲーム数の計数に関わる制御も変更する必要性が生ずる。
そこで、本第3実施形態においては、電源投入時に主制御基板310からメダル数制御基板312に送信された機種識別情報に基づき、特定制御として機種に応じてゲーム数の計数に関わる制御を変更する。
【0108】
図20は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)におけるゲーム実行時に行われるゲーム数計数処理を示すフローチャートである。
なお、電源投入時には主制御基板310から機種を識別可能な機種識別情報が送信されるが、電源投入後には、ゲームが実行されたことを特定可能な制御情報や、遊技区間を識別可能な制御情報がメダル数制御基板312に送信され、メダル数制御基板312では、これら制御情報の受信に基づきゲーム数を計数する。
例えば、遊技制御手段としての主制御基板310は、メダル数制御基板312(遊技価値制御手段)に送信可能な所定情報として、AT機の場合、AT機に対応した機種識別情報(第1特定情報)を送信し、ノーマル機の場合、第1特定情報とは異なるノーマル機に対応した機種識別情報(第2特定情報)を送信し、さらにAT機の場合には、遊技区間を識別可能な情報を送信するが、メダル数制御基板312では、これら制御情報の受信に基づきゲーム数を計数する。
【0109】
まず、ゲーム数計数処理が実行されると、ゲームの実行があるか否かを判定する(S40)。つまり、主制御基板310からゲームが実行されたことを特定可能な制御情報の有無を判定する。
ゲームの実行がない場合(No)、本ゲーム数計数処理を終了する。
S40においてゲームの実行があった場合(S40-Yes)、AT機であるか否かを判定する(S41)。つまり、電源投入時に送信されて記憶されている機種識別情報を参照して、このときの主制御基板310がAT機に対応するものであるか否かを判定する。
【0110】
S41においてAT機でなかった場合(S41-No)、通常区間ゲーム数カウンタを「1」加算(S44)して本ゲーム数計数処理を終了する。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、ノーマル機に対応した機種識別情報(第2特定情報)の受信に基づき、後述する有利区間ゲーム数カウンタを加算せずに通常区間ゲーム数カウンタを加算するのである。つまり、ノーマル機の場合には、そもそも有利区間が設けられていないので、ゲームが実行された場合、全て通常区間ゲーム数カウンタで計数を行う。
メダル数制御基板312では、ノーマル機の場合、通常区間ゲーム数カウンタの値を参照して、例えば、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の連続役物比率、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の役物比率の監視期間を設定する。
なお、ノーマル機の場合、通常区間も設けられていないが、AT機の場合に使用される通常区間ゲーム数カウンタを用いて(対応するRAM領域を共通使用して)ゲーム数の計数を行う。したがって、「通常区間ゲーム数カウンタ」と称しているが、実質的には全てのゲーム数をカウントするカウンタとなる。
【0111】
S41においてAT機であった場合(S41-Yes)、有利区間であるか否かを判定する(S42)。つまり、AT機の場合には、通常区間と有利区間が設けられているので、今回のゲームがどの遊技区間で実行されたものかを判定する。
S42において有利区間でなかった場合(S42-No)、通常区間ゲーム数カウンタを「1」加算(S44)して本ゲーム数計数処理を終了する。つまり、通常区間でゲームが実行された場合、通常区間ゲーム数カウンタを更新する。
S42において有利区間であった場合(S42-Yes)、有利区間ゲーム数カウンタを「1」加算(S43)して本ゲーム数計数処理を終了する。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、AT機に対応した機種識別情報(第1特定情報)の受信に基づき、有利区間ゲーム数カウンタを加算するのである。
つまり、AT機の場合、通常区間と有利区間が設けられているので、ゲームが実行された場合、遊技区間毎に異なるカウンタを用いてゲーム数の計数を行うのである。
メダル数制御基板312では、AT機の場合、通常区間ゲーム数カウンタ及び有利区間ゲーム数カウンタの値を参照して、例えば、累計の有利区間比率を算出し、また、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の連続役物比率、最新の所定期間(例えば、6000ゲーム間)の役物比率の監視期間を設定する。
【0112】
このように、本第3実施形態においては、メダル数制御基板312は、ゲームが実行された場合、機種識別情報に基づきゲーム数を計数するためのカウンタを変更するのである。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、遊技制御手段(主制御基板310)から第1特定情報(AT機に対応する機種識別情報)を受信することに基づき、特定制御として有利区間において実行されたゲームの回数を計数可能であり、遊技制御手段から第2特定情報(ノーマル機に対応する機種識別情報)を受信することに基づき、特定制御として有利区間において実行されたゲームの回数を計数しないように制御可能な構成とするのである。
したがって、主制御基板310が交換された場合でも、共通使用するメダル数制御基板312において、効率よく各ゲーム数を計数することができ、遊技機301の機種に応じた役比モニタ情報の生成や表示を行うことができる。
【0113】
(ボーナス情報の送信処理)
本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を個別に備えて、メダル数制御基板312から専用ユニット19に各種情報を送信する構成であるため、主制御基板310の変更に応じてメダル数制御基板312では、専用ユニット19に送信する情報を変更することとなる。
例えば、遊技制御手段としての主制御基板310としては、複数の遊技状態を制御可能なものが設けられるが、ボーナス搭載機の場合、ボーナスの発生を特定可能な情報(ボーナス情報)を専用ユニット19に送信する必要がある。また、一部のAT機の場合ではボーナス機能は有しているが、遊技価値の付与が行われないボーナス(所謂ゼロボ)の場合もあり、このようなボーナスは専用ユニット19に送信する必要がない。
そこで、本第3実施形態においては、電源投入時に主制御基板310からメダル数制御基板312に送信された所定情報としての機種識別情報に基づき、ボーナス情報の送信の有無を機種に応じて変更する。
【0114】
図21は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)におけるボーナス情報送信処理を示すフローチャートである。
本第3実施形態においては、主制御基板310からの制御情報に基づき、メダル数制御基板312がボーナス情報を含む遊技状態に関わる情報を専用ユニット19に送信する構成となっている。したがって、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312が、複数の遊技状態のうち、一の遊技状態から他の遊技状態への移行が発生した場合に、外部(専用ユニット19)に遊技状態に関する情報を出力するための出力手段を備えることとなる。
【0115】
まず、ボーナス情報送信処理が実行されると、ボーナス信号を受信しているか否かを判定する(S50)。つまり、ボーナス中の場合、主制御基板310からボーナス信号がメダル数制御基板312に送信されるが、このボーナス信号の有無を判定する。なお、遊技価値の付与が行われないボーナスの場合もボーナス信号が送信されて、このボーナス信号を受信する。
ボーナス信号を受信していない場合(No)、本ボーナス情報送信処理を終了する。
S50においてボーナス信号を受信している場合(S50-Yes)、ボーナス搭載機であるか否かを判定する(S51)。
S51の判定は、遊技価値の付与が行われるボーナスが搭載されているか否かを判定するものであり、機種識別情報に、遊技価値の付与が行われるボーナスが搭載されているか否かを識別可能な情報を含ませればよい。
【0116】
S51においてボーナス搭載機でなかった場合(No)、ボーナス情報を専用ユニット19に送信せずに(出力を無効化して)本ボーナス情報送信処理を終了する。
S51においてボーナス搭載機であった場合(S51-Yes)、ボーナス情報を専用ユニット19に送信(S52)して本ボーナス情報送信処理を終了する。つまり、主制御基板310からボーナス信号を受信した場合、発生しているボーナスが、遊技価値の付与が行われるボーナスであるか否かを判定して、遊技価値の付与が行われるボーナスであった場合には、ボーナス情報を専用ユニット19に送信する(出力を有効化)。
すなわち、遊技価値制御手段としてのメダル数制御基板312は、遊技制御手段(主制御基板310)から所定情報(機種識別情報)を受信することに基づいて、出力手段(メダル数制御基板312)を有効化する制御及び出力手段を無効化する制御のいずれか一方を実行可能とするのである。
なお、ボーナス信号を受信した場合に、基本的にはボーナス情報を専用ユニット19に送信するように構成し、ボーナス搭載機でない場合にのみボーナス情報の専用ユニット19への送信を中止(出力手段を無効化)するようにしてもよい。
また、ボーナス情報を専用ユニット19に送信するための判定は、専用ユニット19に遊技価値の付与が行われるボーナスの有無を伝える情報を送信するものであれば上記以外でもよく、例えば、機種識別情報を参照してAT機の場合、ボーナス信号を受信してもボーナス情報を専用ユニット19に送信しないようにしてもよい。
【0117】
このように、本第3実施形態においては、メダル数制御基板312は、ボーナスが発生した場合、特定制御として機種識別情報に基づき専用ユニット19に対してボーナス情報の送信を変更する制御(出力の有効化・無効化を切り替える制御)を行うことから、主制御基板310が交換された場合でも、共通使用するメダル数制御基板312において、効率よくかつ確実に専用ユニット19に対してボーナス情報を送信することができる。
【0118】
(制限機能の有効化処理)
本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を個別に備えて、主制御基板310が交換された場合でもメダル数制御基板312を共通使用可能な構成にしている。
主制御基板310では、所定期間(例えば、電源投入から遮断まで)における遊技者に付与される遊技価値(遊技メダル)を制限(例えば、上限枚数である19000枚以内に制限)する制限機能(所謂コンプリート機能)を設ける場合があるが、制限機能を設けない主制御基板310でも、メダル数制御基板312を共通使用する必要がある。
そこで、本第3実施形態においては、電源投入時に主制御基板310からメダル数制御基板312に送信された機種識別情報に基づき、制限機能を有効化するか否かを機種に応じて変更する。
【0119】
図22は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)における制限機能有効化処理を示すフローチャートである。
まず、制限機能有効化処理が実行されると、ノーマル機か否かを判定する(S60)。つまり、電源投入時に受信して記憶してある機種識別情報を参照して、このときの主制御基板310がノーマル機に対応するものであるか否かを判定する。
ノーマル機である場合(Yes)、制限機能を無効化する処理を行い(S62)本制限機能有効化処理を終了する。つまり、ノーマル機の場合、遊技者が獲得する遊技価値(遊技メダル)が極めて多数になる可能性が低いので制限機能を無効化することとなる。
【0120】
S60においてノーマル機でない場合(No)、制限機能を有効化する処理を行い(S61)本制限機能有効化処理を終了する。つまり、AT機の場合、遊技者が獲得する遊技価値(遊技メダル)が極めて多数になる可能性があるので制限機能を有効化することとなる。
制限機能が有効化されると、メダル数制御基板312は、所定期間における遊技者に付与された遊技価値(遊技メダル)が上限となった時点で遊技メダルの加算を停止する。すなわち、主制御基板310からの制御情報なしでメダル数制御基板312独自で遊技メダルの加算を停止するのである。
なお、制限機能は、上述した所謂コンプリート機能以外でもよく、例えば、1回の有利区間において遊技者に付与される遊技価値(遊技メダル)を制限(例えば、上限枚数である2400枚以内に制限)する機能(所謂リミッタ機能)でもよい。
また、メダル数制御基板312は、制限機能の有効化の有無に応じて、遊技メダル数表示装置7等において制限機能の有効化の有無を報知するようにしてもよい。
【0121】
このように、本第3実施形態においては、メダル数制御基板312は、特定制御として機種識別情報に基づき制限機能を有効化するか否かを変更する制御を行うことから、主制御基板310が交換された場合でも、共通使用するメダル数制御基板312において、効率よくかつ確実に制限機能に関わる制御を行うことができる。
【0122】
(押し順ベル役の入賞監視処理)
本第3実施形態においては、主制御基板310とメダル数制御基板312を個別に備えて、主制御基板310が交換された場合でもメダル数制御基板312を共通使用可能な構成にしている。
主制御基板310が交換されると遊技内容も変化することとなるが、それに付随して遊技メダルの払出しに関わるエラーや不正の監視制御も変更する必要が生ずる。例えば、AT機の場合、指示機能(押し順ナビ)が作動していないにもかかわらず所定期間内の押し順ベル役の入賞率が通常では起こりえないほど高まった場合には、何らかの異常(あるいは不正行為)の発生と判定することが好ましいが、ノーマル機の場合、指示機能が設けられていないし、そもそも押し順ベル役も設けられていない。
そこで、本第3実施形態においては、電源投入時に主制御基板310からメダル数制御基板312に送信された機種識別情報に基づき、異常状態の監視制御を機種に応じて変更する。
【0123】
図23は、メダル数制御基板312(メダル数制御部312b)における押し順ベル役入賞監視処理を示すフローチャートである。
まず、押し順ベル役入賞監視処理が実行されると、AT機か否かを判定する(S70)。つまり、電源投入時に受信して記憶してある機種識別情報を参照して、このときの主制御基板310がAT機に対応するものであるか否かを判定する。
AT機でない場合(No)、本押し順ベル役入賞監視処理を終了する。つまり、ノーマル機の場合、押し順ベル役入賞監視処理を行わない。
【0124】
S70においてAT機である場合(S70-Yes)、AT中か否かを判定する(S71)。つまり、主制御基板310からAT中であることを示すAT信号を受信しているか否かを判定する。
AT中である場合(Yes)、本押し順ベル役入賞監視処理を終了する。
S71においてAT中でない場合(S71-No)、押し順ベル役に入賞したか否かを判定する(S72)。つまり、役の入賞時に主制御基板310から送信される入賞役の種類を識別可能な制御情報を参照して、押し順ベル役に入賞したか否かを判定する。
押し順ベル役に入賞していない場合(No)、本押し順ベル役入賞監視処理を終了する。
S72において押し順ベル役に入賞している場合(S72-Yes)、単位ゲーム数当たりの押し順ベル役の入賞率を算出する(S73)。
例えば、100回のゲームが実行された場合の押し順ベル役の入賞率を算出する。
【0125】
次に、S74において押し順ベル役の入賞率は閾値を超えたか否かを判定する。
押し順ベル役の入賞率が閾値を超えていない場合(No)、本押し順ベル役入賞監視処理を終了する。
S74において押し順ベル役の入賞率が閾値を超えた場合(S74-Yes)、異常処理を行う(S75)。つまり、AT中でないにもかかわらず押し順ベル役の入賞率が通常では起こりえないほど高くなっていた場合、異常状態と判定して異常処理を行う。
異常処理としては、例えば、遊技メダル数表示装置7での異常報知や異常状態の外部出力を行えばよい。また、払出しを停止してもよい。
【0126】
なお、異常状態の監視は、機種に応じて異常状態の監視制御が異なるものであれば何れでもよく、例えば、通常区間中における押し順ベル役の入賞率を監視するものや、ボーナスに当選しているにもかかわらず所定ゲーム数ボーナスに移行しないことを監視するものでもよい。また、機種に応じて異常状態と判定する閾値を変更するようにしてもよく、例えば、AT機においても押し順ベル役の当選確率に応じてランクを設け、このランクに応じて押し順ベル役の閾値を変更するようにしてもよい。
また、機種識別情報に基づき、異常状態が発生した場合の異常報知の態様(エラーコード等)を異ならせてもよい。
【0127】
このように、本第3実施形態においては、メダル数制御基板312は、特定制御として機種識別情報に基づき異常状態の監視制御を変更することから、主制御基板310が交換された場合でも、共通使用するメダル数制御基板312において、効率よくかつ確実に異常状態の監視制御を行うことができる。
【0128】
以上説明したように、本実施形態の遊技機301は、主制御基板310とメダル数制御基板312を別個に設け、メダル数制御基板312では、複数の機種に対応するプログラム(第1制御情報及び第2制御情報)を備えて、主制御基板310からの所定情報に基づき、メダル数制御基板312が遊技価値の付与に関わる(遊技メダルの払出しに関わる)特定制御を行うことから、機種変更等により主制御基板310が変更された場合でもメダル数制御基板312を共通的に使用することが可能となる。
【0129】
これに対して従来の遊技機は、基板の構成が十分に洗練されておらず、また、複数機種に対応して有効利用できるものではなかった。
【0130】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
なお、前述した実施形態の各構成及び後述する変形形態の各構成は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)副制御基板が担う動作の一部又は全部を主制御基板が担う構成でもよい。
例えば、副制御基板により遊技メダル数表示装置7を制御してもよく、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を副制御基板が担ってもよい。
また、主制御基板により計数ボタンランプ2eやベット数ランプ2fの動作を制御してもよい。
【0131】
(2)実施形態において、遊技機1は、有利区間リミッタ(差枚数2400等)を有する形態を示したが、有利区間リミッタを有しない形態でもよい。
【0132】
(3)本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、遊技機は、遊技メダル数表示装置7に対応する遊技球数表示装置を設けることができる。
その上で、例えば、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数の多寡に応じて報知態様を変更してもよく、また、計数ボタンを長押しした場合には短押しの場合よりも計数の量を多くし、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数が0となった後も長押しされたまま遊技球を獲得した場合に、当該遊技球を計数してもよい。
また、MYに関して、パチンコ機(いわゆるスマートパチンコ機)の場合には、MYが95000玉に到達することにより、遊技終了状態になるように制御してもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
2d 精算ボタン
2e 計数ボタンランプ
2f ベット数ランプ
7 遊技メダル数表示装置
8 表示器
14 遊技メダル数クリアボタン
19 専用ユニット
19a 接続端子板
20 副制御部
50 役比モニタ装置
301 遊技機
310 主制御基板
310a 主記憶部
310b 主制御部
312 メダル数制御基板
312a メダル数記憶部
312b メダル数制御部
320 副制御基板