IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本製鋼所の特許一覧

<>
  • 特開-制御装置及び押出機 図1
  • 特開-制御装置及び押出機 図2
  • 特開-制御装置及び押出機 図3
  • 特開-制御装置及び押出機 図4
  • 特開-制御装置及び押出機 図5
  • 特開-制御装置及び押出機 図6
  • 特開-制御装置及び押出機 図7
  • 特開-制御装置及び押出機 図8
  • 特開-制御装置及び押出機 図9
  • 特開-制御装置及び押出機 図10
  • 特開-制御装置及び押出機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064253
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】制御装置及び押出機
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/92 20190101AFI20240507BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20240507BHJP
   B29C 48/285 20190101ALI20240507BHJP
   B29C 48/80 20190101ALI20240507BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B29C48/92
B29C48/25
B29C48/285
B29C48/80
G05B23/02 301N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172701
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴之
(72)【発明者】
【氏名】上田 能貴
【テーマコード(参考)】
3C223
4F207
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB02
3C223EB03
3C223FF15
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH04
4F207AJ08
4F207AM09
4F207AM23
4F207AP05
4F207AP08
4F207AP15
4F207AR06
4F207AR09
4F207AR16
4F207KA01
4F207KF12
4F207KK12
4F207KK43
4F207KM03
4F207KM04
4F207KM13
4F207KM14
(57)【要約】
【課題】押出機の各部の状態を直感的に認識することを可能にする押出機用の制御装置を提供する。
【解決手段】押出機用の制御装置は、横長の表示部を有するタッチパネル表示器を備え、当該タッチパネル表示器は、押出機の外観を表した横長の模式図を含み、該模式図と関連付けて押出機又は該押出機の付帯設備の状態を示す状態表示画面を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機用の制御装置であって、
横長の表示部を有するタッチパネル表示器を備え、
該タッチパネル表示器は、
前記押出機の外観を表した横長の模式図を含み、該模式図と関連付けて前記押出機又は該押出機の付帯設備の状態を示す状態表示画面を表示する
制御装置。
【請求項2】
前記タッチパネル表示器の長手方向と、前記模式図の長手方向とが略一致している
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記押出機の長手方向と、前記タッチパネル表示器の長手方向と、前記模式図の長手方向とが略一致している
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記押出機の動作を操作するためのハードウェアキーを備える
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ハードウェアキーは、前記表示部の下方であって、長手方向の一方に配されている
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
ハードウェア非常停止ボタンを備える
請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ハードウェア非常停止ボタンは、前記表示部の下方に配されている
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記状態表示画面は、
前記押出機を構成する複数の構成部それぞれの状態を表示し、該構成部の動作を操作するための複数のアイコンを含み、
前記タッチパネル表示器は、
前記アイコンが操作された場合、該アイコンに対応する構成部の動作を操作するためのポップアップウィンドウを表示する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記状態表示画面は、
前記押出機を構成する複数の構成部それぞれの状態を表示し、該構成部の動作を操作するための複数のアイコンを含み、
前記複数のアイコンは、
原料を前記押出機に供給するフィーダに対するアイコン、前記押出機を構成するモータに対応するアイコン、前記押出機を構成するシリンダを加熱するヒータに対応するアイコン、又は前記押出機の付帯設備に対応するアイコンを含む
請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の制御装置を備える
押出機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び押出機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチパネル表示器を有する制御装置を備えた押出機が開示されている。タッチパネル表示器は、押出機を操作するための縦長の表示部を有する。オペレータは制御装置を用いて押出機を操作し、押出機の状態を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-113521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のタッチパネル表示器は、押出機が横長であるのに対して、表示部が縦長であり、押出機の状態表示は、押出機が横長形状である点を考慮したものでは無かった。このため、押出機の各部の状態を直感的に認識することが困難であった。
【0005】
本開示の目的は、押出機の各部の状態を直感的に認識することを可能にする制御装置及び押出機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る制御装置は、押出機用の制御装置であって、横長の表示部を有するタッチパネル表示器を備え、該タッチパネル表示器は、前記押出機の外観を表した横長の模式図を含み、該模式図と関連付けて前記押出機又は該押出機の付帯設備の状態を示す状態表示画面を表示する。
【0007】
本開示の一側面に係る押出機は、上記制御御装置を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、押出機の各部の状態を直感的に認識することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る押出機の構成例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る制御装置の外観を示す模式図である。
図4】実施形態に係るオーバービュー画面を示す模式図である。
図5】原料フィーダアイコン表示部を示す模式図である。
図6】原料フィーダの状態に応じた原料フィーダアイコンの表示態様の変化を示す模式図である。
図7】フィーダポップアップウィンドウを示す模式図である。
図8】シリンダの領域温度一覧表を示す模式図である。
図9】モータ運転状態一覧表を示す模式図である。
図10】制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
図11】制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る制御装置、押出機、制御方法及び制御プログラムを、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0011】
図1は、実施形態に係る押出機100の構成例を示す模式図である。押出機100は、原料を溶融及び混練し、押し出す機械である。押出機100は、押出機本体1と、当該押出機本体1の動作を制御する制御装置2と、押出機本体1に設けられた複数のセンサ3とを備える。
【0012】
<押出機本体1>
押出機本体1は、原料加熱用のヒータ10aと、図示しない冷却機構とが設けられたシリンダ10と、2本のスクリュ11と、シリンダ10の出口部分に設けられたダイス12とを備える。スクリュ11の本数は特に限定されるものでは無い。シリンダ10は、一又は複数の原料が投入される一又は複数の投入口を有する。一又は複数種類の原料は、一又は複数の原料フィーダ15によって、投入口からシリンダ10へ供給される。原料フィーダ15は、重量制御を行いながら原料を、押出機100のシリンダ10に供給する装置である。また、押出機本体1には一又は複数のサイドフィーダ16が設けられている。サイドフィーダ16は原料フィーダ15から吐出された原料を押出機100のシリンダ10側面から押し込む装置である。言い換えると、原料フィーダ15からサイドフィーダ16へ落下した原料をサイドフィーダ16が押出機100のシリンダ10へ押し込むものである。更に、押出機本体1には液体の添加剤をシリンダ10へ供給する液添フィーダが設けられている。2本のスクリュ11は、相互に噛み合わされた状態で略平行に配され、シリンダ10の孔内に回転可能に挿入されており、シリンダ10に投入された原料を押出方向(図1中の左方向)へ搬送し、溶融及び混練する。溶融した原料は、貫通孔を有するダイス12から排出される。
【0013】
スクリュ11は、複数種類のスクリュピースを組み合わせ、一体化することによって一本のスクリュ11として構成されている。例えば、原料を順方向へ輸送するフライトスクリュ形状の順フライトピース、原料を逆方向へ輸送する逆フライトピース、原料を混練するニーディングピース等を、原料の特性に応じた順序及び位置に配して組み合わせることにより、スクリュ11が構成される。
【0014】
また、押出機100は、スクリュ11を回転させるための駆動力を出力するモータ13と、モータ13の駆動力を減速伝達する減速機14とを備える。スクリュ11は減速機14の出力軸に接続されている。スクリュ11は、減速機14によって減速伝達されたモータ13の駆動力によって回転する。また、モータ13には、図示しない冷却ファンが設けられている。
更に、押出機100には、各種のポンプ等の付帯設備が設けられている。
【0015】
<センサ3>
複数のセンサ3は、押出機100を構成する複数の構成部それぞれに設けられており、各構成部の状態を表す物理量を検出し、検出して得た計測値の信号を制御装置2へ出力する。本実施形態に係る複数のセンサ3は、各構成部の状態に係る物理量を時系列的に検出し、計測値の信号を制御装置2へ出力する。センサ3は、押出機100の運転制御に必要なものとして予め押出機100及び周辺装置に備え付けられたものであってもよいし、後付けで設置されたものであってもよい。センサ3は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)等の図示しないデータ収集装置を介して制御装置2へ計測値を出力する構成であってもよい。
【0016】
センサ3により検出する物理量は、押出機100の運転状態に関連する物理量であれば特に限定されないが、例えば温度、重さ、位置、速度、加速度、電流、電圧、圧力、時間、トルク、力、歪、消費電力等が挙げられる。これらの物理量は、温度計、重量計、位置センサ、速度センサ、加速度センサ、電流計、電圧計、圧力計、タイマ、トルクセンサ、電力計等を用いて測定することができる。
【0017】
複数のセンサ3は、例えば、原料フィーダ15に係る物理量を検出する第1センサ31と、サイドフィーダ16に係る物理量を検出する第2センサ32と、シリンダ10に係る物理量を検出する第3センサ33と、モータ13に係る物理量を検出する第4センサ34と、ダイス12に係る物理量を検出する第5センサ35とを含む。
【0018】
第1センサ31は、例えば原料フィーダ15からシリンダ10へ供給される原料の供給量、原料の残量を検出する重量計、原料フィーダ15の温度又は原料フィーダ15内の原料の温度を検出する温度計等である。
【0019】
第2センサ32は、例えばサイドフィーダ16のシャフト回転数を検出する回転数検出回路である。サイドフィーダ16を駆動するために当該サイドフィーダ16のドライブユニットが有するセンサを第2センサ32として用いればよい。回転数検出回路は一例である。サイドフィーダ16のモータ電流を検出するセンサ等であってもよい。また、サイドフィーダ16の状態を検出するためのセンサを別途設けてもよい。
【0020】
第3センサ33は、例えばシリンダ10の長手方向における複数の領域(ゾーン)毎に設けられた温度計であり、シリンダ10の温度又はシリンダ10内の原料の温度を検出する。
【0021】
第4センサ34は、例えば、モータ13の回転数を検出する回転計、モータ13の電流を検出する電流計、モータ13の電圧を検出する電圧計、モータ13のトルクを検出するトルクセンサ等である。なお、電流からトルクを算出するように構成してもよい。また、電流及び電圧から電力を算出するように比エネルギー(ESP: Specific Energy Consumption)を算出するように構成してもよい。
【0022】
第5センサ35は、例えば、ダイス12又は原料に働く圧力を検出する圧力計、ダイス12又はダイス12内の原料の温度を検出する温度計等である。
【0023】
<制御装置2>
図2は、実施形態に係る制御装置2の構成例を示すブロック図、図3は、実施形態に係る制御装置2の外観を示す模式図である。制御装置2は、押出機100の運転制御を行うともに、押出機100の運転状態、押出機100を構成する各構成部の状態を表示するためのコンピュータである。押出機100用の制御装置2は、制御部21と、当該制御部21に接続された記憶部22、制御信号出力部23、センサ信号入力部24、タッチパネル表示器4、ハードウェアキー5、ハードウェア非常停止ボタン6及び警告ブザー7とを備える。制御装置2は、押出機100において、オペレータがタッチパネル表示器4を視認し易い適宜の位置に設けられる。
【0024】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置、I/O端子等を有する。制御部21は、後述の記憶部22が記憶する制御プログラムP(プログラム製品)を実行することにより、本実施形態に係る制御装置2として機能する。制御プログラムPを実行する制御部21は、押出機100の状態を概括的に示すオーバービュー画面40を横長の表示パネル4aに表示し、タッチパネル表示器4に対する運転操作に応じて、押出機100の各構成部の動作を制御する。なお、制御装置2の各機能部は、ソフトウェア的に実現してもよく、ハードウェア的に実現してもよく、それらの組合せによって実現してもよい。
【0025】
記憶部22は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを備える。記憶部22は、制御装置2に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部22は、制御部21によって参照される制御プログラムP、その他の各種プログラム及びデータを記憶する。制御プログラムPは、押出機100の運転状況を概括的に表示するオーバービュー画面40をタッチパネル表示器4に表示し、押出機100の運転操作を受け付け、押出機100の運転制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。オーバービュー画面40の詳細は後述する。
また、記憶部22は、センサ3によって検出して得た計測値を記憶する。
【0026】
制御プログラムPは、当該制御プログラムPを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体2Aにより提供されてもよい。記憶部22は、図示しない読出装置によって記録媒体2Aから読み出された制御プログラムPを記憶する。記録媒体2Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバから制御プログラムPをダウンロードし、記憶部22に記憶させてもよい。制御プログラムPは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0027】
制御信号出力部23は、制御部21の制御に従って押出機100の動作を制御するための制御信号を押出機本体1へ出力する。
【0028】
センサ信号入力部24は、各センサ3から出力された計測値の信号が入力する入力インタフェースである。センサ信号入力部24には各センサ3が接続されている。制御部21は、センサ信号入力部24を介してセンサ3の計測値を取得する。
【0029】
タッチパネル表示器4は、図3に示すように横長の表示パネル4a(表示部)と、タッチセンサ4bとを備える。表示パネル4aは、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を有する。タッチパネル表示器4は、制御部21からの指示に従って、押出機100の運転状況を概括的に表示するオーバービュー画面40を表示する。タッチセンサ4bは、例えばディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイスであり、オペレータのタップ操作を受け付ける。タッチセンサ4bは、オペレータによる運転操作の入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部21へ送出する。
【0030】
制御装置2の表示パネル4aは、図1及び図3に示すように、横長のワイド画面を採用し、画面のワイド方向(長手方向)が押出機100の押出方向又はシリンダ10の長手方向に沿うよう押出機本体1に取り付けられている。
【0031】
ハードウェアキー5は、押出機100又は当該押出機100の各構成部の動作を操作するための数値を入力するための入力装置である。ハードウェアキー5は、表示パネル4aの下方であって、当該表示パネル4aの長手方向の一方に配されている。例えば、ハードウェアキー5は、表示パネル4aに対して、長手方向右側下方に配されている。なお、ハードウェアキー5は、表示パネル4aに対して、長手方向左側下方に配してもよい。ハードウェアキー5の配置は特に限定されるものでは無い。ハードウェアキー5は、例えばハードウェアテンキーである。ハードウェアテンキーは、少なくとも数字の0~9に対応する数字キーを有する。また、ハードウェアテンキーは、エンターキー、入力値を1デジット(digit)増加させるキー、1デジット減少させるキーなどを有する構成が好ましい。更に、ハードウェアキー5は、小数点「.」キー、マイナス「-」キー、バックスペース「BS」キーを有する構成が好ましい。
【0032】
ハードウェア非常停止ボタン6は、表示パネル4aの下方であって、当該表示パネル4aの長手方向の中央部に配されている。なお、ハードウェア非常停止ボタン6の位置は、特に限定されるものでは無い。ハードウェア非常停止ボタン6は、非常時に押出機100の動作を停止させるための押しボタンである。ハードウェア非常停止ボタン6が押下された場合、制御部21は押出機100の動作を緊急停止させる。
【0033】
警告ブザー7は、表示パネル4aの下方の適宜箇所に配されている。例えば、警告ブザー7は、ハードウェア非常停止ボタン6と、ハードウェアキー5との間に配されている。警告ブザー7は、押出機100が緊急停止する等、押出機100に所定の異常が発生した場合、ブザー警報音を発報する。
【0034】
<オーバービュー画面40>
図4は、実施形態に係るオーバービュー画面40を示す模式図である。制御部21は、押出機100の状態を概括的に表示し、運転操作を受け付けるためのオーバービュー画面40(状態表示画面)をタッチパネル表示器4に表示させる。オーバービュー画面40の右端又は左端にサイドメニューが設けられており、オーバービューアイコン4c、メニューアイコン、トレンドアイコン等が表示されている。オーバービューアイコン4cがタップ操作された場合、制御部21は、図4に示すようなオーバービュー画面40を表示する。
【0035】
オーバービュー画面40は、図3及び図4に示すように、押出機100の本体模式図40aを含む。押出機100の本体模式図40aは横長であり、タッチパネル表示器4は、タッチパネル表示器4の長手方向と、押出機100の本体模式図40aの長手方向とが略一致するように、当該本体模式図40aを表示する。押出機100の本体模式図40aは、シリンダ10を表したシリンダ模式図、ダイス12を表したダイス模式図、モータ13を表したモータ模式図、減速機14を表した減速機模式図を含む。図1及び図3に示すように、実物の押出機100のシリンダ10の長手方向と、タッチパネル表示器4の表示パネル4aの長手方向と、押出機100の本体模式図40aの長手方向とが略一致している。本体模式図40aは、監視対象及び運転操作対象である、押出機100の各構成部を直感的に認識できるようにするための画像である。
【0036】
オーバービュー画面40は、本体模式図40aで表された押出機100を構成する複数の構成部それぞれの状態を示し、当該構成部の動作を操作するための複数のアイコン表示部を含む。例えば、オーバービュー画面40は、原料フィーダアイコン表示部41、サイドフィーダアイコン表示部42、液添フィーダアイコン表示部43、ヒータアイコン表示部44、注油ポンプアイコン表示部45、主モータ等アイコン表示部46、及び押出機100のその他の付帯設備に係る付帯設備アイコン表示部47を含む。付帯設備は、例えば各種のポンプ等である。
【0037】
また、オーバービュー画面40は、シリンダ長手方向における各領域(ゾーン)の温度に係る情報を表示するシリンダ10の領域温度一覧表48を含む。更に、オーバービュー画面40は、モータ運転状態一覧表40b、原料の総供給量表示部40c、原料温度・圧力表示部40dを含む。これらの詳細は後述する。
【0038】
<押出機100の本体模式図40aとアイコンの位置関係>
原料フィーダアイコン表示部41は、押出機100の本体模式図40aにおける原料の投入位置に概ね対応する位置に表示される。例えば、原料フィーダアイコン表示部41は、シリンダ10を表した本体模式図40aの上部に表示される。シリンダ長手方向における原料フィーダアイコン表示部41の表示位置は、対応する原料フィーダ15によって主原料が投入される投入口の位置に対応している。図4に示すように複数の原料フィーダアイコン表示部41が表示される場合、シリンダ長手方向における各原料フィーダアイコン表示部41の並び順は、各原料フィーダアイコン表示部41に対応する原料フィーダ15によって原料が投入される投入口の並び順に対応している。
【0039】
同様に、サイドフィーダアイコン表示部42は、シリンダ10を表したシリンダ模式図の上部に表示される。シリンダ長手方向におけるサイドフィーダアイコン表示部42の表示位置は、対応するサイドフィーダ16によって原料が投入される投入口の位置に対応している。液添フィーダアイコン表示部43も同様にして、シリンダ模式図の上部に表示される。
【0040】
ヒータアイコン表示部44は、シリンダ模式図に重畳表示されている。注油ポンプアイコン表示部45は減速機模式図に重畳表示されている。主モータ等アイコン表示部46はモータ模式図に重畳表示されている。
【0041】
付帯設備アイコン表示部47は、シリンダ模式図のダイス12側、上部に表示されている。なお、付帯設備アイコン表示部47の表示位置は特に限定されるものでは無い。
【0042】
押出機100の本体模式図40aに対する各アイコン表示部の表示位置は、押出機100の構成部の位置と概ね対応しているため、オペレータは、各アイコン表示部が示す構成部を直感的に認識することができ、各構成部の状態を容易に把握することができる。
【0043】
<原料フィーダアイコン表示部41>
図5は、原料フィーダアイコン表示部41を示す模式図である。原料フィーダアイコン表示部41は、原料を押出機100に供給する原料フィーダ15に対する原料フィーダアイコン41aを含む。原料フィーダアイコン41aと、押出機100を構成する一の原料フィーダ15とは一対一で対応している。原料フィーダアイコン表示部41は、原料フィーダアイコン41aの上部に、当該原料フィーダ15にある原料の残量を数字で表示する残量表示部41bを有する。また、原料フィーダアイコン表示部41は、原料フィーダアイコン41aの横側に、上記残量を表す残量バーグラフ41cを有する。なお、上記残量を表すグラフの種類は特に限定されるもので無い。グラフは、例えば、折れ線グラフ、円グラフ、タコメータ等であってもよい。原料フィーダアイコン表示部41は、原料フィーダアイコン41aの下部に当該原料フィーダ15の名称を文字で表示しており、その下方に、原料の供給量に係る値を表示する供給量表示部41dを有する。供給量表示部41dは、原料の実績供給量、原料を供給するフィーダの出力値、供給量の比率等を表示する。押出機100の起動時においては、スクリュ11回転数、原料の供給量を徐々に上昇させていくが、上記比率は成形条件到達時における原料の供給量に対する、起動時における原料の供給量の比を示している。なお、原料フィーダアイコン表示部41に表示される値は、第1センサ31の計測値に基づいて得られる。
【0044】
図6は、原料フィーダ15の状態に応じた原料フィーダアイコン41aの表示態様の変化を示す模式図である。制御部21は、原料フィーダ15の運転状態に応じて、原料フィーダアイコン41aの色を変更する。例えば、制御部21は、原料フィーダ15が動作している場合、原料フィーダアイコン41aの色を赤色(図6中、右肩下がりのハッチング)に、原料フィーダ15が停止している場合、原料フィーダアイコン41aを青色(図6中、線間隔が広い右肩上がりのハッチング)にする。また、制御部21は、原料フィーダ15との通信異常がある場合、原料フィーダ15が使用されていない場合、原料フィーダアイコン41aを灰色(図6中、線間隔が狭い右肩上がりのハッチング)にする。
なお、原料フィーダ15の状態に応じて、原料フィーダアイコン41aの色を変更する例を説明したが、オペレータが原料フィーダ15の状態を視覚的に認識することができる態様であれば、その表示態様の変更方法は特に限定されない。例えば、状態に応じたアイコンの色の種類は特に限定されるものでは無い。例えば、原料フィーダアイコン41aの輝度によって、原料フィーダ15の状態を表示してもよいし、原料フィーダアイコン41aの図柄又は形状を変更することによって、状態を表示するようにしてもよい。
【0045】
制御部21は、原料フィーダアイコン41aに対するタップ操作を監視しており、原料フィーダアイコン41aがタップ操作された場合、当該原料フィーダアイコン41aに対応する原料フィーダ15の動作を操作するためのフィーダポップアップウィンドウ41eを表示する。
【0046】
図7は、フィーダポップアップウィンドウ41eを示す模式図である。フィーダポップアップウィンドウ41eは、原料フィーダアイコン表示部41よりも大きな寸法を有する。フィーダポップアップウィンドウ41eは、一つの原料フィーダアイコン41aに係る原料フィーダ15と一対一で対応している。フィーダポップアップウィンドウ41eは、タイトルに原料フィーダ15の名称を表示しており、ウィンドウ内に原料の実績供給量、原料を供給する原料フィーダ15の出力値、供給量の比率等を表示する。フィーダポップアップウィンドウ41eは、原料フィーダ15の停止ボタン41fと、起動ボタン41gとを含む。制御部21は、停止ボタン41fのタップ操作を検出した場合、原料フィーダ15を停止させる。制御部21は、起動ボタン41gのタップ操作を検出した場合、原料フィーダ15を起動させる。また、フィーダポップアップウィンドウ41eは、供給制御に係る設定「重量式」及び「比率」などのボタンを有し、又は「重量式」及び「比率」などの表示を行う。
【0047】
<他のアイコン表示部>
サイドフィーダアイコン表示部42は、原料を押出機100に供給するサイドフィーダ16に対するサイドフィーダアイコン42aを含む。サイドフィーダアイコン42aと、押出機100を構成する一のサイドフィーダ16とは一対一で対応している。サイドフィーダアイコン表示部42は、サイドフィーダアイコン42aの下部に当該サイドフィーダ16の名称を文字で表示しており、その下方に、原料の供給に係る値、例えばサイドフィーダ16の回転数(rpm)を表示する。なお、サイドフィーダアイコン表示部42に表示される値は、サイドフィーダ16を駆動するためのドライブユニットの計測値に基づいて得られる。制御部21は、サイドフィーダ16の運転状態に応じて、サイドフィーダアイコン42aの色を変更する。制御部21は、サイドフィーダアイコン42aに対するタップ操作を監視しており、サイドフィーダアイコン42aがタップ操作された場合、当該サイドフィーダアイコン42aに対応するサイドフィーダ16の動作を操作するためのサイドフィーダポップアップウィンドウを表示する。サイドフィーダポップアップウィンドウの構成は、フィーダポップアップウィンドウ41eと同様であり、停止ボタン及び起動ボタンを有する。
【0048】
主モータ等アイコン表示部46は、関連して動作するモータ13及び冷却ファンを模した主モータ・冷却ファンアイコン46aを含む。制御部21は、モータ13及び冷却ファンの運転状態に応じて、当該主モータ・冷却ファンアイコン46aの色を変更する。制御部21は、主モータ・冷却ファンアイコン46aがタップ操作された場合、当該アイコンに1対多対応するモータ13及び冷却ファンの動作を操作するためのポップアップウィンドウを表示する。
主モータ・冷却ファンのポップアップウィンドウは、モータ13及び冷却ファンの起動ボタン及び停止ボタンを含む。なお、一つの起動ボタンでモータ13及び冷却ファンの双方を起動するように構成してもよいし、モータ13及び冷却ファンを各別に起動させるためのボタンを設けてもよい。同様に、一つの停止ボタンでモータ13及び冷却ファンの双方を停止するように構成してもよいし、モータ13及び冷却ファンを各別に停止させるためのボタンを設けてもよい。
【0049】
その他、ヒータアイコン表示部44、注油ポンプアイコン表示部45、付帯設備アイコン表示部47は、押出機100の付帯設備を模したアイコンを含み、制御部21は、各構成部の動作状態に応じて各アイコンの色を表示する。また、サイドフィーダアイコン42aと同様、各アイコンがタップ操作された場合、制御部21は、対応する構成部の運転を操作するためのポップアップウィンドウを表示する。
【0050】
<シリンダ10の領域温度一覧表48>
図8は、シリンダ10の領域温度一覧表48を示す模式図である。シリンダ10の領域温度一覧表48は、図4に示すように、シリンダ10の模式図の下方に表示されている。領域温度一覧表48の上段の行は、長手方向におけるシリンダ10の複数の領域(ゾーン)毎に列で区分けされており、各列には対応するゾーンを示す記号C1,C2,C3,…を示している。記号C1, C2,C3,…の表記は一例であり、表記方法は特に限定されるものでは無い。なお、行方向はシリンダ長手方向に一致している。領域温度一覧表48の他の行には、例えば、各ゾーンを加熱するための指示温度、各ゾーンの設定温度、ヒータ10aの出力値が、ゾーン毎に各列に表示されている。
【0051】
領域温度一覧表48におけるヒータ10a又はシリンダ10の冷却機構の出力値は100分率[%]で表示されている。ヒータ10aの出力値は正の値、冷却機構の出力値は負の値で表示される。当該出力値を示すセルは、出力値の大きさを示す出力バーグラフ48aとして機能し、制御部21は、ヒータ10a又は冷却機構の出力値を出力バーグラフ48aで表示する。より具体的には、制御部21は、出力値の割合に応じてセルを埋める矩形色画像を表示する。出力値が0[%]である場合、セルは白抜きの状態であり、出力値が100[%]である場合、セル全体が色付きのセルになる。ヒータ10aの出力値がx[%]である場合、セル全体のうち、x[%](>0)~が色付きとなり、(1-x)[%]が白抜きとなる。同様に、冷却機構の出力値がy[%](<0)である場合、セル全体のうち、|y|[%]が色付きとなり、(1-|y|)[%]が白抜きとなる。出力値が正の場合と、出力値が負の場合とで異なる色の矩形色画像で表示するとよい。また、上記説明で白抜きとした部分は、必ずしも白色の矩形色画像である必要は無く、白色以外の矩形色画像であってもよい。オペレータは、出力バーグラフ48aの矩形色画像の色で、加熱が行われているか(出力値>0)、冷却が行われているか(出力値<0)を認識することができる。
なお、上記したセルを用いた出力バーグラフ48aの表示方法は一例であり、セルの外側に出力バーグラフ48aを表示するように構成してもよい。バーグラフの表示態様は特に限定されるものでは無い。また、上記出力値を表すグラフの種類は特に限定されるもので無い。
【0052】
<モータ運転状態一覧表40b>
図9は、モータ運転状態一覧表40bを示す模式図である。モータ運転状態一覧表40bは、図4に示すようにモータ模式図の上方に表示されている。モータ運転状態一覧表40bは、モータ13の回転速度、電流、電力、トルク又は比エネルギーの値を表示する。また、モータ運転状態一覧表40bは、モータ13の回転速度、電流及びトルクの大きさを示すモータバーグラフ40eを表示する。なお、モータ13に係る各種値を表すグラフの種類は特に限定されるもので無い。
押出機100のその他の構成部の状態を示す物理量の一覧表を表示してもよい。当該物理量のグラフを表示してもよい。
【0053】
<その他、供給量表示部41d等>
原料の総供給量表示部40cは、各原料フィーダ15及びサイドフィーダ16によって供給される原料の総供給量を表示する。当該供給量は、第1センサ31及び第2センサ32によって得られる。
原料温度・圧力表示部40dは、原料の温度及び圧力を表示する。当該温度及び圧力は第5センサ35によって得られる。
【0054】
<制御方法>
図10及び図11は、制御装置2の処理手順を示すフローチャートである。制御部21は、オーバービューアイコン4cがタップ操作された場合、図4に示すようなオーバービュー画面40を生成し(ステップS11)、生成したオーバービュー画面40を表示部に表示パネル4aに表示する(ステップS12)。
【0055】
制御部21は、センサ3から計測値を取得する(ステップS13)。そして、制御部21は、計測値基づくシリンダ10の指示温度、設定温度、ヒータ10aの出力をシリンダ10の領域温度一覧表48に表示する(ステップS14)。また、制御部21は、ヒータ10aの出力を出力バーグラフ48aとして表示する(ステップS15)。
【0056】
制御部21は、原料の供給量に係る計測値を原料フィーダアイコン表示部41に表示する(ステップS16)。また、原料フィーダ15における原料の残量を残量バーグラフ41cに表示する(ステップS17)。
【0057】
制御部21は、モータ13の回転速度、電流、電力、トルク等の値をモータ運転状態一覧表40bを表示する(ステップS18)。また、制御部21は、モータ13の回転速度、電流及びトルクをモータバーグラフ40eとして表示する(ステップS19)。
【0058】
制御部21は、原料総供給量を、総供給量表示部40cに表示する(ステップS20)。また、制御部21は、押し出される樹脂の温度及び圧力を表示する(ステップS21)。
【0059】
制御部21は、押出機100のその他の構成部及び押出機100の付帯設備に係る計測値を、当該構成部又は付帯設備に対応するアイコンに、又はアイコン直近に表示する(ステップS22)。
【0060】
制御部21は、押出機100のその他の構成部及び押出機100の付帯設備に係る値を、上記アイコン又はアイコン近傍にグラフ表示する(ステップS23)。
【0061】
制御部21は、モータ運転状態一覧表40bと同様にして、押出機100のその他構成部の運転状態を示す値の一覧表を表示する(ステップS24)。また、制御部21は、当該値をモータバーグラフ40eと同様にしてグラフ表示する(ステップS25)。
【0062】
制御部21は、押出機100のその他の構成部に係る物理量を任意の方法で表示する(ステップS26)。
【0063】
次いで、制御部21は、各種アイコンがタップ操作されたか否かを判定する(ステップS27)。アイコンがタップ操作されていないと判定された場合(ステップS27:NO)、制御部21は処理をステップS13へ戻し、各種計測値、当該計測値に基づいて計算される値、出力値等の値をリアルタイムで表示する処理を継続する。
【0064】
アイコンがタップ操作されたと判定した場合(ステップS27:YES)、制御部21は、操作されたアイコンに対応するポップアップウィンドウを表示する(ステップS28)。制御部21は、ポップアップウィンドウに対する操作を受け付け、当該ポップアップウィンドウに対応するアイコンの運転を制御する(ステップS29)。
【0065】
本実施形態によれば、制御装置2は、押出機100の本体模式図40a及びアイコンを含むオーバービュー画面40を表示することによって、押出機100を構成する複数の構成部の状態をオペレータが直感的に認識し、操作することを可能にする。
【0066】
オーバービュー画面40には、押出機100の外観を表した横長の本体模式図40aが表示され、押出機100の各構成部の状態が、本体模式図40aに関連付けて表示されるため、オペレータは、押出機100の各部の状態を直感的に認識することができる。特に、本実施形態では、表示パネル4aの長手方向と、本体模式図40aの長手方向と、実物の押出機本体1の長手方向が一致しており、本体模式図40aの位置に関連付けて各構成部のアイコン表示部が表示されるため、オペレータは、より直感的に押出機100の各部の状態を直感的に認識することができる。また、横長の表示パネル4aに、横長の本体模式図40aを表示する構成であるため、縦長の表示パネルに比べて、より大きく本体模式図40aを表示することができる。
【0067】
制御装置2は、オーバービュー画面40に含まれるアイコンによって、押出機100の各構成部の状態を表示することができる。具体的には、制御装置2は、アイコンの色等の表示態様を変化させることによって、押出機100の構成部の状態を表示することができる。例えば、原料フィーダアイコン41aの色によって、原料フィーダ15が運転及び停止、通信異常、不使用等の状態を表示することができる。
また、各種アイコン表示部は、対応する構成部の名称、当該構成部の状態を示す文字、記号及びバーグラフを表示することができる。例えば、原料フィーダアイコン表示部41は、原料フィーダ15の名称、原料の残量、供給量等を表示することができる。原料フィーダアイコン表示部41は、原料の残量を残量バーグラフ41cにて表示することができる。
【0068】
原料フィーダアイコン41aがタップ操作された場合、原料フィーダ15の運転操作を行うためのフィーダポップアップウィンドウ41eを表示し、運転操作を受けるように構成されているため、制御装置2は、オーバービュー画面40を大きく使って、押出機100の各構成部の状態を表示し、かつ、原料フィーダ15の運転操作を受け付けることができる。他のアイコンについても同様であり、同様の効果を奏する。
【0069】
また、主モータ・冷却ファンアイコン46aは、関連して動作するモータ13及び冷却ファンの状態を表示することができ、モータ13及び冷却ファンを操作するためのポップアップウィンドウを表示することができる。オペレータは、モータ13及び冷却ファンのように、関連して動作する構成部を認識し、各構成部の運転を操作することができる。
【0070】
制御装置2は、シリンダ10の各ゾーンの設定温度、指示温度、ヒータ出力を表した領域温度一覧表48を表示することができる。また数値と共に、ヒータ出力をバーグラフによって表示することができる。オペレータは、オーバービュー画面40に表示された領域温度一覧表48によって、シリンダ10の温度制御の状態を一目で把握することができる。領域温度一覧表48は、シリンダ模式図の近傍に表示されるため、オペレータは、シリンダ10の温度状態を表したものであること直感的に認識することができる。領域温度一覧表48の各ゾーンの状態を示した値又はセルの並列方向と、シリンダ模式図の長手方向が一致しているため、オペレータは、シリンダ模式図に関連付けて、シリンダ10の各部の温度制御状態を把握することができる。
【0071】
制御装置2は、モータ13の回転速度、電流、電力、トルク又は比エネルギーの値を表したモータ運転状態一覧表40bを表示することができる。また数値と共に、モータ13の回転速度、電流、トルクをモータバーグラフ40eによって表示することができる。オペレータは、オーバービュー画面40に表示されたモータ運転状態一覧表40bによって、モータ13の運転状態を一目で把握することができる。モータ運転状態一覧表40bは、モータ模式図の近傍に表示されるため、オペレータは、モータ運転状態一覧表40bがモータ13の運転状態を表したものであること直感的に認識することができる。
【0072】
制御装置2は、ハードウェアキー5を備えるため、ソフトウェアキーに比べ、操作性を向上させることができる。また、押出機100の各部の運転状態を操作するためのテンキーをハードウェアキー5にすることによって、オーバービュー画面40を大きく表示することができる。オペレータは、表示パネル4a一杯に表示されたオーバービュー画面40によって、押出機100の状態をより容易に把握することができる。
ハードウェアキー5は、表示パネル4aの長手方向右側下方に配されているため、右利きのオペレータによる制御装置2の操作性を向上させることができる。ハードウェアキー5は、表示パネル4aの長手方向左側下方に配することもでき、この場合、左利きのオペレータによる制御装置2の操作性を向上させることができる。
【0073】
制御装置2は、ハードウェア非常停止ボタン6を備えるため、非常停止の操作性を担保することができる。ハードウェア非常停止ボタン6は、表示パネル4aの下方、表示パネル4aの長手方向の中央部に配されているため、利き腕によらず、オペレータはハードウェア非常停止ボタン6を無理なく操作することができ、押出機100を緊急停止させることができる。
なお、ハードウェア非常停止ボタン6を設ける位置は、上記中央部に限定されるものでは無い。
【0074】
本開示の課題を解決するための手段を付記する。
(付記1)
押出機用の制御装置であって、
横長の表示部を有するタッチパネル表示器を備え、
該タッチパネル表示器は、
前記押出機の外観を表した横長の模式図を含み、該模式図と関連付けて前記押出機又は該押出機の付帯設備の状態を示す状態表示画面を表示する
制御装置。
(付記2)
前記タッチパネル表示器の長手方向と、前記模式図の長手方向とが略一致している
付記1に記載の制御装置。
(付記3)
前記押出機の長手方向と、前記タッチパネル表示器の長手方向と、前記模式図の長手方向とが略一致している
付記1又は付記2に記載の制御装置。
(付記4)
前記構成部の動作を操作するためのハードウェアキーを備える
付記1から付記3のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記5)
前記ハードウェアキーは、前記表示部の下方であって、長手方向の一方に配されている
付記1から付記4のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記6)
ハードウェア非常停止ボタンを備える
付記1から付記5のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記7)
前記ハードウェア非常停止ボタンは、前記表示部の下方に配されている
付記1から付記6のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記8)
前記状態表示画面は、
前記押出機を構成する複数の構成部それぞれの状態を表示し、該構成部の動作を操作するための複数のアイコンを含み、
前記タッチパネル表示器は、
前記アイコンが操作された場合、該アイコンに対応する構成部の動作を操作するためのポップアップウィンドウを表示する
付記1から付記7のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記9)
前記状態表示画面は、
前記押出機を構成する複数の構成部それぞれの状態を表示し、該構成部の動作を操作するための複数のアイコンを含み、
前記複数のアイコンは、
原料を前記押出機に供給するフィーダに対するアイコン、前記押出機を構成するモータに対応するアイコン、前記押出機を構成するシリンダを加熱するヒータに対応するアイコン、又は前記押出機の付帯設備に対応するアイコンを含む
付記1から付記8のいずれか1項に記載の制御装置。
(付記10)
付記1から付記9のいずれか1項に記載の制御装置を備える
押出機。
【符号の説明】
【0075】
1 :押出機本体
2 :制御装置
2A :記録媒体
3 :センサ
4 :タッチパネル表示器
4a :表示パネル
4b :タッチセンサ
5 :ハードウェアキー
6 :ハードウェア非常停止ボタン
7 :警告ブザー
10 :シリンダ
10a :ヒータ
11 :スクリュ
12 :ダイス
13 :モータ
14 :減速機
15 :原料フィーダ
16 :サイドフィーダ
21 :制御部
22 :記憶部
23 :制御信号出力部
24 :センサ信号入力部
31 :第1センサ
32 :第2センサ
33 :第3センサ
34 :第4センサ
35 :第5センサ
40 :オーバービュー画面
40a :本体模式図
40b :モータ運転状態一覧表
40c :総供給量表示部
40d :原料温度・圧力表示部
40e :モータバーグラフ
41 :原料フィーダアイコン表示部
41a :原料フィーダアイコン
41b :残量表示部
41c :残量バーグラフ
41d :供給量表示部
41e :フィーダポップアップウィンドウ
41f :停止ボタン
41g :起動ボタン
42 :サイドフィーダアイコン表示部
42a :サイドフィーダアイコン
43 :液添フィーダアイコン表示部
44 :ヒータアイコン表示部
45 :注油ポンプアイコン表示部
46 :主モータ等アイコン表示部
46a :主モータ・冷却ファンアイコン
47 :付帯設備アイコン表示部
48 :領域温度一覧表
48a :出力バーグラフ
100 :押出機
P :制御プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11