IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DMG森精機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図1
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図2
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図3
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図4
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図5
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図6
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図7
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図8
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図9
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図10
  • 特開-工作機械の清掃方法、及び工作機械 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064402
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】工作機械の清掃方法、及び工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20240507BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B23Q11/00 N
B23Q3/155 H
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172968
(22)【出願日】2022-10-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】西木 孝浩
【テーマコード(参考)】
3C002
3C011
【Fターム(参考)】
3C002KK07
3C011BB18
(57)【要約】
【課題】加工領域内に配設された各種装置の作用部に付着した異物を確実に除去することができる工作機械等を提供する。
【解決手段】工作機械1は、工具を回転可能に保持する工具主軸18、複数の工具を保持する工具マガジン35、工具マガジン35に装着された工具と工具主軸18に装着された工具とを交換する工具交換装置30、清掃動作制御部53及び加工領域内に配設された対象装置40を備える。工具マガジン35には、清掃部を有する清掃具が格納される。清掃動作制御部53は、工具主軸18、工具マガジン35、及び工具交換装置30の動作を制御して、清掃具を工具主軸18に装着した後、工具主軸18を移動させて、清掃部を対象装置40の作用部に接触させる清掃動作を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具主軸を備えた工作機械において、その加工領域内に配設された対象装置の作用部に付着した異物を除去する方法であって、
清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去するようにしたことを特徴とする工作機械の清掃方法。
【請求項2】
前記清掃具を前記工作機械の工具マガジンに格納し、清掃実行時に、前記工具マガジンから前記清掃具を取り出して前記工具主軸に装着するようにしたことを特徴とする請求項1記載の工作機械の清掃方法。
【請求項3】
前記清掃実行時に、前記工具主軸をその軸中心に回転させて、回転状態の前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去するようにしたことを特徴とする請求項1記載の工作機械の清掃方法。
【請求項4】
前記作用部に異物が付着したことを検出し、異物の付着が検出されたとき、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させて、該作用部に付着した異物を除去するようにしたことを特徴とする請求項1記載の工作機械の清掃方法。
【請求項5】
前記清掃部に弾性体、又は繊維構造体を用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械の清掃方法。
【請求項6】
工具を回転可能に保持する工具主軸、複数の工具を保持する工具マガジン、該工具マガジンに装着された工具と前記工具主軸に装着された工具とを交換する工具交換装置、及び加工領域内に配設された対象装置を備えた工作機械であって、
清掃部を有し、前記工具マガジンに格納される清掃具と、
前記工具主軸、工具マガジン、及び工具交換装置の動作を制御して、前記清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させる清掃動作を実行する清掃動作制御部とを備えていることを特徴とする工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の加工領域内に配設された清掃対象装置の作用部を清掃する清掃方法、及びこの清掃方法を実行可能な工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工作機械の加工領域内には、様々な機能を持たせるべく様々な装置が配設されている。例えば、特開2010-61662号公報(下記特許文献1)には、加工領域内の加工状況を把握できるように、加工領域内に撮像装置としてのカメラを配設した工作機械が開示されている。このようなカメラが設けられた工作機械では、オペレータは、当該カメラによって撮像された加工領域内の映像(画像)を見ることで、当該加工領域内の様子を確認することができる。
【0003】
ところで、工作機械を用いた加工の分野では、ワークや工具を冷却することを主目的として、一般的にクーラント(冷却液)が使用されており、工作機械の加工領域内に配設されたクーラント吐出ノズルから、加工中のワークや工具に向けてクーラントを吐出することで、当該ワークや工具を冷却するといったことが行われている。
【0004】
このため、前記加工領域内は、前記クーラント吐出ノズルからワークや工具に向けて吐出されたクーラントが飛散し、また、クーラントのミストで充満された状態となる。そして、当然のことながら、このような環境の加工領域内に配設されたカメラは、その受光部分に、液状のクーラントやミスト状のクーラントの他、切屑などの異物が付着され、当該異物の付着量が許容量を超えると、鮮明な映像(画像)を撮像することができなくなる。
【0005】
そこで、従来、カメラの受光部分にクーラントなどの異物が付着した場合に、この異物をカメラから除去する手法として、特開2021-171856号公報(下記特許文献2)に開示されるように、気体吹出口からカメラのレンズ面(受光部)に向けて気体を吹き付けて、この気体によって、レンズ面の異物を吹き飛ばすようにした手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-61662号公報
【特許文献2】特開2021-171856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の異物除去方法では、例えば、カメラの受光部分(レンズ部分やこれをカバーするカバー部分を含む)に、クーラントともに切屑が付着すると、加圧気体を吹き付けるだけでは、クーラントと切屑とを確実には除去することができない場合があり、更なる改良が必要であった。
【0008】
即ち、カメラの受光部分に切屑とともにクーラントが付着すると、クーラントの表面張力によって、クーラントから切屑を取り出し難くい状態となるため、クーラントや切屑を確実には除去することができないのである。その理由は、クーラントの中から切屑を取り出そうとすると、クーラントの表面積が大きくなる方向に作用するが、一方で、クーラントは表面張力によってその表面積を小さくするように挙動するため、切屑はクーラント内に取り込まれた状態となり、このため、加圧気体では切屑を確実には除去することができないのである。
【0009】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、工作機械の加工領域内に配設された各種装置の作用部にクーラントや切屑などの異物が付着した場合に、これらを確実に除去することができる清掃方法、及びこの清掃方法を実行可能な工作機械の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、
工具主軸を備えた工作機械において、その加工領域内に配設された対象装置の作用部に付着した異物を除去する方法であって、
清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去するようにした工作機械の清掃方法に係る。
【0011】
本発明によれば、工作機械の加工領域内に配設された対象装置の作用部に付着した異物を除去する際に、まず、前記清掃具を工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させることにより、当該作用部に付着した異物を除去する。
【0012】
上述したように、対象装置の作用部に、切屑とともにクーラントが付着すると、従来のように加圧気体を吹き付ける手法では、クーラントの表面張力の作用によって、クーラントと切屑を確実には除去し難いが、本発明によれば、清掃具の清掃部を対象装置の作用部に直接接触させるようにしているので、前記作用部に付着したクーラントや切屑などの異物を確実に除去することができる。
【0013】
尚、前記対象装置には、工作機械の加工領域内に配設される各種装置が含まれ、例えば、上述したカメラの他、工具の欠損の有無を検出する装置(工具欠損検出装置)や非接触により電力を供給する装置(非接触給電装置)などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、前記作用部には、カメラの場合には、その受光部分が該当し、工具欠損検出装置の場合には、検出センサが該当し、非接触給電装置の場合には、給受電用の電極部が該当する。
【0014】
上記態様の清掃方法において、前記清掃具を前記工作機械の工具マガジンに格納し、清掃実行時に、前記工具マガジンから前記清掃具を取り出して前記工具主軸に装着する態様を採ることができる。このようにすれば、対象装置の作用部を清掃する必要が生じたときに、自動的に、当該作用部を清掃することができる。
【0015】
この態様の清掃方法は、
工具を回転可能に保持する工具主軸、複数の工具を保持する工具マガジン、該工具マガジンに装着された工具と前記工具主軸に装着された工具とを交換する工具交換装置、及び加工領域内に配設された対象装置を備えた工作機械であって、
清掃部を有し、前記工具マガジンに格納される清掃具と、
前記工具主軸、工具マガジン、及び工具交換装置の動作を制御して、前記清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させる清掃動作を実行する清掃動作制御部とを備えた工作機械により、好適に実行することができる。
【0016】
この工作機械によれば、前記工具主軸、工具マガジン、及び工具交換装置の動作を制御することが可能な清掃動作制御部によって、前記清掃方法(清掃動作)が実行される。
【0017】
また、前記清掃動作制御部は、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させる際に、前記工具主軸をその軸中心に回転させて、回転状態の前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させるように構成された態様を採ることができる。この工作機械によれば、清掃動作制御部による清掃実行時に、前記工具主軸をその軸中心に回転させて、回転状態の前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させることにより、当該作用部に付着した異物が除去される。このように、清掃部に回転力を付与させた状態で、対象装置の作用部に接触させることで、当該作用部に強固に異物が付着している場合でも、当該異物を確実に除去することができる。
【0018】
また、前記工作機械は、前記対象装置の作用部に異物が付着したことを検出する異常監視部を更に備え、前記清掃動作制御部は、前記異常監視部によって前記対象装置の作用部に異物が付着したことが検出されたとき、前記清掃動作を実行するように構成された態様を採ることができる。この工作機械によれば、異常監視部により、前記作用部に異物が付着したかどうかが検出され、異物の付着が検出されたとき、清掃動作制御部によって、前記清掃部を前記対象装置の作用部に接触させる清掃動作が実行され、これにより、当該作用部に付着した異物が除去される。このように、異常監視部により異常が検出されたときにのみ、清掃動作を実行するようにすれば、無駄に清掃動作が実行されるのを防止することができ、効率的な清掃を行うことができる。
【0019】
また、上記の各態様において、前記清掃具の清掃部を弾性体、又は繊維構造体から構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
対象装置の作用部に、例えば、切屑とともにクーラントが付着した場合、従来のように加圧気体を吹き付ける手法では、クーラントの表面張力の作用によって、クーラントと切屑とを確実には除去し難いが、本発明によれば、清掃具の清掃部を対象装置の作用部に直接接触させるようにしているので、前記作用部に付着したクーラントや切屑などの異物を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械を示した斜視図である。
図2図1に示した工作機械を別の角度から見た斜視図である。
図3】本実施形態に係る工作機械の概略構成を示したブロック図である。
図4】本実施形態に係る一例としての清掃具を示した図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
図5】本実施形態に係る他の例の清掃具を示した図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
図6】本実施形態に係る更に他の例の清掃具を示した図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
図7】本実施形態に係る更に他の例の清掃具を示した正面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る工作機械の概略構成を示したブロック図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る対象装置を示した正面図である。
図10】本発明の更に他の実施形態に係る工作機械の概略構成を示したブロック図である。
図11】本発明の更に他の実施形態に係る対象装置を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、本例の工作機械1は、立形マシニングセンタと呼ばれるもので、図3に示すように、工作機械本体10、数値制御装置50及び入出力装置60などから構成される。
【0024】
前記工作機械本体10は、図1及び図2に示すように、ベッド11、ベッド11に配設され、水平面内で前後方向(Y軸方向)に移動自在となった第1サドル16、第1サドル16に配設され、水平面内で左右方向(X軸方向)に移動自在となった第2サドル17、第2サドル17に配設され、鉛直方向(Z軸方向)に移動自在となった主軸頭19の他、テーブル25、工具交換装置30及び工具マガジン35などを備えて構成される。
【0025】
前記ベッド11は、平面視矩形状に形成される基部12と、X軸方向に間隔を空けて対峙し、基部12の両側にそれぞれ立設された正面視左側の左側壁13及び正面視右側の右側壁14と、基部12の奥側に立設され、左側壁13,右側壁14間に設けられた後側壁15とから構成され、これら左側壁13、右側壁14及び後側壁15によって囲まれる空間が加工領域26を形成する。
【0026】
また、前記第1サドル16はY軸送り機構22により駆動されて前記Y軸方向に移動し、前記第2サドル17はX軸送り機構23により駆動されて前記X軸方向に移動し、前記主軸頭18はZ軸送り機構24により駆動されて前記Z軸方向に移動するように構成され、これらX軸送り機構23、Y軸送り機構22及びZ軸送り機構24によって送り機構部21が形成される。
【0027】
前記主軸頭19は、工具Tが装着される工具主軸20を、その軸線中心に回転自在に保持しており、工具主軸20は、図示しない主軸モータにより駆動されて、前記軸線中心に回転する。そして、これら主軸頭19、工具主軸20及び主軸モータ(図示せず)によって、主軸機構部18が形成される。
【0028】
前記テーブル25は、図示しない適宜駆動手段によって、水平軸を中心としたB軸方向、及び垂直軸を中心としたC軸方向に回転するように構成され、その上面にパレットPが載置され、載置されたパレットPを保持する。
【0029】
斯くして、前記工具主軸20は、工具Tを保持した状態で前記主軸モータ(図示せず)によって軸線中心に回転するとともに、前記送り機構部21により駆動されて三次元空間内で移動し、このような動作によって、前記パレットP上に載置されたワークが前記工具Tによって加工される。そして、加工の際には、加工領域26内の適宜位置に設けられたクーラント吐出機構27から工具T及びワークに向けてクーラントが吐出される。また、前記右側壁14の加工領域26側の内壁には、カメラ40が配設されており、このカメラ40によって加工領域26内が撮像される。
【0030】
前記工具マガジン35は、前記左側壁13の外側の壁面に支持された状態で配設され、工具Tを保持する複数の保持部36を備えている。また、この工具マガジン35が設けられる位置の前記左側壁13には、壁部を貫通するように形成された開口13aが形成されており、前記工具マガジン35は、複数の保持部36を水平の環状をした無端軌道で移動させることができるようになっており、その中から一の保持部36を選択的に前記開口13aに対応する位置(マガジン側交換位置)に位置決めすることができるようになっている。
【0031】
また、前記工具交換装置30は、水平に配設され、その両端部に工具Tを保持する工具保持部を備えた交換アーム31を備えており、前記側壁14の内側の壁面に支持された状態で前記加工領域26内に配設されている。この工具交換装置30は、前記交換アーム31を、垂直な回転軸を中心として旋回させる旋回動作と、前記交換アーム31を垂直方向に昇降させる昇降動作とを行わせることができるようになっており、その近傍の位置(主軸側交換位置)に位置決めされた前記工具主軸20に保持された工具Tと、前記マガジン側交換位置に位置決めされた前記保持部36に保持された工具Tとを、前記左側壁13の開口13aを介して、前記交換アーム31の前記旋回動作及び昇降動作によって交換する。
【0032】
前記入出力装置60は、表示装置61及び入力装置62から構成される。この表示装置61には、文字や画像を表示するディスプレイが含まれ、入力装置62には、キーボードや、ディスプレイに表示されるポインタを用いた態様のものも含まれるが、これら表示装置61及び入力装置62は、完全に別体に設けられていなくてもよく、例えば、タッチパネルのように、表示部と入力部が一体的になっている態様も含まれ、更には、入出力装置60は、このような一体的な態様に加えて、独立した表示部及び入力部が混在した態様も含まれる。
【0033】
数値制御装置50は、図3に示すように、入出力制御部51、自動運転制御部52、清掃動作制御部53、プログラム記憶部54、及び異常監視部55などを備えて構成される。尚、この構成は、あくまでも、本発明を具現化するために必要な構成であって、当然のことながら、数値制御装置50は、他の機能部分を含むことができる。
【0034】
また、数値制御装置50は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、前記入出力制御部51、自動運転制御部52、清掃動作制御部53、及び異常監視部55は、コンピュータプログラムによってその機能が実現され、後述する処理を実行する。また、プログラム記憶部54はRAMなどの適宜記憶媒体から構成される。
【0035】
前記入出力制御部51は、前記入出力装置60の入出力を制御する機能部である。例えば、入出力制御部51は、前記入力装置60から入力されるNCプログラムを前記プログラム記憶部54に格納するとともに、当該プログラム記憶部54に格納されたNCプログラムを表示装置61に表示する。また、入出力制御部51は、前記カメラ40によって撮像された画像(映像)を前記表示装置61に表示する処理を行う。斯くして、オペレータは、当該カメラ40によって撮像された加工領域26内の画像(映像)を見ることで、当該加工領域26内の様子を確認することができる。
【0036】
前記プログラム記憶部54は、加工用に作成されたNCプログラムである加工プログラム、及び清掃動作用に作成されたNCプログラムである清掃プログラムを記憶する機能部であり、上述のようにして前記入力装置62及び入出力制御部51を介して入力される加工プログラム及び清掃プログラムを記憶する。
【0037】
また、前記入出力制御部51は、前記入力装置62から自動運転に係る操作信号が入力されると、当該操作信号を前記自動運転制御部52に送信する処理を行う。
【0038】
前記自動運転制御部52は、前記入出力制御部51を介して表示装置61に表示された加工プログラムを実行する操作信号を、前記入力装置62及び入出力制御部51を介して受信すると、対応する加工プログラムを前記プログラム記憶部54から読み出して、これを実行し、前記工作機械本体10を数値制御の下で動作させて、工具主軸20に装着した工具TでパレットPに載置されたワークを加工する。その際、加工工程に応じて、工具交換装置30により、工具マガジン35に保持された工具Tと、工具主軸20に装着された工具Tとが適宜交換され、加工工程に応じた工具Tが使用される。
【0039】
前記異常監視部55は、前記カメラ40の受光部41、例えばレンズや、このレンズを保護するために保護カバーが設けられている場合には当該保護カバーに、クーラントや切屑が付着して正確な画像(映像)を撮像できなくなったか否かを監視する処理部である。例えば、カメラ40の受光部41にクーラントや切屑が付着していない正常な状態のときに、所定の撮像方向から所定の対象物を撮像して得られる画像を基準画像として取得しておき、次に、予め定められた時間間隔で、同じ撮像方向から同じ対象物を撮像して得られる画像を現在画像として取得し、基準画像と現在画像とを比較して、基準画像と現在画像との差分をとって、差分値が許容値以上となったとき、カメラ40の受光部41に異常が生じたと判断する。そして、異常として判断されたとき、異常検知信号を前記清掃動作制御部53に送信する。
【0040】
前記清掃動作制御部53は、前記異常監視部55から異常検知信号を受信すると、前記プログラム記憶部54に格納された清掃プログラムに従って、清掃処理を実行する。例えば、自動運転制御部52の動作状態を確認し、自動運転制御部52が停止状態にある場合に、前記入力装置62から手動操作によって、清掃実行信号を受信したときにのみ、以下の清掃処理を実行する。このような場合には、清掃処理を実行することができると判断される。また、自動運転制御部52が連続運転状態の場合には、自動運転制御部52に一時停止信号を送信して、例えば、1サイクルの運転を完了したところで、自動運転を停止させた後、以下の清掃処理を実行する。
1)清掃具Tcを工具主軸20に装着する処理
清掃動作制御部53は、前記工具マガジン35及び工具交換装置30を駆動して、工具マガジン35中に格納された清掃具Tcを工具主軸20に装着する処理を行う。尚、工具主軸20に工具Tが装着されている場合には、工具主軸20に装着された工具Tと、工具マガジン35に格納された清掃具Tcと交換して、清掃具Tcを工具主軸20に装着し、工具Tは工具マガジン35に格納する。
2)清掃具Tcによりカメラ40の受光部41を清掃する処理
清掃動作制御部53は、前記送り機構21及び主軸機構部18を駆動して、清掃具Tcによりカメラ40の受光部41を清掃する処理を行う。
清掃具Tcとしては、例えば、図4から図7に示した清掃具Tc~Tcを例示することができるが、これに限定されるものではない。
a)清掃具Tc
清掃具Tcは、図4に示すように、工具主軸20のテーパ穴に装着されるテーパ部Tc及びこれに接続される軸部Tcからなり、軸部Tcの外周面に、その軸線に沿い、且つ径方向に突出するように設けられた掻き板Tc11を備えている。この掻き板Tc11は、ゴム板などの弾性を有する板状の部材から構成され、清掃部として機能する。
この清掃具Tc場合、清掃動作制御部53は、まず、前記主軸機構部18を駆動して、工具主軸20に装着した清掃具Tcの掻き板Tc11がカメラ40の受光部41の面と垂直に接することができる角度(回転方向の角度)に割り出す(図4(a)参照)。尚、本例では、カメラ40は、図4(b)に示すように、掻き板Tc11が受光部41の面に接触することが可能な姿勢で、前記側壁14の内面に取り付けられている。
次に、清掃動作制御部53は、前記送り機構部21を駆動して、掻き板Tc11をカメラ40の受光部41の面に接触させ、次に、工具主軸20、言い換えれば、清掃具Tcを受光部41の面と平行に、且つ、掻き板Tc11の長手方向と直交する方向に移動、好ましくは複数回、図4(a)において矢印で示す方向に往復動させる。
斯くして、カメラ40の受光部41にクーラントや切屑が付着している場合には、この掻き板Tc11の動作によって、受光部41からクーラントや切屑が掻き取られて除去される。
b)清掃具Tc
清掃具Tcは、図5に示すように、上記と同じくテーパ部Tc及び軸部Tcからなり、軸部Tcの外周面に、その軸線に沿い、径方向に突出するように、且つ周方向所定間隔で放射状に設けられた複数の掻き板Tc21からなり、本例では、掻き板Tc21は、径方向の断面が円弧状を有している。この掻き板Tc21も、ゴム板などの弾性を有する部材から構成され、清掃部として機能する。
この清掃具Tcの場合、清掃動作制御部53は、主軸機構部18を駆動して、工具主軸20及び清掃具Tcを回転させた状態で、送り機構部21を駆動して、掻き板Tc21をカメラ40の受光部41の面に接触させ、次に、工具主軸20、言い換えれば、清掃具Tcを受光部41の面と平行に、且つ、掻き板Tc21の長手方向と直交する方向に移動、好ましくは複数回、図5(a)において直線状の矢印で示す方向に往復動させる。尚、清掃具Tcの回転方向は、図5(a)において、弧状の矢印で示すように、掻き板Tc21が周方向に傾斜する方向とは、反対方向に回転させるのが好ましい。
斯くして、カメラ40の受光部41にクーラントや切屑が付着している場合には、この掻き板Tc21の動作によって、受光部41からクーラントや切屑が描き取られて除去される。尚、この清掃具Tcでは、清掃部である掻き板Tc21に回転力を付与させた状態で、受光部41に接触させるので、当該受光部41に強固に異物が付着している場合でも、当該異物を確実に除去することができる。
c)清掃具Tc
清掃具Tcは、図6に示すように、上記と同じくテーパ部Tc及び軸部Tcからなり、軸部Tcの外周面に、軸線に沿い、且つ径方向に突出するように、周方向所定間隔で放射状に植設された繊維状部材(繊維部材)Tc31、例えば、ブラシ毛やモップを形成する繊維束からなり、この繊維部材Tc31が清掃部として機能する。尚、図6では、図示が容易なように、繊維部材Tc31の輪郭線のみを表している。
この清掃具Tcの場合、清掃動作制御部53は、清掃具Tcと同様に、主軸機構部18を駆動して、工具主軸20及び清掃具Tcを回転させた状態で、送り機構部21を駆動して、繊維部材Tc31をカメラ40の受光部41の面に接触させ、次に、工具主軸20、言い換えれば、清掃具Tcを前記受光部41の面と平行に、且つ、軸部Tcと直交する方向に移動、好ましくは複数回、図6(a)において直線状の矢印で示す方向に往復動させる。尚、清掃具Tcの回転方向は、どちらの方向でもよい。
斯くして、カメラ40の受光部41にクーラントや切屑が付着している場合には、この繊維部材Tc31の動作によって、受光部41からクーラントや切屑が掻き取られて除去される。また、この清掃具Tcも、清掃部である繊維部材Tc31に回転力を付与させた状態で、受光部41に接触させるので、当該受光部41に強固に異物が付着している場合でも、当該異物を確実に除去することができる。
d)清掃具Tc
清掃具Tcは、図7に示すように、上記と同じくテーパ部Tc及び軸部Tcからなり、軸部Tcの外周面に、上述した清掃具Tcの掻き板Tc11と同じ構成の掻き板Tc41を先端側に備え、前記テーパ部Tc側に、清掃具Tcの掻き板Tc21と同じ構成の掻き板Tc43を備えるとともに、掻き板Tc11と掻き板Tc43との間に、圧縮空気を吐出する吐出口Tc42を備えている。尚、この清掃具Tcでは、前記掻き板Tc41、吐出口及びTc42が清掃部として機能する。また、前記吐出口Tc42は、清掃具Tcが工具主軸20に装着されたとき、適宜圧縮空気供給源に接続することができるようになっている。
この清掃具Tcによれば、上述した清掃具Tc及び清掃具Tcと同様の動作により、カメラ40の受光部41を清掃することができる。そして、例えば、清掃具Tcの掻き板Tc11と同様にして、掻き板Tc41により前記受光部41を清掃したのち、清掃具Tcをその先端側に移動させることにより、吐出口Tc42から吐出される圧縮空気によって受光部41を清掃し、次いで、更に、清掃具Tcをその先端側に移動させることにより、清掃具Tcの掻き板Tc21と同様にして、前記受光部41を清掃するといった態様をとることができる。
3)清掃具Tcを工具マガジン35に格納する処理
上述した清掃処理を実行した後、清掃動作制御部53は、前記工具マガジン35及び工具交換装置30を駆動して、工具主軸20に装着された清掃具Tcを工具マガジン35に格納する処理を行う。尚、その際、清掃動作開始直前に、工具主軸20に工具Tが装着されていた場合には、工具マガジン35に格納されていた当該工具Tとを交換して、当該工具Tを工具主軸20に装着し、清掃具Tcを工具マガジン35に格納する。
そして、以上の清掃処理を実行した後、前記清掃動作制御部53は、自動運転制御部52を一時停止させていた場合には、運転再開指令を送信して、自動運転制御部52に自動運転を再開させた後、処理を終了し、手動操作によって清掃処理を実行した場合には、そのまま処理を終了する。
【0041】
以上の構成を備えた本例の工作機械1によれば、前記異常監視部55により、前記カメラ40の受光部41にクーラントや切屑などの異物が付着して正確な画像(映像)を撮像できなくなったか否か、即ち、カメラ40の受光部41に異常が生じたかどうかが監視され、異常監視部55によりカメラ40の受光部41に異常が生じたと判断されると、当該異常監視部55から前記清掃動作制御部53に異常検知信号が送信される。
【0042】
そして、清掃動作制御部53は、異常監視部55から異常検知信号を受信すると、プログラム記憶部54に格納された清掃プログラムに従って清掃処理を実行する。即ち、清掃動作制御部53は、工具マガジン35に格納された清掃具Tc(Tc,Tc,Tc,Tc)を工具主軸20に装着して、その清掃部(Tc11,Tc21,Tc31,Tc41,Tc43)をカメラ40の受光部41に接触させることによって、当該受光部41を清掃する。尚、清掃具Tcの場合には、吐出口Tc42から吐出される圧縮空気によっても受光部41を清掃することができる。
【0043】
カメラ40(対象装置)の受光部41(作用部)に、切屑とともにクーラントが付着すると、従来のように加圧気体を吹き付けるだけでは、クーラントの表面張力の作用によって、クーラントと切屑を確実には除去し難いが、本例によれば、清掃具Tc(Tc,Tc,Tc,Tc)の清掃部(Tc11,Tc21,Tc31,Tc41,Tc43)をカメラ40の受光部41に直接接触させるようにしているので、当該受光部41に付着したクーラントや切屑などの異物を確実に除去することができる。
【0044】
また、本例では、清掃を行わない状態では、清掃具Tcを工具マガジン35内に格納しておき、カメラ40の清掃を行う必要が生じたときにのみ、当該清掃具Tcを工具主軸20に装着して、しかも自動的に清掃を行うことができるので、カメラ40の清掃を、必要に応じて効率的に行うことができる。
【0045】
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明が採り得る態様は、何ら上述した態様に限定されるものでは無い。
【0046】
例えば、上例では、工作機械1の加工領域26内に配設されたカメラ40を清掃対象装置としたが、これに限られるものでは無く、加工領域26内のパレットP上に配設された工具欠損検出装置を清掃対象装置としても良い(図8及び図9参照)。尚、図8は、工具欠損検出装置70を清掃対象装置とした工作機械1aを示し、図9は、工具欠損検出装置70の一例を示している。
【0047】
図9に示すように、本例の工具欠損検出装置70は、パレットP上に固定される基台71と、この基台71上に適宜間隔を空けて相互に対向するように設けられた発光器72及び受光器73を備えている。発光器72は、受光器73側に形成された照射口72aからレーザ光74を照射し、受光器73は発光器72側に形成された受光口73bからレーザ光74を受光して、その検出信号を出力する。
【0048】
斯くして、この工具欠損検出装置70によれば、工具主軸20に装着された工具Tを、発光器72と受光器73との間であって、正常な工具Tである場合の当該工具の先端が、発光器72から照射されるレーザ光74を僅かに遮る高さ位置に移動させ、この状態で、受光器73がレーザ光74を受光しない場合には、工具Tに欠損が無いと判断され、受光器73がレーザ光74を受光する場合には、工具Tに欠損が有ると判断される。
【0049】
この工具欠損検出装置70は、工具Tが欠損し易い加工を行う場合に用いられ、加工前に、この工具欠損検出装置70を用いて工具Tに欠損が有るか否かを検出することで、加工不良が生じるのを未然に防止することができる。
【0050】
ところで、この工具欠損検出装置70は、上述したように、パレットP上に配設されるため、前記発光器72の照射口72a及び受光器73の受光口73bには、クーラントや切屑などの異物が付着する虞があり、このように異物が付着すると、照射口72aからレーザ光74が照射されない、或いは、受光口73bからレーザ光74を受光することができないといった不都合を生じる。
【0051】
したがって、この工具欠損検出装置70においても、発光器72の照射口72aや受光器73の受光口73bに異物が付着した場合に、これを検出して、当該異物を前記清掃具Tcによって除去するのが好ましい。図8は、工具欠損検出装置70を清掃することができる工作機械1aの構成を示している。尚、この工作機械1aは、数値制御装置50aの異常監視部56が、上述した異常監視部55と異なるのみであり、他の構成は、上述した工作機械1と同じである。
【0052】
本例の異常監視部56は、工具欠損検出時以外のときに受光器73からの出力を監視し、当該受光器からの出力が無いときに、異常であると判断して、異常検知信号を前記清掃動作制御部53に送信する。そして、この異常検知信号を受信すると、前記清掃動作制御部53は、上記と同様の動作により、清掃具Tc(Tc,Tc,Tc,Tc)を工具主軸20に装着して、その清掃部(Tc11,Tc21,Tc31,Tc41,Tc43)を前記発光器72の照射口72a及び受光器73の受光口73bに接触させることによって、当該照射口72a及び受光口73bを清掃する。尚、この場合も、清掃具Tcを用いる場合には、吐出口Tc42から吐出される圧縮空気によっても照射口72a及び受光口73bを清掃することができる。
【0053】
或いは、加工領域26内のパレットP及びテーブル25に設けられた非接触給電装置を清掃対象装置としても良い(図10及び図11参照)。図10は、非接触給電装置80を清掃対象装置とした工作機械1bを示し、図11は、非接触給電装置80の一例を示している。
【0054】
図11に示すように、本例の非接触給電装置80は、テーブル25に設けられた給電部81と、パレットPに配設された受電部82とを備えており、給電部81と受電部82とが対向した状態で、給電部81から受電部82に電力が供給され、供給された電力は、パレットPに設けられたバッテリ83に蓄電される。本例では、パレットP上にワーク取付治具84が載置、固定されており、このワーク取付治具84に配設された電動クランプ85に前記バッテリ83から電力が供給され、これによって当該電動クランプ85が動作する。尚、パレットPは、上述したように、C軸方向に回転可能になっており、C軸方向の所定の角度位置で、前記給電部81の外面と前記受電部82の外面とが対向するようになっている。
【0055】
そして、非接触給電装置80も加工領域26内に配設されるため、前記給電部81の外面や受電部82の外面に、クーラントや切屑などの異物が付着する虞があり、このように異物が付着すると、給電部81から受電部82に電力が供給されないといった不都合を生じる。
【0056】
したがって、この非接触給電装置80においても、給電部81の外面や受電部82の外面に異物が付着した場合に、これを検出して、当該異物を前記清掃具Tcによって除去するのが好ましい。図10は、非接触給電装置80を清掃することができる工作機械1bの構成を示している。尚、この工作機械1bは、数値制御装置50bの異常監視部57が、上述した異常監視部55と異なるのみであり、他の構成は、上述した工作機械1と同じである。
【0057】
本例の異常監視部57は、給電部81の外面と受電部82の外面とが対向した状態で、両者間に低い電圧をかけて、両者間に電流の流れがあるか否か検出することにより、クーラントや切屑によって両者間が短絡しているかどうかを検出し、両者間が短絡している場合には、異常であると判断して、異常検知信号を前記清掃動作制御部53に送信する。
【0058】
そして、この異常検知信号を受信すると、前記清掃動作制御部53は、パレットPをC軸方向に回転させて、前記給電部81の外面と受電部82の外面との対向を解除し、上記と同様の動作により、清掃具Tc(Tc,Tc,Tc,Tc)を工具主軸20に装着して、その清掃部(Tc11,Tc21,Tc31,Tc41,Tc43)を前記給電部81の外面及び受電部82の外面に接触させることによって、当該給電部81の外面及び受電部82の外面を清掃する。尚、この場合も、清掃具Tcを用いる場合には、吐出口Tc42から吐出される圧縮空気によっても給電部81の外面と受電部82の外面とを清掃することができる。
【0059】
繰り返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 工作機械
10 工作機械本体
18 主軸機構部
20 工具主軸
21 送り機構部
30 工具交換装置
35 工具マガジン
40 カメラ
41 受光部
50 数値制御装置
51 入出力制御部
52 自動運転制御部
53 清掃動作制御部
54 プログラム記憶部
55 異常監視部
T 工具
Tc、Tc、Tc、Tc、Tc 清掃具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具主軸を備えた工作機械において、清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を、加工領域内に配設された対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去する方法であって、
前記対象装置の作用部には、少なくともカメラの受光部、又は工具欠損検出装置を構成する発光器の照射口及び受光器の受光口、又は非接触給電装置を構成する給電部及び受電部の相互対向面の何れかが含まれ、
前記清掃具は、前記工具主軸のテーパ穴に装着されるテーパ部及びこれに接続される軸部から構成され、該軸部の外周面に、前記清掃部として、その軸線に沿い、且つ径方向に突出するように設けられた弾性を有する掻き板を備え、
前記工具主軸に装着した清掃具の掻き板を、前記作用部に対して垂直に接触させて、前記作用部と平行に、且つ、掻き板の長手方向と直交する方向に往復動させるようにしたことを特徴とする工作機械の清掃方法。
【請求項2】
工具主軸を備えた工作機械において、清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を、加工領域内に配設された対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去する方法であって、
前記対象装置の作用部には、少なくともカメラの受光部、又は工具欠損検出装置を構成する発光器の照射口及び受光器の受光口、又は非接触給電装置を構成する給電部及び受電部の相互対向面の何れかが含まれ、
前記清掃具は、前記工具主軸のテーパ穴に装着されるテーパ部及びこれに接続される軸部から構成され、該軸部の外周面に、前記清掃部として、その軸線に沿い、径方向に突出するように、且つ周方向所定間隔で放射状に設けられた複数の弾性を有する掻き板を備え、
前記清掃具を回転させ、その掻き板を前記作用部に対して接触させた状態で、前記作用部と平行に、且つ、掻き板の長手方向と直交する方向に往復動させるようにしたことを特徴とする工作機械の清掃方法。
【請求項3】
工具主軸を備えた工作機械において、清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を、加工領域内に配設された対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去する方法であって、
前記対象装置の作用部には、少なくともカメラの受光部、又は工具欠損検出装置を構成する発光器の照射口及び受光器の受光口、又は非接触給電装置を構成する給電部及び受電部の相互対向面の何れかが含まれ、
前記清掃具は、前記工具主軸のテーパ穴に装着されるテーパ部及びこれに接続される軸部から構成され、該軸部の外周面に、前記清掃部として、その軸線に沿い、且つ径方向に突出するように、周方向所定間隔で放射状に植設された繊維部材を備え、
前記清掃具を回転させ、その繊維部材を前記作用部に対して接触させた状態で、前記作用部と平行に、且つ、前記軸部と直交する方向に往復動させるようにしたことを特徴とする工作機械の清掃方法。
【請求項4】
工具主軸を備えた工作機械において、清掃部を有する清掃具を前記工具主軸に装着した後、該工具主軸を移動させて、前記清掃部を、加工領域内に配設された対象装置の作用部に接触させることにより、該作用部に付着した異物を除去する方法であって、
前記対象装置の作用部には、少なくともカメラの受光部、又は工具欠損検出装置を構成する発光器の照射口及び受光器の受光口、又は非接触給電装置を構成する給電部及び受電部の相互対向面の何れかが含まれ、
前記清掃具は、前記工具主軸のテーパ穴に装着されるテーパ部及びこれに接続される軸部から構成され、該軸部の外周面に、前記清掃部として、その軸線に沿い、且つ径方向に突出するように設けられた弾性を有する第1の掻き板を先端側に備えるとともに、テーパ側に、その軸線に沿い、径方向に突出するように、且つ周方向所定間隔で放射状に設けられた複数の弾性を有する第2の掻き板を備え、更に、前記第1の掻き板と第2の掻き板との間に圧縮空気を吐出する吐出口を備え、
前記第1の掻き板を、前記作用部に対して垂直に接触させて、前記作用部と平行に、且つ、第1の掻き板の長手方向と直交する方向に往復動させた後、前記清掃具を前記軸線に沿って前記先端側に移動させて、前記吐出口から吐出される圧縮空気によって前記作用部を清掃し、この後、前記清掃具を回転させるとともに、該清掃具を更に前記軸線に沿って前記先端側に移動させて、前記第2の掻き板を前記作用部に対して接触させた状態で、前記作用部と平行に、且つ、該第2の掻き板の長手方向と直交する方向に往復動させるようにしたことを特徴とする工作機械の清掃方法。