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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064380
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/16 20220101AFI20240507BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240507BHJP
【FI】
G06V40/16 A
G06T7/00 510F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172933
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 剛史
(72)【発明者】
【氏名】染川 淳
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 聡司
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA04
5B043DA05
5B043FA07
5B043FA10
5B043GA01
5B043GA17
(57)【要約】
【課題】認証処理を効率化することができる。
【解決手段】情報処理装置10は、顔画像の撮影条件に対応付けられた第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・を記憶する。情報処理装置10は、認証用顔画像1の入力を受け付けると、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの認証用顔画像1の撮影条件に対応する条件合致画像と、認証用顔画像1との比較結果に基づいて認証処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔画像の撮影条件に対応付けられた複数の第1登録顔画像を記憶する記憶部と、
認証用顔画像の入力を受け付けると、前記複数の第1登録顔画像のうちの前記認証用顔画像の撮影条件に対応する条件合致画像と、前記認証用顔画像との比較結果に基づいて認証処理を実行する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、顔画像が撮影された時間帯に対応付けられた前記複数の第1登録顔画像を記憶し、
前記処理部は、前記複数の第1登録顔画像のうちの前記認証用顔画像の撮影時刻が含まれる時間帯に対応する前記条件合致画像と、前記認証用顔画像との比較結果に基づいて認証処理を実行する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、第2登録顔画像を記憶し、
前記処理部は、前記認証用顔画像の入力を受け付けると、前記第2登録顔画像と前記認証用顔画像とを比較し、前記第2登録顔画像に写る人物と前記認証用顔画像に写る人物とが一致する場合、認証成功と判定し、認証成功と判定した時刻の直近の所定時間に、前記認証用顔画像として入力を受け付けて前記第2登録顔画像に写る人物と前記認証用顔画像に写る人物とが一致しないと判定された失敗データを前記失敗データの撮影条件に対応付けて前記複数の第1登録顔画像に追加し、前記第2登録顔画像に写る人物と前記認証用顔画像に写る人物とが一致しない場合、前記条件合致画像と、前記認証用顔画像との比較結果に基づいて認証処理を実行する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記複数の第1登録顔画像のうちの前記失敗データの撮影条件に対応する同条件画像の数が上限値の場合、撮影時刻が最も古い前記同条件画像を削除し、前記失敗データを前記複数の第1登録顔画像に追加する、
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2登録顔画像と前記認証用顔画像との類似度が第1閾値以上の場合、前記第2登録顔画像に写る人物と前記認証用顔画像に写る人物とが一致すると判定し、前記第2登録顔画像と前記失敗データとの類似度が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以上の場合、前記失敗データを前記複数の第1登録顔画像に追加する、
請求項3記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの顔を撮影した顔画像と、あらかじめ登録された顔画像とを比較して照合する顔認証機能がある。例えば、コンピュータは、顔認証に成功した場合にログオンを受け付ける。
【0003】
顔認証に関する技術としては、例えば、認証速度の向上を図る認証処理プログラムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-187543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔認証において、顔画像を複数登録しておくことも考えられる。例えば、ユーザの顔を撮影した顔画像と、登録された複数の顔画像のうちのいずれかとが一致した場合に顔認証成功となる。しかし、複数の顔画像と比較すると認証処理の処理時間が増大する。
【0006】
1つの側面では、本件は、認証処理を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、顔画像の撮影条件に対応付けられた複数の第1登録顔画像を記憶する。処理部は、認証用顔画像の入力を受け付けると、複数の第1登録顔画像のうちの認証用顔画像の撮影条件に対応する条件合致画像と、認証用顔画像との比較結果に基づいて認証処理を実行する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、認証処理を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図2】PCのハードウェアの一構成例を示す図である。
図3】PCの機能例を示すブロック図である。
図4】テンプレート情報の一例を示す図である。
図5】認証失敗時の処理の一例を示す図である。
図6】認証成功時の処理の一例を示す図である。
図7】テンプレートを用いた認証処理の一例を示す図である。
図8】テンプレート保存時の処理の一例を示す図である。
図9】認証処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10】テンプレート保存処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、コンピュータが顔認証をするものである。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置10は、顔認証処理を実行するコンピュータである。情報処理装置10は、例えば、ユーザが操作するPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等である。なお、情報処理装置10は、顔認証結果に応じてドアのロックを解除する装置等であってもよい。
【0012】
情報処理装置10は、記憶部11および処理部12を有する。記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。記憶部11は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・および第2登録顔画像11bを記憶する。
【0013】
第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・は、顔画像の撮影条件に対応付けられている。例えば、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・は、顔画像が撮影された時間帯に対応付けられている。ここでは、一例として、第1登録顔画像11a-1は、0時~8時の時間帯に対応付けられている。また、第1登録顔画像11a-2は、8時~16時の時間帯に対応付けられている。なお、撮影条件は、顔画像が撮影された場所等であってもよい。第2登録顔画像は、顔認証に用いるためにあらかじめ登録された顔画像である。
【0014】
処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部12は、以下のようにして顔認証処理を実行する。
【0015】
まず、処理部12は、認証用顔画像1の入力を受け付ける。例えば、処理部12は、情報処理装置10が有するカメラや情報処理装置10に接続されたカメラが認証を要求するユーザの顔を撮影した顔画像を、認証用顔画像1として取得する。ここで、処理部12は、撮影時刻が9時である認証用顔画像1の入力を受け付けたものとする。
【0016】
処理部12は、認証用顔画像1の入力を受け付けると、第2登録顔画像11bと認証用顔画像1とを比較する。例えば、処理部12は、第2登録顔画像11bと認証用顔画像1との類似度を算出し、類似度が閾値以上の場合、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致していると判定する。類似度は、2つの顔画像に写る人物が同一人物である可能性の高さを示す指標値である。類似度は、例えば、画像に含まれる顔の特徴量の一致度合いである。また、処理部12は、第2登録顔画像11bと認証用顔画像1との類似度が閾値未満の場合、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致していないと判定する。
【0017】
処理部12は、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致する場合、認証成功と判定し、認証成功時の処理を実行する。認証成功時の処理としては、例えば、処理部12は、情報処理装置10のユーザアカウントへのログインを受け付ける。
【0018】
そして、処理部12は、認証成功と判定した時刻の直近の所定時間に、認証用顔画像1として入力を受け付けて第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致しないと判定された失敗データを抽出する。処理部12は、抽出した失敗データを失敗データの撮影条件に対応付けて第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加する。例えば、処理部12は、認証成功と判定すると、顔認証処理を実行した履歴である認証履歴から、直近の所定時間の失敗データを抽出する。そして、処理部12は、抽出した失敗データを、当該失敗データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応付けて、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加する。
【0019】
処理部12は、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致しない場合、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの認証用顔画像1の撮影条件に対応する条件合致画像と、認証用顔画像1とを比較する。例えば、処理部12は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの認証用顔画像1の撮影時刻が含まれる時間帯に対応する条件合致画像と、認証用顔画像1とを比較する。ここでは、処理部12は、認証用顔画像1の撮影時刻である9時を含む時間帯である8時~16時の時間帯に対応する第1登録顔画像11a-2と、認証用顔画像1とを比較する。
【0020】
例えば、処理部12は、条件合致画像と認証用顔画像1との類似度を算出し、類似度が閾値以上の場合、条件合致画像に写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致していると判定する。また、処理部12は、条件合致画像と認証用顔画像1との類似度が閾値未満の場合、条件合致画像に写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致していないと判定する。そして、処理部12は、条件合致画像と、認証用顔画像1との比較結果に基づいて認証処理を実行する。例えば、処理部12は、条件合致画像に写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致する場合、認証成功と判定し、認証成功時の処理を実行する。
【0021】
第1の実施の形態によれば、記憶部11は、顔画像の撮影条件に対応付けられた第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・を記憶する。処理部12は、認証用顔画像1の入力を受け付けると、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの認証用顔画像1の撮影条件に対応する条件合致画像と、認証用顔画像1との比較結果に基づいて認証処理を実行する。
【0022】
これにより、情報処理装置10は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうち、認証が成功する可能性が高い条件合致画像に絞り込んで比較をすることで、顔画像の比較回数を減少させることができる。よって、情報処理装置10は、認証処理を効率化することができる。
【0023】
また、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・は、顔画像が撮影された時間帯に対応付けられている。処理部12は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの認証用顔画像1の撮影時刻が含まれる時間帯に対応する条件合致画像と、認証用顔画像1との比較結果に基づいて認証処理を実行する。ここで、人物の顔は、時間帯に応じた影響を受けることがある。情報処理装置10は、近い時間帯で撮影された顔画像同士を比較することで、認証処理の精度を向上させることができる。
【0024】
また、記憶部11は、第2登録顔画像11bを記憶する。処理部12は、認証用顔画像1の入力を受け付けると、第2登録顔画像11bと認証用顔画像1とを比較する。処理部12は、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致する場合、認証成功と判定する。そして、処理部12は、認証成功と判定した時刻の直近の所定時間に、認証用顔画像1として入力を受け付けて第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致しないと判定された失敗データを失敗データの撮影条件に対応付けて第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加する。処理部12は、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致しない場合、条件合致画像と認証用顔画像1との比較結果に基づいて認証処理を実行する。
【0025】
ここで、顔認証に失敗したユーザは、続けて顔認証することが多い。情報処理装置10は、認証成功した直近の失敗データを第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加することで、第2登録顔画像11bに写る人物である可能性が高い人物の顔画像を第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・として登録できる。そして、情報処理装置10は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・を用いた認証処理によって、第2登録顔画像11bと撮影条件が異なることで認証失敗することを防止できる。
【0026】
なお、処理部12は、第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・のうちの失敗データの撮影条件に対応する同条件画像の数が上限値の場合、撮影時刻が最も古い同条件画像を削除し、失敗データを第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加してもよい。これにより、情報処理装置10は、第2登録顔画像11bに写る人物の新しい顔画像を第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・として登録することができ、認証処理の精度を向上させることができる。
【0027】
また、処理部12は、第2登録顔画像11bと認証用顔画像1との類似度が第1閾値以上の場合、第2登録顔画像11bに写る人物と認証用顔画像1に写る人物とが一致すると判定してもよい。処理部12は、第2登録顔画像11bと失敗データとの類似度が第1閾値よりも小さい第2閾値以上の場合、失敗データを第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・に追加してもよい。これにより、情報処理装置10は、第2登録顔画像11bに写る人物と同一である可能性が高い人物の顔画像を第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・として登録することができる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、ユーザが操作するPCが顔認証を実行するものである。
【0029】
PCは、顔認証において、例えば、認証を依頼するユーザの顔を撮影した顔画像を取得し、あらかじめ登録されている顔画像(登録データ)と比較する。そして、PCは、取得した顔画像(認証データ)に写る人物と登録データに写る人物とが一致した場合認証成功と判定し、一致しなかった場合認証失敗と判定する。
【0030】
なお、顔画像は、撮影された時間帯によって体調や環境の影響が異なることがある。例えば、朝方に撮影された顔画像は、顔のむくみや朝陽等の影響を受けることがある。また、夜に撮影された顔画像は、顔の疲労や周囲の暗さ等の影響を受けることがある。よって、認証データと登録データとで撮影された時間帯が異なると、PCは、登録データに写っている人物に対する顔認証で、認証失敗と判定してしまうことがある。
【0031】
そこで、第2の実施の形態のPCは、認証に成功した直近で、登録データに写る人物と一致しないと判定された認証データである失敗データを、時間帯に対応付けてテンプレートとして保存する。そして、PCは、認証データに写る人物と登録データに写る人物とが一致しなかった場合、認証データの撮影時間帯に対応するテンプレートと認証データとを比較することで認証処理をする。
【0032】
図2は、PCのハードウェアの一構成例を示す図である。PC100は、顔認証に成功した場合にユーザアカウントへのログインを受け付けるPCである。PC100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス110を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0033】
メモリ102は、PC100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0034】
バス110に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106および機器接続インタフェース107がある。また、バス110に接続されている周辺機器としては、ネットワークインタフェース108およびカメラ109がある。
【0035】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0036】
GPU104には、モニタ21が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0037】
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0038】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0039】
機器接続インタフェース107は、PC100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
【0040】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0041】
カメラ109は、レンズを向けた先からの光をイメージセンサによって電気信号に変換して画像を生成する。カメラ109は、プロセッサ101からの命令に従って、カメラ109のレンズを向けた先の光景の静止画または動画のデータを生成し、メモリ102に格納する。
【0042】
PC100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、図2に示したPC100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102またはストレージ装置103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。
【0043】
PC100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。PC100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、PC100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またPC100に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、PC100の機能について詳細に説明する。
【0044】
図3は、PCの機能例を示すブロック図である。PC100は、記憶部120、照合部130、テンプレート保存部140およびログイン受付部150を有する。記憶部120は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。照合部130、テンプレート保存部140およびログイン受付部150は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0045】
記憶部120は、登録データ121、認証履歴122およびテンプレート情報123を記憶する。登録データ121は、顔認証に用いるためにユーザによってあらかじめ登録された顔画像である。登録データ121は、第1の実施の形態に示した第2登録顔画像11bの一例である。
【0046】
認証履歴122は、顔認証を実行した履歴である。認証履歴122には、顔認証において入力された認証データが、認証データに写る人物が登録データ121に写る人物と一致した成功データまたは登録データ121に写る人物と一致しなかった失敗データとして保存される。テンプレート情報123には、時間帯に対応付けてテンプレートが保存されている。テンプレートは、第1の実施の形態に示した第1登録顔画像11a-1,11a-2,・・・の一例である。
【0047】
照合部130は、認証データの入力を受け付け、入力された認証データに対する認証処理を実行する。まず、照合部130は、認証データの入力を受け付ける。例えば、照合部130は、カメラ109が撮影したPC100の操作者の顔画像を認証データとして取得する。認証データは、第1の実施の形態に示した認証用顔画像1の一例である。
【0048】
照合部130は、入力された認証データと登録データ121とを比較する。例えば、照合部130は、入力された認証データと登録データ121との類似度を算出する。類似度は、例えば、2つの顔画像に写る人物が同一人物である可能性が高いほど大きくなるよう算出される。
【0049】
そして、照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致するか否かを判定する。例えば、照合部130は、算出された類似度が一致判定閾値以上である場合、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定する。また、照合部130は、類似度が一致判定閾値未満である場合、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しないと判定する。一致判定閾値は、第1の実施の形態に示した第1閾値の一例である。照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定した場合、認証成功と判定し、認証データを、認証データの撮影時刻に対応付けて、成功データとして認証履歴122に保存する。
【0050】
また、照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しないと判定した場合、認証データを、認証データの撮影時刻に対応付けて、失敗データとして認証履歴122に保存する。そして、照合部130は、認証データと、テンプレート情報123に保存された認証データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレート(認証データの撮影時刻に対応するテンプレート)それぞれとを比較する。認証データの撮影時刻に対応するテンプレートは、第1の実施の形態に示した条件合致画像の一例である。例えば、照合部130は、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートそれぞれについて、認証データとの類似度を算出する。
【0051】
照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致するか否かを判定する。例えば、照合部130は、テンプレートそれぞれについての認証データとの類似度のいずれかが一致判定閾値以上である場合、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致すると判定する。また、照合部130は、テンプレートそれぞれについての認証データとの類似度がいずれも一致判定閾値未満である場合、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致しないと判定する。照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致すると判定した場合、認証成功と判定し、一致しなかった場合、認証失敗と判定する。
【0052】
テンプレート保存部140は、照合部130が入力された認証データに対して認証成功と判定すると、テンプレート保存処理を実行する。まず、テンプレート保存部140は、認証履歴122の直近の失敗データを検索する。例えば、テンプレート保存部140は、照合部130が認証成功と判定した直近の所定時間(例えば、5秒)に含まれる撮影時刻に対応付けられた失敗データを認証履歴122から抽出する。
【0053】
テンプレート保存部140は、直近の失敗データのうち、登録データ121と類似する失敗データを特定する。例えば、テンプレート保存部140は、認証履歴122から抽出された失敗データそれぞれについて、登録データ121との類似度を算出する。テンプレート保存部140は、算出された類似度が類似判定閾値以上である失敗データを、登録データ121と類似する失敗データと特定する。なお、類似判定閾値は、一致判定閾値よりも小さく設定される。類似判定閾値は、第1の実施の形態に示した第2閾値の一例である。
【0054】
そして、テンプレート保存部140は、特定した登録データ121と類似する失敗データを、失敗データの撮影時刻を含む時間帯に対応付けたテンプレートとして、テンプレート情報123に保存する。ここで、テンプレート保存部140は、テンプレート情報123に保存された、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレート(失敗データの撮影時刻に対応するテンプレート)の数を特定する。失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートは、第1の実施の形態に示した同条件画像の一例である。テンプレート保存部140は、失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの保存数が上限値である場合、失敗データの撮影時刻に対応する最も古いテンプレートを削除してから、失敗データをテンプレートとしてテンプレート情報123に保存する。
【0055】
ログイン受付部150は、照合部130が入力された認証データに対して認証成功と判定すると、ユーザアカウントへのログインを受け付ける。なお、図3に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部120に記憶されたテンプレート情報123について詳細に説明する。
【0056】
図4は、テンプレート情報の一例を示す図である。テンプレート情報123には、時間帯に対応付けてテンプレートが保存されている。テンプレート情報123は、時間帯およびテンプレートの項目を有する。時間帯の項目には、テンプレートが撮影された時間帯が設定されている。テンプレートの項目には、対応する時間帯に撮影されたテンプレートが登録されている。なお、テンプレートの項目に登録されるテンプレートの保存数には、上限値が設けられている。上限値は、時間帯ごとに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
例えば、テンプレート情報123には、0時~8時の時間帯に対応付けて、テンプレート123a-1,123a-2が登録されている。また、テンプレート情報123には、8時~16時の時間帯に対応付けて、テンプレート123b-1,123b-2が登録されている。また、テンプレート情報123には、16時~24時の時間帯に対応付けて、テンプレート123c-1,123c-2が登録されている。次に、PC100が実行する顔認証について説明する。まず、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しなかった場合について説明する。
【0058】
図5は、認証失敗時の処理の一例を示す図である。照合部130は、入力された認証データを登録データ121と比較し、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しなかった場合、認証データを失敗データとして認証履歴122に保存する。図5の例では、認証データ31が入力された場合について説明する。
【0059】
照合部130は、認証データ31と登録データ121とを比較し、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致するか否かを判定する。例えば、照合部130は、認証データ31と登録データ121との類似度を算出し、算出した類似度が一致判定閾値以上の場合、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定する。また、照合部130は、算出した類似度が一致判定閾値未満の場合、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しないと判定する。ここでは、照合部130は、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しない(不一致)と判定したものとする。
【0060】
ここで、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが同一人物である場合に、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが不一致と判定される原因としては、例えば、顔のコンディションや認証している環境等の影響がある。例えば、認証データ31が朝に撮影された場合、認証データ31に写る人物の顔のむくみ等によって、認証データ31と登録データ121との類似度が低く算出されてしまうことがある。また、例えば、時間帯が異なると、人物がいる場所や日光の量が異なることがある。よって、認証データ31と登録データ121とで撮影された時間帯が異なる場合、明るさや背景等が異なることで、認証データ31と登録データ121との類似度が低く算出されてしまうことがある。
【0061】
照合部130は、認証データ31に写る人物と登録データ121に写る人物とが不一致と判定すると、認証データ31を、撮影時刻と対応付けて失敗データ122aとして認証履歴122に保存する。ここで、照合部130は、失敗データ122aに対応付けて、登録データ121との類似度を保存してもよい。なお、顔認証が失敗すると、顔認証を要求した人物は、続けて顔認証を要求することが多い。次に、顔認証失敗後に続けて顔認証が要求された場合の処理について説明する。
【0062】
図6は、認証成功時の処理の一例を示す図である。テンプレート保存部140は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致した場合、直近の失敗データをテンプレートとしてテンプレート情報123に保存する。図6の例では、図5の処理に続けて、認証データ32が入力された場合について説明する。
【0063】
照合部130は、認証データ32と登録データ121とを比較し、認証データ32に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致するか否かを判定する。ここでは、照合部130は、認証データ32に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定したものとする。すると、照合部130は、認証データ32を、撮影時刻と対応付けて成功データ122bとして認証履歴122に保存する。
【0064】
テンプレート保存部140は、照合部130が成功データ122bを認証履歴122に保存すると、直近の失敗データを特定する。ここで、テンプレート保存部140は、直近の失敗データとして失敗データ122aを特定する。そして、テンプレート保存部140は、失敗データ122aを失敗データ122aの撮影時刻が含まれる時間帯に対応付けて、テンプレート123a-1としてテンプレート情報123に保存する。
【0065】
このようにして、テンプレート保存部140は、認証に成功した直近の失敗データをテンプレートとして保存する。顔認証に失敗した人物は、続けて顔認証することが多いため、テンプレート保存部140は、認証成功した直近の失敗データをテンプレート情報123に追加することで、登録データ121に写る人物である可能性が高い人物の顔画像をテンプレートとして登録できる。次に、テンプレートを用いた認証処理について説明する。
【0066】
図7は、テンプレートを用いた認証処理の一例を示す図である。照合部130は、テンプレート情報123にテンプレートが登録されていると、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しなかった場合、認証データとテンプレートとを比較して認証処理を実行する。図7の例では、認証データ33が入力された場合について説明する。
【0067】
照合部130は、認証データ33と登録データ121とを比較し、認証データ33に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致するか否かを判定する。ここでは、照合部130は、認証データ33に写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しない(不一致)と判定したものとする。すると、照合部130は、認証データ33の撮影時刻に含まれる時間帯に対応するテンプレートそれぞれと、認証データ33とを比較し、認証データ33に写る人物と各テンプレートに写る人物とが一致するか否かを判定する。
【0068】
例えば、照合部130は、認証データ33に写る人物とテンプレート123a-1に写る人物とが一致するか否かを判定する。そして、照合部130は、認証データ33に写る人物とテンプレート123a-1に写る人物とが一致すると判定した場合、認証成功とする。このように、照合部130は、テンプレートを用いた認証処理によって、登録データ121と撮影条件が異なることで登録データ121と一致しなかった認証データ33に対しても適切に認証処理を実行できる。次に、登録データ121に写る人物である可能性が低い人物の顔画像をテンプレートとして保存しないようにするための処理について説明する。
【0069】
図8は、テンプレート保存時の処理の一例を示す図である。テンプレート保存部140は、認証に成功した直近の失敗データが登録データ121と類似する場合に、当該失敗データをテンプレートとしてテンプレート情報123に保存する。つまり、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似しない(非類似の)失敗データをテンプレートとして保存しない。図8の例では、照合部130が成功データ122dを認証履歴122に保存したときに、成功データ122dの直近の失敗データ122cが保存されている場合について説明する。
【0070】
テンプレート保存部140は、照合部130が成功データ122dを認証履歴122に保存すると、直近の失敗データ122cと登録データ121とが類似するか否かを判定する。例えば、テンプレート保存部140は、失敗データ122cと登録データ121との類似度を算出し、算出した類似度が類似判定閾値以上の場合、失敗データ122cと登録データ121とが類似すると判定する。また、テンプレート保存部140は、算出した類似度が類似判定閾値未満の場合、失敗データ122cと登録データ121とが類似しないと判定する。ここでは、テンプレート保存部140は、失敗データ122cと登録データ121とが類似しない(非類似)と判定したものとする。
【0071】
すると、テンプレート保存部140は、失敗データ122cをテンプレート情報123に保存しない。これにより、テンプレート保存部140は、登録データ121に写る人物である可能性が低い人物の顔画像をテンプレートとして保存することを抑制し、登録データ121に写る人物である可能性が高い人物の顔画像のみをテンプレートとして登録することができる。
【0072】
以下、PC100が実行する処理の手順について、詳細に説明する。
図9は、認証処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0073】
[ステップS11]照合部130は、認証データの入力を受け付ける。例えば、照合部130は、カメラ109が撮影したPC100の操作者の顔画像を認証データとして取得する。
【0074】
[ステップS12]照合部130は、ステップS11で入力された認証データと登録データ121とを比較する。例えば、照合部130は、ステップS11で入力された認証データと登録データ121との類似度を算出する。
【0075】
[ステップS13]照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致するか否かを判定する。例えば、照合部130は、ステップS12で算出された類似度が一致判定閾値以上である場合、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定する。また、照合部130は、類似度が一致判定閾値未満である場合、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しないと判定する。照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致すると判定した場合、処理をステップS14に進める。また、照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しないと判定した場合、処理をステップS15に進める。
【0076】
[ステップS14]照合部130は、認証成功と判定し、ステップS11で入力された認証データを、認証データの撮影時刻に対応付けて、成功データとして認証履歴122に保存する。なお、照合部130は、ステップS12で算出された類似度も成功データと対応付けて認証履歴122に保存してもよい。そして、処理がステップS21に進む。
【0077】
[ステップS15]照合部130は、ステップS11で入力された認証データを、認証データの撮影時刻に対応付けて、失敗データとして認証履歴122に保存する。なお、照合部130は、ステップS12で算出された類似度も失敗データと対応付けて認証履歴122に保存してもよい。
【0078】
[ステップS16]照合部130は、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートがあるか否かを判定する。例えば、照合部130は、テンプレート情報123に、ステップS11で入力された認証データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレートが保存されている場合、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートがあると判定する。また、照合部130は、テンプレート情報123に、ステップS11で入力された認証データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレートが保存されていない場合、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートがないと判定する。照合部130は、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートがあると判定した場合、処理をステップS18に進める。また、照合部130は、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートがないと判定した場合、処理をステップS17に進める。
【0079】
[ステップS17]照合部130は、認証を継続するか否かを判定する。例えば、照合部130は、認証を継続することを示す入力を受け付けた場合、認証を継続すると判定する。照合部130は、認証を継続すると判定した場合、処理をステップS11に進める。また、照合部130は、認証を継続しないと判定した場合、処理を終了する。
【0080】
[ステップS18]照合部130は、ステップS11で入力された認証データと認証データの撮影時刻に対応するテンプレートそれぞれと比較する。例えば、照合部130は、テンプレート情報123に保存された認証データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレートそれぞれについて、認証データとの類似度を算出する。
【0081】
[ステップS19]照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致するか否かを判定する。例えば、照合部130は、ステップS18で算出した、テンプレートそれぞれについての認証データとの類似度のいずれかが一致判定閾値以上である場合、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致すると判定する。また、照合部130は、ステップS18で算出した、テンプレートそれぞれについての認証データとの類似度がいずれも一致判定閾値未満である場合、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致しないと判定する。照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致すると判定した場合、処理をステップS20に進める。また、照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致しないと判定した場合、処理をステップS17に進める。
【0082】
[ステップS20]照合部130は、認証成功と判定し、ステップS11で入力された認証データに写る人物がテンプレートに写る人物と一致したことを認証履歴に記録する。例えば、照合部130は、ステップS11で入力された認証データに対応する失敗データに、テンプレートに写る人物と一致したことを示す情報を付与する。
【0083】
[ステップS21]ログイン受付部150は、ユーザアカウントへのログインを受け付ける。
[ステップS22]テンプレート保存部140は、テンプレート保存処理を実行する。テンプレート保存処理の詳細については後述する(図10参照)。
【0084】
このように、照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致する場合、認証成功と判定する。すると、ログイン受付部150は、ユーザアカウントへのログインを受け付ける。また、照合部130は、認証データに写る人物と登録データ121に写る人物とが一致しない場合、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートと認証データとを比較して認証処理を実行する。そして、照合部130は、認証データに写る人物とテンプレートに写る人物とが一致する場合、認証成功と判定する。
【0085】
これにより、照合部130は、テンプレート情報123に保存されたテンプレートのうち認証が成功する可能性が高いものを絞り込んで比較をすることで、顔画像の比較回数を減少させることができる。よって、照合部130は、認証処理を効率化することができる。また、照合部130は、認証データを、近い時間帯で撮影されたテンプレートと比較することで、時間帯に応じた人物の顔への影響による認証処理の精度の低下を防止することができる。
【0086】
図10は、テンプレート保存処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]テンプレート保存部140は、認証履歴122の直近の失敗データを検索する。例えば、テンプレート保存部140は、照合部130が認証成功と判定した直近の所定時間(例えば、5秒)に含まれる撮影時刻に対応付けられた失敗データを認証履歴122から抽出する。
【0087】
[ステップS32]テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データがあるか否かを判定する。例えば、テンプレート保存部140は、ステップS31で抽出された失敗データそれぞれについて、登録データ121との類似度を算出する。テンプレート保存部140は、算出された類似度のいずれかが類似判定閾値以上である場合、登録データ121と類似する失敗データがあると判定する。また、テンプレート保存部140は、算出された類似度がいずれも類似判定閾値未満である場合、登録データ121と類似する失敗データがないと判定する。なお、テンプレート保存部140は、類似度を算出せずに、失敗データそれぞれについて対応付けて保存されている登録データ121との類似度を参照してもよい。
【0088】
テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データがあると判定した場合、処理をステップS33に進める。また、テンプレート保存部140は、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データがないと判定した場合、処理を終了する。
【0089】
[ステップS33]テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻を特定する。例えば、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データに対応付けて認証履歴122に保存された撮影時刻を特定する。なお、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データが複数ある場合、登録データ121との類似度が最も大きい失敗データについてステップS33以降の処理を実行する。
【0090】
[ステップS34]テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの保存数を特定する。例えば、テンプレート保存部140は、テンプレート情報123に保存された、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレートの数を特定する。
【0091】
[ステップS35]テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの保存数が上限値であるか否かを判定する。テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの保存数が上限値であると判定した場合、処理をステップS36に進める。また、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの保存数が上限値ではないと判定した場合、処理をステップS37に進める。
【0092】
[ステップS36]テンプレート保存部140は、テンプレート情報123に保存された、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートのうち最も古いテンプレートを削除する。
【0093】
[ステップS37]テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データを、失敗データの撮影時刻を含む時間帯に対応するテンプレートとして、テンプレート情報123に保存する。
【0094】
このように、テンプレート保存部140は、照合部130が認証成功と判定した直近の、登録データ121との類似度が類似判定閾値以上の失敗データをテンプレートとして保存する。ここで、顔認証に失敗した人物は、続けて顔認証を要求する可能性が高いため、認証成功と判定した直近の失敗データに写る人物は、登録データ121に写る人物である可能性が高い。よって、テンプレート保存部140は、登録データ121に写る人物である可能性が高い人物の顔画像をテンプレートとして登録できる。また、テンプレート保存部140は、類似判定閾値以上の失敗データをテンプレートとして保存することで、登録データ121に写る人物である可能性が低い人物の顔画像をテンプレートとして登録してしまうことを防止することができる。
【0095】
なお、テンプレート保存部140は、登録データ121と類似する失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの数が上限値の場合、撮影時刻が最も古いテンプレートを削除し、失敗データをテンプレートに追加する。テンプレートの保存数に上限値が設けられることで、照合部130による認証データとテンプレートとの比較回数が上限値までに抑えられる。また、テンプレート保存部140は、テンプレートの数が上限値の場合、撮影時刻が最も古いテンプレートを削除し、失敗データをテンプレートに追加することで、人物の新しい顔画像をテンプレートとして登録することができる。これにより、テンプレート保存部140は、時間経過による人物の顔の変化の影響で認証失敗することを防止し、認証処理の精度を向上させることができる。
【0096】
第2の実施の形態によれば、PC100は、顔画像の撮影条件に対応付けられたテンプレートを記憶する。PC100は、認証データの入力を受け付けると、テンプレートのうちの認証データの撮影時刻に対応するテンプレートと認証データとの比較結果に基づいて認証処理を実行する。これにより、PC100は、テンプレートのうち、認証が成功する可能性が高いものを絞り込んで比較をすることで、顔画像の比較回数を減少させることができる。よって、PC100は、認証処理を効率化することができる。
【0097】
また、テンプレートは、顔画像が撮影された時間帯に対応付けられている。PC100は、テンプレートのうちの認証データの撮影時刻が含まれる時間帯に対応するテンプレートと、認証データとの比較結果に基づいて認証処理を実行する。これにより、PC100は、撮影時刻の違いによる影響を防止し、認証処理の精度を向上させることができる。
【0098】
また、PC100は、登録データ121を記憶する。PC100は、認証データの入力を受け付けると、登録データ121と認証データとを比較する。PC100は、登録データ121に写る人物と認証データに写る人物とが一致する場合、認証成功と判定する。そして、PC100は、認証成功と判定した時刻の直近の所定時間に、認証データとして入力を受け付けて登録データ121に写る人物と認証データに写る人物とが一致しないと判定された失敗データを失敗データの撮影条件に対応付けてテンプレートに追加する。PC100は、登録データ121に写る人物と認証データに写る人物とが一致しない場合、認証データの撮影時刻に対応するテンプレートと認証データとの比較結果に基づいて認証処理を実行する。これにより、PC100は、登録データ121に写る人物である可能性が高い人物の顔画像をテンプレートとして保存できる。そして、PC100は、テンプレートを用いた認証処理によって、認証データが登録データ121と撮影条件が異なることで認証失敗することを防止できる。
【0099】
また、PC100は、テンプレートのうちの失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートの数が上限値の場合、撮影時刻が最も古い失敗データの撮影時刻に対応するテンプレートを削除し、失敗データをテンプレートに追加する。これにより、PC100は、登録データ121に写る人物の新しい顔画像をテンプレートとして登録することができ、認証処理の精度を向上させることができる。
【0100】
また、PC100は、登録データ121と認証データとの類似度が一致判定閾値以上の場合、登録データ121に写る人物と認証データに写る人物とが一致すると判定する。PC100は、登録データ121と失敗データとの類似度が一致判定閾値よりも小さい類似判定閾値以上の場合、失敗データをテンプレートに追加する。これにより、PC100は、登録データ121に写る人物と同一である可能性が高い人物の顔画像をテンプレートとして登録することができる。
【0101】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 認証用顔画像
10 情報処理装置
11 記憶部
11a-1,11a-2,・・・ 第1登録顔画像
11b 第2登録顔画像
12 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10