(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064198
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】動物臭がある部屋の消臭施工方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/015 20060101AFI20240507BHJP
A01K 1/01 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61L9/015
A01K1/01 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172612
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】509134411
【氏名又は名称】メモリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157934
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 隼明
(72)【発明者】
【氏名】横尾 将臣
【テーマコード(参考)】
2B101
4C180
【Fターム(参考)】
2B101AA13
4C180AA02
4C180BB11
4C180BB12
4C180CA04
4C180EA17X
4C180EA23Y
4C180EA57X
4C180EA58X
4C180EB05Y
4C180EB21Y
4C180EB46X
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】消臭施工時の作業時間を短縮でき、更に十分な消臭効果が得られる、動物臭がある部屋の消臭施工方法を提供すること。
【解決手段】下記各工程を含む、動物臭がある部屋の消臭施工方法、
(1)体液、糞及び尿の少なくとも一種を含む汚物を除去する汚物除去工程;
(2)アルカリ性洗剤を散布して洗浄する工程;
(3)工程(2)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(4)弱酸性洗剤を散布して洗浄する工程;
(5)工程(4)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(6)オゾン燻蒸工程(5)後に、汚物が付着又は浸透した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記各工程を含む、動物臭がある部屋の消臭施工方法、
(1)体液、糞及び尿の少なくとも一種を含む汚物を除去する汚物除去工程;
(2)アルカリ性洗剤を散布して洗浄する工程;
(3)工程(2)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(4)弱酸性洗剤を散布して洗浄する工程;
(5)工程(4)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(6)オゾン燻蒸工程(5)後に、汚物が付着又は浸透した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。
【請求項2】
オゾン燻蒸工程(3)の際に、消臭剤を散布する、請求項1に記載の消臭施工方法。
【請求項3】
オゾン燻蒸工程(5)の際に、消臭剤を散布する、請求項1に記載の消臭施工方法。
【請求項4】
オゾン燻蒸工程(3)及び(5)を、温度18~30℃、湿度60~100%、オゾン濃度1~30ppmで、部屋内をオゾンに暴露して行う、請求項1に記載の消臭施工方法。
【請求項5】
塗装被覆工程(6)で用いる水性エポキシ樹脂塗料が、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料である、請求項1に記載の消臭施工方法。
【請求項6】
塗装被覆工程(6)において、水性エポキシ樹脂塗料を二回塗装する、請求項1又は5に記載の消臭施工方法。
【請求項7】
水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量が、それぞれ、固形分で10~60g/m2である、請求項6に記載の消臭施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物臭がある部屋の消臭施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、家族の一員として、室内で、犬、猫等のペットと一緒に生活する人が増えているが、ペットが繁殖し過ぎて飼育できなくなる場合や、飼い主の事情によってペットを飼育できなくなる場合に、飼育していたペットが放置されてしまう状況が増加している。ペットが放置された部屋では、死骸の腐敗、体液、排泄物等により、部屋が汚れ、強い動物臭が発生している。また、ペットを室内で飼っていた飼い主が引っ越し等で移転した場合にも、ペットが飼育されていた部屋では、ペットの体液、排泄物等により、部屋が汚れており、強い動物臭が発生している。
【0003】
上記のように、ペットが室内で飼育されていた部屋では、ペットの体液、排泄物等により、部屋が汚れており、強い動物臭が発生している。このような場合、部屋を清掃し、更に十分に消臭して、原状回復することが必要となる。
【0004】
動物臭がある部屋の消臭方法として、体液、糞、尿から選ばれる汚物を清掃する汚物清掃作業と、その後の弱アルカリ性液剤の散布作業と、その後のオゾン燻蒸作業と、その後の弱酸性液剤の散布作業と、その後のオゾン燻蒸作業と、を含む消臭方法(特許文献1〔0066〕~〔0086〕、〔0113〕~〔0134〕、及び〔
図2〕参照)が、公知である。
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法には、消臭効果が不十分であり、十分な消臭効果を得るためには、弱アルカリ性液剤散布作業、オゾン燻蒸作業、弱酸性液剤散布作業及びオゾン燻蒸作業を、室内の臭気が感じられなくなるまで繰り返す必要があり、作業時間が長くなるという問題点があった(特許文献1段落〔0122〕、〔0133〕、及び〔
図2〕参照)。また、その消臭施工後、多くの事例において、数日内乃至数週間内に、臭気が再発生してしまうという大きな問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点が解消され、消臭施工時の作業時間を短縮でき、十分な消臭効果が得られ、更に臭気の再発生が無い、動物臭がある部屋の消臭施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、汚物除去工程、アルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程及びオゾン燻蒸工程を行った後に、更に、塗装被覆工程として、水性エポキシ樹脂塗料を塗装する場合には、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いという、極めて優れた消臭効果が得られること、そのためアルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程及びオゾン燻蒸工程を繰り返す必要が無く、消臭施工時間を大幅に短縮できること、水性塗料を用いるため、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良いこと、塗装部分が水で濡れていても、そのままで塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業性に優れること等を見出し、更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下に示す、動物臭がある部屋の消臭施工方法を提供するものである。
【0010】
1.下記各工程を含む、動物臭がある部屋の消臭施工方法、
(1)体液、糞及び尿の少なくとも一種を含む汚物を除去する汚物除去工程;
(2)アルカリ性洗剤を散布して洗浄する工程;
(3)工程(2)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(4)弱酸性洗剤を散布して洗浄する工程;
(5)工程(4)後の部屋内にオゾンを噴霧するオゾン燻蒸工程;
(6)オゾン燻蒸工程(5)後に、汚物が付着又は浸透した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する塗装被覆工程。
【0011】
2.オゾン燻蒸工程(3)の際に、消臭剤を散布する、上記項1に記載の消臭施工方法。
【0012】
3.オゾン燻蒸工程(5)の際に、消臭剤を散布する、上記項1に記載の消臭施工方法。
【0013】
4.オゾン燻蒸工程(3)及び(5)を、温度18~30℃、湿度60~100%、オゾン濃度1~30ppmで、部屋内をオゾンに暴露して行う、上記項1に記載の消臭施工方法。
【0014】
5.塗装被覆工程(6)で用いる水性エポキシ樹脂塗料が、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料である、上記項1に記載の消臭施工方法。
【0015】
6.塗装被覆工程(6)において、水性エポキシ樹脂塗料を二回塗装する、上記項1又は5に記載の消臭施工方法。
【0016】
7.水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量が、それぞれ、固形分で10~60g/m2である、上記項6に記載の消臭施工方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の動物臭がある部屋の消臭施工方法によれば、次の様な顕著な効果が奏される。
【0018】
(1)汚物除去工程、アルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程及びオゾン燻蒸工程を行った後に、更に、塗装被覆工程として、水性エポキシ樹脂塗料を塗装することによって、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いという、極めて優れた消臭効果が発揮される。このように、優れた消臭効果が得られるのは、塗装被覆工程で塗装した水性エポキシ樹脂塗料が、塗装部分への浸透性や密着性に優れることによるものと考えられる。即ち、動物臭がある部屋の汚物が付着又は浸透した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する場合には、水性エポキシ樹脂塗料が塗装部分に浸透して、塗装部分の内部に残留している臭気物質を固定すること、又形成塗膜の密着性に優れるので臭気を効果的に遮断することによって、極めて優れた消臭効果が発揮されるものと考えられる。
【0019】
(2)上記(1)の優れた消臭効果によって、アルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程及びオゾン燻蒸工程を繰り返す必要が無くなり、消臭施工時間を大幅に短縮できる。
【0020】
(3)塗装被覆工程で、水性エポキシ樹脂塗料を使用することによって、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良い。また、有機溶剤を使用しないことから、作業員等の健康を害することも無く、火災事故の危険性も無い。加えて、作業現場の近隣に、迷惑をかけることも殆ど無い。
【0021】
(4)また、塗装被覆工程で用いる水性エポキシ樹脂塗料は、塗装部分が水で濡れていても、そのまま塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業時間を大幅に短縮でき、作業性に優れる。
【0022】
(5)従って、本発明の消臭施工方法によれば、その高い消臭効果によって、動物臭を効果的に消失させることができるので、部屋の原状回復を十分にすることができる。このように部屋の原状回復ができることによって、部屋の利用価値、資産価値を維持できることになる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
動物臭がある部屋の消臭施工方法
本発明の動物臭がある部屋の消臭施工方法は、汚物除去工程、アルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、及び塗装被覆工程を、順次行うことによって、高い消臭効果が得られるものである。
【0024】
動物臭がある部屋
本発明消臭施工方法の消臭対象である動物臭がある部屋の種類としては、特に限定されず、居宅、共同住宅、店舗、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫等の各種の部屋が包含される。また、消臭対象とする部屋の材質も、特に限定されず、木造、コンクリート製等の何れであってもよい。消臭対象とする部屋の広さについても、特に限定されないが、部屋の面積の下限としては、例えば、20m2以上、更には又50m2以上の部屋を、面積の上限としては例えば、300m2以下、更には200m2以下の部屋を、消臭対象にすることができる。
【0025】
また、動物の種類としては、ペットとして飼育される動物が何れも包含される。代表的には、犬及び猫であるが、これらに限定されるものではない。動物の飼育されていた期間や、動物が放置されていた期間についても、特に限定されない。動物の生死も問わない。飼育期間は、通常、1年以上であり、特に10年以上の長期間になる場合も少なくない。
【0026】
以下、本発明消臭施工方法を、汚物除去工程、アルカリ性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、弱酸性洗剤散布洗浄工程、オゾン燻蒸工程、及び塗装被覆工程の工程順に、説明する。
【0027】
(1)汚物除去工程
汚物除去工程は、動物の唾液、血液、リンパ液等の体液;糞、尿等の排泄物;毛等の一種以上を含む汚物を除去する工程である。汚物除去工程を行って汚物を除去することによって、その後の弱アルカリ性液剤散布工程、オゾン燻蒸工程等において、動物臭がある部屋の消臭を確実にできるようになる。
【0028】
汚物除去工程では、床面、壁面、建具、ドア、窓、窓枠等に付着した体液、排泄物、毛等をトング、スクレーパー、ヘラ等を用いて除去する。また、尿等の汚物が付着又は浸透している、畳、クッションフロア(CF)、壁紙(クロス)等は、全て撤去することが望ましい。
【0029】
本発明方法においては、汚物除去工程前に、必要に応じて、消毒液散布を行うことができる。消毒液としては、安定化二酸化塩素、次亜塩素酸及び次亜塩素酸ナトリウムから選ばれる一種単独又は二種以上の混合物である消毒剤を含む液剤を使用できる。消毒剤を散布することで、部屋内の菌類、ウイルス等を効果的に除去することができるので、感染症の防止を図ることができ、又部屋の消臭に寄与できる。また、消毒液の内、次亜塩素酸ナトリウムを含む液剤を用いることが、部屋内の菌類、ウイルス等の除去効果が高い点から、好ましく、この場合における、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、500PPM以上であるのが好ましい。
【0030】
また、上記消毒液散布に続いて、必要に応じて、オゾン燻蒸を行うことができる。オゾン燻蒸は、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧して行う。このオゾン燻蒸を行うことによって、ウイルスの不活化を図ると共に、臭いを一時的に抑制して、作業員が効率よく汚物除去作業等を行えるようにでき、又近隣対策にもなる。このオゾン燻蒸は、酸化力の強い消毒液を拭き取った状態で行うのが、好ましい。このオゾン燻蒸は、オゾン濃度1~20ppm程度で、20~90分間程度、オゾンに暴露することによって、行うことが好ましい。
【0031】
本発明において、オゾン燻蒸には、公知のオゾン燻蒸装置を用いることができる。オゾン燻蒸装置としては、ActivO-J(株式会社カイコーポレーション製)、スーパーアクティボ(株式会社カイコーポレーション製)、Panther-J(プラズマオゾン脱臭装置、エコゾン社製)等を好ましく用いることができる。
【0032】
(2)アルカリ性洗剤散布洗浄工程
アルカリ性洗剤散布洗浄工程は、汚物除去工程後の部屋内に、アルカリ性洗剤を散布して洗浄する工程である。アルカリ性洗剤は、液状、粉状のいずれでもよく、水に希釈又は溶解して、使用するのが好ましい。アルカリ性洗剤としては、pHが8~12程度の範囲内であるものが好ましく、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、セスキ炭酸ソーダ、重曹等の一種又は二種以上を含む弱アルカリ性洗剤液を挙げることができる。弱アルカリ性洗剤を散布し、デッキブラシ、スポンジ等を用いて洗浄して、部屋内を清掃することによって、行う。汚れが酷い場合には、必要に応じて、強アルカリ洗剤、例えば、pH12程度以上の水酸化ナトリウム等を含む洗剤を併用してもよい。また、特に、猫が放置された部屋の臭いが強い箇所には、塩素系漂白剤を含む洗剤を用いることによって、洗浄すると共に、効率よく消臭することができる。
【0033】
また、アルカリ性洗剤を散布して洗浄する際に、スチームクリーナーを用いて、高圧水蒸気を噴射することにより、効率的に、汚れを洗浄することができる。スチームクリーナーとしては、例えば、高圧水蒸気装置(ケルヒャー社製)を用いることができる。
【0034】
(3)オゾン燻蒸工程
本発明方法においては、(1)汚物除去工程及び(2)アルカリ性洗剤散布洗浄工程後に、オゾン燻蒸工程を行う。オゾン燻蒸工程は、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧する工程である。この汚物が除去され、清掃された段階で、オゾン燻蒸工程を行うことによって、臭気成分を効率よく分解除去することができる。
【0035】
本発明方法においては、(3)オゾン燻蒸工程に際して、消臭剤散布を行うことが好ましい。消臭剤散布とその後のオゾン燻蒸とを併せて、消臭の相乗効果をもたらすことができるからである。また、消臭剤は、液剤であることが好ましい。液剤であることで、消臭剤を、床面、壁面等に効率よく散布又は塗布することができる。
【0036】
消臭剤散布は、その後のオゾン燻蒸をする前に、部屋内の床面、壁面、窓、天井等の部分に、セスキ炭酸ソーダ、重曹等の水溶液である弱アルカリ性液剤を消臭液剤として散布することによって行うのが好ましい。これによって、糞や尿に含まれる酸性成分を、中和反応させて、効果的に消臭することができる。
【0037】
また、消臭剤としては、更に、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる少なくとも一種の酵素を含有する消臭液剤を散布することができる。これらの酵素を含む消臭剤を散布した後にオゾン燻蒸することで、たんぱく質、脂肪、でんぷん質、繊維質を分解することができ、効率の良い消臭を行うことができる。上記酵素を含有する消臭剤としては、例えば、グランバイオエア(株式会社カイコーポレーション製)、グランバイオプロ(株式会社カイコーポレーション製)、セスキプラス(石けん百貨株式会社製)等を用いることができる。
【0038】
この段階のオゾン燻蒸工程は、アルカリ性洗剤散布洗浄工程時の洗浄によって又は消臭剤散布によって、床面、壁面等が湿っていて湿度が高い状態で、又やや高めの温度で、オゾンを噴霧するのが、消臭効率が上がる点から、好ましい。具体的には、湿度が60~100%程度であるのが好ましく、70~100%程度であるのがより好ましい。また、温度が18~30℃程度であるのが好ましく、20~28℃程度であるのがより好ましい。温度や湿度の調節が必要な場合は、エアコンディショナー、サーキュレーター、ヒーター、加湿器等を、適宜使用することができる。
【0039】
この段階のオゾン燻蒸工程は、オゾン濃度1~30ppm程度で、オゾンに暴露することによって、行うことが好ましい。オゾン暴露時間は、通常、0.5~4時間程度であるのが好ましい。オゾン燻蒸工程には、前記した各種のオゾン燻蒸装置を用いることができる。
【0040】
(4)弱酸性洗剤散布洗浄工程
弱酸性洗剤散布洗浄工程は、(3)オゾン燻蒸工程後の部屋内に、弱酸性洗剤を散布して洗浄する工程である。弱酸性洗剤としては、pHが1.5~4程度の範囲内であるものが好ましく、例えば、クエン酸等の酸性物質;アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤等を含む水溶液である洗剤液等を挙げることができる。弱酸性洗剤の散布は、オゾン燻蒸工程後に、部屋を乾燥させ、弱酸性洗剤液を噴霧後、スチームクリーナー等を用いて、洗浄するのが好ましい。
【0041】
(5)オゾン燻蒸工程
本発明方法においては、(4)弱酸性洗剤散布洗浄工程後に、更にオゾン燻蒸工程を行う。オゾン燻蒸工程は、オゾン燻蒸装置を用いて、部屋内にオゾンを噴霧する工程である。この段階でオゾン燻蒸工程を行うことによって、汚物が除去され、清掃された後に、臭気を効率よく分解除去することができる。
【0042】
本発明方法においては、(5)オゾン燻蒸工程に際して、消臭剤散布を行うことが好ましい。消臭剤散布とその後のオゾン燻蒸とを併せて、消臭の相乗効果をもたらすことができるからである。また、消臭剤は、液剤であることが好ましい。液剤であることで、消臭剤を、床面、壁面等に効率よく散布又は塗布することができる。
【0043】
消臭剤散布は、その後のオゾン燻蒸をする前に、部屋内の床面、壁面、窓、天井等の部分に、クエン酸等の酸性物質を含む水溶液である弱酸性液剤を消臭液剤として散布することによって行うのが好ましい。これによって、糞や尿に含まれるアルカリ性成分を、中和反応させて、効果的に消臭することができる。
【0044】
この段階のオゾン燻蒸工程は、弱酸性洗剤散布洗浄工程時の洗浄によって又は消臭剤散布によって、床面、壁面等が湿っていて湿度が高い状態で、又やや高めの温度で、オゾンを噴霧するのが、消臭効率が上がる点から、好ましい。具体的には、湿度が60~100%程度であるのが好ましく、70~100%程度であるのがより好ましい。また、温度が18~30℃程度であるのが好ましく、20~28℃程度であるのがより好ましい。温度や湿度の調節が必要な場合は、エアコンディショナー、サーキュレーター、ヒーター、加湿器等を、適宜使用することができる。
【0045】
この段階のオゾン燻蒸工程は、オゾン濃度1~30ppm程度で、オゾンに暴露することによって、行うことが好ましい。オゾン暴露時間は、通常、0.5~4時間程度であるのが好ましい。オゾン燻蒸工程には、前記した各種のオゾン燻蒸装置を用いることができる。
【0046】
(6)塗装被覆工程
(5)オゾン燻蒸工程後に、部屋内の汚物が付着又は浸透した箇所に、水性エポキシ樹脂塗料を塗装して、被覆する工程である。水性エポキシ樹脂塗料を、床面、壁面等の汚物が付着していた箇所や、汚物が浸透している又は浸透していると思われる箇所に、塗装することによって、これらの箇所に残留している臭気を、確実に遮断することができる。
【0047】
本発明方法においては、塗装被覆工程で、塗料として水性エポキシ樹脂塗料を用いることが重要である。水性エポキシ樹脂塗料を用いることによって、塗装部分への浸透性、密着性に優れることに基づいて、十分に高い消臭効果が得られ、しかも消臭施工後に臭気が再発生することが無いという、優れた消臭効果が発揮される。また、有機溶剤の臭気等が無く作業環境が良いこと、塗装部分が水で濡れていても、そのままで塗装ができるので、乾燥を待つ必要が無く、作業性に優れること等の効果も得られる。
【0048】
水性エポキシ樹脂塗料としては、エポキシ樹脂とケチミン化ポリアミン等の硬化剤とを含有する一液型塗料も使用できるが、エポキシ樹脂を含む主剤と硬化剤とからなる二液型塗料を使用するのが好ましい。二液型エポキシ樹脂塗料は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂の水性エマルションである主剤と、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン等のアミン類、脂肪族ポリアミンのケチミン化物、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト等の変性アミン等の水性エマルションである硬化剤とを、使用直前に混合し、塗装して、塗膜を形成するものである。混合割合は、特に限定されず適宜決定されるが、塗装部分が木材、コンクリート等の浸透性のあるものである場合は、例えば、主剤:硬化剤:水=1:1:1程度の重量割合で、又塗装部分が金属、プラスチック等の浸透性のないものである場合は、例えば、主剤:硬化剤=1:1程度の重量割合で、混合する。混合後、可使時間内に塗装を完了する。混合後の可使時間は、気温及び湿度によって変動するが、通常、30~90分程度である。
【0049】
また、水性エポキシ樹脂塗料は、二回塗装するのが好ましい。一回目を塗装後、乾燥したら、二回目の塗装をする。この場合、塗装部分に浸透性がある場合は、一回目の塗装で塗装部分に塗料の一部が浸透する。塗料は、塗装後、通常、30~90分程度で乾燥硬化する。また、水性エポキシ樹脂塗料の一回目及び二回目の塗布量は、特に限定されず、塗装部分のの浸透性の程度等によって変動するが、通常、それぞれ、固形分で10~60g/m2程度であるのが、好ましい。更に、特に尿臭等の臭いが酷かった部分には、確実に消臭するために、三回目の塗装を行ってもよい。三回目の塗布量等は、一回目及び二回目と同様である。
【0050】
水性エポキシ樹脂塗料の塗装方法は、例えば、刷毛、ローラー、エアガン等で、行うことができる。塗装後は、そのまま、乾燥硬化すればよく、これにより、消臭施工が完了し、十分に高い消臭効果が得られ又臭気の再発が無いという優れた消臭効果が発揮される。
【実施例0051】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、実施例によって、何ら限定されるものではない。
【0052】
各実施例における消臭施工環境等のモニター及び使用した水性エポキシ樹脂塗料は、以下の通りである。
【0053】
動物臭がある部屋の消臭施工環境及び臭気のモニター方法
室内環境IoTセンサーポッド「POD2」(アナリティクセンス(株)製)を用いて、消臭施工する部屋の温度、湿度、オゾン(O3)濃度、硫化水素(H2S)濃度、アンモニア(NH3)濃度を、施工開始から終了まで、モニターした。これらの内、硫化水素(H2S)濃度及びアンモニア(NH3)濃度を、部屋の臭気の指標とした。「POD2」によれば、Wifi環境下に、スマートフォンのアプリで、上記各項目を、常時モニターすることができる。
【0054】
水性エポキシ樹脂塗料
各実施例において、水性エポキシ樹脂塗料として、「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)を用いた。「Value painting VMP-1000」は、エポキシ樹脂、界面活性剤及び水からなる固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、変性脂肪族ポリアミン及び水からなる固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤とからなる二液型水性エポキシ樹脂塗料である。
【0055】
実施例1
事例1(犬を飼育していた部屋の消臭施工例)
消臭施工対象とする部屋は、小型犬3匹が8年間飼育されていた、広さが面積60m2の2DKの賃貸マンションで、賃貸人は、犬を放置して、夜逃げ状態であった。犬は保護され、家財道具は保険会社で撤去済みであり、管理会社より、その後の消臭の依頼を受けた。家財処分の裁判所の許可が下りるまで実に半年ほど経過しているため、室内は非常に強い糞尿の臭いが充満し、壁紙や建具などに染みついて酷い状況だった。間取りは、和室、洋室及びキッチンで、玄関からの廊下はクッションフロア(CF)だった。
【0056】
消臭施工開始時点での状況
和室、洋室及びキッチンは、尿のシミだらけで一部糞が溜まっている状況で、フィルター付きのマスクでないと部屋で息ができない。特に、玄関は、犬が飼い主の帰りを待っていたと思われ汚物が非常に多く、消臭が困難と思われる状況だった。消臭施工前の臭気は、和室、洋室及びキッチンは、どの位置で計測しても硫化水素が2~3ppm、アンモニアが1~3ppmであり、普通に呼吸ができない状況だった。玄関は、硫化水素が4ppm、アンモニアが4ppmであり、非常に高かった。
【0057】
(1)汚物除去工程
消毒液として、「ハイター」(花王(株)製)を水で希釈して、次亜塩素酸ナトリウムを1000ppm含む液剤とし、これを、部屋内の天井、壁、床等の部屋全体に、加圧式電動スプレーで、部屋面積20m2当り1リットル程度噴霧して、消毒を行った。散布した次亜塩素酸ナトリウムをふき取った後、一時的に臭気を分解して、作業をし易くするため、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約60分噴霧した。オゾン濃度は、8~12ppmであった。
【0058】
次に、床面、壁面等に付着した、体液、排泄物、毛等が固着した汚物をトングやスクレーパーを用いて、除去した。和室の畳6枚は撤去し、尿が染み込んでいるクッションフロアもすべて剥がし撤去した。
【0059】
(2)アルカリ性洗剤散布洗浄工程
床面(クッションフロアの下の基礎はコンパネ)、巾木、壁面等に、アルカリ性洗剤水溶液を噴霧により散布して、デッキブラシやスポンジを用いて、付着した汚物や染み込んだ尿等を洗浄した。また、臭いが強い箇所は、更に洗剤水溶液を噴霧後にスチームクリーナーを使用して洗浄した。アルカリ性洗剤水溶液としては、台所用洗剤「ジョイ」(P&Gジャパン合同会社製)(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミンオキシド等を含有し、弱アルカリ性)を、水で5倍希釈して、用いた。散布量は6リットルであった。
【0060】
(3)オゾン燻蒸工程
アルカリ性洗剤で洗浄後、弱アルカリ性消臭剤(セスキ炭酸ソーダ水溶液)を部屋全体(床、壁、天井等)に噴霧して、糞や尿に含まれる酸性の成分を中和反応させた。消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、加湿器を設置して、サーキュレーターを各室に1台稼働させて、温度を20~26℃、湿度を70%以上に維持して、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約90分間噴霧して、オゾン濃度を、5~15ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
【0061】
(4)弱酸性洗剤散布洗浄工程
上記オゾン燻蒸工程後に、部屋を乾燥させ、床面、壁面等に、弱酸性洗剤水溶液を噴霧により散布して、スチームクリーナーを使用して洗浄した。酸性洗剤水溶液としては、浴室用洗浄剤「スケールカットP」(横浜油脂工業(株)製)(クエン酸、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等を含有し、弱酸性)を、水で10倍希釈して、用いた。散布量は4リットルであった。
【0062】
(5)オゾン燻蒸工程
弱酸性洗剤散布洗浄工程後、弱酸性消臭剤(クエン酸水溶液)を部屋全体(床、壁、天井等)に噴霧して、糞や尿に含まれるアルカリ性の成分を中和反応させた。消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、加湿器を設置して、サーキュレーターを各室に1台稼働させて、温度を20~26℃、湿度を70%以上に維持して、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約90分間噴霧して、オゾン濃度を、5~15ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
【0063】
(6)塗装被覆工程
二液型水性エポキシ樹脂塗料「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)の固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤と水とを、1:1:1の重量割合で、混合した。混合した塗料を、基礎の木材面、壁面等に、固形分で30g/m2の塗布量で、ローラーを用いて、一回目の塗装をした。この一回目の塗装の一部が塗装部分に浸透し、1時間程度乾燥してから、再度、固形分で30g/m2の塗布量で、ローラーを用いて、二回目の塗装をした。この二回目の塗装後、1時間程度乾燥硬化させた。この二回塗装によって、完全に臭いが上がってこなくなった。
【0064】
消臭施工終了後の臭気の状況
消臭施工終了後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、動物臭は、全く感じられなかった。
【0065】
消臭施工終了1ケ月後の臭気の状況
消臭施工終了1ケ月後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、動物臭は、全く感じられなかった。
【0066】
実施例2
事例2(猫を飼育していた部屋の消臭施工例)
消臭施工対象とする部屋は、広さが延べ面積150m2の4LDK(1階和室とLDK、2階洋室3部屋)の戸建てで、猫10匹が5年間多頭飼育されていた。全部屋で、猫を放し飼いにしていたため臭いは強烈だった。持ち主は現状で売却希望だったが、不動産会社にこの状態では売買不可と言われて、弊社に消臭施工の依頼があった。
【0067】
消臭施工開始時点での状況
すべての部屋及び廊下に、猫の糞と尿のシミが多数あり、出窓やサッシに猫の毛と尿、糞が大量にあり、凄まじい臭いを放っていた。和室の押し入れ、床、壁には、尿の跡が付いていた。猫は家具や猫タワーの上から尿を壁にかけるので、各部屋の壁には尿が流れた跡が付いていて洗浄する箇所が広範囲だった。消臭施工前の臭気は、各部屋のどの位置で計測しても硫化水素が1~3ppm、アンモニアが2~4ppmであった。
【0068】
(1)汚物除去工程
床面にある糞や尿が乾いたカス、出窓やサッシにある糞をトングやヘラを用いて、除去した。そして、臭いが強烈なため家中のクロスをすべて剥がし、石膏ボードに染み込んだ跡がある場合は洗浄後でも確認できるように油性マジックで印をつけておいた。和室の畳6枚は撤去し、トイレや脱衣場のクッションフロアはすべて剥がし、臭いの元をすべて撤去した。
【0069】
(2)アルカリ性洗剤散布洗浄工程
床面、壁面等に、台所用洗剤「ジョイ」(P&Gジャパン合同会社製)(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミンオキシド等を含有し、弱アルカリ性)を、水で5倍希釈したアルカリ性洗剤水溶液を噴霧により散布して、デッキブラシやスポンジを用いて、付着した汚物や染み込んだ尿等を洗浄した。散布量は14リットルであった。
【0070】
また、出窓や石膏ボードに染み込んだ尿は、「キッチンブリーチ」(カネヨ石鹸(株)製)(次亜塩素酸ナトリウム、アルキルアミンオキシド及び水酸化ナトリウムを含有し、アルカリ性)を、水で2倍希釈したアルカリ性洗剤水溶液を噴霧により散布して、浸み込ませてから、スチームクリーナーを使用して洗浄した。スチームの蒸気から尿臭が消えるまで繰り返した。散布量は8リットルであった。
【0071】
(3)オゾン燻蒸工程
アルカリ性洗剤で洗浄後、弱アルカリ性消臭剤(セスキ炭酸ソーダ水溶液)を部屋全体(床、壁、天井等)に噴霧して、糞や尿に含まれる酸性の成分を中和反応させた。消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、1、2階にオゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を1台ずつ設置した。温度を20~26℃に保ち、加湿器を設置して、サーキュレーターを各室に1台稼働させて、湿度を70%以上に維持して、7500mg/hrのオゾンを、約90分間噴霧して、オゾン濃度を、5~15ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
【0072】
(4)弱酸性洗剤散布洗浄工程
上記オゾン燻蒸工程後に、部屋を乾燥させ、床面、壁面、出窓等に、弱酸性洗剤水溶液を噴霧により散布して、スチームクリーナーを使用して洗浄した。酸性洗剤水溶液としては、浴室用洗浄剤「スケールカットP」(横浜油脂工業(株)製)(クエン酸、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等を含有し、弱酸性)を、水で10倍希釈して、用いた。スチームクリーナーの蒸気から臭いが無くなるまで数回繰り返した。散布量は5リットルであった。
【0073】
(5)オゾン燻蒸工程
弱酸性洗剤散布洗浄工程後、弱酸性消臭剤(クエン酸水溶液)を部屋全体(床、壁、天井等)に噴霧して、糞や尿に含まれるアルカリ性の成分を中和反応させた。消臭剤散布後、床面、壁面等が湿っている状態で、加湿器を設置して、サーキュレーターを各室に1台稼働させて、温度を20~26℃、湿度を70%以上に維持して、オゾン燻蒸装置Panther-J(株式会社カイコーポレーション製)を用いて、7500mg/hrのオゾンを、約150分間噴霧して、オゾン濃度を、10~15ppmに維持して、オゾン燻蒸を行った。
【0074】
(6)塗装被覆工程
二液型水性エポキシ樹脂塗料「Value painting VMP-1000」((株)バリュー・クリエイション製)の固形分65重量%のエポキシ樹脂エマルションである主剤と、固形分50重量%の変性脂肪族ポリアミンのエマルションである硬化剤と水とを、1:1:1の重量割合で、混合した。混合した塗料を、基礎の木材面、壁面等に、固形分で30g/m2の塗布量で、ローラーを用いて、一回目の塗装をした。この一回目の塗装の一部が塗装部分に浸透し、1時間程度乾燥してから、再度、固形分で30g/m2の塗布量で、ローラーを用いて、二回目の塗装をした。この二回目の塗装後、1時間程度乾燥硬化させた。この二回塗装によって、完全に臭いが上がってこなくなった。更に、特に尿臭が酷かった部分には、臭いを確実に遮断するために、二回目と同様の塗布量で、三回目の塗装を行った。
【0075】
消臭施工終了後の臭気の状況
消臭施工後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、動物臭は、全く感じられなかった。
【0076】
消臭施工終了1ケ月後の臭気の状況
消臭施工終了1ケ月後の臭気は、硫化水素0ppm、アンモニア0ppmであった。また、動物臭は、全く感じられなかった。