(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064445
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】医用情報処理装置及び医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240507BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173033
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三森 恵太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】医用情報の適切な管理を支援すること。
【解決手段】実施形態の医用情報処理装置は、付与部と、設定部とを備える。付与部は、ユーザの各々が管理する、ユーザが閲覧又は操作の対象とした医用情報に係るファイルと、当該ファイルを格納するフォルダとに基づき、フォルダの各々に属性を表すラベルを付与する。設定部は、同一又は類似するラベルのフォルダに格納されたファイルに基づいて、当該ファイルの提示に係る条件を設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの各々が管理する、前記ユーザが閲覧又は操作の対象とした医用情報に係るファイルと、当該ファイルを格納するフォルダとに基づき、前記フォルダの各々に属性を表すラベルを付与する付与部と、
同一属性のラベルの前記フォルダに格納された前記ファイルに基づいて、当該ファイルの提示に係る条件を設定する設定部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記ユーザのうち、一部の第1ユーザが前記フォルダに格納している前記ファイルである第1ファイルに基づいて、当該第1ファイルを前記フォルダに格納していない第2ユーザに、前記第1ファイルを前記フォルダに追加するアクションを提示するための条件を設定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記第2ユーザに対して、前記ファイルの提示に係るファイル操作のアクションを提示する提示部を更に備え、
前記提示部は、前記設定された条件に基づいて、前記第2ユーザに対して、前記第1ファイルを前記フォルダに追加するアクションを提示する、
請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記ファイルに対するユーザの操作の内容を示した操作情報を取得する取得部を更に備え、
前記提示部は、複数のユーザについて取得された前記操作情報のうち、前記第1ユーザの前記操作情報と、設定された前記設定された条件とに基づいて、前記アクションを前記第2ユーザに提示する、
請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記ファイル又は当該ファイルにアクセス可能なリンクを格納するフォルダに対するファイル操作の内容を示した前記操作情報を取得する、
請求項4に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記操作情報に含まれる前記ファイル操作の対象となったフォルダの名称に基づいて、当該フォルダの特徴を示す属性を特定する特定部と、
前記ファイル毎に、当該ファイル又は当該ファイルを格納する前記フォルダに付されたラベルの属性毎の付与数を計数する計数部と、
を更に備え、
前記付与部は、前記特定部で特定された属性を表すラベルを、前記フォルダ及び当該フォルダに格納された前記ファイルの各々に付与し、
前記計数部は、前記ファイルに付与された同一属性の前記ラベルの付与数を計数し、
前記提示部は、計数された、前記ファイルに付与された同一属性の前記ラベルの付与数と、設定された前記条件とに基づいて、前記第2ユーザに対して、前記フォルダに対するファイル操作のアクションを提示する、
請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記第1ファイルに付与された同一属性の前記ラベルの数の所定期間あたりの増加量が閾値を超えることを前記条件に設定し、
前記提示部は、前記条件を満たす場合、当該条件に設定されたラベルと同一属性のラベルが付されたフォルダを用いて前記第1ファイルとは異なるファイルを管理する前記第2ユーザに対して、前記第1ファイルを前記フォルダに追加するアクションを提示する、
請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記設定部は、一部の前記第2ユーザが前記フォルダに格納している前記ファイルである第2ファイルに付与された同一属性の前記ラベルの数の所定期間あたりの減少量が閾値を超えることを前記条件に設定し、
前記提示部は、前記条件を満たす場合、当該条件に設定されたラベルと同一属性のラベルが付されたフォルダを用いて前記第2ファイルを管理する前記第2ユーザに対して、当該第2ファイルを前記フォルダから削除するアクションを提示する、
請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記ファイルから当該ファイルの特徴を示すキーワードを抽出する抽出部を更に備え、
前記特定部は、前記抽出部が抽出したキーワードに基づき前記属性を特定する、
請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
前記第2ユーザが前記フォルダに格納している第3ファイルに関連する関連ファイルを検索する検索部を更に備え、
前記提示部は、前記条件として、同一属性の前記ラベルの数が所定期間において閾値を超えて増加している前記関連ファイルが存在する場合、当該関連ファイルを前記フォルダに格納していない前記第2ユーザに対して、前記関連ファイルを前記フォルダに追加するアクションを提示する、
請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項11】
前記提示部は、複数のユーザについて取得された前記操作情報のうち、前記ファイルに対する前記ファイル操作を行う頻度が閾値以上となるユーザを前記第1ユーザとし、当該第1ユーザの前記操作情報に基づいて、前記ファイル操作のアクションを導出する、
請求項4に記載の医用情報処理装置。
【請求項12】
医用情報を記憶する記憶装置と、ユーザ毎に作成された、前記医用情報又は当該医用情報へのリンクをファイルとして格納することが可能なフォルダを用いて、前記ファイルに対するユーザのファイル操作を受け付ける1又は複数の端末装置と、医用情報処理装置とを含む医用情報処理システムであって、
前記医用情報処理装置は、
ユーザの各々が管理する、前記ユーザが閲覧又は操作の対象とした医用情報に係るファイルと、当該ファイルを格納するフォルダとに基づき、前記フォルダの各々に属性を表すラベルを付与する付与部と、
同一属性のラベルの前記フォルダに格納された前記ファイルに基づいて、当該ファイルの提示に係る条件を設定する設定部と、
を備える医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理装置及び医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の氏名等の個人情報を匿名化した上で、複数の医用施設で特定の症例に関する情報等の医用情報を共有し、診断や研究等に活用する技術が知られている。このような医用情報を閲覧する医師等は、任意の名称を付けたフォルダを作成し、フォルダ内に医用情報に関するファイル(又は当該ファイルにアクセスするためのリンク)を格納して管理するブックマーク機能を使用することがある。
【0003】
しかしながら、フォルダに格納したファイルの整理には手間がかかるため、様々な業務を行う医師等は、医用情報を最新の状態に更新したり、誤りが判明した医用情報を削除したりといった適切なファイル管理を行えないこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、医用情報の適切な管理を支援することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の医用情報処理装置は、付与部と、設定部とを備える。付与部は、ユーザの各々が管理する、ユーザが閲覧又は操作の対象とした医用情報に係るファイルと、当該ファイルを格納するフォルダとに基づき、フォルダの各々に属性を表すラベルを付与する。設定部は、同一又は類似するラベルのフォルダに格納されたファイルに基づいて、当該ファイルの提示に係る条件を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るブックマーク表示画面の一例を説明する図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るデータと、ラベルと、スコアとの関係の一例について説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るラベル付与処理の一例を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るデータ追加のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るデータ削除のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るラベルの異なるデータのデータ追加のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末装置に対する表示制御処理の一例を説明する図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るブックマークフォルダの名称の解析でラベルの付与が行えない場合のラベル付与処理の一例を説明する図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るブックマークフォルダの名称の解析でラベルの付与が行えない場合のラベル付与処理の一例を説明する図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るブックマーク機能を利用しないユーザに対するリコメンド処理の一例を説明する図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る医用情報処理装置が実行するブックマーク機能を使用しているユーザに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係る医用情報処理装置が実行するブックマーク機能を使用していないユーザに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置及び医用情報処理システムの実施形態について詳細に説明する。
【0009】
以下、
図1に示す医用情報処理システム1を例として説明する。
図1は、実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、医用情報処理システム1は、医用情報処理装置100と、データ保管装置200と、複数の端末装置300(300a、300b・・・300n)を含む。また、医用情報処理装置100と、データ保管装置200と、複数の端末装置300は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0011】
なお、医用情報処理装置100、データ保管装置200及び端末装置300は、同一施設内に設置されてもよいし、互いに異なる施設に設置されてもよい。即ち、ネットワークNWは、院内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークでもよい。
【0012】
医用情報処理装置100は、例えば、後述するブックマーク機能で指定された医用情報に係るファイル(以下、単にファイルともいう)又は当該ファイルを格納するフォルダにラベルを付与して管理する。ここで、ラベルとは、ファイルを格納するフォルダやファイルの属性を表す情報である。
【0013】
また、医用情報処理装置100は、フォルダ、ファイル又はラベルに対するユーザの操作に基づいたアクティビティをトリガに、ファイルに対して推奨されるアクションを促す装置である。医用情報処理装置100は、例えば、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。医用情報処理装置については後述する。
【0014】
データ保管装置200は、ファイルを記憶する記憶装置である。データ保管装置200は、例えば、DB(Database)サーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路にファイルを記憶させる。本実施形態では、データ保管装置200には、複数医用施設をまたがったファイルが記憶されている。
【0015】
ここで、ファイルとは、例えば、電子カルテデータ、検査結果データ、各種モダリティで生成された医用画像データ、治療の副作用に関するデータ、症例に関する論文のデータ等の医用情報である。なお、本実施形態では、ファイルは、ファイルに含まれる患者氏名等の患者情報は匿名化された状態でデータ保管装置200に記憶されているものとする。
【0016】
なお、
図1においては、データ保管装置200を1つのみ示すが、医用情報処理システム1は、複数のデータ保管装置200を含んでもよい。例えば、医用情報処理システム1は、電子カルテ保管装置としてのデータ保管装置200、検体検査サーバとしてのデータ保管装置200、及び、PACSサーバとしてのデータ保管装置200等をそれぞれ含んでもよい。
【0017】
端末装置300は、ユーザが使用する情報処理装置である。ここで、ユーザとは、医師であってもよいし、看護師や薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士等のコメディカルスタッフであってもよい。端末装置300は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC等のコンピュータ機器によって実現される。端末装置300の記憶装置には、ユーザを識別するユーザIDや端末装置300を識別する端末ID等の情報が記憶される。
【0018】
例えば、端末装置300は、ネットワークNWを介してデータ保管装置200と通信し、データ保管装置200に記憶されたファイルを端末装置300の表示装置等に表示させる。これにより、ユーザはデータ保管装置200に記憶されたファイルを閲覧することができる。
【0019】
ところで、ユーザは、診断や研究のため、様々なファイル(以下、ファイルをデータとも表記する)を閲覧することになる。また、何度も同じデータを閲覧することもあり、毎回データの検索を行うことは非常に手間である。そこで、ユーザはブックマーク機能を利用することがある。ブックマーク機能は、例えば、ユーザが一度閲覧した医用情報を後で閲覧し直したい場合に、当該医用情報を容易に読み出せるように管理するための機能である。
【0020】
ここで、
図2は、ブックマーク表示画面の一例を説明する図である。ブックマーク表示画面BDは、ユーザ名表示欄ND、フォルダ作成ボタンFB、及びフォルダ表示欄FDで構成される。ユーザ名表示欄NDは、ユーザの名称を表示する表示欄である。
図2ではユーザの氏名「東京 太郎」のみが表示されているが、ユーザの氏名の他にユーザを識別するユーザID、ユーザの属性(例えば、臨床医、研究医等)を表す情報等が表示されていてもよい。
【0021】
フォルダ作成ボタンFBは、ファイルを格納し、管理するためのフォルダを作成するボタンである。ユーザは、例えば、端末装置300を介してデータの用途に沿った任意の名称のフォルダを作成し、データの管理を行う。以下、ブックマーク表示画面BDで作成されたフォルダをブックマークフォルダともいう。
【0022】
フォルダ表示欄FDは、ブックマークフォルダを表示する表示欄である。
図2では、「お気に入り」、「ドキュメント」、「参考資料」、及び「症例A」の4つのフォルダが表示されている。
【0023】
ユーザは、夫々のブックマークフォルダにデータを格納し、データの管理を行う。なお、本実施形態では、データ保管装置200に記憶されたデータのコピーをブックマークフォルダ内に格納するものとするが、データへアクセスするためのリンクをブックマークフォルダ内に格納してもよい。また、ブックマークフォルダ内に更にサブフォルダが格納されていてもよい。
【0024】
図1に戻り、医用情報処理装置100について説明する。医用情報処理装置100は、
図1に示すように、入力インターフェース110と、ディスプレイ120と、メモリ130と、処理回路140とを有する。
【0025】
入力インターフェース110は、操作者(例えば、医用情報処理装置100の管理者等)から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路140に出力する。
【0026】
例えば、入力インターフェース110は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行なうタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。
【0027】
なお、入力インターフェース110は、医用情報処理装置100と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース110は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用情報処理装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路140へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース110の例に含まれる。
【0028】
ディスプレイ120は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ120は、検査オーダーや検査結果を表示する。また、例えば、ディスプレイ120は、ユーザから各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。例えば、ディスプレイ120は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。
【0029】
ディスプレイ120は、デスクトップ型でもよいし、医用情報処理装置100と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。なお、入力インターフェース110とディスプレイ120とは統合してもよい。例えば、入力インターフェース110及びディスプレイ120は、単一のタッチパネルによって実現される。
【0030】
また、医用情報処理装置100は、ディスプレイ120を複数含んでもよい。例えば、医用情報処理装置100は、ディスプレイ120として、物理的に分離した2つのディスプレイ(デュアルディスプレイ)を含んでもよい。また、これら複数のディスプレイ120は相互に関連するように制御されてもよい。
【0031】
例えば、複数のディスプレイ120は、連続した1つの領域を表示するように制御される。この場合、ディスプレイ120における表示領域は、ディスプレイ120の数に応じて拡張される。
【0032】
メモリ130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ130は、医用情報処理装置100に含まれる各回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。また、例えば、メモリ130は後述するラベル設定情報を記憶する。
【0033】
処理回路140は、取得機能141、解析機能142、ラベル付与機能143、提示機能144、抽出機能145、検索機能146及び出力制御機能147を実行することで、医用情報処理装置100による処理の全体を制御する。
【0034】
なお、取得機能141は、取得部の一例である。提示機能144は、設定部、計数部、及び提示部の一例である。解析機能142は特定部の一例である。ラベル付与機能143は、付与部の一例である。抽出機能145は、抽出部の一例である。検索機能146は、検索部の一例である。
【0035】
取得機能141は、ユーザのファイル操作の内容を示した操作情報を取得する。具体的には、取得機能141は、ネットワークNWを介して端末装置300と通信することで、ブックマークフォルダに対して行われたユーザの操作を監視する。
【0036】
例えば、取得機能141は、医用情報処理装置100に記憶されたデータがブックマークフォルダに格納された場合、格納対象のデータに関する情報と、格納先のブックマークフォルダに関する情報とを、ユーザのファイル操作の内容を示した操作情報として取得する。
【0037】
具体的には、取得機能141は、端末装置300から、データを格納したユーザのユーザID、当該端末装置300の端末ID、データを格納した(データの操作)日時、格納されたデータの名称を表す情報、格納先のブックマークフォルダの名称を表す情報、当該ブックマークフォルダに当該データが格納された記録等の情報を操作情報として取得する。
【0038】
また、例えば、ブックマークフォルダ内に格納されたデータが削除された場合、取得機能141は、端末装置300から、データを削除したユーザのユーザID、当該端末装置300の端末ID、データを削除した(データの操作)日時、削除されたデータの名称を表す情報、削除されたデータが格納されていたブックマークフォルダの名称を表す情報、当該ブックマークフォルダから当該データが削除された記録等の情報を操作情報として取得する。
【0039】
解析機能142は、ブックマークフォルダの名称を解析する。例えば、解析機能142は、取得機能141で取得された操作情報に含まれるブックマークフォルダの名称を解析する。解析には、公知の自然言語処理技術等を用いることができる。また、解析機能142は、操作情報に含まれるファイル操作の対象となったブックマークフォルダの名称に基づいて、当該ブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに格納されたデータの特徴を示す属性を特定する。
【0040】
例えば、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報と解析結果とに基づいて、取得機能141で取得された操作情報に係るブックマークフォルダ及びデータの属性を特定する。
【0041】
ここで、ラベル設定情報は、例えば、ブックマークフォルダ又はデータの属性を表すラベルの名称を定義した情報である。解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報を参照し、ブックマークフォルダの名称の解析結果に対応するラベルの名称を、操作対象となったブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに格納されたデータの属性として特定する。
【0042】
ラベル付与機能143は、ユーザの各々が管理する、ユーザが閲覧又は操作の対象としたファイルと、当該ファイルを格納するブックマークフォルダとに基づき、ブックマークフォルダに属性を表すラベルを付与する。
【0043】
例えば、ラベル付与機能143は、取得機能141で取得された操作情報に係るブックマークフォルダに、解析機能142で特定された属性を表すラベルを付与する。また、例えば、ラベル付与機能143は、取得機能141で取得された操作情報に係るデータに、解析機能142で特定された属性を表すラベルを付与する。なお、ラベル付与機能143は、1つのデータに対して複数のラベルを付与してもよい。
【0044】
提示機能144は、ファイル提示の対象外の対象外ユーザのブックマークフォルダに格納されたファイルに基づいて、当該ファイルを、当該ファイルを自身のブックマークフォルダに格納していない、ファイル提示の対象となる対象ユーザに提示するためのラベルの付与数(以下、スコアともいう)の閾値を設定する。対象外ユーザは、第1ユーザの一例である。また、対象ユーザは、第2ユーザの一例である。
【0045】
ここで、スコアの閾値は、ファイルの提示に係る条件の一例である。例えば、提示機能144は、特定のラベルが付与されたブックマークフォルダを有するユーザの総数等に応じてスコアの閾値を決定する。
【0046】
また、提示機能144は、ファイル毎に、付与されたラベル毎のスコアを計数する。また、提示機能144は、計数したスコアと設定したスコアの閾値とに基づいて、対象ユーザに対し、対象外ユーザが自身のブックマークフォルダに格納しているファイルを、対象ユーザのブックマークフォルダへ追加するアクションを提示する。
【0047】
また、提示機能144は、複数のユーザについて取得された操作情報のうち、対象外ユーザの操作情報と、設定したスコアの閾値とに基づいて、ファイル操作のアクションを対象ユーザに提示する。
【0048】
また、例えば、提示機能144は、ラベルのスコアが設定した閾値を超えて増加しているデータがあった場合、当該データに付与されたラベルと同一のラベルが付与されたブックマークフォルダを用いてデータを管理するユーザを特定する。
【0049】
そして、提示機能144は、特定されたユーザのうち、当該データを有していないユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザに対して、当該データを当該ブックマークフォルダに格納するよう促す通知を生成する。上記の場合の「スコアが設定した閾値を超えて増加しているデータ」は、第1ファイルの一例である。
【0050】
以下、
図3を用いて、データと、ラベルと、スコアとの関係について説明する。
図3は、データと、ラベルと、スコアとの関係の一例について説明する図である。
図3に示すように、データ保管装置200の記憶装置等には、データベースDBが記憶される。データベースDBには、データとして、例えばファイル名が「カルテ情報1」の電子カルテデータK1(以下、「カルテ情報1」K1とも表記する)が格納されている。
【0051】
「カルテ情報1」K1は、データを識別するデータ識別子「D001」、ラベル「症例A臨床参照用」、及びスコア「100」を付帯情報として有している。なお、データ識別子とラベルとの組み合わせにより、データが一意となる。
【0052】
一方、端末装置300には、ユーザの操作により、例えばフォルダ名が「症例Aのご参考」であるブックマークフォルダF1(以下、「症例Aのご参考」F1とも表記する)が作成される。「症例Aのご参考」F1には、ラベル付与機能143により、ラベル名が「症例A臨床参照用」のラベルLが付与されている。
【0053】
また、「症例Aのご参考」F1には、ファイル名が「カルテ情報1」の電子カルテデータのリンクK1lが格納されている。例えば、ユーザは、マウス等でデータのリンクをクリックすることで、当該リンクに対応するデータ保管装置200に記憶されたデータにアクセスすることができる。なお、ブックマークフォルダには、データ保管装置200に記憶されたデータのコピーが格納されてもよい。
【0054】
ここで、ラベルのスコアは、例えば、データに対して付与されている同一のラベルの数を表している。したがって、2種類以上のラベルが付与されているデータは、付与されているラベル毎にスコアが存在することになる。
【0055】
また、例えば、提示機能144は、ラベルのスコアが設定した閾値を超えて減少しているデータがあった場合、当該データに付与されたラベルと同一のラベルが付与されたブックマークフォルダを用いてデータを管理するユーザを特定する。
【0056】
そして、提示機能144は、特定されたユーザのうち、当該データを当該ブックマークフォルダに格納しているユーザを対象ユーザとして、当該対象ユーザに対して、当該データを当該ブックマークフォルダから削除するよう促す通知を生成する。上記の場合の「スコアが設定した閾値を超えて減少しているデータ」は、第2ファイルの一例である。
【0057】
また、提示機能144は、複数のユーザについて取得された操作情報のうち、ファイル操作を行う頻度が閾値以上となるユーザを対象外ユーザとし、当該対象外ユーザの操作情報に基づいて、対象ユーザに提示するファイル操作のアクションを導出する。
【0058】
例えば、提示機能144は、操作情報に含まれるユーザID及びデータの操作日時からファイル操作を行う頻度を算出する。次いで、提示機能144は、算出した頻度が閾値以上となるユーザを対象外ユーザとして特定する。そして、提示機能144は、当該対象外ユーザの操作情報に基づいて、対象ユーザに対して提示するファイル操作のアクションを導出する。
【0059】
ここで、頻繁にファイル操作を行うユーザは、適切にデータを管理しているユーザだと考えられる。したがって、ファイル操作を行う頻度が閾値以上となる対象外ユーザの操作情報に基づいて、対象ユーザに対して提示するアクションを導出することにより、例えば、対象ユーザがデータの管理を怠りがちなユーザだったとしても、当該対象ユーザに対して適切にデータを管理していると考えられる対象外ユーザと同様のアクションを促すことができる。
【0060】
抽出機能145は、ファイルから当該ファイルの特徴を示すキーワードを抽出する。例えば、解析機能142は、ブックマークフォルダの名称からブックマークフォルダの属性を特定できなかった場合、抽出機能145に対して、ブックマークフォルダの属性が特定できなかった旨の情報を送出する。
【0061】
解析機能142から属性が特定できなかった旨の情報が送出された場合、抽出機能145は、取得機能141で取得された操作情報に係るデータからキーワードを抽出する。キーワードの抽出には公知の自然言語処理技術等を用いることができる。また、抽出機能145は、抽出結果をサマリとして解析機能142に送出する。
【0062】
この場合、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報と抽出機能145から送出されたサマリとに基づいて、ブックマークフォルダの属性を特定する。これにより、ブックマークフォルダの名称の解析ではデータに付与するラベルを特定できなかった場合でも、ブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに格納されるデータにラベルを付与することができる。
【0063】
検索機能146は、ブックマークフォルダに格納されたファイルに関連する関連ファイルを検索する。例えば、検索機能146は、データが電子カルテデータであれば、当該電子カルテデータに係る患者と相関の強い患者の電子カルテデータを関連データとして検索する。
【0064】
上記の場合、元々ブックマークフォルダに格納されていた電子カルテデータは、第3データの一例である。また、関連データは、関連ファイルの一例である。相関の強い患者とは、例えば、特定の患者と疾患名や属性等に類似した類似患者である。また、例えば、検索機能146は、同一のラベルが付与されているデータを関連データとして検索する。
【0065】
出力制御機能147は、端末装置300に対して情報を出力する。例えば、出力制御機能147は、提示機能144で生成された通知を、ネットワークNWを介して端末装置300へ送出する。これにより、対象ユーザに対して、データの追加のリコメンドやデータの削除のリコメンドを行うことができる。
【0066】
また、出力制御機能147は、ラベルのスコアに応じて、ブックマークフォルダ内におけるデータの表示順を変更する制御命令を端末装置300へ送出する。これにより、例えば、ラベルのスコア順にブックマークフォルダ内のデータが並び替えられるため、ユーザは、容易にデータの重要度を把握することができる。
【0067】
図1に示す医用情報処理装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ130へ記憶されている。処理回路140は、メモリ130からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路140は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0068】
なお、
図1においては単一の処理回路140にて、取得機能141、解析機能142、ラベル付与機能143、提示機能144、抽出機能145、検索機能146及び出力制御機能147を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路140を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路140が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0069】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリ130に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0070】
なお、
図1においては、単一のメモリ130が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ130を分散して配置し、処理回路140は、個別のメモリ130から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ130にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0071】
また、処理回路140は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路140は、メモリ130から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用情報処理装置100とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、
図1に示す各機能を実現する。
【0072】
以上、実施形態に係る医用情報処理システム1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、ブックマーク機能で作成されるブックマークフォルダ内のデータに対してラベルを付与し、同一のラベルを付与されたファイルに対する複数の操作情報に基づいて、データに対するファイル操作のアクションを提示する。以下、実施形態に係る医用情報処理システム1の各機能の動作について説明する。
【0073】
以下では、ブックマーク機能を使用するユーザを、几帳面なユーザ、やや几帳面なユーザ、及び几帳面でないユーザに区分して説明する。
【0074】
本実施形態において、几帳面なユーザとは、ブックマークフォルダに用途や目的がわかるような名称をつけており、ブックマークフォルダに格納されるファイルを頻繁に整理するようなユーザを意味する。
【0075】
また、やや几帳面なユーザとは、ブックマークフォルダに用途や目的がわかるような名称をつけているが、フォルダに格納されるファイルは放置しがちなユーザを意味する。
【0076】
また、几帳面でないユーザとは、ブックマークフォルダに用途や目的がわからないような名称をつけており、ブックマークフォルダに格納されるファイルは放置しがちなユーザを意味する。
【0077】
まず、
図4を用いてデータに対するラベル付与処理について説明する。
図4は、ラベル付与処理の一例を説明する図である。
図4では、医用情報処理システム1は、医用情報処理装置1(図示しない)、データ保管装置200、端末装置300a、300b及び300cで構成される。また、図中のデータ保管装置200内のデータと、端末装置300内のデータとを接続する線は、医用情報処理装置1の動作を表している。
【0078】
また、
図4では、データ保管装置200に、データとして、「カルテ情報1」K1、ファイル名が「カルテ情報2」の電子カルテデータK2(以下、「カルテ情報2」K2とも表記する)、ファイル名が「デジカメ写真」である画像データD1(以下、「デジカメ写真」D1とも表記する)、及びファイル名が「症例A副作用情報」である副作用データE1(以下、「症例A治療法副作用情報」E1とも表記する)が記憶されているものとする。
【0079】
「カルテ情報1」K1、「カルテ情報2」K2、「デジカメ写真」D1及び「症例A治療法副作用情報」E1はファイルの一例である。
【0080】
また、データ保管装置200の「カルテ情報1」K1には、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているものとする。また、「カルテ情報1」K1のラベル「症例A臨床参照用」に関するスコアは「99」であるものとする。
【0081】
また、データ保管装置200の「カルテ情報2」K2には、ラベル「症例A臨床参照用」及び「症例A副作用研究用」が付与されているものとする。また、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「49」であるものとする。また、「カルテ情報2」K2の「症例A副作用研究用」に関するスコアは「29」であるものとする。
【0082】
また、データ保管装置200の「デジカメ写真」D1にはラベルが付与されていない、ラベルのスコアが0の状態にあるものとする。また、データ保管装置200の「症例A治療法副作用情報」E1には、ラベル「症例A副作用研究用」が付与されているものとする。また、「症例A治療法副作用情報」E1の「症例A副作用研究用」に関するスコアは「120」であるものとする。
【0083】
また、
図4では、ブックマーク機能を使用するユーザは、医師DA、医師DB、及び医師DCである。医師DAは、臨床医であり、やや几帳面なユーザであるものとする。また、医師DBは、臨床医であり、几帳面なユーザであるものとする。また、医師DCは、研究医であり、几帳面なユーザであるものとする。
【0084】
また、端末装置300aは、医師DAが使用する端末装置である。同様に、端末装置300bは、医師DBが使用する端末装置である。同様に、端末装置300cは、医師DCが使用する端末装置である。
【0085】
また、端末装置300aには、「症例Aのご参考」F1が作成されているものとする。また、端末装置300bには、フォルダ名が「症例A」であるブックマークフォルダF2(以下、「症例A」F2とも表記する)が作成されているものとする。
【0086】
また、端末装置300cには、フォルダ名が「症例A・副作用」であるブックマークフォルダF3(以下、「症例A・副作用」F3とも表記する)が作成されているものとする。また、「症例A・副作用」F3には、「症例A治療法副作用情報」E1が格納されているものとする。
【0087】
また、
図4には記載されているが、当初の状態においては、端末装置300aの「症例Aのご参考」F1及び端末装置300bの「症例A」F2には、ラベルが付与されていない状態(空の状態)にあるものとする。また、端末装置300cの「症例A・副作用」F3には、ラベル「症例A副作用研究用」が付与されているものとする。
【0088】
なお、データ保管装置200に記憶されている各データには、データ識別子が付されているものとするが、
図4では図示を省略する。また、以下の図においても、データ識別子の図示は省略する。
【0089】
以上を前提として、まず、医師DAが端末装置300aを介して、データ保管装置200に記憶された「カルテ情報1」K1を、「症例Aのご参考」F1に追加した場合の動作例について説明する。
【0090】
この場合、医用情報処理装置100の取得機能141は、医師DAの操作に応じて、「症例Aのご参考」F1に対し、「カルテ情報1」K1が追加されたことを検出する。そして、取得機能141は、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報1」K1が追加されたことを表す情報を取得する。
【0091】
次いで、解析機能142は、ブックマークフォルダの名称である「症例Aのご参考」F1の解析を実行する。更に、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報を参照し、「カルテ情報1」K1の属性を特定する。例えば、解析機能142は、自然言語処理技術等により「症例Aのご参考」F1の表記のゆらぎを吸収することで、ラベル設定情報に登録されている「症例A臨床参照用」を、「カルテ情報1」KIの属性として特定する。
【0092】
そして、ラベル付与機能143は、「カルテ情報1」K1に対して「症例A臨床参照用」を表すラベル「症例A臨床参照用」を付与する。また、ラベル付与機能143は、ラベルの付与に伴い、データ保管装置200に記憶された「カルテ情報1」K1のラベル「症例A臨床参照用」に関するスコアを更新する。
図4では、ラベル付与機能143は、「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアを1加算し、当該スコアを「99」から「100」に更新する。
【0093】
また、ラベル付与機能143は、「症例Aのご参考」F1にラベルが付与されていないため、「症例Aのご参考」F1に対して、「症例Aのご参考」F1の属性を表すラベル「症例A臨床参照用」を付与する。
【0094】
次に、医師DBが端末装置300bを介して、データ保管装置200に記憶された「カルテ情報2」K2及び「デジカメ写真」D1を、ブックマークフォルダ「症例A」F2に追加した場合の動作例について説明する。この場合も、医用情報処理装置100の各機能は、上記の「カルテ情報1」K1を「症例Aのご参考」F1に追加した場合と同様の処理を行う。
【0095】
これにより、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアが「49」から「50」に、「デジカメ写真」D1の「症例A臨床参照用」に関するスコアが「0」から「1」に更新される。
【0096】
なお、電子カルテデータ等の文字列を含むデータであれば、データ内の文字列を解析してブックマークフォルダにラベルを付与することも可能であるが、意図した用途や目的から外れたラベルが付与される可能性がある。
【0097】
例えば、
図4に示した「症例Aのご参考」F1や「症例A」F2に格納されるデータは、症例Aの直接のエビデンスや資料に限られないと考えられる。例えば、症例Aに併発する別の症例又は治療による副作用の症例等がこれらのブックマークフォルダに格納されることも考えられる。このような場合、データ内の文字列を解析してラベルを付与すると、適切なラベルである「症例A臨床参照用」を付与できない可能性がある。
【0098】
一方、本実施形態の医用情報処理装置100は、ブックマークフォルダの名称を、当該ブックマークフォルダに格納されたデータの属性とみなし、ブックマークフォルダの名称を解析することで、データに付与するラベルを特定できる。つまり、本実施形態に係る医用情報処理装置100によれば、文字列を含まないデータやブックマークフォルダの名称と直接的な関わりがないデータに対しても適切なラベルを付与することができる。
【0099】
次に、医師DCが端末装置300cを介して、データ保管装置200に記憶された「カルテ情報2」K2を、「症例A・副作用」F3に追加した場合の動作例について説明する。
【0100】
この場合、取得機能141は、医師DCの操作に応じて、「症例A・副作用」F3に対し、「カルテ情報2」K2が追加されたことを検出する。そして、取得機能141は、「カルテ情報2」K2が追加されたことを表す情報を取得する。
【0101】
次いで、解析機能142は、「症例A・副作用」F3にラベル「症例A副作用研究用」というラベルが付与されていることを検出する。解析機能142は、ラベル付与機能143に対して「症例A・副作用」F3にラベル「症例A副作用研究用」というラベルが付与されている旨の情報を送出する。
【0102】
そして、ラベル付与機能143は、「カルテ情報2」K2に対して、「カルテ情報2」K2が格納された「症例A・副作用」F3と同一のラベルである「症例A副作用研究用」を付与する。また、ラベル付与機能143は、「カルテ情報2」の「症例A副作用研究用」に関するスコアを更新する。
図4では、ラベル付与機能143は、「カルテ情報2」の「症例A副作用研究用」に関するスコアを1加算し、当該スコアを「29」から「30」に更新する。
【0103】
なお、
図4では、「カルテ情報2」K2には、「症例A臨床参照用」及び「症例A副作用研究用」の2つのラベルが付与される。このようにデータによっては、複数のラベルが付与される場合もある。以下の説明では、このようなデータをハブデータと呼ぶことがある。ハブデータは、ユーザに対して、ユーザの挙動に係るデータに付与されたラベルとは異なるラベルが付与されたデータの追加を促す処理等に用いられる。ハブデータに関しては後述する。
【0104】
次に、
図5を用いてデータ追加のリコメンド処理について説明する。
図5は、データ追加のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【0105】
図5では、ブックマーク機能を使用するユーザは、医師DA及び医師DBである。また、
図4と同様に、医師DAにより、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報1」K1が追加され、医師DBにより、「症例A」F2に「カルテ情報2」K2が追加されたものとする。また、端末装置300aの「症例Aのご参考」F1及び端末装置300bの「症例A」F2には、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているものとする。
【0106】
また、「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「99」であるものとする。また、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「100」であるものとする。
【0107】
この場合、ラベル付与機能143は、「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「99」から「100」に、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「100」から「101」に夫々更新する。
【0108】
また、検索機能146は、医師DAの操作情報に係る「カルテ情報1」K1の関連データを検索する。
図5では、検索機能146は、「カルテ情報1」K1に係る患者の類似患者のデータを関連データとして検索する。なお、類似患者であることは、例えば、「カルテ情報1」K1に係る患者の患者情報や主訴等から判断することができる。また、
図5では、検索機能146は、「カルテ情報1」K1に付与されたラベル「症例A臨床参照用」と同一のラベルが付与されたデータを関連データとして検索する。
【0109】
ここで、「カルテ情報2」K2は、「カルテ情報1」K1に係る患者の類似患者のデータである。また、「カルテ情報2」K2は、「カルテ情報1」K1と同一のラベル「症例A臨床参照用」が付与されたデータである。また、「症例A治療法副作用情報」E1は、「カルテ情報1」K1に係る患者の類似患者のデータである。
【0110】
したがって、検索機能146により、「カルテ情報2」K2及び「症例A治療法副作用情報」E1が、「カルテ情報1」K1の関連データとして検索される。また、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。同様に、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「症例A治療法副作用情報」E1とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。
【0111】
更に、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とは、「症例A臨床参照用」という同一のラベルが付与されているため、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とについて同一のラベルが付与されたデータである旨の関連付けを行う。なお、図示しないが、検索機能146は、医師DBの操作情報に係る「カルテ情報2」K2についても、医師DAの操作情報に係る「カルテ情報1」K1と同様の処理を行う。
【0112】
次に、提示機能144は、データに対する操作アクションを提示する。
図5では、提示機能144は、「カルテ情報1」K1と同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けが行われているデータについて、所定期間におけるラベルのスコアの変化を確認する。
【0113】
例えば、
図5では、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」のスコアが「100」から「101」に増加している。提示機能144は、所定期間(例えば、1か月前から現時点までの期間)における、このようなスコアの変化を確認する。
【0114】
提示機能144は、例えば、「カルテ情報2」K2の所定期間における「症例A臨床参照用」のスコアの増加量が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。そして、提示機能144は、所定期間における「症例A臨床参照用」のスコアの増加量が閾値を超えた場合、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されたブックマークフォルダを用いてデータを管理するユーザを特定する。
【0115】
また、提示機能144は、特定したユーザのうち、「カルテ情報2」K2を有していないユーザに対して、当該ブックマークフォルダに「カルテ情報2」K2を追加するよう促す通知を生成する。
【0116】
図5では、医師DAが「症例A臨床参照用」のラベルが付与されているブックマークフォルダである「症例Aのご参考」F1を用いてデータを管理している。また、医師DAは「カルテ情報2」K2を有していない。このため、提示機能144は、医師DAに対して、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報2」K2を追加するよう促す通知を生成する。
【0117】
また、「カルテ情報2」K2が「症例Aのご参考」F1ではないブックマークフォルダに格納されている場合、提示機能144は、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報2」K2を移動することを促す通知を生成してもよい。
【0118】
ここで、ラベルのスコアが増加しているデータは多くのユーザに参照されているデータであると考えられる。したがって、上述したように、提示機能144が、ユーザに対して、ラベルのスコアが増加しているデータを、ブックマークフォルダに格納するよう促すことで、ユーザが重要度の高い情報を見落としてしまうような事態を防止することができる。
【0119】
次に、
図6を用いてデータ削除のリコメンド処理について説明する。
図6は、データ削除のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【0120】
図6では、ブックマーク機能を使用するユーザは、医師DA及び医師DBである。また、
図6では、医師DBにより、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報2」K2が追加されているものとする。また、医師DBにより、「症例A」F2には、「カルテ情報2」K2が格納されている状態であるものとする。また、医師DBにより、「症例A」F2から「カルテ情報1」K1が削除されたものとする。
【0121】
また、端末装置300aの「症例Aのご参考」F1及び端末装置300bの「症例A」F2には、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているものとする。
【0122】
また、データ保管装置200の「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「100」であるものとする。また、データ保管装置200の「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「31」であるものとする。
【0123】
この場合、取得機能141は、医師DAの操作に応じて、「症例Aのご参考」F1に対し、「カルテ情報2」K2が追加されたことを検出する。そして、取得機能141は、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報2」K2が追加されたことを表す情報を取得する。次いで、ラベル付与機能143は、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアを1加算し、当該スコアを「100」から「101」に更新する。
【0124】
また、取得機能141は、医師DBの操作に応じて、「症例A」F2に対し、「カルテ情報1」K1が削除されたことを検出する。そして、取得機能141は、「カルテ情報1」K1が削除されたことを表す情報を取得する。次いで、ラベル付与機能143は、「カルテ情報1」の「症例A臨床参照用」に関するスコアを1減算し、当該スコアを「31」から「30」に更新する。
【0125】
次に、検索機能146は、医師DAの操作に係る「カルテ情報2」K2の関連データを検索する。
図6では、検索機能146は、「カルテ情報2」K2に係る患者の類似患者のデータを関連データとして検索する。また、検索機能146は、医師DAの操作により、「カルテ情報2」K2に付与されたラベルである「症例A臨床参照用」が付与されたデータを関連データとして検索する。
【0126】
ここで、「カルテ情報1」K1は、「カルテ情報2」K2に係る患者の類似患者のデータである。また、「カルテ情報1」K1は、「カルテ情報2」K2と同一のラベルである「症例A臨床参照用」が付与されているデータである。また、「症例A治療法副作用情報」は、「カルテ情報2」K2に係る患者の類似患者のデータである。
【0127】
したがって、検索機能146により、「カルテ情報1」K1及び「症例A治療法副作用情報」E1が「カルテ情報2」K2の関連データとして検索される。また、検索機能146は、「カルテ情報2」K2と「カルテ情報1」K1とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。同様に、検索機能146は、「カルテ情報2」K2と「症例A治療法副作用情報」E1とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。
【0128】
更に、「カルテ情報2」K2と「カルテ情報1」K1とは、「症例A臨床参照用」という同一のラベルが付与されているため、検索機能146は、「カルテ情報2」K2と「カルテ情報1」K1とについて同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けを行う。なお、図示しないが、検索機能146は、医師DBの操作情報に係る「カルテ情報1」K1についても、医師DAの操作情報に係る「カルテ情報2」K2と同様の処理を行う。
【0129】
次に、提示機能144は、データに対する操作アクションを提示する。
図6では、提示機能144は、「カルテ情報2」K2と同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けが行われているデータについて、所定期間におけるラベルのスコアの変化を確認する。
【0130】
例えば、
図6では、「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」のスコアが「31」から「30」に減少している。提示機能144は、所定期間における、このようなスコアの変化を確認する。
【0131】
提示機能144は、例えば、「カルテ情報1」K1の所定期間における「症例A臨床参照用」のスコアの減少量が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。そして、提示機能144は、所定期間における「症例A臨床参照用」のスコアの減少量が閾値を超えた場合、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されたブックマークフォルダを用いてデータを管理するユーザを特定する。
【0132】
また、提示機能144は、特定したユーザのうち、当該ブックマークフォルダに「カルテ情報1」K1を格納しているユーザに対して、当該ブックマークフォルダから「カルテ情報1」K1を削除するよう促す通知を生成する。
【0133】
図6では、医師DAが「症例A臨床参照用」のラベルが付与されているブックマークフォルダである「症例Aのご参考」F1を用いてデータを管理している。また、医師DAは、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報1」K1を格納している。このため、提示機能144は、医師DAに対して、「症例Aのご参考」F1から「カルテ情報2」K2を削除するよう促す通知を生成する。
【0134】
なお、医師DAが削除のリコメンドに従って、「症例Aのご参考」F1から「カルテ情報1」K1を削除した場合でも、データ保管装置200から、「カルテ情報1」K1が削除されることはない。
【0135】
ここで、ラベルのスコアが減少しているデータは古くなったデータ等の重要度が下がったデータであると考えられる。したがって、上述したように、提示機能144が、ユーザに対して、ラベルのスコアが減少しているデータを、ブックマークフォルダから削除するよう促すことで、ユーザが古い情報を参照して症例の診断を行ってしまうような事態を防止できる。
【0136】
次に、
図7を用いてラベルが異なるデータのデータ追加のリコメンド処理について説明する。
図7は、ラベルの異なるデータのデータ追加のリコメンド処理の一例を説明する図である。
【0137】
図7では、「症例Aのご参考」F1には、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているものとする。また、「症例A・副作用」F3には、ラベル「症例A副作用研究用」が付与されているものとする。
【0138】
また、データ保管装置200の「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「30」であるものとする。また、データ保管装置200の「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「49」であるものとする。また、データ保管装置200の「カルテ情報」K2の「症例A副作用研究用」に関するスコアは「29」であるものとする。また、データ保管装置200の「症例A治療法副作用情報」E1の「症例A副作用研究用」に関するスコアは「119」であるものとする。
【0139】
また、
図7では、ブックマーク機能を使用するユーザは、医師DA及び医師DCである。また、
図4と同様に、医師DAにより、「症例Aのご参考」F1に「カルテ情報1」K1が追加されたものとする。この場合、ラベル付与機能143は、「カルテ情報1」K1の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「30」から「31」に更新する。
【0140】
また、医師DCにより、「症例A・副作用」F3に「症例A治療法副作用情報」E1及び「カルテ情報2」K2が追加されたものとする。この場合、ラベル付与機能143は、「症例A治療法副作用情報」E1の「症例A副作用研究用」に関するスコアを「119」から「120」に更新する。
【0141】
また、ラベル付与機能143は、「カルテ情報2」K2の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「49」から「50」に更新する。また、ラベル付与機能143は、「カルテ情報」K2の「症例A副作用研究用」に関するスコアを「29」から「30」に更新する。
【0142】
また、この場合、検索機能146は、医師DAの操作情報に係る「カルテ情報1」K1の関連データを検索する。
図7では、検索機能146は、「カルテ情報1」K1の類似患者のデータを関連データとして検索する。
【0143】
ここで、「カルテ情報2」K2は、「カルテ情報1」K1に係る患者の類似患者のデータである。また、「カルテ情報2」K2は、「カルテ情報1」K1と同一のラベルである「症例A臨床参照用」が付与されているデータである。また、「症例A治療法副作用情報」は、「カルテ情報1」K1に係る患者の類似患者のデータである。
【0144】
したがって、検索機能146により、「カルテ情報2」K2及び「症例A治療法副作用情報」E1が関連データとして検索される。また、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。同様に、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「症例A治療法副作用情報」E1とについて類似患者のデータである旨の関連付けを行う。
【0145】
更に、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とは、「症例A臨床参照用」という同一のラベルが付与されているため、検索機能146は、「カルテ情報1」K1と「カルテ情報2」K2とについて同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けを行う。
【0146】
また、「カルテ情報2」K2と「症例A治療法副作用情報」E1とは、「症例A副作用研究用」という同一のラベルが付与されているため、検索機能146は、「カルテ情報2」K2と「症例A治療法副作用情報」E1とについて同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けを行う。
【0147】
なお、図示しないが、検索機能146は、医師DCの操作情報に係る「カルテ情報2」K2及び「症例A治療法副作用情報」についても、医師DAの操作情報に係る「カルテ情報1」K1と同様の処理を行う。
【0148】
次に、提示機能144は、データに対するアクションを提示する。
図7では、「カルテ情報2」K2は、「症例A臨床参照用」及び「症例A副作用研究用」の2つのラベルが付与されているハブデータである。この場合、提示機能144は、ハブデータである「カルテ情報2」K2と同様のラベルが付与されたデータである旨の関連付けが行われているデータについて、所定期間におけるラベルのスコアの変化を確認する。
【0149】
例えば、
図7では、「症例A治療法副作用情報」E1の「症例A副作用研究用」のスコアが「119」から「120」に増加している。提示機能144は、所定期間における、このようなスコアの変化を確認する。
【0150】
提示機能144は、「症例A治療法副作用情報」E1の所定期間における「症例A副作用研究用」のスコアの増加量が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。そして、提示機能144は、所定期間における「症例A副作用研究用」のスコアの増加量が閾値を超えた場合、医師DAの操作情報に係るブックマークフォルダに付与されたラベル「症例A臨床参照用」と同一のラベルが付与されたブックマークフォルダを用いてデータを管理するユーザを特定する。
【0151】
また、提示機能144は、特定したユーザのうち、「症例A治療法副作用情報」E1を有していないユーザに対して、当該ブックマークフォルダに「症例A治療法副作用情報」E1を追加するよう促す通知を生成する。
【0152】
図7では、医師DAが「症例A臨床参照用」のラベルが付与されているブックマークフォルダである「症例Aのご参考」F1を用いてデータを管理している。また、医師DAは「症例A治療法副作用情報」E1を有していない。このため、提示機能144は、医師DAに対して、「症例Aのご参考」F1に「症例A治療法副作用情報」E1を追加するよう促す通知を生成する。
【0153】
なお、提示機能144は、医師DAに対して、「症例A副作用研究用」のフォルダを作成して「症例A治療法副作用情報」E1を追加するよう促す通知を生成してもよい。
【0154】
このように、ハブデータがある場合、提示機能144は、ハブデータと同一のラベルが付与されているデータについてラベルのスコアを確認する。そして、提示機能144は、スコアが増加していれば、ユーザに追加のリコメンドを行う。これにより、提示機能144は、ユーザが操作を行ったデータとは異なるラベルが付与されているデータについても、ユーザに参照を促すことができる。
【0155】
次に、
図8を用いて端末装置300に対する表示制御処理について説明する。医用情報処理装置100の出力制御機能147は、端末装置300による表示処理を制御する。例えば、出力制御機能147は、ネットワークNWを介して端末装置300に表示制御命令を送出することで、端末装置300の表示装置に各種情報を表示させる。
【0156】
ここで、
図8は、端末装置300に対する表示制御処理の一例を説明する図である。
図8では、出力制御機能147は、端末装置300に表示制御命令を送出し、ブックマーク表示画面BDを表示させている。
【0157】
図8のブックマーク表示画面BDは、ブックマーク表示画面BDは、ユーザ名表示欄ND、フォルダ作成ボタンFB、フォルダ表示欄FD、及びデータ表示欄DTで構成される。ユーザ名表示欄ND、フォルダ作成ボタンFB、及びフォルダ表示欄FDについては
図2と同様のため、説明を省略する。
【0158】
データ表示欄DTは、ユーザが選択したブックマークフォルダ内に格納されたデータ(ファイル)を表示する表示欄である。
図8では、ブックマークフォルダ「症例A」に格納されたデータを表示するデータ表示欄DTが表示されている。
【0159】
また、
図8のデータ表示欄DTには、ファイル名が「CT画像データ」である医用画像データI1、「カルテ情報1」K1、「カルテ情報2」K2、「カルテ情報3」K3及びデータ追加ガイド表示Gが表示されている。また、「カルテ情報1」K1に対して削除リコメンドDRが表示されている。
【0160】
例えば、提示機能144により、ブックマークフォルダからデータを削除するよう促す通知が生成された場合、出力制御機能147が端末装置300に対して削除リコメンドDRの表示制御命令が送出される。これにより、データ表示欄DTに表示された削除リコメンドの対象データに重畳して削除リコメンドDRが表示される。
【0161】
また、
図8のブックマーク表示画面BDには、追加レコメンドARが表示されている。例えば、提示機能144により、ブックマークフォルダにデータを追加するよう促す通知が生成された場合、出力制御機能147が端末装置300に対して追加リコメンドARの表示制御命令が送出される。これにより、ブックマーク表示画面BD上に追加リコメンドARが表示される。
【0162】
図8では、追加リコメンドARとして、ブックマークフォルダ「症例A」に追加することが推奨されるデータがある旨が表示されている。
【0163】
また、この場合、出力制御機能147は、データ追加ガイド表示Gの表示制御命令も併せて送出する。これにより、データ表示欄DT上にデータ追加ガイド表示Gが表示される。データ追加ガイド表示Gは、ブックマークフォルダへデータを追加する処理を支援するための表示である。
【0164】
例えば、ユーザが追加リコメンドARをマウスでクリック等した場合、データを管理するためのアプリケーションAPが起動する。次いで、アプリケーションAPを介して追加の対象となるデータを表すアイコンが端末装置300の表示装置に表示される。そして、例えば、ユーザがマウス操作で当該アイコンをデータ追加ガイド表示Gにドラッグ&ドロップすると、追加の対象となるデータがブックマークフォルダ「症例A」に追加される。
【0165】
このように、出力制御機能147が、削除リコメンドDRや追加リコメンドARを端末装置300の表示装置に表示させることで、ユーザは、古いデータの削除や新しいデータの追加が容易に行えるようになり、ブックマークフォルダの管理がしやすくなる。
【0166】
次に、
図9及び
図10を用いてブックマークフォルダの名称の解析でラベルの付与が行えない場合のラベル付与処理について説明する。
図9及び
図10は、ブックマークフォルダの名称の解析でラベルの付与が行えない場合のラベル付与処理の一例を説明する図である。
【0167】
図9及び
図10では、ブックマーク機能を使用するユーザは、医師DB及び医師DDである。医師DDは、臨床医であり、几帳面でないユーザであるものとする。また、端末装置300dは医師DDの使用する端末装置である。
【0168】
また、医師DBにより、「症例A」F2に、ファイル名が「カルテ情報4」の電子カルテデータK4(以下、「カルテ情報4」K4とも表記する)が追加され、医師DDにより、フォルダ名が「ブックマーク1」のブックマークフォルダF4(以下、「ブックマーク1」F4とも表記する)に「カルテ情報4」K4が追加されたものとする。
【0169】
また、「症例Aのご参考」F1には、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているものとする。また、「ブックマーク1」F4にはラベルが付与されていないものとする。また、「カルテ情報4」K4の「症例A臨床参照用」に関するスコアは「0」であるものとする。
【0170】
この場合、ラベル付与機能143は、「カルテ情報4」K4の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「0」から「1」に更新する。
【0171】
また、この場合、解析機能142は、ブックマークフォルダの名称である「ブックマーク1」F4の解析を実行する。更に、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報を参照し、「ブックマーク1」F4及び「カルテ情報4」K4の属性を特定する処理を行う。
【0172】
しかしながら、
図9に示すように、「ブックマーク1」はデータの用途を表す名称でないため、ユーザが「ブックマーク1」にどのようなデータが格納されているかを理解していたとしても、解析機能142は、「ブックマーク1」F4及び「カルテ情報4」K4の属性を特定することができない。
【0173】
そこで、このような場合、解析機能142は、抽出機能145に対して属性を特定することができなかった旨の情報を送出する。属性を特定することができなかった旨の情報を送出された抽出機能145は、属性を特定することができなかったブックマークフォルダに格納されたデータから、当該データの特徴を表すキーワードを抽出する。
【0174】
図10では、抽出機能145は、公知の自然言語処理技術等を用いて「カルテ情報4」K4に対してキーワード抽出処理を行い、キーワードを抽出する。抽出機能145は、解析機能142に、抽出したキーワード「症例A」W1をサマリとして送出する。
【0175】
解析機能142は、ラベル設定情報と、送出されたサマリとに基づいて、ブックマークフォルダの名称から属性を特定できなかったブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに格納されたデータの属性を特定する。
【0176】
図10では、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報と、抽出機能145から送出されたサマリ「症例A」W1とに基づいて、ラベル「症例A臨床参照用」を、「ブックマーク1」F1及び「カルテ情報4」K4の属性として特定する。
【0177】
次に、ラベル付与機能143は、「カルテ情報4」K4の属性を表すラベル「症例A臨床参照用」を付与する。また、ラベル付与機能143は、「カルテ情報4」K4の「症例A臨床参照用」に関するスコアを「1」から「2」に更新する。また、ラベル付与機能143は、「ブックマーク1」F4に対して、「ブックマーク1」F4の属性を表すラベル「症例A臨床参照用」を付与する。
【0178】
これにより、例えば、几帳面でないユーザがブックマークフォルダの名称を、当該ブックマークフォルダに格納されるデータの用途に沿っていない名称としていたような場合でも、ラベル付与機能143は、ブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに格納されたデータにラベルを付与することができる。
【0179】
次に、
図11を用いてブックマーク機能を利用しないユーザに対するリコメンド処理について説明する。
図11は、ブックマーク機能を利用しないユーザに対するリコメンド処理の一例について説明する図である。
【0180】
図11の医用情報処理システム1は、データ保管装置200と端末装置300eとで構成される。また、
図11では、医用情報処理システム1のユーザは、医師DEである。医師DEは、ブックマーク機能を利用していないユーザである。ブックマーク機能を利用していないユーザとしては、開業医等が想定される。また、端末装置300eは、医師DEが使用する端末装置である。以下、医師DEが端末装置300eを用いてファイル名が「カルテ情報5」の電子カルテデータK5(以下、「カルテ情報5」K5とも表記する)を作成した場合について説明する。
【0181】
この場合、取得機能141は、ブックマーク機能を利用していないユーザ操作に関する情報を取得する。
図11では、取得機能141は、医師DEによる端末装置300eの操作に基づいて、「カルテ情報5」K5が作成されたことを表す情報を取得する。
【0182】
なお、
図11では、取得機能141は、データが作成された旨の情報を取得しているが、取得する情報はこれに限定されない。例えば、取得機能141は、データが閲覧された旨の情報を取得してもよい。
【0183】
次に、抽出機能145は、ユーザ操作に係るデータから、予め定めた単語に関連する単語を抽出する。
図11では、抽出機能145は、公知の自然言語処理技術等を用いて作成された「カルテ情報5」K5に対してキーワード抽出処理を行い、キーワードを抽出する。抽出機能145は、解析機能142に抽出したキーワード「症例A」W2をサマリとして送出する。
【0184】
解析機能142は、ラベル設定情報と、送出されたサマリとに基づいて、ユーザ操作に係るデータに関連するラベルを特定する。
図11では、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報と、抽出機能145から送出されたサマリ「症例A」W2とに基づいて、ラベル「症例A臨床参照用」を、「カルテ情報5」K5に関連するラベルとして特定する。
【0185】
次に、検索機能146は、特定されたラベルが付与されているデータを検索する。
図11では、検索機能146は、データ保管装置200のデータの中から、ラベル「症例A臨床参照用」が付与されているデータを検索する。
【0186】
次に、提示機能144は、ユーザに対して、検索機能146で検索されたデータのうち、条件を満たすデータ(例えば、ラベルのスコアが閾値を超える等)を参照するよう促す通知を生成する。
図11では、提示機能144は、医師DEに対して、ファイル名が「読影画像」である医用画像データI2、ファイル名が「検査結果」である検査結果データT1及びファイル名が「カルテ情報6」である電子カルテデータK6を参照するよう促す通知を生成する。
【0187】
これにより、提示機能144は、ブックマーク機能を使用していないユーザに対しても重要度が高いと推定されるデータの参照を促すことができる。
【0188】
次に、本実施形態に係る医用情報処理装置100が実行する処理について説明する。まず、
図12を用いてブックマーク機能を使用しているユーザに対する処理について説明する。
図12は、実施形態に係る医用情報処理装置100が実行するブックマーク機能を使用しているユーザに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【0189】
まず、取得機能141は、ユーザのファイル操作の内容を示した操作情報を取得する(ステップS1)。例えば、取得機能141は、ユーザによって作成されたブックマークフォルダを監視する。
【0190】
次いで、取得機能141は、ユーザによる端末装置300の操作に基づいて、当該ブックマークフォルダにデータが追加されたこと又はブックマークフォルダからデータが削除されたことを検出する。そして、取得機能141は、ユーザによる端末装置300の操作に基づいて、当該ブックマークフォルダにデータが追加されたこと又はブックマークフォルダからデータが削除されたことを表す情報を取得する。
【0191】
次いで、解析機能142は、ステップS1で取得された操作情報に係るブックマークフォルダにデータが追加されたか、又はブックマークフォルダからデータが削除されたかを検出する(ステップS2)。
【0192】
データが追加された場合(ステップS2:Yes)、解析機能142は、データが追加されたブックマークフォルダの名称の解析を行う(ステップS3)。例えば、解析機能142は、公知の自然言語処理技術を用いてブックマークフォルダの名称を解析する。
【0193】
次いで、解析機能142は、解析結果からデータの属性を特定できたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、解析機能142は、メモリ130に記憶されたラベル設定情報を参照し、解析結果に対応する属性を表すラベルの名称が存在するか否かを判定する。
【0194】
属性が特定できなかった場合(ステップS4:No)、抽出機能145は、ブックマークフォルダに追加されたデータからキーワード抽出処理を実行する(ステップS5)。例えば、抽出機能145は、公知の自然言語処理技術を用いてデータからキーワードを抽出する。次いで、抽出機能145は、抽出結果をサマリとして解析機能142に送出する。
【0195】
次いで、解析機能142は、ラベル設定情報と送出されたサマリとに基づいて、ブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに追加されたデータの属性を特定する(ステップS6)。次いで、ラベル付与機能143は、ステップS6で特定された属性を表すラベルを、ブックマークフォルダ及び当該ブックマークフォルダに追加されたデータに付与する(ステップS7)。
【0196】
次いで、ラベル付与機能143は、ブックマークフォルダに追加されたデータについて、付与したラベルのスコアの加算処理を実行する(ステップS8)。次いで、提示機能144は、ブックマークフォルダに追加されたデータについて、所定期間におけるラベルのスコアの増加量が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する(ステップS10)。
【0197】
スコアの増加量が閾値を超えていない場合(ステップS10:No)、ステップS14の処理に移行する。一方、スコアの増加量が閾値を超えている場合(ステップS10:Yes)、提示機能144は、ステップS7で付与されたラベルと同様のラベルが付与されたブックマークフォルダを有するユーザを特定する。また、提示機能144は、特定したユーザのうち、スコアの増加量が閾値を超えるデータを有していないユーザに対して、スコアの増加が閾値を超えるデータを追加することが推奨される旨の通知を生成する(ステップS12)。
【0198】
次いで、出力制御機能147は、ラベルのスコアに基づいて、ブックマークフォルダ内のデータの表示順序を変更する表示制御命令をステップS1で取得された情報に係るユーザが使用する端末装置300へ送出し(ステップS14)、本処理を終了する。
【0199】
また、ステップS2で、データが削除された場合(ステップS2:No)、ラベル付与機能143は、ステップS1で取得された情報に係るブックマークフォルダに付与されているラベルを特定する。次いで、ラベル付与機能143は、ブックマークフォルダから削除されたデータについて、特定したラベルのスコアの減算処理を実行する(ステップS9)。
【0200】
次いで、提示機能144は、ブックマークフォルダから削除されたデータについて、所定期間におけるラベルのスコアの減少量が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する(ステップS11)。
【0201】
スコアの減少量が閾値を超えていない場合(ステップS11:No)、ステップS14の処理に移行する。一方、スコアの減少量が閾値を超えている場合(ステップS11:Yes)、提示機能144は、ステップS7で付与されたラベルと同様のラベルが付与されたブックマークフォルダを有するユーザを特定する。
【0202】
また、提示機能144は、特定したユーザのうち、スコアの減少量が閾値を超えているデータを当該ブックマークフォルダに格納しているユーザに対して、当該データを削除することが推奨される旨の通知を生成し(ステップS13)、ステップS14の処理に移行する。
【0203】
次に、
図13を用いてブックマーク機能を使用していないユーザに対する処理について説明する。
図13は、実施形態に係る医用情報処理装置100が実行するブックマーク機能を使用していないユーザに対する処理の一例を示すフローチャートである。
【0204】
まず、取得機能141は、ブックマーク機能を使用していないユーザによりカルテ情報が作成された旨の情報を取得する(ステップS21)。例えば、取得機能141は、ユーザによる端末装置300の操作に基づいて、カルテ情報が作成された旨の情報を取得する。
【0205】
次いで、抽出機能145は、ステップS1で取得された情報に係るカルテ情報からキーワードを抽出する(ステップS22)。例えば、抽出機能145は、公知の自然言語処理技術を用いてデータからキーワードを抽出する。次いで、抽出機能145は、抽出結果をサマリとして解析機能142に送出する。
【0206】
次いで、解析機能142は、ラベル設定情報と送出されたサマリとに基づいて、作成されたカルテ情報の属性を特定する(ステップS23)。次いで、検索機能146は、データ保管装置200に記憶されたデータの中から、ステップS23で特定した属性を表すラベルと同一のラベルが付与されたデータを検索する(ステップS24)。
【0207】
次いで、提示機能144は、ステップS24で検索されたデータのうち、ラベルのスコアが閾値を超えるデータについて、ブックマーク機能を使用していないユーザに対して参照を促す通知を生成(ステップS25)し、本処理を終了する。
【0208】
なお、
図13では、ユーザがカルテ情報を作成する場合を例に説明したが、ユーザによって作成されるデータはカルテ情報に限定されない。例えば、ユーザによって作成されるデータは読影レポート等であってもよい。また、
図13では、ユーザがデータを作成する場合について説明したが、ユーザのデータに対する操作は作成に限定されない。例えば、ユーザのデータに対する操作は閲覧であってもよい。
【0209】
以上のように、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、ユーザの各々が管理する、ユーザが閲覧又は操作の対象としたファイルと、当該ファイルを格納するブックマークフォルダとに基づき、ブックマークフォルダに属性を表すラベルを付与し、同一属性のラベルのブックマークフォルダに格納されたファイルに基づいて、当該ファイルの提示に係る条件を設定する。
【0210】
ここで、例えば、複数のユーザが頻繁に閲覧しているファイルがあった場合、当該ファイルは重要度の高いファイルであることが推定できる。そこで、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、例えば、所定期間に一定数を超えてラベルの付与数が増加しているファイルをファイル追加のアクションの提示の対象とすることにより、対象ユーザに対して、上記のような重要度が高いと推定されるファイルの参照を促すことができる。また、例えば、複数のユーザが、自身の端末装置300からファイルを削除している場合、当該ファイルは重要度が低下している医用情報であることが推定できる。本実施形態に係る医用情報処理装置100は、例えば、所定期間に一定数を超えてラベルの付与数が減少しているファイルをファイル削除のアクションの提示の対象とすることにより、対象ユーザに対して、上記のような重要度が低下していると推定される医用情報を削除するよう促すことができる。したがって、ユーザは新しい情報の存在を見落としてしまったり、古くなった情報を保有し続けてしまったりする可能性が低くなる。つまり、本実施形態に係る医用情報処理装置100によれば、医用情報に係るファイルの適切な管理を支援することができる。
【0211】
また、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、操作情報に含まれるファイル操作の対象となったフォルダの名称に基づいて、当該フォルダに格納されたファイルに対応するファイルの特徴を示す属性を特定する。また、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、特定された属性を表すラベルを、フォルダ及び当該フォルダに格納されたファイルに付与し、医用情報に付与された同一属性のラベルの数に基づいて、ファイル操作のアクションを提示する。
【0212】
例えば、ファイルの同一属性のラベルの数を表すスコアが、所定期間において閾値を超えて増加している場合、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、当該医用情報のラベルと同属性のラベルが付されたフォルダを用いてファイルを管理する対象ユーザに対して、当該ファイルをフォルダに追加するアクションを提示する。
【0213】
ここで、特定のファイルに付与されたラベルのスコアが増加していることは、多くのユーザがブックマークフォルダに当該ファイルを追加していることを意味する。つまり、ラベルのスコアの増加から、当該ファイルの重要度が上昇していると推定できる。このように、対象ユーザに対して、重要度が上昇していると推定されるデータの追加を促すことで、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、ユーザが重要度の高いファイルを見落としてしまうような事態を防止できる。
【0214】
また、例えば、ファイルのラベルの付与数を表すスコアが、所定期間において閾値を超えて減少している場合、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、当該医用情報のラベルと同属性のラベルが付されたフォルダを用いてファイルを管理する特定ユーザに対して、当該ファイルをフォルダから削除するアクションを提示する。
【0215】
ここで、特定のファイルに付与されたラベルのスコアが減少していることは、多くのユーザがブックマークフォルダから当該ファイルを削除していることを意味する。つまり、ラベルのスコアの減少から、当該ファイルの重要度が低下している(情報が古くなっている)と推定できる。このように、ユーザに対して、重要度が低下していると推定されるデータの削除を促すことで、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、ユーザが古い情報に基づいて診断を行ってしまうような事態を防止できる。
【0216】
また、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、フォルダの名称からフォルダの属性を特定することができなかった場合、ファイルから当該ファイルの特徴を示すキーワードを抽出する。また、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、抽出したキーワードに基づきフォルダの属性を特定する。
【0217】
これにより、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、フォルダの名称からはフォルダの属性を特定できなかった場合でも、フォルダ及び当該フォルダに格納されたデータにラベルを付与することができる。
【0218】
また、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、フォルダに格納されたファイルのファイルに関連する関連医用情報を検索し、ラベルの数が所定期間において閾値を超えて増加している関連ファイルが存在する場合、ファイルのラベルと同属性のラベルが付されたフォルダを用いてファイルを管理する対象ユーザに対して、関連ファイルをフォルダに追加するアクションを提示する。
【0219】
これにより、例えば、対象ユーザの操作情報に係るファイルが格納されたブックマークに付与されたラベルとは異なるラベルが付与されたファイルを、対象ユーザに対してリコメンドすることができる。したがって、本実施形態に係る医用情報処理装置100によれば、例えば、研究用の情報に触れる機会が少ないユーザに対して、研究用の情報をリコメンドすることができる。
【0220】
なお、上述した実施形態は、各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0221】
(変形例1)
上述の実施形態においては、ユーザが、ブックマークフォルダに任意の名称を付ける形態について説明した。しかしながら、ユーザがリストから選択した名称をブックマークフォルダの名称としてもよい。
【0222】
本変形例では、例えば、ユーザが、
図2又は
図8のフォルダ作成ボタンFBを押下した場合、医用情報処理装置100の出力制御機能147は、当該ユーザが使用する端末装置300に対してブックマークフォルダの名称のリストを表示させる表示制御命令を送出する。ユーザは、端末装置300を介してリストから1のブックマークフォルダの名称を選択する。
【0223】
これにより、ユーザは選択したブックマークフォルダの名称を、自身のブックマークフォルダの名称とすることができる。ここで、本変形例では、リストに登録されるブックマークフォルダの名称は、メモリ130のラベル設定情報に登録されているラベルと対応付けられている。
【0224】
したがって、本変形例では、ラベル付与機能143は、ユーザによりリストから1のブックマークフォルダの名称が選択された時点で、選択されたブックマークフォルダの名称に対応するラベルを作成されたブックマークフォルダに付与する。
【0225】
本変形例に係る医用情報処理装置100によれば、ブックマークフォルダの名称を解析する処理が不要になるため、処理回路140の処理負担を軽減することができる。
【0226】
(変形例2)
上述の実施形態においては、提示機能144が、ラベルのスコアが増加しているデータを、当該ラベルが付与されたブックマークフォルダに追加するよう促す通知を生成する形態について説明した。しかしながら、提示機能144は、より新しいデータを、ブックマークフォルダに追加するよう促す通知を生成してもよい。
【0227】
本変形例では、例えば、提示機能144は、ブックマークフォルダ内に格納されたデータと、データ保管装置200に記憶された同一名称のデータとを比較する。次いで、提示機能144は、データの更新日時を確認する。そして、提示機能144は、データ保管装置200に記憶された同一名称のデータの方が現時点に近い場合、ブックマークフォルダ内に格納されたデータを、データ保管装置200に記憶された同一名称のデータに置き換えるよう促す通知を生成する。
【0228】
本変形例に係る医用情報処理装置100によれば、ユーザが、データが更新されていることを見落としてしまうような事態を防止できる。
【0229】
(変形例3)
上述の実施形態においては、解析機能142がブックマークフォルダの名称を解析する形態について説明した。しかしながら、解析機能142は、ブックマークフォルダの構造を解析してもよい。ブックマークフォルダの構造は、例えば、ブックマークフォルダを構成するサブフォルダ・データ群の構成である。
【0230】
ここで、臨床医が作成するブックマークフォルダは、例えば、「症例A参照用」、「症例B参照用」等のように症例単位でのフォルダ分けがなされると考えられる。また、ブックマークフォルダ内に格納されるデータの数は100以下であることが想定される。
【0231】
一方で、研究医が作成するブックマークフォルダは、例えば、「症例A-新薬A治験」、「症例A-副作用」等のように細かくフォルダ分けがなされると考えられる。また、ブックマークフォルダ内に格納されるデータの数は100を超えることも想定される。
【0232】
したがって、解析機能142は、ブックマークフォルダの名称に加えて構造も解析することで、ユーザの属性(例えば、臨床医であるか研究医であるか)等を推定することができる。本変形例では、解析機能142は、ユーザの属性も加味してブックマークフォルダやデータに付与するラベルを特定する。
【0233】
本変形例によれば、ブックマークフォルダにより適切なラベルを付与することができる。
【0234】
(変形例4)
上述の実施形態においては、医用情報処理装置100が取得機能141、解析機能142、ラベル付与機能143、提示機能144、抽出機能145、検索機能146及び出力制御機能147を有する形態について説明した。しかしながら、データ保管装置200が、これらの機能の一部又は全部を有していてもよい。
【0235】
本変形例によれば、処理を集中させたり、分散させたりすることにより、環境に合わせた医用情報処理システム1を構築することができる。
【0236】
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0237】
また、上述した実施形態で説明した処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0238】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医用情報の適切な管理を支援することができる。
【0239】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0240】
1 医用情報処理システム
100 医用情報処理装置
130 メモリ
140 処理回路
141 取得機能
142 解析機能
143 ラベル付与機能
144 提示機能
145 抽出機能
146 検索機能
147 出力制御機能