(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064136
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】介護用品選定システム及び介護用品選定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240507BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240507BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172499
(22)【出願日】2022-10-27
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522421299
【氏名又は名称】株式会社フーク
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】森阪 二郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
5L099AA11
(57)【要約】
【課題】介護用品の販売若しくは貸出する介護用品取扱業者又は要介護者若しくはその家族等のユーザにとって、より好適な介護用品選定システム、介護用品選定プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の介護用品選定システムは、少なくとも要介護者の身体情報及び日常生活動作情報を含む要介用品必要情報を受け付ける要介用品必要情報受付手段と、前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられる少なくとも前記要介用品必要情報に基づいて選定された介護用品を示す情報を提示する介護用品提示手段と、前記介護用品提示手段によって提示される介護用品についての選定理由を変更可能な状態で提示する選定理由提示手段と、前記選定理由提示手段によって提示された選定理由に対する変更事項を受け付ける変更事項受付手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも要介護者の身体情報及び日常生活動作情報を含む要介用品必要情報を受け付ける要介用品必要情報受付手段と、
前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられる少なくとも前記要介用品必要情報に基づいて選定された介護用品を示す情報を提示する介護用品提示手段と、
前記介護用品提示手段によって提示される介護用品についての選定理由を変更可能な状態で提示する選定理由提示手段と、
前記選定理由提示手段によって提示された選定理由に対する変更事項を受け付ける変更事項受付手段と、
を備える、介護用品選定システム。
【請求項2】
前記日常生活動作情報には、寝返り・起き上がり・立ち上がり・移乗・座位・屋内歩行・屋外歩行・移動・排泄・入浴・食事・更衣・意思の伝達・視覚・聴覚のうち幾つかの程度を示す情報が含まれる、請求項1記載の介護用品選定システム。
【請求項3】
前記日常生活動作情報には、既往歴に関する情報が含まれる、請求項1記載の介護用品選定システム。
【請求項4】
更に、前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられた要介用品必要情報と、前記介護用品提示手段によって提示された介護用品を示す情報と、前記変更事項受付手段によって受け付けられた変更事項と、の複数の組に基づいて学習され、
前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられた新たな要介用品必要情報が入力された場合に、前記介護用品提示手段によって提示される介護用品を示す情報及び前記選定理由提示手段によって提示される変更可能な選定理由を出力する人工知能装置を備える、
請求項1記載の介護用品選定システム。
【請求項5】
少なくとも要介護者の身体情報及び日常生活動作情報を含む要介用品必要情報を受け付けるステップと、
少なくとも前記要介用品必要情報に基づいて選定した介護用品を提示するステップと、
前記介護用品についての変更可能な選定理由を提示するステップと、
前記選定理由に対する変更事項を受け付けるステップと、
を情報処理装置に実行させる、介護用品選定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護用品選定システム及び介護用品選定プログラムに関し、特に、介護用品を販売若しくは貸出する介護用品取扱業者、その介護用品を購入若しくは借入する介護者、要介護者若しくはその家族等のユーザにとって好適な介護用品選定システム及び介護用品選定プログラムに関する。
【0002】
なお、本明細書における「介護用品」とは、日常生活に支障のある要介護者(障害者や要支援者を含むものとする。)の生活の便宜を図るためのもの、機能訓練のためのものをいい、例えば、「介護用具」、「福祉用具」、「福祉機器」などと称される同種のものもこれに含まれるものとし、また、シルバーカーやシニアカーのような介護サービスの対象ではない一般商品、介護用品自体と一般商品との中間に位置する共用品、要介護者が可能な限り自分自身で行動するように補助する自助具、と称されるものも含まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
特許文献1には、介護用品に関する特別な知識を持たない被介護者であっても、自分に合った最適な介護用品を購入できるように、被介護者による介護用品の購入を支援する介護用品購入支援システムが開示されている。この介護用品購入支援システムは、システム利用者として登録された各被介護者に関する情報として、少なくとも、各被介護者の身体的な属性情報が格納された顧客管理データベースと、販売対象となる各介護用品に関する情報として、少なくとも、各介護用品が備える装備の情報が格納された商品データベースと、被介護者の身体的な属性と介護用品の装備との間の親和度が記載された対応テーブルを記憶するテーブル記憶手段と、システム利用者として登録された被介護者から介護用品の購入希望があったときに、当該被介護者の身体的な属性情報と、販売対象となる各介護用品の装備の情報と、前記対応テーブルとに基づいて、販売対象となる各介護用品の中から前記被介護者に適した介護用品を特定する推奨介護用品特定手段と、前記推奨介護用品特定手段により特定された介護用品の情報(被介護者に身体的な属性や居住環境等が類似している他の被介護者が過去にどのような介護用品を購入しているかといった情報)を前記被介護者に提示する情報提示手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、介護用品は、一般に、他の工業製品に比して、需要者数が少なく、その割に要介護者に必要な介護レベルは様々であるため多種多様であり、これらのことは各用品の大量生産を妨げ、ひいては、製造コストが高価になってしまうという特殊性がある。
【0006】
例えば、車いすを例にすると、足駆動式車いす、片手駆動式車いす、前輪駆動式車いす、後輪駆動式車いす、電動車いす、モジュラ車いすなどが存在し、更に、座席昇降機能付き、リクライニング機能付き、補助動力機能付き、姿勢変換機能付きなど、機能を組み合わせるとなれば、相当多岐に亘っている。そのうち、例えば電動車いすの年間販売数は総計2万台弱しかなく、これは自動車の年間販売数の僅かに4%ほどの台数である。
【0007】
そうすると、特許文献1のように、介護用品購入支援システムが特定した被介護者に適した介護用品の情報を単に提示するだけでは、要介護者若しくはその家族等としては介護用品を安易に購入し難く、また、介護用品の販売業者としても介護用品購入支援システムが特定したという理由だけでは自信をもって販売し難いといった状況にある。このことは、介護用品の購入時ほどではないが、介護用品の借入時においても当てはまる。
【0008】
そこで、本発明は、介護用品の販売若しくは貸出する介護用品取扱業者又は要介護者若しくはその家族等のユーザにとって、より好適な介護用品選定システム、介護用品選定プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の介護用品選定システムは、
少なくとも要介護者の身体情報及び日常生活動作情報を含む要介用品必要情報を受け付ける要介用品必要情報受付手段と、
前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられる少なくとも前記要介用品必要情報に基づいて選定された介護用品を示す情報を提示する介護用品提示手段と、
前記介護用品提示手段によって提示される介護用品についての選定理由を変更可能な状態で提示する選定理由提示手段と、
前記選定理由提示手段によって提示された選定理由に対する変更事項を受け付ける変更事項受付手段と、
を備える。
【0010】
なお、前記日常生活動作情報には、寝返り・起き上がり・立ち上がり・移乗・座位・屋内歩行・屋外歩行・移動・排泄・入浴・食事・更衣・意思の伝達・視覚・聴覚のうち幾つかの程度を示す情報が含まれてもよい。
【0011】
また、前記日常生活動作情報には、既往歴に関する情報が含まれてもよい、
【0012】
更に、前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられた要介用品必要情報と、前記介護用品提示手段によって提示された介護用品を示す情報と、前記変更事項受付手段によって受け付けられた変更事項と、の複数の組に基づいて学習され、
前記要介用品必要情報受付手段によって受け付けられた新たな要介用品必要情報が入力された場合に、前記介護用品提示手段によって提示される介護用品を示す情報及び前記選定理由提示手段によって提示される変更可能な選定理由を出力する人工知能装置を備えることもできる。
【0013】
また、本発明の介護用品選定プログラムは、
少なくとも要介護者の身体情報及び日常生活動作情報を含む要介用品必要情報を受け付けるステップと、
少なくとも前記要介用品必要情報に基づいて選定した介護用品を提示するステップと、
前記介護用品についての変更可能な選定理由を提示するステップと、
前記選定理由に対する変更事項を受け付けるステップと、
を情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、要介用品必要情報に基づいて選定したいわば要介護者に好適な介護用品を提示するとともに、その選定理由を変更可能なものとして提示するので、例えば、当該介護用品を使用してみた実感などの生の声を含む選定理由を含むように変更することも可能となる。したがって、本発明によれば、その後に当該介護用品の購入等を検討するユーザに対して、貴重な情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の介護用品選定システムの模式的な構成図である。
【
図2】
図1に示すクライアント装置100及びサーバ装置200における介護用品選定システムに固有の主な構成部分を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すクライアント装置100のディスプレイに表示される画面例を示す図である。
【
図4】
図1に示すクライアント装置100のディスプレイに表示される画面例を示す図である。
【
図5】
図3~
図4に示す各欄を通じて要介用品必要情報等を入力/選択した後に「車いす付属品」について検索した場合に、
図1に示すクライアント装置100のディスプレイに表示される介護用品を示す情報等が埋め込まれたウェブページの画面例を示す図である。
【
図6】
図5に示す表示領域100Jが選択された場合に表示されるポップアップウィンドウの画面例を示す図である。
【
図7】
図1に示す介護用品選定システムの主な動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示す介護用品選定システムの主な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
100 クライアント装置
110 通信手段
120 提示手段
130 処理手段
200 サーバ装置
210 通信手段
220 処理手段
230 学習手段
300 人工知能装置(AI装置)
400 データベース(DB)
500 管理者端末
600 ネットワーク
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の介護用品選定システム、及び、物品の介護用品選定プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態の介護用品選定システムの模式的な構成図である。
図1には、以下説明する、クライアント装置100と、サーバ装置200と、人工知能(Artificial Intelligence)装置(以下、「AI装置」と称する。)300と、データベース(以下、「DB」と称する。)400と、管理者端末500と、ネットワーク600と、を示している。
【0019】
クライアント装置100は、介護用品を販売若しくは貸出する介護用品取扱業者、福祉用具貸与事業所に勤務する福祉用具専門相談員、ケアマネージャー(介護支援専門員)、その介護用品を購入若しくは借入する介護者、要介護者自身若しくはその家族等(以下、「ユーザ」と称する。)によって操作される端末である。クライアント装置100としては、ネットワーク600を介してサーバ装置200との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能な、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置を用いることができる。クライアント装置100が有する具体的な機能については、
図2を用いて後述する。
【0020】
サーバ装置200は、本実施形態の介護用品選定システムの管理者等によって管理されるものである。サーバ装置200としては、ネットワーク600を介してクライアント装置100との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能な、例えば、業務用コンピュータなどを用いることができる。サーバ装置200が有する具体的な機能については、
図2を用いて後述する。
【0021】
AI装置300は、人工ニューラルネットワークなどの人工知能といった数学モデルを活用した装置である。AI装置300は、例えば、介護用品を示す情報(例えば、用品名・メーカ・型番のうち幾つかの情報)と、介護用品選定システムの管理者等が暫定的に選択した当該介護用品を示す情報がAI装置300によって選定されると仮定した場合に考え得る選定理由と、の複数の組を学習データとして、介護用品毎に初期学習されている。
【0022】
また、AI装置300は、サーバ装置200によって受信されたクライアント装置100からの少なくとも要介用品必要情報(更には、要介護者特定情報に含まれる性別・生年月日等)が入力されると、少なくとも当該要介用品必要情報に基づいて、対応する介護用品を示す情報、及び、当該介護用品の特徴を示す情報を当該介護用品の選定理由として出力するものである。
【0023】
さらに、AI装置300は、その出力した介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由がユーザに提示された結果、ユーザによって当該選定理由に対する変更事項が入力された場合に、その変更事項と、対応する少なくとも要介用品必要情報と、対応する介護用品を示す情報と、の組を学習データとして、適宜学習されるものである。
【0024】
なお、本実施形態では、ユーザによって当該選定理由に対する変更がされない場合であっても、その変更がされなかった選定理由と、対応する少なくとも要介用品必要情報と、対応する介護用品を示す情報と、の組を学習データとして、AI装置300が学習されるようにしている。
【0025】
DB400は、クライアント装置100からネットワーク600を介して送信される、少なくとも、要介護者特定情報(氏名・性別・年齢・要介護者ID等)と、当該要介護者の要介用品必要情報(身体情報・日常生活動作情報)とが紐付けられて格納されるものである。
【0026】
なお、本実施形態では、介護用品選定システムが提供するサービスを利用するためにユーザに割り当てられるログインIDやパスワードも、上記格納される各情報に紐付けられて格納されるようにしており、更に、ユーザが、介護用品の販売者等の取扱業者、福祉用具専門相談員、ケアマネージャーである場合には、DB400にはそれらの業者等のID、相談員ID、ケアマネージャーIDも上記格納される各情報に紐付けられて格納されるようにしている。
【0027】
また、本実施形態では、DB400には、当該要介護者に対して直接に又は取扱業者、福祉用具専門相談員若しくはケアマネージャー等を介して間接に提示される介護用品を示す情報、それが掲載されたウェブページのユーザによる閲覧履歴、当該介護用品の購入履歴等も、上記格納される各情報に紐付けられて格納されるようにしている。
【0028】
なお、日常生活動作情報には、寝返り・起き上がり・立ち上がり・移乗・座位・屋内歩行・屋外歩行・移動・排泄・入浴・食事・更衣・意思の伝達・視覚・聴覚のうち幾つかの程度を示す情報や、既往歴に関する情報が含まれる。
【0029】
管理者端末500は、本実施形態の介護用品選定システムの管理者等によって操作される端末であり、
図3~
図5等に示すウェブページのひな形や
図6に示すポップアップウィンドウを作成したり、介護用品を示す情報自体を作成したりするものである。
【0030】
管理者端末500としては、これに限定されるものではないが、例えば、ノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。
【0031】
ネットワーク600は、クライアント装置100と、サーバ装置200と、AI装置300と、DB400と、管理者端末500と、を相互に接続するものであり、インターネットはもとより、これらの幾つかを局所的に接続するイントラネット、或いは、携帯電話網も含む各種ネットワークの総称である。
【0032】
なお、例えば、
図1には、AI装置300及びDB400をサーバ装置200とは別個に設けている例を示しているが、これらのうち少なくとも一方をサーバ装置200の内部に設けるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、サーバ装置200は、ウェブサーバの機能を有することを前提として説明したが、その機能については図示しないウェブサーバが担うようにしてもよい。また、AI装置300が選定した介護用品を示す情報等は、ウェブページではなくて例えば電子メールのように他のツールを用いてユーザに提示するようにしてもよい。
【0034】
図2(a)及び
図2(b)は、
図1に示すクライアント装置100及びサーバ装置200における介護用品選定システムに固有の主な構成部分を示すブロック図である。なお、
図2(a)及び
図2(b)に示す各手段によって実現される機能は、例えばCPUとメモリとの協働によって実現することができる。
【0035】
クライアント装置100は、
図2(a)に示すように、以下説明する、通信手段110と、提示手段120と、処理手段130と、を備えている。サーバ装置200は、
図2(b)に示すように、以下説明する、通信手段210と、処理手段220と、学習手段230と、を備えている。
【0036】
通信手段110は、ネットワーク600を介して、サーバ装置200から送信される要介護者特定情報や要介用品必要情報の入力/選択欄が設けられたウェブページ(
図3、
図4参照)を構成する構成データを受信し、サーバ装置200によって割り当てられる各要介護者に固有の要介護者IDが付加された要介用品必要情報等をサーバ装置200に送信し、サーバ装置200から送信される少なくとも要介用品必要情報に基づくAI装置300によって選定される介護用品を示す情報及び当該介護用品についての選定理由を変更可能な状態で掲載されたウェブページ(
図5参照)の構成データを受信し、当該選定理由が変更される場合に当該要介護者IDが付加された当該変更事項をサーバ装置200に送信するものである。
【0037】
提示手段120は、例えばクライアント装置100にインストールされているウェブブラウザを通じて、通信手段110によって受信される各構成データをレンダリングし、クライアント装置100に付帯するディスプレイに対して画像信号を出力して、要介用品必要情報等の入力/選択欄が設けられたウェブページを提示したり、介護用品を示す情報及び変更可能な選定理由が記載されたウェブページをユーザに提示したりするもの(介護用品提示手段・選定理由提示手段)である。なお、提示手段120は、ディスプレイを通じた提示に代えて又はこれとともにスピーカを通じた提示とすることもできる。
【0038】
処理手段130は、提示手段120によって提示されるウェブページ(
図3,
図4参照)を通じて入力/選択され要介用品必要情報等やポップアップウィンドウ(
図6参照)を通じて選択される前記選定理由に対する変更事項を受け付けたり(要介用品必要情報受付手段・変更事項受付手段)、介護用品に係る検索キーワード等を受け付けたり、それらに要介護者IDを付加したりするものである。
【0039】
通信手段210は、ネットワーク600を介して、クライアント装置100に要介用品必要情報等の入力/選択欄が設けられたウェブページ(
図3,
図4参照)の構成データを送信し、クライアント装置100から送信される要介護者IDが付加された要介用品必要情報を受信し、ユーザに提示する介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由やそれらが埋め込まれるウェブページ(
図5参照)の構成データをクライアント装置100に送信し、クライアント装置100から送信される当該選定理由に対する変更事項を受信するものである。
【0040】
処理手段220は、通信手段210によって受信される被介護者IDが付加された検索キーワードや要介用品必要情報等をDB400に格納したり、当該被介護者IDに基づいて対応する少なくとも当該要介用品必要情報を読み出したり、当該検索キーワード及び少なくとも当該要介用品必要情報をAI装置300に入力した場合にAI装置300から出力される提示対象の介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を取得したりするものである。
【0041】
また、処理手段220は、クライアント装置100からの要求に応じて、DB400に格納されている
図3~
図5に示す各ウェブページを構成するデータを読み出したり、少なくとも要介用品必要情報をAI装置300に入力した場合にAI装置300から出力される提示対象の介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由をクライアント装置100に送信できるようにしたりするものである。
【0042】
学習手段230は、AI装置300に対して既述の初期学習をしたり、例えば、通信手段210によって受信された介護用品の選定理由に対する変更事項と、それに対応する介護用品を示す情報と、それに対応する少なくとも要介用品必要情報と、の組を学習データとしてAI装置300を学習したりするものである。
【0043】
(ウェブページの画面例の説明)
図3~
図4は、
図1に示すクライアント装置100のディスプレイに表示される要介用品必要情報等の入力/選択欄が設けられたウェブページの画面例を示す図である。なお、
図3~
図6には、介護業者向けのウェブページ、より具体的には福祉用具専門相談員向けの画面例を示している。
【0044】
図3に示すウェブページには、要介護者特定情報(要介護者の氏名・性別・生年月日(年齢)・住所・電話番号など)の入力欄100Aと、要介用品必要情報(要介護者の身長・体重といった身体情報及び要介護者の日常生活動作情報(ADL:Activities of Daily Living))の入力欄100B及び入力/選択欄100Cと、を示している。
【0045】
図3には、例えば、入力欄100Aに、利用者名(要介護者の氏名)として「山田花子」、性別として「女性」、生年月日(年齢)として昭和21年6月1日(76歳)などが入力され、入力欄100Bに要介護者の身長・体重といった身体情報が入力可能であり、入力/選択欄100Cに、日常生活動作情報である「寝返り」として「何かにつかまればできる」、同「起き上がり」として「一部介助」が選択されたことを示している。
【0046】
なお、
図3に示す各欄100A~100Cの割当態様は例示であって、例えば、欄100B~100Cを一纏めにするなど、入力/選択事項の分け方は
図3に示すものに限定されるものではないし、例えば、入力/選択欄100Cに係る日常生活動作情報の選択事項を4択としていることも例示である。
【0047】
図4に示すウェブページには、既往歴のうち疾病に関する入力/選択欄100Dと、既往歴のうち麻痺・筋力低下、障害日常生活自立度、認知症日常生活自立度に関する入力/選択欄100Eと、保存ボタンの表示領域100Fと、を示している。
【0048】
図4には、例えば、入力/選択欄100Dに、疾病に関して「がん」、「脳血管疾患」などの既往歴が選択可能であり、入力/選択欄100Eに、麻痺・筋力低下が「左」、「右」、「上肢」、「下肢」にあることを選択可能であることを示している。
【0049】
なお、
図4においても、各欄100D~100Eの割り当てや、例えば入力/選択欄100Dに係る疾病の選択対象も例示であって、
図4に示すものに限定されるものではない。
【0050】
図3~
図4に示す各欄100A~100Eを通じて、適宜、要介護者に関する情報を入力/選択した後に、表示領域100Fをマウスでクリックしたり、ユーザが指でタップしたりして選択すると、それらの情報がサーバ装置200へ送信される。
【0051】
なお、
図3に示すウェブページと
図4に示すウェブページとは同一ページでスクロール表示できるようにしているが、
図4に示すウェブページに割り当てられるURLにリンクされた遷移ボタンの表示領域を
図3に示すウェブページに設けて、これらのウェブページを異なるものとしてもよい。
【0052】
図5は、
図3~
図4に示す各欄を通じて要介用品必要情報等を入力/選択した後に「車いす付属品」について検索した場合に、
図1に示すクライアント装置100のディスプレイに表示される介護用品を示す情報等が埋め込まれたウェブページの画面例を示す図である。ここでは、「車いす付属品」について検索した場合の例を示している。
【0053】
図5に示すウェブページには、検索対象をキーワードから選択するための選択ボタン及び検索対象をお気に入り登録した条件から選択するための選択ボタンの表示領域100Gと、サーバ装置200から送信される介護用品を示す情報の表示領域100Hと、その介護用品についての選定理由の表示領域100Iと、表示領域100Iに表示された選定理由を変更するための変更ボタンの表示領域100Jと、表示領域100Jを選択して変更した選定理由をサーバ装置200に送信するための保存ボタンの表示領域100Kと、を示している。
【0054】
図5には、例えば、表示領域100Gを選択して「車いす付属品」というキーワードを用いて検索をした結果、表示領域100Hに「パットA」という介護用品を示す情報が選定結果として表示され、表示領域100Iには「腰椎圧迫骨折による起き上がり時に痛みがあるため、腰に負担がかからないよう、身体の下に敷きこみやすく、滑りやすいパットを選定。」という選定理由を表示されたことを示している。
【0055】
なお、「パットA」という文字の下側の符合は、介護用品とそれを扱う業者とに関する情報を収集して発信する管理機関によって当該介護用品に対して一意に割り当てられた1個の管理コード(通称、「TAISコード」)を意図しているが、このようコードを記載することは必須ではないし、これに代えて「パットA」のメーカによって当該介護用品に割り当てられた型番を記載してもよいし、「パットA」の販売/貸出価格などを表示してもよい。また、「パットA」の文字の右側の☆印は、表示領域100Gに係るお気に入り登録をする際に選択する領域である。
【0056】
図6は、
図5に示す表示領域100Jが選択された場合に表示されるポップアップウィンドウの画面例を示す図である。
【0057】
図6には、当該変更作業を行う福祉用具専門相談員等の負担及びAI装置300による計算の負担を軽減するために、変更事項を、例えば、当該介護用品を選定するに至った「原因」、当該介護用品によって当該原因解消のための「手段」、当該介護用品の特性などを含む「選定」という項目に分けて、それぞれプルダウンメニューの中の選択肢から選択可能とした例を示している。
【0058】
プルダウンメニューを例示すると、「原因」として「疾患による寝返り動作は介助が必要で背中に発赤があり介護者が寝返り補助をしているが負担がみられるため」や「腰椎圧迫骨折による起き上がり時に痛みがあるため」等の選択肢が用意され、「手段」として「床ずれにならないよう」や「腰に負担がかからないよう」等の選択肢が用意され、「選定」として「一定の時間が経つと空気の調整で自動で体を傾けるマットを選定」や「空気の力で背上げができる体位変換器を選定」等の選択肢が用意されている。
【0059】
なお、これらの選択肢は、介護用品選定システムの管理者が管理者端末500を操作することによって作成し、DB400に格納したものである。当該管理者は、福祉用具専門相談員等からの要望、介護用品メーカから取得する介護用品の特性情報等に基づいて、これらについて適宜、追加・変更・削除すればよい。
【0060】
なお、変更事項を入力/選択させるために、
図6に示すようなポップアップウィンドウ画面を表示することは必須ではなく、当該入力/選択事項を
図5に示すウェブページ内に表示するようにしてもよい。また、
図6に示すプルダウンメニューの選択肢を通じて選定理由を変更させることに代えて又はこれとともにフリーワードで選定理由を変更できるようにしてもよい。
【0061】
(動作の説明)
図7及び
図8は、
図1に示す介護用品選定システムの典型的な主な動作を示すフローチャートである。以下、
図7及び
図8に示す動作に先立って、AI装置300は既述の初期学習がされているものとし、また、管理者端末500によって作成された
図3~
図5に示すウェブページのひな形や
図6に示すポップアップウィンドウがDB400に格納されていることを前提として、介護用品選定システムの典型的な主な動作について説明する。
【0062】
<初期設定の処理>
まず、福祉用具専門相談員等の操作に従って、クライアント装置100では、通信手段110によって、ネットワーク600を介してサーバ装置200に対して、
図3及び
図4に示すウェブページの送信要求を行う(ステップS1)。
【0063】
上記送信要求は、例えば、介護用品選定システムに係るウェブサイトのトップページに、
図3及び
図4に示すウェブページに割り当てられているURLを紐付けた「新規登録」ボタンの表示領域を設けておき、その領域を福祉用具専門相談員等がマウスでクリック等の操作をした場合に行えばよい。
【0064】
サーバ装置200では、通信手段210によって、上記送信要求を受信すると、処理手段220によって、これに応じて
図3及び
図4に示すウェブページを構成するデータをDB400から読み出して、通信手段210によって、ネットワーク600を介してクライアント装置100に送信する(ステップS2)。
【0065】
クライアント装置100では、通信手段110によって、
図3及び
図4に示すウェブページを構成するデータを受信すると、提示手段120によって、ウェブブラウザにレンダリングさせ、当該ウェブページをディスプレイに表示させる(ステップS3)。
【0066】
クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が
図3及び
図4に示すウェブページを通じて要介護者特定情報や要介用品必要情報を入力し、
図4に示す保存ボタンの表示領域100Fをクリック等すると、処理手段130によって、それらの情報を受け付ける(ステップS4)。
【0067】
そして、クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が図示しない送信ボタンの表示領域をクリック等すると、通信手段110によって、要介用品必要情報等を、ネットワーク600を介してサーバ装置200に送信する(ステップS5)。
【0068】
サーバ装置200では、通信手段210によって、クライアント装置100から送信される要介用品必要情報等を受信すると、処理手段220によって、当該要介護者に対して要介護者IDを割り当てるともに、当該要介護者IDと当該要介用品必要情報等とを紐付けてDB400に格納する(ステップS6)。
【0069】
また、サーバ装置200では、処理手段220によって割り当てられた要介護者IDを、通信手段210によって、ネットワーク600を介してクライアント装置100に送信する(ステップS7)。
【0070】
以上の一連の処理が実行されると、初期設定が完了する。したがって、その後、福祉用具専門相談員等が、
図5に示すウェブページを通じて当該要介護者に好適な介護用品の検索をした場合には、介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を福祉用具専門相談員等に提示することが可能になり、また、
図6に示すウェブページを通じて当該選定理由を変更することが可能となる。
【0071】
<介護用品の提示等処理>
まず、福祉用具専門相談員等の操作に従って、クライアント装置100では、通信手段110によって、ネットワーク600を介してサーバ装置200に対して、介護用品を検索するための
図5に示すようなウェブページ(厳密には、例えば、
図5に示す表示領域100Gについては表示されるの、表示領域100H~100Iに具体的な情報が埋め込まれていないウェブページ)の送信要求を行う(ステップS8)。
【0072】
サーバ装置200では、通信手段210によって、上記送信要求を受信すると、処理手段220によって、これに応じて
図5に示すようなウェブページを構成するデータをDB400から読み出して、通信手段210によって、ネットワーク600を介してクライアント装置100に送信する(ステップS9)。
【0073】
クライアント装置100では、通信手段110によって、当該ウェブページを構成するデータを受信すると、提示手段120によって、ウェブブラウザにレンダリングさせ、
図5に示すようなウェブページをディスプレイに表示させる(ステップS10)。
【0074】
クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が表示領域100Gをクリック等すると、処理手段130によって、例えば、図示しないキーワードの入力欄を含むポップアップウィンドウ(
図6に示すものとは異なる。)が表示され、福祉用具専門相談員等が「車いす付属品」等の検索キーワードを入力してから検索ボタンの表示領域をクリック等すると、当該検索キーワードを受け付ける(ステップS11)。
【0075】
つぎに、クライアント装置100では、処理手段130によって、当該検索キーワードに要介護者IDを付加し、通信手段110によって、当該要介護者IDが付加された当該検索キーワードを、ネットワーク600を介してサーバ装置200に送信する(ステップS12)。
【0076】
サーバ装置200では、通信手段210によって、クライアント装置100から送信される要介護者IDが付加された検索キーワードを受信すると、処理手段220によって、当該検索キーワードを当該要介護者IDに紐付けてDB400に格納するとともに、当該要介護者IDに基づいてDB400から対応する少なくとも要介用品必要情報を読み出す(ステップS13)。
【0077】
つづいて、サーバ装置200では、処理手段220によって、当該検索キーワード及び少なくとも当該要介用品必要情報をAI装置300に入力することによって、AI装置300から出力される提示対象の介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を取得する(ステップS14)。
【0078】
つづいて、サーバ装置200では、処理手段220によって、AI装置300から出力される提示対象の介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を、DB400に格納する(ステップS15)。
【0079】
さらに、サーバ装置200では、通信手段210によって、AI装置300から出力される提示対象の介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を、ネットワーク600を介して、クライアント装置100に送信する(ステップS16)。
【0080】
クライアント装置100では、通信手段110によって、介護用品を示す情報及び当該介護用品の選定理由を受信すると、提示手段120によって、表示領域100H~100Iにそれらの具体的な情報を埋め込むようにウェブブラウザにレンダリングさせ、
図5に示すウェブページをディスプレイに表示させる(ステップS17)。
【0081】
クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が
図5に示す表示領域100Hの「パットA」というリンクが張られた文字部分をクリック等すると、提示手段120によって、ウェブブラウザに「パットA」の詳細な説明の閲覧ページに遷移させる。この閲覧ページには、「パットA」を購入又は借入するためのボタンの表示領域が設けられており、福祉用具専門相談員等は「パットA」の購入又は借入処理をすることが可能とされている。
【0082】
また、クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が
図5に示す表示領域100Jをクリック等すると、提示手段120によって、ウェブブラウザに
図6に示すポップアップウィンドウを表示させ、福祉用具専門相談員等が当該選定理由をプルダウンメニューから適宜選択することが可能となる。
【0083】
なお、当該選定理由の変更は、「パットA」の購入等の前後のいずれ又は双方で行うことも可能である。したがって、福祉用具専門相談員等は、「パットA」の購入等をしようという動機付けとなった内容に変更することもできるし、「パットA」の購入後の使い勝手などを踏まえたないように変更することもできる。
【0084】
<AI装置300の学習処理>
クライアント装置100では、福祉用具専門相談員等が
図5に示す保存ボタンの表示領域100Kをクリック等すると、処理手段130によって、選定理由に対する変更事項の有無に拘わらず、その際の選定理由に要介護者IDを付加し、通信手段110によって、要介護者IDが付加された選定理由を、ネットワーク600を介してサーバ装置200に対して送信する(ステップS18)。
【0085】
サーバ装置200では、通信手段210によって、要介護者IDが付加された選定理由を受信すると、処理手段220によって、当該要介護者IDに基づいて当該選定理由をDB400に格納するとともに、当該要介護者IDに基づいてDB400から対応する少なくとも要介用品必要情報(更に、対応する要介護者特定情報の性別及び/又は年齢)を読み出し、学習手段230によって、当該選定理由と、少なくとも当該要介用品必要情報と、それに対応する介護用品を示す情報と、の組を学習データとしてAI装置300を学習する(ステップS19)。
【0086】
したがって、例えば、その後に、少なくとも当該要介護者の要介用品必要情報と同一又は類似の要介用品必要情報を有する他の要介護者についての「車いす付属品」について検索をし、AI装置300によって「パットA」が選定される場合には、ステップS16の学習処理を踏まえた当該要介護者に係る選定理由に対する変更事項を踏まえた「選定理由」が、福祉用具専門相談員等に提示されることになる。
【0087】
もっとも、福祉用具専門相談員等によって「選定理由」が変更され、サーバ装置200がステップS16の学習処理を実行したからといって、その実行前後においてAI装置300が異なる「選定理由」を必ずしも出力するわけではない。
【0088】
もっというと、当該要介護者と当該他の要介護者との要介用品必要情報が完全に一致していて、ステップS16の学習処理の実行前の「選定理由」の内容が「A」であり、福祉用具専門相談員等がそれを「B」に変更した場合であったとしても、AI装置300のチューニング如何によって、当該他の要介護者に係る「選定理由」として「B」が出力される可能性もあるし、「A」が出力される可能性もあるし、これらとは異なる「C」が出力される可能性もある。
【0089】
以上説明したクライアント装置100の通信手段110、提示手段120及び処理手段130が実行する処理は、介護用品選定プログラムをクライアント装置100が実行することによって実現してもよく、クライアント装置100がスマートフォンの場合には、いわゆるスマホアプリと称されるアプリケーションプログラムとすることもできる。