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  • 特開-外観検査装置、及び外観検査方法 図1
  • 特開-外観検査装置、及び外観検査方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006415
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】外観検査装置、及び外観検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
G01N21/85 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107246
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】391065356
【氏名又は名称】ワイエムシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117260
【弁理士】
【氏名又は名称】福永 正也
(72)【発明者】
【氏名】池田 豊
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA04
2G051AB20
2G051BA02
2G051BC01
2G051CA03
2G051CA08
2G051CB02
2G051CD06
2G051DA06
(57)【要約】
【課題】反射光による影響が生じることを確実に回避して対象物の画像を正しく撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能な外観検査装置及び外観検査方法を提供する。
【解決手段】撮像手段は、一対の撮像部と光照射部とで構成されている。一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する他の撮像手段の他の光照射部のみで光を照射して撮像する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外観検査の対象物を撮像空間へ放出する放出手段と、
該放出手段から放出された対象物を撮像する複数の撮像手段と、
前記複数の撮像手段で撮像された画像に基づいて対象物ごとに良否判定する良否判定手段と
を有し、
検査対象となる対象物ごとの画像を取得し、取得した画像に基づいて対象物ごとに良品と不良品とを区別する外観検査装置において、
前記撮像手段は、一対の撮像部と光照射部とで構成されており、
一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、
前記一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の前記他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する前記他の撮像手段の前記他の光照射部のみで光を照射して撮像することを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記撮像部はラインセンサカメラであり、
前記搬送手段により定まる対象物の移動速度と撮像する画素サイズとで定まるサイクル時間内で、稼働する撮像手段を切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記切替手段は、一の撮像部の露光時間中は一の光照射部をオン状態とし、他の光照射部をオフ状態にするよう調整することを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
外観検査の対象物を撮像空間へ放出する放出手段と、
該放出手段から放出された対象物を撮像する複数の撮像手段と、
前記複数の撮像手段で撮像された画像に基づいて対象物ごとに良否判定する良否判定手段と
を有し、
検査対象となる対象物ごとの画像を取得し、取得した画像に基づいて対象物ごとに良品と不良品とを区別する外観検査装置で実行することが可能な外観検査方法であって、
前記外観検査装置は、
前記撮像手段が、一対の撮像部と光照射部とで構成されており、
一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、
前記一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の前記他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する前記他の撮像手段の前記他の光照射部のみで光を照射して撮像することを特徴とする外観検査方法。
【請求項5】
前記撮像部はラインセンサカメラであり、
前記外観検査装置は、
前記搬送手段により定まる対象物の移動速度と撮像する画素サイズとで定まるサイクル時間内で、稼働する撮像手段を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の外観検査方法。
【請求項6】
前記外観検査装置は、一の撮像部の露光時間中は一の光照射部をオン状態とし、他の光照射部をオフ状態にするよう調整することを特徴とする請求項5に記載の外観検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の外観を高い精度で検査することが可能な外観検査装置及び外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、CCDカメラ等で撮像された画像データを用いて、対象物の外観検査等を行う装置が多々開発されている。例えば特許文献1では、上下二方向から光を照射して、上下二方向から撮像された画像データに基づいて対象物である海苔の外形や欠けを検出する外観検査装置が開示されている。
【0003】
特許文献1では、二方向からの撮影条件をできるだけ同等にするために、照明装置を撮像装置と一対として備えている。これにより、異なる二方向から撮像した場合であっても同等の明るさで撮像することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-002764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一の方向から撮像するカメラに対応付けられた照明装置から照射された光が、立体的形状をもつ対象物の面のうち他の方向から撮像するカメラ光軸に平行に近い面に入射し、その面からの反射光がそのカメラに入射することがあり、その面即ち対象物の輪郭線の近傍の状態を正しく観察することが困難になることが多発する問題点があった。以下、斯かる反射光のことを単に反射光と称する。
【0006】
また、対象物によっては周縁部に欠損や切り欠きが生じやすい物品も存在するので、この場合には欠損、切り欠き等を検出することが出来ず、不良品を良品と誤判定するおそれもあった。さらに、反射光の入射角度によっては不明確に撮像される領域が広がり、対象物の表面の状態を観察しにくくなる現象も生じやすい。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、反射光による影響が生じることを
確実に回避して対象物の画像を正しく撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能な外観検査装置及び外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために第1発明に係る外観検査装置は、外観検査の対象物を撮像空間へ放出する放出手段と、該放出手段から放出された対象物を撮像する複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段で撮像された画像に基づいて対象物ごとに良否判定する良否判定手段とを有し、検査対象となる対象物ごとの画像を取得し、取得した画像に基づいて対象物ごとに良品と不良品とを区別する外観検査装置において、前記撮像手段は、一対の撮像部と光照射部とで構成されており、一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、前記一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の前記他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する前記他の撮像手段の前記他の光照射部のみで光を照射して撮像することを特徴とする。
【0009】
また、第2発明に係る外観検査装置は、第1発明において、前記撮像部はラインセンサカメラであり、前記搬送手段により定まる対象物の移動速度と撮像する画素サイズとで定まるサイクル時間内で、稼働する撮像手段を切り替える切替手段を備えることが好ましい。
【0010】
また、第3発明に係る外観検査装置は、第2発明において、前記切替手段は、一の撮像部の露光時間中は一の光照射部をオン状態とし、他の光照射部をオフ状態にするよう調整することが好ましい。
【0011】
次に、上記目的を達成するために第4発明に係る外観検査方法は、外観検査の対象物を撮像空間へ放出する放出手段と、該放出手段から放出された対象物を撮像する複数の撮像手段と、前記複数の撮像手段で撮像された画像に基づいて対象物ごとに良否判定する良否判定手段とを有し、検査対象となる対象物ごとの画像を取得し、取得した画像に基づいて対象物ごとに良品と不良品とを区別する外観検査装置で実行することが可能な外観検査方法であって、前記外観検査装置は、前記撮像手段が、一対の撮像部と光照射部とで構成されており、一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、前記一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の前記他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する前記他の撮像手段の前記他の光照射部のみで光を照射して撮像することを特徴とする。
【0012】
また、第2発明に係る外観検査方法は、第1発明において、前記撮像部はラインセンサカメラであり、前記外観検査装置は、前記搬送手段により定まる対象物の移動速度と撮像する画素サイズとで定まるサイクル時間内で、稼働する撮像手段を切り替えることが好ましい。
【0013】
また、第3発明に係る外観検査方法は、第2発明において、前記外観検査装置は、一の撮像部の露光時間中は一の光照射部をオン状態とし、他の光照射部をオフ状態にするよう調整することが好ましい。
【0014】
第1発明及び第4発明では、前記撮像手段が、一対の撮像部と光照射部とで構成されており、一の撮像手段と他の撮像手段とで交互に対象物を撮像するようにしてあり、前記一の撮像手段で撮像するタイミングには、一の光照射部で光を照射して一の撮像部で撮像し、一又は複数の前記他の撮像手段で撮像するタイミングには、撮像する前記他の撮像手段の前記他の光照射部のみで光を照射して撮像する。これにより、一の撮像部で撮像するときには、他の光照射部からの光が照射されず、また他の撮像部で撮像するときには、それ以外の光照射部からの光が照射されないので、いずれかの撮像部で撮像されているときには、当該撮像部と対応付けられている光照射部から照射された光のみで撮像することができ、反射光が入射することがなく、対象物の輪郭、表面等の外観を明確に把握することが可能な画像を撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能となる。
【0015】
第2発明及び第5発明では、撮像部はラインセンサカメラであり、前記外観検査装置は、前記搬送手段により定まる対象物の移動速度と撮像する画素サイズとで定まるサイクル時間内で、稼働する撮像手段を切り替える。これにより、対象物が移動する一サイクル時間内にすべての撮像装置において対象物の輪郭、表面等の外観を明確に把握することが可能な画像を撮像することが可能となる。
【0016】
第3発明及び第6発明では、一の撮像部の露光時間中は一の光照射部をオン状態とし、他の光照射部をオフ状態にするよう調整する。これにより、確実に露光が完了した時点で他の撮像部での撮像を開始することができ、他の光照射部からの光による反射光が入射することがない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一の撮像部で撮像するときには、他の光照射部からの光が照射されず、また他の撮像部で撮像するときには、それ以外の光照射部からの光が照射されないので、いずれかの撮像部で撮像されているときには、当該撮像部と対応付けられている光照射部から照射された光のみで撮像することができ、反射光が入射することがなく、対象物の輪郭、表面等の外観を明確に把握することが可能な画像を撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の外観構成を示す正面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の撮影方法を説明するために模式的に示した部分斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の制御回路の例示図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の撮像手段のオンオフのタイミングチャートの例示図である。
図5】従来の外観検査装置における撮像手段のオンオフのタイミング調整を行わない場合に撮像された画像の例示図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る外観検査装置で撮像された画像の例示図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る外観検査装置1の撮影方法を説明するために模式的に示した部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る外観検査装置及び外観検査方法について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
【0020】
また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。実施の形態を通じて同じ要素には同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の外観構成を示す正面図である。本発明の実施の形態1に係る外観検査装置1は、外観検査の対象物として、供給装置25の供給口25aから供給された各種の豆類を、ベルト(放出手段)20の上面に搭載する。なお、本実施の形態1における豆類とは、黒豆、大豆、金時豆等の豆全般を意味しており、以下、「豆」と記載する。もちろん、外観検査の対象物は豆に限定されるものではない。
【0022】
ベルト20は、図1には図示してしないローラの回転により矢印方向に移動する。それに伴い、上面に搭載された豆も矢印方向に移動する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に係る外観検査装置の撮影方法を説明するために模式的に示した部分斜視図である。本発明の実施の形態1に係る外観検査装置1において、豆は、ローラ21の頂部まで、すなわちベルト20の終端にまで運ばれ、そこから放出されて自由落下する。自由落下する途中で、カメラ(撮像部)30a、30bにより豆表面の画像を撮像する。カメラ30a、30bは、それぞれラインセンサカメラであり、それぞれ豆が自由落下する放物線上におけるほぼ同じ位置での対象物を撮像する。例えば、0.1ms経過して豆が0.1mm移動する都度1ラインの一次元画像データを取得し、順次一次元画像データを集積することにより二次元画像を得ることができる。撮像された画像を解析することにより、対象物である豆の外観を確認することができる。
【0024】
カメラ30a、30bそれぞれで撮像される画像を明瞭にするべく、カメラ30aについては、主照明40a及び副照明(バックライト)41a(光照射部)を、カメラ30bについては、主照明40b及び副照明(バックライト)41b(光照射部)を、それぞれ備えている。カメラ30a、30bによる撮像(露光)、光照射部である主照明40a、41a及び副照明(バックライト)41a、41bの光の照射を切り替えるタイミングは、制御回路10(切替手段)により制御される。
【0025】
図3は、本発明の実施の形態1に係る外観検査装置1の制御回路10の例示図である。本実施の形態1では、撮像部を比較的短い時間間隔でオンオフを繰り返す必要がある。そこで、本実施の形態1では、図3に示すように5A~8A程度の大電流を高速にスイッチングするために、低オン抵抗のパワーFET素子を採用している。これにより、0.05ms単位でカメラ30a、カメラ30b、主照明40a、主照明41a、副照明41a、及び副照明41bのオンオフを制御することが可能となる。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態1に係る外観検査装置1の撮像手段のオンオフのタイミングチャートの例示図である。図4では、対象物である豆の移動速度を1m/sとし、撮像される画素サイズを0.1mmとしているので、撮像するサイクル時間は0.1msとなる。図4は、撮像装置が上下2個の場合を例示している。
【0027】
図4に示すようにカメラ31a(カメラ1)がオン状態、すなわちシャッターが開いて露光状態であるときには、カメラ31b(カメラ2)及びカメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)はオフ状態となり、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)のみがオン状態となる。そして、サイクル時間0.1msの半ばで撮像するカメラを切り替える。
【0028】
すなわち、カメラ31b(カメラ2)がオン状態、すなわちシャッターが開いて露光状態となり、カメラ31a(カメラ1)及びカメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)はオフ状態となり、カメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)のみがオン状態となる。露光時間は、サイクル時間の半分である0.05ms内であれば自由に調整することができる。
【0029】
このようにすることで、カメラ31a(カメラ1)が露光状態であるときには、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)からの光のみが照射されるので、他の照射光による反射光が生じない。また、カメラ31b(カメラ2)が露光状態であるときも同様である。
【0030】
図5は、従来の外観検査装置1における撮像手段のオンオフのタイミング調整を行わない場合に撮像された画像の例示図である。図5に示すように、特に対象物である豆の輪郭部分に反射光が入射しているため、輪郭を正確に認識することが困難になっている。しかも、豆の表面の状態も認識しにくい。
【0031】
図6は、本発明の実施の形態1に係る外観検査装置1で撮像された画像の例示図である。図6に示すように、対象物である豆の輪郭部分に反射光が入射していないので、輪郭線が明確になり、外形をはっきりと認識することができる。しかも、例えば図6の真ん中の豆の画像からも明らかなように、豆の端部に生じた皮の剥離部分の存在も認識することができるので、良品・不良品判定の精度も高くすることが可能となる。
【0032】
本実施の形態1に係る外観検査装置1は、例えば豆の選別装置に適用することができる。図2において、外観検査結果により良品であると判定された場合には、エアガン50から噴射される圧縮空気により選別仕切板60の下方へと放出軌跡を変更させる。これにより、良品と不良品とを高い精度で選別することができる。
【0033】
以上のように本実施の形態1によれば、カメラ31a(カメラ1)がオン状態であるときには、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)からの光のみが照射され、カメラ31b(カメラ2)がオン状態であるときには、カメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)からの光のみが照射されるので、他の照射光による反射光が入射することがなく、対象物の輪郭、表面等の外観を明確に把握することが可能な画像を撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る外観検査装置1の外観構成は、実施の形態1とは異なり、供給装置自体が放出手段として機能する。すなわち、供給装置から鉛直方向に豆を自由落下させ、自由落下中に豆を撮像して外観を判断する。
【0035】
図7は、本発明の実施の形態2に係る外観検査装置1の撮影方法を説明するために模式的に示した部分斜視図である。本発明の実施の形態2に係る外観検査装置1において、豆は、供給装置25から放出されて自由落下する。自由落下する途中で、カメラ(撮像部)30a、30bにより豆表面の画像を撮像する。
【0036】
カメラ30a、30bは、それぞれラインセンサカメラであり、それぞれ豆が自由落下する途上で撮像する。例えば、0.1ms経過して豆が0.1mm移動する都度1ラインの一次元画像データを取得し、順次一次元画像データを集積することにより二次元画像を得ることができる。撮像された画像を解析することにより、対象物である豆の外観を確認することができる。
【0037】
カメラ30a、30bそれぞれで撮像される画像を明瞭にするべく、カメラ30aについては、主照明40a及び副照明(バックライト)41a(光照射部)を、カメラ30bについては、主照明40b及び副照明(バックライト)41b(光照射部)を、それぞれ備えている。カメラ30a、30bの撮像タイミング、光照射部である主照明40a、41a及び副照明(バックライト)41a、41bの光の照射タイミングは、制御回路10により制御される。
【0038】
撮像手段のオンオフのタイミングチャートは、図4と同様であるので詳細な説明は省略する。重要なのは、いずれかの撮像部がオン状態である場合には、オン状態である撮像部に対応付けられた光照射部のみがオン状態であり、他の光照射部がオフ状態であること、そしてオン状態である撮像部が常に1基であるということである。
【0039】
図7に示すようにカメラ(撮像部)が2基である場合、カメラ31a(カメラ1)がオン状態、すなわちシャッターが開いて露光状態であるときには、カメラ31b(カメラ2)及びカメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)はオフ状態となり、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)のみがオン状態となる。そして、サイクル時間0.1msの半ばで撮像するカメラを切り替える。
【0040】
すなわち、カメラ31b(カメラ2)がオン状態、すなわちシャッターが開いて露光状態となり、カメラ31a(カメラ1)及びカメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)はオフ状態となり、カメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)のみがオン状態となる。露光時間は、サイクル時間の半分である0.05ms内であれば自由に調整することができる。
【0041】
このようにすることで、カメラ31a(カメラ1)が露光状態であるときには、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)からの光のみが照射されるので、他の照射光による反射光が入射しない。また、カメラ31b(カメラ2)が露光状態であるときも同様である。
【0042】
本実施の形態2に係る外観検査装置1も、例えば豆の選別装置に適用することができる。図2において、外観検査結果により良品であると判定された場合には、エアガン50から噴射される圧縮空気により選別仕切板60の左方へと放出軌跡を変更させる。これにより、良品と不良品とを高い精度で選別することができる。
【0043】
以上のように本実施の形態2によれば、カメラ31a(カメラ1)がオン状態であるときには、カメラ31a(カメラ1)の光照射部41a(主照明及び副照明)からの光のみが照射され、カメラ31b(カメラ2)がオン状態であるときには、カメラ31b(カメラ2)の光照射部41b(主照明及び副照明)からの光のみが照射されるので、他の照射光による反射光が入射することがなく、対象物の輪郭、表面等の外観を明確に把握することが可能な画像を撮像することができ、高い精度で外観を検査することが可能となる。
【0044】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば、カメラ31a、31bは、ラインセンサカメラを採用しているが、対象物の表面を撮像することができるカメラであれば特に限定されるものではない。また、上記実施例ではカメラを2基備えているが、対象物である豆の表面をあらゆる角度から正確に撮像するため、3基以上のカメラを備えていても構わない。この場合、カメラの基数分だけサイクル時間を分割して、図4と同様のタイムチャートで撮像すれば良い。
【符号の説明】
【0045】
1 豆類選別装置
10 制御回路
20 ベルト(搬送手段)
21 ローラ(搬送手段)
25 供給装置(放出手段)
31a、31b カメラ(撮像部)
40a、40b 主照明(光照射部)
41a、41b 副照明(光照射部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7