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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064455
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】オゾン水生成器および加湿器
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/65 20210101AFI20240507BHJP
   F24F 6/06 20060101ALI20240507BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20240507BHJP
   C25B 1/13 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C25B9/65
F24F6/06
F24F6/00 D
C25B1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173058
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】相馬 江利加
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 悠太
【テーマコード(参考)】
3L055
4K021
【Fターム(参考)】
3L055DA11
4K021AA09
4K021BA02
4K021CA03
4K021CA09
4K021DB18
4K021DB31
4K021DB53
4K021DC07
(57)【要約】
【課題】 一対の電極により適切に導通接続することが可能なオゾン水生成器および加湿器を提供すること。
【解決手段】 水を電気分解することによりオゾン水を生成するオゾン水生成器A1であって、一対の電極3A,3Bと、一対の電極3A,3Bに挟まれる陽イオン交換膜4と、一対の電極3A,3Bに個別に接続される一対の通電部材5A,5Bと、を備え、通電部材5Aは、第1板部51Aと、第1板部51Aの一端に設けられ、電極3Aを挟むクリップ部56Aと、を有する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解することによりオゾン水を生成するオゾン水生成器であって、
一対の電極と、
前記一対の電極に挟まれる陽イオン交換膜と、
前記一対の電極に個別に接続される一対の通電部材と、を備え、
前記通電部材は、
第1板部と、
前記第1板部の一端に設けられ、前記電極を挟むクリップ部と、を有する、
オゾン水生成器。
【請求項2】
前記通電部材は、
前記第1板部の一端との間に第1折り返し部を介して繋がる第2板部と、
前記第2板部の一端との間に第2折り返し部を介して繋がる第3板部と、を有し、
前記クリップ部は、前記第2板部、前記第2折り返し部および前記第3板部によって構成されている、請求項1に記載のオゾン水生成器。
【請求項3】
前記クリップ部は、前記第3板部を前記電極に押圧する弾性力を付勢している、請求項2に記載のオゾン水生成器。
【請求項4】
前記電極は、
一方の前記通電部材の前記クリップ部に挟まれる第1辺と、
前記第1辺に並んで位置する切欠き部と、を有し、
前記切欠き部は、他方の前記通電部材の前記クリップ部と重なる、請求項1に記載のオゾン水生成器。
【請求項5】
前記通電部材の前記クリップ部の少なくとも一部を覆う防水材をさらに備える、請求項1に記載のオゾン水生成器。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のオゾン水生成器と、
加湿フィルタと、
前記オゾン水生成器から前記加湿フィルタにオゾン水を供給する供給管と、を備える、加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水生成器および加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾン水生成器は、加湿器をはじめ、除菌スプレー、給水機、水耕栽培装置等に広く用いられている。特許文献1には、従来のオゾン水生成器の一例が開示されている。同文献に開示されたオゾン水生成器は、イオン交換膜と、イオン交換膜を挟む一対の電極とを備える。イオン交換膜および一対の電極は、筐体内に収容されている。一対の電極は、外部電源に導通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-246799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オゾン水生成器がオゾン水を生成する際には、一対の電極は、水あるいはオゾン水に浸漬された状態となる。このような一対の電極に外部電極を導通させる場合、導通接続が不十分であると、電気抵抗が大きくなり、オゾン水を適切に生成することが阻害されるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、一対の電極により適切に導通接続することが可能なオゾン水生成器および加湿器を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるオゾン水生成器は、水を電気分解することによりオゾン水を生成するオゾン水生成器であって、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれる陽イオン交換膜と、前記一対の電極に個別に接続される一対の通電部材と、を備え、前記通電部材は、第1板部と、前記第1板部の一端に設けられ、前記電極を挟むクリップ部と、を有する。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記通電部材は、前記第1板部の一端との間に第1折り返し部を介して繋がる第2板部と、前記第2板部の一端との間に第2折り返し部を介して繋がる第3板部と、を有し、前記クリップ部は、前記第2板部、前記第2折り返し部および前記第3板部によって構成されている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記クリップ部は、前記第3板部を前記電極に押圧する弾性力を付勢している。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電極は、一方の前記通電部材の前記クリップ部に挟まれる第1辺と、前記第1辺に並んで位置する切欠き部と、を有し、前記切欠き部は、他方の前記通電部材の前記クリップ部と重なる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記通電部材の前記クリップ部の少なくとも一部を覆う防水材をさらに備える。
【0011】
本発明の第2の側面によって提供される加湿器は、本発明の第1の側面によって提供されるオゾン水生成器と、加湿フィルタと、前記オゾン水生成器から前記加湿フィルタにオゾン水を供給する供給管と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、一対の電極により適切に導通接続することができる。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す斜視図である。
図2】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す斜視図である。
図3】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す分解斜視図である。
図4】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
図5図4(a)のV-V線に沿う断面図である。
図6図4(b)のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す部分分解斜視図である。
図8】本発明に係るオゾン水生成器の一例を示す、(a),(b)は部分正面図であり、(c)は部分背面図である。
図9図8(a)のIX-IX線に沿う部分断面図である。
図10図8(a)のIX-IX線に沿う部分拡大断面図である。
図11図8(a)のXI-XI線に沿う断面図である。
図12】(a)、(b)は、本発明に係るオゾン水生成器の一例の絶縁部材を示す斜視図である。
図13】本発明に係る加湿器の一例を示す分解斜視図である。
図14】本発明に係る加湿器の一例を示す部分斜視図である。
図15】本発明に係るオゾン水生成器の通電部材の第1変形例を示す部分拡大断面図である。
図16】(a)は本発明に係るオゾン水生成器の通電部材の第2変形例を示す部分拡大断面図であり、(b)は本発明に係るオゾン水生成器の通電部材の第3変形例を示す部分拡大断面図である。
図17】本発明に係るオゾン水生成器の通電部材の第4変形例を示す斜視図である。
図18】本発明に係るオゾン水生成器の仕切壁の他の例を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0017】
<オゾン水生成器A1>
図1図14は、本発明に係るオゾン水生成器および加湿器の一例を示している。本実施形態のオゾン水生成器A1は、筐体1、仕切壁2、一対の電極3A,3B、イオン交換膜4、一対の通電部材5A,5Bおよび押圧機構6を備えている。
【0018】
これらの図において、給水および出水の方向をx方向と定義し、給水側をx1側、出水側をx2側と称する。また、x方向と直交する2方向をy方向およびz方向と定義する。y方向の一方側をy1側、他方側をy2側と称する。また、z方向の一方側をz1側、他方側をz2側と称する。図8(b)は、理解の便宜上、イオン交換膜4を省略しており、通電部材5Aを想像線で示している。
【0019】
〔筐体1〕
筐体1は、仕切壁2、一対の電極3A,3B、イオン交換膜4、一対の通電部材5A,5Bおよび押圧機構6を収容するためのものである。また、筐体1は、オゾン水生成器A1がオゾン水を生成する際の流路を構成する。図1図3に示すように、本実施形態の筐体1は、本体部11、給水側蓋部12および出水側蓋部13によって構成されているが、筐体1の具体的構成は何ら限定されず、たとえば一体的に形成された構成であってもよいし、2つまたは4つ以上の部品によって構成されていてもよい。
【0020】
本体部11は、筐体1のx方向における中央に位置する部材である。給水側蓋部12は、本体部11に対してx方向のx1側に取り付けられている。出水側蓋部13は、本体部11に対してx方向のx2側に取り付けられている。本体部11、給水側蓋部12および出水側蓋部13の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等からなる。図3図5および図6に示すように、図示された例においては、筐体1には、Oリング191およびOリング192が設けられている。Oリング191は、本体部11と給水側蓋部12とに挟まれており、本体部11と給水側蓋部12との気密性を高めている。Oリング192は、本体部11と出水側蓋部13とに挟まれており、本体部11と出水側蓋部13との気密性を高めている。
【0021】
給水側蓋部12は、図1図6に示すように、給水管部121を有する。給水管部121は、オゾン水を生成するための水が給水される部位である。図示された例においては、給水管部121は、x方向のx1側に突出する円管形状である。
【0022】
出水側蓋部13は、図1図6に示すように、出水管部131および取付部132を有する。出水管部131は、オゾン水生成器A1によって生成されたオゾン水を出水するための部位である。図示された例においては、出水管部131は、x方向のx2側に突出する円管形状である。取付部132は、オゾン水生成器A1を後述の加湿器B1等に取り付けるための部位である。
【0023】
筐体1は、図3図5および図6に示すように、収容部15および開口部16を有する。収容部15は、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4を収容する部位である。本実施形態においては、収容部15は、本体部11をx方向に貫通する空洞部が、給水側蓋部12および出水側蓋部13によって塞がれた構成である。
【0024】
収容部15は、第1室151および第2室152を有する。第1室151および第2室152は、仕切壁2によって仕切られている。第1室151は、収容部15のうちx方向のx1側に位置する部位であり、電極3Aに面する。第2室152は、収容部15のうちx方向のx2側に位置する部位であり、電極3Bに面する。
【0025】
開口部16は、収容部15と外部とに繋がる開口部分である。図示された例においては、開口部16は、筐体1の本体部11をz方向に貫通しており、収容部15に対してz方向のz1側に繋がっている。開口部16の具体的形状は何ら限定されず、図示された例においては、z方向に視て矩形状である。
【0026】
図1図6に示すように、本実施形態の筐体1は、端子側蓋部14をさらに有する。端子側蓋部14は、開口部16をz方向のz1側から塞ぐ部材である。端子側蓋部14には、一対の通電部材5A,5Bを挿通させる一対の貫通孔が形成されている。また、図示された例においては、端子側蓋部14に防水材149が設けられている。防水材149は、端子側蓋部14と一対の通電部材5A,5Bとの隙間や端子側蓋部14と開口部16との隙間を埋めることにより、筐体1内から水が漏れることを防ぐためのものである。防水材149の具体的構成は何ら限定されず、たとえば樹脂や接着剤等によって形成される。
【0027】
〔仕切壁2〕
仕切壁2は、図5および図6に示すように、筐体1の収容部15を第1室151と第2室152とに仕切るためのものである。また、仕切壁2は、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4を支持する。図5図9および図11に示すように、本実施形態の仕切壁2は、第1支持部21、第2支持部22、複数の連通孔231~233、一対の溝部24A,24B、一対の凹部25A,25Bおよび出水側開口26を有する。仕切壁2の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等の絶縁材料からなる。
【0028】
第1支持部21は、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4の外周部を支持する部位である。本実施形態の第1支持部21は、z方向のz2側を向く面(後述の第1辺31A,31Bを支持する面)、z方向のz1側を向く面(後述の第2辺32A,32Bを支持する面)、y方向のy2側を向く面(後述の第3辺33A,33Bを支持する面)およびy方向のy1側を向く面(後述の第4辺34A,34Bを支持する面)を含む。
【0029】
第2支持部22は、電極3Bをx方向においてイオン交換膜4とは反対側のx2側から支持する部位である。図5図7図9および図11に示すように、図示された例においては、第2支持部22は、x方向のx1側を向く面によって構成されている。
【0030】
複数の連通孔231~233は、図6図8に示すように、仕切壁2をx方向に貫通しており、収容部15の第1室151と第2室152とを連通させている。本実施形態においては、理解の便宜上、複数の連通孔231~233を、第1連通孔231、第2連通孔232および第3連通孔233として説明する。
【0031】
第1連通孔231は、後述の第2辺32A,32Bに近接しており、z方向のz2側に凹んだ溝部によって構成されている。図示された例においては、2つの第1連通孔231が設けられているが、第1連通孔231の個数は何ら限定されない。第2連通孔232は、後述の第3辺33A,33Bに近接しており、y方向のy1側に凹んだ溝部によって構成されている。図示された例においては、2つの第2連通孔232が設けられているが、第2連通孔232の個数は何ら限定されない。第3連通孔233は、後述の第4辺34A,34Bに隣接しており、y方向のy2側に凹んだ溝部によって構成されている。図示された例においては、2つの第4連通孔234が設けられているが、第3連通孔233の個数は何ら限定されない。
【0032】
1対の溝部24A,24Bは、図7図9および図11に示すように、一対の通電部材5A,5Bを個別にz方向に挿通させるための部位である。
【0033】
一対の凹部25A,25Bは、図8に示すように、後述の凸部59A,59Bが個別に挿入される部位である。凹部25Aは、第2連通孔232に対してz方向のz1側に位置しており、y方向のy2側に凹んでいる。凹部25Bは、第3連通孔233に対してz方向のz1側に位置しており、y方向のy1側に凹んでいる。
【0034】
出水側開口26は、図8図9および図11に示すように、x方向のx2側に開口する部位であり、生成されたオゾン水を通過させる部位である。出水側開口26の具体的構成は何ら限定されず、図示された例においては、円形状の貫通孔と、この貫通孔を囲む4つの貫通孔によって構成されている。
【0035】
仕切壁2は、電極3A側に嵌合し、電極3A、イオン交換膜4および電極3Bを保持する枠体を有していてもよい。枠体は、電極3Aに対向する部分に押圧機構6を挿通可能な開口を有する。枠体により、筐体1に組付ける前に電極3A、イオン交換膜4及び電極3Bが脱落することを防止できる。
【0036】
〔一対の電極3A,3B〕
一対の電極3A,3Bは、オゾン水を生成する際に、イオン交換膜4を挟んだ状態で外部から通電されるものである。一対の電極3A,3Bの材質は何ら限定されず、従来公知の種々の材質を適宜採用することができる。図5図9および図11に示すように、電極3Aは、イオン交換膜4に対してx方向のx1側に配置されており、電極3Bは、イオン交換膜4に対してx方向のx2側に配置されている。
【0037】
本実施形態では、一対の電極3A,3Bとして、ダイヤモンド電極を用いている。ダイヤモンド電極は、基板およびこの基板の片面に密着接合された単層または複数層のダイヤモンド粒子を有する。基板は、周期表四、五、六属の遷移金属からなり、たとえばニオブからなる。ダイヤモンド粒子は、イオン交換膜4に密着している。
【0038】
電極3Aは、図8(a)に示すように、複数の貫通孔30A、第1辺31A、第2辺32A、第3辺33A、第4辺34Aおよび切欠き部35Aを有する。
【0039】
複数の貫通孔30Aは、イオン交換膜4に水を接しさせるためのものである。図示された例においては、複数の貫通孔30Aは、各々が円形状であり、マトリクス状に配置されている。
【0040】
第1辺31Aは、z方向のz1側に位置しており、y方向に沿って延びる辺である。第1辺31Aには、後述の通電部材5Aのクリップ部56Aが接続される。第2辺32Aは、z方向のz2側に位置しており、y方向に沿って延びる辺である。第3辺33Aは、y方向のy1側に位置しており、z方向に沿って延びる辺である。第4辺34Aは、y方向のy2側に位置しており、z方向に沿って延びる辺である。切欠き部35Aは、第1辺31Aと第4辺34Aとの間に介在している。切欠き部35Aは、第1辺31Aからz方向のz2側に凹み且つ第4辺34Aからy方向のy1側に凹む凹部によって構成されている。切欠き部35Aは、x方向に視て後述の通電部材5Bのクリップ部56Bと重なる。第1辺31A、第2辺32A、第3辺33Aおよび第4辺34Aは、仕切壁2の第1支持部21によって支持される。
【0041】
第1辺31Aの大きさは何ら限定されず、その一例としてy方向およびz方向の外寸が10mm程度であり、厚さが0.5mm程度である。また、切欠き部35Aは、たとえばy方向の大きさが2.5mm程度、z方向の大きさが4.5mm程度である。
【0042】
電極3Bは、図8(c)に示すように、複数の貫通孔30B、第1辺31B、第2辺32B、第3辺33B、第4辺34Bおよび切欠き部35Bを有する。
【0043】
複数の貫通孔30Bは、イオン交換膜4に水を接しさせるためのものである。図示された例においては、複数の貫通孔30Bは、各々が円形状であり、マトリクス状に配置されている。
【0044】
第1辺31Bは、z方向のz1側に位置しており、y方向に沿って延びる辺である。第1辺31Bには、後述の通電部材5Bのクリップ部56Bが接続される。第2辺32Bは、z方向のz2側に位置しており、y方向に沿って延びる辺である。第3辺33Bは、y方向のy1側に位置しており、z方向に沿って延びる辺である。第4辺34Bは、y方向のy2側に位置しており、z方向に沿って延びる辺である。切欠き部35Bは、第1辺31Bと第3辺33Bとの間に介在している。切欠き部35Bは、第1辺31Bからz方向のz2側に凹み且つ第3辺33Bからy方向のy2側に凹む凹部によって構成されている。切欠き部35Bは、x方向に視て後述の通電部材5Aのクリップ部56Aと重なる。第1辺31B、第2辺32B、第3辺33Bおよび第4辺34Bは、仕切壁2の第1支持部21によって支持される。また、電極3Bは、x方向のx2側から仕切壁2の第2支持部22によって支持される。
【0045】
第1辺31Bの大きさは何ら限定されず、その一例としてy方向およびz方向の外寸が10mm程度であり、厚さが0.5mm程度である。また、切欠き部35Bは、たとえばy方向の大きさが2.5mm程度、z方向の大きさが4.5mm程度である。
【0046】
〔イオン交換膜4〕
イオン交換膜4は、一対の電極3A,3Bに挟まれた状態で一対の電極3A,3Bに通電されることにより、イオン交換によってオゾン水を生成するための部材である。イオン交換膜4の具体的構成は何ら限定されず、たとえばパーフルオロスルホン酸型陽イオン交換膜(商品名:ナフィオン117、デュポン(株)登録商標)がその一例として用いられる。
【0047】
〔一対の通電部材5A,5B〕
一対の通電部材5A,5Bは、一対の電極3A,3Bに個別に接続される。一対の通電部材5A,5Bは、オゾン水生成器A1によってオゾン水を生成する際に、外部電源から通電されるための部材である。一対の通電部材5A,5Bの材質は何ら限定されず、ステンレス鋼、チタン、ニオブ等に代表される、オゾンによる腐食を受けにくい導電性材料が適宜用いられる。図1図2および図4に示すように、一対の通電部材5A,5Bは、端子側蓋部14からz方向のz1側に突出している。
【0048】
通電部材5Aは、図7図10に示すように、第1板部51A、クリップ部56Aおよび凸部59Aを有する。第1板部51Aは、z方向に沿って延びる板状の部位である。クリップ部56Aは、第1板部51Aのz方向のz2側端に設けられており、電極3Aの第1辺31Aを含む部位を挟むことにより、通電部材5Aを電極3Aの第1辺31Aに接続するための部位である。
【0049】
クリップ部56Aは、第1辺31Aを挟むことにより通電部材5Aを接続可能な構成であれば何ら限定されない。図示された例においては、クリップ部56Aは、第1折り返し部54Aを介して第1板部51Aに繋がっており、第2板部52A、第3板部53Aおよび第2折り返し部55Aによって構成されている。
【0050】
第2板部52Aは、第1折り返し部54Aからz方向のz1側に延びる板状の部位である。第2板部52Aは、第1板部51Aと接するか、あるいは僅かな隙間をおいて配置されている。第3板部53Aは、第2板部52Aに対してx方向のx2側に位置する板状の部位である。第2板部52Aと第3板部53Aとのx方向の距離は、たとえば電極3Aのx方向の厚さ程度とされる。第2折り返し部55Aは、第2板部52Aのz方向のz1側端と第3板部53Aのz方向のz1側端とを繋いでいる。第2折り返し部55Aの具体的形状は何ら限定されず、図示された例においては、第2板部52Aのz方向のz1側端と第3板部53Aのz方向のz1側端とに個別に繋がる一対の屈曲部と、これらの屈曲部の間に位置する平坦な部位とを有する。
【0051】
通電部材5Aには、防水材591Aが設けられている。防水材591Aは、クリップ部56Aの少なくとも一部を覆っており、たとえば樹脂や接着剤等によって形成される。図示された例においては、防水材591Aは、クリップ部56Aのx方向のx1側の部分のすべてを覆っている。また、防水材591Aは、第1板部51Aの一部を覆っている。つまり、防水材591Aは、通電部材5Aの水と接触する部分を覆っている。なお、防水材591Aは必須の構成ではない。
【0052】
凸部59Aは、第1板部51Aからy方向のy1側に突出している。凸部59Aは、仕切壁2の凹部25Aに収容されることにより、通電部材5Aを仕切壁2に対して位置決めするために用いてもよい。なお、凸部59Aは必須の構成ではない。
【0053】
通電部材5Bは、図7図8および図11に示すように、第1板部51B、クリップ部56Bおよび凸部59Bを有している。第1板部51Bは、z方向に沿って延びる板状の部位である。クリップ部56Bは、第1板部51Bのz方向のz2側端に設けられており、電極3Bの第1辺31Bを含む部位を挟むことにより、通電部材5Bを電極3Bの第1辺31Bに接続するための部位である。
【0054】
クリップ部56Bは、第1辺31Bを挟むことにより通電部材5Bを接続可能な構成であれば何ら限定されない。図示された例においては、クリップ部56Bは、第1折り返し部54Bを介して第1板部51Bに繋がっており、第2板部52B、第3板部53Bおよび第2折り返し部55Bによって構成されている。
【0055】
第2板部52Bは、第1折り返し部54Bからz方向のz1側に延びる板状の部位である。第2板部52Bは、第1板部51Bと接するか、あるいは僅かな隙間をおいて配置されている。第3板部53Bは、第2板部52Bに対してx方向のx1側に位置する板状の部位である。第2板部52Bと第3板部53Bとのx方向の距離は、たとえば電極3Bのx方向の厚さ程度とされる。第2折り返し部55Bは、第2板部52Bのz方向のz1側端と第3板部53Bのz方向のz1側端とを繋いでいる。第2折り返し部55Bの具体的形状は何ら限定されず、図示された例においては、第2板部52Bのz方向のz1側端と第3板部53Bのz方向のz1側端とに個別に繋がる一対の屈曲部と、これらの屈曲部の間に位置する平坦な部位とを有する。
【0056】
通電部材5Bには、防水材591Bが設けられている。防水材591Bは、クリップ部56Bの少なくとも一部を覆っており、たとえば樹脂や接着剤等によって形成される。図示された例においては、防水材591Bは、クリップ部56Bのx方向のx1側のすべてを覆っている。また、防水材591Bは、第1板部51Bの一部を覆っている。つまり、防水材591Bは、通電部材5Bの水と接触する部分を覆っている。なお、防水材591Aは必須の構成ではない。
【0057】
凸部59Bは、第1板部51Bからy方向のy2側に突出している。凸部59Bは、仕切壁2の凹部25Bに収容されることにより、通電部材5Bを仕切壁2に対して位置決めするために用いてもよい。なお、凸部59Bは必須の構成ではない。
【0058】
本実施形態においては、通電部材5Aと通電部材5Bとは、互いに類似または共通の構成である。なお、通電部材5Aと通電部材5Bとは、類似または共通の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。以降の説明において、特別の説明が無い限り、通電部材5Aと通電部材5Bとは、共通の構成である。
【0059】
図3に示すように、一対の電極3A,3B、イオン交換膜4および仕切壁2が相互に固定された状態で、筐体1の開口部16を通じて収容部15に収容される。また、図示された例においては、一対の電極3A,3B、イオン交換膜4および仕切壁2に加えて、一対の通電部材5A,5Bが相互に固定された状態で、筐体1の開口部16を通じて収容部15に収容される。
【0060】
〔押圧機構6〕
押圧機構6は、図3図5および図6に示すように、電極3Aを電極3Bに向けて、すなわち、x1側からx2側に向けて押圧する機構である。押圧機構6は、収容部15の第1室151に収容されている。押圧機構6は、弾性部材61および絶縁部材62を有する。
【0061】
弾性部材61は、電極3Aを押圧するための弾性力を発揮する部材である。弾性部材61の具体的構成は何ら限定されず、図示された例においては、金属製の圧縮コイルばねが用いられている。図示された例においては、弾性部材61は、第1室151内において、x方向のx1側端が給水側蓋部12の内面に当接している。弾性部材61を構成する圧縮コイルばねの具体的構成は何ら限定されず、円柱形状、円錐形状等の種々の構成を採用可能である。ただし、円柱形状の圧縮コイルばねは、押圧力の不均一を抑制するのに適しており、一対の電極3A,3Bとイオン交換膜4とをより確実に密着させることができる。
【0062】
弾性部材61による押圧力は何ら限定されない。好ましくは、電極3A(電極3B)の外形寸法から決まる形状の単位面積あたりの押圧力が、0.5N/cm2以上10N/cm2以下である。すなわち、電極3Aのy方向およびz方向の大きさが、それぞれ1cmである場合に、弾性部材61からの弾性力が、0.5N以上10N以下であることが好ましい。
【0063】
絶縁部材62は、弾性部材61と電極3Aとの間に介在しており、弾性部材61からの弾性力を電極3Aへと伝達しつつ、弾性部材61と電極3Aとを絶縁する機能を果たす。絶縁部材62は、たとえば樹脂等の絶縁性材料からなる。絶縁部材62の具体的構成は何ら限定されず、図示された例においては、図5図6および図12に示すように、枠体621、複数の突起623および複数の嵌合突起624を有する。
【0064】
枠体621は、y方向およびz方向に沿った板状の部位である。枠体621には、弾性部材61のx方向のx2側端が当接する。すなわち、弾性部材61は、給水側蓋部12の内面と枠体621とに当接した状態で、圧縮されることにより、弾性力(押圧力)を発揮している。枠体621には、貫通孔622が形成されている。貫通孔622は、弾性部材61の内側部分に対向しており、枠体621をx方向に貫通している。
【0065】
複数の突起623は、枠体621からx方向のx2側に突出している。複数の突起623の構成は何ら限定されず、図示された例においては、3つの突起623が、貫通孔622の周りに、互いに離隔して配置されている。複数の突起623のx方向のx2側端は、電極3Aに当接する。
【0066】
複数の嵌合突起624は、枠体621からx方向のx1側に突出している。複数の嵌合突起624の構成は何ら限定されず、図示された例においては、3つの嵌合突起624が、貫通孔622の外周に沿って、互いに離隔して配置されている。複数の嵌合突起624は、弾性部材61の内側部分に入り込むことにより、弾性部材61と絶縁部材62とを嵌合させる部位である。なお、複数の嵌合突起624は、必須の構成ではない。
【0067】
<加湿器B1>
加湿器B1は、オゾン水生成器A1が採用される機器の一例である。オゾン水生成器A1の用途は、加湿器B1に限定されず、除菌スプレー、給水機、水耕栽培装置等に広く用いられる。図13および図14に示すように、本実施形態の加湿器B1は、筐体91、貯水部92、浄化部93、気化部94、送風部95およびオゾン水供給部96を備えている。
【0068】
筐体91は、加湿器B1の外形のほとんどをなす部位であり、他の構成要素を収容するものである。筐体1の形状および材質等は、何ら限定されない。貯水部92は、気化部94における気化される水を貯めておくためのものである。貯水部92の具体的構成は何ら限定されず、加湿機能を適切に果たせるように水を貯めておくことが可能な構成であればよい。浄化部93は、筐体91の吸気口から吸気された空気を浄化するためのものである。
【0069】
気化部94は、貯水部92に貯められた水を気化させるためのものである。気化部94の具体的構成は何ら限定されず、加湿フィルタ941を有する。加湿フィルタ941は、貯水部92に貯められた水を含浸するとともに、空気の通過を許容するものである。これにより、加湿フィルタ941に含浸された水が、空気の通過に伴って気化する。加湿フィルタ941の形状および材質は何ら限定されない。
【0070】
送風部95は、気化部94によって気化された水蒸気を含む空気を外部に送風するためのものである。送風部95の具体的構成は、何ら限定されない。
【0071】
オゾン水供給部96は、水溶したオゾンを含むオゾン水を気化部94の加湿フィルタ941に供給するものである。オゾン水供給部96は、オゾン水を生成するための構成としてオゾン水生成器A1を有する。また、オゾン水供給部96は、供給管961を有する。供給管961は、オゾン水生成器A1からのオゾン水を加湿フィルタ941に供給する管路である。図示された例においては、加湿フィルタ941の直上にオゾン水生成器A1が配置されており、オゾン水生成器A1から下方に供給管961が延びている。
【0072】
次に、オゾン水生成器A1および加湿器B1の作用について説明する。
【0073】
本実施形態によれば、図9および図10に示すように、通電部材5Aは、クリップ部56Aを有する。電極3Aの第1辺31Aを含む部位がクリップ部56Aに挟まれることにより、通電部材5Aが電極3Aに接続されている。これにより、通電部材5Aと電極3Aとをより確実に密着させることが可能であり、通電部材5Aと電極3Aとの間に水が入り込みにくくなる。たとえば、通電部材5Aと電極3Aとの密着が不十分である場合に生じうるスケールを抑制することが可能である。したがって、通電部材5Aと電極3Aとの接続部分の電気抵抗が大きくなることを抑制可能である。この点は、通電部材5Bと電極3Bとの接続についても同様である。したがって、一対の通電部材5A,5Bを一対の電極3A,3Bに適切に導通接続することができる。
【0074】
クリップ部56Aは、第2板部52A、第3板部53Aおよび第2折り返し部55Aによって構成されている。これにより、通電部材5Aを形成するための1枚の金属板材料から、クリップ部56Aを容易かつ適切に形成することができる。また、クリップ部56Aと電極3Aとの接触面積を適切に確保することが可能であり、クリップ部56Aによる挟持力を増大させるとともに、電気抵抗の低減に好ましい。この点は、クリップ部56Bについても同様である。
【0075】
図8図11に示すように、電極3Aには、切欠き部35Aが形成されており、電極3Bには、切欠き部35Bが形成されている。これにより、通電部材5Bのクリップ部56Bがイオン交換膜4を介して電極3Aに不当に強く押し付けられること、および通電部材5Aのクリップ部56Aがイオン交換膜4を介して電極3Bに不当に強く押し付けられることを抑制することが可能である。これにより、電極3Aと通電部材5Bとの意図しない導通、および電極3Bと通電部材5Aとの意図しない導通を防止するのに有利である。
【0076】
防水材591Aおよび防水材591Bが設けられていることにより、クリップ部56Aやクリップ部56Bへのスケールの付着を抑制することが可能である。これにより、通電部材5Aと電極3Aとの接触不良や、通電部材5Bと電極3Bとの接触不良を抑制することが可能である。また、一対の通電部材5Aおよび通電部材5Bに錆が発生することを抑制することができる。
【0077】
図6および図8に示すように、仕切壁2は、第1支持部21と複数の連通孔231~233を有する。これにより、一対の電極3A,3Bのy方向およびz方向における位置をより正確に規定することが可能である。また、図6に示すように、給水管部121からの水は、押圧機構6を通過し、電極3A(イオン交換膜4)に衝突した後に、複数の連通孔231~233を通じて、電極3B側に回り込む。そして、出水管部131から出水される。これにより、一対の電極3A,3Bとイオン交換膜4とに確実に水を向かわせることができる。さらに、一対の電極3A,3Bとイオン交換膜4との周辺において、より乱流が生じやすい。これにより、一対の電極3A,3Bからオゾンの気泡を離脱させ、一対の電極3A,3Bの表面と水との接触面積を確保することが可能である。したがって、オゾンをより確実に水に溶解し、オゾン水の生成効率を高めることができる。また、それぞれの連通孔231~233を小さくすれば、流路が絞られて流速が増し、一対の電極3A,3Bの表面で乱流が発生しやすくなる。これにより、一対の電極3A,3Bからオゾンの気泡を離脱させやすくなる。
【0078】
図8に示すように、複数の連通孔231~233は、第1連通孔231、第2連通孔232および第3連通孔233を含む。第1連通孔231は、第2辺32A,32Bに隣接し、第2連通孔232は、第3辺33A,33Bに隣接し、第3連通孔233は、第4辺34A,34Bに隣接する。これにより、一対の電極3A,3Bに向かって流れる水量を増加させることが可能である。したがって、より効果的に一対の電極3A,3Bに生じたオゾンの気泡を離脱させ、オゾン水の生成効率をさらに高めることができる。
【0079】
図3に示すように、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4と仕切壁2とは、相互に固定された状態で、筐体1の開口部16を通じて収容部15に収容される。これにより、たとえば、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4を筐体1に順次取り付ける構成と比べて、オゾン水生成器A1の製造効率を高めることができる。
【0080】
図5および図6に示すように、押圧機構6は、弾性部材61および絶縁部材62を有する。これにより、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4を仕切壁2に対してx方向において位置決めするとともに、弾性部材61と電極3Aとが不当に導通することを回避することができる。また、弾性部材61の腐食を抑制することができる。
【0081】
弾性部材61による押圧力が、電極3A(電極3B)の外形寸法から決まる形状の単位面積あたり、0.5N/cm2以上10N/cm2以下であると、水流による一対の電極3A,3Bまたはイオン交換膜4の位置ずれを抑制しつつ、イオン交換膜4の破損を防止するのに好ましい。
【0082】
図6に示すように、給水管部121からの水は、弾性部材61の内側部分から貫通孔622へとスムーズに流れ込み、複数の突起623と電極3Aとの隙間から絶縁部材62の外側に流れ出し、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4の外縁を回り込んだ後に、電極3Bの表面へと流れる。この水流は、乱流状態となりやすく、一対の電極3A,3Bに生じたオゾンの気泡を離脱させ、オゾン水の生成効率をより一層高めることができる。
【0083】
押圧機構6が配置される第1室151に給水され、第2室152から出水される。仮に、第1室151から出水される場合、たとえば弾性部材61に気泡が付着してしまうことが懸念される。本実施形態によれば、このような気泡の付着を抑制することができる。また、押圧機構6(弾性部材61)の押圧力に加え、給水管部121からの水流によって、一対の電極3A,3Bをより確実に押圧することができる。
【0084】
加湿器B1においては、オゾン水生成器A1を備えることにより、オゾン水の生成効率が高まり、加湿フィルタ941における除菌効果、さらには、加湿フィルタ941を通過する空気の除菌効果を高めることができる。
【0085】
図15図18は、本発明の他の例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0086】
図15は、通電部材5Aの第1変形例を示している。本変形例においては、第2折り返し部55Aの具体的構成が、上述した例と異なっている。
【0087】
本変形例においては、第2折り返し部55Aは、第2板部52Aのz方向のz1側端と第3板部53Aのz方向のz1側端に繋がるアーチ形状である。本変形例から理解される用に、クリップ部56Aを構成するための第2折り返し部55Aの具体的構成は、何ら限定されない。
【0088】
図16は、通電部材5Aの第2変形例および第3変形例を示している。同図(a)に示された第2変形例の通電部材5Aは、電極3Aに取り付けられる前の状態を実線で示しており、電極3Aに取り付けられた状態を仮想線で示している。電極3Aに取り付けられる前の状態では、第2板部52Aと第3板部53Aとのx方向の距離は、電極3Aの厚さよりも小さい。このため、電極3Aに取り付けられた状態では、クリップ部56Aは、第3板部53Aを電極3Aに押圧する弾性力を付勢している。本変形例によれば、通電部材5Aをより確実に電極3Aに接続することができる。
【0089】
同図(b)に示す第3変形例の通電部材5Aは、第2変形例と同様に電極3Aに取り付けられた状態でクリップ部56Aが弾性力を付勢している。さらに、第3板部53Aには、先端曲げ部531Aが形成されている。先端曲げ部531Aは、第3板部53Aのz方向のz2側端部が、x方向のx2側に若干折り曲げられた部位である。本変形例によれば、狭い間隔とされた第2板部52Aと第3板部53Aとの間に、電極3Aをよりスムーズに挿入することが可能であり、また、電極3Aの傷つきを抑制することができる。
【0090】
図17は、通電部材5Aの第3変形例を示している。本変形例においては、クリップ部56Aが、一対の第4板部57Aおよび第5板部58Aによって構成されている。
【0091】
一対の第4板部57Aは、第1板部51Aのz方向のz2側端からz方向のz2側に延びている。一対の第4板部57Aは、y方向に離れている。第5板部58Aは、y方向において一対の第4板部57Aの間に位置しており、x方向において一対の第4板部57Aよりもx1側に位置している。第5板部58Aは、第1板部51Aのz方向のz1側端に、屈曲部を介して繋がっている。一対の第4板部57Aおよび第5板部58Aは、たとえば通電部材5Aを形成するための金属板材料に平行な2本の切断線を形成し、これらの切断線に挟まれた部位を折り曲げ加工することによって形成可能である。本変形例から理解されるように、クリップ部56Aの具体的構成は何ら限定されない。
【0092】
図18は、仕切壁2の他の例を示している。本例の仕切壁2は、第4連通孔234、第5連通孔235および第6連通孔236を有する。第4連通孔234、第5連通孔235および第6連通孔236は、第1支持部21から外側に離れており、仕切壁2を貫通する貫通孔である。ただし、図示された例においては、2つの第4連通孔234が、第2辺32Aに対してz方向のz2側に配置されており、第2辺32Aに沿ってy方向に並んで配置されている。また、2つの第5連通孔235が、第3辺33Aに対してy方向のy1側に配置されており、第3辺33Aに沿ってz方向に並んで配置されている。また、2つの第6連通孔236が、第4辺34Aに対してy方向のy2側に配置されており、第4辺34Aに沿ってz方向に並んで配置されている。本例によっても、第4連通孔234、第5連通孔235および第6連通孔236を通じて、一対の電極3A,3Bおよびイオン交換膜4を回り込むように第1室151から第2室152へと向かう水流を生じさせることが可能である。これにより、オゾン水の生成効率を高める効果が期待できる。また、本発明の連通孔の具体的構成は、何ら限定されない。
【0093】
本発明に係るオゾン水生成器および加湿器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るオゾン水生成器および加湿器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。上記の実施形態では、給水方向および出水方向に対して電極3A、イオン交換膜4および電極3Bを垂直に配置したが、たとえば、給水方向および出水方向に対して電極3A、イオン交換膜4および電極3Bを平行に配置してもよい。この場合、一対の電極3A、3B表面に沿って水が流れる。この構成は、特にクリップ部56A、56Bと併用することができる。
【符号の説明】
【0094】
A1 :オゾン水生成器
B1 :加湿器
1 :筐体
2 :仕切壁
3A,3B:電極
4 :イオン交換膜
5A,5B:通電部材
6 :押圧機構
11 :本体部
12 :給水側蓋部
13 :出水側蓋部
14 :端子側蓋部
15 :収容部
16 :開口部
21 :第1支持部
22 :第2支持部
24A,24B:溝部
25A,25B:凹部
26 :出水側開口
30A,30B:貫通孔
31A,31B:第1辺
32A,32B:第2辺
33A,33B:第3辺
34A,34B:第4辺
35A,35B:切欠き部
51A,51B:第1板部
52A,52B:第2板部
53A,53B:第3板部
54A,54B:第1折り返し部
55A,55B:第2折り返し部
56A,56B:クリップ部
57A :第4板部
58A :第5板部
59A,59B:凸部
61 :弾性部材
62 :絶縁部材
91 :筐体
92 :貯水部
93 :浄化部
94 :気化部
95 :送風部
96 :オゾン水供給部
121 :給水管部
131 :出水管部
132 :取付部
149 :防水材
151 :第1室
152 :第2室
191,192:Oリング
231 :第1連通孔
232 :第2連通孔
233 :第3連通孔
234 :第4連通孔
235 :第5連通孔
236 :第6連通孔
531A :先端曲げ部
591A,591B:防水材
621 :枠体
622 :貫通孔
623 :突起
624 :嵌合突起
941 :加湿フィルタ
961 :供給管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18