(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064252
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】監視装置、押出機、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240507BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240507BHJP
【FI】
G05B23/02 301Q
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172700
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴之
(72)【発明者】
【氏名】上田 能貴
【テーマコード(参考)】
3C223
5E555
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
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3C223HH29
5E555AA30
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5E555BC04
5E555CA12
5E555CB14
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5E555DB56
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(57)【要約】
【課題】押出機に関する計測値の状態を容易に視認することができる監視装置等を提供する。
【解決手段】監視装置は、押出機に関する情報を表示する表示部と、前記表示部に押出機に関する情報を表示させる制御部とを備え、前記制御部は、押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、生成した前記画面を前記表示部に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部に押出機に関する情報を表示させる制御部とを備え、
前記制御部は、
押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、
取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、
生成した前記画面を前記表示部に表示させる
監視装置。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の前記計測項目に係る計測値を取得し、
取得した各計測項目に係る計測値に基づき、計測項目毎に計測値を時系列に示す前記グラフと、各計測項目を表す複数の前記計測項目ボックスとを含む前記画面を生成する
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記計測項目ボックスは前記計測項目に係る計測値をリアルタイムで表示する
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記計測項目ボックスは前記グラフの表示及び非表示の切り替え要求を受け付ける切替部を含み、
前記制御部は、前記計測項目ボックスにおける切替部を通じた前記グラフの表示及び非表示の切り替え要求に応じて、前記計測項目ボックスに係る計測項目に対応する前記グラフの表示及び非表示を切り替える
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項5】
前記計測項目ボックスはグラフの強調表示の要求を受け付ける受付部を含み、
前記制御部は、前記計測項目ボックスにおける前記受付部を通じて強調表示の要求を受け付け、
要求された計測項目ボックスに係る計測項目に対応するグラフを強調表示させる
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記グラフに対するスクロール指示を受け付け、
受け付けたスクロール指示に応じて前記表示部に表示させる前記グラフの期間を変化させる
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項7】
前記画面は前記グラフ上に表示されるカーソルを含み、
前記制御部は、前記カーソルを利用して特定の計測時刻の指定を受け付け、
指定された前記特定の計測時刻における計測値を前記計測項目ボックスに表示させる
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項8】
前記画面は前記表示部に表示させる前記グラフの期間を移動させるための移動受付部を含み、
前記制御部は、前記移動受付部を通じて前記グラフの期間の移動を受け付け、
前記移動受付部を通じて受け付けた期間に係る前記グラフを表示させる
請求項1又は請求項2に記載の監視装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の監視装置を備える
押出機。
【請求項10】
押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、
取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、
生成した前記画面を表示部に表示させる
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項11】
押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、
取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、
生成した前記画面を表示部に表示させる
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、押出機、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押出機をはじめとする産業用機械を監視制御するため、監視制御対象機械から収集した計測データの時間変化を示すトレンドグラフなどを表示装置に表示することにより、監視制御対象機械の状態をリアルタイムでユーザに知らせる方法が用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、機器のアラーム情報とトレンドグラフとをトレンドグラフの表示画面で共に表示することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
押出機の運転状況を監視制御するためには、押出機の運転に影響を及ぼす計測値の状態を把握することが重要である。このため、押出機に関する計測値の状態を容易に視認することができる技術が望まれる。
【0006】
本開示の目的は、押出機に関する計測値の状態を容易に視認することができる監視装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る監視装置は、押出機に関する情報を表示する表示部と、前記表示部に押出機に関する情報を表示させる制御部とを備え、前記制御部は、押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、生成した前記画面を前記表示部に表示させる。
【0008】
本開示の一態様に係る押出機は、上述の監視装置を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、生成した前記画面を表示部に表示させる処理をコンピュータが実行する。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、生成した前記画面を表示部に表示させる処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、押出機に関する計測値の状態を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態の制御装置を備える押出機の概要図である。
【
図3】トレンドグラフ画面の第1例を示す模式図である。
【
図4】トレンドグラフ画面の第2例を示す模式図である。
【
図5】トレンドグラフ画面の第3例を示す模式図である。
【
図6】トレンドグラフ画面の第4例を示す模式図である。
【
図7】トレンドグラフ画面の第5例を示す模式図である。
【
図8】トレンドグラフ画面の第6例を示す模式図である。
【
図9】トレンドグラフ画面の第7例を示す模式図である。
【
図10】制御装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の制御装置2を備える押出機1の概要図である。押出機1は、成形原料を溶融及び混練し、押し出す機械である。押出機1は、当該押出機1の動作を制御する制御装置2を備える。制御装置2は、表示部24を備え、表示部24を通じて押出機1に関する情報を表示する。制御装置2は、押出機に関する情報を表示するための監視装置に対応する。押出機1には、複数のセンサ3が設けられている。
【0015】
<押出機1>
押出機1は、シリンダ10と、2本のスクリュ11と、シリンダ10の出口部分に設けられたダイス12とを備える。シリンダ10は、樹脂原料及び各種添加剤が投入される複数のホッパ10aを有する。樹脂及び添加剤は、原料フィーダ15を通じてホッパ10aへ供給される。2本のスクリュ11は、相互に噛み合わされた状態で略平行に配され、シリンダ10の孔内に回転可能に挿入されており、ホッパ10aに投入された樹脂原料を押出方向(
図1中の右方向)へ搬送し、溶融及び混練する。溶融した樹脂原料は、貫通孔を有するダイス12から排出される。
【0016】
スクリュ11は、複数種類のスクリュピースを組み合わせ、一体化することによって一本のスクリュ11として構成されている。例えば、樹脂原料を順方向へ輸送するフライトスクリュ形状の順フライトピース、樹脂原料を逆方向へ輸送する逆フライトピース、樹脂原料を混練するニーディングピース等を、樹脂原料の特性に応じた順序及び位置に配して組み合わせることにより、スクリュ11が構成される。
【0017】
また、押出機1は、スクリュ11を回転させるための駆動力を出力するモータ13と、モータ13の駆動力を減速伝達する減速機14とを備える。スクリュ11は減速機14の出力軸に接続されている。スクリュ11は、減速機14によって減速伝達されたモータ13の駆動力によって回転する。なお押出機1の構成は上述の例に限定されない。また押出機1の備えるスクリュ11の本数は2本に限定されない。
【0018】
<センサ3>
センサ3は、押出機1の運転状況に関連する物理量を時系列的に検出する。センサ3は、制御装置2に接続されており、検出して得た物理量の計測値を制御装置2へ出力する。センサ3は、押出機1の運転制御に必要なものとして予め押出機1及び周辺装置に備え付けられてもよく、後付けで設置されてもよい。センサ3は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)といったデータ不図示のデータ収集装置に接続されており、データ収集装置を介して制御装置2へ計測値を出力する構成であってもよい。
【0019】
センサ3により検出する物理量は、押出機1の運転状況に関連する物理量であれば特に限定されないが、例えば温度、重さ、位置、速度、加速度、電流、電圧、圧力、時間、トルク、力、歪、消費電力等が挙げられる。これらの物理量は、温度計、重量計、位置センサ、速度センサ、加速度センサ、電流計、電圧計、圧力計、タイマ、トルクセンサ、電力計等を用いて測定することができる。
【0020】
複数のセンサ3は、例えば、原料フィーダ15に係る物理量を検出する第1センサ31と、スクリュ11に係る物理量を検出する第2センサ32と、モータ13に係る物理量を検出する第3センサ33と、ダイス12に係る物理量を検出する第4センサ34とを含む。
第1センサ31は、例えば原料フィーダ15からホッパ10aへ供給される原料の供給量(フィーダ供給量)を検出する重量計、原料フィーダ15又は原料フィーダ15内の樹脂材料の温度を検出する温度計等である。第2センサ32は、スクリュ11の軸トルクを検出するトルク検出器、スクリュ11の回転数を検出する回転計、スクリュ先端圧力を検出する圧力計、スクリュ11又はシリンダ10内の樹脂材料の温度を検出する温度計、スクリュ11の回転中心の変位を検出する変位センサ等である。第3センサ33は、モータ電流を検出する電流計、モータ回転数を検出する回転計等である。第4センサ34は、ダイス12に働くダイヘッド圧力を検出する圧力計、ダイス12又はダイス12内の樹脂材料の温度を検出する温度計等である。
【0021】
<制御装置2>
図2は、制御装置2の構成例を示すブロック図である。制御装置2は、押出機1の運転制御を行うともに、押出機1に関する情報を提示するためのコンピュータである。制御装置2は、センサ3により計測された計測値に関する信号を受け付け、受け付けた計測値に基づき、表示部24を通じて押出機1の運転状況をグラフ形式で提示する。制御装置2は、押出機1において、ユーザが表示部24を視認し易い適宜の位置に設けられてよい。
【0022】
なお、表示部24に表示される押出機1の運転状況に関する計測値とは、センサ3により直接的に計測される計測値に限らず、当該計測値から間接的に算出される算出値を含んでもよい。なお、計測値は、センサ3を用いて計測されるものに限らない。制御装置2は、センサ3を通して計測値を取得するものに限らず、他の制御装置、又はインターネット等のネットワークを介して接続される外部装置を通して計測値を取得してもよい。
【0023】
制御装置2は、上述の表示部24に加え、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部25、データ入力部26及び出力部27を備える。記憶部22、通信部23、表示部24、操作部25、データ入力部26及び出力部27は制御部21に接続されている。なお、制御装置2は、ネットワークに接続されたサーバ装置であってもよい。また、制御装置2は、複数台のコンピュータで構成し分散処理する構成でもよいし、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。
【0024】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置、I/O端子等を有する。制御部21は、後述の記憶部22が記憶するプログラム2Pを実行することにより、本実施形態に係る制御装置2として機能する。なお、制御装置2の各機能部は、ソフトウェア的に実現してもよく、ハードウェア的に実現してもよく、それらの組合せによって実現してもよい。
【0025】
記憶部22は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを備える。記憶部22は、制御装置2に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部22は、制御部21が参照する各種プログラム及びデータを記憶する。本実施形態の記憶部22は、運転状況の表示画面の生成に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム2Pと、このプログラム2Pの実行に必要なデータとしての計測値データとを記憶している。計測値データには、例えば複数種類の計測項目それぞれについて、計測時刻と計測値とを紐付けたレコードが時系列順に記録されている。制御装置2は、センサ3から新たな計測値を取得する度、計測値データに記憶する。
【0026】
プログラム2Pを含むプログラム(プログラム製品)は、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体2Aにより提供されてもよい。記憶部22は、不図示の読出装置によって記録媒体2Aから読み出されたプログラムを記憶する。記録媒体2Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバからプログラムをダウンロードし、記憶部22に記憶させてもよい。プログラム2Pは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0027】
通信部23は、インターネット等のネットワークを介して外部装置と通信するための通信モジュールを備える。制御部21は、通信部23を介して外部装置との間でデータを送受信する。通信部23は省略されてもよい。
【0028】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備える。表示部24は、制御部21からの指示に従って、押出機1に関する各種の情報を表示する。表示部24は、AR(Augmented Reality)表示装置、VR(Virtual Reality)表示装置であってもよい。
【0029】
操作部25は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部25は、例えばディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、キーボード、マウス、セレクタスイッチ、押ボタンスイッチ、スピーカ及びマイクロフォン等を備える。操作部25は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部21へ送出する。
【0030】
本実施形態における制御装置2の表示部24は、
図1に示すように、横長のワイド画面を採用し、画面のワイド方向が押出機1の押出方向に沿うよう押出機1に取り付けられている。上記構成により、押し出し方向に延びる押出機1の機器構成を活かしつつ、表示部24の表示領域を増大させることができる。
【0031】
データ入力部26は、センサ3から出力された信号が入力する入力インタフェースである。データ入力部26には各センサ3が接続されている。制御部21は、データ入力部26を介してセンサ3の計測値を随時取得する。
【0032】
出力部27は、押出機1の制御に関する信号を出力する出力インタフェースである。出力部27には押出機1が接続されている。制御部21は、出力部27を介して各種制御信号を押出機1へ出力し、押出機1の動作を制御する。
【0033】
制御装置2は、押出機1から離れた場所に設けられ、押出機1に接続されたコンピュータ(制御装置)を通じて計測値を受け付け、受け付けた情報に応じた情報を表示する構成であってもよい。この場合、制御装置2は、データ入力部26及び出力部27を備えていなくてもよい。
<表示画面>
図3は、トレンドグラフ画面41の第1例を示す模式図である。制御装置2の制御部21は、センサ3の計測値に基づき生成したトレンドグラフ画面41を表示部24に表示させる。トレンドグラフ画面41は、押出機1の運転状況に関連する複数種類の計測項目に係る計測値の時系列変化を示すトレンドグラフを表示する画面である。トレンドグラフ画面41は、計測項目選択部410と、グラフ表示部411とを含む。
【0034】
計測項目選択部410は、各計測項目を表す複数の計測項目ボックス412を有する。計測項目ボックス412はそれぞれ、いずれか1つの計測項目に対応付けられており、計測項目ボックス412に対応付けられる計測項目に関する情報を表示するとともに、上記計測項目に関する操作を受け付ける画面要素である。
【0035】
計測項目ボックス412はそれぞれ、計測項目ボックス412に対応付けられる計測項目名を表示する計測項目表示部413、計測項目に係る計測値を表示する計測値表示部414、及び計測項目に係るトレンドグラフの表示/非表示の切り替え要求を受け付けるチェックボックス415を有する。チェックボックス415にチェックが入っている場合、トレンドグラフの表示が要求されていることを意味する。
【0036】
トレンドグラフの表示対象となり得る計測項目は、上述した通り、センサ3及び/又は他の装置による計測値又は当該計測値に基づく算出値の項目であり、例えば主モータ電流、フィーダ供給量、フィーダ出力、フィーダ制御偏差、フィーダ回転速度、スクリュ回転数、シリンダ温度、樹脂材料温度等を含む。
【0037】
グラフ表示部411は、計測項目ボックス412のチェックボックス415にチェックが入っている計測項目の計測値に関して、所定の表示期間の時系列データをトレンドグラフの形式により表示する。グラフ表示部411には、複数の計測項目のトレンドグラフが含まれている。各トレンドグラフは、例えば各計測項目に係るグラフの線の色、線種等を異ならせるなど、計測項目毎に表示態様を変化させることにより、計測項目毎のデータを識別可能に表示されている。本実施形態では、グラフの色を計測項目毎に異ならせるものとし、
図3では、各グラフの色の違いを表現するにあたり、異なる線種により描画されたグラフを示す。
【0038】
制御装置2は、例えば表示部24に押出機1の概要を表示する概要画面を表示した状態で、
図3の左端に示す操作アイコン416を通じてトレンドグラフ画面41の表示要求を受け付ける。制御装置2は、記憶部22の計測値データに記憶する情報に基づき、表示期間内における計測値を抽出し、横軸を計測時刻、縦軸を計測値とするグラフを計測項目毎に生成する。初期の表示期間は、最新データを含む最新期間であり、現時点から所定期間だけさかのぼった期間である。制御装置2は、予め設定される計測項目毎の表示色に従い、計測項目毎にグラフの色を変化させる表示処理を施す。
【0039】
制御装置2は、グラフ表示部411において、グラフのX軸領域417に計測時刻軸を表示させるとともに、Y軸領域418に各計測項目に対応する複数の数値軸を表示させる。制御装置2は、トレンドグラフと同様に、予め設定される計測項目毎の表示色に従い、Y軸領域418における各計測項目に係る各数値軸の表示色を変化させる。計測項目毎に表示色を異ならせることで、複数の数値軸が並列する場合であっても、ユーザが視覚的に明確にデータを識別することができる。また、トレンドグラフと数値軸との色を同期させることで、計測値の理解が容易となる。
【0040】
グラフ表示部411に表示されるトレンドグラフは運転時間の経過に応じて更新される。制御装置2は、新たな計測値を取得する度、グラフ表示部411の右端に示された計測値が最新値となるよう、トレンドグラフを更新する。
【0041】
また制御装置2は、トレンドグラフの表示対象となり得る複数の計測項目それぞれに対応する計測項目ボックス412を生成し、予め設定される計測項目の表示順序に従い、上側から順に計測項目選択部410に一覧表示させる。制御装置2は、トレンドグラフと同様に、予め設定される計測項目毎の表示色に従い、計測項目ボックス412の背景色を変化させる表示処理を施す。制御装置2は、計測項目ボックス412の文字色を変化させてもよい。トレンドグラフと計測項目ボックス412との色を同期させることで、ユーザが視覚的に容易に情報を関連付けることができる。
【0042】
制御装置2は、センサ3を通じて計測値を取得した場合、計測値をリアルタイムで計測値表示部414に表示させる。制御装置2は、新たな計測値を取得する度、計測値表示部414の表示情報を更新する。最新期間のトレンドグラフが表示されている場合、計測値表示部414に表示される計測値とトレンドグラフの右端の計測値とは一致する。なお、後述するように、トレンドグラフ画面41に表示されるデータはリアルタイムのデータに限らず、蓄積した計測値に基づく過去のデータであってもよい。
【0043】
上述した計測項目の表示色及び計測項目ボックス412の表示順序等を含む初期設定情報は、例えば、トレンドグラフ画面41の提供に先立ち、ユーザの登録操作を受け付けることによって収集され、記憶部22に記憶されてもよい。なお、計測項目ボックス412の表示順序は随時変更可能に構成されてもよい。例えば、ユーザがいずれかの計測項目ボックス412を指で指示して、指が画面に触れた状態でそのまま指を上下に移動させることにより、計測項目ボックス412の位置を入れ替えてもよい。
【0044】
初期設定情報として、ユーザは取得可能な全ての計測項目の中から、トレンドグラフの表示を希望する所定数の計測項目を選択してもよい。本実施形態では、視認性を向上する観点から、トレンドグラフを表示可能な計測項目数の上限を10とする。制御装置2は、初期設定の際に選択された表示対象となる10の計測項目に対応する計測項目ボックス412を計測項目選択部410に表示する。なお制御装置2は、1つの計測項目の計測値を取得し、取得した1つの計測項目に関するトレンドグラフ画面41を生成してもよい。
【0045】
制御装置2は、トレンドグラフ画面41の表示中において、チェックボックス415を通じて各計測項目に係るトレンドグラフの表示/非表示の切り替え要求を随時受け付ける。ユーザによる操作部25の操作によりチェックボックス415にチェックが入力された場合、制御装置2は、チェックボックス415の計測項目ボックス412に係る計測項目に対応するグラフの表示要求を受け付ける。制御装置2は、表示要求の受付けに応じて、計測項目に対応するトレンドグラフをグラフ表示部411に表示させる。
【0046】
図4は、トレンドグラフ画面41の第2例を示す模式図である。
図3に示す画面が表示されている状態において、例えば「フィーダA出力」のチェックボックス415のチェックを外す操作を受け付けた場合、制御装置2は、
図4に示すように、フィーダA出力のトレンドグラフを非表示とするようグラフ表示部411を制御する。
【0047】
図5は、トレンドグラフ画面41の第3例を示す模式図である。制御装置2は、いずれかの計測項目に対する強調表示の要求に応じて、グラフ表示部411における特定のトレンドグラフを強調表示する。強調表示は、例えば、グラフ表示部411において描画されている特定のトレンドグラフの線の太さを他のデータと異ならせる、トレンドグラフを点滅させる、最前面に表示させる等で行われる。
【0048】
本実施形態では、計測項目ボックス412の計測値表示部414が強調表示の選択を受け付ける受付部として機能する。ユーザは、操作部25を通じていずれかの計測値表示部414の計測値をタップ操作することにより、強調表示を希望する計測項目を選択することができる。
図3に示す画面が表示されている状態において、例えば「フィーダA供給量」に対応する計測項目ボックス412における計測値のタップ操作を受け付けた場合、制御装置2は、タップ操作の位置座標に基づき、指示内容及び計測項目を特定する。制御装置2は、特定結果に応じて、
図5に示すように、フィーダA供給量のトレンドグラフを強調表示させる。
【0049】
図6は、トレンドグラフ画面41の第4例を示す模式図である。計測項目ボックス412はさらに、計測項目に関する設定を受け付ける設定部としても機能する。本実施形態では、計測項目表示部413が設定部として機能する。
【0050】
計測項目に関する設定とは、例えばY軸スケールの設定を含む。Y軸スケールは、計測値に応じて自動で上限値及び下限値が設定されてもよく、手動で上限値及び下限値が設定されてもよい。自動設定の場合、さらに、グラフの表示期間内における計測値の最大値及び最小値そのものを上限値及び下限値としてもよく、グラフの表示期間内における計測値の最大値及び最小値に基づき自動で特定された切りの良い値を上限値及び下限値としてもよい。
【0051】
ユーザは、操作部25を通じて計測項目表示部413の計測項目名をタップ操作することにより、設定を希望する計測項目を選択することができる。
図3に示す画面が表示されている状態において、例えば「フィーダA供給量」に対応する計測項目ボックス412における計測項目名のタップ操作を受け付けた場合、制御装置2は、タップ操作の位置座標に基づき、指示内容及び計測項目を特定する。制御装置2は、特定結果に応じて、
図6に示すように、フィーダA供給量の設定を受け付ける設定画面419をトレンドグラフ画面41上にポップアップとして表示する。なお設定画面419の表示形式はポップアップに限定されず、例えば別ウィンドウに表示してもよい。
【0052】
設定画面419は、Y軸スケールの設定方法を選択するチェックボックス、手動設定の場合における上限値及び下限値の入力欄等を含む。制御装置2は、設定画面419を通じて、ユーザからY軸スケールの設定方法と、必要に応じて上限値及び下限値との入力を受け付ける。制御装置2は、受け付けた設定方法、上限値及び下限値等に従い、Y軸領域418のY軸スケールを更新し、更新後のY軸スケールに応じたグラフを表示させる。
【0053】
なお、トレンドグラフ画面41の構成は上述の例に限定されるものではない。例えば、トレンドグラフの表示/非表示、強調表示及び計測項目に関する設定の受け付けはそれぞれ、チェックボックス415、計測値表示部414及び計測項目表示部413を用いるものに限らないが、複雑な操作を要さず、簡単な操作により所望の情報を表示可能な構成が好ましい。
【0054】
図7は、トレンドグラフ画面41の第5例を示す模式図である。グラフ表示部411は、ユーザの操作に応じてトレンドグラフの表示期間を変更可能に構成されている。
図7に概念的に示すように、ユーザは、操作部25を通じて、グラフ表示部411におけるトレンドグラフを左方向又は右方向へ移動させるスワイプを行う。スワイプはトレンドグラフのスクロール指示に対応する。例えば画面右方向へのスワイプを受け付けた場合、制御装置2は、スワイプに応じた位置座標の変化に基づき、スワイプ操作量に応じた移動期間を特定し、特定した移動期間分、トレンドグラフのX軸(計測時刻軸)を過去へ移動させる。すなわち、制御装置2は、グラフ表示部411に表示する時系列データの期間を、最新の期間からスワイプに対応する期間分だけ古い期間へ変更し、変更後の所定期間のトレンドグラフをグラフ表示部411に表示させる。
【0055】
トレンドグラフが最新期間を表示するものでない場合、制御装置2は、最新期間へ移動するための移動ボタン420を上記トレンドグラフの近傍に表示させてもよい。
図7に示す例では、グラフ表示部411の右上に移動ボタン420を配置する。
【0056】
ユーザの操作による移動ボタン420のタップ操作を受け付けた場合、制御装置2は、トレンドグラフの表示期間を最新期間に戻す。このように、表示期間が最新でない場合に移動ボタン420を発現させることにより、ワンタッチで最新データを表示させることができる。最新期間に移動した後は、再びリアルタイム表示に切り替わり、随時自動的にトレンドグラフが左方向へスクロールする。表示期間が最新期間である場合には、制御装置2は、移動ボタン420を非表示にするのもであってよい。
【0057】
図8は、トレンドグラフ画面41の第6例を示す模式図である。表示期間の変更は、スワイプ以外の態様にて受け付ける構成であってもよい。
図8に示すように、トレンドグラフ画面41は、上部にジャンプボタン421を有する。ジャンプボタン421は、表示期間の変更を指定するためのボタンである。
【0058】
ユーザによる操作部25の操作によりジャンプボタン421が選択された場合、制御装置2は、
図8に示すように、トレンドグラフの表示対象となる計測時刻の指定を受け付けるための時刻受付部422をトレンドグラフ画面41上にポップアップとして表示する。なお時刻受付部422の表示形式はポップアップに限定されない。時刻受付部422は、トレンドグラフの表示可能期間に応じたスクロールバーを含み、ユーザによる当該スクロールバーの操作により、計測時刻の指定を受け付けることができる。ジャンプボタン421及び時刻受付部422は、トレンドグラフの期間を移動させるための移動受付部に対応する。
【0059】
ユーザによる操作部25の操作により、スクロールバーを利用して計測時刻が指定された場合、制御装置2は、スクロール操作に基づき指定された計測時刻を特定し、特定した計測時刻が表示期間の中心の時刻となるようトレンドグラフを移動させる。なお制御装置2は、指定された計測時刻が表示期間における最も新しい時刻又は最も古い時刻となるようトレンドグラフを移動させてもよい。
【0060】
このように、ジャンプボタン421を利用することで、ユーザは直接計測時刻を指定してトレンドグラフを移動させることができるため、現在時刻から比較的離れた計測時刻へのトレンドグラフの移動といったスワイプでは時間を要する操作が容易となる。
【0061】
グラフ表示部411はまた、トレンドグラフの表示期間の長さを変更可能に構成されてもよい。制御装置2は、例えば、ピンチイン又はピンチアウトにより表示期間の変更を受け付ける。トレンドグラフが表示されている状態において、操作部25を通じてピンチイン又はピンチアウトを検出した場合、制御装置2は、検出した操作内容及び操作量に応じた表示期間の長さを特定する。制御装置2は、特定した表示期間の長さに対応するようトレンドグラフのX軸の幅を変更し、変更後の所定期間のトレンドグラフをグラフ表示部411に表示させる。
【0062】
制御装置2はさらに、グラフ表示部411内に、変更後のX軸の表示期間の長さを認識可能に表示させてもよい。制御装置2は、例えば、グラフ表示部411内において、X軸方向に平行に延びる矢印オブジェクトを表示させるとともに、当該矢印オブジェクト内に表示期間の長さ(例えば秒数)を表示させることで、現在の表示期間をユーザへ提示する。これにより、ピンチイン又はピンチアウトに応じて変化する表示期間を明確に把握することができる。なお、表示期間が所定時間を超えるなど比較的長い場合には、所定ルールに従い計測値を間引くことにより、表示すべき総データ点数を減少させてもよい。表示期間の長さを変更することで、注目すべき長期間又は短期間のトレンドをより詳細に把握することできる。
【0063】
なお、上述のスワイプ、ピンチイン及びピンチアウト等はユーザ操作の一例であり、操作方法は上述の例に限定されず、例えばドラッグ、フリック等の他の操作であってもよい。
【0064】
図9は、トレンドグラフ画面41の第7例を示す模式図である。トレンドグラフ画面41は、トレンドグラフ上の特定の計測時刻(以下、注目時刻とも称する)の計測値を提示するよう構成されてもよい。
図9に示す例にて、トレンドグラフ画面41のグラフ表示部411は、時刻カーソル423を含む。時刻カーソル423は、表示期間内における注目時刻を指定するためのカーソルとして機能する。時刻カーソル423は、X軸上の注目時刻に直交し、Y軸方向上側まで延びる直線である。
【0065】
制御装置2は、例えば、グラフ表示部411のX軸領域417内において、操作部25を通じてユーザによるタッチ操作を検出すると、グラフ表示部411に時刻カーソル423を表示させる。時刻カーソル423は、トレンドグラフ上に重畳表示される。制御装置2は、時刻カーソル423を利用して、ユーザから注目時刻の指定を受け付ける。時刻カーソル423は、ユーザの時刻カーソル423を操作するタッチ操作に対応してカーソル位置を変更可能に構成されている。
【0066】
制御装置2は、タッチ操作の位置座標及びX軸領域417の現在の表示期間に基づき、指定された注目時刻を特定する。制御装置2は、時刻カーソル423に対応する注目時刻を、時刻カーソル423の近傍(
図9の例では時刻カーソル423の上部)に表示させる。さらに制御装置2は、記憶部22の計測値データに基づき、注目時刻における各計測項目の計測値を読み出す。制御装置2は、読み出した注目時刻における計測値を各計測値表示部414に表示させる。
【0067】
図9に概念的に示すように、ユーザは、操作部25を通じてX軸領域417内でスワイプを行うことにより、時刻カーソル423を自由に移動させることができる。グラフ表示部411に時刻カーソル423が表示されている状態において、操作部25を通じてスワイプを検出した場合、制御装置2は、検出した操作内容及び操作量に基づき時刻カーソル423の位置を変更し、新たな注目時刻の指定を受け付ける。制御装置2は、新たな注目時刻に応じた計測値を各計測値表示部414に表示させる。時刻カーソル423が移動される度に、各計測値表示部414の計測値が変更される。
【0068】
上記では、トレンドグラフ画面41が1つのグラフ表示部411を有する例を説明したが、トレンドグラフ画面41は複数のグラフ表示部411を有する構成であってもよい。例えば、トレンドグラフ画面41は、3つのグラフ表示部411を含み、各グラフ表示部411はトレンドグラフ画面41の縦方向に並列に表示される。制御装置2は、各グラフ表示部411に表示するグラフの上限数を、1つのグラフ表示部411にて全てのグラフを表示する場合よりも少なくする。すなわち制御装置2は、表示対象となる複数種のトレンドグラフを分割して各グラフ表示部411に表示させる。上記構成によれば、グラフ数が増大した場合の視認性を向上することができる。
【0069】
なお、トレンドグラフ画面41は、1つのグラフ表示部411により全てのトレンドグラフをまとめて表示する通常表示と、複数のグラフ表示部411によりトレンドグラフを分割して表示する分割表示とを適宜切り替え可能に構成されてもよい。
【0070】
図10は、制御装置2が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。制御装置2の制御部21は、記憶部22に記憶するプログラム2Pに従って以下の処理を実行する。制御部21は、例えば概要画面を通じてトレンドグラフ画面の表示要求を受け付けた場合、以下の処理を開始する。
【0071】
制御装置2の制御部21は、記憶部22の計測値データを参照して、所定の表示期間における複数種類の計測値の時系列データを取得する(ステップS11)。制御部21は、センサ3を通じて計測値を取得してもよい。
【0072】
制御部21は、取得した計測値の時系列データに基づき、計測項目毎のトレンドグラフと、各計測項目に対応する計測項目ボックス412とを含むトレンドグラフ画面41を生成する(ステップS12)。制御部21は、生成したトレンドグラフ画面41を表示部24に表示させる(ステップS13)。制御部21は、公知のAR又はVRの技術を用いて、トレンドグラフ及び計測項目ボックス412等を所定の表示装置に表示してもよい。
【0073】
制御部21は、ユーザの操作によるトレンドグラフの表示/非表示の切り替え要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。全ての計測項目ボックス412におけるチェックボックス415に対する操作を受け付けていないことにより、切り替え要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS14:NO)、制御部21は、処理をステップS16へ進める。
【0074】
いずれかの計測項目ボックス412におけるチェックボックス415に対する操作を受け付けたことにより、切り替え要求を受け付けたと判定した場合(ステップS14:YES)、制御部21は、切り替え要求を受け付けた計測項目に係るトレンドグラフの表示/非表示を切り替える(ステップS15)。
【0075】
具体的には、制御部21は、チェックボックス415へのチェック入力を受け付けた場合、チェック入力を受け付けた計測項目ボックス412の計測項目に係るトレンドグラフを、トレンドグラフ画面41へ表示させる。あるいは、制御部21は、チェックボックス415へのチェック解除を受け付けた場合、チェック解除を受け付けた計測項目ボックス412の計測項目に係るトレンドグラフをトレンドグラフ画面41から削除し、非表示とする。上記処理により、表示が要求された計測項目のトレンドグラフのみがトレンドグラフ画面41に表示された状態となる。
【0076】
制御部21は、ユーザの操作によるトレンドグラフの強調表示の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。全ての計測項目ボックス412における計測値表示部414に対するタップ操作を受け付けていないことにより、強調表示の要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS16:NO)、制御部21は、処理をステップS18へ進める。
【0077】
いずれかの計測項目ボックス412における計測値表示部414に対するタップ操作を受け付けたことにより、強調表示の要求を受け付けたと判定した場合(ステップS16:YES)、制御部21は、トレンドグラフを強調表示させる(ステップS17)。具体的には、制御部21は、タップ操作により選択された計測項目ボックス412の計測項目に係るトレンドグラフの線幅を太くするといった表示処理を施すことにより、選択された計測項目のトレンドグラフを強調表示する。
【0078】
制御部21は、ユーザの操作による表示期間の変更要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS18)。制御部21は、例えばトレンドグラフ上でのスワイプ又はジャンプボタン421のタップにより表示期間の変更要求を受け付ける。制御部21は、トレンドグラフ上でのピンチイン又はピンチアウトにより表示期間の長さの変更を受け付けてもよい。
【0079】
所定操作を検出していないことにより表示期間の変更要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS18:NO)、制御部21は、処理をステップS20へ進める。
【0080】
所定操作を検出したことにより表示期間の変更要求を受け付けたと判定した場合(ステップS18:YES)、制御部21は、検出した操作内容に応じてトレンドグラフの表示期間を変更する(ステップS19)。具体的には、制御部21は、スワイプに応じてトレンドグラフの表示期間を変更する。制御部21は、ユーザの操作による計測時刻の指定を受け付け、受け付けた計測時刻を含む表示期間のトレンドグラフを表示させてもよい。制御部21は、ピンチイン又はピンチアウトに応じてトレンドグラフの表示期間の長さ、すなわちX軸の幅を変更してもよい。
【0081】
制御部21は、ユーザの操作による注目時刻の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。トレンドグラフのX軸領域417内でのタッチ操作を検出していないことにより、注目時刻の指定を受け付けていないと判定した場合(ステップS20:NO)、制御部21は、処理をステップS22へ進める。
【0082】
トレンドグラフのX軸領域417内でのタッチ操作を検出したことにより、注目時刻の指定を受け付けたと判定した場合(ステップS20:YES)、制御部21は、各計測項目ボックス412の計測値を変更する(ステップS21)。詳細には、制御部21は、タッチ位置に応じて時刻カーソル423をトレンドグラフ上に重畳表示させ、当該時刻カーソル423を用いて注目時刻の指定を受け付ける。制御部21は、受け付けた注目時刻に対応する計測値を計測値データから抽出し、各計測値表示部414へ表示させる。
【0083】
制御部21は、トレンドグラフ画面41の更新の要否を判定する(ステップS22)。新たな計測値が計測されたことによりトレンドグラフ画面41を更新すると判定した場合(ステップS22:NO)、制御部21は、処理をステップS11へ戻す。制御部21は、新たな計測値に基づき、トレンドグラフ画面41の画面情報を更新する。新たな計測値が計測されていないことによりトレンドグラフ画面41を更新しないと判定した場合(ステップS22:YES)、制御部21は処理を終了する。制御部21は処理をステップS14へ戻すループ処理を実行してもよい。
【0084】
上述の処理において、ステップS14~ステップS20における各判定処理の順序は限定されない。制御部21は、ステップS14~ステップS20の各判定処理の処理順序を入れ替えて実行してもよく、各判定処理を並列で実行してもよい。
【0085】
本実施形態によれば、各計測項目に係るトレンドグラフと、各計測項目に対応付けられた計測項目ボックスとを含むトレンドグラフ画面により、押出機の運転状況を視覚的に容易に把握することができる。計測項目が多数存在する場合であっても、計測項目毎のトレンドを好適に把握できるとともに、各計測項目に対する操作を容易に実行することができる。横軸を計測時刻とするトレンドグラフの表示に適した横長のワイド画面を用いることで、長い表示期間に亘る計測値のトレンドを好適に提示することができる。トレンドグラフ画面は、多様な計測項目ボックスを用いて複数の計測項目のデータを効果的に表示することで、視認性を向上することができる。また、タッチパネルを用いるとともに、トレンドグラフ画面におけるグラフ表示領域及び計測項目ボックスを活用し、タップ、スワイプ等の簡単な操作により各種画面情報の変更を受け付け可能に構成されており、ユーザは快適に操作を行うことができる。
【0086】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
各実施形態に示すシーケンスは限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各処理手順はその順序を変更して実行されてもよく、また並行して複数の処理が実行されてもよい。各処理の処理主体は限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各装置の処理を他の装置が実行してもよい。
【0087】
(付記1)
押出機に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部に押出機に関する情報を表示させる制御部とを備え、
前記制御部は、
押出機の運転状況に関する計測項目に係る計測値を取得し、
取得した前記計測項目に係る計測値に基づき、前記計測値を時系列に示すグラフと、前記計測項目を表す計測項目ボックスとを含む画面を生成し、
生成した前記画面を前記表示部に表示させる
監視装置。
(付記2)
前記制御部は、
複数の前記計測項目に係る計測値を取得し、
取得した各計測項目に係る計測値に基づき、計測項目毎に計測値を時系列に示す前記グラフと、各計測項目を表す複数の前記計測項目ボックスとを含む前記画面を生成する
付記1に記載の監視装置。
(付記3)
前記計測項目ボックスは前記計測項目に係る計測値をリアルタイムで表示する
付記1又は付記2に記載の監視装置。
(付記4)
前記計測項目ボックスは前記グラフの表示及び非表示の切り替え要求を受け付ける切替部を含み、
前記制御部は、前記計測項目ボックスにおける切替部を通じた前記グラフの表示及び非表示の切り替え要求に応じて、前記計測項目ボックスに係る計測項目に対応する前記グラフの表示及び非表示を切り替える
付記1から付記3のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記5)
前記計測項目ボックスはグラフの強調表示の要求を受け付ける受付部を含み、
前記制御部は、前記計測項目ボックスにおける前記受付部を通じて強調表示の要求を受け付け、
要求された計測項目ボックスに係る計測項目に対応するグラフを強調表示させる
付記1から付記4のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記6)
前記制御部は、前記グラフに対するスクロール指示を受け付け、
受け付けたスクロール指示に応じて前記表示部に表示させる前記グラフの期間を変化させる
付記1から付記5のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記7)
前記画面は前記グラフ上に表示されるカーソルを含み、
前記制御部は、前記カーソルを利用して特定の計測時刻の指定を受け付け、
指定された前記特定の計測時刻における計測値を前記計測項目ボックスに表示させる
付記1から付記6のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記8)
前記画面は前記表示部に表示させる前記グラフの期間を移動させるための移動受付部を含み、
前記制御部は、前記移動受付部を通じて前記グラフの期間の移動を受け付け、
前記移動受付部を通じて受け付けた期間に係る前記グラフを表示させる
付記1から付記7のいずれか1つに記載の監視装置。
(付記9)
付記1から付記8のいずれか1つに記載の監視装置を備える
押出機。
【符号の説明】
【0088】
1 押出機
10 シリンダ
10a ホッパ
11 スクリュ
12 ダイス
13 モータ
14 減速機
15 原料フィーダ
2 制御装置(監視装置)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 表示部
25 操作部
26 データ入力部
2A 記録媒体
2P プログラム
3 センサ
31 第1センサ
32 第2センサ
33 第3センサ
34 第4センサ