(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064154
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】タオル掛け、タオル掛け付きキッチン及びタオル掛け付き洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
A47K 10/04 20060101AFI20240507BHJP
A47B 77/14 20060101ALI20240507BHJP
A47B 67/02 20060101ALI20240507BHJP
A47K 1/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A47K10/04 N
A47B77/14
A47B67/02 503Z
A47K1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172532
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 重人
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260JA00
(57)【要約】
【課題】タオルと干渉させることなく、キッチンの利用を可能とする、タオル掛け2の提供。
【解決手段】このタオル掛け2は、キッチン4の前面に取り付けられる取付部10と、取付部10の前方に位置し、タオルTが掛けられるハンガー12と、ハンガー12の第一端部12aを取付部10の第一端部10aに連結する連結部14とを備える。ハンガー12の第二端部12bは取付部10の第二端部10bに取り外し可能に固定される。ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bから取り外すと、ハンガー12が連結部14を中心に回転できる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチン又は洗面化粧台の前面に取り付けられる取付部と、
前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、
前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部と
を備え、
前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、
前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが、前記連結部を中心に回転できる、
タオル掛け。
【請求項2】
前記ハンガーの第二端部が、上下に離して配置される一対の掴み片を備え、
前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に固定された状態において、前記一対の掴み片の間に、前記取付部の第二端部が位置する、
請求項1に記載のタオル掛け。
【請求項3】
前記ハンガーの第二端部が、前記一対の掴み片の間を架け渡す外側片をさらに備え、
前記取付部の第二端部が、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に固定された状態において前記外側片に相対する、内側片を備え、
前記外側片及び前記内側片の一方が凹部を有する凹側片であり、他方が凸部を有する凸側片であり、
前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部に近づけて前記外側片を前記内側片に押し当てると、前記凹部に前記凸部が嵌り、
前記外側片を前記内側片から引き離すと前記凹部が前記凸部から外れ、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる、
請求項2に記載のタオル掛け。
【請求項4】
前記外側片が前記凹側片であり、前記内側片が前記凸側片である、
請求項3に記載のタオル掛け。
【請求項5】
前記取付部の第二端部の前方部が先細りである、
請求項2又は3に記載のタオル掛け。
【請求項6】
キッチンと、タオル掛けと、を備え、
前記タオル掛けが、
前記キッチンの前面に取り付けられる取付部と、
前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、
前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部と
を備え、
前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、
前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる、
タオル掛け付きキッチン。
【請求項7】
洗面化粧台と、タオル掛けと、を備え、
前記タオル掛けが、
前記洗面化粧台の前面に取り付けられる取付部と、
前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、
前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部と
を備え、
前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、
前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる、
タオル掛け付き洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオル掛け、タオル掛け付きキッチン及びタオル掛け付き洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
水を扱う箇所に設けられる、キッチンや洗面化粧台のような家具には、タオル掛けが設けられる。衛生面や、機能面等を考慮して、様々な構成のタオル掛けが提案されている(例えば、下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばキッチンには、食器や調理具の収納のために複数の引き出しが設けられる。キッチンの前面にタオル掛けを取り付けると、タオル掛けに掛けたタオルが、タオル掛けを取り付けた引き出しの下側に位置する引き出しの動線を遮る。下側の引き出しを開け閉めする際に、引き出しがタオルと干渉する。
タオルとの干渉を避けるには、利用者は、引き出しを開け閉めする度に、タオルを退けなければならない。利用者は煩わしさを覚える。利用者は、タオルを退けるために片手を使うので、引き出しの開け閉めを片手で行わなければならない。引き出しが重い場合、片手で引き出しの開け閉めを行うのは容易でない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、タオルと干渉させることなく、キッチンや洗面化粧台の利用を可能とする、タオル掛け、タオル掛け付きキッチン及びタオル掛け付き洗面化粧台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るタオル掛けは、キッチン又は洗面化粧台の前面に取り付けられる取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備える。前記ハンガーの第二端部は前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定される。前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
【0007】
本発明に係るタオル掛け付きキッチンは、キッチンと、タオル掛けと、を備える。前記タオル掛けは、前記キッチンの前面に取り付けられる取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備える。前記ハンガーの第二端部は前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定される。前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
【0008】
本発明に係るタオル掛け付き洗面化粧台は、洗面化粧台と、タオル掛けと、を備える。前記タオル掛けは、前記洗面化粧台の前面に取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備える。前記ハンガーの第二端部は前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定される。前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タオルと干渉させることなく、キッチンや洗面化粧台の利用を可能とする、タオル掛け、タオル掛け付きキッチン及びタオル掛け付き洗面化粧台が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るタオル掛けの使用状態を示す斜視図である。
【
図4】タオル掛けの開閉動作を説明する斜視図である。
【
図5】タオル掛けの開閉動作を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
【0012】
[本発明の実施形態の概要]
本発明の実施形態の概要は以下の通りである。
【0013】
[構成1]
本発明の一態様に係るタオル掛けは、キッチン又は洗面化粧台の前面に取り付けられる取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備え、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
【0014】
このようにタオル掛けを構成することにより、ハンガーが取付部に拘束されるので、ハンガーにタオルを掛けた状態が安定に保持される。そして、ハンガーが不意に開くことが防止される。
ハンガーの第二端部を取付部の第二端部から取り外すと、ハンガーが連結部を中心に回転できるので、タオル掛けを取り付けた場所の下側に引き出しが位置する場合、この下側の引き出しを開け閉めする際、下側の引き出しの動線からハンガーを外すことができる。下側の引き出しを開け閉めする際に、下側の引き出しがタオルと干渉することが防止される。利用者は、下側の引き出しを開け閉めする度に、タオルを退ける必要はない。利用者は、下側の引き出しの開け閉めのために両手を使うことができる。下側の引き出しが重くても、利用者は下側の引き出しを容易に開け閉めできる。
このタオル掛けは、タオルと干渉させることなくキッチン又は洗面化粧台の利用を可能とする。
【0015】
[構成2]
好ましくは、前述の[構成1]に記載のタオル掛けにおいて、前記ハンガーの第二端部が、上下に離して配置される一対の掴み片を備え、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に固定された状態において、前記一対の掴み片の間に、前記取付部の第二端部が位置する。
このようにタオル掛けを構成することにより、利用者は、例えば親指と人差し指とで一対の掴み片を挟むことで、ハンガーの第二端部を容易に掴むことができる。そのまま、ハンガーの第二端部を取付部の第二端部から外側に引き離すことで、利用者は、ハンガーの第二端部を取付部の第二端部から容易に解放できる。ハンガーの第一端部は連結部に支持されているので、ハンガーはそのまま連結部を中心に回転できる。利用者は、下側の引き出しの開け閉めを行う際、下側の引き出しの動線からハンガーを容易に外すことができる。このタオル掛けは、タオルと干渉させることなくキッチン又は洗面化粧台の利用を可能とする。
【0016】
[構成3]
好ましくは、前述の[構成2]に記載のタオル掛けにおいて、前記ハンガーの第二端部が、前記一対の掴み片の間を架け渡す外側片をさらに備え、前記取付部の第二端部が、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に固定された状態において前記外側片に相対する、内側片を備え、前記外側片及び前記内側片の一方が凹部を有する凹側片であり、他方が凸部を有する凸側片であり、前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部に近づけて前記外側片を前記内側片に押し当てると、前記凹部に前記凸部が嵌り、前記外側片を前記内側片から引き離すと前記凹部が前記凸部から外れ、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
このようにタオル掛けを構成することにより、ハンガーの第二端部を取付部の第二端部に近づけて外側片を内側片に押し当てると、凸部が凹部に嵌る。そのため、ハンガーの第二端部を手前に引いても、凹部は凸部から外れない。このタオル掛けでは、ハンガーを閉じた状態においてハンガーの第二端部が取付部の第二端部にしっかり固定される。このタオル掛けでは、ハンガーが不意に開くことが効果的に防止される。
さらに外側片を内側片から引き離すようにハンガーに力を付与すると、凹部が凸部から外れる。これにより、ハンガーの第二端部が取付部の第二端部から解放される。ハンガーの第一端部は連結部に支持されているので、ハンガーはそのまま連結部を中心に回転できる。利用者は、下側の引き出しの開け閉めを行う際、下側の引き出しの動線からハンガーを容易に外すことができる。このタオル掛けは、タオルと干渉させることなくキッチンの利用を可能とする。
【0017】
[構成4]
好ましくは、前述の[構成3]に記載のタオル掛けにおいて、前記外側片が前記凹側片であり、前記内側片が前記凸側片である。
このようにタオル掛けを構成することにより、凸側片及び凹側片が機能を安定に発揮できる。このタオル掛けは、タオルと干渉させることなくキッチンの利用を可能とする。
【0018】
[構成5]
好ましくは、前述の[構成2]から[構成4]のいずれかに記載のタオル掛けにおいて、前記取付部の第二端部の前方部が先細りである。
このようにタオル掛けを構成することにより、ハンガーにタオルが掛けられ、タオルの重みでハンガーの第二端部が下方に位置していたとしても、この前方部が一対の掴み片の間に挿入される。この前方部によってハンガーの第二端部の位置が矯正される。このタオル掛けでは、ハンガーの第二端部が取付部の第二端部に滑らかに固定される。
【0019】
[構成6]
本発明の一態様に係るタオル掛け付きキッチンは、キッチンと、タオル掛けと、を備え、前記タオル掛けが、前記キッチンの前面に取り付けられる取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備え、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
このタオル掛け付きキッチンにおいても、タオル掛けは、タオルと干渉させることなくキッチンの利用を可能とする。
【0020】
[構成7]
本発明の一態様に係るタオル掛け付き洗面化粧台は、洗面化粧台と、タオル掛けと、を備え、前記タオル掛けが、前記洗面化粧台の前面に取り付けられる取付部と、前記取付部の前方に位置し、タオルが掛けられるハンガーと、前記ハンガーの第一端部を前記取付部の第一端部に連結する連結部とを備え、前記ハンガーの第二端部が前記取付部の第二端部に取り外し可能に固定され、前記ハンガーの第二端部を前記取付部の第二端部から取り外すと、前記ハンガーが前記連結部を中心に回転できる。
このタオル掛け付き洗面化粧台においても、タオル掛けは、タオルと干渉させることなく洗面化粧台の利用を可能とする。
【0021】
[本発明の実施形態の詳細]
適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細が以下に説明される。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部が任意に組み合わされてもよい。
【0022】
[タオル掛け]
図1は、本発明の一実施形態に係るタオル掛け2の使用状態を示す斜視図である。
図1においてタオル掛け2はキッチン4の前面4fに取り付けられている。
図1は、タオル掛け2とキッチン4とを備える、タオル掛け付きキッチンを示す。
図1のタオル掛け2にはタオルTが掛けられている。
【0023】
このタオル掛け2は、水を扱う箇所に設けられる家具に対して使用可能である。水を扱う箇所に設けられる家具としては、キッチン以外に、例えば、キッチンの近くに配置して使用される収納家具、洗面化粧台及び洗面化粧台の近くに配置して使用される収納家具が挙げられる。
【0024】
キッチン4は複数の引き出し6を有する。これら引き出し6には、食器や調理具が収納される。図示されないが、キッチン4の前面4fが扉を有していてもよい。このキッチン4が食洗器をさらに有していてもよい。
【0025】
引き出し6は前板8を有する。前板8はキッチン4の前面4fを構成する。手入れが容易であるとの観点から、前板8の前面8fは、磁性体である金属パネル、例えば、琺瑯パネルで構成される。前板8の前面8fは磁性面である。このキッチン4は磁性面を前面4fに含む。
このキッチン4は、磁性面を前面4fに含むキッチンに限られない。このキッチン4が、前面4fが木製又は樹脂製のパネルで構成されたキッチンであってもよい。
【0026】
図1に示されたキッチン4において、その前面4fに含まれる引き出し6の前板8の前面8fは全て、琺瑯パネルで構成される。前板8の前面8fは全て磁性面である。
図1においてタオル掛け2は磁性面を含む前面4fに取り付けられている。
【0027】
図2はタオル掛け2の斜視図であり、
図3はタオル掛け2の平面図である。
タオル掛け2は、左右に長く、上下及び前後に短い。タオル掛け2は直方体に近い立体形状を有する。タオル掛け2には、このタオル掛け2を上下に貫く、略矩形状の筒2tが構成される。この筒2tにタオルTの一部が通される。
タオル掛け2は、取付部10と、ハンガー12と、連結部14とを備える。
【0028】
取付部10は、キッチン4の前面4fに取り付けられる。取付部10は、本体部16と、突出部18とを備える。
本体部16はタオル掛け2の後方側に位置する。本体部16はプレート状の形態を有する。本体部16はタオル掛け2の左右方向にのびる。
突出部18はプレート状の形態を有する。突出部18は本体部16の第一端部16aから前方にのびる。本体部16の第一端部16aは突出部18の第一端部18aでもある。突出部18は本体部16と一体である。
突出部18の第二端部18bは取付部10の第一端部10aである。本体部16の第二端部16bは取付部10の第二端部10bである。
【0029】
図3に示されるように本体部16は、磁石20と一対の吸盤22とを備える。磁石20は一対の吸盤22の間に位置する。一対の吸盤22は磁石20を間に挟んで配置される。
取付部10は、磁石20及び一対の吸盤22によって前述の前面4fに含まれる磁性面に取り付けられる。取付部10は前面4fに対して取り外し可能である。
取付部10は取り外し可能に前面4fに取り付けられる。利用者は、好みの位置にこのタオル掛け2を取り付けることができる。
【0030】
前述したように、このタオル掛け2が使用される家具は、磁性面を前面に含む家具に限られない。このタオル掛け2が使用される家具が、前面が木製又は樹脂製のパネルで構成されたキッチンであってもよい。この家具が、前面が木製又は樹脂製のパネルで構成された洗面化粧台であってもよい。これらの場合、タオル掛け4は、前述の磁石30を用いることなく、その取付部10の本体部16において、ビスや嵌め合わせ等によって、前面が木製又は樹脂製のパネルで構成されたキッチンや洗面化粧台の前面に取り付けられる。
【0031】
ハンガー12は、取付部10の前方に位置する。このハンガー12にタオルTが掛けられる。ハンガー12は、本体部24と、突出部26とを備える。
【0032】
本体部24はプレート状の形態を有する。本体部24はタオル掛け2の左右方向にのびる。本体部24は、取付部10の本体部16から前方に離して配置される。本体部24と取付部10の本体部16とは、間をあけて配置される。この本体部24にタオルTは掛けられる。本体部24は取付部10の本体部16よりも薄い。利用者は本体部24を弾性変形できる。取付部10の本体部16は厚いので、取付部10の本体部16は変形しにくい。このタオル掛け2はキッチン4の前面4fに安定に保持される。
【0033】
突出部26はプレート状の形態を有する。突出部26も本体部24と同じく薄い。利用者は突出部26も容易に弾性変形できる。
突出部26は本体部24の第一端部24aから後方にのびる。本体部24の第一端部24aは突出部26の第一端部26aでもある。突出部26は本体部24と一体である。
【0034】
本体部24の第二端部24bはハンガー12の第一端部12aである。突出部26の第二端部26bはハンガー12の第二端部12bである。後述するが、ハンガー12はその全体が薄いプレート状の部材で構成される。ハンガー12は弾性変形可能である。
【0035】
連結部14は、ハンガー12の第一端部12aを取付部10の第一端部10aに連結する。
図2に示されたタオル掛け2の連結部14は連結ピン28を備える。
【0036】
このタオル掛け2では、取付部10の第一端部10aに、上下にのびる管部10tが構成される。取付部10はその第一端部10aに管部10tを備える。ハンガー12の第一端部12aには、上下にのびる2つの管部12tが構成される。ハンガー12はその第一端部12aに2つの管部12tを備える。2つの管部12tは、
図2に示されるように、上下に間をあけて配置される。そして、2つの管部12tの間に取付部10の管部10tが挿入され、上側から、ハンガー12の管部12t、取付部10の管部10tそしてハンガー12の管部12tの順に、連結ピン28が通される。これにより、ハンガー12の第一端部12aが取付部10の第一端部10aに連結される。
【0037】
タオル掛け2において連結ピン28は上下にのびる。言い換えれば、連結ピン28の軸芯は上下にのびる。ハンガー12は、上下にのびる連結ピン28の軸芯を中心に回転できる。
【0038】
ハンガー12は連結部14を中心に回転できる。
図2に示されたタオル掛け2において、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bから引き離すと、
図4に示されるように、ハンガー12が連結部14を中心に回転できる。そしてハンガー12を逆向きに回転させると、ハンガー12の第二端部12bが連結部14を中心とする円弧を描きながら取付部10の第二端部10bに近接する。
【0039】
図2に示されたタオル掛け2は、ハンガー12が閉じた状態にある。このときハンガー12の第二端部12bは取付部10の第二端部10bに固定される。
図4及び5に示されたタオル掛け2は、ハンガー12が開いた状態にある。ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bから解放されるので、ハンガー12は連結部14を中心に回転できる。
図2に示されたタオル掛け2におけるハンガー12の位置を0度としたとき、
図5に示されたタオル掛け2におけるハンガー12は、連結部14を中心に180度回転した状態にある。
【0040】
このタオル掛け2では、連結部14が例えば蝶番で構成され、この蝶番によってハンガー12の第一端部12aが取付部10の第一端部10aに連結されてもよい。
ハンガー12が取付部10に対して回転可能に取り付けられていればよく、この連結部14の構成に特に制限はない。
【0041】
図6はハンガー12の突出部26を示す。
図6は、突出部26をその内側から見た様子を示す。
ハンガー12の突出部26は、一対の掴み片30を備える。一対の掴み片30は上下に離して配置される。上側の掴み片30はハンガー12の上面の一部をなす。下側の掴み片30はハンガー12の下面の一部をなす。
【0042】
このタオル掛け2のハンガー12の本体部24は、プレート部材24mを備える。プレート部材24mは、左右方向と上下方向とに拡がる。プレート部材24mの外面は、ハンガー12の前面であり、タオル掛け2の前面でもある。
本体部24はさらに、一対の補強プレート部材24rを備える。一対の補強プレート部材24rは上下に離して配置される。上側の補強プレート部材24rはプレート部材24mの上縁から後方側にのびる。下側の補強プレート部材24rはプレート部材24mの下縁から後方側にのびる。上下の補強プレート部材24rは本体部24を補強する。
【0043】
このタオル掛け2において上側の補強プレート部材24rは、ハンガー12の上面の一部をなす。前述の上側の掴み片30は、この上側の補強プレート部材24rに連なる。上側の掴み片30と上側の補強プレート部材24rとは、一体である。
下側の補強プレート部材24rは、ハンガー12の下面の一部をなす。前述の下側の掴み片30は、この下側の補強プレート部材24rに連なる。下側の掴み片30と下側の補強プレート部材24rとは、一体である。
【0044】
このハンガー12の突出部26は外側片32をさらに備える。外側片32は、前述の一対の掴み片30の間を架け渡す。外側片32は、上側の掴み片30の外縁と下側の掴み片30の外縁との間を架け渡す。外側片32は、前述のプレート部材24mに連なる。外側片の32の外面はハンガー12の側面であり、タオル掛け2の一方の側面でもある。このタオル掛け2の他方の側面は、取付部10の一部をなす突出部18の外側面によって構成される。
【0045】
図7は、取付部10の本体部16の一部を示す。詳細には、
図7は本体部16の第二端部16bを示す。本体部16の第二端部16bは内側片34を備える。内側片34はプレート状の部材で構成される。
【0046】
図2に示されるように、タオル掛け2が閉じた状態において、突出部26の第二端部26bは本体部16の第二端部16bに固定される。突出部26の第二端部26bが本体部16の第二端部16bに固定された状態において、第二端部16bの内側片34は、突出部26の外側片32に相対する。第二端部16bの内側片34は、本体部16の側面を構成する。
【0047】
第二端部16bの内側片34は、凸部36と、小片部38と、大片部40とを備える。凸部36は、内側片34の後方側において、上下にのびる。凸部36は小片部38から外向きに突出する。小片部38はその後方側において凸部36を支持する。
小片部38は、その前端において大片部40に連なる。小片部38は大片部40と一体である。このタオル掛け2では、小片部38は、内側片34の後縁から前方にのびる2本のスリットを内側片34に刻むことで構成される。内側片34のうち、小片部38以外の部分が、大片部40である。大片部40の外面が、内側片34の基準面である。
【0048】
凸部36が押される等して凸部36に内向きの力が作用すると、小片部38が弾性変形し、凸部36が内向きに移動する。これにより、凸部36が内側片34の基準面よりも内側に配置される。言い換えれば、凸部36が第二端部16bの内部に没入する。凸部36に作用する力が除かれると、小片部38が復元し、凸部36が内側片34の基準面から外向きに突出する。
【0049】
内側片34はその基準面から突出する凸部36を備える。この内側片34は凸側片42とも呼ばれる。凸側片42は凸部36を有する。特に
図7に示された凸側片42は、凸部36と、凸部36を支持する小片部38と、小片部38を支持する大片部40とを有する。このタオル掛け2では、凸側片42が、前述のスリットが刻まれていないプレート状の部材、つまり、小片部38及び大片部40を有していない、プレーンなプレート状の部材と、この部材から突出する凸部36とで構成されてもよい。
【0050】
前述したように、ハンガー12の突出部26は外側片32を備える。この外側片32は、突出部26の第二端部26bが本体部16の第二端部16bに固定された状態において、第二端部16bの内側片34と相対する。前述したように、内側片34はその基準面から外向きに突出する凸部36を備える。この外側片32は、内側片34の凸部36に対応する凹部44を備える。凹部44は、外側片32の基準面から外向きに窪む。凹部44は上下にのびる。凹部44は、凸部36の形状が反映された形状を有する。突出部26の第二端部26bが本体部16の第二端部16bに固定された状態において、この凹部44に内側片34の凸部36が嵌る。
【0051】
外側片32はその基準面から窪む凹部44を備える。この外側片32は凹側片46とも呼ばれる。凹側片46は凹部44を有する。凹側片46が凸側片42と相対することで、凹側片46の凹部44に凸側片42の凸部36が嵌る。
【0052】
[タオル掛け2により奏される効果]
このタオル掛け2では、ハンガー12の第二端部12bは取付部10の第二端部10bに取り外し可能に固定される。
ハンガー12が取付部10に拘束されるので、
図1に示されるように、ハンガー12にタオルTを掛けた状態が安定に保持される。ハンガー12に掛けたタオルTが、利用者の動線と干渉することが防止される。
ハンガー12が取付部10に安定に保持されるので、タオル掛け2が取り付けられた引き出し6の把手として、利用者は、このタオル掛け2を用いることもできる。
さらにタオル掛け2を取り付けた引き出し6の両隣に位置する引き出し6を開け閉めする際に、ハンガー12が不意に開くことも防止される。利用者は、タオル掛け2の存在を意識することなく、タオル掛け2を取り付けた引き出し6の両隣に位置する引き出し6を開け閉めできる。
そして、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bから取り外すと、ハンガー12が連結部14を中心に回転できる。
図8に示されるように、タオル掛け2を取り付けた引き出し6の下側に位置する引き出し6u(以下、下側引き出し6u)を開け閉めする際、連結部14を中心にハンガー12を回転させることで、下側引き出し6uの動線からハンガー12を外すことができる。下側引き出し6uを開け閉めする際に、下側引き出し6uがタオルTと干渉することが防止される。利用者は、下側引き出し6uを開け閉めする度に、タオルTを退ける必要はない。利用者は、下側引き出し6uの開け閉めのために両手を使うことができる。下側引き出し6uが重くても、利用者は下側引き出し6uを容易に開け閉めできる。
このタオル掛け2は、タオルTと干渉させることなくキッチン4の利用を可能とする。そして、タオル掛け2とキッチン4とを備える、タオル掛け付きキッチンにおいても、このタオル掛け2は、タオルTと干渉させることなくキッチン4の利用を可能とする。
【0053】
図示されないが、このタオル掛け2は、洗面化粧台の前面にも取り付けることができる。この場合も、タオル掛け2は、タオルTと干渉させることなく洗面化粧台の利用を可能とする。そして、タオル掛け2と洗面化粧台とを備える、タオル掛け付き洗面化粧台においても、このタオル掛け2は、タオルTと干渉させることなく洗面化粧台の利用を可能とする。
【0054】
前述したように、ハンガー12の第二端部12bはハンガー12の突出部26の第二端部26bである。したがって、ハンガー12の第二端部12bは、上下に離して配置される一対の掴み片30を備える。そして、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに固定された状態において、一対の掴み片30の間に、取付部10の第二端部10bが位置する。
【0055】
利用者は、例えば親指と人差し指とで一対の掴み片を挟むことで、ハンガー12の第二端部12bを容易に掴むことができる。そのまま、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bから外側に引き離すことで、利用者は、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bから容易に解放できる。ハンガー12の第一端部12aは連結部14に支持されているので、ハンガー12はそのまま連結部14を中心に回転できる。利用者は、下側引き出し6uの開け閉めを行う際、下側引き出し6uの動線からハンガー12を容易に外すことができる。このタオル掛け2は、タオルTと干渉させることなくキッチン4の利用を可能とする。この観点から、ハンガー12の第二端部12bは上下に離して配置される一対の掴み片30を備え、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに固定された状態において、一対の掴み片30の間に、取付部10の第二端部10bが位置するのが好ましい。
【0056】
このタオル掛け2では、ハンガー12の第二端部12bは前述の一対の掴み片30の間を架け渡す外側片32をさらに備える。そして、取付部10の一部をなす本体部16の第二端部16bは取付部10の第二端部10bである。この取付部10の第二端部10bは、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに固定された状態において、外側片32に相対する、内側片34を備える。
前述したように、外側片32は凹部44を含む凹側片46であり、内側片34は凸部36を有する凸側片42である。
【0057】
このタオル掛け2では、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bに近づけて外側片32を内側片34に押し当てると、凸部36が凹部44に嵌る。そのため、ハンガー12の第二端部12bを手前に引いても、凹部44は凸部36から外れない。このタオル掛け2では、ハンガー12を閉じた状態では、ハンガー12の第二端部12bは取付部10の第二端部10bにしっかり固定される。このタオル掛け2では、ハンガー12が不意に開くことが効果的に防止される。
さらに外側片32を内側片34から引き離すようにハンガー12に力を付与すると、ハンガー12が弾性変形し、凹部44が凸部36から外れる。これにより、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bから解放される。ハンガー12の第一端部12aは連結部14に支持されているので、ハンガー12はそのまま連結部14を中心に回転できる。利用者は、下側引き出し6uの開け閉めを行う際、下側引き出し6uの動線からハンガー12を容易に外すことができる。このタオル掛け2は、タオルTと干渉させることなくキッチン4の利用を可能とする。
外側片32が凸側片42であり、内側片34が凹側片46であっても、タオル掛け2は同様の作用を奏する。したがって、このタオル掛け2では、外側片32及び内側片34の一方が凹部44を有する凹側片46であり、他方が凸部36を有する凸側片42であり、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bに近づけて外側片32を内側片34に押し当てると、凹部44に凸部36が嵌り、外側片32を内側片34から引き離すと凹部44が凸部36から外れ、ハンガー12が連結部14を中心に回転できるのが好ましい。凸側片42及び凹側片46が機能を安定に発揮できる観点から、タオル掛け2の側面をなす外側片32が小片部38を含まない凹側片46であり、外側片32で覆われる内側片34がこの小片部38を含む凸側片42であるのがより好ましい。
【0058】
前述したように、
図7の凸側片42は、凸部36と、凸部36を支持する小片部38と、小片部38を支持する大片部40とを有する。そのため、ハンガー12の第二端部12bを取付部10の第二端部10bに近づけて外側片32を内側片34に押し当てると、内側片34の小片部38が弾性変形し、凸部36が内向きに移動する。これにより、ハンガー12の動線から凸部36が除かれるので、このタオル掛け2は、外側片32の凹部44を内側片34の凸部36の直上に容易に配置できる。凸部36に作用する力が除かれ、凸部36が凹部44に嵌る。このタオル掛け2では、軽い力で凸部36が凹部44に嵌る。ハンガー12の第二端部12bは、取付部10の第二端部10bに固定しやすい。この観点から、凸側片42は、単に凸部36を有するだけでなく、この凸部36に加え、凸部36を支持する小片部38と、小片部38を支持する大片部40とを有するのがより好ましい。
【0059】
図7において符号Fで示される方向は、タオル掛け2の前方側である。符号Rで示される方向はタオル掛け2の後方側である。ハンガー12の第二端部12bが前方側に移動することで、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bから離れる。ハンガー12の第二端部12bが後方側に移動することで、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに近づく。
前述したように、ハンガー12の第二端部12bは上下に離して配置される一対の掴み片30を備える。ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに近づくと、一対の掴み片30の間に取付部10の第二端部10bが挿入される。
図7に示されるように、取付部10の第二端部10bの前方部48は先細りである。ハンガー12にタオルTが掛けられ、タオルTの重みでハンガー12の第二端部12bが下方に位置していたとしても、この前方部48が一対の掴み片30の間に挿入される。この前方部48によってハンガー12の第二端部12bの位置が矯正される。このタオル掛け2では、ハンガー12の第二端部12bが取付部10の第二端部10bに滑らかに固定される。この観点から、取付部10の第二端部10bの前方部48は先細りであるのが好ましい。
【0060】
以上説明したように、本発明によれば、タオルと干渉させることなく、キッチンや洗面化粧台の利用を可能とする、タオル掛け、タオル掛け付きキッチン及びタオル掛け付き洗面化粧台が得られる。
【0061】
前述の実施形態はすべて例示であり、本発明の権利範囲を制限するものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での種々の変更が含まれる。
【符号の説明】
【0062】
2・・・タオル掛け
4・・・キッチン
4f・・・キッチン4の前面
6・・・引き出し
6u・・・下側引き出し
8・・・前板
8f・・・前板8の前面
10・・・取付部
10a・・・取付部10の第一端部
10b・・・取付部10の第二端部
12・・・ハンガー
12a・・・ハンガー12の第一端部
12b・・・ハンガー12の第二端部
14・・・連結部
16・・・取付部10の本体部
16a・・・本体部16の第一端部
16b・・・本体部16の第二端部
18・・・取付部10の突出部
18a・・・突出部18の第一端部
18b・・・突出部18の第二端部
20・・・磁石
24・・・ハンガー12の本体部
24a・・・本体部24の第一端部
24b・・・本体部24の第二端部
26・・・ハンガー12の突出部
26a・・・突出部26の第一端部
26b・・・突出部26の第二端部
28・・・連結部14の連結ピン
30・・・掴み片
32・・・外側片
34・・・内側片
36・・・凸部
38・・・小片部
40・・・大片部
42・・・凸側片
44・・・凹部
46・・・凹側片
48・・・前方部