(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064244
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】監視装置および監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/24 20110101AFI20240507BHJP
H04N 21/2381 20110101ALI20240507BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20240507BHJP
H04H 60/23 20080101ALI20240507BHJP
H04H 60/29 20080101ALI20240507BHJP
【FI】
H04N21/24
H04N21/2381
H04H60/82
H04H60/23
H04H60/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172690
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000114226
【氏名又は名称】ミハル通信株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130247
【弁理士】
【氏名又は名称】江村 美彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167863
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 恵
(72)【発明者】
【氏名】下山 由洋
(72)【発明者】
【氏名】海野 健太郎
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164SB24S
5C164SB41P
5C164TA21S
5C164TB03S
5C164YA22
5C164YA25
(57)【要約】
【課題】 IP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムにおけるIP放送ストリーム及びIP放送サーバーの監視を行う。
【解決手段】 ネットワークインターフェイス52は、放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムからIP放送ストリームを受信し、IP放送監視部51は、受信されたIP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視する。そして、IP放送監視部51は、その1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、上述の伝送システムに対して参加要求を送信し、ネットワークインターフェイス52は、参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームを受信し、IP放送監視部51は、参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームの監視を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムから前記IP放送ストリームを受信するIP通信手段と、
受信された前記IP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視するIP放送ストリーム監視手段とを備え、
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、前記伝送システムに対して参加要求を送信し、
前記IP通信手段は、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームを受信し、
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を行うこと、
を特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記放送信号を監視する放送信号監視手段と、統合監視手段とをさらに備え、
前記統合監視手段は、前記IP放送ストリームのエラーが検出された場合、前記IP放送ストリーム監視手段の監視結果と前記放送信号監視手段の監視結果とを比較し、前記IP放送ストリームのエラーが前記放送信号のエラーによるものか否かを判定すること、
を特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記IP放送ストリーム監視手段は、所定のサーバーから前記IP放送ストリームの管理情報を取得し、受信されている前記IP放送ストリームが前記管理情報に適合しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記所定のサーバーの監視を行うとともに、前記所定のサーバーから前記管理情報を正しく取得できるか否かを判定することを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記管理情報に基づいて、前記IP放送ストリームがIP放送規格に適合しているか否かを判定することを特徴とする請求項3記載の監視装置。
【請求項6】
前記IP通信手段は、前記管理情報を伝送する専用ストリームを受信し、
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記専用ストリームから前記管理情報を取得すること、
を特徴とする請求項3に記載の監視装置。
【請求項7】
再生手段をさらに備え、
前記再生手段は、(a)前記参加要求が送信された前記チャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、(b)特定した前記暗号方式または前記スクランブル方式に応じて、当該チャンネルの前記IP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、(c)復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項8】
前記IP放送ストリーム監視手段は、前記複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して前記参加要求を送信してポーリングし、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項9】
前記伝送システムと前記IP通信手段との間の通信路の帯域幅に応じて、前記複数のチャンネルの上限数が設定されていることを特徴とする請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムから前記IP放送ストリームを受信する受信ステップと、
受信された前記IP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視するIP放送ストリーム監視ステップとを備え、
前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、前記伝送システムに対して参加要求を送信し、
前記受信ステップでは、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームを受信し、
前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を行うこと、
を特徴とする監視方法。
【請求項11】
前記放送信号を監視する放送信号監視ステップと、統合監視ステップとをさらに備え、
前記統合監視ステップでは、前記IP放送ストリームのエラーが検出された場合、前記IP放送ストリーム監視ステップでの監視結果と前記放送信号監視ステップでの監視結果とを比較し、前記IP放送ストリームのエラーが前記放送信号のエラーによるものか否かを判定すること、
を特徴とする請求項10に記載の監視方法。
【請求項12】
所定のサーバーから前記IP放送ストリームの管理情報を取得し、受信されている前記IP放送ストリームが前記管理情報に適合しているか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の監視方法。
【請求項13】
前記所定のサーバーの監視を行うとともに、前記所定のサーバーから前記管理情報を正しく取得できるか否かを判定することを特徴とする請求項12に記載の監視方法。
【請求項14】
前記管理情報に基づいて、前記IP放送ストリームがIP放送規格に適合しているか否かを判定することを特徴とする請求項12に記載の監視方法。
【請求項15】
前記管理情報を伝送する専用ストリームを受信し、
前記専用ストリームから前記管理情報を取得すること、
を特徴とする請求項12に記載の監視方法。
【請求項16】
再生ステップをさらに備え、
前記再生ステップでは、(a)前記参加要求が送信された前記チャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、(b)特定した前記暗号方式または前記スクランブル方式に応じて、当該チャンネルの前記IP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、(c)復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を出力すること、
を特徴とする請求項10に記載の監視方法。
【請求項17】
前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して前記参加要求を送信してポーリングし、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行うことを特徴とする請求項10に記載の監視方法。
【請求項18】
前記伝送システムとの間の通信路の帯域幅に応じて、前記複数のチャンネルの上限数が設定されていることを特徴とする請求項17に記載の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置および監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1におけるCATV監視装置は、所定の変調方式で変調して搬送波を得られたRF信号としての放送信号を受信し復調してプログラムを抽出し、そのプログラムにおける映像の異常を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、放送信号をIP(Internet Protocol)パケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムが提案されている。このような伝送システムの場合、IPネットワークにおけるルーターが受信機からあるチャンネルの参加要求を受け付けると、その受信機へのIP放送ストリームのルーティングを行っている。つまり、IP放送ストリームはブロードキャストされていない。そのため、特許文献1に開示されているような監視装置を単にIPネットワークに接続しても、IP放送ストリームの監視を行うことは困難である。
【0005】
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、IP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムにおけるIP放送ストリーム及びIP放送サーバーの監視を行う監視装置および監視方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムから前記IP放送ストリームを受信するIP通信手段と、受信された前記IP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視するIP放送ストリーム監視手段とを備え、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、前記伝送システムに対して参加要求を送信し、前記IP通信手段は、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームを受信し、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を行うこと、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムにおけるIP放送ストリームの監視を行える。
【0007】
また、本発明は、前記放送信号を監視する放送信号監視手段と、統合監視手段とをさらに備え、前記統合監視手段は、前記IP放送ストリーム監視手段によって前記IP放送ストリームのエラーが検出された場合、前記IP放送ストリーム監視手段の監視結果と前記放送信号監視手段の監視結果とを比較し、前記IP放送ストリームのエラーが前記放送信号のエラーによるものか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームのエラーが放送信号のエラーによるものか否かを判定することができ、エラー原因の所在を特定しやすくなる。
【0008】
また、本発明は、前記IP放送ストリーム監視手段は、所定のサーバーから前記IP放送ストリームの管理情報を取得し、受信されている前記IP放送ストリームが前記管理情報に適合しているか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、所定のサーバーの提供する管理情報を参照してIP放送ストリームのエラーを特定しやすくなる。
【0009】
また、本発明は、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記所定のサーバーの監視を行うとともに、前記所定のサーバーから前記管理情報を正しく取得できるか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームの監視とともに、その管理情報を有する所定のサーバーを併せて監視できる。
【0010】
また、本発明は、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記管理情報に基づいて、前記IP放送ストリームがIP放送規格に適合しているか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送規格に対応したIP放送ストリームの監視を行うことができる。
【0011】
また、本発明は、前記IP通信手段は、前記管理情報を伝送する専用ストリームを受信し、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記専用ストリームから前記管理情報を取得すること、を特徴とする。
このような構成によれば、専用ストリームにおける管理情報を参照してIP放送ストリームのエラーを特定しやすくなる。
【0012】
また、本発明は、再生手段をさらに備え、前記再生手段は、(a)前記参加要求が送信された前記チャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、(b)特定した前記暗号方式または前記スクランブル方式に応じて、当該チャンネルの前記IP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、(c)復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を出力すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームが、暗号方式またはスクランブル方式の互いに異なる複数のチャンネルを含んでいても、円滑に監視を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、前記IP放送ストリーム監視手段は、前記複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して前記参加要求を送信してポーリングし、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行うこと、を特徴とする。
このような構成によれば、比較的短い時間間隔で繰り返し複数のチャンネルの異常の有無を特定でき、チャンネルの異常を迅速に検出することができる。
【0014】
また、本発明は、前記伝送システムと前記IP通信手段との間の通信路の帯域幅に応じて、前記複数のチャンネルの上限数が設定されていること、を特徴とする。
このような構成によれば、帯域幅に応じた適切な数のチャンネルを並行して監視できる。また、十分な帯域幅により全てのチャンネルを並行して監視できる。
【0015】
また、本発明は、放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムから前記IP放送ストリームを受信する受信ステップと、受信された前記IP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視するIP放送ストリーム監視ステップとを備え、前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、前記伝送システムに対して参加要求を送信し、前記受信ステップでは、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームを受信し、前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を行うこと、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムにおけるIP放送ストリームの監視を行える。
【0016】
また、本発明は、前記放送信号を監視する放送信号監視ステップと、統合監視ステップとをさらに備え、前記統合監視ステップでは、前記IP放送ストリームのエラーが検出された場合、前記IP放送ストリーム監視ステップでの監視結果と前記放送信号監視ステップでの監視結果とを比較し、前記IP放送ストリームのエラーが前記放送信号のエラーによるものか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームのエラーが放送信号のエラーによるものか否かを判定することができ、エラー原因の所在を特定しやすくなる。
【0017】
また、本発明は、所定のサーバーから前記IP放送ストリームの管理情報を取得し、受信されている前記IP放送ストリームが前記管理情報に適合しているか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、所定のサーバーの提供する管理情報を参照してIP放送ストリームのエラーを特定しやすくなる。
【0018】
また、本発明は、前記所定のサーバーの監視を行うとともに、前記所定のサーバーから前記管理情報を正しく取得できるか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームの監視とともに、その管理情報を有する所定のサーバーを併せて監視できる。
【0019】
また、本発明は、前記管理情報に基づいて、前記IP放送ストリームがIP放送規格に適合しているか否かを判定すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送規格に対応したIP放送ストリームの監視を行うことができる。
【0020】
また、本発明は、前記管理情報を伝送する専用ストリームを受信し、前記専用ストリームから前記管理情報を取得すること、を特徴とする。
このような構成によれば、専用ストリームにおける管理情報を参照してIP放送ストリームのエラーを特定しやすくなる。
【0021】
また、本発明は、再生ステップをさらに備え、前記再生ステップでは、(a)前記参加要求が送信された前記チャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、(b)特定した前記暗号方式または前記スクランブル方式に応じて、当該チャンネルの前記IP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、(c)復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を出力すること、を特徴とする。
このような構成によれば、IP放送ストリームが、暗号方式またはスクランブル方式の互いに異なる複数のチャンネルを含んでいても、円滑に監視を行うことができる。
【0022】
また、本発明は、前記IP放送ストリーム監視ステップでは、前記複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して前記参加要求を送信してポーリングし、前記参加要求が送信されたチャンネルの前記IP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行うこと、を特徴とする。
このような構成によれば、比較的短い時間間隔で繰り返し複数のチャンネルの異常の有無を特定でき、チャンネルの異常を迅速に検出することができる。
【0023】
また、本発明は、前記伝送システムと前記IP通信手段との間の通信路の帯域幅に応じて、前記複数のチャンネルの上限数が設定されていること、を特徴とする。
このような構成によれば、帯域幅に応じた適切な数のチャンネルを並行して監視できる。また、十分な帯域幅により全てのチャンネルを並行して監視できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、IP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システムにおけるIP放送ストリームの監視を行う監視装置および監視方法を提供することができる。
【0025】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る監視装置を含む伝送システムの構成例を示す図である。
【
図2】IP放送の伝送システムにおいて、IPネットワークを介して受信機との間で送受されるデータの一例を示す図である。
【
図3】
図1に示す監視装置の詳細な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
(A)本発明の第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係る監視装置を含む伝送システムの構成例を示す図である。
図1に示す伝送システム1は、所定の変調方式で搬送波を変調して得られる放送信号を提供する放送信号提供部11と、IP放送ストリームを提供するIP放送サービスサーバー21およびIP再送信システム22とを備える。
【0029】
放送信号提供部11は、地デジパススルーシステム11a、地デジ自主放送システム11b、BSトランスモジュレーション(以下、トラモジという)システム11c、地デジトラモジシステム11d、高度BSトラモジシステム11e、高度ケーブル自主システム11f、リマックスシステム11g、FMパススルーシステム11h、BSパススルーシステム11i、広帯域CSパススルーシステム11j、高度BSパススルーシステム11k、高度広帯域CSパススルーシステム11mなどを有し、それぞれに対応する変調方式で搬送波を変調して得られる放送信号(つまり、放送波であるRF信号)を送出している。
【0030】
ここで、地デジパススルーシステム11aおよび地デジ自主放送システム11bは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)で搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。BSトラモジシステム11cおよび地デジトラモジシステム11dは、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)で搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。高度ケーブル自主システム11fおよびリマックスシステム11gは、64QAMまたは256QAMで搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。FMパススルーシステム11hは、FM(Frequency Modulation)で搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。BSパススルーシステム11iおよび高度BSパススルーシステム11kは、TC8PSK(Trellis Coded 8 Phase Shift Keying)または16APSK(Amplitude and Phase Shift Keying)で搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。広帯域CSパススルーシステム11jは、QPSK(Quadrature PSK)または8PSKで搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。高度広帯域CSパススルーシステム11mは、BPSK(Binary PSK)または8PSKで搬送波を変調して得られる放送信号を送出している。
【0031】
RF混合部12aは、地デジパススルーシステム11a、地デジ自主放送システム11b、BSトラモジシステム11c、地デジトラモジシステム11d、高度BSトラモジシステム11e、高度ケーブル自主システム11f、リマックスシステム11g、およびFMパススルーシステム11hの放送信号(RF信号)、並びにCATV制御信号を混合し、混合した放送信号を送出している。また、RF分配部13aは、RF混合部12aから送出された放送信号を分配している。ここでは、RF分配部13aは、その放送信号を、放送視聴者の受信機(図示せず)向けの伝送路に送出するとともに、監視装置31に送出している。なお、監視装置31に入力されるRF信号は、RF分配部13a,13bからのRF信号と同等のRF信号をさらに含んでいてもよく、また、アンテナ信号からのRF信号や外部の事業者などから放送信号提供部11に提供されるRF信号を含んでいてもよい。
【0032】
RF混合部12bは、BSパススルーシステム11i、広帯域CSパススルーシステム11j、高度BSパススルーシステム11k、および高度広帯域CSパススルーシステム11mの放送信号(RF信号)を混合し、混合した放送信号を送出している。また、RF分配部13bは、RF混合部12bから送出された放送信号を分配している。ここでは、RF分配部13bは、その放送信号を、受信機(図示せず)向けの伝送路に送出するとともに、監視装置31に送出している。
【0033】
また、IP放送サービスサーバー21は、インターネット、サービス提供用の閉域網、ケーブルテレビ通信回線などといったIPネットワーク24にIP放送ストリームを送出している。また、IP再送信システム22は、上述のようなRF信号やそのRF信号をIPパケット化して得られるストリームとして放送信号を受信し、その放送信号を、必要に応じてIP放送用の形式に変換した後、IPパケット化してIP放送ストリームを生成し送出している。
【0034】
SIサーバー23は、IP放送サービスサーバー21やIP再送信システム22から送出されるIP放送ストリームの管理情報を保存しており、要求に応じて、管理情報を提供したり、管理情報を含むSI専用ストリームを送出したりする。
【0035】
IPネットワーク24は、1または複数のルーター24aを備え、各ルーター24aは、IGMP(Internet Group Management Protocol)、MLD(Multicast Listener Discovery)などといった所定のプロトコルに従って、マルチキャストのIP放送ストリームのルーティングを行っている。 ルーター24aは、あるチャンネルの参加要求を受信機から受信すると、その受信機に向けて、そのチャンネルのIP放送ストリームをルーティングする。IP放送の伝送システムにおいては、IP放送ストリームの他、種々のデータが受信機との間で送受される。
図2は、IP放送の伝送システムにおいて、IPネットワークを介して受信機との間で送受されるデータの一例を示す図である。
図2は、IP放送を構成するサーバーおよび送受されるデータを示している。
図2に示すIP放送ストリーム(IP再放送ストリームを含む)およびSI専用ストリームは、マルチキャストで配信されている。
【0036】
さらに、例えば
図1に示すように、外部の配信プラットフォームシステム26から放送信号提供部11に提供される放送信号がIPパケット化されている場合には、そのIPパケット化された信号(以下、IP配信信号という)が、IPネットワーク24と同様のIPネットワーク27を介して監視装置31に入力されてもよい。
【0037】
図3は、
図1に示す監視装置31の詳細な構成例を示す図である。
【0038】
図3に示すように、監視装置31は、1または複数(ここでは、2つ)のOFDM/BS/CS監視部41と、1または複数(ここでは4つ)のQAM監視部42と、レベル監視部43と、1または複数(ここでは2つ)のFM帯域レベル監視部44と、分配器45,46とを備える。OFDM/BS/CS監視部41、QAM監視部42、レベル監視部43、およびFM帯域レベル監視部44は、放送信号(放送波)を監視する放送信号監視手段の例である。
【0039】
分配器45は、RF混合部12bから送出されRF分配部13bにより分配された放送信号(つまり、BSパススルーシステム11i、広帯域CSパススルーシステム11j、高度BSパススルーシステム11k、および高度広帯域CSパススルーシステム11mの放送信号)(
図3におけるBS/CS信号)を受け付け、OFDM/BS/CS監視部41およびレベル監視部43に分配している。
【0040】
また、分配器46は、RF混合部12aから送出されRF分配部13aにより分配された放送信号(つまり、地デジパススルーシステム11a、地デジ自主放送システム11b、BSトラモジシステム11c、地デジトラモジシステム11d、高度BSトラモジシステム11e、高度ケーブル自主システム11f、リマックスシステム11g、およびFMパススルーシステム11hの放送信号,
図3におけるCATV信号)を受け付け、OFDM/BS/CS監視部41、QAM監視部42、レベル監視部43、およびFM帯域レベル監視部44に分配している。
【0041】
OFDM/BS/CS監視部41およびQAM監視部42は、供給された放送信号のうちの監視対象となる放送信号の変調方式に対応して、監視対象をストリームデータ(ここでは、TS:Transport Stream)へ復調し、そのストリームデータにおける、管理情報(PSI情報、SI情報など)、並びに映像および音声を監視し、異常を検出する。
【0042】
例えば、OFDM/BS/CS監視部41およびQAM監視部42は、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)などに基づいて、異常を検出する。
【0043】
ここで、管理情報には、NIT(Network Information Table)、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、ECM(Entitlement Control Message)、SDT(Service Description Table)、EIT(Event Information Table)、TOT(Time Offset Table)、PCR(Program Clock Reference)などが含まれる。
【0044】
レベル監視部43は、RF信号として供給された各放送信号のレベル(信号強度)を監視し、異常を検出する。
【0045】
FM帯域レベル監視部44は、供給されたFM変調された放送信号のレベル(信号強度)を監視し、異常を検出する。
【0046】
さらに、監視装置31は、IP放送監視部51と、ネットワークインターフェイス52とを備える。
【0047】
IP放送監視部51は、放送信号をIPパケット化したIP放送ストリームをマルチキャストで配信する伝送システム(ここでは、IP放送サービスサーバー21、IP再送信システムなどを含むIPネットワーク24)から受信されたIP放送ストリームにおける1または複数のチャンネルを監視する。ネットワークインターフェイス52は、上述の伝送システムから上述のIP放送ストリームを受信する。IP放送監視部51は、専用ハードウェアで実現してもよいし、プロセッサー62においてソフトウェアとして実現してもよい。また、ネットワークインターフェイス52がL2スイッチ28を介して外部事業者からの上述のIP配信信号を受信し、IP放送監視部51は、そのIP配信信号における1または複数のチャンネルを併せて監視するようにしてもよい。
【0048】
特に、IP放送監視部51は、上述の1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、上述の伝送システムに対して参加要求を送信し、ネットワークインターフェイス52は、その参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームを受信し、IP放送監視部51は、その参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームの監視を行う。
【0049】
また、IP放送監視部51は、上述の複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して参加要求を送信してポーリングし、参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行う。
【0050】
なお、監視対象を別のチャンネルに切り替える場合には、IP放送監視部51は、上述の伝送システムに対して、監視を終了するチャンネルについての退出要求を送信し、その後、別のチャンネルについての参加要求を送信する。
【0051】
その際、上述の伝送システムとネットワークインターフェイス52との間の通信路の帯域幅に応じて、その複数のチャンネルの上限数が設定される。したがって、並行して監視が行われるチャンネルの数は、その上限数以下となる。
【0052】
ここでは、IP放送ストリームは、TS、MMT、MMT-TLV(MPEG Media Transport - Type Length Value)などで多重化されたストリームである。
【0053】
具体的には、IP放送監視部51は、そのTLVやTSにおける、管理情報(PSI情報、SI情報など)並びに映像および音声を監視し、異常を検出する。この管理情報には、NIT、PAT、PMT、ECM、SDT、EIT、TOT、PCRなどが含まれる。
【0054】
さらに、IP放送監視部51は、受信されたIP放送ストリームについてのフロー情報(IPアドレス、ポート番号、VLAN番号など)や伝送品質(伝送レートBPS、パケット数PPS、ストリーム受信時間uptime、パケットロス、パケットエラー、パケットジッターなど)を検出し、それらの検出頻度や検出値に基づいて、異常を検出する。
【0055】
また、IP放送監視部51は、SIサーバー23からIP放送ストリームの管理情報を取得し、受信されているIP放送ストリームまたはSI専用ストリームがその管理情報に適合しているか否かを判定し、異常を検出してもよい。
【0056】
その際、IP放送監視部51は、ネットワークインターフェイス52により受信されるSI専用ストリーム(管理情報を伝送する専用ストリーム)から、その管理情報を取得するようにしてもよい。
【0057】
さらに、IP放送監視部51は、所定のプロトコルでIPネットワークおよびL2スイッチ25を介してSIサーバー23などの各種サーバーにアクセスすることで、各サーバーの監視や正常性確認を行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、IP放送監視部51は、所定のプロトコルでIP放送サービスサーバー21にIPネットワーク24およびL2スイッチ25を介して接続を定期的に試みて、正しく接続できるか否か、または応答があるか否かを判定し、異常を検出するようにしてもよい。その際、IP放送監視部51は、TCP(Transmission Control Protocol)でIP放送サービスサーバー21に常時接続し、TCPの接続が切断された場合に異常を検出してもよい。
【0059】
さらに、IP放送監視部51は、IP放送サービスサーバー21などに蓄積されている管理データを取得し、当該IP放送ストリームに対応するIP放送の規格に適合しているか否かを判定し、異常を検出するようにしてもよい。
【0060】
さらに、IP放送監視部51は、SNTPサーバーから時計情報を取得し、サーバーからの応答があるか否かや、SNTPプロトコルのバージョン情報が規格に則ったものであるか否か、またはLI(Leap Indicator)が11であるか否かや、Stratum情報が16以上であるか否かに基づいて、異常を検出するようにしてもよい。
【0061】
さらに、IP放送監視部51は、CASサーバーからライセンス情報を取得し、IP放送で放送している映像音声をデコードし、正しく映像および音声が抽出できることで、正しくライセンス情報を取得できるか否かを判定し、異常を検出するようにしてもよい。
【0062】
さらに、監視装置31は、TS出力部61、プロセッサー62、ICカードスロット63、ACASチップ64、パネル表示部65、およびSDカードスロット66を備える。
【0063】
TS出力部61は、当該監視装置31(監視部41,42)における復調で得られたTSを外部へ出力する。
【0064】
プロセッサー62は、CPU(Central Processing Unit)などを備え、CPUでプログラムを実行することで各種処理部として動作する。
【0065】
ICカードスロット63は、CASカード用のリーダーである。パネル表示部65は、監視結果などを表示するためのディスプレイやインジケーターである。SDカードスロット66は、監視結果を記憶するためのSDカードのリーダー・ライターである。
【0066】
ここでは、プロセッサー62は、統合監視部62aおよび再生部62bとして動作する。
【0067】
統合監視部62aは、IP放送監視部の監視結果と放送信号の監視部41,42の監視結果とを取得して、それらの監視結果を表示したり、記憶したり、出力したりする。特に、IP放送監視部51によってIP放送ストリームのエラーが検出された場合、IP放送監視部の監視結果と放送信号の監視部41,42の監視結果とを比較し、IP放送ストリームのエラーが元々の放送信号のエラーによるものか否かを判定する。
【0068】
再生部62bは、(a)前記参加要求が送信されたチャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、(b)特定した暗号方式またはスクランブル方式に応じて、ICカードスロット63に接続されたCASカード、ACASチップ64などから暗号キーを読み出し、その暗号キーを使用して当該チャンネルのIP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、(c)復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を後段の動画視聴サーバー32や監視コントローラー33へ出力する。ここでは、再生部62bは、ネットワークインターフェイス67で、L2ネットワーク(イーサネット(登録商標)など)を介して映像または音声を後段の動画視聴サーバー32や監視コントローラー33へ出力する。なお、監視装置31はL2ネットワークを介さず、動画視聴サーバー32や監視コントローラー33と同一筐体としてもよい。
【0069】
(B)本発明の第1実施形態の動作の説明
【0070】
つぎに、本発明の第1実施形態の動作について説明する。図示しない放送局は、テレビ放送サービスを実現するための情報を含む圧縮符号化された映像および音声、ならびに、コンテンツダウンロードサービスを実現するためのコンテンツを含むストリームデータを、TSまたはMMT/TLVと呼ばれる方式に基づいて多重化する。多重化されたストリームデータは、放送信号として送信される。
【0071】
その際、通信媒体として、搬送波が使用される場合には、放送信号は所定の変調方式で変調された後、放送波として送出される。また、通信媒体として、IPネットワークが使用される場合には、放送信号はIPパケット化された後、IP放送ストリームとしてIPネットワークに送出される。
【0072】
放送信号提供部11は、そのような放送波としての放送信号を中継したり、自主的に放送信号を送出したりしている。また、IP放送サービスサーバー21は、そのようなIP放送ストリームを送出し、IP再送信システム22は、そのような放送波としての放送信号をIP放送ストリームに変換し、変換後のIP放送ストリームを送出している。
【0073】
ここでは、放送信号提供部11が送出する放送信号とIP放送サービスサーバー21またはIP再送信システム22が送出する放送信号とは、同一のコンテンツ(チャンネル)を含んでいる。
【0074】
このようにして、各種の伝送媒体を介して放送信号が受信機側へ伝送される。
【0075】
上述の放送信号提供部11、IP放送サービスサーバー21、およびIP再送信システム22は、局舎内に配置されており、ここでは、上述の監視装置31も、その局舎内に配置されている。ただし、監視装置31は、別の局舎(中継局など)や受信機側に配置されていてもよい。なお、上述の放送信号提供部11、IP放送サービスサーバー21、およびIP再送信システム22は、それぞれ別の局舎に配置されていてもよい。
【0076】
放送信号提供部11により送出された放送信号は、分配されて監視装置31に供給される。監視装置31では、OFDM/BS/CS監視部41、QAM監視部42、レベル監視部43、およびFM帯域レベル監視部44が、この放送信号の監視を行う。
【0077】
他方、監視装置31のIP放送監視部51は、監視対象である1または複数のチャンネルのそれぞれに対して、伝送システム(IPネットワーク24など)に対して参加要求をネットワークインターフェイス52で送信し、その参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームをネットワークインターフェイス52で受信し、その参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームの監視を上述のようにして行う。その際、IP放送監視部51は、上述の複数のチャンネルに対して順番にかつ繰り返して参加要求および退出要求を送信してポーリングし、参加要求が送信されたチャンネルのIP放送ストリームの監視を順番にかつ繰り返し行う。
【0078】
なお、監視装置31が局舎内に設置される場合、局舎内で生成され伝送されるASI TS(Asynchronous Serial Interface TS)や局舎外よりIP配信されたCATV放送用IPコンテンツ(上述のIP配信信号)が監視装置31に供給されるようにしてもよい。ASI TSは、IP放送サービスサーバー21などと同一のコンテンツ(チャンネル)を含んでいる。
【0079】
さらに、プロセッサー62では、統合監視部62aが、IP放送監視部51の監視結果を取得し、その監視結果をパネル表示部65に表示したり、SDカードスロット66に接続されたSDカード(記憶媒体)に記憶したり、監視コントローラー33へ出力したりする。
【0080】
また、統合監視部62aは、IP放送監視部51によってIP放送ストリームのエラーが検出された場合、IP放送監視部51の監視結果と放送信号の監視部41,42の監視結果とを比較し、IP放送ストリームのエラーが元々の放送信号のエラーによるものか否かを判定し、その判定結果を同様に、パネル表示部65に表示したり、SDカードスロット66に接続されたSDカード(記憶媒体)に記憶したり、監視コントローラー33へ出力したりする。
【0081】
さらに、プロセッサー62の再生部62bは、参加要求が送信されたチャンネルの暗号方式またはスクランブル方式を特定し、特定した暗号方式またはスクランブル方式に応じて、当該チャンネルのIP放送ストリームを復号またはデスクランブルし、復号後またはデスクランブル後に得られる映像または音声を後段の動画視聴サーバー32などへ出力する。
【0082】
そして、統合監視部62aは、IP放送ストリームのポーリングにおいて、各チャンネルについて、前回得られた映像または音声と今回得られた映像または音声とを比較することで、フリーズなどの異常検出を行い、フリーズなどの異常が検出された場合、アラームを発行する。また、統合監視部62aは、IP放送ストリームのポーリングの各回(1回分)における映像または音声に基づいて異常検出を行うようにしてもよい(例えば、ブラック、カラーバー、無音、1kHzトーン音声などの検出)。なお、放送信号において、映像または音声に暗号化および/またはスクランブルが施されている場合には、復号および/またはデスクランブルが行われた後の映像または音声が、当該監視に使用される。
【0083】
さらに、統合監視部62aは、放送信号(放送波のRF信号)で同一の異常が検出されたか否かを判定し、放送信号(放送波のRF信号)で同一の異常が検出された場合、IP放送ストリームの伝送路での異常ではなく、元々の放送信号の異常であると判定し、放送信号(放送波のRF信号)で同一の異常が検出されなかった場合、IP放送ストリームの伝送路での異常であると判定する。つまり、IP放送ストリームの監視結果と放送信号(放送波のRF信号)の監視結果とを比較することで、異常の発生箇所の切り分けを行うことができる。
【0084】
以上のように、IP放送ストリームの監視が行われる。その際、複数のチャンネルのIP放送ストリームを並行して監視しているため、監視対象のチャンネルが多くチャンネルの監視を間欠的に繰り返し行う場合でも、各チャンネルの監視のインターバルが短くて済む。IP放送ストリームの監視をソフトウェア処理として実行する場合には、各チャンネルに専用ハードウェアを割り当てる必要がないため、専用ハードウェアで監視を行うより比較的低コストで、多くのチャンネルの監視を行うことができる。
【0085】
(C)本発明の第2実施形態の構成の説明
【0086】
第2実施形態では、監視装置31は、放送信号の監視部41,42などを備えず、IP放送の監視のみを行う。
【0087】
なお、第2実施形態に係る監視装置31のその他の構成および動作については第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0088】
(E)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、例えば、IP放送ストリームの監視装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
41 OFDM/BS/CS監視部(放送信号監視手段の一例)
42 QAM監視部(放送信号監視手段の一例)
43 レベル監視部(放送信号監視手段の一例)
44 FM帯域レベル監視部(放送信号監視手段の一例)
51 IP放送監視部(IP放送ストリーム監視手段)
52 ネットワークインターフェイス(IP通信手段の一例)
62a 統合監視部(統合監視手段の一例)
62b 再生部(再生手段の一例)