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特開2024-64429教育支援システム、ARシステム、教育支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064429
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】教育支援システム、ARシステム、教育支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240507BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240507BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G06Q50/20
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173012
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】庄野 仁康
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555AA64
5E555BA04
5E555BA38
5E555BB04
5E555BB38
5E555BC17
5E555BE17
5E555CB65
5E555DC09
5E555DC31
5E555DC35
5E555FA00
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】対面で授業を行う際、簡易な構成で、適切な学習支援を可能とする技術を提供する。
【解決手段】生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備え、前記ARシステムは、表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備え、
前記ARシステムは、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備える教育支援システム。
【請求項2】
請求項1記載の教育支援システムであって、
前記選択受付部は、前記教師の視線により前記対象生徒の選択を受け付け、
前記表示制御部は、前記教師用ARグラスに前記閲覧ページを色分けして表示する、教育支援システム。
【請求項3】
請求項1記載の教育支援システムであって、
前記デジタル教科書のページ毎の単元に関する情報を含む教科書情報を記憶する教科書情報データベースをさらに備え、
前記成績情報データベースは、前記生徒毎に、前記デジタル教科書の前記単元毎に前記理解度を記憶し、
前記表示制御部は、前記閲覧ページに含まれる前記単元毎に前記理解度に応じて色分けして表示する、教育支援システム。
【請求項4】
請求項3記載の教育支援システムであって、
前記生徒毎の、前記閲覧ページに含まれる前記単元に応じた色分情報を記憶する色分情報データベースと、
前記成績情報データベースに成績が登録されると、予め定めた算出法で前記生徒毎の前記理解度を算出して前記成績情報データベースに登録する成績情報算出部と、
前記理解度が登録されると、予め定めた基準に従って前記生徒毎の前記閲覧ページの前記色分情報を算出し、前記色分情報データベースに登録する色分情報算出部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記色分情報データベースを参照し、前記閲覧ページを表示する教育支援システム。
【請求項5】
請求項4記載の教育支援システムであって、
前記生徒から、前記デジタル教科書に含まれる問題に対する解答を受け付ける解答受付部をさらに備え、
前記教科書情報データベースは、前記問題毎に対応する前記単元に関する情報を有し、
前記成績情報算出部は、前記問題の解答を受け付ける毎に、当該問題の前記単元を特定し、前記成績情報データベースの前記理解度を算出して前記成績情報データベースを更新し、
前記色分情報算出部は、前記理解度が算出される毎に、前記色分情報を算出して前記色分情報データベースを更新する、教育支援システム。
【請求項6】
請求項1から5いずれか1項記載の教育支援システムであって、
前記ARシステムは、さらに、前記生徒それぞれが装着する生徒用ARグラスを備え、
前記表示制御部は、前記生徒用ARグラスに、当該生徒用ARグラスを装着する前記生徒の前記理解度に応じて色分けして前記閲覧ページを表示する、教育支援システム。
【請求項7】
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを備え、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備えるARシステム。
【請求項8】
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備える教育支援システムにおける教育支援方法であって、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御ステップと、を備える教育支援方法。
【請求項9】
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムのコンピュータに、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付手順と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御手順と、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育支援システムおよび教育支援方法に関する。特に、AR(Augmented Reality)グラスを用いた教育支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
AR技術を用いた、AR空間上でブラウジングできるデジタル教科書がある。また、教師が、情報端末を用いて、生徒の学習内容を把握し、個々の生徒に学習支援を行うシステムがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-21127号公報
【特許文献2】特開2018-59973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0005】
特許文献1に開示の技術では、生徒が開いている教科書のページや、生徒が教科書に付したマークに応じて、教師は、教室内の生徒の理解度を把握することができる。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、個々の生徒の理解度を把握することまではできない。
【0006】
また、特許文献2に開示の技術では、教師の端末で、生徒からの入力を処理することにより、個々の生徒の理解度を把握することができる。しかしながら、特許文献2に開示の技術では、個々の生徒は、それぞれ、異なる教材に取り組み、それぞれの理解度を把握しているため、複雑な処理が必要であり、教師は、生徒毎に、その情報を把握するため、端末の方に視線を移し、処理をしなければならない。したがって、授業中に生徒から目を離さざるを得ない。
【0007】
複数の生徒がいる教室での対面の授業中、できる限り生徒から目を離さないことは、重要である。しかしながら、現状のシステムでは、生徒から目を離すことなく、個々の生徒の理解度を把握し、それぞれの生徒の抱える課題に対処することができない。このため、個々の生徒に対し、適切な指導を行うことが難しい。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、対面で授業を行う際、簡易な構成で、適切な学習支援を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の視点によれば、
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備え、
前記ARシステムは、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備える教育支援システムが提供される。
【0010】
本発明の第二の視点によれば、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを備え、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備えるARシステムが提供される。
【0011】
本発明の第三の視点によれば、
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備える教育支援システムにおける教育支援方法であって、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御ステップと、を備える教育支援方法が提供される。
【0012】
本発明の第四の視点によれば、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムのコンピュータに、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付手順と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御手順と、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0013】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、対面で授業を行う際、簡易な構成で、適切な学習支援ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一実施形態の教育支援システムの構成図の一例である。
図2】(a)は、第一実施形態の教師用ARグラスおよび生徒用ARグラスの、(b)は、第一実施形態の教師用情報端末および生徒用情報端末の、(c)は、第一実施形態のデータベースサーバおよびARサーバの、それぞれ、ハードウェア構成図の一例である。
図3】第一実施形態のデータベースサーバの機能ブロック図の一例である。
図4】(a)は、第一実施形態の生徒情報データベースを、(b)および(c)は、第一実施形態の教科書情報データベースを、それぞれ説明するための説明図の一例である。
図5】(a)は、第一実施形態の基準情報データベースを、(b)は、第一実施形態の成績情報データベースを、(c)は、変形例の回数記憶部に記憶されるデータの一例を、(b)は、第一実施形態の他の変形例の回数記憶部に記憶される測定端末データの一例を、(c)は、第一実施形態の色分情報データベースを、それぞれ説明するための説明図の一例である。
図6】第一実施形態のARサーバの機能ブロック図の一例である。
図7】第一実施形態の視認生徒情報表示処理のフローチャートの一例である。
図8】第一実施形態の教科書情報表示処理のフローチャートの一例である。
図9】第二実施形態の閲覧ページ色分情報生成処理のフローチャートの一例である。
図10】第二実施形態の教科書情報表示処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0017】
プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェース、および必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インタフェースを介して装置内または外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0018】
<<第一実施形態>>
まず、本発明の第一実施形態の概要を説明する。図1は、本実施形態の教育支援システム100の概要を説明するための図である。ここでは、教育支援システム100が、学校の1つの教室で用いられる場合を例にあげて説明する。教師920は1名、生徒930は複数である場合を例にあげて説明する。ただし、本図では、生徒930は1名のみ図示している。
【0019】
本図に示すように、本実施形態の教育支援システム100は、教師用ARグラス210と、教師用情報端末220と、生徒用ARグラス310と、生徒用情報端末320と、データベース(DB)サーバ400と、ARサーバ500と、を備える。生徒用ARグラス310および生徒用情報端末320は、生徒930の数だけ備える。
【0020】
また、これらの各装置は、LAN(Local Area Network)等、学校に設けられたネットワーク900を介して接続され、相互にデータ通信が可能である。
【0021】
本実施形態では、教師用ARグラス210を装着した教師920が、教師用ARグラス210を介して生徒930を視認すると、視認された生徒930の理解度が反映されたデジタル教科書の閲覧ページの画像921が、教師用ARグラス210に表示される。教師920が視線を移動させ、別の生徒930を視認した場合、教師用ARグラス210に表示される閲覧ページの画像921が、当該生徒930の理解度が反映されたものに切り替わる。なお、閲覧ページは、教師920が選択したデジタル教科書の、教師920等により選択されて、現在表示されているページのことをいう。
【0022】
また、生徒用ARグラス310には、自身の理解度が反映されたデジタル教科書の閲覧ページ画像931が表示される。以下、これを実現する各構成について説明する。
【0023】
[教師用ARグラス、生徒用ARグラス]
図2(a)は、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310のハードウェア構成図である。これらの装置は、眼鏡型のウェアラブル端末であり、一般的なARグラスの構成を備える。すなわち、CPU(Central Processing Unit)211と、記憶装置212と、ディスプレイ213と、通信インタフェース(I/F)214と、センサ215と、第一カメラ216と、第二カメラ217と、操作部218と、を備える。なお、その他、音声入出力部等を備えてもよい。
【0024】
まず、教師用ARグラス210について説明する。
【0025】
CPU211は、予め記憶装置212に記憶されたプログラムを、記憶装置212のワーク領域にロードして実行することにより、各種機能を実現するとともに、教師用ARグラス210全体の動作を制御する。
【0026】
記憶装置212は、CPU211が処理に必要なデータを格納する。例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリ等を備える。
【0027】
ディスプレイ213は、所定の時間間隔でARサーバ500から送信される表示データを画像として表示する。本実施形態では、外界とディスプレイ表示との両者を視認可能な、透過型のディスプレイを用いる。すなわち、本実施形態の教師用ARグラス210は、透過型(光学シースルー型)ARグラスである。
【0028】
本実施形態では、後述するように、表示データは、ARサーバ500にて、AR座標系にレンダリング処理される。このような処理済みのデータを表示することにより、表示データは、装着者(教師920)から見て、あたかも、遠方の空間に表示されているように見える。
【0029】
通信インタフェース(I/F)214は、ネットワーク900を介してデータの送受信を行うインタフェースである。本実施形態では、ARサーバ500とデータの送受信を行うI/Fである。なお、その他、Wi‐Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いた近接無線通信のインタフェースを備えていてもよい。例えば、教師用情報端末220との間は、近距離無線通信により通信してもよい。
【0030】
センサ215は、教師用ARグラス210の位置、回転、向き、傾き、動き等を検出する。例えば、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロセンサ、地磁気センサ、加速度センサ、照度センサ、距離センサ等を備える。
【0031】
第一カメラ216は、教師用ARグラス210の外側周囲を撮影する。第二カメラ217は、装着者側を撮影する。本実施形態では、第二カメラ217は、装着者(教師920)の目を撮影する。
【0032】
本実施形態では、CPU211は、センサ215と、第一カメラ216と、第二カメラ217とから得た情報に基づいて、装着者(教師920)の視線方向を特定し、視認方向の顔画像をマーカとして抽出する。本処理は、例えば、所定の時間間隔で実行される。
【0033】
具体的には、CPU211は、第二カメラ217の撮影結果と、センサ215からの情報とに基づいて、装着者の視線方向を特定する。また、CPU211は、第一カメラ216で撮影した画像から、顔画像(領域)を抽出する。そして、CPU211は、第一カメラ216で撮影した画像と視線方向との交点を含む顔画像を、マーカとして抽出する。なお、交点を含む顔画像が複数ある場合は、予め定めたルールに従って、マーカを抽出する。例えば、最も前(装着者側)の顔画像をマーカとして抽出してもよい。または、交点が顔画像領域の重心に最も近い顔画像を、マーカとして抽出してもよい。
【0034】
CPU211は、通信I/F214を介して、抽出したマーカを、ARサーバ500へ送信する。なお、教師用ARグラス210から送信するデータの、例えば、ヘッダには、送信元を特定する送信元IDが含まれる。その他、生徒用ARグラス310、教師用情報端末220および生徒用情報端末320からの送信データも同様に、例えば、そのヘッダに、送信元IDが含まれる。これにより、受信側装置は、送信元を特定できる。
【0035】
なお、顔画像(領域)の抽出処理、視線方向特定処理は、既存の手法を用いる。
【0036】
操作部218は、装着者からの操作を受け付ける。本実施形態では、例えば教師用ARグラス210の起動、終了の指示を受け付ける。
【0037】
生徒用ARグラス310の各部は、基本的に教師用ARグラス210と同様の機能を実現する。ただし、生徒用ARグラス310には、マーカを検出する機能はなくてもよい。生徒用ARグラス310は、例えば、起動した場合、起動したことを意味する起動情報を、ARサーバ500に送信する。
【0038】
[教師用情報端末、生徒用情報端末]
教師用情報端末220および生徒用情報端末320は、スマートフォン、タブレット、ノートPC(Personal Computer)等の情報処理装置である。なお、デジタル教科書専用のビューワーでもよい。本実施形態では、操作者(教師920または生徒930)からの入力を受け付ける。本実施形態では、例えば、デジタル教科書の起動やページめくり等の操作の指示を受け付ける。
【0039】
図2(b)は、本実施形態の教師用情報端末220および生徒用情報端末320のハードウェア構成図である。本図に示すように、これらの装置は、CPU221と、記憶装置222と、表示装置223と、通信I/F224と、センサ225と、カメラ226と、音声入出力装置227と、操作部228と、を備える。なお、その他、スマートフォン、タブレット等が備える一般的な機能を備えていてもよい。カメラ226は、複数備えていてもよい。
【0040】
これらの各部は、基本的に教師用ARグラス210の同名の構成と同様の機能を有する。表示装置223は、ディスプレイ、タッチパネル等を備え、CPU221が処理した画像を出力し、また、ユーザからの入力を受け付ける。音声入出力装置227は、マイク、スピーカ、音声入出力制御部等を備え、音声の入出力を制御する。
【0041】
例えば、記憶装置222には、予め、選択可能な教科書の教科書コードが格納される。教師用情報端末220は、教師920による、タッチパネルを介したデジタル教科書の選択指示を受け付ける。教師用情報端末220は、受け付けたデジタル教科書の教科書コードを、DBサーバ400へ送信する。なお、折り返し、DBサーバ400から、当該デジタル教科書のデータを受信し、ディスプレイに出力してもよい。
【0042】
教師用情報端末220は、教師920による、タッチパネルを介したデジタル教科書のページ操作指示を受け付ける。ページ操作指示は、例えば、次のページへ移る、前のページに戻る、指定のページへ移動、目次に戻る、等である。教師用情報端末220は、受け付けたページ操作指示をDBサーバ400へ送信する。なお、折り返し、指示に応じて表示される閲覧ページのデータをDBサーバ400から受信し、ディスプレイに出力してもよい。
【0043】
また、生徒用情報端末320の機能も、基本的に教師用情報端末220と同じである。なお、例えば、教師920が選択したデジタル教科書の閲覧ページが自動的にディスプレイに表示されるようにし、生徒930は、デジタル教科書の選択、ページ操作等は行わないように構成してもよい。この場合、生徒用情報端末320は、起動した場合、起動したことを意味する起動情報をDBサーバ400に送信する。
【0044】
生徒用情報端末320は、DBサーバ400から、後述するように、閲覧ページの情報とともに当該閲覧ページの色分情報を受信すると、表示画像を生成し、ディスプレイに表示する。ここでは、生徒用情報端末320は、後述するように、色分情報に従って、閲覧ページのデータを加工し、デジタル教科書の閲覧ページの、色が付与されたデータ(色付データ)を生成し、それを用いて表示画像を生成する。
【0045】
[データベースサーバ]
次に、データベース(DB)サーバ400について説明する。DBサーバ400は、教育支援システム100で用いられる各種のデータを管理する。
【0046】
図3は、DBサーバ400の機能ブロック図である。DBサーバ400は、生徒情報データベース(DB)411と、成績情報DB412と、教科書情報DB413と、色分情報DB414と、基準情報DB415と、の各データベースと、閲覧ページ決定部421と、成績情報算出部422と、色分情報算出部423と、リクエスト対応部424と、の各機能と、閲覧ページ保持部416と、を備える。
【0047】
まず、各データベースについて、説明する。
【0048】
生徒情報DB411は、生徒930毎の情報を管理するデータベースである。図4(a)に示すように、例えば、生徒930毎に、生徒名411a、生徒番号411b、マーカ411c、端末ID411d、グラスID411eを対応づけて、1レコードとして登録する。生徒番号411bは、生徒930を一意に区別する番号で、予め付与される。また、マーカ411cは、生徒930を一意に特定する画像情報で、本実施形態では、顔画像が登録される。端末ID411dは、生徒930に割り当てられた(生徒930が使用する)生徒用情報端末320の識別情報であり、グラスID411eは、生徒930に割り当てられた(生徒930が使用する)生徒用ARグラス310の識別情報である。
【0049】
なお、マーカ411cは、教師920が、教師用ARグラス210を介して視認する生徒930を特定する際に用いられる情報である。このため、画像上で、生徒930を一意に識別可能であればよく、顔画像に限定されない。例えば、生徒手帳等の個人を識別できるものに二次元マーカを印加して、これをマーカとしても良い。また、生徒930が有する名札等の画像であってもよい。
【0050】
生徒情報DB411は、予め作成され、保存される。なお、さらに出欠を管理してもよい。出欠も管理する場合、例えば、後述するように、ARサーバ500を介してマーカが送られてきた場合、出席と登録されている生徒930の情報とのみ照合すればよい。
【0051】
教科書情報DB413には、デジタル教科書のデータが格納される。本実施形態では、教科書毎の、予め定めた単位毎に、名称と、識別情報と、詳細情報とが管理される。以下、ここでは、予め定めた単位を、ページとして説明する。図4(b)には、一例として、教科書名413aと、教科書コード/ページ413bと、詳細情報413cとが対応付けられ、1レコードとして格納される場合を示す。
【0052】
教科書コード/ページ413bは、各教科書を一意に識別するために予め付与された教科書コードと、ページとが併記される。例えば、図4(b)の例の000-001は、教科書コードが000、ページは、001、すなわち1ページを意味する。
【0053】
詳細情報413cには、各ページの詳細情報が登録される。登録される詳細情報413cの一例を、図4(c)に示す。本図に示すように、詳細情報413cは、その内容と、問題(項目)と、を含む。また、各問題には、当該問題を一意に識別する問題番号が付与され、問題番号で特定される。
【0054】
さらに、各問題には、図4(c)に示すように、単元タグが管理される。ここで、単元とは、学習内容の区分(分野)を意味する。例えば、「一次元方程式」、「変数」、「連立方程式」等である。各問題について、それぞれ、対応する単元(分野)が予め特定され、単元タグとして、付与される。すなわち、単元タグは、各問題の、対応する分野を特定するための情報である。さらに、各問題の「正解」が登録されていてもよい。
【0055】
本実施形態では、後述するように、単元毎に、理解度を算出する。図4(c)の例では、問1は、単元「一次元方程式」と、「変数」とに対応する。また、問2は、単元「一次元方程式」、「連立方程式」、「変数」に対応する。
【0056】
なお、生徒用ARグラス310および生徒用情報端末320へ教科書データを送信する場合は、これらの「正解」、単元タグは送信しない。一方、教師用ARグラス210および教師用情報端末220へ教科書データを送信する場合は、これらの「正解」、単元タグも併せて送信してもよい。
【0057】
基準情報DB415は、各種の判定基準を管理する。図5(a)に示す例では、単元毎に、「理解」と判定する正解率の判定基準(閾値)と、色分けを決定する際の条件と、を管理する。基準情報DB415は、予め用意され、登録される。
【0058】
図5(a)の例では、例えば、問題に付与された単元について、全て「理解」である場合、当該問題には色1を、1つでも、「理解不足」がある場合、当該問題には、色2を付与する。
【0059】
成績情報DB412は、生徒930毎の、単元毎の、正解数と理解度とを管理する。図5(b)の例では、生徒930毎に、生徒番号412aと、成績・理解度情報とが管理される。成績・理解度情報は、単元412b毎の、正解数412cと、累計問題数412dと、正解率412eと、理解度412fとを備える。成績情報DB412は、予め生徒930毎に用意される。そして、例えば、教師920により、単元毎の正解数412cと、累計問題数412dとが登録される。なお、正解率412eおよび理解度412fとは、後述する成績情報算出部422により算出される。
【0060】
色分情報DB414は、生徒930毎の、デジタル教科書の、ページ毎の、問題毎の、理解度に応じた色分情報を管理する。図5(c)の例では、生徒番号414aおよび教科書コード/ページ414bごとに、当該ページの色分情報として、各問題414cの付与色414dが登録される。ここでは、生徒番号414aが、「1234567」の生徒930の、教科書コード/ページ414bが「000-001」のページに関し、問1には、色1が、問2には、色2が付与される場合を例示する。色分情報DB414は、色分情報算出部423により作成される。
【0061】
次に、DBサーバ400の各機能について説明する。
【0062】
閲覧ページ決定部421は、閲覧ページを決定し、そのデータを一時的に保持する。閲覧ページは、教師920により指定される。本実施形態では、例えば、教師用情報端末220から送信される教科書コードとページ操作指示とから、教科書コード/ページ413bを特定し、それを格納する。
【0063】
また、閲覧ページ決定部421は、教科書コード/ページ413bを特定すると、教科書情報DB413を参照し、詳細情報413cとして登録されている情報を、閲覧ページデータとして抽出する。抽出した閲覧ページデータは、教科書コード/ページ413bとともに閲覧ページ保持部416に格納される。ここで、閲覧ページ決定部421は、この閲覧ページデータを、例えば、教師用情報端末220およびその時点で起動している生徒用情報端末320に送信してもよい。なお、新たな教科書コード/ページ413bを受信すると、閲覧ページ保持部416に保持される情報は更新される。そして、閲覧ページ保持部416の情報は、更新される毎に、教師用情報端末220およびその時点で起動している生徒用情報端末320に送信される。
【0064】
成績情報算出部422は、成績情報DB412の、正解率412eと理解度412fとを算出する。正解率412eは、予め定めた算出法により、例えば、正解数412cを、累計問題数412dで除算することにより算出される。理解度412fは、基準情報DB415を参照して算出される。すなわち、基準情報DB415に格納される判定基準の閾値以上であれば、「理解」とし、閾値未満であれば、「理解不足」とする。
【0065】
色分情報算出部423は、生徒930毎の、デジタル教科書の各ページの、各項目(問題)について、付与する色を決定(算出)する。算出結果は、色分情報DB414に格納される。各項目に付与する付与色は、基準情報DB415の条件に応じて算出される。例えば、単元毎の理解度の数に応じて、付与色は算出される。
【0066】
リクエスト対応部424は、ARサーバ500および生徒用情報端末320等の外部装置からのリクエストに対応する。
【0067】
本実施形態では、リクエスト対応部424は、後述するように、ARサーバ500からマーカを受信すると、当該マーカに対応する生徒情報(生徒番号)を特定する。そして、当該生徒の閲覧ページの色分情報を、閲覧ページデータとともにARサーバ500へ返信する。
【0068】
具体的には、リクエスト対応部424は、生徒情報DB411を参照し、受信したマーカに最も近い(最も類似点の多い)マーカ411cが含まれるレコードの生徒番号411bを抽出する。そして、色分情報DB414から、抽出した生徒番号411bと同じ生徒番号414aのデータを閲覧ページの色分情報として抽出し、閲覧ページデータとともに、ARサーバ500へ送信する。
【0069】
また、リクエスト対応部424は、ARサーバ500から、グラスIDを受信すると、当該グラスIDを有する生徒用ARグラス310を使用する生徒情報(生徒番号)を特定する。そして、当該生徒の閲覧ページの色分情報を、グラスIDおよび閲覧ページデータとともにARサーバ500へ返信する。
【0070】
具体的には、リクエスト対応部424は、グラスIDを受け取ると、生徒情報DB411を参照し、当該グラスIDに合致するグラスID411eが含まれるレコードの生徒番号411bを抽出する。そして、閲覧ページ保持部416に保持される教科書コード/ページを有するデータであって、抽出した生徒番号411bと同じ生徒番号414aの色分情報を、色分情報DB414から抽出する。そして、ARサーバ500に、グラスIDと、閲覧ページデータと、その色分情報とを送信する。
【0071】
また、リクエスト対応部424は、生徒用情報端末320から起動情報を受け取ると、当該生徒用情報端末320を使用している生徒930の色分情報および閲覧ページデータを、送信元の生徒用情報端末320に返信する。
【0072】
[ARサーバ]
図6は、ARサーバ500の機能ブロック図である。ARサーバ500は、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310の制御を行う。すなわち、本実施形態では、教師用ARグラス210および/または生徒用ARグラス310とARサーバ500とによりARシステムを構成する。
【0073】
本実施形態では、上述のように、教師920が、教師用情報端末220を用いて、デジタル教科書を起動すると、当該デジタル教科書のデータ(教科書データ)をDBサーバ400から取得し、それぞれの教師用ARグラス210、生徒用ARグラス310に表示する。このとき、生徒用ARグラス310には、装着者(生徒930)の理解度に応じて色分けした教科書データを表示する。
【0074】
また、教師920が、特定の生徒930を視認した場合、視認対象の生徒930を識別し、当該生徒930の理解度に応じて色分けした教科書データを、教師用ARグラス210に表示する。
【0075】
ここでは、1つのARサーバ500で、教師用ARグラス210および全ての生徒用ARグラス310の制御を行う場合を例に説明する。ただし、ARサーバ500は、教師用と生徒用とを、それぞれ、別個に備えてもよい。
【0076】
ARサーバ500は、図6に示すように、教師用ARグラス210からの選択を受け付ける選択受付部531と、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310の表示を制御する表示制御部532と、を備える。選択受付部531は、入力部521を備え、表示制御部532は、リクエスト部522と、データ加工部523と、描画処理部524と、出力部525と、を備える。
【0077】
入力部521は、外部からのデータを受信する。本実施形態では、教師用ARグラス210からのデータを受信する。また、生徒用ARグラス310から起動したことを意味する起動情報を受信する。
【0078】
具体的には、入力部521は、教師用ARグラス210から、視認している生徒930、すなわち、教師用ARグラス210のディスプレイ213に色分けされた閲覧ページを表示する対象の生徒930、を特定する情報を受け付ける。ここでは、視認している生徒930を特定する情報として、当該生徒930の顔画像をマーカとして受信する。そして、受信したデータから、マーカを抽出し、リクエスト部522に送信する。
【0079】
また、入力部521は、生徒用ARグラス310から起動情報を受信すると、ヘッダから送信元のグラスIDを抽出する。そして、抽出したグラスIDを、リクエスト部522に送信する。
【0080】
表示制御部532は、選択受付部531が教師用ARグラス210からマーカを受け付けると、対応する生徒930(対象生徒)を特定し、対象生徒の理解度に応じて色分けして、閲覧ページを教師用ARグラス210のディスプレイに表示する。
【0081】
ここでは、リクエスト部522は、DBサーバ400とのデータの送受信を行う。
【0082】
本実施形態では、リクエスト部522は、教師用ARグラス210に表示するため、マーカを送信して表示情報をリクエストする。ここでは、マーカを、DBサーバ400に送信し、折り返し、閲覧ページデータおよび色分情報を表示情報として取得する。取得した表示情報は、データ加工部523に送信される。
【0083】
また、本実施形態では、リクエスト部522は、生徒用ARグラス310に表示するため、グラスIDを送信して表示情報をリクエストする。ここでは、グラスIDをDBサーバ400に送信し、折り返し、閲覧ページデータおよび色分情報を表示情報として取得する。取得した表示情報は、グラスIDとともにデータ加工部523に送信される。
【0084】
データ加工部523は、表示情報から表示データを生成する。ここでは、色分情報に従って、閲覧ページの情報(データ)を加工し、当該閲覧ページの、色が付与されたデータ(色付データ)を生成する。生成した色付データは、描画処理部524に送信される。なお、グラスIDが付属する場合は、グラスIDとともに、描画処理部524に送信する。
【0085】
描画処理部524は、データ加工部523から受け取った、色付データをAR座標にレンダリングする。レンダリング後の情報(レンダリング情報;表示データ)は、出力部525に送信される。なお、グラスIDが付属する場合は、グラスIDとともに出力部525に送信する。
【0086】
本実施形態では、データ加工部523と描画処理部524とにより、教師用ARグラス210または生徒用ARグラス310の、予め定めた領域に、予め定めたサイズで、前述の色付データが表示されるよう処理される。
【0087】
出力部525は、表示データを、教師用ARグラス210に送信し、ディスプレイ213に表示させる。なお、グラスIDとともに表示データを受信した場合は、当該グラスIDで特定される、生徒用ARグラス310に、表示データを送信し、ディスプレイ213に表示させる。
【0088】
教師用ARグラス210または生徒用ARグラス310は、そのディスプレイ213に、受信したレンダリング情報(表示データ)を表示する。すなわち、AR座標に映し出す。
【0089】
[ハードウェア構成]
DBサーバ400と、ARサーバ500とのハードウェア構成を、図2(c)に示す。
【0090】
本図に示すように、DBサーバ400およびARサーバ500は、それぞれ、CPU401と、記憶装置402と、通信I/F403と、入出力I/F404と、を備える一般的な情報処理装置で実現される。
【0091】
CPU401は、記憶装置402に格納されたプログラムを、ワークメモリにロードして実行することにより、上記各種の機能を実現する。各データベース、および、各機能が用いるデータ、処理により生成されるデータ等は、記憶装置402に格納される。記憶装置402は、RAM,ROM,HDD,SDD等を備える。
【0092】
通信I/F403は、外部装置との通信を行い、入出力I/F404は、装置へのデータの入力を受け付け、処理後のデータを出力する。その他、拡張I/F等を備えてもよい。
【0093】
[視認生徒情報表示処理]
次に、所定のページが閲覧ページ(表示対象)となっている間の、教師用ARグラス210とARサーバ500とDBサーバ400とによる、視認生徒情報表示処理の流れを説明する。この視認生徒情報表示処理は、教師920が、視線を移すごとに、視認した生徒930の色分情報付きの教科書情報を教師用ARグラス210に表示する処理である。
【0094】
図7は、視認生徒情報表示処理の処理フローである。本処理は、所定の時間間隔で実行される。なお、閲覧ページは、例えば、教師用情報端末220から、予めDBサーバ400に送信されているものとする。
【0095】
教師用ARグラス210は、所定の時間間隔で、教師920の視線方向を特定し、当該生徒930の顔画像をマーカとして抽出する(ステップS1201)。そして、教師用ARグラス210は、抽出したマーカを、ARサーバ500へ送信する(ステップS1202)。
【0096】
マーカを受信したARサーバ500は、リクエスト部522が、マーカをDBサーバ400に送信する(ステップS1203)。
【0097】
マーカを受信したDBサーバ400は、上記手法で、リクエスト対応部424が、マーカから生徒情報(生徒番号)を特定し(ステップS1204)、当該生徒番号の、閲覧ページの色分情報を抽出する(ステップS1205)。そして、リクエスト対応部424は、当該生徒番号を有する生徒930の閲覧ページの色分情報を、閲覧ページデータとともにARサーバ500に送信する(ステップS1206)。
【0098】
ARサーバ500のリクエスト部522が、閲覧ページデータと当該生徒の色分情報とを受信すると、ARサーバ500では、データ加工部523が、データ加工を行い(ステップS1207)、描画処理部524が描画処理を行い(ステップS1208)、表示データを生成する。そして、出力部525が、生成した表示データを、教師用ARグラス210に送信する(ステップS1209)。
【0099】
教師用ARグラス210では、それまで表示されていたデータを消去し、送信された表示データを、ディスプレイ213に表示する(ステップS1210)。
【0100】
上述のように、教師用ARグラス210、ARサーバ500およびDBサーバ400では、所定の時間間隔で、上記視認生徒情報表示処理を繰り返す。これにより、教師用ARグラス210には、教師920が視認した生徒930の、理解度に応じて色分けされた閲覧ページの情報が表示される。
【0101】
なお、教師用ARグラス210では、所定期間、表示データが送信されない場合、表示されているデータを消去するようにしてもよい。
【0102】
[教科書情報表示処理]
次に、生徒用ARグラス310に教科書情報を表示する教科書情報表示処理の流れを説明する。図8は、教科書情報表示処理の処理フローである。本処理は、生徒用ARグラス310起動時に1回実行される。
【0103】
生徒用ARグラス310は、生徒930からの起動指示を受け付けると(ステップS1301)、起動情報をARサーバ500に送信する(ステップS1302)。
【0104】
ARサーバ500のリクエスト部522は、グラスIDを抽出し、DBサーバ400に送信する(ステップS1303)。
【0105】
グラスIDを受信したDBサーバ400では、上記手法で、リクエスト対応部424が、グラスIDから生徒情報(生徒番号)を特定し(ステップS1304)、当該生徒番号の、閲覧ページの色分情報を抽出し(ステップS1305)、当該生徒番号を有する生徒930の閲覧ページの色分情報を、グラスIDおよび閲覧ページデータとともにARサーバ500に送信する(ステップS1306)。
【0106】
ARサーバ500のリクエスト部522が、グラスIDと閲覧ページデータと当該生徒の色分情報とを受信すると、データ加工部523が、データ加工を行い(ステップS1307)、描画処理部524が描画処理を行い(ステップS1308)、表示データを生成する。そして、出力部525が、生成した表示データを、グラスIDで特定される生徒用ARグラス310に送信する(ステップS1309)。
【0107】
生徒用ARグラス310では、送信された表示データを、ディスプレイ213に表示する(ステップS1310)。
【0108】
本処理により、生徒用ARグラス310には、自身の理解度に応じて色分けされた教科書データが表示される。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、授業中、教師920が視認した生徒930の、理解度に応じて色分けされた教科書データが、教師920が装着する教師用ARグラス210のディスプレイ213に表示される。また、対多数の生徒930を相手にした授業を行う場合、教師920が他の生徒930に視線を移すと、表示されるデータが、その生徒930の理解度に応じて色分けされた教科書データに変化する。
【0110】
したがって、本実施形態によれば、教師920は、予め入力された各生徒930の成績情報を、生徒930から目を離すことなく、視覚的に確認しながら、授業を行うことができる。これにより、教師920は、授業中、視認した生徒930に関する情報を、記憶に頼ることなく正確に把握できる。したがって、当該生徒930に対する適切な指導をその場で判断し、行うことができる。
【0111】
また、生徒用ARグラス310のディスプレイ213には、自身の理解度に応じて色分けされた教科書データが表示される。これを見ることにより、生徒930は、自身の理解度を把握することができる。例えば、自習の際に、自分が苦手としている分野を明確にした状態で学習を進めることができる。
【0112】
<<第二実施形態>>
第一実施形態では、生徒930の理解度は、予め登録された成績情報に基づいて算出される。本実施形態では、この理解度に、授業中、生徒930が解答した内容も反映する。すなわち、生徒930が解答する毎に、理解度をリアルタイムで更新する。
【0113】
以下、本実施形態の実現する教育支援システム100について説明する。本実施形態の教育支援システム100の構成は、基本的に第一実施形態と同様である。すなわち、図1に示すように、教師用ARグラス210と、教師用情報端末220と、生徒用ARグラス310と、生徒用情報端末320と、DBサーバ400と、ARサーバ500と、を備える。
【0114】
以下、各構成について、第一実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
【0115】
本実施形態では、教師920が、閲覧ページを指定し、生徒930側では、教師920が指定した閲覧ページのみ見ることができるものとする。
【0116】
本実施形態の生徒用情報端末320は、さらに、ディスプレイに表示される問題に対する解答の入力を受け付ける。生徒930は、例えば、タッチパネル等にスタイラスペン(タッチペン)等を介して入力する。生徒用情報端末320は、入力を受け付けると、当該問題を特定する情報(問題番号)とともに、解答データとして、DBサーバ400に送信する。
【0117】
本実施形態のDBサーバ400の成績情報DB412は、予め生徒930毎に格納領域が用意される。
【0118】
本実施形態の成績情報算出部422は、第一実施形態の機能に加え、生徒用情報端末320から解答データを受け付ける解答受付部としての機能を備える。
【0119】
すなわち、成績情報算出部422は、生徒930から、閲覧ページ上に用意された問題の解答(解答データ)を受け付ける毎に、正解であるか否かを判断し、成績情報DB412の該当する生徒番号412aのレコードのデータを更新する。正解であるか否かは、例えば、教科書情報DB413に登録される当該問題の「正解」情報を参照し、判別される。また、生徒情報は、解答データのヘッダに含まれる端末IDから、生徒情報DB411を参照し、特定される。
【0120】
成績情報算出部422は、正解である場合、解答の送信元の生徒番号412aに対応するレコードの、対応する単元412bの、正解数412cと、累計問題数412dとを、それぞれ、1インクリメントする。一方、正解でない場合、累計問題数412dのみ1インクリメントする。対応する単元412bは、教科書情報DB413に登録される当該問題の単元タグを参照し、決定される。
【0121】
そして、成績情報算出部422は、累計問題数412dが更新される毎に、正解率412eおよび理解度412fを更新する。これらの算出手法は第一実施形態と同様である。
【0122】
また、本実施形態の色分情報算出部423は、成績情報算出部422が、成績情報DB412を更新する毎に、色分情報DB414を更新する。すなわち、色分情報算出部423は、生徒930が、解答を送信する毎に、更新される。なお、各項目に付与する付与色の決定手法は、第一実施形態と同様である。
【0123】
また、本実施形態のリクエスト対応部424は、生徒用情報端末320から、解答データを受け取ると、当該生徒用情報端末320を使用している生徒930のグラスID、色分情報および閲覧ページデータを、ARサーバ500へ送信する。
【0124】
具体的には、リクエスト対応部424は、解答データを受け取ると、解答データのヘッダに含まれる端末IDを抽出する。そして、生徒情報DB411を参照し、当該端末IDに合致する端末ID411dが含まれるレコードの生徒番号411bおよびグラスID411eを抽出する。そして、生徒番号411bと解答データとを成績情報算出部422へ送信する。
【0125】
成績情報算出部422が、成績情報DB412を更新し、色分情報算出部423が、色分情報DB414を更新したことを受け、リクエスト対応部424は、抽出したグラスID411eを有する生徒用ARグラス310に向けて、閲覧ページデータと当該閲覧ページの色分情報とを送信する。
【0126】
また、ARサーバ500のリクエスト部522は、リクエストを行わず表示情報を取得した場合も、その表示情報をデータ加工部523に送信する。リクエストを行わず取得する表示情報は、上述のように、生徒930が解答データを送信した際にグラスIDとともに送信される閲覧ページデータおよび閲覧ページの色分情報である。
【0127】
[閲覧ページ色分情報生成処理]
次に、本実施形態のDBサーバ400による、閲覧ページ色分情報生成処理の流れを説明する。図9は、閲覧ページ色分情報生成処理の処理フローである。本処理は、閲覧ページ決定部421により閲覧ページが決定され、決定された閲覧ページが、教師用情報端末220および生徒用情報端末320に表示されている状態で行われる。また、生徒用情報端末320から、解答を受信したことを契機に開始される。
【0128】
生徒用情報端末320から、閲覧ページ上に用意された問題の解答(解答データ)を受信すると、成績情報算出部422は、送信元の生徒番号を特定するとともに、対応する問題(問題番号)を特定する(ステップS2101)。送信元は、送信データのヘッダに含まれる端末IDに基づいて、生徒情報DB411を参照して決定する。また、問題番号は、送信データから抽出する。
【0129】
成績情報算出部422は、特定した問題番号に対応する正解と単元とを、教科書情報DB413から抽出する(ステップS2102)。
【0130】
次に、成績情報算出部422は、正解か否かを判別する(ステップS2103)。
【0131】
そして、正解である場合、成績情報算出部422は、成績情報DB412の、特定した生徒番号412aのデータの、抽出した全ての単元412bに関し、例えば、上記手法で正解数412cおよび累計問題数412dを更新する(ステップS2104)。
【0132】
一方、正解でない場合、成績情報算出部422は、成績情報DB412の、特定した生徒番号412aのデータの、抽出した全ての単元412bに関し、例えば、上記手法で累計問題数412dのみ更新する(ステップS2105)。
【0133】
累計問題数412dの更新を終えると、成績情報算出部422は、抽出した全ての単元412bに関し、第一実施形態と同様に、正解率412eを算出し、更新する(ステップS2106)。また、正解率412eの算出後、成績情報算出部422は、抽出した全ての単元412bに関し、理解度412fを算出し、更新する(ステップS2107)。
【0134】
以上の手順で、成績情報DB412を更新後、色分情報算出部423は、閲覧ページの、対応する問題の色分けを決定する(ステップS2108)。ここでは、成績情報DB412の、単元毎の理解度412fに基づき、基準情報DB415に従って、付与色を決定する。
【0135】
付与色を決定後、色分情報算出部423は、生徒番号414aに対応づけて、色分情報DB414に付与色414dを登録し(ステップS2109)、処理を終了する。
【0136】
以上のように、DBサーバ400では、所定の閲覧ページが表示対象となっている間、生徒930から解答を受信する毎に、上記の処理を繰り返し、生徒930毎の、最新の、当該閲覧ページの色分情報を保存する。
【0137】
[教科書情報表示処理]
次に、本実施形態の、生徒用ARグラス310への、最新の教科書情報を表示する教科書情報表示処理の流れを説明する。図10は、本実施形態の教科書情報表示処理の処理フローである。なお、生徒用ARグラス310には、教師920が、閲覧ページを変更する毎に、当該閲覧ページが、まず、色分情報無しで、表示されるものとする。
【0138】
生徒用情報端末320は、生徒930からの入力を受け付けると(ステップS2201)、受け付けた解答を、問題番号とともに、DBサーバ400へ送信する(ステップS2202)。
【0139】
DBサーバ400の、成績情報算出部422は、生徒情報DB411を参照し、当該生徒の、生徒番号411bと、グラスID411eを特定する(ステップS2203)。そして、上記手法で、当該生徒の成績情報を更新する(ステップS2204)。また、色分情報算出部423は、上記手法で、当該生徒の閲覧ページの色分情報を更新する(ステップS2205)。
【0140】
その後、DBサーバ400は、更新後の閲覧ページの色分情報を、閲覧ページデータおよびグラスIDとともに、ARサーバ500に送信する(ステップS2206)。
【0141】
ARサーバ500のリクエスト部522が、閲覧ページデータおよびグラスIDとともに閲覧ページの色分情報を受信すると、ARサーバ500では、データ加工部523が、データ加工を行い(ステップS2207)、描画処理部524が描画処理を行い(ステップS2208)、表示データを生成する。そして、出力部525は、生成した表示データを、グラスIDで特定される生徒用ARグラス310に送信する(ステップS2209)。
【0142】
生徒用ARグラス310では、送信された表示データを、ディスプレイ213に表示する(ステップS2210)。
【0143】
本処理により、生徒用ARグラス310には、最新の理解度に応じて色分けされた教科書データが表示される。
【0144】
なお、ステップS1305で閲覧ページの色分情報が更新された場合、送信元の生徒用情報端末320にも、併せて、閲覧ページの色分情報を送信してもよい。これにより、生徒用情報端末320にも、当該生徒930の理解度に応じた教科書データが表示される。
【0145】
なお、本実施形態の視認生徒情報表示処理の流れは、第一実施形態と同様である。すなわち、教師用ARグラス210からARサーバ500へマーカが送信されると、その時点で最新の、当該生徒930の色分情報が提供される。
【0146】
以上説明したように、本実施形態によれば、授業中、教師920が視認した生徒930の、理解度に応じて色分けされた最新の教科書データが、教師920が装着する教師用ARグラス210のディスプレイ213に表示される。また、教師920が他の生徒930に視線を移した場合、表示されるデータが、その生徒930の理解度に応じて色分けされた最新の教科書データに変化する。
【0147】
したがって、本実施形態によれば、第一実施形態同様、教師920は、授業の際に、注視している生徒930の理解度を瞬時に把握することができる。それにより、教師920は、当該生徒930に関して、学習が必要な箇所を把握でき、生徒930から視線を外すことなく、適切な指導を行うことができる。
【0148】
また、本実施形態によれば、生徒930も、自身の理解度を把握することができるため、効率よく学習を進めることができる。
【0149】
さらに、本実施形態によれば、生徒930が、授業中の学習で、理解度が変化した場合であっても、その最新の状態を把握することができる。例えば、一人の生徒930を注視しながら、必要な事項を説明し、それにより、当該生徒930の理解度の変化を把握することもできる。そして、それを、指導に反映することができる。よって、より適切な指導を行うことができる。
【0150】
<変形例>
以下、上記各実施形態の変形例を説明する。
【0151】
上記各実施形態では、生徒930は、生徒用ARグラス310を装着しているが、生徒用ARグラス310は、なくてもよい。この場合、生徒用情報端末320に、色分けされた教科書データを表示する。そして、生徒930は、その教科書データを参照する。
【0152】
また、上記各実施形態等では、色分けされた教科書データの画像は、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310それぞれのディスプレイ213に表示されるが、これに限定されない。例えば、ARサーバ500が投射機能を備え、その出力部525から、直接、空間にホログラムとして表示させてもよい。これにより、生徒930は、生徒用情報端末320を見る必要もない。
【0153】
さらに、閲覧ページのデータのみ現実空間に表示させ、色分情報については、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310に表示させてもよい。
【0154】
また、上記各実施形態等では、教師920は、教師用情報端末220を介して、デジタル教科書の選択およびページ操作を行っているが、これに限定されない。例えば、教師用ARグラス210が、ジェスチャ入力を受け付ける機能を備えてもよい。この場合、教師920によるジェスチャにより、デジタル教科書の選択および/またはページ操作指示を受け付ける。これにより、教師920は、ページ操作をする際も、生徒930の方を向いた状態でいることができる。
【0155】
また、上記各実施形態等では、理解度の算出を、各生徒930、一律に行っているが、これに限定されない。例えば、志望校(または、志望校のランク)毎に、「理解」と判定する閾値を変化させてもよい。例えば、高偏差値の志望校ほど、より高い閾値で「理解」と判定する。
【0156】
この場合、基準情報DB415に、志望校(ランク)毎の閾値を登録する。また、生徒情報DB411に、志望校(ランク)をさらに登録する。成績情報算出部422は、生徒情報DB411から志望校(ランク)を抽出し、それに応じた閾値を用いて、理解度を算出する。
【0157】
なお、また、基準情報DB415を備え、単元毎に閾値を設定し、それを用いて理解度を算出しているが、閾値は、単元毎に変えず、一律の値であってもよい。例えば、全て、正解率が50%以上の場合「理解」と判定する、等である。
【0158】
また、上記各実施形態等では、全て理解している場合と、その他の場合に分けて色分けをしているが、これに限定されない。また、付与する色も2色に限定されない。例えば、項目に対応付けられた単元全てが「理解」の場合に付与する色と、「理解」と「理解不足」とが混在する場合に付与する色と、全て「理解不足」の場合に付与する色とを用意し、これらを付与してもよい。
【0159】
さらに、表示態様として、色分けに限定されない。例えば、文字のフォントを変化させる、文字の太さを変化させる、網掛けを行う、等であってもよい。単元毎の理解度を、一目で把握可能な態様であれば、具体的な表示態様は問わない。
【0160】
また、上記各実施形態では、教師920が視認した生徒930を、教師920の視線方向で選択している。しかしながら、視認した生徒930の選択は、これに限定されない。例えば、教師用ARグラス210のディスプレイ213の、予め定めた領域に顔領域が含まれた生徒930を、視認した生徒930としてもよい。この場合も、第一カメラ216で取得した画像から、当該生徒930の顔領域を抽出し、マーカとしてARサーバ500に送信する。
【0161】
また、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310は、ネットワーク900に接続していなくてもよい。これらの装置は、ARサーバ500とのみ接続してもよい。
【0162】
また、ARサーバ500の機能の全部または一部は、教師用ARグラス210および/または生徒用ARグラス310が、それぞれ、備えてもよい。
【0163】
また、上記実施形態等では、教師用ARグラス210および生徒用ARグラス310のディスプレイが、透過型である場合を例にあげて説明した。しかしながら、透過型に限定されない。例えば、非透過型のディスプレイを用いてもよい。この場合、第一カメラ216で撮影した画像を、背景画像とし、予め定めた領域に色付データを重畳し、表示画像(表示データ)を生成する。
【0164】
また、上記各実施形態では、教師920が生徒930に授業を行う場合を例にあげて説明したが、本実施形態の使用環境は、これに限定されない。上記各実施形態は、ARグラスを用いて対象の人物の情報を視覚的に確認しながら指導を行うものであるため、例えば、企業において、過去の業務実績から社員のスキルを確認しながら指導を行ったり、デジタル教科書を業務マニュアルに置き換え、業務マニュアルの習熟をさせることなどに使用したりしても良い。この場合は、例えば、理解度の計算方法を、それぞれの使用環境に最適なものとする。
【0165】
なお、上述の説明で用いた処理フローでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0166】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0167】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備え、
前記ARシステムは、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備える教育支援システム。
(付記2)
付記1に記載の教育支援システムであって、
前記選択受付部は、前記教師の視線により前記対象生徒の選択を受け付け、
前記表示制御部は、前記教師用ARグラスに前記閲覧ページを色分けして表示する、教育支援システム。
(付記3)
付記1または付記2に記載の教育支援システムであって、
前記デジタル教科書のページ毎の単元に関する情報を含む教科書情報を記憶する教科書情報データベースをさらに備え、
前記成績情報データベースは、前記生徒毎に、前記デジタル教科書の前記単元毎に前記理解度を記憶し、
前記表示制御部は、前記閲覧ページに含まれる前記単元毎に前記理解度に応じて色分けして表示する、教育支援システム。
(付記4)
付記3に記載の教育支援システムであって、
前記生徒毎の、前記閲覧ページに含まれる前記単元に応じた色分情報を記憶する色分情報データベースと、
前記成績情報データベースに成績が登録されると、予め定めた算出法で前記生徒毎の前記理解度を算出して前記成績情報データベースに登録する成績情報算出部と、
前記理解度が登録されると、予め定めた基準に従って前記生徒毎の前記閲覧ページの前記色分情報を算出し、前記色分情報データベースに登録する色分情報算出部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記色分情報データベースを参照し、前記閲覧ページを表示する教育支援システム。
(付記5)
付記4に記載の教育支援システムであって、
前記生徒から、前記デジタル教科書に含まれる問題に対する解答を受け付ける解答受付部をさらに備え、
前記教科書情報データベースは、前記問題毎に対応する前記単元に関する情報を有し、
前記成績情報算出部は、前記問題の解答を受け付ける毎に、当該問題の前記単元を特定し、前記成績情報データベースの前記理解度を算出して前記成績情報データベースを更新し、
前記色分情報算出部は、前記理解度が算出される毎に、前記色分情報を算出して前記色分情報データベースを更新する、教育支援システム。
(付記6)
付記1から付記5のいずれかに記載の教育支援システムであって、
前記ARシステムは、さらに、前記生徒それぞれが装着する生徒用ARグラスを備え、
前記表示制御部は、前記生徒用ARグラスに、当該生徒用ARグラスを装着する前記生徒の前記理解度に応じて色分けして前記閲覧ページを表示する、教育支援システム。
(付記7)
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを備え、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付部と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、受け付けた前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして表示する表示制御部と、を備えるARシステム。
(付記8)
生徒毎に、デジタル教科書の理解度を記憶する成績情報データベースと、
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムと、を備える教育支援システムにおける教育支援方法であって、
表示対象の前記生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の前記理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御ステップと、を備える教育支援方法。
(付記9)
教師が装着する教師用AR(Augmented Reality)グラスを有するARシステムのコンピュータに、
表示対象の生徒である対象生徒の選択を受け付ける選択受付手順と、
デジタル教科書の閲覧中のページである閲覧ページを、選択された前記対象生徒の、予め算出された理解度に応じて色分けして前記教師用ARグラスに表示する表示制御手順と、を実行させるためのプログラム。
なお、付記7の形態は、付記4および付記6の形態に展開することが可能であり、付記8および9の形態は、付記1の形態と同様に、付記2の形態から付記6の形態に展開することが可能である。
【0168】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0169】
100:教育支援システム、
210:教師用ARグラス、211:CPU、212:記憶装置、213:ディスプレイ、214:通信I/F、215:センサ、216:第一カメラ、217:第二カメラ、218:操作部、220:教師用情報端末、221:CPU、222:記憶装置、223:表示装置、224:通信I/F、225:センサ、226:カメラ、227:音声入出力装置、228:操作部、
310:生徒用ARグラス、320:生徒用情報端末、
400:データベースサーバ、401:CPU、402:記憶装置、403:通信I/F、404:入出力I/F、411:生徒情報DB、411a:生徒名、411b:生徒番号、411c:マーカ、411d:端末ID、411e:グラスID、412:成績情報DB、412a:生徒番号、412b:単元、412c:正解数、412d:累計問題数、412e:正解率、412f:理解度、413:教科書情報DB、413a:教科書名、413b:教科書コード/ページ、413c:詳細情報、414:色分情報DB、414a:生徒番号、414b:教科書コード/ページ、414c:問題、414d:付与色、415:基準情報DB、416:閲覧ページ保持部、421:閲覧ページ決定部、422:成績情報算出部、423:色分情報算出部、424:リクエスト対応部、
500:ARサーバ、521:入力部、522:リクエスト部、523:データ加工部、524:描画処理部、525:出力部、531:選択受付部、532:表示制御部、
900:ネットワーク、920:教師、921:画像、930:生徒、931:閲覧ページ画像
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