(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064359
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】センサ信号変換器
(51)【国際特許分類】
H03M 1/12 20060101AFI20240507BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H03M1/12 A
H04R3/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172891
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000145806
【氏名又は名称】株式会社小野測器
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大島 良太
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 英昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 計
(72)【発明者】
【氏名】清水 一博
【テーマコード(参考)】
5D220
5J022
【Fターム(参考)】
5D220BC08
5J022AA01
5J022BA08
5J022CC01
5J022CF09
(57)【要約】
【課題】計測センサの計測信号を変換してコンピュータ端末に伝送するセンサ信号変換器であって、伝送対象となるコンピュータ端末に、その計測センサ専用のアプリケーションやドライバが不要となるセンサ信号変換器を提供する。
【解決手段】センサ信号変換器20は、コンピュータ端末にUSB接続され、計測センサの出力信号に含まれるアナログの計測信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号(伝送信号)としてコンピュータ端末に伝送する。センサ信号変換器20は、計測センサに応じたゲインが規定されたゲイン情報に基づいてゲインを設定する処理を実行するゲイン制御部21と、設定されたゲインに基づいて計測信号を正規化する正規化部22と、正規化された計測信号をデジタル信号に変換する変換部23と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ端末にUSB接続され、計測センサの計測値を示すアナログの計測信号をデジタル信号に変換し、前記変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号として前記コンピュータ端末に伝送するセンサ信号変換器であって、
前記計測センサに応じたゲインが規定されたゲイン情報に基づいてゲインを設定する処理を実行するゲイン制御部と、
前記設定されたゲインに基づいて前記計測信号を正規化する正規化部と、
前記正規化された計測信号を前記デジタル信号に変換する変換部と、を備える
センサ信号変換器。
【請求項2】
前記計測センサの出力信号が、前記計測信号と当該計測センサの感度を示す感度信号とを含み、
前記ゲイン情報には、前記感度信号に応じたゲインが規定されており、
前記ゲイン制御部は、前記感度信号を取得し、前記取得した感度信号と前記ゲイン情報とに基づいてゲインを設定する
請求項1に記載のセンサ信号変換器。
【請求項3】
前記センサ信号変換器は、
前記出力信号が前記ゲイン制御部に入力されて前記ゲイン制御部が前記感度信号を取得してゲインを設定するゲイン設定状態と前記出力信号が前記正規化部に入力されて前記正規化部が前記計測信号を正規化する正規化状態とを有し、
前記ゲイン制御部によって制御されて前記出力信号の入力先を前記ゲイン制御部と前記正規化部との間で切り替える切替スイッチをさらに備える
請求項2に記載のセンサ信号変換器。
【請求項4】
前記センサ信号変換器は、前記ゲイン設定状態と前記正規化状態との間で切り替える手動スイッチをさらに備え、
前記ゲイン制御部は、前記手動スイッチの操作に応じて前記切替スイッチを制御する処理を実行する
請求項3に記載のセンサ信号変換器。
【請求項5】
前記ゲイン制御部は、
前記センサ信号変換器への前記計測センサの接続を契機として前記出力信号の入力先を一時的に前記ゲイン制御部に切り替える
請求項3に記載のセンサ信号変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測センサの計測値を示すアナログの計測信号を正規化してデジタル信号に変換し、USB Audio Classの信号として伝送するセンサ信号変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、騒音やスピーカなどの音圧を計測する音圧センサは、音圧に応じたアナログの計測信号を出力する。こうしたアナログの計測信号に基づく計測値をコンピュータ端末に取り込むことにより、各種のデータ処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、音圧センサが出力する計測信号のスケールは機種ごとに様々である。そのため、機種ごとの計測値の比較といったデータ処理をコンピュータ端末で行う場合にはスケールの正規化が必要となる。こうしたスケールの正規化は計測値に高い精度が求められる場合に重要であることから、音圧センサの機種ごとに専用のアプリケーションやドライバがコンピュータ端末に必要とされていた。なお、こうしたことは、音圧センサに限らず、各種の計測センサにおいて共通するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するセンサ信号変換器は、コンピュータ端末にUSB接続され、計測センサの計測値を示すアナログの計測信号をデジタル信号に変換し、前記変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号として前記コンピュータ端末に伝送する。前記センサ信号変換器は、前記計測センサに応じたゲインが規定されたゲイン情報に基づいてゲインを設定する処理を実行するゲイン制御部と、前記設定されたゲインに基づいて前記計測信号を正規化する正規化部と、前記正規化された計測信号を前記デジタル信号に変換する変換部と、を備える。
【0006】
上記構成によれば、計測信号の正規化が計測センサに応じたゲインで行われる。そして、正規化後の計測信号を変換したデジタル信号がUSB Audio Classの信号としてコンピュータ端末に出力される。その結果、センサ信号変換器の伝送対象となるコンピュータ端末に専用のアプリケーションやドライバが不要となる。
【0007】
上記構成のセンサ信号変換器に伝送される計測センサの出力信号は、前記計測信号と当該計測センサの感度を示す感度信号とを含み、前記ゲイン情報には、前記感度信号に応じたゲインが規定されていてもよい。この場合、前記ゲイン制御部は、前記感度信号を取得し、前記取得した感度信号と前記ゲイン情報とに基づいてゲインを設定する。
【0008】
上記構成によれば、計測センサの感度信号に基づいてゲインを設定することができる。これにより、センサ信号変換器に接続される計測センサが変更されたとしても、変更後の計測センサに応じたゲインを設定することができる。
【0009】
上記構成のセンサ信号変換器は、前記出力信号が前記ゲイン制御部に入力されて前記ゲイン制御部が前記感度信号を取得してゲインを設定するゲイン設定状態と前記出力信号が前記正規化部に入力されて前記正規化部が前記計測信号を正規化する正規化状態とを有し、前記ゲイン制御部によって制御されて前記出力信号の入力先を前記ゲイン制御部と前記正規化部との間で切り替える切替スイッチをさらに備えていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、例えばセンサ信号変換器への計測センサの接続を契機としてゲイン制御部が出力信号の入力先を一時的にゲイン制御部に切り替えることにより、ゲイン制御部による感度信号の取得およびゲインの設定を行うことができる。そのため、センサ信号変換器に接続される計測センサが変更されたとき、変更後の計測センサに応じたゲインの設定を行うことができる。
【0011】
上記構成のセンサ信号変換器は、前記ゲイン設定状態と前記正規化状態との間で切り替える手動スイッチをさらに備え、前記ゲイン制御部は、前記手動スイッチの操作に応じて前記切替スイッチを制御する処理を実行してもよい。この構成によれば、手動スイッチによってセンサ信号変換器の状態を切り替えることができるため、変更後の計測センサに応じたゲインの設定をより確実に行うことができる。
【0012】
上記構成のセンサ信号変換器において、前記ゲイン制御部は、前記センサ信号変換器への前記計測センサの接続を契機として前記出力信号の入力先を一時的に前記ゲイン制御部に切り替えてもよい。この構成によれば、センサ信号変換器に計測センサが接続されることで自動的に感度信号の取得およびゲインの設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】センサ信号変換器の使用例を模式的に示す図である。
【
図2】センサ信号変換器の第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態のセンサ信号変換器の具体例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態のセンサ信号変換器の具体例を示すブロック図である。
【
図5】センサ信号変換器の第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】センサ信号変換器の第3実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1~
図4を参照して、センサ信号変換器の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、センサ信号変換器20には、計測センサ10とコンピュータ端末15とが接続される。計測センサ10は、例えばマイクロホンや加速度センサである。センサ信号変換器20は、コンピュータ端末15に対してUSB接続される。センサ信号変換器20は、電源が内蔵されていてもよいし、USB接続されたコンピュータ端末15から電源が供給されてもよい。計測センサ10は、計測値を示すアナログの計測信号を含む出力信号をセンサ信号変換器20に出力する。センサ信号変換器20は、計測センサ10からの計測信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号(伝送信号)としてコンピュータ端末15に伝送する。
【0015】
このようにして正規化された計測センサ10の計測値がコンピュータ端末15に伝送されることにより、正規化後の計測値に基づいて計測センサ10の校正(感度設定)や機種ごとの計測値の比較などを行うことができる。なお、センサ信号変換器20は、特定の機能を有する機器にOTG(On-The-Go)ケーブルを介してUSB接続することもできる。
【0016】
図2に示すように、センサ信号変換器20は、ゲイン制御部21、正規化部22、変換部23を備える。
ゲイン制御部21は、たとえばcircuitry、すなわち、ASICのような1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上の処理回路、或いは両者の組み合わせによって実現することができる。処理回路は、CPUと、CPUによって実行されるプログラムを記憶したメモリ(ROMおよびRAM等)と、を有する。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0017】
ゲイン制御部21は、正規化部22が計測信号を正規化する際のゲインを設定する。ゲイン制御部21は、ゲイン情報記憶部25を有する。ゲイン情報記憶部25は、計測センサ10に応じたゲインが規定されたゲイン情報、具体的には計測センサ10の機種とその機種に対応するゲインとが規定されたゲイン情報を記憶している。ゲイン制御部21は、ゲイン情報記憶部25が記憶するゲイン情報に基づいてゲインを設定する。
【0018】
正規化部22は、ゲイン制御部21が設定したゲインに基づいて計測信号を正規化する。正規化された計測信号は、USB Audio Classに対応するスケールのアナログ信号となる。正規化部22は、例えば、増幅度Aで計測信号を増幅するアンプ回路と、アンプ回路の出力の一部を帰還率βで帰還させる帰還回路と、によって構成される。こうした構成において、ゲイン制御部21は、帰還回路における帰還率βを調整することにより、計測センサ10に応じたゲインを設定する。正規化部22は、正規化した計測信号を変換部23に出力する。変換部23は、正規化部22が正規化した計測信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号(伝送信号)としてコンピュータ端末15に伝送する。
【0019】
図3および
図4を参照して、ゲイン制御部21によるゲイン設定の具体例について説明する。
例えば、
図3に示すように、ゲイン制御部21は、センサ信号変換器20の筐体に設けられたセンサ選択スイッチ26の操作に基づいてゲインを設定する。センサ選択スイッチ26は、手動操作可能なスイッチであって、センサ信号変換器20に接続される計測センサ10の機種を指定するスイッチである。こうした構成のセンサ信号変換器20においては、選択中の計測センサ10の機種名が表示される表示部27が設けられていることが好ましい。
【0020】
また例えば、
図4に示すように、ゲイン制御部21は、USB接続されたコンピュータ端末15などの外部端末28から入力される計測センサ10の機種に基づいてゲインを設定する構成であってもよい。この場合、ゲイン制御部21は、センサ信号変換器20と外部端末28とがUSB接続されると、ゲイン情報に規定されている計測センサ10を示すセンサ情報を外部端末28に出力する。外部端末28においては、そのセンサ情報に基づいて計測センサ10の機種選択が行われる。
【0021】
なお、ゲイン情報は、メーカー側において、センサ信号変換器20に接続された外部端末28を通じて書換え可能であることが好ましい。こうした構成によれば、ユーザーからの要望などに応じてゲイン情報に更新することができる。また、ゲイン情報は、センサ信号変換器20に接続される計測センサ10が特定のセンサである場合、その計測センサ10に対応するゲインのみが規定されている構成であってもよい。
【0022】
第1実施形態の作用および効果について説明する。
(1-1)センサ信号変換器20においては、計測信号の正規化が計測センサ10に応じたゲインで行われるとともに、正規化後の計測信号を変換したデジタル信号がUSB Audio Classの信号としてコンピュータ端末15に出力される。これにより、計測センサ10の計測信号が所定のスケールのもとでデジタル信号に変換されることから、センサ信号変換器20の伝送対象となるコンピュータ端末15に専用のアプリケーションやドライバが不要となる。
【0023】
(1-2)センサ信号変換器20が表示部27を有することにより、選択中の計測センサ10を表示部27に表示させることができる。これにより、計測センサ10に応じたゲインをより確実に設定することができるとともに、ゲイン情報に規定できる計測センサ10の数を増やすことができる。また、ゲイン情報に規定されている計測センサ10をセンサ選択スイッチ26の操作で順番に表示させることもできるため、センサ選択スイッチ26のスイッチ形状の自由度を高めることもできる。
【0024】
(1-3)センサ信号変換器20から外部端末28にセンサ情報が出力され、その外部端末28において機種選択できることで、センサ信号変換器20に表示機能が不要となる。これにより、センサ信号変換器20の構成の複雑化を抑えることができる。
【0025】
(1-4)ゲイン情報が書換え可能であることにより、センサ信号変換器20の汎用性を高めることができる。
(1-5)センサ信号変換器20を用いることで、加速度センサやマイクロホンといった高い精度が求められるセンサの出力が正確となるように感度補正することができる。
【0026】
(第2実施形態)
図5を参照して、センサ信号変換器の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態のセンサ信号変換器は、第1実施形態のセンサ信号変換器と同じ構成を備える。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同じ構成については同じの符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0027】
図5に示すように、計測センサ10は、TEDS(Transducer Electronic Data Sheet)情報を組み込んだセンサである。計測センサ10は、アナログの計測信号のほか、自身の感度を示すデジタルの感度信号を含む出力信号を出力する。
【0028】
センサ信号変換器30は、ゲイン制御部31、正規化部22、変換部23、手動スイッチ32、および、切替スイッチ33を備える。
ゲイン制御部31は、正規化部22が計測信号を正規化する際のゲインを設定する。ゲイン制御部31は、ゲイン情報記憶部35を有する。ゲイン情報記憶部35は、計測センサ10の出力信号に含まれる感度信号に基づく感度と各感度に応じたゲインとが規定されたゲイン情報を記憶している。ゲイン制御部31は、計測センサ10の出力信号が入力されると該出力信号に含まれる感度信号に基づいて感度を取得する。そして、ゲイン制御部31は、その取得した感度とゲイン情報とに基づいて正規化部22のゲインを設定する。
【0029】
手動スイッチ32は、センサ信号変換器30の筐体に設けられている手動操作可能なスイッチである。手動スイッチ32は、手動操作により設定位置と正規化位置との間で切替可能に構成されている。手動スイッチ32は、スイッチ位置が設定位置に切り替えられると設定位置信号をゲイン制御部31に出力する。また手動スイッチ32は、スイッチ位置が正規化位置に切り替えられると正規化位置信号をゲイン制御部31に出力する。ゲイン制御部31は、手動スイッチ32からの信号に基づいて切替スイッチ33を制御する。
【0030】
切替スイッチ33は、出力信号の入力先をゲイン制御部31と正規化部22との間で切替可能なスイッチである。ゲイン制御部31は、手動スイッチ32から設定位置信号が入力されると、計測センサ10の出力信号の入力先をゲイン制御部31に切り替える。ゲイン制御部31は、手動スイッチ32から正規化位置信号が入力されると、計測センサ10の出力信号の入力先を正規化部22に切り替える。
【0031】
手動スイッチ32が設定位置にあるとき、センサ信号変換器30は、ゲイン設定状態にある。ゲイン設定状態においては、計測センサ10の出力信号がゲイン制御部31に入力されることでゲイン制御部31によってゲインが設定される。
【0032】
手動スイッチ32が正規化位置にあるとき、センサ信号変換器30は、正規化状態にある。正規化状態においては、計測センサ10の出力信号が正規化部22に入力される。正規化部22は、ゲイン制御部31が設定したゲインに基づいて、計測センサ10の出力信号に含まれる計測信号を正規化し、その正規化した計測信号を変換部23に出力する。変換部23は、正規化部22が正規化した計測信号をデジタル信号に変換し、その変換したデジタル信号をUSB Audio Classの信号(伝送信号)としてコンピュータ端末15に出力する。
【0033】
第2実施形態のセンサ信号変換器30によれば、第1実施形態に記載した(1-1)に準ずる効果のほか、以下に記載する作用および効果を得ることができる。
(2-1)センサ信号変換器30によれば、計測センサ10の感度信号に基づいてゲインが設定される。これにより、センサ信号変換器30に接続される計測センサ10が変更されたとしても、変更後の計測センサ10に応じたゲインを設定することができる。
【0034】
(2-2)手動スイッチ32によってセンサ信号変換器30の状態を切り替えることができる。これにより、センサ信号変換器30に接続される計測センサ10が変更されたとしても、変更後の計測センサ10に応じたゲインの設定をより確実に行うことができる。
【0035】
(第3実施形態)
図6を参照して、センサ信号変換器の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態のセンサ信号変換器は、第2実施形態のセンサ信号変換器と同じ構成を備える。そのため、第3実施形態においては、第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第2実施形態と同様の構成には同じの符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0036】
図6に示すように、計測センサ10は、TEDSセンサである。計測センサ10は、アナログの計測信号のほか、自身の感度を示すデジタルの感度信号を含む出力信号を出力する。
【0037】
センサ信号変換器40は、ゲイン制御部41、正規化部22、変換部23、および、切替スイッチ33を備える。
ゲイン制御部41は、センサ信号変換器40のセンサ接続端子42への計測センサ10の接続を契機として、該計測センサ10からの出力信号の入力先を一時的にゲイン制御部41に設定する。すなわち、ゲイン制御部41は、センサ信号変換器40への計測センサ10の接続を契機として切替スイッチ33を制御することにより、センサ信号変換器40を一時的にゲイン設定状態に制御する。
【0038】
ゲイン制御部41は、計測センサ10の出力信号に含まれる感度信号に基づいてゲインを設定すると、計測センサ10の出力信号の入力先が正規化部22となるように切替スイッチ33を制御することでセンサ信号変換器40を正規化状態へと制御する。
【0039】
第3実施形態のセンサ信号変換器40によれば、第1実施形態に記載した(1-1)、第2実施形態に記載した(2-1)に準ずる効果のほか、以下に記載する作用および効果を得ることができる。
【0040】
(3-1)センサ信号変換器40においては、計測センサ10が接続されると自動的にゲイン設定状態に制御されたのち正規化状態へと制御される。これにより、センサ信号変換器40に計測センサ10が接続されるだけで自動的に感度信号の取得およびゲインの設定を行うことができる。その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0041】
以上、センサ信号変換器の第1~第3実施形態について説明したが、本発明は上記の第1~第3実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、第1~第3実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・上記実施形態においては、センサ信号変換器に接続される計測センサ10をマイクロホンや加速度センサとした。これに限らず、計測センサ10は、例えば速度センサや電圧センサ、電流センサ、音圧センサなどであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…計測センサ、15…コンピュータ端末、20…センサ信号変換器、21…ゲイン制御部、22…正規化部、23…変換部、25…ゲイン情報記憶部、26…センサ選択スイッチ、27…表示部、28…外部端末、30…センサ信号変換器、31…ゲイン制御部、32…手動スイッチ、33…切替スイッチ、35…ゲイン情報記憶部、40…センサ信号変換器、41…ゲイン制御部、42…センサ接続端子。