(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064300
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/52 20060101AFI20240507BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20240507BHJP
【FI】
B65D75/52
B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172788
(22)【出願日】2022-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 安寧
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB83
3E067AC03
3E067AC14
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BC06A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EE02
3E067EE06
3E067EE09
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E068AA40
3E068BB09
3E068CC22
3E068CE03
3E068DE04
3E068EE17
3E068EE25
(57)【要約】
【課題】ユーザーが立った状態で所望の商品の情報を容易に認識できるように商品を陳列することが可能な包装体を提供する。
【解決手段】本開示に係る包装体10の吸収性物品11を包装する包装材12は、第1側面12cと、第1側面12cの反対側に位置する第2表示面とを有し、第1側面12cは、第1製品名表示部13と第1仕様表示部14と第1特徴表示部15とを有し、第2側面12dは、第2製品名表示部と第2仕様表示部と第2特徴表示部とを有し、第1側面12c及び第2側面12dの表示の上下方向に合わせて包装体10を起立させた所定状態で、第1仕様表示部14は、第1製品名表示部13よりも下方に位置し、第1特徴表示部15は、第1製品名表示部13よりも上方に位置し、上記所定状態で、第2仕様表示部は、第2製品名表示部よりも上方に位置し、第2特徴表示部は、第2製品名表示部よりも下方に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装材とを備えた包装体であって、
前記包装材は、第1表示面と、前記第1表示面の反対側に位置する第2表示面とを有し、
前記第1表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第1製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様を表示する第1仕様表示部と、前記吸収性物品の特徴を表示する第1特徴表示部とを有し、
前記第2表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第2製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様を表示する第2仕様表示部と、前記吸収性物品の特徴を表示する第2特徴表示部とを有し、
前記第1表示面及び前記第2表示面の表示の上下方向に合わせて前記包装体を起立させた所定状態で、前記第1仕様表示部は、前記第1製品名表示部よりも下方に位置し、前記第1特徴表示部は、前記第1製品名表示部よりも上方に位置し、
前記所定状態で、前記第2仕様表示部は、前記第2製品名表示部よりも上方に位置し、前記第2特徴表示部は、前記第2製品名表示部よりも下方に位置する
ことを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記所定状態の前記第1製品名表示部又は前記第2製品名表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの25%以上45%以下に設定され、
前記所定状態の前記第1特徴表示部又は前記第2特徴表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの25%以上45%以下に設定され、
前記所定状態の前記第1仕様表示部又は前記第2仕様表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの10%以上30%以下に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装材とを備えた包装体であって、
前記包装材は、第1表示面と、前記第1表示面の反対側に位置する第2表示面とを有し、
前記第1表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第1製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様及び特徴を表示する第1仕様・特徴表示部とを有し、
前記第2表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第2製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様及び特徴を表示する第2仕様・特徴表示部とを有し、
前記第1表示面及び前記第2表示面の表示の上下方向に合わせて前記包装体を起立させた所定状態で、前記第1仕様・特徴表示部は、前記第1製品名表示部よりも下方に位置し、
前記所定状態で、前記第2仕様・特徴表示部は、前記第2製品名表示部よりも上方に位置する
ことを特徴とする包装体。
【請求項4】
前記所定状態の前記第1製品名表示部又は前記第2製品名表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの50%以上65%以下に設定され、
前記所定状態の前記第1仕様・特徴表示部又は前記第2仕様・特徴表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの35%以上50%以下に設定される
ことを特徴とする請求項3に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性物品を内包する包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、軽失禁パッド等の吸収性物品が包装材によって包装された包装体には、ある商品群を他の商品群から識別するための製品名表示や、製品の特徴を説明するための機能表示部や、製品の仕様を説明するための仕様表示部が設けられていることが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、仕様の異なる複数種類の商品から、所望の商品を選択し易くするために、種別想起表示と、機能説明表示と、識別表示と、図柄と、ユーザー想起表示とを、所定の配置に配置する包装体が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、吸収性物品の包装体に設けられる表示の訴求力を向上させるために、吸収性物品に用いられるキャラクター表示と、情報表示と、キャラクター表示から所定の範囲内に配置されており、情報表示をキャラクター表示と同じ外形の図形で囲むキャラクター関連表示と、を備える吸収性物品の包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-214427号公報
【特許文献2】特開2022-111763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記2つの特許文献は、いずれも陳列位置における商品の包装体に表示される情報の見え方を考慮しているものではない。
【0007】
一般に、商品を販売店の棚等に陳列する際には、売れ筋商品は、購入者等のユーザーから目に付き易い棚の中央の高さ位置に陳列され、その他の商品は、棚の上方、又は下方に陳列されることが多い。棚の中央の高さ位置に陳列された商品の包装体に表示される情報は、ユーザーから見え易い。一方で、棚の上方や下方に陳列された商品の包装体に表示される情報は見難いので、ユーザーは、棚の上方や下方から商品を手に取ったり、屈んだりして、商品の包装体に表示される情報を見る必要がある。しかし、例えば軽失禁製品の場合、ユーザーは、商品の包装体に表示される情報を店頭でじっくり見て選ぶことに、抵抗がある場合が多い。
【0008】
そこで、本開示は、ユーザーが立った状態で所望の商品の情報を容易に認識できるように商品を陳列することが可能な包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装材とを備えた包装体であって、前記包装材は、第1表示面と、前記第1表示面の反対側に位置する第2表示面とを有し、前記第1表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第1製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様を表示する第1仕様表示部と、前記吸収性物品の特徴を表示する第1特徴表示部とを有し、前記第2表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第2製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様を表示する第2仕様表示部と、前記吸収性物品の特徴を表示する第2特徴表示部とを有し、前記第1表示面及び前記第2表示面の表示の上下方向に合わせて前記包装体を起立させた所定状態で、前記第1仕様表示部は、前記第1製品名表示部よりも下方に位置し、前記第1特徴表示部は、前記第1製品名表示部よりも上方に位置し、前記所定状態で、前記第2仕様表示部は、前記第2製品名表示部よりも上方に位置し、前記第2特徴表示部は、前記第2製品名表示部よりも下方に位置する。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の包装体であって、前記所定状態の前記第1製品名表示部又は前記第2製品名表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの25%以上45%以下に設定され、前記所定状態の前記第1特徴表示部又は前記第2特徴表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの25%以上45%以下に設定され、前記所定状態の前記第1仕様表示部又は前記第2仕様表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの10%以上30%以下に設定される。
【0011】
本発明の第3の態様は、吸収性物品を内包する包装体であって、吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装材とを備えた包装体であって、前記包装材は、第1表示面と、前記第1表示面の反対側に位置する第2表示面とを有し、前記第1表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第1製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様及び特徴を表示する第1仕様・特徴表示部とを有し、前記第2表示面は、前記吸収性物品の製品名を表示する第2製品名表示部と、前記吸収性物品の仕様及び特徴を表示する第2仕様・特徴表示部とを有し、前記第1表示面及び前記第2表示面の表示の上下方向に合わせて前記包装体を起立させた所定状態で、前記第1仕様・特徴表示部は、前記第1製品名表示部よりも下方に位置し、前記所定状態で、前記第2仕様・特徴表示部は、前記第2製品名表示部よりも上方に位置する。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の包装体であって、前記所定状態の前記第1製品名表示部又は前記第2製品名表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの50%以上65%以下に設定され、前記所定状態の前記第1仕様・特徴表示部又は前記第2仕様・特徴表示部の上下長さは、前記所定状態の前記第1表示面又は前記第2表示面の上下方向の長さの35%以上50%以下に設定される。
【発明の効果】
【0013】
商品が棚の上方に陳列される場合には、包装体の下部に表示があった方が見易く、棚の下方に陳列される場合には、包装体の上部に表示があった方が見易い。本開示に係る包装体では、情報の表示位置が上下に異なる2つの表示面を設けているので、陳列される位置によって表示面を使い分けることができ、どこに置かれても商品の情報を容易に認識できるようになる。
【0014】
本開示によれば、ユーザーが立った状態で所望の商品の情報を容易に認識できるように商品を陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装体の第1表示面側からの斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る包装体の第2表示面側からの斜視図である。
【
図3】第1表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも上方の棚に陳列された包装体の下方からの斜視図である。
【
図4】第2表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも下方の棚に陳列された包装体の上方からの斜視図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る包装体の第1表示面側からの斜視図である。
【
図7】第1表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも上方の棚に陳列された包装体の下方からの斜視図である。
【
図8】第2表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも下方の棚に陳列された包装体の上方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、矢印Xは上下方向を、矢印Yは上下方向と交叉(直交)する一の方向を、矢印Zは上下方向及び上記一の方向の双方と交叉(直交)する他の方向をそれぞれ示す。また、上下方向は、包装体の所定の面を下面として起立させた状態(所定状態)における上下方向を意味する。また、「ユーザー」には、実際に購入するか否かを問わず、販売店等に陳列された商品を購入しにきた購入者が含まれる。また、「製品」には、販売店等に陳列された商品が含まれる。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装体の第1表示面側からの斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る包装体の第2表示面側からの斜視図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る包装体10は、複数の吸収性物品11と、複数の吸収性物品11を包装する包装材12とを備える。包装体10は、複数の吸収性物品11を包装材12によって包装した状態で、角が丸みを帯びた六面体形状となっている。包装体10は、
図1及び
図2に示すように、所定の面を下面12aとした状態で起立させることを想定して、包装材12の表面に意匠が施されている。なお、以下の説明では、上記所定の面を下面12aとして起立させた状態(所定状態)を、「起立状態」と称する場合がある。
【0019】
(吸収性物品)
吸収性物品11は、体液を吸収するものを包含し、例えば、使い捨てオムツ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等が挙げられる。これらの吸収性物品11は、所定の形状、所定の大きさに折り畳まれた状態で包装材12の内部に収納される。なお、体液とは、尿、汗、血液や軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
【0020】
(包装材)
包装材12は、複数の吸収性物品11を包装するシート状の部材であって、包装体10の表面を構成する。すなわち、包装材12は、角が丸みを帯びた六面体形状であり、直方体形状又は立方体形状であればよい。包装材12は、例えば、PE(Polyethylene)、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、PS(Polystyrene)等の柔らかな樹脂材によって形成される。
【0021】
包装材12は、下方に位置する下面12aと、上方に位置する上面12bと、4つの側面12c~12fとを有する。
【0022】
4つの側面12c~12fは、第1側面(第1表示面)12cと、第2側面(第2表示面)12dと、第3側面12eと、第4側面12fとである。第1側面12c及び第2側面12dは、上下方向(X方向)と交叉する上記一の方向(Y方向)の両側に配置される。第3側面12e及び第4側面12fは、上下方向(X方向)と交叉する上記他の方向(Z方向)の両側に配置される。
【0023】
(第1側面)
図1に示すように、第1側面12cは、上記一の方向(Y方向)の一側に配置される表面である。第1側面12cには、様々な情報が表示される。第1側面12cは、主とする情報がそれぞれ異なる上段、中段、下段の3つの領域に分けられる。これらの3つの領域は、上方から第1特徴表示部15、第1製品名表示部13、第1仕様表示部14として機能する。すなわち、第1側面12cは、第1製品名表示部13と、第1仕様表示部14と、第1特徴表示部15とを有する。
【0024】
(第1製品名表示部)
第1製品名表示部13は、第1側面12cのうち吸収性物品11の製品名を主として表示する領域である。吸収性物品11の製品名とは、吸収性物品11を他の製品と識別するために吸収性物品11につけられた名称であって、例えば、登録商標などであってもよい。吸収性物品11の製品名は、文字(ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字等の様々な文字を含む。以下同じ。)や図形によって表される。第1製品名表示部13における吸収性物品11の製品名を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第1製品名表示部13における製品名を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第1製品名表示部13は、第1側面12cの上下方向の中央部に配置される。なお、本実施形態では、吸収性物品11の製品名の一例として、「ABC肌ケアパッド」を使用しているが、製品名はこれに限定されるものではない。また、第1製品名表示部13に表示する情報は、吸収性物品11の製品名のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の製品名に加えて、他の情報(例えばキャッチコピー等)を、第1製品名表示部13に表示してもよい。
【0025】
第1製品名表示部13の上下長さL1は、第1側面12cの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定されることが好ましい。第1製品名表示部13の上下長さL1を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の製品名を目立たせることができるとともに、他の表示部(第1仕様表示部14及び第1特徴表示部15)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0026】
(第1仕様表示部)
第1仕様表示部14は、第1側面12cのうち吸収性物品11の仕様を主として表示する領域であって、第1製品名表示部13よりも下方に位置する。吸収性物品11の仕様とは、吸収性物品として必ず有する情報であり、ユーザーが他の商品との比較対象とする情報である。例えば、吸収性物品11の仕様には、吸収性物品11の形状、サイズ、色、吸収量、使用方法(昼用/夜用)、及び包装体10に内包される吸収性物品11の入り枚数の少なくとも1つが含まれる。本実施形態では、吸収性物品11の仕様として、入り枚数(60枚)、サイズ(レギュラー、27cm)、及び吸収量(120cc)を、第1仕様表示部14に表示している。吸収性物品11の仕様は、文字や図形等によって表される。第1仕様表示部14における吸収性物品11の仕様を表す文字及び図形の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第1仕様表示部14における吸収性物品11の仕様を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第1仕様表示部14は、第1側面12cの下部に配置される。なお、本実施形態では、吸収性物品11の仕様として入り枚数、サイズ、及び吸収量を表示しているが、表示する仕様はこれに限定されるものではない。また、第1仕様表示部14に表示する情報は、吸収性物品11の仕様のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の仕様に加えて、他の情報を第1仕様表示部14に表示してもよい。
【0027】
第1仕様表示部14の上下長さL2は、第1側面12cの上下方向の長さLの10%以上30%以下に設定されることが好ましい。第1仕様表示部14の上下長さL2を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の仕様を視認可能な程度に十分に表示することができるとともに、他の表示部(第1製品名表示部13及び第1特徴表示部15)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0028】
(第1特徴表示部)
第1特徴表示部15は、第1側面12cのうち吸収性物品11の特徴を主として表示する領域であって、第1製品名表示部13よりも上方に位置する。吸収性物品11の特徴とは、吸収性物品として必須ではないが、使い易さ等を向上させるために設けた機能に関する情報であって、他の商品も有している機能である場合もあり、有していない機能である場合もある。本実施形態では、吸収性物品11の特徴として、「瞬間消臭」、「抗菌」、「弱酸性」を、第1特徴表示部15に表示している。吸収性物品11の特徴は、文字や図形によって表される。第1特徴表示部15における吸収性物品11の特徴を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第1特徴表示部15における吸収性物品11の特徴を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第1特徴表示部15は、第1側面12cの上部に配置される。なお、本実施形態では、吸収性物品11の特徴として「瞬間消臭」、「抗菌」、「弱酸性」を表示しているが、表示する特徴はこれに限定されるものではない。また、第1特徴表示部15に表示する情報は、吸収性物品11の特徴のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の特徴に加えて、他の情報を第1特徴表示部15に表示してもよい。
【0029】
第1特徴表示部15の上下長さL3は、第1側面12cの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定されることが好ましい。第1特徴表示部15の上下長さL3を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の特徴をしっかりとアピールすることができるとともに、他の表示部(第1製品名表示部13及び第1仕様表示部14)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0030】
(第2側面)
図2に示すように、第2側面12dは、上記一の方向(Y方向)の他側に配置される表面である。すなわち、第2側面12dは、吸収性物品11(
図1参照)を挟んだ第1側面12cの反対側に位置する。第2側面12dには、第1側面12cと同様の様々な情報が表示される。第2側面12dは、主とする情報がそれぞれ異なる上段、中段、下段の3つの領域に分けられる。これらの3つの領域は、上方から第2仕様表示部17、第2製品名表示部16、第2特徴表示部18として機能する。すなわち、第2側面12dは、第2製品名表示部16と、第2仕様表示部17と、第2特徴表示部18とを有する。
【0031】
(第2製品名表示部)
第2製品名表示部16は、第2側面12dのうち吸収性物品11の製品名を主として表示する領域である。第2製品名表示部16における吸収性物品11の製品名を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第2製品名表示部16における製品名を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第2製品名表示部16は、第1側面12cの上下方向の中央部に配置される。なお、第2製品名表示部16に表示する情報は、吸収性物品11の製品名のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の製品名に加えて、他の情報(例えばキャッチコピー等)を、第2製品名表示部16に表示してもよい。
【0032】
第2製品名表示部16の上下長さL4は、第2側面12dの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定されることが好ましい。第2製品名表示部16の上下長さL4を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の製品名を目立たせることができるとともに、他の表示部(第2仕様表示部17及び第2特徴表示部18)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0033】
(第2仕様表示部)
第2仕様表示部17は、第2側面12dのうち吸収性物品11の仕様を主として表示する領域であって、第2製品名表示部16よりも上方に位置する。第2仕様表示部17における吸収性物品11の仕様を表す文字及び図形の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第2仕様表示部17における吸収性物品11の仕様を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第2仕様表示部17は、第2側面12dの上部に配置される。なお、第2仕様表示部17に表示する情報は、吸収性物品11の仕様のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の仕様に加えて、他の情報を第2仕様表示部17に表示してもよい。
【0034】
第2仕様表示部17の上下長さL5は、第2側面12dの上下方向の長さLの10%以上30%以下に設定されることが好ましい。第2仕様表示部17の上下長さL5を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の仕様を視認可能な程度に十分に表示することができるとともに、他の表示部(第2製品名表示部16及び第2特徴表示部18)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0035】
(第2特徴表示部)
第2特徴表示部18は、第2側面12dのうち吸収性物品11の特徴を主として表示する領域であって、第2製品名表示部16よりも下方に位置する。第2特徴表示部18における吸収性物品11の特徴を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体10を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第2特徴表示部18における吸収性物品11の特徴を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体10の上下方向となっている。本実施形態の第2特徴表示部18は、第2側面12dの下部に配置される。なお、第2特徴表示部18に表示する情報は、吸収性物品11の特徴のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の特徴に加えて、他の情報を第2特徴表示部18に表示してもよい。
【0036】
第2特徴表示部18の上下長さL6は、第2側面12dの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定されることが好ましい。第2特徴表示部18の上下長さL6を上記範囲に設定することによって、吸収性物品11の特徴をしっかりとアピールすることができるとともに、他の表示部(第2製品名表示部16及び第2仕様表示部17)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0037】
(第3側面及び第4側面)
図1及び
図2に示すように、第3側面12e及び第4側面12fは、上記他の方向(Z方向)の両側に配置される表面であって、互いに吸収性物品11を挟んだ反対側に位置する。第3側面12e及び第4側面12fには、各種デザイン及び情報表示が施される。第3側面12e及び第4側面12fに設けられる情報表示は、例えば、包装体10を手に取らないと読めないような大きさの文字で記載された吸収性物品11の詳細な説明(吸収性物品11の製品名、仕様、及び特徴の少なくとも1つを含んでもよい)であってもよい。
【0038】
(仕様表示部の色)
第1仕様表示部14及び第2仕様表示部17は、仕様が異なる他の製品との違いを色によって識別可能な着色識別部19(
図1及び
図2中のハッチングされた領域)をそれぞれ有する。着色識別部19は、第1仕様表示部14及び第2仕様表示部17のうちの所定の領域であって、内包する吸収性物品11の仕様(その商品の仕様)に応じたベースとなる色(以下、「仕様ベース色」という。)を有する。着色識別部19の仕様ベース色には、第1側面12c及び第2側面12dの他の領域(着色識別部19とは異なる領域)のベースとなる製品ベース色とは異なる色を設定することが好ましい。例えば、同一の商品名やブランド名が付された同一の製品(仕様が異なる製品を含む)の製品ベース色は、ピンク色に統一し、同一の製品内での仕様の異なる製品ごとに、異なる仕様ベース色を設定することが好ましい。本実施形態では、吸収性物品11の仕様の一部が着色識別部19に表示されている。なお、製品ベース色及び仕様ベース色は、単色に限定されるものではなく、複数の色で構成されてもよい。また、吸収性物品11の仕様を、着色識別部19とは異なる他の領域に表示してもよい。
【0039】
このように、同一の商品名やブランド名が付された同一の製品(仕様が異なる製品を含む)の製品ベース色を統一することによって、ユーザーは、製品ベース色に基づいて、所望の商品名の製品を早期に見分けることができる。また、第1仕様表示部14及び第2仕様表示部17は、仕様が異なる他の製品との違いを色によって識別可能な着色識別部19をそれぞれ有するので、ユーザーは、仕様ベース色に基づいて、同一の製品名の製品群の中から所望の仕様の製品を早期に識別することができる。
【0040】
着色識別部19の面積は、第1仕様表示部14又は第2仕様表示部17の面積の50%以上100%以下であることが好ましい。これにより、着色識別部19が目に付き易くなるので、第1仕様表示部14及び第2仕様表示部17に表示される吸収性物品11の仕様の文字が小さい場合であっても、ユーザーは、着色識別部19の仕様ベース色に基づいて、所望の仕様の商品を更に容易に早期に識別することができる。
【0041】
次に、包装体10を商品として販売店の棚等に陳列する場合について説明する。
図3は、第1表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも上方の棚に陳列された包装体の下方からの斜視図である。
図4は、第2表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも下方の棚に陳列された包装体の上方からの斜視図である。
【0042】
図3に示すように、包装体10を商品として販売店の比較的高い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも上方)の棚1Hに陳列する場合には、包装材12の第1側面12cを正面(例えばユーザーが通る通路側)に向けて陳列する。このように、第1側面12cを正面に向けて陳列すると、第1仕様表示部14が第1側面12cの最も下方に位置する。すなわち、ユーザーが見上げて棚1Hの包装体10を見た際に、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第1仕様表示部14が、ユーザーから見て最も目に付き易い状態となる。また、ユーザーが見上げて棚1Hの包装体10を見た際に、他の商品との識別機能を有する製品名が表示された第1製品名表示部13が、ユーザーから見て第1仕様表示部14の次に目に付き易い状態となる。
【0043】
一方、
図4に示すように、包装体10を商品として販売店の比較的低い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも下方)の棚1Lに陳列する場合には、包装材12の第2側面12dを正面に向けて陳列する。このように、第2側面12dを正面に向けて陳列すると、第2仕様表示部17が第2側面12dの最も上方に位置する。すなわち、ユーザーが見下げて棚1Lの包装体10を見た際に、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第2仕様表示部17が、ユーザーから見て最も目に付き易い状態となる。また、ユーザーが見下げて棚1Lの包装体10を見た際に、他の商品との識別機能を有する製品名が表示された第2製品名表示部16が、ユーザーから見て第2仕様表示部17の次に目に付き易い状態となる。
【0044】
なお、包装体10を商品として販売店の中段(例えばユーザーの目線の高さと略同じ高さ)の棚(図示省略)に陳列する場合には、包装材12の第1側面12cを正面に向けて陳列してもよいし、又は第2側面12dを正面に向けて陳列してもよい。
【0045】
上記のように構成された包装体10では、起立状態において、包装材12の第1側面12cの第1仕様表示部14は、第1製品名表示部13よりも下方に位置し、第1特徴表示部15は、第1製品名表示部13よりも上方に位置する。このため、包装体10を商品として販売店の比較的高い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも上方)の棚1Hに陳列する場合には、包装材12の第1側面12cを正面に向けて陳列することによって、第1仕様表示部14を、ユーザーから見て目に付き易い第1側面12cの下部に位置させることができる。このように陳列すると、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第1仕様表示部14がユーザーから見て最も目に付き易い状態となるので、ユーザーは、商品を棚1Hから手に取ることなく、立ったままの状態で棚1Hに陳列された包装体10から商品の所望の情報を容易に認識することができる。
【0046】
また、起立状態において、第2仕様表示部17は、第2製品名表示部16よりも上方に位置し、第2特徴表示部18は、第2製品名表示部16よりも下方に位置する。このため、包装体10を商品として販売店の比較的低い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも下方)の棚1Lに陳列する場合には、包装材12の第2側面12dを正面に向けて陳列することによって、第2仕様表示部17を、ユーザーから見て目に付き易い第2側面12dの上部に位置させることができる。このように陳列すると、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第2仕様表示部17がユーザーから見て最も目に付き易い状態となるので、ユーザーは、しゃがむことなく、立ったままの状態で棚1Lに陳列された包装体10から商品の所望の情報を容易に認識することができる。
【0047】
このように、本実施形態に係る包装体10では、情報の表示位置が上下に異なる2つの表示面(第1側面12c及び第2側面12d)を設けているので、陳列される高さ位置によって正面に向ける表示面を使い分けることができる。このため、包装体10を商品としてどの高さ位置に陳列されても、ユーザーは、商品の情報(特に仕様)を容易に認識できる。
【0048】
したがって、本開示によれば、ユーザーが立った状態で所望の商品の情報を容易に認識できるように商品を陳列することができる。
【0049】
また、包装体10を比較的高い位置の棚1Hに陳列した場合には、ユーザーから見て、包装体10の上部は、下部に比べて小さく見える。このため、第1製品名表示部13の上下長さL1を、第1側面12cの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定することが好ましく、第1仕様表示部14の上下長さL2を、第1側面12cの上下方向の長さLの10%以上30%以下に設定することが好ましく、第1特徴表示部15の上下長さL3を、第1側面12cの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定することが好ましい。これにより、包装材12の第1側面12cを正面に向けて包装体10を比較的高い位置の棚1Hに陳列した場合に、第1仕様表示部14よりも上方に位置する第1製品名表示部13及び第1特徴表示部15の表示を、見え易くすることができる。
【0050】
また、包装体10を比較的低い位置の棚1Lに陳列した場合には、ユーザーから見て、包装体10の下部は、上部に比べて小さく見える。このため、第2製品名表示部16の上下長さL4を、第2側面12dの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定することが好ましく、第2仕様表示部17の上下長さL5を、第2側面12dの上下方向の長さLの10%以上30%以下に設定することが好ましく、第2特徴表示部18の上下長さL6を、第2側面12dの上下方向の長さLの25%以上45%以下に設定することが好ましい。これにより、包装材12の第2側面12dを正面に向けて包装体10を比較的低い位置の棚1Lに陳列した場合に、第2仕様表示部17よりも下方に位置する第2製品名表示部16及び第2特徴表示部18の表示を、見え易くすることができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の包装体20は、包装材22に表示される情報の配置が、第1実施形態と相違する。
【0052】
図5は、本発明の第2実施形態に係る包装体の第1表示面側からの斜視図である。
図6は、包装体の第2表示面側からの斜視図である。
【0053】
図5及び
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る包装体20は、複数の吸収性物品21と、複数の吸収性物品21を包装する包装材22とを備える。包装体20は、複数の吸収性物品21を包装材22によって包装した状態で、角が丸みを帯びた六面体形状となっている。包装体20は、
図5及び
図6に示すように、所定の面を下面22aとした状態で起立させることを想定して、包装材22の表面に意匠が施されている。なお、以下の説明では、上記所定の面を下面22aとして起立させた状態(所定状態)を、「起立状態」と称する場合がある。
【0054】
(吸収性物品)
吸収性物品21は、上記第1実施形態の吸収性物品11と同様であるので、その説明を省略する。
【0055】
(包装材)
包装材22は、複数の吸収性物品21を包装するシート状の部材であって、包装体20の表面を構成する。すなわち、包装材22は、角が丸みを帯びた六面体形状であり、直方体形状又は立方体形状であればよい。包装材22は、例えば、PE(Polyethylene)、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、PS(Polystyrene)等の柔らかな樹脂材によって形成される。
【0056】
包装材22は、下方に位置する下面22aと、上方に位置する上面22bと、4つの側面22c~22fとを有する。
【0057】
4つの側面22c~22fは、第1側面(第1表示面)22cと、第2側面(第2表示面)22dと、第3側面22eと、第4側面22fとである。第1側面22c及び第2側面22dは、上下方向(X方向)と交叉する上記一の方向(Y方向)の両側に配置される。第3側面22e及び第4側面22fは、上下方向(X方向)と交叉する上記他の方向(Z方向)の両側に配置される。
【0058】
(第1側面)
図5に示すように、第1側面22cは、上記一の方向(Y方向)の一側に配置される表面である。第1側面22cには、様々な情報が表示される。第1側面22cは、主とする情報がそれぞれ異なる上段、下段の2つの領域に分けられる。これらの2つの領域は、上方から第1製品名表示部23、第1仕様・特徴表示部24として機能する。すなわち、第1側面22cは、第1製品名表示部23と第1仕様・特徴表示部24とを有する。
【0059】
(第1製品名表示部)
第1製品名表示部23は、第1側面22cのうち吸収性物品21の製品名を主として表示する領域である。第1製品名表示部23における吸収性物品21の製品名を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体20を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第1製品名表示部23における製品名を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体20の上下方向となっている。なお、本実施形態では、吸収性物品21の製品名の一例として、「ABC肌ケアパッド」を使用しているが、製品名はこれに限定されるものではない。また、第1製品名表示部23に表示する情報は、吸収性物品21の製品名のみに限定されるものではなく、吸収性物品21の製品名に加えて、他の情報(例えばキャッチコピー等)を、第1製品名表示部23に表示してもよい。
【0060】
第1製品名表示部23の上下長さL1は、第1側面22cの上下方向の長さLの50%以上65%以下に設定されることが好ましい。第1製品名表示部23の上下長さL1を上記範囲に設定することによって、吸収性物品21の製品名を目立たせることができるとともに、他の表示部(第1仕様・特徴表示部24)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0061】
(第1仕様・特徴表示部)
第1仕様・特徴表示部24は、第1側面22cのうち吸収性物品21の仕様及び特徴を主として表示する領域であって、第1製品名表示部23よりも下方に位置する。本実施形態では、吸収性物品21の仕様として入り枚数(60枚)、サイズ(レギュラー、27cm)、及び吸収量(120cc)を、吸収性物品21の特徴として「瞬間消臭」、「抗菌」、「弱酸性」を、第1仕様・特徴表示部24に表示している。第1仕様・特徴表示部24における吸収性物品21の仕様及び特徴を表す文字及び図形の上下の向きは、包装体20を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第1仕様・特徴表示部24における吸収性物品21の仕様及び特徴を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体20の上下方向となっている。本実施形態の第1仕様・特徴表示部24は、第1側面22cの下部を含む位置に配置される。なお、本実施形態では、吸収性物品21の仕様として入り枚数、サイズ、及び吸収量を表示しているが、表示する仕様はこれに限定されるものではない。また、本実施形態では、吸収性物品21の特徴として「瞬間消臭」、「抗菌」、「弱酸性」を表示しているが、表示する特徴はこれに限定されるものではない。また、第1仕様・特徴表示部24に表示する情報は、吸収性物品21の仕様及び特徴のみに限定されるものではなく、吸収性物品21の仕様及び特徴に加えて、他の情報を第1仕様・特徴表示部24に表示してもよい。
【0062】
第1仕様・特徴表示部24の上下長さL2は、第1側面22cの上下方向の長さLの35%以上50%以下に設定されることが好ましい。第1仕様・特徴表示部24の上下長さL2を上記範囲に設定することによって、吸収性物品21の仕様を視認可能な程度に十分に表示することができるとともに、他の表示部(第1製品名表示部23)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0063】
(第2側面)
図6に示すように、第2側面22dは、上記一の方向(Y方向)の他側に配置される表面である。すなわち、第2側面22dは、吸収性物品21(
図5参照)を挟んだ第1側面22cの反対側に位置する。第2側面22dには、第1側面22cと同様の様々な情報が表示される。第2側面22dは、主とする情報がそれぞれ異なる上段、下段の2つの領域に分けられる。これらの2つの領域は、上方から第2仕様・特徴表示部26、第2製品名表示部25として機能する。すなわち、第2側面22dは、第2製品名表示部25と第2仕様・特徴表示部26とを有する。
【0064】
(第2製品名表示部)
第2製品名表示部25は、第2側面22dのうち吸収性物品21の製品名を主として表示する領域である。第2製品名表示部25における吸収性物品21の製品名を表す文字及び図形等の上下の向きは、包装体20を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第2製品名表示部25における製品名を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体20の上下方向となっている。なお、第2製品名表示部25に表示する情報は、吸収性物品21の製品名のみに限定されるものではなく、吸収性物品21の製品名に加えて、他の情報(例えばキャッチコピー等)を、第2製品名表示部25に表示してもよい。
【0065】
第2製品名表示部25の上下長さL3は、第2側面22dの上下方向の長さLの50%以上65%以下以下に設定されることが好ましい。第2製品名表示部25の上下長さL3を上記範囲に設定することによって、吸収性物品21の製品名を目立たせることができるとともに、他の表示部(第2仕様・特徴表示部26)の表示スペースも十分に確保することができる。なお、本実施形態では、第2側面22dの上下方向の長さLを、第1側面22cの上下方向の長さLと同じ長さにしているが、これに限定されるものではなく、互いに異なる長さであってもよい。
【0066】
(第2仕様・特徴表示部)
第2仕様・特徴表示部26は、第2側面22dのうち吸収性物品21の仕様及び特徴を主として表示する領域であって、第2製品名表示部25よりも上方に位置する。第2仕様・特徴表示部26における吸収性物品21の仕様及び特徴を表す文字及び図形の上下の向きは、包装体20を起立状態にすることを想定した向きとなっている。すなわち、第2仕様・特徴表示部26における吸収性物品21の仕様を表示する文字及び図形の上下は、起立状態の包装体20の上下方向となっている。本実施形態の第2仕様・特徴表示部26は、第2側面22dの上部を含む位置に配置される。なお、第2仕様・特徴表示部26に表示する情報は、吸収性物品21の仕様及び特徴のみに限定されるものではなく、吸収性物品11の仕様及び特徴に加えて、他の情報を第2仕様・特徴表示部26に表示してもよい。
【0067】
第2仕様・特徴表示部26の上下長さL4は、第2側面22dの上下方向の長さLの35%以上50%以下に設定されることが好ましい。第2仕様・特徴表示部26の上下長さL4を上記範囲に設定することによって、吸収性物品21の仕様及び特徴を視認可能な程度に十分に表示することができるとともに、他の表示部(第2製品名表示部25)の表示スペースも十分に確保することができる。
【0068】
(第3側面及び第4側面)
図5及び
図6に示すように、第3側面22e及び第4側面22fは、上記他の方向(Z方向)の両側に配置される表面であって、互いに吸収性物品21を挟んだ反対側に位置する。第3側面22e及び第4側面22fには、各種デザイン及び情報表示が施される。第3側面22e及び第4側面22fに設けられる情報表示は、例えば、包装体20を手に取らないと読めないような大きさの文字で記載された吸収性物品21の詳細な説明(吸収性物品21の製品名、仕様、及び特徴の少なくとも1つを含んでもよい)であってもよい。
【0069】
(仕様・特徴表示部の色)
第1仕様・特徴表示部24及び第2仕様・特徴表示部26は、仕様が異なる他の製品との違いを色によって識別可能な着色識別部27(
図5及び
図6中のハッチングされた領域)をそれぞれ有する。着色識別部27は、第1仕様・特徴表示部24及び第2仕様・特徴表示部26のうちの所定の領域であって、内包する吸収性物品21の仕様(その商品の仕様)に応じた仕様ベース色を有する。着色識別部27の仕様ベース色には、第1側面22c及び第2側面22dの他の領域(着色識別部27とは異なる領域)のベースとなる製品ベース色とは異なる色を設定することが好ましい。例えば、同一の商品名やブランド名が付された同一の製品(仕様が異なる製品を含む)の製品ベース色は、ピンク色に統一し、同一の製品内での仕様の異なる製品ごとに、異なる仕様ベース色を設定することが好ましい。本実施形態では、吸収性物品21の仕様の一部が着色識別部27に表示されている。なお、吸収性物品11の仕様を、着色識別部27とは異なる他の領域に表示してもよい。
【0070】
このように、第1仕様・特徴表示部24及び第2仕様・特徴表示部26は、仕様が異なる他の製品との違いを色によって識別可能な着色識別部27をそれぞれ有するので、ユーザーは、仕様ベース色に基づいて、同一の製品名の製品群の中から所望の仕様の製品を早期に識別することができる。
【0071】
着色識別部27の面積は、第1仕様・特徴表示部24及び第2仕様・特徴表示部26の面積の50%以上100%以下であることが好ましい。これにより、着色識別部27が目に付き易くなるので、第1仕様・特徴表示部24及び第2仕様・特徴表示部26に表示される吸収性物品21の仕様の文字が小さい場合であっても、ユーザーは、着色識別部27の仕様ベース色に基づいて、所望の仕様の商品を更に容易に早期に識別することができる。
【0072】
次に、包装体20を商品として販売店の棚等に陳列する場合について説明する。
図7は、第1表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも上方の棚に陳列された包装体の下方からの斜視図である。
図8は、第2表示面を正面に向けた状態で目線の高さよりも下方の棚に陳列された包装体の上方からの斜視図である。
【0073】
図7に示すように、包装体20を商品として販売店の比較的高い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも上方)の棚1Hに陳列する場合には、包装材22の第1側面22cを正面(例えばユーザーが通る通路側)に向けて陳列する。このように、第1側面22cを正面に向けて陳列すると、第1仕様・特徴表示部24が第1側面22cの最も下方に位置する。すなわち、ユーザーが見上げて棚1Hの包装体20を見た際に、商品の特徴や、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第1仕様・特徴表示部24が、ユーザーから見て最も目に付き易い状態となる。また、ユーザーが見上げて棚1Hの包装体10を見た際に、他の商品との識別機能を有する製品名が表示された第1製品名表示部23が、ユーザーから見て第1仕様・特徴表示部24の次に目に付き易い状態となる。
【0074】
一方、
図8に示すように、包装体20を商品として販売店の比較的低い位置(例えばユーザーの目線の高さよりも下方)の棚1Lに陳列する場合には、包装材22の第2側面22dを正面に向けて陳列する。このように、第2側面22dを正面に向けて陳列すると、第2仕様・特徴表示部26が第2側面22dの最も上方に位置する。すなわち、ユーザーが見下げて棚1Lの包装体20を見た際に、商品の特徴や、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第2仕様・特徴表示部26が、ユーザーから見て最も目に付き易い状態となる。また、ユーザーが見下げて棚1Lの包装体20を見た際に、他の商品との識別機能を有する製品名が表示された第2製品名表示部25が、ユーザーから見て第2仕様・特徴表示部26の次に目に付き易い状態となる。
【0075】
なお、包装体20を商品として販売店の中段(例えばユーザーの目線の高さと略同じ高さ)の棚(図示省略)に陳列する場合には、包装材22の第1側面22cを正面に向けて陳列してもよいし、又は第2側面22dを正面に向けて陳列してもよい。
【0076】
上記のように構成された包装体20では、起立状態において、包装材22の第1側面22cの第1仕様・特徴表示部24は、第1製品名表示部23よりも下方に位置する。このため、包装体20を販売店の比較的高い位置の棚1Hに陳列する場合には、包装材22の第1側面22cを正面に向けて陳列することによって、第1仕様・特徴表示部24を、ユーザーから見て目に付き易い第1側面22cの下部に位置させることができる。このように陳列すると、商品の特徴や、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第1仕様・特徴表示部24がユーザーから見て最も目に付き易い状態となるので、ユーザーは、商品を棚1Hから手に取ることなく、立ったままの状態で棚1Hに陳列された包装体20から商品の所望の情報を容易に認識することができる。
【0077】
また、起立状態において、第2仕様・特徴表示部26は、第2製品名表示部25よりも上方に位置する。このため、包装体20を商品として販売店の比較的低い位置の棚1Lに陳列する場合には、包装材22の第2側面22dを正面に向けて陳列することによって、第2仕様・特徴表示部26を、ユーザーから見て目に付き易い第2側面22dの上部に位置させることができる。このように陳列すると、商品の特徴や、他の商品との比較対象となる商品の仕様が表示された第2仕様・特徴表示部26がユーザーから見て最も目に付き易い状態となるので、ユーザーは、しゃがむことなく、立ったままの状態で棚1Lに陳列された包装体20から商品の所望の情報を容易に認識することができる。
【0078】
このように、本実施形態に係る包装体20では、情報の表示位置が上下に異なる2つの表示面(第1側面22c及び第2側面22d)を設けているので、陳列される高さ位置によって正面に向ける表示面を使い分けることができる。このため、包装体20を商品としてどの高さ位置に陳列されても、ユーザーは、商品の情報(特に仕様)を容易に認識できる。
【0079】
したがって、本開示によれば、ユーザーが立った状態で所望の商品の情報を容易に認識できるように商品を陳列することができる。
【0080】
また、包装体20を比較的高い位置の棚1Hに陳列した場合には、ユーザーから見て、包装体20の上部は、下部に比べて小さく見える。第1製品名表示部23の上下長さL1を、第1側面22cの上下方向の長さLの50%以上65%以下に設定することが好ましく、第1仕様・特徴表示部24の上下長さL2を、第1側面22cの上下方向の長さLの35%以上50%以下に設定することが好ましい。これにより、包装材22の第1側面22cを正面に向けて包装体10を比較的高い位置の棚1Hに陳列した場合に、第1仕様・特徴表示部24よりも上方に位置する第1製品名表示部23の表示を、見え易くすることができる。
【0081】
また、包装体20を比較的低い位置の棚1Lに陳列した場合には、ユーザーから見て、包装体20の下部は、上部に比べて小さく見える。このため、第2製品名表示部25の上下長さL3を、第2側面22dの上下方向の長さLの50%以上65%以下以下に設定することが好ましく、第2仕様・特徴表示部26の上下長さL4を、第2側面22dの上下方向の長さLの35%以上50%以下に設定することが好ましい。これにより、包装材22の第2側面22dを正面に向けて包装体20を比較的低い位置の棚1Lに陳列した場合に、第2仕様・特徴表示部26よりも下方に位置する第2製品名表示部25の表示を、見え易くすることができる。
【0082】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
10,20:包装体
11,21:吸収性物品
12,22:包装材
12c,22c:第1側面(第1表示面)
12d,22d:第2側面(第2表示面)
13,23:第1製品名表示部
14:第1仕様表示部
15:第1特徴表示部
16,25:第2製品名表示部
17:第2仕様表示部
18:第2特徴表示部
24:第1仕様・特徴表示部
26:第2仕様・特徴表示部