(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064228
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】熱転写システム
(51)【国際特許分類】
B41J 13/30 20060101AFI20240507BHJP
B41J 2/325 20060101ALI20240507BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20240507BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B41J13/30
B41J2/325 A
B65H9/00 A
B65H5/06 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172668
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】中村 善幸
【テーマコード(参考)】
2C059
2C065
3F049
3F102
【Fターム(参考)】
2C059AA19
2C059AA22
2C059AA23
2C059AA26
2C059AA32
2C059BB06
2C059DD07
2C059DD13
2C059DD15
2C065AA01
2C065AD07
2C065DA26
2C065DA28
3F049AA02
3F049DA12
3F049LA07
3F049LB09
3F102AA11
3F102AB05
3F102BA02
3F102BB04
3F102EA03
3F102EA14
(57)【要約】
【課題】カードの搬送中、カードから接着剤のカスが発生することを防止する。
【解決手段】搬送されるカード14を規制する一側案内板31と他側案内板32とが設けられている。一側案内板31に複数の第1回転体51a~51dが設けられ、他側案内板32に複数の第2回転体52a,52bが設けられている。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持層とインク層とを有するインクリボンを用いて被転写体に対して前記インク層のインクを転写する熱転写システムにおいて、
前記被転写体のうち、前記被転写体の搬送方向に直交する幅方向の一側に設けられた一側案内板と、
前記被転写体の幅方向の他側に設けられた他側案内板と、
前記被転写体を搬送する搬送ローラとを備え、
前記一側案内板に、前記被転写体の厚み方向に延びる回転軸をもつとともに、前記被転写体の一側側縁を規制する複数の第1回転体を設け、
前記他側案内板に、前記被転写体の厚み方向に延びる回転軸をもつとともに、前記被転写体の他側側縁を規制する複数の第2回転体を設けた、熱転写システム。
【請求項2】
前記他側案内板に設けられた前記第2回転体は、前記一側案内板に向かって付勢されている、請求項1記載の熱転写システム。
【請求項3】
前記搬送ローラは、搬送方向に並んで配置された送り搬送ローラおよび戻し搬送ローラを有し、
前記被転写体が前記送り搬送ローラにより送り搬送されるとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制され、
前記被転写体が前記戻し搬送ローラにより戻し搬送されるとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制される、請求項1記載の熱転写システム。
【請求項4】
前記送り搬送ローラおよび前記戻し搬送ローラの搬送方向下流側に、前記被転写体に対して前記インク層のインクを転写する加熱体と、前記加熱体との間で前記被転写体を挟持するプラテンローラとを設け、
前記被転写体に対して前記加熱体と前記プラテンローラとの間で前記インク層のインクを転写するとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制される、請求項3記載の熱転写システム。
【請求項5】
前記送り搬送ローラとの間で前記被転写体を挟持する送りピンチローラを設け、前記戻し搬送ローラとの間で前記被転写体を挟持する戻しピンチローラを設けた、請求項3記載の熱転写システム。
【請求項6】
前記送り搬送ローラおよび前記戻し搬送ローラは前記一側案内板近傍に設けられ、前記他側案内板近傍に、前記被転写体を下方へ押さえる押さえローラを設けた、請求項5記載の熱転写システム。
【請求項7】
前記一側案内板と前記他側案内板との間に、前記被転写体の下方への動きを規制する搬送路を設けた、請求項1記載の熱転写システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード等の被転写体に対してインキ層を熱転写する熱転写システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にIDカードにおいては、カード所有者の顔写真などの画像情報と、カード所有者の住所、氏名、生年月日などの文字情報とが、カードに印画される。例えば特許文献1において、複数の印画ユニットを備え、ID番号によって対応づけられた画像情報と文字情報とからIDカードを作製するIDカード作製装置が提案されている。
【0003】
また、IDカード作製装置として、転写層をカードに熱転写する熱転写システムが知られており、このような熱転写システムは、プラテンローラと、このプラテンローラとの間でインクリボンとカードを挟持してインクリボンのインキ層をカードに転写する加熱ヘッドを含む加熱体とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-137198号公報
【特許文献2】特開2013-111866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱転写システムにおいて、カードは加熱体まで搬送路を通って搬送され、この加熱体によりインクリボンのインキ層がカードに熱転写される。カードは通常、一対のPET製基材と、ICチップ保持層と、各PET製基材と、ICチップ保持層とを接着する接着剤層とを有する。カードが加熱体まで搬送される間、カードは幅方向の両側が一対の案内板により規制されるが、カードの搬送中にカードの側縁が案内板により擦れてカスが発生し、このカードから剥がれたカスがカード自体あるいは搬送路に付着することがある。
【0006】
このようにカード自体にカードのカスが付着すると、製品精度が低下する。また搬送路上にカードのカスが付着すると、搬送路上でカードのカスがカードに対する搬送抵抗となり、搬送路上でカードの搬送ジャムが発生してしまう。他方、カードを加熱体まで小さな搬送抵抗で搬送することができれば、カードの搬送負荷を小さく抑えることができる。
【0007】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、カードの製品精度が低下することなく、加熱体へカードを搬送する際、カードの搬送ジャムを未然に防ぎ、かつカードの搬送負荷を小さく抑えることができる熱転写システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、支持層とインク層とを有するインクリボンを用いて被転写体に対して前記インク層のインクを転写する熱転写システムにおいて、前記被転写体のうち、前記被転写体の搬送方向に直交する幅方向の一側に設けられた一側案内板と、前記被転写体の幅方向の他側に設けられた他側案内板と、前記被転写体を搬送する搬送ローラとを備え、前記一側案内板に、前記被転写体の厚み方向に延びる回転軸をもつとともに、前記被転写体の一側側縁を規制する複数の第1回転体を設け、前記他側案内板に、前記被転写体の厚み方向に延びる回転軸をもつとともに、前記被転写体の他側側縁を規制する複数の第2回転体を設けた、熱転写システムである。
【0009】
本開示は、前記他側案内板に設けられた前記第2回転体は、前記一側案内板に向かって付勢されている、熱転写システムである。
【0010】
本開示は、前記搬送ローラは、搬送方向に並んで配置された送り搬送ローラおよび戻し搬送ローラを有し、前記被転写体が前記送り搬送ローラにより送り搬送されるとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制され、前記被転写体が前記戻し搬送ローラにより戻し搬送されるとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制される、熱転写システムである。
【0011】
本開示は、前記送り搬送ローラおよび前記戻し搬送ローラの搬送方向下流側に、前記被転写体に対して前記インク層のインクを転写する加熱体と、前記加熱体との間で前記被転写体を挟持するプラテンローラとを設け、前記被転写体に対して前記加熱体と前記プラテンローラとの間で前記インク層のインクを転写するとき、前記被転写体は隣り合う一対の第1回転体と、少なくとも1つの第2回転体とにより3点で規制されるか、または前記被転写体は少なくとも1つの第1回転体と、隣り合う一対の第2回転体とにより3点で規制される、熱転写システムである。
【0012】
本開示は、前記送り搬送ローラとの間で前記被転写体を挟持する送りピンチローラを設け、前記戻し搬送ローラとの間で前記被転写体を挟持する戻しピンチローラを設けた、熱転写システムである。
【0013】
本開示は、前記送り搬送ローラおよび前記戻し搬送ローラは前記一側案内板近傍に設けられ、前記他側案内板近傍に、前記被転写体を下方へ押さえる押さえローラを設けた、熱転写システムである。
【0014】
本開示は、前記一側案内板と前記他側案内板との間に、前記被転写体の下方への動きを規制する搬送路を設けた、熱転写システムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、被転写体の製品精度が低下することはない。また被転写体を搬送する際、被転写体の搬送ジャムを未然に防ぎ、かつ被転写体の搬送負荷を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本開示の実施の形態における熱転写システムを示す側面図。
【
図2】
図2は熱転写システムの加熱体とプラテンローラを示す正面図。
【
図3】
図3は熱転写システムの送り搬送ローラと送りピンチローラを示す正面図。
【
図4】
図4は熱転写システムの戻し搬送ローラと戻しピンチローラを示す正面図。
【
図7】
図7は送り搬送ローラにより搬送されるカードを示す平面図。
【
図8】
図8は送り搬送ローラにより搬送されるカードを示す平面図。
【
図9】
図9は搬送爪により転写装置側へ搬送されて転写されるカードを示す平面図。
【
図10】
図10は搬送爪により転写装置側へ搬送されて転写されるカードを示す平面図。
【
図11】
図11は搬送爪により転写装置側へ搬送されて転写されるカードを示す平面図。
【
図12】
図12は戻し搬送ローラにより上流側へ戻されるカードを示す平面図。
【
図13】
図13は搬送爪により転写装置側へ搬送されて再度転写されるカードを示す平面図。
【
図14】
図14は搬送爪により転写装置側へ搬送されて再度転写されるカードを示す平面図。
【
図15】
図15は転写装置による転写作用が終了して次工程へ排出されるカードを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態>
以下、
図1乃至
図15を参照して、本開示の一実施の形態について説明する。
【0018】
図1に示すように、熱転写システム10は、少なくとも支持層13aとインク層13bとを含むインクリボン13(
図5C参照)を用いてカード(被転写体ともいう)14にインク層13bのインクを加熱して転写し、IDカードを作製するものである。このような熱転写システム10は、矢印R
1で示す方向にインクリボン13を送り出す送出部25と、送出部25のインクリボン13の搬送方向下流側に配置された転写装置18Aと、転写装置18Aの搬送方向下流側に配置され、矢印R
2で示す方向に転写済のインクリボン13を巻き取る巻取部26と、を備えている。
図1に示すように、インクリボン13は、送出部25から案内ローラ16によって転写装置18Aまで案内され、転写装置18Aから剥離ローラ17を経て巻取部26に巻取られる。
【0019】
一方、カード14は搬送路11を通って転写装置18Aまで搬送方向Lに沿って搬送され、転写装置18Aから排出路12を経て外方へ排出される。なお、搬送方向Lと反対側の方向は、戻し方向となる。
【0020】
次に転写装置18Aについて説明する。
図1に示すように転写装置18Aはカード14を支持するゴム製のプラテンローラ19と、インクリボン13およびカード14を挟んでプラテンローラ19と対向するよう設けられたサーマルヘッドからなる加熱体18を有している。
図1に示すように、加熱体18は、インクリボン13の支持層13a側に設けられている。そして加熱体18とプラテンローラ19とによりカード14とインクリボン13がニップされ(挟持され)、加熱体18により、インクリボン13のインク層13bが加熱される。これによって、インクリボン13のインク層13bのインキがカード(被転写体)14に対して転写される。
【0021】
転写装置18Aについて更に述べる。転写装置18Aは上述のように、ゴム製のプラテンローラ19とサーマルヘッドからなる加熱体18とを有し、このサーマルヘッドからなる加熱体18により、カード14に対してインクリボン13のインク層13bのインクが転写される。
【0022】
次に
図5Cにより、支持層13aとインク層13bとを有するインクリボン13の構成について説明する。
【0023】
本発明において支持層(基材)13aは、熱転写時に熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。このような支持層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
【0024】
インク層13bは、各種インクを含むことができるが、本実施の形態による熱転写システムは、カード14表面にインク層13bのインクを転写して主としてカード14に顔画像14Aを形成するものである(
図5A参照)。このためインクリボン13のインク層13bはM、Y、Cの各種のインクおよびOP層を含む。
【0025】
上述のように、カード14は、搬送路11を通って転写装置18Aの加熱体18まで搬送されて、この加熱体18によりインクリボン13のインク層13bのインクおよびOP層がカード14上に転写される。
【0026】
本実施の形態において、
図5Aおよび
図5Bに示すように、カード14はポリエチレンテレフタレート(PET)製の一対の基材14a,14cと、一対の基材14a,14c間に挟持されたICチップ保持層14bと、各基材14a,14cと、ICチップ保持層14bとを接合する接着剤層14dとを有している。このうちカード14の接着剤層14dは外方から擦れるとカード14から剥離し、搬送路11上に接着剤のカスとして溜まり易くなり、搬送路11上に接着剤のカスが溜まるとカードの搬送ジャムを引き起こす。また接着剤のカスがカード14上に付着すると、カード14の製品精度が低下してしまう。
【0027】
本実施の形態による熱転写システム10は、以下のようにカード14の接着剤層14dが擦れることを未然に防止する構造をもつ。
【0028】
すなわち、本実施の形態において、
図1乃至
図6Cに示すように、搬送路11には、カード14の搬送方向Lに直交する幅方向L1の両側に、一側案内板31と他側案内板32とが設けられている。
【0029】
このうち一側案内板31はカード14のうち、搬送方向Lに直交する幅方向L1の一側側縁61を規制するものである。また一側案内板31は搬送路11の一側に固定して設けられている。
【0030】
また他側案内板32はカード14のうち搬送方向Lに直交する幅方向L1の他側側縁62を規制するものである。この他側案内板32は搬送路11の他側に固定して設けられている。
【0031】
なお、
図2乃至
図4に示すように、一側案内板31と他側案内板32は、垂直方向を向くよう配置されている。
【0032】
またカード14を搬送する搬送路11には、
図1に示すように、転写装置18Aの搬送方向Lの上流側に向かって順次、戻し搬送ローラ33と、送り搬送ローラ35とが設けられている。このうち、戻し搬送ローラ33はDCモータにより駆動され、搬送路11から転写装置18Aに送られたカード14を搬送路11の上流側へ戻すものである。送り搬送ローラ35はDCモータにより駆動され、カード14を搬送路11を通って転写装置18A側へ送るものである。
【0033】
また転写装置18Aはカード14に対してインクリボン13のインク層13bのインクを転写してカード14に主として顔画像14Aを形成するものである。この場合、転写装置18Aによりインクが転写されたカード14は搬送路11の搬送方向Lの上流側へ、すなわち戻し方向へ一旦戻され、その後、搬送方向Lに沿って転写装置18Aに再度送られる。そしてこのようにカード14を送ったり戻したりする間、カード14に対してY、M、CのインクおよびOP層が転写される。
【0034】
本実施の形態において、戻し搬送ローラ33の上方に、戻し搬送ローラ33との間でカード14を挟持し、カード14を搬送路11の搬送方向Lの上流側へ戻す戻しピンチローラ34が設けられている(
図4参照)。
【0035】
図4に示すように、戻し搬送ローラ33は一側案内板31に設けられた駆動軸33aにより回転駆動される。また戻しピンチローラ34は、一側案内板31に設けられた支持軸34aにより回転可能に支持されている。
【0036】
図4に示すように、戻し搬送ローラ33の駆動軸33aは上下方向に移動可能となっている。他方、戻しピンチローラ34の支持軸34aは上下方向に移動することはない。
【0037】
また送り搬送ローラ35の上方に、送り搬送ローラ35との間でカード14を挟持し、カード14を搬送路11を通って、搬送方向Lに沿って転写装置18A側へ送る送りピンチローラ36が設けられている(
図3参照)。
【0038】
図3に示すように、送り搬送ローラ35は一側案内板31に設けられた駆動軸35aにより回転駆動される。また送りピンチローラ36は一側案内板31に設けられた支持軸36aにより回転可能に支持されている。
図3において、送り搬送ローラ35の駆動軸35aおよび送りピンチローラ36の支持軸36aは上下方向に移動することはない。
【0039】
ところで、
図2乃至
図4に示すように、戻し搬送ローラ33および戻しピンチローラ34と、送り搬送ローラ35および送りピンチローラ36は、いずれも一側案内板31近傍に設けられている。
【0040】
そして、戻し搬送ローラ33および戻しピンチローラ34と、送り搬送ローラ35および送りピンチローラ36との間には、カード14を上方から押さえて、カード14の上方への動きを規制する一対の押さえローラ41,42が設けられている。そして一対の押さえローラ41,42は、いずれも他側案内板32近傍に設けられている。この場合、押さえローラ41は支持部41aにより回転自在に支持され、押さえローラ42は支持部42aにより回転可能に支持されている。
【0041】
このように一対の押さえローラ41,42はいずれもカード14の上方への動きを規制するものであり、搬送路11はカード14の下方への動きを規制するものである。このため搬送路11に沿ってカード14を搬送させる際、カード14は必ずしも押さえローラ41,42あるいは搬送路11に接触する必要はない。
【0042】
また
図6A乃至
図6Cに示すように、一側案内板31近傍にカード14の厚み方向(
図6A乃至
図6Cの紙面に直交する方向)に延びる回転軸をもつとともに、カード14の一側側縁61を規制する複数、例えば4個の第1回転体51a,51b,51c,51dが設けられている。
【0043】
また他側案内板32近傍に、カード14の厚み方向に延びる回転軸をもつとともに、カード14の他側側縁62を規制する複数、例えば2個の第2回転体52a,52bが設けられている。
【0044】
次に第1回転体51a,51b,51c,51dと第2回転体52a,52bについて、
図16Aおよび
図16Bにより更に説明する。
【0045】
第1回転体51a,51b,51c,51dは、
図16Aに示すように、固定側の内筒体55と、内筒体55の回りにボールベアリング55bを介して回転自在に設けられた外筒体56とを有する。そして、第1回転体51a~51dの外筒体56にカード14の一側側縁61が当接すると、外筒体56が内筒体55の回りに回転軸55aを中心として回転する。
【0046】
また第2回転体52a,52bは、
図16Bに示すように、固定側の内筒体55と、内筒体55の回りにボールベアリング55bを介して回転自在に設けられた外筒体56とを有する。そして第2回転体52a~52bの外筒体56にカード14の他側側縁62が当接すると、外筒体56が内筒体55の回りに回転軸55aを中心として回転する。
【0047】
また第2回転体52a~52bの内筒体55は支持体57により支持され、この支持体57は溝58内をカード14の幅方向L1方向に移動可能となっている。さらに溝58内にはスプリング53a,53bが設けられて内筒体55を支持する支持体57を幅方向L1方向に一側案内板31側へ付勢する。このことにより内筒体55と外筒体56とを有する第2回転体52a,52bはカード14の幅方向L1方向に一側案内板31側に向かって付勢される。
【0048】
本実施の形態において、第2回転体52a,52bは各々スプリング53a,53bにより0.15kgf±10%の力、例えば0.15kgfの力で一側案内板31側に向かって付勢されている。
【0049】
図6A乃至
図6Cおよび
図16Aおよび
図16Bに示すように、第1回転体51a~51dは一側案内板31内に配置され、各第1回転体51a~51dは一側案内板31から他側案内板32側へ突出している。また第2回転体52a,52bは他側案内板32内に配置され、各第2回転体52a,52bは他側案内板32から一側案内板31側へ突出している。
【0050】
また
図6A乃至
図6Cに示すように、第1回転体51a~51bのうち、隣り合う一対の第1回転体51a,51bは、カード14の搬送方向Lに沿って送り搬送ローラ35を挟んで上流側および下流側に配置されている。また隣り合う一対の第1回転体51c,51dは、カード14の搬送方向Lに沿って戻し搬送ローラ33を挟んで上流側および下流側に配置されている。
【0051】
さらに第2回転体52a,52bのうち、第2回転体52aはカード14の搬送方向Lに関し、送り搬送ローラ35と同一位置に配置され、第2回転体52bはカード14の搬送方向Lに関し、戻し搬送ローラ33と同一位置に配置されている。
【0052】
このように第1回転体51a~51dと第2回転体52a,52bを配置することにより、後述のようにカード14を送り搬送ローラ35により送り搬送する場合、カード14を一対の第1回転体51a,51bと第2回転体52aとにより3点で規制することができる。このことによりカード14を精度良く位置決めすることができる。またカード14を戻し搬送ローラ33により戻し搬送する場合、カード14を一対の第1回転体51c,51dと第2回転体52bとにより3点で規制することができる。このことによりカード14を精度良く位置決めすることができる。
【0053】
またカード14を加熱体18とプラテンローラ19との間で挟持してカード14に対してインク層13bのインクを転写する場合も、カード14を一対の第1回転体51c,51dと第2回転体52bとにより3点で規制することができる。
【0054】
このことによりカード14に対し、インクを転写する間、常時カード14を3点で規制して精度良く位置決めすることができる。
【0055】
なお、本実施の形態において、送り搬送ローラ35と戻し搬送ローラ33とにより搬送ローラが構成され、送りピンチローラ36と戻しピンチローラ34とによりピンチローラが構成される。
【0056】
また
図6A乃至
図6Cに示すように、搬送路11の幅方向L1の略中央に、搬送方向Lに沿って延びる案内路50aが設けられ、この案内路50aに沿って搬送爪50が設けられている。
【0057】
搬送爪50は、パルスモータにより駆動され、カード14の後端(
図6A乃至
図6Cにおいて右端)に係合してカード14を搬送するものである。
【0058】
本実施の形態において、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間でカード14を挟持し、このカード14を搬送路11に沿って転写装置18A側へ送る場合、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36はカード14を、例えば10000mm/sの高速で転写装置18A側へ送る。
【0059】
その後、カード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36から搬送爪50へ受け渡され、カード14は搬送爪50により搬送され、この間、転写装置18Aの加熱体18とプラテンローラ19との間で挟持されながら転写装置18A内を通過する。カード14が加熱体18とプラテンローラ19とにより挟持されながら転写装置18A内を通過する際、カード14に対してインクリボン13のインク層13bのインクが転写される。
【0060】
カード14が転写装置18A内を通過してカード14にインクリボン13のインク層13bのインクが転写される間、カード14は搬送爪50により搬送されて、転写装置18A内を通過する。この場合、カード14にインクリボン13のY、M、Cのインクを転写する際、カード14は例えば24~25mm/sで搬送され、カード14にOP層を転写する際、カード14は例えば31~32mm/sで搬送される。
【0061】
カード14に対して転写装置18Aにより転写が行われた後、カード14は戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34とにより挟持されて搬送路11に沿って搬送方向の上流側へ(戻し方向へ)一旦戻される。
【0062】
このようにカード14が戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34とにより搬送路11に沿って搬送方向Lの上流側へ戻される際、カード14は戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34との間で挟持された状態で戻される。このとき、カード14は、例えば200mm/sの高速で転写装置18Aから上流側へ戻される。
【0063】
さらに転写装置18Aによる転写が終了したカード14は、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で搬送される時と同様、1000mm/sの高速で排出される。
【0064】
なお、上記熱転写システム10の各構成部分、例えば転写装置18A、送出部25、巻取部26、戻し搬送ローラ33、送り搬送ローラ35は制御部10Aにより駆動制御される。
【0065】
また搬送路11において、転写装置18Aの搬送方向の上流側には、カード14を下方から加熱するヒータ部15が設けられ、カード14を加熱してカード14に対してインクリボン13のインク層13bのY、M、CのインクおよびOP層をスムーズに転写できるようになっている。
【0066】
次に、このような構成からなる本実施の形態による熱転写システム10の作用について説明する。
【0067】
まずカード14が、搬送路11に沿って搬送方向L方向に熱転写システム10側へ送られる。この際、制御部10Aは送り搬送ローラ35を駆動させて、カード14を転写装置18Aに向けて搬送するとともに、ヒータ部15によりカード14を予備加熱する。一方、制御部10Aは巻取部26を駆動させてインクリボン13を、送出部25から転写装置18Aに向けて搬送する。
【0068】
このとき、インクリボン13に対して送出部25に内蔵されたブレーキ機構により張力が加わる。
【0069】
この間、カード14が図示しないホッパーユニットから送られ、このカード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で挟持され、このカード14は搬送路11に沿って転写装置18A側へ送る(
図3参照)。この場合、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36はカード14を、例えば1000mm/sの高速で転写装置18A側へ送る。
【0070】
図3に示すように、カード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で挟持された状態で送られる。
【0071】
図3において、カード14の幅方向L1の一側側縁61が一側案内板31により規制され、カード14の他側側縁62が他側案内板32により規制される。
【0072】
この際、押さえローラ42はカード14の上方への動きを規制し、搬送路11はカード14の下方への動きを規制する。
【0073】
次にカード14が送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で搬送される作用について、
図6A乃至
図6Cおよび
図9により更に説明する。
【0074】
図6Aに示すように、ホッパーユニットから送られるカード14が、平面上、搬送路11に対して他側案内板32に向かってわずかに傾斜している場合、まずカード14の他側側縁62が他側案内板32の地点P1に当接して規制される。
【0075】
あるいは
図6Bおよび
図6Cに示すように、ホッパーユニットから送られるカード14が平面上、搬送路11に対して一側案内板31に向かってわずかに傾斜している場合、まずカード14の一側側縁61が一側案内板31の第1回転体51aに当接する(
図6B参照)。その後カード14は更に搬送され、カード14の一側側縁61が一側案内板31の地点P2に当接して規制される(
図6C参照)。
【0076】
この場合、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36は、一側案内板31近傍に設けられているため、カード14に対して矢印L2方向の力が働いて、カード14は搬送路11と平行な方向を向く。
【0077】
その後、カード14は更に送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で搬送方向Lに沿って搬送され、カード14は搬送爪50上へ至る(
図7参照)。この間、カード14の一側側縁61は、隣り合う一対の第1回転体51a,51bに当接し、カード14の他側側縁62は第2回転体52aに当接する。このとき、第2回転体52aによりカード14は、一側案内板31に向かってスプリング53aからの0.15kgfの力で押圧される。このようにしてカード14は隣り合う一対の第1回転体51a,51bと、第2回転体52aとにより3点で規制されてカード14を精度良く位置決めすることができる。
【0078】
このようにカード14は隣り合う一対の第1回転体51a,51bと第2回転体52aにより3点で規制され、精度良く位置決めされて、送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で搬送方向Lに沿って搬送される。
【0079】
次に
図8に示すように、カード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間で更に搬送方向Lに沿って搬送される。
【0080】
次にカード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36により挟持され、カード14に対して矢印L3方向の力が働く。この場合、カード14の他側側縁62が他側案内板32の地点P3に当接して規制され、搬送方向Lに沿って搬送される。
【0081】
その後、カード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36から搬送爪50へ受け渡される。このとき、転写装置18Aの加熱体18が降下し、また送り搬送ローラ35が待機位置まで降下する。その後、カード14は搬送爪50により搬送される。この間、
図9に示すようにカード14に対して矢印L3方向の力が働き、カード14の一側側縁61が一側案内板31の地点P4に当接して規制される。
【0082】
同時に、カード14は、第2回転体52bにより一側案内板31に向かってスプリング53bからの0.15kgfの力で押圧される。このことによりカード14は搬送路11と平行な方向を向く。
【0083】
このときカード14の一側側縁61が隣り合う一対の第1回転体51c,51dに当接し、カード14の他側側縁62は第2回転体52bに当接する(
図10参照)。
【0084】
この場合、上述のように、カード14は、第2回転体52bにより一側案内板31に向かってスプリング53bからの0.15kgfの力で押圧されている。
【0085】
このことにより、カード14は隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより3点で規制され、このようにしてカード14を精度良く位置決めすることができる。
【0086】
図10は加熱体18とプラテンローラ19とを有する転写装置18Aによりカード14にインクリボン13のインク層13bのインクを転写する際のカード14に対する位置決め作用を示す図である。
【0087】
このように、隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより精度良く位置決めされたカード14は転写装置18A側へ送られる。
【0088】
カード14はその後、転写装置18Aの加熱体18とプラテンローラ19との間で挟持されながら転写装置18A内を通過する(
図11参照)。カード14が加熱体18とプラテンローラ19とにより挟持されながら転写装置18A内を通過する際、カード14に対してインクリボン13のインク層13bのインクが転写される。この間、カード14は送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36から離れ、加熱体18とプラテンローラ19とにより挟持される(
図2参照)。
【0089】
カード14が加熱体18とプラテンローラ19とにより挟持され、転写装置18A内を通過して、カード14にインクリボン13のインク層13bのインクが転写される間、戻し搬送ローラ33は降下して待機位置をとる。またカード14は搬送爪50により搬送され、例えば24~25mm/sの低速で転写装置18A内を通過する。
【0090】
カード14に対して転写装置18Aで転写が行われた後、転写装置18Aの加熱体18が上昇し、また、戻し搬送ローラ33が待機位置から上昇して、カード14が搬送爪50から戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34へ受け渡される。次に、搬送爪50は案内路50aの右端へ戻る。その後、カード14は戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34とにより挟持されて搬送路11に沿って上流側へ一旦戻される(
図12参照)。
【0091】
このようにカード14が戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34とにより搬送路11に沿って上流側へ戻される際、カード14は戻し搬送ローラ33と戻しピンチローラ34との間で挟持される。このとき、カード14は隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより3点で規制され、カード14は精度良く位置決めされる。同時にカード14は、カード14を転写装置18A側へ送るときと同様、例えば200mm/sの高速で転写装置18Aから上流側へ戻される。
【0092】
その後、
図13に示すように、カード14の後端が搬送爪50に再度係合し、搬送爪50によりカード14は再度、搬送方向Lに沿って転写装置18A側へ送られる。そして転写装置18Aによりカード14に対してインクリボン13のインク層13bのインクおよびOP層が順次転写される。このような作業が繰り返されて、カード14に顔画像14Aが形成される(
図13および
図14参照)。
【0093】
この間、カード14は隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより3点で規制され、カード14は精度良く位置決めされる。
【0094】
このようにして転写装置18Aによりカード14に対して転写作用が行われて、カード14に顔画像14Aが形成され、その後カード14は転写装置18Aから排出路12を経て次工程へ例えば1000mm/sの高速で排出される(
図15参照)。
【0095】
この際、カード14が第1回転体51cから外れると、カード14に対して第2回転体52bのスプリング53bからの押圧力により、カード14に対して矢印L4方向の力が働き、カード14は搬送路11に対してわずかに傾いた状態で次工程へ排出される。
【0096】
このように本実施の形態によれば、一側案内板31に複数の第1回転体51a,51b,51c,51dを設け、他側案内板32に複数の第2回転体52a,52bを設けたので、カード14の一側側縁61および他側側縁62をこれら第1回転体51a,51b,51c,51dおよび第2回転体52a,52bにより規制することができる。この場合、カード14の一側側縁61および他側側縁62は、第1回転体51a,51b,51c,51dおよび第2回転体52a,52bとの間で摩擦接触することなく当接する。このことにより、カード14の接着剤層14dが擦すれて、接着剤層14dが剥離することはない。このため接着剤層14dからの接着剤のカスが搬送路11上に溜まってカード14の搬送ジャムを引き起こすことはなく、接着剤のカスがカード14自体に付着してカード14の製品精度が低下することもない。
【0097】
なお、カード14は搬送中、地点P1~P5において、一側案内板31あるいは他側案内板32に当接することはあるが、カード14は地点P1~P5に一瞬当接するだけなので、カード14からの接着剤のカスの発生を最小限に抑えることができる。
【0098】
また、
図7に示すように送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間でカード14を転写装置18A側へ送る場合、カード14は一側案内板31の隣り合う一対の第1回転体51a,51bと、他側案内板32の第2回転体52aとにより3点で規制される。この際、カード14は第2回転体52aによりスプリング53aの力により一側案内板31側へ向かって付勢される。このことによりカード14を隣り合う一対の第1回転体51a,51bと、第2回転体52aとにより3点で堅固に規制することができ、カード14を精度良く位置決めした状態で転写装置18A側へ送ることができる。とりわけ送り搬送ローラ35と送りピンチローラ36との間でカード14は1000mm/sの高速で転写装置18A側へ送られるため、カード14を隣り合う一対の第1回転体51a,51bと、第2回転体52aとにより規制することにより、カード14の一側側縁61が一側案内板31に当接することはなく、カード14の他側側縁62が他側案内板32に当接することはない。このことによりカード14を高速で搬送する際に、カード14の接着剤層14dから接着剤のカスが発生する状態を可能な限り抑えることができる。
【0099】
さらにまた
図10乃至
図14に示すように、カード14を搬送爪50により、転写装置18A側へ送りながらカード14に対して転写する際、および転写装置18Aにより転写が終了してカード14を戻し搬送ローラ33および戻しピンチローラ34により上流側へ戻す際、いずれの場合もカード14は一側案内板31の隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、他側案内板32の第2回転体52bとにより3点で規制される。この際、カード14は第2回転体52bによりスプリング53bの力により一側案内板31側へ向かって付勢される。このことによりカード14を隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより3点で堅固に規制することができる。このようにカード14を精度良く位置決めした状態で、カード14を搬送爪50により転写装置18A側へ送りながらカード14に対して転写装置18Aにより精度良く、転写することができる。同様にカード14を精度良く位置決めした状態で戻し搬送ローラ33および戻しピンチローラ34により上流側へ戻すことができる。
【0100】
このとき、カード14は戻し搬送ローラ33および戻しピンチローラ34により200mm/sの高速で戻されるため、カード14を隣り合う一対の第1回転体51c,51dと、第2回転体52bとにより規制することにより、カード14の一側側縁61が一側案内板31に当接することはなく、カード14の他側側縁62が他側案内板32に当接することはない。このことによりカード14を高速で戻す際に、カード14の接着剤層14dから接着剤のカスが発生する状態を可能な限り押さえることができる。
【符号の説明】
【0101】
10 熱転写システム
10A 制御部
11 搬送路
12 排出路
13 インクリボン
13a 支持層
13b インク層
14 カード
14A 顔画像
15 ヒータ部
16 案内ローラ
17 剥離ローラ
18 加熱体
18A 転写装置
18a 加熱ヘッド
19 プラテンローラ
20 金属板
25 送出部
26 巻取部
31 一側案内板
32 他側案内板
33 戻し搬送ローラ
34 戻しピンチローラ
35 送り搬送ローラ
36 送りピンチローラ
41 押さえローラ
42 押さえローラ
50 搬送爪
51a,51b,51c,51d 第1回転体
52a,52b 第2回転体
53a,53b スプリング
61 一側側縁
62 他側側縁