(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064217
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】折畳収納具
(51)【国際特許分類】
A45C 3/02 20060101AFI20240507BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20240507BHJP
B42F 7/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A45C3/02 K
A45C11/00 T
B42F7/00 P
B42F7/00 L
A45C3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172642
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100149478
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 竜也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇佑
(72)【発明者】
【氏名】岡田 賢太
【テーマコード(参考)】
2C017
3B045
【Fターム(参考)】
2C017QA08
2C017QA09
2C017QA13
2C017QD02
3B045BA00
3B045CE07
3B045CE10
3B045DA42
3B045DA44
3B045EB11
3B045FA01
3B045FB00
3B045FC04
3B045FC08
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045JA02
3B045JB01
3B045JC06
(57)【要約】
【解決手段】折畳収納具10は、内表面12bに収容部52を有する第1本体部24と、内表面12bに収容部52を有する第2本体部26と、第1本体部24の側辺部と第2本体部26の側辺部とを開閉可能に連結する背部28と、第1本体部24及び第2本体部26の上辺14部及び側辺部16を開放可能に閉じるファスナー18と、を備え、第1本体部24の底辺部24dと第2本体部26の底辺部26dとは、ファスナー18が形成されておらず、ファスナー18を閉じた状態において、第1本体部24の底辺部24d及び第2本体部26の底辺部26dの間に、内表面12bに連通する開口部が形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1本体部と、
前記第1本体部に向かい合う第2本体部と、
前記第1本体部と前記第2本体部とを開閉可能に連結する背部と、
前記第1本体部及び前記第2本体部の上辺部及び側辺部を開放可能に閉じるファスナーと、を備え、
前記第1本体部の底辺部と前記第2本体部の底辺部とは、前記ファスナーが形成されておらず、
前記ファスナーを閉じた状態において、前記第1本体部の前記底辺部と前記第2本体部の前記底辺部との間に開口部が形成される、
折畳収納具。
【請求項2】
請求項1記載の折畳収納具であって、
前記背部を通じた前記第1本体部と前記第2本体部との開閉に伴って、前記第1本体部及び前記第2本体部の前記底辺部が同一平面に沿って移動する、
折畳収納具。
【請求項3】
請求項1記載の折畳収納具であって、
前記第1本体部及び前記第2本体部は、芯材と、前記芯材を包み込む表皮材とを有し、
前記芯材は、前記底辺部の近傍に延在して前記第1本体部及び前記第2本体部の変形を阻止する、
折畳収納具。
【請求項4】
請求項1記載の折畳収納具であって、
前記第1本体部の前記側辺部に接続され、前記側辺部を中心に回動可能な第1フラップと、
前記第2本体部の前記側辺部に接続され、前記側辺部を中心に回動可能な第2フラップと、を備え、
前記第1フラップの内表面及び前記第2フラップの内表面に収容部を有する、
折畳収納具。
【請求項5】
請求項4記載の折畳収納具であって、
前記第1フラップの底辺部と前記第2フラップの底辺部とは、前記第1本体部及び前記第2本体部の前記底辺部と同一平面上を移動する、
折畳収納具。
【請求項6】
請求項1記載の折畳収納具であって、
前記第1本体部及び前記第2本体部の少なくとも一方に、透明樹脂フィルムで覆われたポケットを有する、
折畳収納具。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の折畳収納具であって、
メッシュ生地を裏地に開口部を形成することなく縫い付けた缶バッジ保持部を有する、
折畳収納具。
【請求項8】
第1ポケット部と、
前記第1ポケット部に対して幅方向に離間した第2ポケット部と、
前記第1ポケット部及び前記第2ポケット部の外表面を覆うと共に前記第1ポケット部と前記第2ポケット部とを連結する透明な背面カバーシートと、
前記第1ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第1収容空間と、
前記第2ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第2収容空間と、
前記第1収容空間及び前記第2収容空間の少なくとも一方に挿入されると共に、前記第1収容空間及び前記第2収容空間と同じ平面形状を有する透明な板状の装飾プレートと、を備えた、
折畳収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被収容物の収納、展示及び鑑賞に好適な折畳収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
アイドルやアニメのファン活動として、いわゆる推し活が広まっている。推し活には、アイドルやアーティストのライブグッズ、アニメやゲームのキャラクターにまつわる文具や生活雑貨などの物品を集め、鑑賞し、他人にその魅力を伝える活動が含まれる。
【0003】
従来、ユーザが集めた物品の整理収納には、ファイル等の文房具(例えば、特許文献1)や、透明なシートで覆われたポーチ等が使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のファイルやポーチは、物品の整理収納に重きが置かれており、鑑賞又は展示を行うためには、ファイルやポーチから、物品を取り出して、机の上に並べる等の作業が必要であった。また、後片付けのために、机の上に並べた物品をファイルやポーチに収納する作業が、鑑賞及び展示の毎に発生するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の開示の一観点は、第1本体部と、前記第1本体部に向かい合う第2本体部と、前記第1本体部と前記第2本体部とを開閉可能に連結する背部と、前記第1本体部及び前記第2本体部の上辺部及び側辺部を開放可能に閉じるファスナーと、を備え、前記第1本体部の底辺部と前記第2本体部の底辺部とは、前記ファスナーが形成されておらず、前記ファスナーを閉じた状態において、前記第1本体部の前記底辺部と前記第2本体部の前記底辺部との間に開口部が形成される、折畳収納具にある。
【0008】
別の一観点は、第1ポケット部と、前記第1ポケット部に対して幅方向に離間した第2ポケット部と、前記第1ポケット部及び前記第2ポケット部の外表面を覆うと共に前記第1ポケット部と前記第2ポケット部とを連結する透明な背面カバーシートと、前記第1ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第1収容空間と、前記第2ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第2収容空間と、前記第1収容空間及び前記第2収容空間の少なくとも一方に挿入されると共に、前記第1収容空間及び前記第2収容空間と同じ平面形状を有する透明な板状の装飾プレートと、を備えた、折畳収納具にある。
【発明の効果】
【0009】
上述観点の折畳収納具は、第1収容部と第2収容部とに展示又は鑑賞に適した態様で収納された物品を、折り畳んでファスナーを閉じることで素早く持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る折畳収納具の閉じた状態での斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の折畳収納具の第1本体部及び第2本体部を開いた状態の正面図である。
【
図4】
図4は、
図3の折畳収納具の第1フラップ及び第2フラップを開いた状態の背面図である。
【
図5】
図5は、
図3の折畳収納具の第1フラップ及び第2フラップを開いた状態の正面図である。
【
図6】
図6は、
図3の折畳収納具の第1フラップ及び第2フラップを開いて立てた状態での斜視図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る折畳収納具の閉じた状態での斜視図である。
【
図9】
図9Aは、第3実施形態に係る折畳収納具を開いた状態の正面図であり、
図9Bは
図9Aの折畳収納具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態に係る折畳収納具10は、
図1に示されるように、矩形の冊子状の本体部12を有し、本体部12は、その上辺部14及び側辺部16に沿ってL字状に延在するファスナー18によって閉じられる。
【0012】
図1~
図5に示されるように、折畳収納具10は、本体部12と、ファスナー18と、第1フラップ20と、第2フラップ22とを主に備える。このうち、本体部12は、第1本体部24と、第2本体部26と、背部28をと有する。本体部12は、外表面12aを構成する外生地30と、内表面12bを構成する裏地32とを重ね合わせ、外生地30と裏地32との周縁部を縫合して結合した構造を有する。
【0013】
背部28は、本体部12の幅方向の中央に位置する。
図4に示されるように、背部28には、芯材34が含まれておらず、柔軟に折り曲げることができる。第1本体部24は、背部28の幅方向の第1方向の側部に位置する。第1本体部24は、外生地30と裏地32とに挟まれた芯材34を有する。芯材34は、例えば、厚紙等の比較的硬質な板状の部材であり、矩形状に形成されている。芯材34は、第1本体部24の略全域に亘って配置されている。芯材34は、外生地30と裏地32との縫合部に縫い込まれることで、外生地30と裏地32に固定されている。芯材34は、第1本体部24の変形を防ぐことで、折畳収納具10を自立させた際に、被収容物を鑑賞又は展示しやすい状態に保つ。
【0014】
図3に示されるように、第2本体部26は、背部28の幅方向の第2方向の側部に位置する。
図4に示されるように、第2本体部26は、内部に芯材34を有する。第2本体部26及びその芯材34は、第1本体部24及びその芯材34と左右対称である以外は、同様に構成される。
【0015】
図3に示されるように、ファスナー18は、背部28の上端部28aから、第1本体部24及び第2本体部26の側辺部24b、26bの下端24c、26cにまで延在する。ファスナー18は、第1ファスナーテープ36と、第2ファスナーテープ38と、スライダー40とを有する。第1ファスナーテープ36は、始端部36aが背部28の上端部28aに位置する。第1ファスナーテープ36は、第1本体部24の上辺部24aと側辺部24bとに縫合されている。第1ファスナーテープ36の終端部36bは、第1本体部24の側辺部24bの下端24cに位置する。
【0016】
第2ファスナーテープ38は、始端部38aが背部28の上端部28aに位置する。第2ファスナーテープ38は、第2本体部26の上辺部26aと側辺部26bに縫合されている。第2ファスナーテープ38の終端部38bは、第2本体部26の側辺部26bの下端26cに位置する。スライダー40は、第1ファスナーテープ36と第2ファスナーテープ38とに沿ってスライドすることで、第1ファスナーテープ36と第2ファスナーテープ38とを連結又は分離させる。
【0017】
図2に示されるように、折畳収納具10は、第1本体部24の底辺部24d及び第2本体部26の底辺部26dに、ファスナー18が形成されていない。第1本体部24の底辺部24d及び第2本体部26の底辺部24dは、外生地30と裏地32との縫合部により形成され、
図3に示されるように、背部28の下端部28bと共に直線状に延びる。第1本体部24の底辺部24d及び第2本体部26の底辺部26dは、第1本体部24及び第2本体部26の回動にともなって、同一平面上を移動する。
【0018】
図4において、第1本体部24及び第2本体部26は、それらの底辺部24d、26dに芯材34が縫い込まれて固定されている。そのため、底辺部24d、26dを下にして折畳収納具10を自立させた状態で、第1本体部24及び第2本体部26の自重による変形が阻止される。
【0019】
図3に示されるように、第1フラップ20は、折りたたまれた状態において、第1本体部24の内表面12bの上に重なって配置される。第1フラップ20は、矩形の板状の部材である。
図4に示されるように、第1フラップ20は、芯材42を有する。芯材42は、外生地44と裏地46と間に挟まれる。なお、第1フラップ20の外生地44は、
図3に現れている面を構成し、本体部12の外生地30と同じ生地によって形成され得る。また、第1フラップ20の裏地46(
図5参照)は、
図3の状態において、本体部12の内表面12bに向かい合っている。第1フラップ20の裏地46は、本体部12の裏地32と同様の素材で構成され得る。第1フラップ20は、一方の側部20aが第1本体部24の側辺部24bに縫合されている。
【0020】
図5に示されるように、第1フラップ20は、第1本体部24との縫合部を中心にして第1本体部24に対して回動できる。第1フラップ20の底辺部20bは、第1本体部24及び第2本体部26の底辺部24d、26dと同じ位置に位置する。第1フラップ20の底辺部20bは、第1フラップ20の回動にともなって、第1本体部24及び第2本体部26の底辺部24d、26dと同一平面に沿って移動する。
図6に示されるように、折畳収納具10を自立させたときに、第1フラップ20の底辺部20bは、第1本体部24及び第2本体部26の底辺部24d、26dと共に、折畳収納具10を支持する。
【0021】
図3に示されるように、第2フラップ22は、折りたたまれた状態において、第2本体部26の上に重なって配置される。第2フラップ22は、第1フラップ20と左右対称である以外は、同様に構成される。
【0022】
図3に示す状態から、第1フラップ20及び第2フラップ22を展開させると、
図5に示すように、本体部12の内表面12bと、第1フラップ20の内表面48と、第2フラップ22の内表面50とが現れる。本体部12の内表面12bと、第1フラップ20の内表面48と、第2フラップ22の内表面50には、複数のポケット状の収容部52と、メッシュ状の缶バッジ保持部54とが形成されている。
【0023】
図示の例では、第1本体部24には、内表面12bに4つのポケット状の収容部52が形成される。各々の収容部52は、透明な樹脂フィルム52aを裏地32の表面に縫合して形成される。樹脂フィルム52aの上端は裏地32に縫合されておらず、収容部52の開口部52bを形成する。樹脂フィルム52aは、その上端に、収容部52の内側に向けて折り返された折返部52cを有する。折返部52cは、収容部52に収容された写真等の被収容物の裏側に引っかけるように配置されることで、収容部52からの被収容物の離脱を防ぐ。また、第2本体部26には、内表面12bに1つのポケット状の収容部52と、缶バッジ保持部54が形成れている。また、第1フラップ20、第2フラップ22のそれぞれの内表面48、50には、ポケット状の収容部52が設けられている。第2本体部26、第1フラップ20及び第2フラップ22の収容部52の構造は、第1本体部24の収容部52の構造と同様である。
【0024】
缶バッジ保持部54は、メッシュ生地(網状の生地)を裏地32に開口部を形成しないように縫合して形成される。缶バッジ保持部54は、通常のポケット構造とは異なり、周縁部の全域が裏地32に縫合されている。缶バッジ保持部54には、缶バッジの安全ピンの針を通すことで、缶バッジを取り付けることができる。缶バッジ保持部54の上端には、吊下バンド56が配置されている。吊下バンド56は、幅5~10mm程度の紐状の部材である。吊下バンド56は、その幅方向の一端56aが第2本体部26の側辺部26bに縫い込まれ、幅方向の他端56bがホックにより取り外し可能に第2本体部26に固定されている。吊下バンド56は、環状の留め具を通すことで、キーホルダー等の環状の留め具を有する物品を保持できる。
【0025】
なお、収容部52、缶バッジ保持部54及び吊下バンド56のレイアウトは、図示の例に限定されず、様々な変更が可能である。
【0026】
本実施形態の折畳収納具10は以上のように構成され、以下その作用について説明する。
【0027】
折畳収納具10は、
図5に示される収容部52、缶バッジ保持部54及び吊下バンド56に、ユーザが集めた物品を取り付けて使用される。収容部52は、透明なポケット構造であるため、写真やカードをアルバムのように収容したまま鑑賞できる。缶バッジ保持部54には、缶バッジやピンバッチ等が取り付けられる。
【0028】
折畳収納具10を持ち運ぶ場合には、
図3に示されるように、第1フラップ20及び第2フラップ22を閉じる操作が行われる。次に、
図1に示されるように、第1本体部24と第2本体部26とが重ね合わされる。その後、ファスナー18で第1本体部24及び第2本体部26が閉塞される。
【0029】
折畳収納具10は、ファスナー18を閉じると、収容部52の折返部52cが押さえつけられることで、被収容物の脱落を防止できる。また、閉じた状態の折畳収納具10は、厚みのある被収容物をなるべく薄く、幅を取ることなく収容できる。そのため、折畳収納具10は、薄手の鞄のように持ち運ぶことができる。さらに、折畳収納具10は、ファイルのように本棚に嵩張らずにすっきりと収納することができる。
【0030】
また、折畳収納具10は、外表面12aが外生地30で覆われて薄手の鞄のような形状となるため、被収容物を第3者に知られることなく持ち運ぶことを可能とし、推し活に恥じらいを感じるユーザに安心感を与えることができる。
【0031】
なお、折畳収納具10は、本体部12の全体又は一部に透明な素材を採用し、敢えて第3者に被収容物をアピールできる仕様とすることもできる。また、折畳収納具10の本体部12は、布地に限定されず、シール等を貼り付けできる素材として、デコレーションを楽しみたいユーザに好適な仕様としてもよい。さらに、折畳収納具10は、本体部12の外表面12aに、透明なポケットを更に追加して、その中に透明シートを挿入してもよい。このような折畳収納具10は、ユーザが透明シートにデコレーションをすることで、随時好みのデコレーションのバリエーションを楽しむことができる。
【0032】
折畳収納具10を鑑賞又は展示する場合には、上述と逆の手順で、ファスナー18を開き、第1本体部24、第2本体部26、第1フラップ20、第2フラップ22を広げる操作が行われる。
図6に示されるように、第1本体部24及び第2本体部26に対して、第1フラップ20及び第2フラップ22を手前側に傾けて配置することで、折畳収納具10をついたてのように自立させることができる。自立状態の折畳収納具10は、被収容物の鑑賞及び第3者への展示を好適に行える。
【0033】
このように、折畳収納具10は、保管中の状態から鑑賞又は展示を行う状態に、煩雑な作業を行うことなく移行でき、利便性に優れる。
【0034】
(第2実施形態)
図7に示されるように、本実施形態の折畳収納具10Aは、薄手の手持ち鞄に似た外観を有しており、本体部58の上辺部59a付近に持ち手60を有する。
図8Aに示されるように、折畳収納具10Aは、第1本体部62と、第2本体部64と、背部66とファスナー68と、収容部80を備える。
【0035】
第1本体部62は、外生地70と裏地72とを重ねて周縁部を縫合して構成される。特に図示しないが、第1本体部62は、外生地70と裏地72との間に芯材を備える。芯材としては、発泡ウレタンなどの適度な弾力性を有する部材が用いられる。このような芯材は、被収容物を保護するクッションとしても機能する。
【0036】
第2本体部64も、第1本体部62と同様の構造を有する。なお、第2本体部64の外生地70は、第1本体部62の外生地70と一体的に繋がっている。また、第2本体部64の裏地72は第1本体部62の裏地72と一体的に繋がっている。背部66は、第1本体部62及び第2本体部64の間に位置し、第1本体部62及び第2本体部64を一体的に接続する。第1本体部62及び第2本体部64は、背部66を中心に回動することで、
図8Aに示す開いた状態から、
図7に示す閉じた状態に変形できる。
【0037】
ファスナー68は、始端部68aが背部66の上端に位置する。ファスナー68は、第1ファスナーテープ74と、第2ファスナーテープ76と、スライダー78とを有する。第1ファスナーテープ74は、第1本体部62の周縁部に沿って縫合されている。第1ファスナーテープ74の終端部74bは、第1本体部62の側辺部62bの下端部62cに位置する。第2ファスナーテープ76は、第2本体部64の周縁部に沿って縫合される。第2ファスナーテープ76の終端部76bは、第2本体部64の側辺部64bの下端部64cに位置する。
【0038】
図7に示すように、ファスナー68は、第1本体部62と第2本体部64とを閉じた状態でスライダー78が移動して、本体部58の上辺部59aと側辺部59bとをL字状に閉塞する。折畳収納具10Aの底辺部59cには、ファスナー68は形成されていない。
図7の閉塞した状態において、折畳収納具10Aは、底辺部59cに内表面58bに連通する開口部58cを有する。
【0039】
図8Aに示されるように、第1本体部62の内表面58b及び第2本体部64の内表面58bには、ポケット状の収容部80が複数形成されている。図示の例では、第1本体部62に、収容部80として6区画のメッシュポケット80aが形成されている。これらのメッシュポケット80aは、メッシュ生地(網状の生地)を裏地72に縫合して形成される。メッシュポケット80aは、上辺部59aに向けて開口する。
【0040】
また、第2本体部64には1つの収容ポケット82が形成されている。収容ポケット82は、裏地72と同様の生地82aを裏地72に重ね合わせて縫合することにより形成される。この収容ポケット82は、第2本体部64の上辺部59aに向けて開口する。
【0041】
本実施形態の折畳収納具10Aは、以上のように構成される。
図8Bに示されるように、折畳収納具10Aは、第1本体部62を第2本体部64に対して傾けて配置することで、机などの上に、パーティションのように自立させることができる。本実施形態の折畳収納具10Aにおいても、第1本体部62及び第2本体部64の底辺部59cにファスナー68のような突起物が形成されていないため、安定した自立状態を維持できる。
【0042】
(第3実施形態)
ところで、アイドル、アーティスト、アニメやゲームのキャラクターの関連製品には、シールが含まれる。シールは、通常、収納具の外表面に直接貼り付けられて、収納具のデコレーションに用いられる。しかし、収納具の外表面に直接貼り付けると、シールがすぐに汚れてしまうという問題がある。また、好みに応じて、飾り付けるシールを交換したいというニーズがある。
【0043】
そこで、
図9Aに示される本実施形態の折畳収納具10Bは、上述の課題を解決することを目的とする。この折畳収納具10Bは、第1ポケット部84と、第2ポケット部86と、背面カバーシート88と、ファスナー90と、装飾プレート92と、を主に有する。第1ポケット部84及び第2ポケット部86は、布地によって形成された板状の部分である。第1ポケット部84は
図9Aの左側に配置され、第2ポケット部86は
図9Aの右側に配置される。第1ポケット部84と第2ポケット部86とは、幅方向(左右方向)に離間して配置される。第1ポケット部84は、内面に複数の収容ポケット94を有する。第2ポケット部86は、ペンなどを収容可能なペンポケット96と、ペンポケット96を覆うようにメッシュ生地を縫い付けて形成されたメッシュポケット98とを有する。
【0044】
背面カバーシート88は、
図9Bに示されるように、折畳収納具10Bの背面を形成する。背面カバーシート88は、折畳収納具10Bの背面と同じ大きさを有する。背面カバーシート88は、例えば塩化ビニル樹脂等の透明な樹脂シートによって形成される。
図11に示されるように、背面カバーシート88は、第1ポケット部84及び第2ポケット部86の外面を覆う。背面カバーシート88と第1ポケット部84との間にはポケット状の第1収容空間100が形成される。また、背面カバーシート88と第2ポケット部86との間には、ポケット状の第2収容空間102が形成される。
図9Bに示されるように、第1ポケット部84と第2ポケット部86とは、背面カバーシート88を介して接続されている。
図9Aに示されるように、第1ポケット部84と第2ポケット部86との間には、背面カバーシート88が正面側に露出する背部88aが形成されている。背部88aは、
図10に示すように、折り曲げ可能となっている。
【0045】
図9Bに示されるように、第1ポケット部84の上下の端部及び左側部は、背面カバーシート88の周縁部と共に縫合部104で縫合されている。第1ポケット部84の右側部は、背面カバーシート88に接合されておらず、第1収容空間100に通じる開口部100aを形成する。また、第2ポケット部86の上下の端部及び右側部は、背面カバーシート88の周縁部に縫合されている。第2ポケット部86の左側部は、背面カバーシート88に接合されておらず、第2収容空間102に通じる開口部102aを形成する。
【0046】
ファスナー90は、第1ポケット部84、第2ポケット部86及び背面カバーシート88の周縁部に沿って延在する。ファスナー90は、縫合部104に縫合されている。ファスナー90を閉じると、
図10に示されるように、背面カバーシート88の幅方向の中央の背部88aが折れ曲がり、第1ポケット部84と第2ポケット部86が重なるようにして閉塞される。また、ファスナー90を開くと、
図9A及び
図9Bに示されるように、折畳収納具10Bは、開いた状態に変形可能となる。
【0047】
さらに折畳収納具10Bは、装飾プレート92を有する。装飾プレート92は、例えばPET樹脂等の可撓性を有する透明な板状の部材である。装飾プレート92は、製品提供される初期状態において、第1ポケット部84と背面カバーシート88との間の第1収容空間100に配置される。装飾プレート92は、第1収容空間100と略同じ幅及び長さを有する。装飾プレート92は、第2ポケット部86と背面カバーシート88との間の第2収容空間102にも配置されてよい。
【0048】
装飾プレート92は、第1収容空間100又は第2収容空間102から取り外し可能である。取り外された装飾プレート92には、シールを貼り付けることができる。シールが貼り付けられた装飾プレート92は、第1収容空間100又は第2収容空間102に挿入されることで、シールを外部から見える状態で折畳収納具10Bに取り付けることができる。装飾プレート92に貼り付けられたシールは、背面カバーシート88によって保護されるため、汚れや剥がれを防ぐことができる。また、装飾プレート92を第1収容空間100又は第2収容空間102から取り出し、シールを貼り替えることで、ユーザの好みに応じて自由に装飾を施すことができる。
【0049】
以上の開示は、以下のようにまとめられる。
【0050】
一観点は、第1本体部と、前記第1本体部に向かい合う第2本体部と、前記第1本体部と前記第2本体部とを開閉可能に連結する背部と、前記第1本体部及び前記第2本体部の上辺部及び側辺部を開放可能に閉じるファスナーと、を備え、前記第1本体部の底辺部と前記第2本体部の底辺部とは、前記ファスナーが形成されておらず、前記ファスナーを閉じた状態において、前記第1本体部の前記底辺部と前記第2本体部の前記底辺部との間に開口部が形成される、折畳収納具にある。
【0051】
上述の折畳収納具は、ファスナーと第1本体部と第2本体部の開閉操作で第1収容部及び第2収容部を閉じた保管運搬状態と、展開して自立可能な鑑賞及び閲覧に適した展開状態とに変更でき、被収容物の鑑賞及び展示と、片付け作業とを容易に行える。
【0052】
上述の折畳収納具であって、前記背部を通じた前記第1本体部と前記第2本体部との開閉に伴って、前記第1本体部及び前記第2本体部の前記底辺部が同一平面に沿って移動してもよい。この折畳収納具は、底辺部を平坦な天板の上に配置することで、折畳収納具を容易に自立させることができる。
【0053】
上述の折畳収納具であって、前記第1本体部及び前記第2本体部は、芯材と、前記芯材を包み込む表皮材とを有し、前記芯材は、前記底辺部の近傍に延在して前記第1本体部及び前記第2本体部の変形を阻止してもよい。この折畳収納具は、第1本体部及び第2本体部の折れ曲がりを防ぐことで、被収容物を鑑賞又は展示しやすい状態に保つことができる。
【0054】
上述の折畳収納具であって、前記第1本体部の前記側辺部に接続され、前記側辺部を中心に回動可能な第1フラップと、前記第2本体部の前記側辺部に接続され、前記側辺部を中心に回動可能な第2フラップと、を備え、前記第1フラップの内表面及び前記第2フラップの内表面に収容部を有してもよい。この折畳収納具は、第1フラップ及び第2フラップを第1本体部及び第2本体部に対して傾けることで、折畳収納具の自立状態をさらに安定化できる。また、この折畳収納具は、被収容物の収容部分を拡大できるため、より多くの被収容物の鑑賞及び展示を可能とする。
【0055】
上述の折畳収納具であって、前記第1フラップの底辺部と前記第2フラップの底辺部とは、前記第1本体部及び前記第2本体部の底辺部と同一平面上を移動してもよい。この折畳収納具は、自立状態を安定化できる。
【0056】
上述の折畳収納具であって、前記第1本体部及び前記第2本体部の少なくとも一方に、透明樹脂フィルムで覆われたポケットを有してもよい。この折畳収納具は、写真やカード等の被収容物をアルバムのように収納でき、被収容物の視認性に優れる。
【0057】
上述の折畳収納具であって、メッシュ生地を裏地に開口部を形成することなく縫い付けた缶バッジ保持部を有してもよい。この折畳収納具は、缶バッジやピンホルダなどの安全ピンを使用する物品の保持に好適である。
【0058】
別の一観点は、第1ポケット部と、前記第1ポケット部に対して幅方向に離間した第2ポケット部と、前記第1ポケット部及び前記第2ポケット部の外表面を覆うと共に前記第1ポケット部と前記第2ポケット部とを連結する透明な背面カバーシートと、前記第1ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第1収容空間と、前記第2ポケット部と前記背面カバーシートとの間に形成された第2収容空間と、前記第1収容空間及び前記第2収容空間の少なくとも一方に挿入されると共に、前記第1収容空間及び前記第2収容空間と同じ平面形状を有する透明な板状の装飾プレートと、を備えた、折畳収納具にある。
【0059】
上述の観点の折畳収納具は、装飾プレートにシールを貼り付けることで、ユーザの好みに合った装飾を施すことができる。また、装飾プレートは、背面カバーシートで覆われるため、シールの汚れや剥がれを防止できる。
【0060】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0061】
10、10A…折畳収納具 12、58…本体部
12b…内表面 18、68…ファスナー
20…第1フラップ 22…第2フラップ
24、62…第1本体部 26、64…第2本体部
28、66…背部 34、42…芯材