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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064352
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20240507BHJP
   A45F 3/04 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A45C3/00 Q
A45F3/04 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172872
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】395012341
【氏名又は名称】スワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳也
【テーマコード(参考)】
2E181
3B045
【Fターム(参考)】
2E181BB00
2E181BD01
3B045AA22
3B045AA35
3B045CE07
3B045EA02
3B045GA01
3B045GA03
(57)【要約】
【課題】ポケットへの収納物の収納量が制限されず、手提げ用、肩掛け用として使用するときには、背負いベルトの着脱具が邪魔にならず、背負い用として使用するときには、使用感がよいバッグを提供する。
【解決手段】上面部1、両側面部2、両マチ部3、および底面部4から構成されている。上面部には、開閉自在とした開口部が設けられ、上面部の上方には、提げ手5が配されている。底面部には、一方のマチ部に近付けて開口部12を形成したポケット13が設けられている。ポケットの内部には、開口部に近い部分に、基端を連結した一対の背負いベルト14が設けられ、さらに開口部に近い部分に、基端を連結した背当てパッド15が背負いベルトの内側になるようにして設けられている。背負いベルトの先端および背当てパッドの先端には着脱具を取り付け、これらの先端を、底面部の他方のマチ部に近付けて取り付けた着脱具に連結できるようにしている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部、両側面部、両マチ部、および底面部から構成され、
前記上面部には、開閉自在とした開口部が設けられており、この上面部の上方には、提げ手が配されるようにしており、
前記底面部には、一方のマチ部に近付けて開口部を形成したポケットが設けられ、このポケットの内部には、前記開口部に近い部分に、基端を連結した一対の背負いベルトが設けられており、
さらに、前記開口部に近い部分に、基端を連結した背当てパッドが前記背負いベルトの内側になるようにして設けられており、
前記背負いベルトの先端には着脱具を取り付けており、この背負いベルトの先端を、底面部の他方のマチ部に近付けて取り付けた着脱具に着脱自在として連結できるようにしており、
前記背当てパッドの先端には着脱具を取り付けており、この背当てパッドの先端を、底面部の他方のマチ部に近付けて取り付けた着脱具に着脱自在として連結できるようにしていることを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記上面部の上方には、肩掛けベルトが配されるようにしていることを特徴とする請求項1記載のバッグ。
【請求項3】
前記側面部には、開閉自在としたポケットが設けられており、前記マチ部には、開閉自在としたポケットが設けられていると共に、一方のマチ部には、予備の提げ手を設けていることを特徴とする請求項1または2記載のバッグ。
【請求項4】
前記背負いベルトの内部および背当てパッドの内部には、クッション材が装填されており、この背負いベルトの内側および背当てパッドの外側は、通気性素材からなるものとしていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手提げ用、背負い用または肩掛け用として使用することができるバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバッグとしては、例えば図7、8に示したようなものが存在する。このバッグは、バッグ本体21の上部の一方側から他方側へ垂れかけるようにして蓋をする片開きの上蓋22を有しており、この上蓋22の上面部に、手提げ用として使用するときの提げ手23が設けられている。
【0003】
また、前記バッグ本体21における両横のマチ部24相互間には、バックルのような着脱具25を介して肩掛けベルト26を掛け渡たすこともできるようになっており、これによって肩掛け用として使用することもできる。
【0004】
さらに、前記バッグ本体21における一方の側面27には、バッグ本体21の上面部よりやや低い位置に開口部28を形成したポケット29が設けられている。このポケット29の開口部28にはファスナー30が設けられており、開閉自在となっている。そして、このポケット29の内部には、開口部28に近い部分に基端を連結した一対の背負いベルト31が設けられている。
【0005】
前記背負いベルト31の先端部と、バッグ本体21における側面27の下部側とには、雌雄の対を成すバックルのような着脱具32が設けられており、ポケット29から背負いベルト31を引き出したときに、この背負いベルト31をバッグ本体21に対して輪状に連結させることができるようにしている。
【0006】
そして、前記背負いベルト31は、図7に示したように、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときは、ポケット29の内部へ収納した状態にするようにしており、図8に示したように、背負い用として使用するときは、ポケット29の内部から外方へ引き出して、その先端側をバッグ本体21の下部側に連結した状態にするようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3077635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたバッグでは、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときは、バッグ本体21における一方の側面27に設けたポケット29に背負いベルト31を収納するようにしているために、このポケット31に他の収納物を収納する場合には、その収納量が制限されるという課題を有していた。
【0009】
また、前記特許文献1に記載されたバッグでは、バッグ本体21における側面27の下部側に着脱具32が設けられているため、前記ポケット29に背負いベルト31を収納したときにも、この着脱具32が残ってバッグ本体21の側面27に突き出ているので、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときは、この着脱具32が邪魔になったり、外観を悪くしたりするという課題を有していた。
【0010】
さらに、前記特許文献1に記載されたバッグでは、背負い用として使用するときは、使用者の背中がバッグ本体21の側面27に直に接触するので、使用感が良くなかったり、使用者が背中に汗をかいている場合などには、バッグ本体21の側面27を濡らしてしまったりするという課題を有していた。
【0011】
そこで、本発明は、従来の課題を解決するものであり、バッグ本体の側面にポケットを設けた場合にも、このポケットへの他の収納物の収納量が制限されるということがなく、さらに背負いベルトを連結させる着脱具が、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときに邪魔になったり、外観を悪くしたりすることがなく、しかも背負い用として使用するときに、使用感が良いものとなり、使用者が背中に汗をかいている場合などにも、バッグ本体を濡らしてしまうことのないバッグを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のバッグは、上面部1、両側面部2、両マチ部3、および底面部4から構成されている。そして、前記上面部1には、開閉自在とした開口部が設けられており、この上面部1の上方には、提げ手5が配されるようにしている。前記底面部4には、一方のマチ部3に近付けて開口部12を形成したポケット13が設けられている。このポケット13の内部には、前記開口部12に近い部分に、基端を連結した一対の背負いベルト14が設けられており、さらに前記開口部12に近い部分に、基端を連結した背当てパッド15が前記背負いベルト14の内側になるようにして設けられている。前記背負いベルト14の先端には着脱具16を取り付けており、この背負いベルト14の先端を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具16に着脱自在として連結できるようにしている。前記背当てパッド15の先端には着脱具17を取り付けており、この背当てパッド15の先端を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具17に着脱自在として連結できるようにしている。
【0013】
また、本発明のバッグにおいて、前記上面部1の上方には、肩掛けベルト6が配されるようにしている。
【0014】
さらに、本発明のバッグにおいて、前記側面部2には、開閉自在としたポケット9が設けられており、前記マチ部3には、開閉自在としたポケット10が設けられていると共に、一方のマチ部3には、予備の提げ手11を設けている。
【0015】
また、本発明のバッグにおいて、前記背負いベルト14の内部および背当てパッド15の内部には、クッション材18が装填されており、またこの背負いベルト14の内側および背当てパッド15の外側は、通気性素材19からなるものとしている。
【発明の効果】
【0016】
本発明のバッグは、バッグ本体の側面部にポケットを設けた場合にも、このポケットには背負いベルトを収納するようにしていないので、このポケットへの他の収納物の収納量が制限されるということがない。
【0017】
また、本発明のバッグは、背負いベルトを連結させる着脱具がバッグ本体の側面部に突き出ていないので、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときには、着脱具が邪魔になったり、外観を悪くしたりすることがない。
【0018】
さらに、本発明のバッグは、背負い用として使用するときに、使用者の背中がバッグ本体に接触しても使用感が良いものとなり、使用者が背中に汗をかいている場合などにも、バッグ本体を濡らしてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のバッグを手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示す本発明のバッグを底面側から見たときの形態を示す斜視図である。
図3図1に示す本発明のバッグの背負いベルトおよび背当てパッドを、底面に設けたポケットの外に出したときの形態を示す斜視図である。
図4図1に示す本発明のバッグを背負い用として使用するときの形態を示す斜視図である。
図5図2中のA-A線による本発明のバッグの拡大断面図である。
図6図4中のB-B線による本発明のバッグの拡大断面図である。
図7】従来のバッグを手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときの形態を示す斜視図である。
図8図7に示す従来のバッグを背負い用として使用するときの形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のバッグを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本発明のバッグは、図1~4に示したように、上面部1、両側面部2、両マチ部3、および底面部4から構成されており、内部に主要な荷物を収納できるようにしている。
【0022】
このような本発明のバッグとしては、中ほどに膨らみをもち、底面部4は大きめの略長方形で、一対の提げ手5のほかに肩掛けベルト6などが取り付けられている、いわゆるボストンバッグと呼ばれている形態のバッグとするのが好ましい。そして、前記底面部4は、使用者の背中と略同等か、背中の半分以上の面積となるようにするのが好ましく、例えば縦が20~30cm、横が40~50cm程度とすることができる。
【0023】
前記上面部1には、開口部が設けられており、その両端を両マチ部3にかけたものとしており、ファスナーfによって開閉自在としている。この上面部1の上方には、両側面部2の上部に連結された一対の提げ手5が配されると共に、両マチ部3の上部に連結された肩掛けベルト6が配されるようにしている。提げ手5は、両側面部2の上部に縫着することにより連結されており、必要に応じて提げ手5を束ねておくための巻帯7が取り付けられている。肩掛けベルト6は、両マチ部3の上部に着脱具8を介して連結されており、不使用時には取り外しておくこともできる。なお、前記着脱具8は、肩掛けベルト6の両端に取り付けたナス環と、両マチ部3の上部に取り付けたD環としているが、このようなものに限定されることはない。
【0024】
前記側面部2には、ファスナーfによって開閉自在としたポケット9が設けられている。図示したものでは、ポケット9は、一方の側面部2に設けたものとしているが、両方の側面部2に設けたものとしてもよい。
【0025】
前記マチ部3には、ファスナーfによって開閉自在としたポケット10が設けられている。図示したものでは、ポケット10は、一方のマチ部3に設けたものとしているが、両方のマチ部3に設けたものとしてもよい。また、一方のマチ部3には、予備の提げ手11を設けておくこともできる。この提げ手11は、マチ部3に縫着したものとしており、バッグを短距離持ち歩いたり、短時間提げておくときなどに使用するようにしている。
【0026】
前記底面部4には、一方のマチ部3に近付けて開口部12を形成したポケット13が設けられている。このポケット13の開口部12にはファスナーfが設けられており、開閉自在となっている。また、このポケット13の内部には、前記開口部12に近い部分に、基端を連結した一対の背負いベルト14が設けられており、さらに前記開口部12に近い部分に、基端を連結した背当てパッド15が前記背負いベルト14の内側になるようにして設けられている。
【0027】
前記背負いベルト14の基端および背当てパッド15の基端は、ポケット13の内部に縫着することにより連結しているが、適当な連結具などを用いて連結してもよい。また、前記背負いベルト14の基端および背当てパッド15の基端は、ポケット13の内部に着脱不能に連結しているが、適当な着脱具などを用いて着脱自在に連結してもよい。
【0028】
前記背負いベルト14の先端には着脱具16の一方を取り付けており、この背負いベルト14の先端を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具16の他方に着脱自在として連結できるようにしている。なお、この背負いベルト14には、長さ調節ベルト14aを介して、背負いベルト14を長くしたり短くして、使用者の背中にフィットするようにしている。また、前記背負いベルト14の先端に取り付けた着脱具16の一方はナス環としており、マチ部3に近付けて取り付けた着脱具16の他方はD環としているが、このようなものに限定されることはない。
【0029】
前記背当てパッド15は、底面部4の略全面に沿う形態としており、先端の内面には着脱具17の一方を取り付けており、この背当てパッド15の先端を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具17の他方に着脱自在として連結できるようにしている。前記背当てパッド15の先端の内面に取り付けた着脱具17の一方は面ファスナーのループ側としており、マチ部3に近付けて取り付けた着脱具17の他方は面ファスナーのフック側としているが、ループ側とフック側を逆にしてもよく、またこのようなものに限定されることもない。なお、前記背当てパッド15は、底面部4の略全面を被うようにして、使用者の背中との接触面を広くなるようにするのが好ましい。
【0030】
前記背負いベルト14の内部および背当てパッド15の内部には、クッション材18が装填されており、使用者がバッグを背負ったときに圧迫感などを感じないようにしており、またこの背負いベルト14の内側(使用者の体に接触する側)および背当てパッド15の外側(使用者の体に接触する側)は、メッシュ生地などに通気性素材19からなるものとしており、使用者がバッグを背負ったときに快適感などを感じるようにしている。
【0031】
以上のように構成された本発明のバッグは、図1に示したように、底面4を下にしてテーブルや床などに置いた状態から、提げ手5に巻いた巻帯7に手を掛けて、そのまま提げ手5を持ち上げれば、手提げ用として使用することができる。このとき、肩掛けベルト6が邪魔になるようならば、この肩掛けベルト6は、両マチ部3の上部に着脱具8を介して連結されているので、取り外しておくこともできる。
【0032】
また、本発明のバッグは、図1に示したように、底面4を下にしてテーブルや床などに置いた状態から、肩掛けベルト6に手を掛けて、この肩掛けベルト6を上面部1の上方に持ち上げ使用者の肩に掛ければ、肩掛け用として使用することができる。
【0033】
さらに、本発明のバッグは、図2に示したように、一方のマチ部3に設けた予備の提げ手11を上にしてテーブルや床などに置いた状態から、この予備の提げ手11に手を掛けて持ち上げれば、短距離持ち歩いたり、短時間提げておくときなどに、手提げ用として使用することができる。
【0034】
このように本発明のバッグを手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときには、背負いベルト14が底面部4に設けたポケット13に収納されているので、側面部2に設けたポケット9には、背負いベルト14を収納する必要がなく、この背負いベルト14によって、ポケット9の収納量が制限されるということがない。
【0035】
また、本発明のバッグは、手提げ用としたり、肩掛け用として使用するときにも、背負いベルト14を連結させる着脱具16の一方が側面部2には突き出ることなく、底面部4に突き出ているので、使用者に接触したり、目に触れることがなく、この着脱具16の一方が邪魔になったり、外観を悪くしたりすることがない。
【0036】
次に、本発明のバッグは、図2に示した状態から、底面部4に設けたポケット13の開口部12のファスナーfを開いて、ポケット13の内部から背負いベルト14と背当てバッド15を取り出し、図3に示した状態にする。この図3に示した状態から、背当てバッド15の先端の内面の着脱具17の一方を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具17の他方に連結して、背当てバッド15が底面部4に沿うようにする。さらに、背負いベルト14の先端の着脱具16の一方を、底面部4の他方のマチ部3に近付けて取り付けた着脱具16の他方に連結して、背負いベルト14を底面部4の前方に位置するようにして、図4に示した状態にする。
【0037】
そして、本発明のバッグは、図4に示した状態の背負いベルト14と底面部4の間に手を通して、使用者の背中を底面部4の背当てバッド15に接触させれば、背負い用として使用することができる。この背負い用として使用するときには、使用者の背中に底面部4の背当てバッド15が接触するので、使用者の背中が圧迫感などを感じることなく、使用感がよいものとなる。また、背負いベルト14の内側および背当てパッド15の外側は、通気性素材19からなるものとしているので、使用者が快適感などを感じるとともに、使用者が背中に汗をかいている場合などにも、バッグ本体を濡らしてしまうことがない。
【符号の説明】
【0038】
1 上面部
2 側面部
3 マチ部
4 底面部
5 提げ手
6 肩掛けベルト
9 ポケット
10 ポケット
11 提げ手
12 開口部
13 ポケット
14 背負いベルト
15 背当てパッド
18 クッション材
19 通気性素材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8