(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064406
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムのコンピュータプログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20240507BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240507BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240507BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240507BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20240507BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/53
A63F13/69 510
A63F13/58
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172973
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】大津 慎次郎
(57)【要約】
【課題】役割に適した効果を発動させて、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用する。
【解決手段】複数のキャラクタPに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するゲームシステム100は、所定の切替条件が満たされた場合に、第1の役割から第2の役割へキャラクタの役割を切り替える役割切替手段32Eと、ゲームにおいて使用可能なゲーム要素とキャラクタとを関連付ける関連付け手段32Fと、第1の役割がキャラクタに割り当てられた状態で、ゲーム要素が使用される場合には、複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従ってゲーム要素の効果を発動させ、第2の役割がキャラクタに割り当てられた状態で、ゲーム要素が使用される場合には、複数種類の演算処理に含まれ且つ第1の処理とは異なる第2の処理に従ってゲーム要素の効果を発動させる効果制御手段32Gと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するゲームシステムであって、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替える役割切替手段と、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付ける関連付け手段と、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる効果制御手段と、を備えるゲームシステム。
【請求項2】
前記第1の役割は勝利条件の達成を目指す攻略の役割であり、前記第2の役割は前記勝利条件の達成を妨げる妨害の役割であり、
前記ゲームにおいては、前記攻略の役割が割り当てられた前記キャラクタと、前記妨害の役割が割り当てられた前記キャラクタとが前記勝利条件の達成を競い合い、
前記役割切替手段は、前記切替条件が満たされた場合に、前記妨害の役割から前記攻略の役割へと切り替えるか、又は前記攻略の役割から前記妨害の役割へと切り替える、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記複数種類の演算処理は、前記勝利条件の達成に有利となるような前記ゲーム要素の効果を発動させる処理と、前記勝利条件の達成に不利となるような前記ゲーム要素の効果を発動させる処理とを含む、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記第1の役割と前記第2の役割とが切り替わったときに、前記キャラクタに関連付けられている前記ゲーム要素の変化を通知する通知手段をさらに備える、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム要素は、前記キャラクタによって獲得されるように前記ゲームフィールドに配置されるアイテムオブジェクトであり、
前記通知手段は、前記アイテムオブジェクトを示すアイテムの画像又は名称を通知するとともに、前記第1の役割から前記第2の役割に切り替わった場合に、前記アイテムの画像又は名称を変化させることによって前記変化を通知する、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム要素が使用される場合に発動される前記効果の選択を、プレイヤから受け付ける受付手段をさらに備え、
前記効果制御手段は、選択された前記効果を発動させるように前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ゲーム要素が使用される場合に発動される前記効果を抽選する抽選手段をさらに備え、
前記効果制御手段は、抽選された前記効果を発動させるように前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記効果制御手段は、前記第1の役割と前記第2の役割とが切り替えられた切り替え回数に基づいて、前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームフィールドには、前記キャラクタによって貯められる収集要素が配置されており、
貯められた前記収集要素の量が所定量に達することが、前記勝利条件に含まれている、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記第1の役割が割り当てられた前記キャラクタは、逃走キャラクタであり、
前記第2の役割が割り当てられた前記キャラクタは、前記逃走キャラクタを追跡する追跡キャラクタであり、
前記役割切替手段は、前記追跡キャラクタが前記逃走キャラクタを対象として行う行動の成功回数が所定回数に達した場合に、前記切替条件が満たされたものとして、前記第1の役割から前記第2の役割へ切り替える、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムの制御方法であって、
前記コンピュータに、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の演算処理に含まれる処理に従ってゲーム要素の効果を発動させるゲームシステム、ゲームシステムのコンピュータプログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワーク側に配置された情報処理サーバと、ゲームに参加するユーザが携帯する携帯端末装置とを含む情報処理システムが記載されている。この情報処理システムが提供するゲームは、一例としてサイバー戦争というゲームである。そして、当該ゲームでは、ユーザが攻撃側と逃走側の2グループに分かれて戦う。また、当該ゲームの終了条件は、制限時間内に逃走側メンバーが全員捕縛されることである。すなわち、全員捕縛されれば攻撃側チームの勝ちとなり、逃走側メンバーが一人でも捕縛されずに制限時間が終了した場合は、逃走側チームの勝ちとなる。
【0003】
また、この情報処理システムは、プレイ中のゲームにおいて、他者の位置を調べる機能を提供する。これにより、捕まえる相手を探索すること、及び相手から逃げることが可能となる。また、情報処理システムの情報処理サーバは、アイテム処理部を備えている。そして、アイテム処理部は、ユーザが購入したアイテムのアイテム使用要求を携帯端末装置から受信すると、アイテムの内容に応じた処理を実行する。
【0004】
さらに、特許文献1には、使用するアイテムの効果がユーザの役割に基づいて変化する構成を開示している。例えば、ユーザが情報工作兵の役割を選択した場合は、他の役割を選択したユーザと比較して、アイテムの効果である探索時間及び探索距離が長くなるように設定されている。ここで、アイテムが使用されると、役割に基づいて探索時間及び探索位置範囲の大きさ等が決定される。そして、ユーザの抽出及び位置情報の取得が行われ、ユーザに送信されるユーザ位置通知情報(例えば、他のユーザの位置を示す位置情報)の生成指示等の処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゲームにおいては、プレイヤが操作するキャラクタがゲーム要素(例えば、アイテム)を使用できることがある。この場合、当該キャラクタの役割によっては、アイテムを使用できない又は使用する意味がないことがある。例えば、攻撃側の役割が割り当てられているキャラクタにとって、逃走に有利な効果を発揮するアイテムは、使用する意味がない。このように、割り当てられた役割によって、アイテムを有効に使用できない場合がある。また、キャラクタの役割に応じた態様でゲーム要素を使用できれば、ゲーム要素の使用態様の幅が広がり、ゲームの興趣性及び戦略性を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るゲームシステムは、ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するゲームシステムであって、所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替える役割切替手段と、前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付ける関連付け手段と、前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる効果制御手段と、を備える。
【0008】
また、他の一態様に係るコンピュータプログラムは、ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる、コンピュータプログラム。
【0009】
また、他の一態様に係る制御方法は、ゲームフィールドを移動する複数のキャラクタに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムの制御方法であって、前記コンピュータに、所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる。
【発明の効果】
【0010】
これにより、ある役割が割り当てられている場合に適用される処理と、他の役割が割り当てられている場合に適用される処理とを異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0013】
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステム100の全体構成を説明する。ゲームシステム100は、サーバ20と、サーバ20に所定のネットワーク50を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機31とを含む。サーバ20は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット21が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニット21によりサーバ20が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にサーバ20が構成されてもよい。
【0014】
ネットワーク50は、サーバ20に対してゲーム機31を接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。具体的には、ローカルエリアネットワーク52が、サーバ20及びゲーム機31と、インターネット51とを接続している。そして、ワイドエリアネットワークとしてのインターネット51とローカルエリアネットワーク52とが、ルータ53を介して接続されている。代替的に、ゲーム機31と、店舗30のルータ53との間にローカルサーバが設置されていてもよい。この場合、ゲーム機31は、当該ローカルサーバを介して、サーバ20と通信可能に接続される。また、サーバ20のサーバユニット21は、ローカルエリアネットワーク52に代えて又は加えて、インターネット51により相互に接続されていてもよい。
【0015】
サーバ20は、ゲーム機31又はそのプレイヤに対して、ゲーム用の各種サービスを提供する。例えば、このサービスは、ネットワーク50を介して複数のプレイヤがゲームをプレイする際に、プレイヤ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。各プレイヤは、このマッチングサービスを通じて適宜にマッチングされる。このマッチングサービスでは、一緒にゲームをプレイする協力者がマッチングされてもよく、ゲームを通じて対戦する対戦者がマッチングされてもよい。
【0016】
また、サービスは、ネットワーク50を介してプログラム又はデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。サーバ20は、この配信サービスを通じて、各ゲーム機31に、サービスの提供に必要な各種のプログラム又はデータを適宜に配信する。また、サーバ20は、ゲーム機31からプレイヤ識別情報を受け取って、そのプレイヤを認証するサービスを提供してもよい。さらに、サーバ20は、認証したプレイヤのプレイデータをゲーム機31から受け取って保存するサービスを提供してもよい。加えて、サーバ20は、サーバ20が保存するプレイデータを、ゲーム機31に提供するサービスを提供してもよい。その他に、サーバ20は、プレイヤから料金を徴収して決済するサービスを提供してもよい。
【0017】
ゲーム機31は、所定の対価の支払いと引き換えに、対価に対応した範囲でプレイヤにゲームをプレイさせる商業用又は業務用のゲーム装置である。このゲーム機31は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機31はコンピュータ装置であり、多数のプレイヤにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として、店舗30に設置される。
【0018】
代替的に、ゲーム機31は、ネットワーク接続が可能でありかつプレイヤの個人用途に供されるコンピュータ装置であってもよい。例えば、このようなゲーム機31は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置を含む。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、このようなゲーム機31に含まれる。これらのコンピュータ装置は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、サーバ20が提供する種々のサービスをプレイヤに享受させることが可能である。
【0019】
一例として、ゲームシステム100は、ゲーム機31を介して、ゲームフィールドGF(
図2)を移動する複数のキャラクタPに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供する。例えば、ゲームシステム100は、このようなゲームとして、プレイヤがキャラクタPを操作して相手プレイヤ又はコンピュータと対戦する対戦型の逃走脱出ゲームを提供する。この逃走脱出ゲームでは、キャラクタPに第1の役割と第2の役割(例えば、逃走の役割及び追跡の役割)のいずれかが割り当てられる。このように、役割は目的によって区別されるが、性別、種族、名称、又は外見等によって区別されてもよい。
【0020】
キャラクタPは、ゲームを進行させるために、プレイヤの操作に応じてゲームフィールドGFを移動するゲーム要素である。なお、ゲーム要素とは、ゲーム中にゲーム機31に表示されるか、又はゲームの進行に影響を与える要素である。例えば、ゲーム要素には、ゲーム機31に表示されるゲームオブジェクト又は装備、及び使用されることによってゲームの進行に影響を与えるアイテム又はスキル等が含まれる。
【0021】
なお、役割の切り替えがあるゲームであれば、ゲームシステム100は、逃走脱出ゲーム以外のゲームを提供してもよい。例えば、ゲームシステム100は、攻撃側と守備側とが入れ替わるサッカーゲーム又は野球ゲーム等のスポーツゲームを提供してもよい。または、ゲームシステム100は、攻撃ターンと守備ターンとが入れ替わるターン制のゲームを提供してもよい。他の例として、ゲームシステム100は、シミュレーションゲーム、対戦型のトレーディングカードゲーム、音楽ゲーム、ボードゲーム、麻雀ゲーム、RPGゲーム、競馬ゲーム、格闘ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、及びシューティングゲーム等のゲームを提供してもよい。なお、以下の説明では、逃走脱出ゲームが提供される例を主に説明する。
【0022】
[逃走脱出ゲーム]
図2を参照して、逃走脱出ゲームについて説明する。
図2の例では、複数のプレイヤのそれぞれが操作するキャラクタPがグループのいずれかに属し、グループ同士が対戦する形式でゲームがプレイされる。具体的には、第1グループG1と、第2グループG2とが対戦する形式でゲームがプレイされる。代替的に、グループの数は三つ以上であってもよい。
【0023】
逃走脱出ゲームでは、グループに属する各キャラクタPに、妨害又は攻略の役割のいずれかが割り当てられる。そのために、グループ毎に妨害又は攻略の役割が割り当てられる。また、各グループに属する各キャラクタPは、ゲームの勝利条件としてのゲームフィールドGFからの脱出を目的として、自らのグループに属する他のキャラクタPを操作するプレイヤと協力してゲームをプレイする。また、各グループに割り当てられる役割は、ゲームの開始から終了まで、勝利条件が満たされる前に切替条件が満たされる毎に繰り返し切り替えられる。そして、各プレイヤは、役割が切り替わる毎に、各グループに割り当てられた役割が割り当てられたキャラクタPを操作する。
【0024】
図2の例では、第1グループG1に妨害の役割が割り当てられており、第2グループG2に攻略の役割が割り当てられている。この場合、ゲームフィールドGFからの脱出という勝利条件の達成が、第2グループG2の目的となる。一方、第1グループG1の目的は、勝利条件の達成の妨害となる。そのため、第1グループG1が妨害グループとなり、第2グループG2が攻略グループとなる。代替的に、逃走脱出ゲームは、第1グループG1及び第2グループG2の各プレイヤ同士が協力して勝利条件の達成を目指すように構成されていてもよい。
【0025】
また、各グループに最初に割り当てられる役割は、各種の条件に基づいて適宜に決定される。一例として、最初に割り当てられる役割は、ミニゲームの結果に応じて決定されるか、ランダムに決定されるか、又はプレイヤの選択に基づいて決定される。例えば、ミニゲームは、コイントスでランダムに役割を抽選する抽選ゲームである。他の例として、ミニゲームは、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、又は音楽ゲーム等の各種のゲームであってもよい。
【0026】
各グループは、少なくとも一体のキャラクタPによって構成される。また、各グループを構成するキャラクタPの数は、グループ間において相違していてもよい。
図2の例では、第1グループG1及び第2グループG2のいずれも、同数の三体のキャラクタPによって構成されている。グループを構成するキャラクタPは、NPCを含んでいてもよい。ただし、
図2の例では、第1グループG1は、三人のプレイヤのそれぞれが操作する三体の妨害キャラクタP1を含んでいる。また、第2グループG2は、三人のプレイヤのそれぞれが操作する三体の攻略キャラクタP2を含んでいる。
【0027】
妨害キャラクタP1及び攻略キャラクタP2は、ゲームフィールドGFに配置される。
図2の例では、説明の便宜のため、グループ毎に各キャラクタPがゲームフィールドGFに配置されている。ただし、各キャラクタPは、ゲームフィールドGFの任意の位置に配置される。そして、第1グループG1に属する妨害キャラクタP1を操作するプレイヤは、妨害キャラクタP1に勝利条件の達成を妨害する妨害行動を行わせる。また、第2グループG2に属する攻略キャラクタP2を操作するプレイヤは、勝利条件を達成するための攻略行動を行わせる。
【0028】
勝利条件は、任意に設定でき、一つの条件の達成によって満たされてもよく、又は複数の条件の達成によって満たされてもよい。
図2の例では、勝利条件の一つが、脱出ゲートへ攻略キャラクタP2が到達することである。なお、脱出ゲートへ到達すべき攻略キャラクタP2の数は、一体であってもよく、又は二体以上であってもよい。他の例として、勝利条件の一つは、ゲームフィールドGFに設けられる全てのチェックポイントを通過すること、又はサブゲームにて所定の成績を獲得することであってもよい。
【0029】
具体的に、ゲームフィールドGFには、脱出ゲートを開放するためのキーオブジェクトKYが配置されている。一例として、脱出ゲートは、攻略キャラクタP2がキーオブジェクトKYを回す行動を実行した場合に出現する。代替的に、脱出ゲートは、ゲームフィールドGFに予め出現していてもよい。一例として、キーオブジェクトKYは、勝利条件の一つが満たされるまで到達不可の状態に設定される。なお、キーオブジェクトKYは、隠されていてもよく、ゲームフィールドGFにおいて到達難易度の高い場所に設けられていてもよい。
【0030】
一例として、収集要素CEの収集量は、各攻略キャラクタP2の所持量と、第2グループG2の貯留量とに分けて算出される。具体的に、各攻略キャラクタP2によって収集要素CEが収集されると、収集された収集要素CEは、まず各攻略キャラクタP2の所持量に加算される。
図2の例では、ゲームフィールドGFにゲーム要素として配置されている収集要素CEに、攻略キャラクタP2が触れる又は到達することにより、攻略キャラクタP2の所持量に所定の量が加算される。
【0031】
代替的に、所持量は、収集要素CEを収集する場所に攻略キャラクタP2が到達し、当該場所に攻略キャラクタP2が留まっている時間の長さに応じて加算されてもよい。また、収集量は、所持量と貯留量とに分けられていなくともよく、収集要素CEの収集と同時に収集量に所定の量が加算されてもよい。また、一例として、各攻略キャラクタP2が所持可能な所持量には、一定量の上限が設けられている。代替的に、各攻略キャラクタP2が所持可能な所持量には、制限が設けられていなくてもよい。
【0032】
また、収集要素CEの貯留量に関して、ゲームフィールドGFには、攻略キャラクタP2が所持する収集要素CEを貯留する場所としてチャージポイントCPが配置されている。
図2の例では、全ての攻略キャラクタP2に共通のチャージポイントCPが配置されている。代替的に、攻略キャラクタP2毎に個別のチャージポイントCPが配置されていてもよい。そして、チャージポイントCPに収集要素CEを所持する攻略キャラクタP2が到達すると、当該攻略キャラクタP2の所持量に対応する量の収集要素CEが、第2グループG2の収集要素CEの貯留量に加算される。
【0033】
一例として、貯留量は、チャージポイントCPに攻略キャラクタP2が到達し、チャージポイントCPに攻略キャラクタP2が留まっている時間の長さに応じて加算される。すなわち、貯留量は、攻略キャラクタP2がチャージポイントCPに留まっている時間に応じて徐々に増加する。言い換えると、攻略キャラクタP2が留まっている間、所定の量の収集要素CEが、所持量から貯留量に徐々に移行する。代替的に、チャージポイントCPへ到達した時に、所持量の一部又は全部の量が貯留量に移行してもよい。そして、チャージポイントCPへの貯留量が所定量に達すると、キーオブジェクトKYは到達可能な状態に変化する。
【0034】
なお、収集要素CEの収集量は、役割切替時に維持されてもよく、収集量の全部又は一部(例えば貯留量に相当する量)が適宜に初期値にリセットされてもよい。例えば、役割が切り替えられると、収集要素CEの貯留量は維持され、各攻略キャラクタP2の所持量は初期値(例えばゼロ)にリセットされる。
【0035】
妨害キャラクタP1は、第2グループG2による勝利条件の達成を妨害する妨害行動を行う。一例として、妨害行動には、攻略キャラクタP2を攻撃する攻撃行動が含まれる。また、妨害行動は、役割が切り替わる切替条件を満たすための行動としても機能する。そのため、攻略キャラクタP2が攻撃行動を行って、切替条件を満たすことによって、第2グループG2による勝利条件の達成を妨害できる。
【0036】
具体的に、攻略グループである第2グループG2には、最初に役割を割り当てられたとき、又は役割が切り替わったときに、所定数のライフポイントが与えられる。このライフポイントは、妨害キャラクタP1による攻略キャラクタP2に対する攻撃行動が成功する毎に一ポイントずつ減少する。例えば、妨害キャラクタP1による攻撃が攻略キャラクタP2に当たると、攻撃行動が成功する。そして、攻撃行動は、第2グループG2のライフポイントを減少させるための行動として機能する。
【0037】
一例として、攻撃行動は、妨害キャラクタP1が攻略キャラクタP2と接触することによって成功する。つまり、各妨害キャラクタP1は、攻略キャラクタP2と接触することにより、第2グループG2に設定されたライフポイントを減少させ、切替条件の達成に近づくことができる。さらに、攻撃行動は、攻略キャラクタP2に近接した位置から攻撃する行動と、攻略キャラクタP2から離れた位置から攻撃する行動とを含んでいてもよい。
【0038】
また、一例として、ライフポイントは、攻略グループに共通に与えられ、ライフポイントがゼロになった場合に切替条件が満たされる。代替的に、ライフポイントは、各攻略キャラクタP2に与えられてもよい。この場合、切替条件は、全ての攻略キャラクタP2のライフポイントがゼロになった場合に満たされる。
【0039】
また、攻撃行動が成功すると、攻撃された攻略キャラクタP2は、所定の開始位置から行動を再開する。通常、攻略キャラクタP2は開始位置から移動するため、開始位置は攻撃された位置とは異なる。一例として、攻略キャラクタP2は、攻撃行動が成功した直後に行動を再開できる。代替的に、攻撃行動が成功してから、攻略キャラクタP2が行動を再開までに所定の遅延時間が設けられていてもよい。さらに、妨害行動には、攻略キャラクタP2を捕獲する行動、又は攻略キャラクタP2の行動の全て又は一部を一定時間行えなくする行動等が含まれていてもよい。また、攻撃行動によって、攻略キャラクタP2が捕獲されるか、又は攻略キャラクタP2が行動不能となってもよい。
【0040】
脱出前に切替条件が満たされると、第1グループG1と第2グループG2との役割が切り替えられる。そして、切替前の攻略キャラクタP2であったキャラクタが妨害行動を行い、切替前の妨害キャラクタP1であったキャラクタが攻略行動を行うようにゲームが再開される。一例として、切替前の攻略キャラクタP2であったキャラクタについて、切替後の行動の再開位置は、切替条件が満たされた時の位置である。また、切替前の妨害キャラクタP1であったキャラクタについて、切替後の行動の再開位置は、所定の開始位置である。ただし、切替後の行動の再開位置は、任意の位置に設定されてよい。例えば、攻略キャラクタP2及び妨害キャラクタP1のいずれについても、切替後の行動の再開位置は、切替条件が満たされた時の位置であってもよく、所定の開始位置であってもよい。
【0041】
また、ゲームフィールドGFには、キャラクタPによって獲得されるように、ゲーム要素としてのアイテムオブジェクトB0が配置されている。そして、ゲームフィールドGFでは、プレイヤがキャラクタPを操作することによって、アイテムオブジェクトB0に対応するアイテム(以下、単に「アイテム」ということもある)を獲得できる。一例として、キャラクタPがアイテムオブジェクトB0に接触すると、キャラクタPがアイテムを獲得する。
【0042】
代替的に、プレイヤが事前に購入することによって、アイテムを取得することもできる。また、キャラクタPは、アイテムオブジェクトB0に接触することによって、抽選によって決定されたアイテムを獲得してもよい。さらに、対戦相手であるキャラクタP(例えば攻略キャラクタP2)を攻撃することによって、相手からアイテムを奪うことができてもよい。また、キャラクタPは、ゲームフィールドGFに配置されているゲームオブジェクト(例えば障害物)を対象とする行動(例えば破壊)を行うことによって、アイテムを獲得してもよい。
【0043】
取得されたアイテムは、キャラクタP又はプレイヤに関連付けられており、ゲーム中に使用することができる。そして、ゲーム中にアイテムが使用されると、所定の効果が発動される。
図2の例では、アイテムオブジェクトB0として「オイル」が、ゲームフィールドGFに配置されている。攻略キャラクタP2及び妨害キャラクタP1は、いずれもこのアイテムを獲得することができる。そして、攻略キャラクタP2が「オイル」を使用する場合には、妨害キャラクタP1を「スリップ」させて移動を一時的に制限する効果を発動する攻略アイテムとなる。一方、妨害キャラクタP1が「オイル」を使用する場合には、遠隔からの攻撃行動を行うことができる効果を発動する「火炎放射器」の妨害アイテムとなる。
【0044】
一例として、ゲームシステム100は、プレイヤによるキャラクタPの操作を介してプレイされるゲームを提供する。このゲームでは、互いに異なる第1の役割と第2の役割が、それぞれのキャラクタPに割り当てられる。例えば、第1の役割は、勝利条件の達成を目指す攻略の役割である。また、第2の役割は、勝利条件の達成を妨げる妨害の役割である。ただし、ゲームに設けられている役割は、三種類以上であってもよい。例えば、勝利条件の達成を目指す前衛の役割及び後衛の役割と、妨害の役割とが設けられていてもよい。
【0045】
そして、ゲームにおいては、攻略の役割が割り当てられたキャラクタPと、妨害の役割が割り当てられたキャラクタPとが勝利条件の達成を競い合う。例えば、ゲームにおいては、攻略の役割が割り当てられた攻略キャラクタP2を操作するプレイヤと、妨害の役割が割り当てられた妨害キャラクタP1を操作するプレイヤとが対戦する。代替的に、ゲームシステム100は、プレイヤ同士が協力して、所定の終了条件(例えば、共通の敵キャラクタを倒すこと)の達成を目指すゲームを提供してもよい。
【0046】
一例として、第1の役割は相手から逃走する役割であり、第1の役割が割り当てられたキャラクタは、逃走キャラクタである。また、第2の役割は逃走キャラクタを追跡する役割であり、第2の役割が割り当てられたキャラクタは追跡キャラクタである。具体的に、逃走キャラクタは、ゲームフィールドGFにおいて、追跡キャラクタから逃走するように移動しながら、収集要素CEを収集する攻略行動を行うように操作される。一方、追跡キャラクタは、ゲームフィールドGFにおいて、逃走キャラクタを追跡するように移動しながら、逃走キャラクタを攻撃する妨害行動を行うように操作される。
【0047】
ここで、逃走キャラクタは、所定の勝利条件を達成するために攻略行動を行う。つまり、逃走する役割は、勝利条件の達成を目指す攻略の役割に含まれている。一方、追跡キャラクタは、逃走キャラクタによる勝利条件の達成を妨害するために妨害行動を行う。つまり、追跡する役割は、勝利条件の達成を妨げる妨害の役割に含まれている。
【0048】
また、勝利条件は、各種のゲーム要素を利用した適宜の条件が設定され得る。一例として、
図3に示すゲームフィールドGFには、攻略キャラクタP2によって貯められるゲーム要素として、収集要素CEが配置されている。そして、勝利条件には、貯められた収集要素CEの量(すなわち貯蓄量)が所定量に達することが含まれている。また、勝利条件が含む他の条件は、例えば脱出ゲートを開くこと、及び脱出ゲートに到達すること等である。代替的に、勝利条件は、一つの条件(例えば貯蓄量が所定量に達すること)のみであってもよい。
【0049】
逃走キャラクタによる勝利条件の達成は、追跡キャラクタによって妨害される。さらに、逃走の役割及び追跡の役割は、逃走キャラクタによる勝利条件の達成前に切替条件が満たされた場合に切り替えられる。つまり、切替条件が満たされると、攻略キャラクタと妨害キャラクタの役割が入れ替えられる。そして、攻略キャラクタには、妨害の役割が割り当てられて妨害キャラクタとなる。一方、妨害キャラクタには、攻略の役割が割り当てられて攻略キャラクタとなる。このような切り替えは、ゲームが終了するまで繰り返し実行される。
【0050】
一例として、切替条件は、追跡キャラクタが逃走キャラクタを対象として行う行動の成功回数が所定回数(例えば三回)に達した場合に満たされる。つまり、切替条件は、成功回数が所定回数に達することである。当該行動は、妨害行動の一種であり、例えば、追跡キャラクタが逃走キャラクタに触れる行動である。また、当該行動は、追跡キャラクタが逃走キャラクタに攻撃を当てることであってもよい。
【0051】
また、ゲームシステム100が提供するゲームは、任意の数のプレイヤによってプレイされる。例えば、逃走脱出ゲームが提供される場合、複数のプレイヤによってプレイされる。この場合、複数(例えば二人)のプレイヤのそれぞれが操作するキャラクタPには、同じ役割(妨害の役割又は攻略の役割)が割り当てられてもよい。また、複数のプレイヤの少なくとも一人が操作するキャラクタPに、他のプレイヤが操作するキャラクタPとは、異なる役割が割り当てられてもよい。例えば、一のプレイヤが操作するキャラクタPに妨害の役割が割り当てられ、他の一のプレイヤが操作するキャラクタPに攻略の役割が割り当てられてもよい。なお、以下の説明では、逃走脱出ゲームが複数のプレイヤによってプレイされ、複数のキャラクタPに異なる役割が割り当てられる例について、主として説明する。
【0052】
[制御系]
次に、
図3を参照してゲームシステム100の制御系を説明する。ゲームシステム100は、サーバ20を備えており、サーバ20は、コンピュータとしてのサーバ制御部22と、サーバ記憶手段としてのサーバ記憶部23とを備えている。一例として、サーバ制御部22は、不図示のプロセッサを有している。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)である。また、サーバ記憶部23は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体としてのメモリであり、サーバプログラムPG1を記憶している。そして、プロセッサは、メモリに記憶されたサーバプログラムPG1に基づいて、サーバ20の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0053】
また、サーバ記憶部23は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにサーバプログラムPG1及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。サーバ記憶部23は、一つの記憶装置が全てのデータを記憶するように構成されてもよく、又は複数の記憶装置がデータを分散して記憶するように構成されてもよい。
【0054】
また、サーバ制御部22には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む操作部(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。また、サーバ制御部22には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する表示部(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部22は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたサーバプログラムPG1に従って制御を行うこともできる。
【0055】
また、サーバ記憶部23は、ゲーム用の各種サービスの提供に必要なサーバデータ23Aを記録している。サーバデータ23Aは、各種サービスの提供に必要なデータとして、例えば、プレイデータ23B及びキャラクタデータ23Cを含んでいる。さらに、サーバデータ23Aは、ゲーム機31において記憶されるゲームデータ33Aの一部又は全部と同じデータを含んでいてもよい。
【0056】
プレイデータ23Bは、各プレイヤの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。一例として、ゲームのキャラクタPのパラメータがプレイ状況に応じて変化する場合、過去のプレイ実績にはその変化量が含まれる。また、キャラクタデータ23Cは、各キャラクタPを定義するパラメータの情報が記述されたデータである。一例として、キャラクタデータ23Cは、パラメータの情報として、パラメータの初期値、又は変化前のパラメータの値を含んでいる。各キャラクタPのパラメータが変化した場合、変化後のパラメータは、プレイデータ23B(例えば変化量)、及びキャラクタデータ23C(例えば初期値)との組合せにより再現される。代替的に、キャラクタデータ23Cは、成長後のパラメータの値を含んでいてもよい。
【0057】
また、サーバ制御部22には、サーバ制御部22のハードウェア資源とソフトウェア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。
図3の例では、サーバ制御部22が、論理的装置としての管理部22Aを有している。管理部22Aは、ゲーム用のサービスを提供するための処理を実行する。例えば、管理部22Aは、マッチングサービスを実現するための処理等を行う。
【0058】
[ゲーム機]
ゲーム機31は、ゲーム機制御部32に接続される出力装置として、モニタ34及びスピーカ35を備えている。モニタ34は、ゲームのための各種画像を含むゲーム画面を表示するための表示装置である。そして、モニタ34は、ゲーム機制御部32からの出力信号に従って、各種のゲーム画面及びゲーム画像を表示する。また、スピーカ35は、各種音声を再生するための音声出力装置である。そして、スピーカ35は、ゲーム機制御部32からの出力信号に従って、ゲーム用のBGM等の各種音声を出力する。
【0059】
また、ゲーム機31は、ゲーム機制御部32に接続される入力装置として、コントロールパネル36を備えている。コントロールパネル36は、ゲームフィールドGFにおいてキャラクタPを行動させるために、プレイヤによる操作を入力するように構成されている。そのために、コントロールパネル36には、各種操作部が設けられている。例えば、操作部は、押しボタンスイッチ、又はキャラクタPの移動方向を操作するスティック等を有している。または、コントロールパネル36は、プレイヤの指によるタッチ操作に対応した信号を出力するタッチパネルを、操作部として有していてもよい。そして、コントロールパネル36は、操作部へのプレイヤによる操作に応じた信号を、ゲーム機制御部32に出力する。さらに、ゲーム機31は、所定の対価を徴収するための対価徴収装置(不図示)を有している。
【0060】
また、ゲーム機31は、コンピュータとしてのゲーム機制御部32と、ゲーム機記憶手段としてのゲーム機記憶部33とを備えている。一例として、ゲーム機制御部32は、不図示のプロセッサを有している。プロセッサは、例えばCPU、又はMPUである。また、ゲーム機記憶部33は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体としてのメモリであり、ゲームプログラムPG2を記憶している。そして、プロセッサは、メモリに記憶されたゲームプログラムPG2に基づいて、ゲーム機31の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0061】
ゲーム機記憶部33は、システムワークメモリであるRAM、並びにゲームプログラムPG2及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。ゲーム機記憶部33は、一つの記憶装置が全てのデータを記憶するように構成されてもよく、又は複数の記憶装置がデータを分散して記憶するように構成されてもよい。また、ゲーム機記憶部33は、ゲームデータ33Aを記憶している。ゲームデータ33Aは、ゲームプログラムPG2に従ってプレイヤにゲームをプレイさせるためのデータである。例えば、ゲームデータ33Aは、ゲーム機31に予めインストールされるか、サーバ20から配信されるか、又は各種の記録媒体を介してゲーム機記憶部33に記憶される。
【0062】
例えば、ゲームデータ33Aは、各種の画像を表示するための画像データ、及び各種のBGMを再生するためのBGMデータを含んでいる。さらに、ゲームデータ33Aは、プレイデータ33B及びキャラクタデータ33Cを含んでいる。例えば、プレイデータ33Bは、ゲーム機31をプレイするプレイヤであって且つサーバ20に認証されたプレイヤの、過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。また、キャラクタデータ33Cは、当該プレイヤに関連付けられた各キャラクタPを定義するパラメータの情報が記述されたデータである。一例として、プレイデータ33B及びキャラクタデータ33Cは、当該プレイヤにゲームをプレイさせるために必要な部分を含むように、サーバ20から配信される。
【0063】
ゲーム機制御部32には、ゲーム機制御部32のハードウェア資源とソフトウェア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。
図3の例では、論理的装置として、ゲーム機制御部32が、マッチング部32A、範囲設定部32B、評価部32C、及び進行制御部32Dを有している。
【0064】
マッチング部32Aは、マッチングサービスを通じたマッチングに関連する各種の処理を実行する。例えば、マッチング部32Aは、マッチングサービスを実現するために、サーバ20の管理部22Aと協働する。そして、マッチング部32Aは、対戦相手となるプレイヤ又は協力者となるプレイヤのマッチングに必要な処理を実行する。一例として、ゲームでは、複数のグループ同士が対戦し、当該複数のグループのそれぞれは複数のプレイヤが操作する複数のキャラクタPを含む。この場合、マッチング部32Aは、グループ分け、及び各グループに属する複数のプレイヤを特定する処理も実行する。
【0065】
範囲設定部32Bは、モニタ34を通じてゲームフィールドGFを提示する。また、範囲設定部32Bは、ゲーム内に所定のゲームフィールドGFを用意するための各種の処理を実行する。このゲームフィールドGFは、全てのキャラクタPの共通の移動範囲として設定される。そのため、範囲設定部32Bは、キャラクタPによる攻略行動又は妨害行動が実行される範囲としてゲームフィールドGFを設定する。例えば、ゲームフィールドGFには、キャラクタPの行動(例えば移動)を邪魔する障害オブジェクト、キャラクタPの行動を補助するギミックオブジェクト、又は各種のアイテムオブジェクトB0等のゲームオブジェクトが配置される。範囲設定部32Bは、これらのゲームオブジェクトを、ゲームフィールドGFに配置する処理も実行する。
【0066】
例えば、範囲設定部32Bは、予め構築された仮想三次元空間に対する仮想カメラの撮影結果としてゲームフィールドGFをモニタ34に表示させる。これにより、範囲設定部32Bは、モニタ34を通じてゲームフィールドGFを提示する。また、範囲設定部32Bは、ゲームフィールドGFに対応する仮想三次元空間に多数のゲーム要素が配置されるように、ゲームフィールドGFを提示する。代替的に、範囲設定部32Bは、ゲームフィールドGFに対応する仮想三次元空間を構築してもよい。
【0067】
評価部32Cは、プレイヤのプレイを評価するための各種の処理を実行する。例えば、評価部32Cは、ゲームにおけるプレイヤのプレイの評価対象及び評価手法に応じた処理を実行する。また、評価部32Cは、ゲームにおける勝敗を判定するための処理も実行する。
【0068】
進行制御部32Dは、ゲームの進行を制御するための各種の処理を実行する。例えば、進行制御部32Dは、プレイヤの操作に応じたキャラクタPの行動を制御するための処理を実行する。同様に、進行制御部32Dは、プレイヤによるアイテムを使用する操作に応じて、アイテムの効果を発動させるための処理を実行する。また、進行制御部32Dは、攻略の役割と妨害の役割とを切り替えるための処理を実行する。さらに、進行制御部32Dは、勝利条件に関連するゲーム要素に関する処理も実行する。例えば、進行制御部32Dは、収集量を増減させる処理、所持量を増減させる処理、及び役割を切り替える処理等を実行する。
【0069】
そのために、進行制御部32Dは、
図4に示すように、役割切替手段の一例としての役割切替部32E、関連付け手段の一例としての関連付け部32F、効果制御手段の一例としての効果制御部32G、通知手段の一例としての通知部32H、受付手段の一例としての受付部32J、及び抽選手段の一例としての抽選部32Kを有している。これらの各部は、ゲーム機制御部32のハードウェア資源とソフトウェア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置である。
【0070】
役割切替部32Eは、所定の切替条件が満たされた場合に、第1の役割から第2の役割へキャラクタPの役割を切り替える。例えば、切替条件が満たされた場合、役割切替部32Eは、キャラクタPの役割を、攻略の役割から妨害の役割へと切り替える。または、役割切替部32Eは、キャラクタPの役割を、妨害の役割から攻略の役割へと切り替える。具体的に、役割切替部32Eは、攻略キャラクタP2の第1の役割である攻略の役割を、第2の役割である妨害の役割に切り替える。また、役割切替部32Eは、妨害キャラクタP1の第2の役割である妨害の役割を、第1の役割である攻略の役割に切り替える。
【0071】
例えば、切替条件は、妨害キャラクタP1である追跡キャラクタによる、攻略キャラクタP2である逃走キャラクタに対する攻撃行動の成功回数が所定回数に達することである。この場合、第1の役割として、逃走の役割が割り当てられたキャラクタPが、逃走キャラクタである。また、第2の役割として、逃走キャラクタを追跡する追跡の役割が割り当てられたキャラクタPが、追跡キャラクタである。そして、役割切替部32Eは、追跡キャラクタが逃走キャラクタを対象として行う行動(例えば攻撃行動)の成功回数が所定回数に達した場合に、切替条件が満たされたものと判断する。
【0072】
そして、切替条件が満たされると、役割切替部32Eは、逃走キャラクタの役割を、第1の役割である逃走の役割から、第2の役割である追跡の役割へ切り替える。同時に役割切替部32Eは、追跡キャラクタの役割を、第2の役割である追跡の役割から、第1の役割である逃走の役割へ切り替える。代替的に、切替条件は、各攻略キャラクタP2又は攻略キャラクタP2が属するグループに関連付けられている所定のパラメータ(例えばライフポイント)が、所定値(例えばゼロ)に達することであってもよい。なお、所定のパラメータが攻撃行動の成功回数によって減少する場合には、成功回数が所定回数に達することという切替条件と同じ条件となる。
【0073】
上述した例では、異なるグループに属するキャラクタP同士の役割が切替によって入れ替わるが、役割が入れ替わらなくともよい。例えば、役割切替部32Eは、攻略キャラクタP2の第1の役割である前衛の役割を、第2の役割である後衛の役割に切り替えてもよい。さらに、役割切替部32Eは、妨害キャラクタP1の第1の役割である先陣の役割を、第2の役割である後陣の役割に切り替えてもよい。
【0074】
また、ゲーム開始後に、役割切替部32Eは、各グループに最初の役割を割り当てる。一例として、役割切替部32Eは、コイントスでランダムに役割を抽選する抽選ゲームを実行する。そして、役割切替部32Eは、抽選ゲームによって決定された役割を、各グループに割り当てる。
図2の例では、役割切替部32Eが、第1グループG1に妨害の役割を割り当て、第2グループG2に攻略の役割を割り当てている。例えば、役割切替部32Eは、各グループに属する各キャラクタPのキャラクタ識別情報に、それぞれのグループに割り当てられた役割の役割識別情報を関連付ける。
【0075】
関連付け部32Fは、ゲームにおいて使用可能なゲーム要素とキャラクタPとを関連付ける。一例として、ゲーム要素は、キャラクタPによって獲得されるようにゲームフィールドGFに配置されるアイテムオブジェクトB0である。関連付け部32Fは、キャラクタPがアイテムオブジェクトB0を獲得すると、当該キャラクタPとアイテムオブジェクトB0とを関連付ける。例えば、関連付け部32Fは、当該キャラクタPを一意に識別するキャラクタ識別情報に、アイテムオブジェクトB0に対応するアイテムを一意に識別するアイテム識別情報を関連付けて、キャラクタデータ33Cに含めてゲーム機記憶部33に記憶させる。
【0076】
これにより、アイテムオブジェクトB0を獲得したキャラクタPは、アイテムオブジェクトB0に対応するアイテムを使用可能に取得することになる。代替的に、ゲーム要素は、キャラクタPによって使用されるように販売されるアイテムであってもよい。この場合、関連付け部32Fは、プレイヤが当該アイテムを購入すると、当該アイテムを、プレイヤが操作するために選択したキャラクタPとを関連付ける。例えば、関連付け部32Fは、当該キャラクタPのキャラクタ識別情報に、アイテムのアイテム識別情報を関連付けて、キャラクタデータ33Cに含めてゲーム機記憶部33に記憶させる。これにより、キャラクタPは、購入されたアイテムを使用可能に取得することになる。なお、アイテムの取得態様は、上述した態様には限定されない。
【0077】
同様に、ゲーム要素がスキルである場合も、関連付け部32Fは、スキルを一意に識別するスキル識別情報を、キャラクタPのキャラクタ識別情報と関連付ける。一例として、スキルは、キャラクタPの成長によって使用可能に取得されるか、又はゲームフィールドGFに配置されているオブジェクトを獲得することによって、使用可能に取得される。代替的に、スキルは、プレイヤが購入することによって使用可能に取得されてもよい。なお、スキルの取得態様は、上述した態様には限定されない。一例として、スキルは、使用されることによって、移動速度又はジャンプの高さ等の、各キャラクタPのパラメータ又は能力を向上させる。または、スキルは、使用されることによって、行動を妨げるための罠又は障害物を設置すること、攻撃を受け付けない又は異常状態にならないこと、又は視認し難くなるか又は相手のモニタ34に表示されなくなること等を実行できる。
【0078】
効果制御部32Gは、第1の役割がキャラクタPに割り当てられた状態で、ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる。一方、効果制御部32Gは、第2の役割がキャラクタPに割り当てられた状態で、ゲーム要素が使用される場合には、複数種類の演算処理に含まれ且つ第1の処理とは異なる第2の処理に従ってゲーム要素の効果を発動させる。
【0079】
一例として、複数種類の演算処理は、妨害キャラクタP1の移動を一時的に制限する効果を発動する「スリップ」の処理を含む。また、複数種類の演算処理は、妨害キャラクタP1が遠隔から攻撃行動を行うことができる効果を発動する「火炎放射器」の処理を含む。そして、上述したゲーム要素「オイル」を使用する場合、第1の役割として攻略の役割が割り当てられている攻略キャラクタP2を操作している状態では、効果制御部32Gは、「スリップ」の処理を実行する。一方、第2の役割として妨害の役割が割り当てられている妨害キャラクタP1を操作している状態では、効果制御部32Gは、「火炎放射器」の処理を実行する。
【0080】
なお、ゲーム要素は、プレイヤの操作(例えば、所定のボタンの押し下げ操作)に応じて使用される。代替的に、ゲーム要素は、獲得時に自動的に使用されてもよく、所定のタイミング(例えば、獲得から所定時間経過時又はパラメータが所定値に達した時)に自動的に使用されてもよい。さらに、キャラクタPが、当該キャラクタPと同じ役割が割り当てられているグループに属する他のキャラクタPが獲得又は購入したゲーム要素を使用できてもよい。
【0081】
また、ゲーム中に使用されるゲーム要素の種類は、一つであっても複数であってもよい。さらに、ゲーム要素は、最初の役割が割り振られた後に獲得できても、役割が割り振られる前に取得できてもよい。ただし、最初の役割が割り振られた後に獲得できる場合、プレイヤは、ゲーム中にゲーム要素の獲得タイミングを調整できる。例えば、プレイヤは、割り当てられた役割を考慮して、ゲームを有利に進行できるタイミングを狙ってゲーム要素を獲得する。これにより、ゲーム進行の戦略に幅を持たせることができる。また、ゲーム要素は、ゲームフィールドGFに配置されても、配置されなくとも(例えばランダムで取得できる)よい。ただし、ゲームフィールドGFに配置される場合、プレイヤは、ゲーム中にゲーム要素の獲得場所を選ぶことができる。例えば、プレイヤは、キャラクタの位置を考慮して、ゲームを有利に進行できる場所に配置されているゲーム要素を狙って獲得する。これにより、ゲーム進行の戦略に幅を持たせることできる。
【0082】
このように異なる処理が実行されることにより、ある役割が割り当てられている場合に適用される処理と、他の役割が割り当てられている場合に適用される処理とを異ならせることができる。そのため、役割に適した効果を発動させることができるため、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用できる。すなわち、割り当てられた役割に関わらず同一の効果(例えば、攻撃範囲の拡大)を発動する処理が実行される場合、アイテムを獲得しても使用する意味がない事態が生じてしまう。すなわち、役割によっては、アイテムを使用できないか、又はアイテムを使用しても意味がない事態が生じ得る。例えば、妨害用のアイテムは、妨害の役割が割り当てられている場合には有用だが、攻略の役割が割り当てられている場合には、使用する意味がない。
【0083】
これに対して、本実施形態に係るゲームシステム100によれば、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用できる。そのため、アイテムオブジェクトB0(例えば「オイル」)を、攻略キャラクタP2が獲得し易い態様で配置しても、妨害キャラクタP1が獲得し易い態様で配置しても、アイテムを有効に使用できる。その結果、アイテムオブジェクトB0の配置が、いずれかの役割に一方的に有利又は不利となることがなくなる。したがって、ゲーム設計(例えば、アイテムオブジェクトB0の、種類、配置タイミング、配置場所、及び配置数等)が制限されず、ゲーム設計の自由度を高めることもできる。また、割り当てられた役割に応じた態様でアイテムを使用できるので、アイテムの使用態様の幅が広がり、ゲームの興趣性及び戦略性を高めることができる。
【0084】
なお、複数種類の演算処理に含まれる各処理の効果の程度(例えば、パラメータを変動させる量)は、ゲームの進行状況に応じて変化してもよい。例えば、ゲームに制限時間がある場合、制限時間が迫ったゲームの後半では、効果の程度を大きくしてもよい。ただし、この場合であっても、効果制御部32Gは、キャラクタPに割り当てられている役割が異なれば、異なる処理を実行する。一例として、あるアイテムによる移動速度の向上という効果を発動する処理は、キャラクタPに第1の役割が割り当てられている状態で実行され、キャラクタPに第2の役割が割り当てられている状態では実行されない。さらに、効果制御部32Gは、ゲーム中に登場する一部のアイテムについて、異なる役割が割り当てられる前後で、同一の効果を発動する処理を実行してもよい。すなわち、異なる役割が割り当てられた状態であっても、アイテムの効果が変わらなくともよい。また、効果制御部32Gは、特定の条件が満たされた状態で異なる役割が割り当てられた場合にのみ、異なる処理を実行してもよい。
【0085】
また、複数種類の演算処理は、勝利条件の達成に有利となるようなゲーム要素の効果を発動させる処理を含んでいてもよい。一例として、当該処理によって発動される効果は、攻略の役割が割り当てられた攻略キャラクタP2のパラメータ(例えば移動速度)を向上させる効果である。また、他の例として、当該効果は、妨害の役割が割り当てられた妨害キャラクタP1のパラメータ(例えば攻撃範囲)を低下させる効果である。また、複数種類の演算処理は、勝利条件の達成に不利となるようなゲーム要素の効果を発動させる処理を含んでいてもよい。一例として、当該処理によって発動される効果は、攻略の役割が割り当てられた攻略キャラクタP2のパラメータ(例えば移動速度)を低下させる効果である。また、他の例として、当該効果は、妨害の役割が割り当てられた妨害キャラクタP1のパラメータ(例えば攻撃範囲)を向上させる効果である。
【0086】
また、複数種類の演算処理は、第1の役割(例えば攻略の役割)が割り当てられているキャラクタPには適用されない効果を発動させる処理を含む。一例として、当該効果は、攻撃行動に用いられる効果であり、攻撃行動を行わない攻略の役割が割り当てられているキャラクタPに対しては、効果が発動しても適用される場面が無い。または、複数種類の演算処理は、第2の役割(例えば妨害の役割)が割り当てられているキャラクタPには適用されない効果を発動させる処理を含む。一例として、当該効果は、収集要素CEの収集に用いられる効果であり、収集要素CEの収集を行わない妨害の役割が割り当てられているキャラクタPに対しては、効果が発動しても適用される場面が無い。
【0087】
さらに、複数種類の演算処理は、キャラクタPのパラメータ又は状態を変化させる効果を発動させる処理を含む。一例として、パラメータを変化させる効果は、キャラクタPのパラメータ(例えば移動速度又は攻撃範囲)を向上又は低下させる効果である。また、状態を変化させる効果は、キャラクタPの行動を困難にする(例えば移動不能又は操作不能にする)効果である。または、複数種類の演算処理は、ゲームフィールドGFに、オブジェクトが配置される効果を発動させる処理を含む。一例として、当該効果によって、障害物のオブジェクト、収集要素CE、キーオブジェクトKY、罠のオブジェクト、又はパラメータ(例えば移動速度)を変化させるオブジェクト等が、ゲームフィールドGFに配置される。
【0088】
さらに、複数種類の演算処理は、ゲーム要素の使用態様が異なる複数の処理を含んでいてもよい。例えば、複数種類の演算処理は、キャラクタPが相手に投げつける態様でアイテムを使用する処理と、キャラクタPが自ら服用する態様でアイテムを使用する処理を含んでいてもよい。一例として、「毒キノコ」のアイテムについて、攻略キャラクタP2が使用する場合、妨害キャラクタP1に投げつける態様で使用される。一方、妨害キャラクタP1が使用する場合、妨害キャラクタP1がアイテムを服用する態様で使用され、妨害キャラクタP1のパラメータが増加する効果が発動する。
【0089】
一例として、効果制御部32Gは、テーブルを参照して実行する処理を選択する。このテーブルでは、使用されたアイテム又はスキル等のゲーム要素を一意に識別する使用要素識別情報が、実行すべき処理を一意に識別する情報と対応付けられている。例えば、使用要素識別情報は、キャラクタPに割り振られた役割を一意に識別する役割識別情報(例えば役割ID)と、ゲーム要素を一意に識別する要素識別情報(例えば要素ID)との組み合わせによって構成される。そして、効果制御部32Gは、使用要素識別情報を用いてテーブルを参照することにより、実行すべき処理を特定し且つ実行する。なお、当該テーブルは、ゲームデータ33Aに含まれて、ゲーム機記憶部33が記憶している。
【0090】
代替的に、効果制御部32Gは、役割を特定するフラグのオンオフの組み合わせによって、実行すべき処理を特定してもよい。例えば、第1の役割が割り当てられている場合には、フラグがオンとなる。そして、効果制御部32Gは、使用されたゲーム要素の要素識別情報を用いて、フラグがオンの場合に実行すべき処理を特定する。同様に、第2の役割が割り当てられている場合には、フラグがオフとなる。そして、効果制御部32Gは、使用されたゲーム要素の要素識別情報を用いて、フラグがオフの場合に実行すべき処理を特定する。
【0091】
また、効果制御部32Gは、第1の役割と第2の役割とが切り替えられた切り替え回数に基づいて、第1の処理又は第2の処理を実行してもよい。例えば、進行制御部32Dは、ゲーム開始後の切り替え回数をプレイデータ33Bに含めてゲーム機記憶部33に記憶させる。そして、効果制御部32Gは、ゲーム要素が使用されると、切り替え回数を参照する。また、効果制御部32Gは、複数種類の演算処理の中から、切り替え回数に応じた処理を実行する。
【0092】
例えば、効果制御部32Gは、複数種類の演算処理に含まれる各処理の効果の程度(例えば、パラメータを変動させる量)が、切替回数に応じて変化するように処理を実行する。一例として、切替回数が多くなるにつれて、効果の程度が大きくなる。具体的には、切替回数が二回の場合には、切替回数が一回の場合と比較して、パラメータを変動させる量が大きくなる。ただし、この場合であっても、効果制御部32Gは、キャラクタPに割り当てられている役割が異なれば、異なる処理を実行する。一例として、あるアイテムによる移動速度の向上という効果を発動する処理は、キャラクタPに第1の役割が割り当てられている状態で実行され、キャラクタPに第2の役割が割り当てられている状態では実行されない。
【0093】
他の例として、効果制御部32Gは、切替回数が一回の場合には、第1の効果を発動する処理を実行する。また、効果制御部32Gは、切替回数が二回の場合には、第2の効果を発動する処理を実行する。さらに、効果制御部32Gは、切替回数が三回の場合には、第3の効果を発動する処理を実行する。そのため、プレイヤは、切替回数を参照しながら、ゲーム要素の使用タイミングを調整できる。これによって、発動される効果を異ならせて、ゲームの進行の戦略に幅を持たせることができる。
【0094】
通知部32Hは、第1の役割と第2の役割とが切り替わったときに、キャラクタPに関連付けられているゲーム要素の変化を通知する。例えば、通知部32Hは、ゲーム要素を特定する画像、名称、ID、効果の内容等の特定情報を、モニタ34に表示させる。そして、通知部32Hは、役割が切り替わったときには、切り替わった役割に対応するゲーム要素の特定情報をモニタ34に表示させる。これにより、切替の前後で特定情報が異なるため、通知部32Hは、ゲーム要素の変化をプレイヤに通知できる。
【0095】
代替的に、通知部32Hは、特定のゲーム要素を示すインジケータ、例えばコントロールパネル36に設けられたランプを、点灯又は消灯させることによって、ゲーム要素の変化を通知してもよい。また、通知部32Hは、ゲーム要素の特定情報(例えば名称)を、スピーカ35から音声出力させてもよい。また、通知部32Hは、ゲーム要素の変化を全てのプレイヤに通知してもよく、各プレイヤ又は同一の役割が割り振られているプレイヤにのみ、ゲーム要素の変化を通知してもよい。
【0096】
また、ゲーム要素は、キャラクタPによって獲得されるようにゲームフィールドGFに配置されるアイテムオブジェクトB0である場合がある。この場合、通知部32Hは、キャラクタPが取得しているアイテムオブジェクトB0を示すアイテムの画像又は名称を通知する。一例として、通知部32Hは、ゲーム画面にアイテムの画像又は名称を表示させることによって通知を行う。なお、アイテムオブジェクトB0が、ゲームフィールドGFに配置されるゲーム要素であれば、取得のタイミングはゲームの開始前であってもよい。例えば、プレイヤが購入したアイテムと同じアイテムを示すアイテムオブジェクトB0が、ゲームフィールドGFに配置されることがある。この場合、通知部32Hは、予め購入によって取得されたアイテムがあれば、ゲーム中に獲得されていなくとも、ゲーム開始前に購入したアイテムの画像又は名称を通知する。
【0097】
さらに、通知部32Hは、第1の役割から第2の役割に切り替わった場合に、アイテムの画像又は名称を変化させることによって変化を通知する。例えば、上述の「オイル」のゲーム要素の場合、キャラクタPに攻略の役割が割り当てられている状態では、通知部32Hが「スリップ」を意味する画像を、ゲーム要素の特定情報としてモニタ34に表示させる。一方、キャラクタPに妨害の役割が割り当てられている状態では、通知部32Hが「火炎放射器」を意味する画像を、ゲーム要素の特定情報としてモニタ34に表示させる。これにより、切替の前後で特定情報が異なるため、通知部32Hは、ゲーム要素の変化をプレイヤに通知できる。
【0098】
これにより、プレイヤは、取得しているゲーム要素の種類が、割り当てられている役割の切替に応じて変化したように認識する。例えば、攻略の役割が割り当てられているときにアイテム(例えば「オイル」)を獲得した後で、妨害の役割に切り替わると、第1アイテムの表示(例えば「スリップ」)が第2アイテムの表示(例えば「火炎放射器」)に変化する。そのため、プレイヤは、第1アイテムが第2アイテムに変化したと認識する。その後、妨害の役割から攻略の役割へとさらに切り替わると、第2アイテムの表示が第1アイテムの表示に変化する。そのため、プレイヤは、第2アイテムが第1アイテムに変化したと認識する。
【0099】
このように、ゲームフィールドGFに配置されるアイテムオブジェクトB0に対応するアイテムが、獲得後の役割に応じて変化するように認識される。そのため、アイテムの種類が変わることをプレイヤが認識して、使用タイミング等の調整が行われる結果、ゲームがより複雑になり興趣を高めることができ、且つ戦略の幅を広げることができる。また、ゲーム要素の変化を通知することによって、プレイヤは、どのゲーム要素が何のゲーム要素に変化したのかを容易に認識できる。例えば、ゲーム要素を示す画像又は名称が変化して表示される場合、プレイヤは、視覚的にゲーム要素の変化を認識できる。また、ゲーム要素を示す名称が変化して音声出力される場合、プレイヤは、聴覚的にゲーム要素の変化を認識できる。
【0100】
受付部32Jは、ゲーム要素が使用される場合に発動される効果の選択を、プレイヤから受け付ける。そして、効果制御部32Gは、選択された効果を発動させるように第1の処理又は第2の処理を実行する。例えば、受付部32Jは、ゲーム開始前、ゲーム要素の使用時、又はゲーム要素の取得時等に、複数の効果の選択肢をモニタ34に表示させる。
【0101】
そして、プレイヤは、選択肢の中から所望の効果を選択する。受付部32Jは、プレイヤの選択を受け付けて選択された効果を発動する処理を一意に識別する処理識別情報をゲーム機記憶部33に記憶させる。そして、進行制御部32Dは、ゲーム要素が使用されると、処理識別情報を参照して、複数種類の演算処理の中から処理識別情報によって特定される処理を実行する。これにより、プレイヤは、ゲーム中により有利な効果が発動されるように戦略を立てることができ、当該戦略をゲームの進行に反映できる。
【0102】
なお、複数の選択肢を表示させるためのデータ(例えばアイコンの画像データ)は、ゲームデータ33Aに含まれて、ゲーム機記憶部33が記憶している。なお、複数の選択肢のそれぞれは、アイテムを特定する選択肢であってもよい。この場合、プレイヤが選択したアイテムの識別情報によって、発動される効果と、その効果を発動させる処理とが特定される。
【0103】
抽選部32Kは、ゲーム要素が使用される場合に発動される効果を抽選する。そして、効果制御部32Gは、抽選された効果を発動させるように第1の処理又は第2の処理を実行する。例えば、抽選部32Kは、ゲーム開始前、ゲーム要素の使用時、又はゲーム要素の取得時等に、複数の効果の中からランダムで抽選を行い、発動される効果を決定する。そして、抽選部32Kは、抽選によって決定された効果を発動する処理を一意に識別する処理識別情報をゲーム機記憶部33に記憶させる。
【0104】
そして、進行制御部32Dは、ゲーム要素が使用されると、処理識別情報を参照して、複数種類の演算処理の中から処理識別情報によって特定される処理を実行する。これにより、ゲームの戦局にプレイヤが予測し得ない変化を与えることができる。例えば、不利な状況から逆転するような変化を与えることができる。そのため、プレイヤの期待感を高めて、より活発にゲーム要素が使用される。なお、抽選対象は、アイテムの識別情報であってもよい。この場合、決定されたアイテムの識別情報によって、発動される効果と、その効果を発動させる処理とが特定される。
【0105】
なお、抽選確率は、ゲームの進行状況に応じて変化してもよい。例えば、収集要素CEの収集量の差が大きい場合、収集量が少ないグループに属するキャラクタPがゲーム要素を使用したときに、所定のアイテムが当選しやすくなるように、その抽選確率が高く設定されても良い。例えば、当該所定のアイテムは、通常は抽選確率が低く設定されているアイテムである。当該所定のアイテムを使用することによって、より有利な効果を発動させることができる。または、収集量が多いグループに属するキャラクタPがゲーム要素を使用したときに、当該所定のアイテムが当選し難くなるように、その抽選確率が低く設定されても良い。
【0106】
[ゲーム画面]
図5は、逃走脱出ゲームがグループ対戦型のゲームとして提供される場合に、モニタ34に表示される対戦画面40の一例を模式的に示している。また、
図5は、妨害キャラクタP1を使用するプレイヤに表示される対戦画面40を示している。
図5に示すように、対戦画面40は、時間領域41、貯留量欄42、マップ画像43、キャラクタ表示欄44、ゲームフィールドGF、及びライフポイント欄LPを含んでいる。
【0107】
ゲームフィールドGFは、各キャラクタPの行動範囲として設定されるゲーム内の空間である。一例として、ゲームフィールドGFは、仮想三次元空間の任意の位置に適宜の撮影条件で設置された仮想カメラの撮影結果に対応するように構成される。さらに、ゲームフィールドGFは、正方形の区分をそれぞれ形成するように、四等分される。これらの各区分は、一例として区分線SLにより区別され、異なる配色により識別される。一例として、各区分のそれぞれは、ゲーム開始時の攻略キャラクタP2の出現位置又は開始位置として使用される。例えば、各攻略キャラクタP2は、各区分に分散するように出現する。
【0108】
また、ゲームフィールドGFには、妨害キャラクタP1、各種の障害B、中央ステージ45、収集要素CE、チャージポイントCP、及びキーオブジェクトKY等のオブジェクトが配置されている。ゲームフィールドGFに配置される各オブジェクトの数は、任意に設定できる。例えば、
図5の例では、複数の収集要素CEと、二つのチャージポイントCP1,CP2と、一つのキーオブジェクトKYとが配置されている。
【0109】
各チャージポイントCPは、収集要素CEを貯留する効果が与えられる範囲として、各チャージポイントCPの軸線の周囲に形成される効果範囲CPaを有している。例えば、効果範囲CPaに攻略キャラクタP2(
図5では不図示)が留まっている時間が長くなるほど、貯留量が増える。すなわち、留まっている時間が長くなるほど、所持量からより多くの収集要素CEが貯留量へ移行する。
【0110】
キーオブジェクトKYの周囲には、ガードGRが配置されている。ガードGRは、キーオブジェクトKYへの到達を阻むオブジェクトである。キーオブジェクトKYは、チャージポイントCPへの貯留量が所定量に達するまで到達不可に設定されている。そのため、
図5の例では、ガードGRによって、キーオブジェクトKYから所定の範囲への移動が制限されている。そして、ガードGRは、収集要素CEの貯留量が所定量に達した場合に消滅する。ガードGRの消滅に伴い、キーオブジェクトKYは到達可能な状態に変化する。そして、攻略キャラクタP2が、キーオブジェクトKYを回す行動を実行した場合、キーオブジェクトKYの下に脱出ゲートが出現する。
【0111】
また、妨害キャラクタP1に関連して、所持量ゲージHAが設けられている。所持量ゲージHAは、妨害キャラクタP1が所持する収集要素CEの所持量を示すためのゲージである。
図5の例では、妨害キャラクタP1の頭上に、それぞれが一定量の所持量を示す三つの所持量ゲージHAが表示されている。そして、各所持量ゲージHAは、所持量が増えるに従って徐々に配色が変化する。同様に、攻略キャラクタP2に関連して、所持量ゲージが設けられる。代替的に、収集要素CEの所持は攻略キャラクタP2のみに許容されてもよい。
【0112】
妨害キャラクタP1は、攻略キャラクタP2が所持する収集要素CEを奪うことができる。そして、妨害キャラクタP1は、収集要素CEと接触しても収集要素CEを収集できない。一例として、妨害キャラクタP1は、攻略キャラクタP2を攻撃すると、攻撃された攻略キャラクタP2が所持する収集要素CEの一定量を奪うことができる。つまり、攻略キャラクタP2の所持量の一定量が、妨害キャラクタP1の所持量に移行する。また、攻撃された攻略キャラクタP2が属する攻略グループのライフポイントが減少する。
【0113】
障害Bは、攻略行動又は妨害行動等のキャラクタPの行動を困難にするオブジェクトである。例えば、障害Bは、壁オブジェクトB1、柱オブジェクトB2、及び丘オブジェクトB3を含んでいる。例えば、壁オブジェクトB1及び柱オブジェクトB2は、キャラクタPの行動として走行及びジャンプの少なくとも一方を妨げる。具体的に、壁オブジェクトB1及び柱オブジェクトB2は、キャラクタPが通過できないように走行を妨げ、且つキャラクタPが飛び越えられないようにジャンプを妨げる。また、丘オブジェクトB3は、坂の部分において移動速度を低下させるように走行を妨げる。
【0114】
中央ステージ45は、妨害キャラクタP1の出現位置又は開始位置として機能するオブジェクトである。例えば、最初に役割が割り当てられたとき、及び役割が切り替えられたときに、妨害キャラクタP1は、中央ステージ45の各開始位置オブジェクト45Aに出現する。
図5の例では、中央ステージ45は、正方形の頂面を有している。また、中央ステージ45の頂面は、ゲームフィールドGFの床面よりも一段高い位置にある。そのため、中央ステージ45は、頂面に登るための階段を有している。そして、中央ステージ45の階段以外の部分は、走行及びジャンプを妨げ、階段部分では移動速度を低下させる。その結果、中央ステージ45は、障害Bの一種としても機能する。
【0115】
時間領域41には、プレイ可能な残り時間が表示され、
図5の例ではとして「300」秒が表示されている。代替的に、時間領域41には、ゲーム開始からの経過時間が表示されてもよい。ゲームの終了条件は、攻略キャラクタP2が脱出ゲートに到達することによって満たされるが、残り時間がゼロになった場合にも満たされる。そして、残り時間がゼロになった場合には引き分けと判定される。代替的に、残り時間がゼロになった場合に、より収集量が多いグループが勝利と判定されてもよい。
【0116】
貯留量欄42は、チャージポイントCPを介して貯留された収集要素CEの貯留量を示す。貯留量欄42は、自己が属するグループの貯留量を示す味方欄42aと、対戦相手のグループの貯留量を示す対戦相手欄42bとを含んでいる。味方欄42aには、自己が属するグループの累計的な貯留量が表示される。また、対戦相手欄42bには、対戦相手のグループの累計的な貯留量が表示される。一例として、貯留量は、勝利条件の一つである所定量に対する貯留量の割合として表示される。つまり、貯留量の割合が「100.0%」になった場合、貯留量が所定量に達したことになる。なお、
図5の例では、「000.0%」が所定量に対する割合として表示されている。
【0117】
ライフポイント欄LPは、攻略キャラクタP2が属するグループに関連付けられたライフポイントの値を示している。ライフポイントは、攻略キャラクタP2に対する攻撃行動が成功する度に減少する。代替的に、ライフポイント欄LPは、ライフポイントとして、攻撃行動が成功する度に増加する値を示してもよい。ライフポイントの初期値は任意に設定できるが、
図5の例では、ライフポイント欄LPは三つのライフポイントを示している。
【0118】
マップ画像43は、ゲームフィールドGFの全体を概略的に表す画像である。代替的に、マップ画像43は、ゲームフィールドGFの一部を概略的に表す画像であってもよい。
図5の例のマップ画像43は、上方から俯瞰的に見たゲームフィールドGFの全体を表す画像である。また、マップ画像43には、ゲームフィールドGFに配置される各オブジェクトの位置を示す標識が含まれている。
図5の例では、当該標識が、収集要素標識43a、攻略キャラクタ標識43b、妨害キャラクタ標識43c、及び識別標識43dを含んでいる。
【0119】
収集要素標識43aは、ゲームフィールドGFに配置されている収集要素CEの位置を示す。また、攻略キャラクタ標識43bは、ゲームフィールドGFにおける攻略キャラクタP2の位置を示す。また、妨害キャラクタ標識43cは、ゲームフィールドGFにおける妨害キャラクタP1の位置を示す。また、識別標識43dは、ゲームフィールドGFにおける、ゲーム機31をプレイしているユーザが操作しているキャラクタP(以下、自己のキャラクタPともいう)の位置を示す。
【0120】
なお、攻略キャラクタ標識43bは、攻略キャラクタP2を操作するプレイヤがプレイするゲーム機31のモニタ34にのみ表示されてもよい。すなわち、妨害キャラクタP1を操作するプレイヤがプレイするゲーム機31のモニタ34には、攻略キャラクタ標識43bが表示されなくともよい。また、妨害キャラクタ標識43cは、妨害キャラクタP1を操作するプレイヤがプレイするゲーム機31のモニタ34にのみ表示されてもよい。すなわち、攻略キャラクタP2を操作するプレイヤがプレイするゲーム機31のモニタ34には、妨害キャラクタ標識43cが表示されなくともよい。
【0121】
さらに、ゲームフィールドGFには、アイテムに対応するアイテムオブジェクトB0が配置されている。このアイテムは、使用されることによって、キャラクタPのパラメータ(例えば移動速度)又は行動等に影響を与える効果を発動させる。当該効果は、ゲームの進行に有益な効果に加えて、ゲームの進行に不利益な効果が含まれていてもよい。このアイテムは、プレイヤの操作(例えば、所定のボタンの押し下げ操作)に応じて使用される。自己のキャラクタPは、アイテムオブジェクトB0に接触することによって、アイテムオブジェクトB0に対応するアイテムを獲得できる。
【0122】
キャラクタ表示欄44は、各キャラクタPに関する情報を示す。
図5の例では、計六体のキャラクタPのそれぞれ対応する六つのキャラクタ表示欄44が設けられている。また、キャラクタ表示欄44は、各キャラクタPを操作するプレイヤの名称の情報として「プレイヤA」等の文字列を表示する名称領域CA1を含んでいる。また、キャラクタ表示欄44は、各キャラクタPの画像を表示する画像領域CA2を含んでいる。
【0123】
自己のキャラクタPに対応するキャラクタ表示欄44Sは、他のキャラクタ表示欄44と区別されるように、より大きく表示されている。具体的に、キャラクタ表示欄44Sの画像領域CA2は、キャラクタPの全身が表示されるように、よりも大きく表示されている。また、キャラクタ表示欄44Sの名称領域CA1は、プレイヤの名称の情報として「プレイヤC」の文字列を含んでいる。
【0124】
さらに、キャラクタ表示欄44Sは、自己のキャラクタPに関連付けられているゲーム要素の情報が表示される表示領域GAを含んでいる。表示領域GAには、ゲームの進行に有利な効果を発動するアイテム及びスキル等のゲーム要素の情報が表示される。表示領域GAは、ゲーム要素の画像、名称、ID、効果、状況、及び内容等が表示される情報部GA1を含んでいる。
図5の例では、自己のキャラクタPが、アイテムオブジェクトB0に対応するアイテムとして「オイル」を取得している。上述したように、妨害キャラクタP1が「オイル」のアイテムを使用する場合には、遠隔から攻撃行動を行うことができる効果を発動する処理が実行される。そのため、情報部GA1に、自己のキャラクタPが取得しているアイテムの名称を示す「火炎放射器」の文字列が表示されている。代替的に、情報部GA1には、「オイル」の文字列が表示されてもよい。
【0125】
なお、情報部GA1には、アイテムを示す画像、又はスキルゲージが表示されてもよい。スキルゲージは、時間の経過又はゲーム要素の獲得に伴って増加し、プレイヤは、スキルゲージが最大量に達するとスキルが使用できるようになる。なお、プレイヤの操作によってスキルが使用されてもよく、スキルゲージが最大量に達した時に自動的にスキルが使用されてもよい。
【0126】
[発動処理のフロー]
図6を参照して、ゲーム要素の使用による効果の発動処理について説明する。まず、役割切替部32Eは、コイントスでランダムに役割を抽選する抽選ゲームを実行する。そして、役割切替部32Eは、抽選ゲームによって決定された役割を、各グループに割り当てる(S101)。次に、範囲設定部32Bは、対戦画面40を通じて、ゲームフィールドGFを提示する(S102)。具体的に、範囲設定部32Bは、予め構築された仮想三次元空間に対する仮想カメラの撮影結果として、ゲームフィールドGFを対戦画面40に表示する。
【0127】
そして、進行制御部32Dは、ゲームを開始して、プレイヤの操作に応じてゲームを進行する。ゲーム中に、キャラクタPが、ゲームフィールドGFに配置されるアイテムオブジェクトB0に接触すると、ゲーム要素(以下、単にアイテムという)が獲得される(S103でYES)。そして、関連付け部32Fは、キャラクタPとアイテムとを関連付ける(S104)。一方、アイテムを獲得していない場合(S103でNO)、進行制御部32Dは、処理を先に進める。
【0128】
進行制御部32Dは、アイテムを使用する操作を受け付けていない場合(S105でNO)、処理を先に進める。一方、アイテムを使用する操作を進行制御部32Dが受け付けると(S105でYES)、効果制御部32Gは、複数種類の演算処理の中から、割り当てられている役割及び使用されたアイテムに応じた処理を実行してアイテムの効果を発動させる(S106)。そして、進行制御部32Dは、発動した効果が反映されるようにゲームを進行する。
【0129】
また、役割切替部32Eは、所定の切替条件が満たされた場合(S107でYES)、第1の役割から第2の役割へキャラクタPの役割を切り替える(S108)。そして、進行制御部32Dは、役割が切り替わった状態でゲームを進行する。その後、アイテムを使用する操作を進行制御部32Dが受け付けると(S105でYES)、効果制御部32Gは、複数種類の演算処理の中から、切替後に割り当てられている役割及び使用されたアイテムに応じた処理を実行してアイテムの効果を発動させる。ここで、同じアイテムが使用された場合、効果制御部32Gは、複数種類の演算処理の中から切替前に選択した処理とは異なる処理を実行する。そして、効果制御部32Gは、異なる処理に従ってアイテムの効果を発動させる(S106)。また、進行制御部32Dは、発動した効果が反映されるようにゲームを進行する。
【0130】
その後、所定の切替条件が満たされない場合(S107でNO)、進行制御部32Dはゲームを進行する。そして、勝利条件が満たされると(S109でYES)、進行制御部32Dはゲームを終了させる。一方、勝利条件が満たされない場合(S109でNO)、進行制御部32Dはゲームを進行する。
【0131】
以上説明した実施形態に係るゲームシステム100によれば、ある役割が割り当てられている場合に適用される処理と、他の役割が割り当てられている場合に適用される処理とを異ならせることができる。そのため、役割に適した効果を発動させることができるため、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用できる。また、ゲーム要素がゲームフィールドGFに配置される場合、ゲーム要素の配置が、いずれかの役割に一方的に有利又は不利となることがなくなる。したがって、ゲーム設計が制限されず、ゲーム設計の自由度を高めることもできる。また、割り当てられた役割に応じた態様でアイテムを使用できるので、アイテムの使用態様の幅が広がり、ゲームの興趣性及び戦略性を高めることができる。
【0132】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0133】
例えば、役割切替部32E、関連付け部32F、効果制御部32G、通知部32H、受付部32J、及び抽選部32Kの少なくとも一つは、サーバ20に設けられていてもよい。この場合、サーバ20のサーバ制御部22とゲーム機31のゲーム機制御部32とが協働して、コンピュータとして機能する。
【0134】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0135】
(付記1)
ゲームフィールドGFを移動する複数のキャラクタPに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するゲームシステム100であって、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替える役割切替手段32Eと、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付ける関連付け手段32Fと、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる効果制御手段32Gと、を備えるゲームシステム。
【0136】
(付記2)
前記第1の役割は勝利条件の達成を目指す攻略の役割であり、前記第2の役割は前記勝利条件の達成を妨げる妨害の役割であり、
前記ゲームにおいては、前記攻略の役割が割り当てられた前記キャラクタと、前記妨害の役割が割り当てられた前記キャラクタとが前記勝利条件の達成を競い合い、
前記役割切替手段32Eは、前記切替条件が満たされた場合に、前記妨害の役割から前記攻略の役割へと切り替えるか、又は前記攻略の役割から前記妨害の役割へと切り替える、付記1に記載のゲームシステム。
【0137】
(付記3)
前記複数種類の演算処理は、前記勝利条件の達成に有利となるような前記ゲーム要素の効果を発動させる処理と、前記勝利条件の達成に不利となるような前記ゲーム要素の効果を発動させる処理とを含む、付記2に記載のゲームシステム。
【0138】
(付記4)
前記第1の役割と前記第2の役割とが切り替わったときに、前記キャラクタに関連付けられている前記ゲーム要素の変化を通知する通知手段32Hをさらに備える、付記1から3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0139】
(付記5)
前記ゲーム要素は、前記キャラクタによって獲得されるように前記ゲームフィールドに配置されるアイテムオブジェクトB0であり、
前記通知手段32Hは、前記アイテムオブジェクトを示すアイテムの画像又は名称を通知するとともに、前記第1の役割から前記第2の役割に切り替わった場合に、前記アイテムの画像又は名称を変化させることによって前記変化を通知する、付記4に記載のゲームシステム。
【0140】
(付記6)
前記ゲーム要素が使用される場合に発動される前記効果の選択を、プレイヤから受け付ける受付手段32Jをさらに備え、
前記効果制御手段32Gは、選択された前記効果を発動させるように前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0141】
(付記7)
前記ゲーム要素が使用される場合に発動される前記効果を抽選する抽選手段32Kをさらに備え、
前記効果制御手段32Gは、抽選された前記効果を発動させるように前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0142】
(付記8)
前記効果制御手段32Gは、前記第1の役割と前記第2の役割とが切り替えられた切り替え回数に基づいて、前記第1の処理又は前記第2の処理を実行する、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0143】
(付記9)
前記ゲームフィールドGFには、前記キャラクタによって貯められる収集要素CEが配置されており、
貯められた前記収集要素の量が所定量に達することが、前記勝利条件に含まれている、付記2に記載のゲームシステム。
【0144】
(付記10)
前記第1の役割が割り当てられた前記キャラクタPは、逃走キャラクタであり、
前記第2の役割が割り当てられた前記キャラクタPは、前記逃走キャラクタを追跡する追跡キャラクタであり、
前記役割切替手段32Eは、前記追跡キャラクタが前記逃走キャラクタを対象として行う行動の成功回数が所定回数に達した場合に、前記切替条件が満たされたものとして、前記第1の役割から前記第2の役割へ切り替える、付記1から9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0145】
(付記11)
ゲームフィールドGFを移動する複数のキャラクタPに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータ32を備えるゲームシステム100のコンピュータプログラムPG2であって、
前記コンピュータに、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる、コンピュータプログラム。
【0146】
(付記12)
ゲームフィールドGFを移動する複数のキャラクタPに割り当てられる第1の役割と第2の役割とが設けられているゲームを提供するとともに、コンピュータ32を備えるゲームシステム100の制御方法であって、
前記コンピュータに、
所定の切替条件が満たされた場合に、前記第1の役割から前記第2の役割へ前記キャラクタの役割を切り替えさせ、
前記ゲームにおいて使用可能なゲーム要素と前記キャラクタとを関連付けさせ、
前記第1の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、予め設定されている複数種類の演算処理に含まれる第1の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させ、前記第2の役割が前記キャラクタに割り当てられた状態で、前記ゲーム要素が使用される場合には、前記複数種類の演算処理に含まれ且つ前記第1の処理とは異なる第2の処理に従って前記ゲーム要素の効果を発動させる、制御方法。
【0147】
付記1から3に記載のゲームシステム、付記11に記載のコンピュータプログラム、及び付記12に記載の制御方法によれば、ある役割が割り当てられている場合に適用される処理と、他の役割が割り当てられている場合に適用される処理とを異ならせることができる。そのため、役割に適した効果を発動させることができるため、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用できる。
【0148】
付記4及び5に記載のゲームシステムによれば、ゲーム要素の変化を通知することによって、プレイヤは、どのゲーム要素が何のゲーム要素に変化したのかを容易に認識できる。また、付記6に記載のゲームシステムによれば、プレイヤは、ゲーム中により有利な効果が発動されるように戦略を立てることができ、当該戦略をゲームの進行に反映できる。また、付記7に記載のゲームシステムによれば、ゲームの戦局にプレイヤが予測し得ない変化を与えることができる。そのため、プレイヤの期待感を高めて、より活発にゲーム要素が使用されるようになる。
【0149】
付記8に記載のゲームシステムによれば、ゲーム要素の使用タイミングを調整することによって、発動される効果を異ならせて、ゲームの進行の戦略に幅を持たせることができる。また、付記9及び10に記載のゲームシステムによれば、役割に適した効果を発動させることができるため、割り当てられた役割に関わらずゲーム要素を有効に使用できる。
【符号の説明】
【0150】
32 :ゲーム機制御部(コンピュータ)
32E :役割切替部(役割切替手段)
32F :関連付け部(関連付け手段)
32G :効果制御部(効果制御手段)
32H :通知部(通知手段)
32J :受付部(受付手段)
32K :抽選部(抽選手段)
100 :ゲームシステム
B0 :アイテムオブジェクト(ゲーム要素)
CE :収集要素
GF :ゲームフィールド
P :キャラクタ
PG2 :ゲームプログラム(コンピュータプログラム)