(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064316
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】培土用撥水防止剤及びそれを用いた培土
(51)【国際特許分類】
C09K 17/14 20060101AFI20240507BHJP
A01G 24/30 20180101ALI20240507BHJP
【FI】
C09K17/14 H
A01G24/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172813
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000114318
【氏名又は名称】ミヨシ油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 文香
【テーマコード(参考)】
2B022
4H026
【Fターム(参考)】
2B022BA03
2B022BA04
2B022BA14
2B022BA15
2B022BA16
2B022BA21
4H026AA07
4H026AA09
4H026AB01
4H026AB03
4H026AB04
(57)【要約】
【課題】植物への生育障害を抑制しつつ、長期にわたり優れた透水性・保水性を発揮し、特に、低水分環境下においても優れた透水性・保水性を発揮することができ、初期及び長期のいずれにおいても生育性に優れた培土用撥水防止剤及びそれを用いた培土を提供する。
【解決手段】本発明の培土用撥水防止剤は、(A)スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤及び(B)硫酸エステル塩型及びリン酸エステル塩型から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤及び(B)硫酸エステル塩型及びリン酸エステル塩型から選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する培土用撥水防止剤。
【請求項2】
前記(A)成分と(B)成分の質量比((A)成分/(B)成分)が、0.05~70.0である請求項1に記載の培土用撥水防止剤。
【請求項3】
請求項1に記載の培土用撥水防止剤及び培土成分を含有する培土。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培土用撥水防止剤及びそれを用いた培土に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、培土保管時のカビ発生防止及び寒冷地での冬季凍結防止等の目的で、培土の含水率を低減させる試みがなされている。また、農業従事者の負担軽減や輸送の効率化の目的でも培土含水率を低減させることによる培土の軽量化が図られている。さらに、近年注目されているSDGsや環境配慮の取り組みの面から、軽量化による輸送エネルギー削減ならびに、性能がより長期間持続することによる培土廃棄ロス削減等での取り組みが期待されている。
【0003】
野菜、果樹、花卉等の栽培に用いられる培土にはピートモスが広く使用されているが、このピートモスは一度乾燥すると、変質して撥水性を生じる。この撥水性により植物に十分に水が行きわたらなくなると植物の生育が阻害されるといった問題がある。
【0004】
従来、撥水抑制のために培土に界面活性剤や吸水ポリマー、シリカ等の親水材を添加する方法が提案されている。しかしながら、培土に吸水ポリマーを添加する方法は、塩類を含む水に対してはその吸水量が格段に低下する問題がある。また、公知のノニオン、アニオン系界面活性剤を添加する方法では含水率が低い培土に対して十分な撥水抑制効果が得られないという問題があった。
【0005】
また、スルホコハク酸塩型のアニオン性界面活性剤を用いることで含水率の低い培土に対して優れた透水性・保水性を示すことが知られているが、植物への生育障害が強い問題点がある。低水分環境下では所望の効果を発揮するのに必要な添加量が増えるため、生育障害が起きやすいといった問題があった。
【0006】
これらの問題を解決するために、以下のような技術が知られている。
特許文献1、2は、ジアルキルスルホコハク酸塩を使用することが提案されているが、植物への生育障害があった。特許文献3は、ジアルキルスルホコハク酸塩と保湿剤、アルコールアルコキシレートを併用することで保水性の向上を図っているが、植物への生育障害があった。特許文献4は、硫酸エステル塩型及びリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤を使用し、生育障害抑制の向上を図っているが、低水分下での透水性やジアルキルスルホコハク酸塩を併用した際の効果については検証されていなかった。特許文献5は、ジアルキルスルホコハク酸塩とポリオキシアルキレングリコール等のノニオン界面活性剤を併用しており、低水分下での撥水抑制効果の記載はあるが、長期的な透水性や保水性の効果の持続については、十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-030654号公報
【特許文献2】特開平11-256160号公報
【特許文献3】特表2020-534003号公報
【特許文献4】特開2020-162599号公報
【特許文献5】特開2017-190436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
培土中の水分量を低減すると、培土保管時のカビ発生防止及び寒冷地での冬季凍結防止等に有効で、農業従事者の負担軽減や輸送の効率化の目的での培土の軽量化も図ることができるが、低水分環境下では灌水後の水がすぐに乾燥して透水性が持続しないため、透水性だけでなく保水性も保持する必要があった。また、寒冷地では冬季に製造ができず、秋季に製造し、春季に出荷するため、半年間以上の透水性・保水性が必要となる。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、植物への生育障害を抑制しつつ、長期にわたり優れた透水性・保水性を発揮し、特に、低水分環境下においても優れた透水性・保水性を長期間持続することができ、初期及び長期のいずれにおいても生育性に優れた培土用撥水防止剤及びそれを用いた培土を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、(A)スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤と、(B)硫酸エステル塩型及び/又はリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤を併用すると、それを用いた培土は、たとえ低水分環境下であっても優れた透水性と、それに加えて優れた保水性を発揮することができ、さらに透水性・保水性のいずれも半年程度のような長期間にわたり持続でき、初期及び長期のいずれにおいても生育性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の培土用撥水防止剤は、(A)スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤及び(B)硫酸エステル塩型及びリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上を含有することを特徴としている。
本発明の培土用撥水防止剤は、前記(A)と(B)の質量比((A)成分/(B)成分)が、0.05~70.0であることを特徴としている。
本発明の培土は、前記培土用撥水防止剤及び培土成分を含有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の培土用撥水防止剤によれば、植物への生育障害を抑制しつつ、長期にわたり優れた透水性・保水性を発揮し、特に、低水分環境下においても優れた透水性・保水性を発揮することができ、初期及び長期のいずれにおいても生育性に優れる培土を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を詳細に説明する。
(培土用撥水防止剤)
本発明の培土用撥水防止剤は、(A)スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤及び(B)硫酸エステル塩型及びリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上を必須としている。
【0012】
本発明に用いられる(A)成分のスルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、スルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分を構成する塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。アミン塩としては、特に限定されないが、例えば、アミン化合物由来の塩等が挙げられる。
【0013】
これらの中でも、本発明の効果を発揮させる観点から、スルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸エステル塩が好ましく、スルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩がより好ましく、スルホコハク酸エステル塩がさらに好ましい。
【0014】
スルホコハク酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。アルキルスルホコハク酸エステル塩のアルキル基は、炭素数4~10が好ましく、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。具体的には、例えば、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。アルキルスルホコハク酸エステル塩としては、モノ又はジアルキルスルホコハク酸塩が挙げられ、その中でもジアルキルスルホコハク酸ジエステル塩が好ましい。
【0015】
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~18であるもの等が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
アルキルスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~20であるもの等が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
スルホ脂肪酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~20であるもの等が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~20であるもの等が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
α-オレフィンスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルケニル基が炭素数12~18であるもの等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
アルキルアリルスルホン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~20であるもの等が挙げられ、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
(A)成分のスルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤の培土用撥水防止剤に対する含有量は、特に限定されないが、透水性、保水性の観点から、水を除く全量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が特に好ましい。また、生育障害を抑制する観点から、水を除く全量に対して、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
本発明に用いられる(B)成分の硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤を構成する塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。アミン塩としては、特に限定されないが、例えば、アミン化合物由来の塩等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも、本発明の効果を発揮させる観点から、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩がより好ましく、アルキルエーテル硫酸エステル塩がさらに好ましい。
【0024】
アルキル硫酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~18であるもの等が挙げられる。アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、デシル硫酸エステル塩、ラウリル硫酸エステル塩、トリデシル硫酸エステル塩、ミリスチル硫酸エステル塩、セチル硫酸エステル塩、オレイル硫酸エステル塩、ステアリル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、炭素数10~14のアルキル硫酸エステル塩が好ましく、ラウリル硫酸ナトリウムがより好ましい。
【0025】
アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、炭素数10~22のアルコールにエチレンオキサイド(EO)を1~10モル付加させたものを硫酸エステル化して得られるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩であることが好ましい。アルコールのアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、炭素数12~18でエチレンオキサイド(EO)1~10モル付加のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ステアリルエーテル硫酸ナトリウムがより好ましい。
【0026】
なお、本明細書においてポリオキシエチレンにおける括弧内の数字は、エチレンオキサイドの付加モル数を示す。
【0027】
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもエチレンオキサイド(EO)1~20モル付加のものが好ましく、ポリオキシエチレン(13)スチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウムがより好ましい。
【0028】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ、具体的には、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもエチレンオキサイド(EO)1~20モル付加のものが好ましく、ポリオキシエチレン(7)ジノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウムがより好ましい。
【0029】
本発明に用いられる(B)成分のリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分のリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤を構成する塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。アミン塩としては、特に限定されないが、例えば、アミン化合物由来の塩等が挙げられる。
【0030】
これらの中でも、本発明の効果を発揮させる観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩が好ましい。
【0031】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数10~22、好ましくは炭素数12~18のアルコールにエチレンオキサイド(EO)が1~60モル付加されているポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。アルコールのアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンデシルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンエイコシルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルリン酸カリウム、ポリオキシエチレン(50)オレイルエーテルリン酸カリウムが好ましい。
【0032】
アルキルリン酸エステル塩としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基が炭素数8~22である、モノ又はジアルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。具体的には、特に限定されないが、例えば、オクチルリン酸エステル塩、イソオクチルリン酸エステル塩、2-エチルヘキシルリン酸エステル塩、デシルリン酸エステル塩、ラウリルリン酸エステル塩、トリデシルリン酸エステル塩、ミリスチルリン酸エステル塩、セチルリン酸エステル塩、オレイルリン酸エステル塩、ステアリルリン酸エステル塩、エイコシルリン酸エステル塩、ベヘニルリン酸エステル塩等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
(B)成分の硫酸エステル塩型及び/又はリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤の培土用撥水防止剤に対する含有量は、特に限定されないが、透水性、保水性の観点から、水を除く全量に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。また、生育障害を抑制する観点から、水を除く全量に対して、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
【0034】
本発明における(B)成分の硫酸エステル塩型及び/又はリン酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤に対する(A)成分のスルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤の質量比((A)成分/(B)成分)は、透水性、保水性を長期にわたり持続することができるという観点から、0.05~70.0が好ましい。また、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。また、生育障害の観点から、70以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
【0035】
本発明の培土用撥水防止剤は、その剤型は特に限定されず、溶液状、固体状、ゲル状等が挙げられる。その中でも、ハンドリング性の観点から、溶媒に(A)成分及び(B)成分を溶解又は分散した溶液状であることが好ましい。
溶媒としては、(A)成分及び(B)成分を溶解又は分散できるものであれば特に限定されず、水、アルコール等の有機溶媒、及びこれらの混合物等が挙げられる。
溶液とした場合における(A)成分及び(B)成分の濃度は、10質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。
アルコールを配合する場合には、その含有量は、5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0036】
アルコールとしては、炭素数1~8の1価アルコール、炭素数1~8の2価アルコール、炭素数1~8の3価アルコール、および炭素数2~8のアルコキシアルコールが挙げられ、炭素数1~8の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、ヘキサノール、メチルペンタノール、ジメチルブタノール、2-エチルブタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール等が挙げられる。
炭素数1~8の2価アルコールとしては、例えば、メタンジオール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
炭素数1~8の3価アルコールとしては、例えば、グリセリン等が挙げられる。
炭素数2~8のアルコキシアルコールとしては、例えば、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-(n-プロポキシ)エタノール、2-イソプロポキシ-1-エタノール、3-(n-プロポキシ)エタノール、2-(n-ブトキシ)エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-ブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、4-メトキシ-1-ブタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上記に例示したアルコール(C)の中でも、炭素数1~8の1価アルコール又は炭素数1~8の2価アルコールの少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0037】
本発明の培土用撥水防止剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記以外の他の成分を原料として添加することができる。このような他の成分としては、特に限定されないが、例えば、(A)成分、(B)成分以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、塩類、消泡剤、増粘剤、減粘剤、殺菌剤、溶剤、香料、着色料、pH調整剤、栄養源やミネラル等の肥料分等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0038】
(A)成分、(B)成分以外のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
カルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸塩(N-アシル-L-グルタミン酸塩、N-アシル-L-アルギニンエチル-DL-ピロリドンカルボン酸塩等)、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
【0040】
カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、N,N-ジアルキロイルオキシエチル-N-メチル,N-ヒドロキシエチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0041】
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ヒマシ油脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエタノールアミド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ピログルタミン酸脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレングリセリルピログルタミン酸脂肪酸ジエステル、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、水添レシチン、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリミノジプロピオン酸、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノジフ酢酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N-[3-アルキルオキシ-2-ヒドロキシプロピル]-L-アルギニン塩酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ジヒドロキシアルキルメチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等が挙げられる。
【0043】
(培土)
本発明の培土は、以上に説明した培土用撥水防止剤と培土成分を混合したものである。
本発明の培土は、本発明の培土用撥水防止剤を用いることにより、植物への生育障害を抑制しながら、特に、低水分環境下においても優れた透水性・保水性を発揮することが可能となる。従って、初期及び長期のいずれにおいても生育性に優れる。
【0044】
本発明の培土において、本発明の培土用撥水防止剤の添加量は、有効分換算(アニオン性界面活性剤とアルコールの合計量)で、培土用撥水防止剤以外の培土成分100質量部に対して0.001~10質量部とすることができ、0.01~10質量部が好ましく、0.01~5質量部がより好ましい。この範囲内であると、育成する植物の生育阻害を生じることなく、初期から長期にわたり安定した撥水抑制能を得ることができるため、好ましい。
【0045】
培土成分に本発明の培土用撥水防止剤を混合させる方法としては、培土成分中に均一に分散させるために、通常用いられる方法を適宜に採用することができる。例えば、本発明の培土用撥水防止剤が室温で液状である場合には原液のまま、室温で固体又はペースト状である場合には加温溶融し液状として使用することができ、あるいは水が配合された本発明の培土用撥水防止剤を、水溶液として使用することができる。これらの形態の本発明の培土用撥水防止剤を培土成分にスプレー等で噴霧後混合し、あるいは培土成分を本発明の培土用撥水防止剤に浸漬するなどして、培土成分に本発明の培養土処理用組成物を付着させることができる。
【0046】
本発明の培土において、使用する培土成分は、通常培土として使用されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、従来より培土に使用されている各種の植物性有機物質や無機物質、肥料、土等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0047】
植物性有機物質としては、特に限定されないが、例えば、ピートモス、ヤシガラ、モミガラ、オガクズ、竹粉、バガス、泥炭、草炭等が挙げられる。これらの中でも、透水性、保水性の観点から、ピートモス、ヤシガラ、モミガラ、オガクズが好ましい。
【0048】
無機物質としては、特に限定されないが、例えば、バーミキュライト、アタパルジャイト、ケイソウ土、セピオライト、ゼオライト、パーライト、珪砂、海砂、アルミナサンド、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、透水性、保水性の観点から、バーミキュライト、ケイソウ土、珪砂、海砂が好ましい。
【0049】
肥料としては、特に限定されないが、例えば、窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物、水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物、酸化亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0050】
土としては、特に限定されないが、例えば、黒ボク土、赤玉土、鹿沼土、日向土、田土等の天然土壌等が挙げられる。
【0051】
培土成分の中でも、本発明の効果が顕著に発揮される観点から、植物性有機物質であるピートモス、ヤシガラ、モミガラ、オガクズ等が含まれていることが好ましく、特に繊維状物質であるピートモス、ヤシガラが好ましい。培土成分におけるこれらのような植物性有機物質の含有量は、10体積%以上が好ましく、20~80体積%がより好ましい。
【0052】
培土中の水分量としては、例えば、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下が挙げられるが、本発明の効果が顕著に発揮される観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。培土中の水分量を低減すると、培土保管時のカビ発生防止及び寒冷地での冬季凍結防止等に有効で、農業従事者の負担軽減や輸送の効率化の目的での培土の軽量化も図ることができる。
本発明によれば、(A)成分と(B)成分を併用することで、たとえ低水分環境下であっても優れた透水性と、それに加えて優れた保水性を発揮する。さらに透水性・保水性のいずれも半年程度のような長期間にわたり維持できる。
【0053】
本発明の培土は育苗用途として好適に使用できる。
育苗前の培土は、典型的には流動が容易な粒状の状態である。培土は、袋詰めされた粒状の状態で流通可能であるので、取り扱いが容易であり、様々な形状、セル数の育苗用容器に充填可能である。このため、農業従事者がすでに保有している育苗用容器を使用することが可能であり、農産物生産の低コスト化が可能である。
【0054】
本発明の培土を用いて植物を育苗する際には、例えば、播種機を用いて市販のセルトレイに培土を充填し展圧した後、風乾により固結させ、野菜等の植物の種子を1セルに対して1粒ずつ播種機を用いて播種し、培土で覆土した後、潅水を行う等通常の作業を行い発芽させ育苗をすることができる。また、培土に、あらかじめ野菜等の植物の種子を混合したものを、市販のセルトレイに播種機を用いて充填し、展圧した後、風乾により固結させて、潅水を行う等通常の作業を行い発芽させ育苗をすることもできる。また、種子以外にも挿し木して発根させ育苗をすることもできる。本発明の培土を用いて植物を育苗した後、移植機を用いてセル苗やポット苗等を分離し、根鉢を地床に移植する。
【0055】
本発明の培土は、野菜用、水稲用等の農業用や、園芸用に用いることができる。本発明の培土による育苗の対象となる植物の種類は特に限定されず、野菜、果実、花卉、樹木、果樹等に用いることができる。具体的には、例えば、葉菜類であるチンゲンサイ、コマツナ、レタス、ハーブ等、果実を収穫対象とする果菜であるトマト、ナス、ピーマン、メロン、スイカ、イチゴ等の栽培に好適に用いることができる。
【実施例0056】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)培土用撥水防止剤の製造
各配合原料を表1A、1Bに記載した実施例、比較例に示す配合に従い、界面活性剤等の成分を室温で撹拌混合して培土用撥水防止剤を製造した。水及びアルコールは予め界面活性剤との混合液とし、この混合液を室温で添加、撹拌混合した。
【0057】
(2)培土の製造
表1A、1Bに示す培土成分を使用し、この培土成分100質量部に対して、上記培土用撥水防止剤を表1A、1Bに示す撥水防止剤の有効分換算付着量(質量部)となるように混合して培土を得た。
【0058】
(3)評価
上記において製造した各実施例及び比較例の培土用撥水防止剤及び培土について以下の評価を行った。
<撥水防止性能>
[浸水スピード]
農水省規格セルトレイ(30角、128穴)に播種機を用いて一定量の培土を充填し、展圧した後、一定量を灌水した。該水が培土中へ浸水するまで(水浮きがない状態)の時間について、5:5秒以内、4:5秒超10秒以内、3:10秒超20秒以内、2:20秒超60秒以内、1:60秒超の5段階で観察評価した。結果を表1C、1Dに示す。なお、50回目とは、1日1回一定量を灌水して50日目の評価結果である。また製造120日後及び180日後の培土は、製造後、ポリ袋に培土を充填、密閉し、30℃で保管したものである。
【0059】
[透水性]
農水省規格セルトレイ(30角、128穴)に播種機を用いて一定量の培土を充填し、展圧した後、一定量を灌水した。灌水1分後、スパチュラで培土を掘り起し、全体に対する透水性について、5:90%以上、4:90%未満80%以上、3:80%未満60%以上、2:60%未満40%以上、1:40%未満の5段階で観察評価した。結果を表1C、1Dに示す。なお、50回目とは、1日1回一定量を灌水して50日目の評価結果である。また製造120日後及び180日後の培土は、製造後、ポリ袋に培土を充填、密閉し、30℃で保管したものである。
【0060】
[保水性]
農水省規格セルトレイ(30角、128穴)に播種機を用いて一定量の培土を充填し、展圧した後、一定量を底面から吸水させた。5分後、セルトレイの質量を測定し、吸水前の培土質量(無水物)に対して、5:400%以上、4:400%未満300%以上、3:300%未満200%以上、2:200%未満150%以上、1:150%未満の5段階で観察評価した。結果を表1C、1Dに示す。なお、製造120日後及び180日後の培土は、製造後、ポリ袋に培土を充填、密閉し、30℃で保管したものである。
【0061】
<生育性>
[発芽率]
農水省規格セルトレイ(30角、128穴)に播種機を用いて一定量の培土を充填し、展圧した後、コマツナ及びレタスの種子を1ポットにつき1粒ずつ再度播種機を用いて播種し、一定量の培土で覆土し、一定量を灌水して播種作業を完了した。播種後、1日1回一定量を灌水して育苗し、製造直後と、120日後、180日後の発芽率を以下の基準で評価した。結果を表1C、1Dに示す。
◎:95%以上
〇:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
【0062】
[発根状況、子葉の展開状況]
また、コマツナの発根状況、子葉の展開状況について、以下の基準で評価した。結果を表1C、1Dに示す。
◎:良
〇:やや良
△:やや不良
×:不良
【0063】
[地上重]
さらに、発芽後の生育障害を確認するため、コマツナの地上重について、栽培開始から1ヶ月の時点で苗を全て引き抜き根に付いた土を水洗いし、地上部と根部を切り分けた後、試料の地上部と根とを別々に70℃で3日間乾燥させ、地上部の重量を測定した。コマツナ20本の平均を求め、さらに、撥水防止剤未添加(ブランク)の値を100%とした相対値を算出し、以下の基準で評価した。結果を表1C、1Dに示す。
◎:95%以上
〇:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】