(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064341
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】パレット自動梱包機を用いた結束方法およびバンド癖防止装置
(51)【国際特許分類】
B65B 13/04 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
B65B13/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172856
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000179317
【氏名又は名称】山田機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】菱木 裕介
(72)【発明者】
【氏名】保谷 文夫
(72)【発明者】
【氏名】大木 春樹
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA02
3E052BA01
3E052CA01
3E052CA08
3E052CB05
3E052CB07
3E052FA02
3E052GA02
3E052HA01
3E052JA02
3E052LA06
3E052LA07
(57)【要約】
【課題】パレット自動梱包機において、バンド癖を防止して被結束物を結束する結束方法を提供する。
【解決手段】パレット上に載荷した被結束物を囲むように立設したアーチを有するパレット自動梱包機を用いて梱包するにあたり、立設したアーチに沿わせて結束用のバンドを送り出したのち、バンドを引き戻して、バンドをアーチから外し、被結束物の外周に被結束物を一周するように巻き締めして結束する。結束に利用されずに余ったバンドをバンド貯留用プールに送り込み、次の梱包工程の前に、送り込んだバンドをすみやかにバンド貯留用プールから引き出し、備えられた平坦貯留手段に貯留する。これにより、バンドの詰まりや結束不良等の梱包作業のトラブルを減少でき、効率的な自動梱包作業を達成できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット上に載荷した被結束物を囲むように立設したアーチと、該アーチに結束用のバンドを送り出す側にバンド送出し手段と、バンド貯留用プールを有するパレット自動梱包機を用いて被結束物を結束する結束方法において、
前記立設したアーチに沿わせて前記バンドを送り出すバンド送出し工程と、
送り出した前記バンドの先端部を把持し、前記バンドを引き戻すバンド引戻し工程と、
前記バンドを前記アーチから外しながら、前記被結束物の外周に該被結束物を一周するように巻き締めする巻締め工程と、前記バンドの先端部と前記バンドの後端側を重ね合わせて、重ね合わせ部を溶着するバンド溶着工程と、
前記重ね合わせ部で前記バンドを切断するバンド切断工程と、
を有し、前記被結束物を結束し、
さらに、結束に利用されずに残った余剰の前記バンドを、前記バンド貯留用プールに送り込むバンド退避工程と、前記バンド貯留用プールに送り込まれた前記バンドの一端を引き出し、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留するバンド貯留工程と、を備えることを特徴とするパレット自動梱包機による結束方法。
【請求項2】
パレット上に載荷した被結束物を結束用のバンドで自動結束するパレット自動梱包機用のバンド癖防止装置であって、
前記被結束物を囲むように立設したアーチと、該アーチに前記バンドを送り出す側に、バンド送出し手段と、バンド貯留用プールと、を有し、
前記バンド送出し手段が、前記アーチに沿わせて前記バンドを送り出し、送り出された前記バンドを引き戻しし、かつ引き戻された前記バンドを前記バンド貯留用プールに送り込む手段であり、前記バンド貯留用プールが、送り込まれた前記バンドを一次貯留するプールであり、さらに、
一次貯留された前記バンドを、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留できるバンド貯留手段、を備えることを特徴とするパレット自動梱包機用バンド癖防止装置。
【請求項3】
前記バンド貯留用プールが、(バンド幅)~(バンド幅+5mm)のプール幅を有することを特徴とする請求項2に記載のパレット自動梱包機用バンド癖防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上に載荷した段ボール等の被結束物の外周をバンドで巻き締めするパレット自動梱包機に係り、とくに使用する結束用バンドに発生する曲がり、折れ等のバンド癖の防止に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、梱包作業では、例えば、段ボール等の被結束物をパレット上に載荷し、被結束物の外周を熱可塑性樹脂を用いたバンドで巻き回し、加熱・加圧により溶着して結束する自動梱包機が、広く利用されている。このような自動梱包機では、被結束物の周りにバンドを配置するためのバンド案内用のアーチを立設していることが多い。
【0003】
このような自動梱包機では、バンド案内用のアーチに沿ってバンドを供給したのち、供給したバンドを引き締めて、バンドをアーチから外しながら、被結束物の外周を一周するようにバンドを巻き締めする。そして、バンドの重なり部を溶着して被結束物を結束している。その際、引締めによりアーチから外され、結束に利用されなかった余ったバンドは、梱包機本体に設けられたバンド貯留用プール(以下、バックプールボックスともいう)に、一次的に貯留している(例えば、特許文献1参照)。そして、新たに梱包作業(バンド掛け)を行う際には、バンド貯留用プールに一次的に貯留されているバンドを引き出して、アーチに再び送り出している。これにより、少ない力でバンドを送り出せるとしている。
【0004】
また、バックプールボックス内のバンドプール量を一梱包ごとに必要な適量に調整する機構を具備させた自動梱包機の提案もある(例えば、特許文献2参照)。これにより、バンドの送り出しが安定し、梱包作業が支障なく行えるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-104495号公報
【特許文献2】特開平07-10117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バンド貯留用プールに一次的に貯留されているバンドをそのまま引き出して、バンド案内用アーチへ供給すると、バンド案内用アーチへの円滑な送給(送り出し)、または適正な結束に支障が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、パレット自動梱包機においてバンド案内用アーチへの円滑な送り出しが可能なように、とくに送り出すバンドの先端近傍に発生するバンド癖を防止できる結束方法およびパレット自動梱包機用バンド癖防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記した目的を達成するため、バンド貯留用プール内に一次的に貯留されたバンドの貯留状態について鋭意観察検討した。
【0009】
その結果、引き締められて、バンド貯留用プール内に送られたバンドは、バンド貯留用プール内で側壁等と衝突し、あるいはバンド同士が折り重なりあったり、複雑に湾曲したまま貯留されている場合があることを見い出した。このような貯留状態のバンドをそのまま、次の梱包作業のためバンド貯留用プールからアーチに送り出すと、曲がり、折れ等によるバンド癖に起因してアーチ内でのバンド詰まりや、正転不良等が発生することを知見した。
【0010】
そこで、本発明者らは、バンド癖の発生を防止するために、バンド貯留用プールにおけるバンドの一次貯留量をできるだけ少なくする必要があることに思い至り、バンド貯留用プールに加えて、バンド癖防止用として、バンドをねじれ等のない平坦な状態で貯留できるバンド貯留手段(平坦貯留手段)を別途設ける必要があることに、想到した。
【0011】
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
[1]パレット上に載荷した被結束物を囲むように立設したアーチと、該アーチに結束用のバンドを送り出す側に、バンド送出し手段と、バンド貯留用プールとを有するパレット自動梱包機を用いて被結束物を結束する結束方法において、
前記立設したアーチに沿わせて前記バンドを送り出すバンド送出し工程と、
送り出した前記バンドの先端部を把持し、前記バンドを引き戻すバンド引戻し工程と、
前記バンドを前記アーチから外しながら、前記被結束物の外周に該被結束物を一周するように巻き締めする巻締め工程と、前記バンドの先端部と前記バンドの後端側を重ね合わせて、重ね合わせ部を溶着するバンド溶着工程と、
前記重ね合わせ部で前記バンドを切断するバンド切断工程と、
を有し、前記被結束物を結束し、
さらに、結束に利用されずに残った余剰の前記バンドを、前記バンド貯留用プールに送り込むバンド退避工程と、前記バンド貯留用プールに送り込まれた前記バンドの一端を引き出し、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留するバンド貯留工程と、を備えることを特徴とするパレット自動梱包機による結束方法。
[2]前記バンドがポリプロピレン樹脂製バンドであることを特徴とする[1]に記載のパレット自動梱包機による結束方法。
[3]パレット上に載荷した被結束物を結束用のバンドで自動結束するパレット自動梱包機用のバンド癖防止装置であって、
前記被結束物を囲むように立設したアーチと、該アーチに前記バンドを送り出す側に、バンド送出し手段と、バンド貯留用プールと、を有し、
前記バンド送出し手段が、前記アーチに沿わせて前記バンドを送り出し、送り出された前記バンドを引き戻しし、かつ引き戻された前記バンドを前記バンド貯留用プールに送り込む手段であり、前記バンド貯留用プールが、送り込まれた前記バンドを一次貯留するプールであり、さらに、
一次貯留された前記バンドを、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留できるバンド貯留手段、を備えることを特徴とするパレット自動梱包機用バンド癖防止装置。
[4]前記バンド貯留用プールが、(バンド幅)~(バンド幅+5mm)のプール幅を有することを特徴とする[3]に記載のパレット自動梱包機用バンド癖防止装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自動梱包機に備えられるバンド貯留用プールに一次貯留するバンド量を少なくして、曲がり、折れ、ねじれ等のバンド癖のないバンドをアーチに送り出すことができ、バンドの詰まりや結束不良等の梱包作業のトラブルを減少でき、効率的な自動梱包作業を達成でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明バンド癖防止装置の概略を模式的に示す説明図である。
【
図2】本発明を適用できる自動梱包機の概略を示す説明図である。
【
図3】バンド送出しロールの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、パレット自動梱包機で被結束物を自動結束する梱包作業を行う際に、使用する結束用のバンドに発生するバンド癖を防止できる結束方法である。そして、本発明では、(バンド送出し工程)、(バンド引戻し工程)、(バンド巻締め工程)、(バンド溶着工程)、(バンド切断工程)、を有しさらに、(バンド退避工程)、(バンド貯留工程)、を備える。これにより、被結束物を結束し、結束用のバンドに発生するバンド癖を防止できる。
【0015】
本発明では、使用するパレット自動梱包機10は、
図2に示すように、少なくとも、パレット7上に載荷した被結束物1を囲むように立設したアーチ11と、該アーチ11に結束用のバンド2を送り出す側(本体部100)に、バンド送出し手段4と、バンド貯留用プール3を有するパレット自動梱包機10とする。
【0016】
さらに、本発明で使用するパレット自動梱包機10では、
図1に示すように、バンド癖防止装置としてバンド貯留手段5(平坦貯留手段5)、を備える。バンド貯留手段5(平坦貯留手段5)では、バンド貯留用プールに一次貯留されたバンドを、バンド送出し手段4により引き出し、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留することができる。
【0017】
なお、バンド2は熱可塑性樹脂製バンドを用いる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が例示できる。また、アーチ11には、U型溝を形成し、該U型溝内に、バンド2を取り外し自在に保持できる保持機構(図示せず)を有することが好ましい。特定の保持機構に限定する必要はなく、公知のバンド保持機構がいずれも適用できる。
【0018】
まず、本発明では、上記した構成のパレット自動梱包機10を用いて、バンド癖の発生を防止して、被結束物を自動結束する。
【0019】
本発明では、(バンド送出し工程)、(バンド引戻し工程)、(バンド巻締め工程)、(バンド溶着工程)、(バンド切断工程)、をこの順に有しさらに、(バンド退避工程)、(バンド貯留工程)、を備える。
【0020】
以下、各工程ごとに説明する。
(バンド送出し工程)
バンド送出し工程では、結束用のバンド2をバンドリール6から引き出し、バンド貯留用プール3を通り、バンド送出し手段4により、立設したアーチ11に沿わせて送り出す。バンド送出手段4は、バンドクランプ手段41とバンド送出しロール44を有する。
図2に示すようにバンドクランプ手段41をロール(ローラ)とすれば駆動しないときのバンド送出しロール44とによりバンドを把持することができる。バンド送出しロール44としては、例えば、駆動手段、制御手段が配設され、正逆転が可能なロールが例示できる。なお、正逆転が可能なロールであれば、例えば、正転させてバンドを送り出し、逆転させてバンドを引き戻す機能を備えることができる。
(バンド引戻し工程)
バンド引戻し工程では、送り出されたバンド2の先端部が所定の位置に到着したのち、該バンドの先端部をバンド先端部把持ロール41(バンドクランプ手段)で把持しながら、バンド送出しロール44によりバンド2を引き戻して、バンド2をアーチ11から外す。
(バンド巻締め工程)
バンド巻締め工程では、バンド2をさらに引き戻しながら、バンド引締め手段45により被結束物1の外周に該被結束物を一周するようにバンド2を巻き締めする。なお、バンド引締め手段45は、カム46により上下してバンド2を引っ張るように設けることが好ましい。
(バンド溶着工程)
バンド溶着工程では、巻き締めたのち、バンド2の先端部と後端側を重ね合わせする。そして、重ね合わせした箇所(重ね合わせ部)をバンド溶着手段42で溶着する。
(バンド切断工程)
バンド切断工程では、バンド切断手段43を用いて重ね合わせ部で、バンド2を切断して、被結束物1を結束する。
【0021】
このような一連の梱包工程は、好ましくは、
図2に示すようにパレット自動梱包機10の本体部100に配設された、バンド送出し手段4(バンドクランプ手段41、バンド送出しロール44)、バンド引締め手段45、バンド溶着手段42、バンド切断手段43を利用して行う。なお、これらバンド送出し手段4、バンド溶着手段42、バンド切断手段43、バンド引締め手段45等は、バンド貯留用プール3とともに、本体部100として、自動梱包作業を有利に行う必要から、被結束物に対して一体的に移動可能に配設されることは言うまでもない。
【0022】
本発明では、上記した一連の梱包工程の後で、次の一連の梱包工程の前に、(バンド退避工程)、(バンド貯留工程)、を備える。これにより、次の一連の梱包工程における、バンド癖の発生を防止できる。
(バンド退避工程)
バンド退避工程では、切断され、結束に利用されずに残った余剰のバンド2を、さらに、バンド送出しロール44により引き戻し、バンド貯留用プール3に送り込み、退避のため、一次貯留する。
(バンド貯留工程)
バンド貯留工程では、一次貯留されたバンド2の一端を速やかに、バンド送出しロール44によりバンド貯留用プール3から引き出し、平坦な状態で引き戻し可能にバンド貯留手段5に貯留する。ここでは、バンド貯留手段5は、バンド癖の発生を防止するために、バンドに曲がり、折れ、ねじれ等を生じることなく、平坦な状態で、貯留できる平坦貯留手段とする。ここでいう「平坦貯留手段」とは、バンドに曲がり、折れ、ねじれ等を生じることなく貯留できる平坦な領域をいうものとする。例えば、常用の自動梱包機で、バンド案内用として立設されたアーチが下部アーチ111を有する場合には、下部アーチ111は「平坦貯留手段5」として利用可能である。
【0023】
なお、使用するバンドの種類により異なるが、バンド2がポリプロピレン樹脂の場合には、バンド2を、バンド貯留用プール3に一次貯留してから、次の結束工程開始まで10s以上かかる場合に、平坦貯留手段5に送り出すことが好ましい。
【0024】
また、バンド2の一端(先端部の所定長さ)を平坦貯留手段5に貯留することにより、バンド先端部の曲がり癖の発生が抑えられる。さらに、バンド2を平坦貯留手段5に貯留することにより、バンド貯留用プール3内に貯留されるバンド量が少なくなり、バンドの曲がりや折れ、ねじれ等のバンド癖の発生量がさらに減少し、梱包作業のトラブルが減少して、梱包作業効率が向上する。
【0025】
本発明結束方法で利用するパレット自動梱包機用バンド癖防止装置は、上記した一連の梱包工程において、バンド癖の発生を防止できる装置であって、バンド送出し手段4と、バンド貯留用プール3と、を有し、さらに平坦貯留手段5を備える、ことが好ましい。
【0026】
バンド送出しロール44は例えば、正転して、パレット自動梱包機10に付設されたアーチ(バンド案内用アーチ)11に沿ってバンド2を送り出す。一方、逆転して、バンド2を引き戻し、アーチ11に送り出したバンド2をアーチ11から外すとともに、バンド貯留用プール3に送り込む。このような動作が可能なように、バンド送出しロール44には、常用の正逆転可能なモータ等の駆動手段を配設することが好ましい。また、この駆動手段には、タイマー等の制御手段が接続され、バンド送出しロール44の駆動の時期、駆動時間等を調整し、バンドの送り出し、引き戻しの時期、送り出し、引き戻すバンドの長さ等を調整することが好ましい。
【0027】
なお、バンド送出しロール44は、
図3に示すように、バンド2を挟むようにもう一本のロールとの組合せ(41、44)とすることが好ましい。一対のロールとしては、ウレタン製ロールと鋼鉄製ロールの組合せとすることが、バンド送り出しの観点から好ましい。なお、この場合、少なくとも一方のロール(バンド送出しロール)に駆動手段を配設する。
【0028】
また、上記した一連の梱包工程を行うためには、上記したバンド送出しロール44に加えてさらに、バンドの先端や、後端側を把持するバンドクランプ手段41と、巻き締めのためにバンドを引き締めるバンド引締め手段45、巻き締めしたバンドの先端と巻き締めした後端側のバンドとを重ね合わせし、重ね合わせ部分を加熱溶着するバンド溶着手段42と、バンド重ね合わせ部でバンドを切断するバンド切断手段43と、を有することが好ましい。バンドクランプ手段としては、ロール41と44との間にバンドを挟むことによるクランプ手段とすることがより好ましい。また、バンド溶着手段としては、ヒーターからなる加熱機構と加熱したバンドを加圧する加圧機構とを合わせ有し、バンドを所定の温度に加熱し、加圧し、冷却して、重ね合わせ部を溶着することができる手段とすることが好ましい。バンド切断手段としては、切断工具として常用の切断手段がいずれも適用できる。
【0029】
また、バンド貯留用プール3は、送り込まれたバンドが捻じれないように、プール幅を、ほぼバンド幅~(バンド幅+5mm)程度に調整し、ループ状に貯留できるようにすることが好ましい。
【0030】
さらに、バンド貯留手段5では、バンド貯留用プールに一次貯留されたバンドを、バンド送出し手段4により引き出し、引き戻し可能に、平坦な状態で貯留できる平坦貯留手段5とする。
【0031】
以下、実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
【実施例0032】
図2に示す、バンド案内用のアーチを立設したパレット自動梱包機を用いて、被結束物を結束した。結束用のバンドとして、ポリプロピレン樹脂製バンド(幅:15mm)を用いた。被結束物は、パレット上に載荷した段ボールの束(高さ:2000mm、幅:1500mm)とした。
【0033】
バンドリール6から引き出したバンド2を、自動梱包機内10の本体部100に配設されたバンド貯留用プール3内を通り、バンド送出し手段4を用いて、アーチ11に沿って供給(送り出し)した。そして、バンド2の先端部がバンドクランプ手段により把持されたのち、供給されたバンド2を引き戻し、アーチ11から外しながら、引き戻したバンド2をバンド貯留用プール3に送り込みながら、被拘束物1の外周を一周するように巻き締めし、バンド先端部と後端側を重ね合わせて、重ね合わせ部を溶着させて、被結束物1を結束する一連の梱包工程を行った。そして、バンド重ね合わせ部でバンドを切断し、結束に利用されなかったバンド2(余剰バンド)をバンド貯留用プール3に送り込み、一次貯留した。
【0034】
このような一連の梱包工程後に、直ちに、バンド送出し手段4(バンド送出しロール44)を駆動させて、一次貯留したバンド2の先端から所定長さ(2.6m)をバンド貯留用プール3から引き出し、
図1に示す平坦貯留手段5に貯留させ、次の梱包工程の前に、平坦貯留手段5で、次の結束工程開始まで貯留した(本発明例)。
【0035】
その結果、本発明例では、バンドの曲がり等の発生はなく、アーチへのバンドの送り出し、被結束物の結束は円滑に行えた。
【0036】
また、比較例として、一次貯留したバンド2をバンド貯留用プール3から引き出さないまま、所定の時間(1hr)経過後、次の梱包工程を行った。
【0037】
平坦貯留手段へのバンドの貯留を行わない比較例では、バンドの曲がり、折れ等が発生し、アーチへのバンドの円滑な供給(送り出し)とはならず、梱包作業効率が低下した。