(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064462
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20240507BHJP
B05C 5/00 20060101ALN20240507BHJP
B05C 11/10 20060101ALN20240507BHJP
【FI】
B41J2/165 307
B41J2/165 101
B05C5/00 101
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173071
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】有村 敏男
(72)【発明者】
【氏名】樋口 循
【テーマコード(参考)】
2C056
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EA16
2C056EC22
2C056EC23
2C056EC24
2C056EC35
2C056FA13
2C056HA37
2C056HA38
2C056JA06
2C056JB05
2C056JB07
2C056JB08
4F041AA12
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA60
4F042AA22
4F042AB00
4F042CC02
4F042CC08
(57)【要約】
【課題】複数のノズル面を好適に払拭できる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】一方向に並ぶ複数のノズル面を有し、複数のノズル面にそれぞれ開口するノズルから液体を吐出する吐出部と、複数のノズル面を払拭する払拭部と、を備え、払拭部は、複数のノズル面に接触することによって、複数のノズル面に付着する液体を吸収する吸収部材と、の前記ノズル面に吸収部材を押し付ける複数の押付部材82と、吐出部に向けて複数の押付部材をそれぞれ押し付ける複数の弾性部材90と、を有し、複数の押付部材は、一方向に並ぶ第1押付部材82Aと、第2押付部材82Bと、を含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並ぶ複数のノズル面を有し、複数の前記ノズル面にそれぞれ開口するノズルから液体を吐出する吐出部と、
複数の前記ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、
前記払拭部は、
複数の前記ノズル面に接触することによって、複数の前記ノズル面に付着する液体を吸収する吸収部材と、
複数の前記ノズル面に前記吸収部材を押し付ける複数の押付部材と、
前記吐出部に向けて複数の前記押付部材をそれぞれ押し付ける複数の弾性部材と、を有し、
複数の前記押付部材は、前記一方向に並ぶ第1押付部材と、第2押付部材と、を含むことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記一方向は、第1方向であり、
複数の前記押付部材は、第3押付部材を含み、
前記第3押付部材は、前記第1方向から見た場合に、前記第1押付部材及び前記第2押付部材と重ならない位置に位置し、
前記第3押付部材の少なくとも一部は、前記第1方向と異なる第2方向から見た場合に、前記第1押付部材と前記第2押付部材との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記第3押付部材は、前記第2方向から見た場合に、前記第1押付部材と重なる且つ前記第2押付部材と重なる位置に位置することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1押付部材は、前記吸収部材が巻き掛けられる第1円筒部分と、前記第1円筒部分に挿入される第1軸部分と、を有し、
前記第2押付部材は、前記吸収部材が巻き掛けられる第2円筒部分と、前記第2円筒部分に挿入される第2軸部分と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記払拭部は、
複数の前記押付部材がそれぞれ取り付けられる複数の取付部材と、
複数の前記取付部材を保持する保持部材と、を有し、
前記保持部材は、複数の前記取付部材にそれぞれ挿入される複数の挿入軸と、複数の前記挿入軸が延びる保持部分と、を有し、
複数の前記取付部材は、複数の前記挿入軸がそれぞれ挿入される複数の挿入筒を有し、
複数の前記弾性部材は、複数の前記挿入軸にそれぞれ挿入され、複数の前記取付部材と前記保持部分とにそれぞれ挟まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記吐出部は、前記一方向に並ぶ複数のヘッドユニットを有し、
複数の前記ヘッドユニットは、複数の前記ノズル面のうち1以上のノズル面をそれぞれ有し、それぞれ個別に交換可能に構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記吐出部を搭載するキャリッジを備え、
前記払拭部は、前記キャリッジが移動することによって、複数の前記ノズル面を払拭することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記払拭部を前記吐出部に接近させたり前記吐出部から離したりするように移動させる移動機構を備えることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記吐出部に接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップ部と、
前記ノズルから排出される液体を受ける受容部と、を備え、
前記一方向は、第1方向であり、
前記第1方向とは異なる第2方向において、前記キャップ部、前記払拭部、前記受容部は、この順で並ぶことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一方向に並ぶ複数のノズル面を有する吐出部と、複数のノズル面を払拭する払拭部とを備える液体吐出装置が記載されている。払拭部は、ノズル面に接触する吸収部材を有する。吸収部材が液体を吸収することによって、ノズル面から液体が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした液体吐出装置においては、複数のノズル面において、その高さがばらつくことがある。すなわち、複数のノズル面において、払拭部とノズル面との距離がばらつくことがある。この場合、複数のノズル面に対して、吸収部材が均一に接触することが難しい。したがって、払拭部が複数のノズル面を好適に払拭できないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、一方向に並ぶ複数のノズル面を有し、複数の前記ノズル面にそれぞれ開口するノズルから液体を吐出する吐出部と、複数の前記ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記払拭部は、複数の前記ノズル面に接触することによって、複数の前記ノズル面に付着する液体を吸収する吸収部材と、複数の前記ノズル面に前記吸収部材を押し付ける複数の押付部材と、前記吐出部に向けて複数の前記押付部材をそれぞれ押し付ける複数の弾性部材と、を有し、複数の前記押付部材は、前記一方向に並ぶ第1押付部材と、第2押付部材と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】液体吐出装置の一実施例を示す側面図である。
【
図6】
図5から吸収部材を透過させた斜視図である。
【
図8】
図7から保持部材を透過させた斜視図である。
【
図10】払拭部が第1吐出部を払拭する直前の底面図である。
【
図11】払拭部が第1吐出部を払拭する途中の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、液体吐出装置の一実施例について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
<液体吐出装置>
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。
液体吐出装置11は、繰出部13を備える。繰出部13は、媒体99を繰り出すように構成される。繰出部13は、例えば、筐体12に収容される。繰出部13は、繰出ローラー14を有する。繰出ローラー14は、媒体99が巻き重ねられたロール体100を回転可能に保持する。繰出ローラー14は、印刷前の媒体99を保持する。繰出ローラー14が回転することに伴い、繰出部13から媒体99が繰り出される。繰出ローラー14は、モーターによって駆動回転してもよいし、媒体99が引っ張られることに伴い従動回転してもよい。
【0009】
液体吐出装置11は、巻取部15を備える。巻取部15は、媒体99を巻き取るように構成される。巻取部15は、例えば、筐体12に収容される。巻取部15は、巻取ローラー16を有する。巻取ローラー16は、繰出ローラー14と同様に、ロール体100を回転可能に保持する。巻取ローラー16は、印刷後の媒体99を保持する。巻取ローラー16が回転することに伴い、巻取部15が媒体99を巻き取る。巻取ローラー16は、例えば、モーターによって駆動回転する。
【0010】
液体吐出装置11は、支持部17を備える。支持部17は、媒体99を支持する。支持部17は、例えば、筐体12に収容される。支持部17は、例えば、媒体99を下方から支持する。支持部17は、媒体99が繰出部13から繰り出されてから巻取部15に巻き取られるまでの過程で、媒体99を支持する。媒体99のうち、支持部17に支持される領域に、印刷が実施される。
【0011】
液体吐出装置11は、搬送部18を備える。搬送部18は、媒体99を搬送するように構成される。搬送部18は、例えば、筐体12に収容される。搬送部18は、繰出部13から巻取部15に向かって媒体99を搬送する。搬送部18は、例えば、媒体99を間欠的に搬送する。具体的には、搬送部18は、媒体99のうち支持部17に支持される領域に液体が吐出されている間、停止する。搬送部18は、媒体99のうち支持部17に支持される領域に液体が吐出された後、媒体99を搬送する。搬送部18は、ロール体100から連続する長尺の媒体99に限らず、単票状の媒体99を搬送してもよい。
【0012】
搬送部18は、1以上の搬送ローラー19を有する。搬送ローラー19は、例えば、筐体12内に位置する。搬送ローラー19は、回転することによって媒体99を搬送する。搬送ローラー19には、媒体99が巻き掛けられている。搬送ローラー19は、媒体99を挟み込んでもよい。搬送ローラー19が回転することによって、媒体99が搬送される。搬送ローラー19は、例えば、モーターによって駆動回転するローラーを含む。搬送ローラー19によって、筐体12内に媒体99の搬送経路が形成される。
【0013】
液体吐出装置11は、乾燥部21を備える。乾燥部21は、印刷後の媒体99を乾燥させるように構成される。乾燥部21は、媒体99が支持部17から巻取部15に搬送される過程で、媒体99を乾燥させる。乾燥部21は、例えば、筐体12内に位置する。乾燥部21は、例えば、支持部17の直下に位置する。乾燥部21は、例えば、搬送部18によって搬送される媒体99が進入する乾燥炉である。乾燥部21は、媒体99を加熱するヒーターを含んでもよい。乾燥部21は、媒体99に気体を吹き付けるブロワーを含んでもよい。
【0014】
液体吐出装置11は、キャリッジ22を備える。キャリッジ22は、走査方向Xに往復移動するように構成される。キャリッジ22は、走査方向Xに往復移動することによって、支持部17と対向する位置を通過する。キャリッジ22は、例えば、支持部17よりも上方に位置する。
【0015】
液体吐出装置11において、キャリッジ22が移動する方向と、支持部17上において媒体99が移動する方向とが一致する。そのため、液体吐出装置11は、ラテラルプリンターである。液体吐出装置11は、走査方向Xと異なる方向に媒体99が搬送されるシリアルプリンターでもよい。
【0016】
液体吐出装置11は、1以上の吐出部を備える。液体吐出装置11は、例えば、第1吐出部23と、第2吐出部24とを備える。液体吐出装置11は、3つ以上の吐出部を備えてもよい。複数の吐出部は、それぞれ同様の構成である。そのため、第1吐出部23及び第2吐出部24について、吐出部としてまとめて説明する。
【0017】
吐出部は、複数のノズル面25を有する。ノズル面25は、1以上のノズル26が開口する面である。吐出部は、ノズル26から液体を吐出する。吐出部において、複数のノズル面25は、一方向に並ぶ。詳しくは、複数のノズル面25は、第1方向A1に並ぶ。第1方向A1は、走査方向Xと異なる方向である。
【0018】
吐出部は、キャリッジ22に搭載される。複数の吐出部は、走査方向Xに並ぶ。走査方向Xは、第2方向A2と、第3方向A3とを含む。第3方向A3は、第2方向A2と反対の方向である。第2方向A2は、支持部17上において媒体99が搬送される方向である。第1吐出部23及び第2吐出部24は、例えば、第2方向A2にこの順で並ぶ。吐出部は、媒体99に液体を吐出することによって、媒体99に画像を印刷する。複数の吐出部は、それぞれ同種の液体を吐出してもよいし、それぞれ異なる種別の液体を吐出してもよい。
【0019】
吐出部は、媒体99のうち支持部17に支持される領域に液体を吐出する。吐出部は、例えば、媒体99の幅にわたって一斉に液体を吐出可能なラインヘッドである。吐出部は、キャリッジ22とともに、走査方向Xに往復移動する。これにより、吐出部は、媒体99のうち支持部17に支持される領域の全域にわたって液体を吐出できる。
【0020】
図2及び
図3に示すように、吐出部は、ホルダー31と、1以上のヘッドユニット32とを有する。ホルダー31は、1以上のヘッドユニット32を保持する。一例では、ホルダー31は、6つのヘッドユニット32を保持する。ホルダー31は、キャリッジ22に取り付けられる。これにより、吐出部がキャリッジ22に搭載される。
【0021】
ヘッドユニット32は、ホルダー31に対して着脱可能である。そのため、ヘッドユニット32は、個別に交換可能である。複数のヘッドユニット32は、一方向に並ぶ。詳しくは、複数のヘッドユニット32は、第1方向A1に並ぶ。
【0022】
ヘッドユニット32は、1以上のノズル面25を有する。一例では、ヘッドユニット32は、6つのノズル面25を有する。ノズル面25においては、複数のノズル26が並ぶことによって、ノズル列が形成される。一例では、ノズル面25ごとに、2列のノズル列が形成される。そのため、ヘッドユニット32においては、12列のノズル列が形成される。ヘッドユニット32において、複数のノズル列は、一方向に並ぶ。詳しくは、ヘッドユニット32において、複数のノズル列は、第1方向A1に並ぶ。ノズル列は、例えば、第1方向A1、第2方向A2、及び、第3方向A3に対して斜めに延びる。
【0023】
一例では、ヘッドユニット32は、2種の液体を吐出可能である。ヘッドユニット32は、中心線B1よりも第2方向A2に位置するノズル26と、中心線B1よりも第3方向A3に位置するノズル26とで、異なる液体を吐出できる。これにより、吐出部は、2種の液体を吐出できる。したがって、第1吐出部23及び第2吐出部24は、計4種の液体を吐出できる。中心線B1は、ヘッドユニット32を走査方向Xにおいて2分する仮想線である。すなわち、中心線B1は、第1方向A1に延びる。
【0024】
ヘッドユニット32は、1以上のヘッドチップ33を有する。一例では、ヘッドユニット32は、6つのヘッドチップ33を有する。ヘッドチップ33は、ノズル面25を有する。ヘッドチップ33においては、例えば、2列のノズル列が形成される。
【0025】
ヘッドユニット32は、固定板34を有する。固定板34は、ヘッドチップ33を固定する。固定板34は、例えば、金属板である。固定板34には、1以上の露出口35が開口する。一例では、固定板34には、6つの露出口35が開口する。露出口35を通じて、ヘッドチップ33が露出する。詳しくは、露出口35を通じて、ノズル面25及びノズル26が露出する。
【0026】
ヘッドユニット32は、保持体36を有する。保持体36は、ヘッドチップ33及び固定板34を保持する。保持体36は、固定板34が取り付けられることによって、ヘッドチップ33及び固定板34を保持する。
【0027】
吐出部においては、複数のノズル面25について、その高さがばらつくことがある。これは、保持体36に対するヘッドチップ33の取り付け、及び、ホルダー31に対するヘッドユニット32の取り付け、などの公差が要因である。これにより、複数のノズル面25において、後述する払拭部48とノズル面25との距離がばらつくことがある。
【0028】
図1に示すように、液体吐出装置11は、加圧部41を備える。加圧部41は、吐出部と接続される。加圧部41は、例えば、第1吐出部23及び第2吐出部24と接続される。加圧部41は、吐出部内を加圧するように構成される。加圧部41は、例えば、第1吐出部23を加圧する、及び、第2吐出部24を加圧する。液体吐出装置11は、複数の加圧部41を備えてもよい。例えば、液体吐出装置11は、吐出部ごとに、加圧部41を備えてもよい。
【0029】
加圧部41は、例えば、ポンプである。加圧部41は、吐出部内を加圧することによって、ノズル26から液体を強制的に排出させる。すなわち、加圧部41は、吐出部内を加圧することによって、吐出部にクリーニングを実施させる。クリーニングは、ノズル26から強制的に液体を排出させることによって、吐出部内の液体とともに気泡、異物などをノズル26から排出させるメンテナンスである。
【0030】
図4に示すように、液体吐出装置11は、メンテナンス部42を備える。メンテナンス部42は、吐出部をメンテナンスするように構成される。すなわち、メンテナンス部42は、第1吐出部23及び第2吐出部24をメンテナンスする。
【0031】
メンテナンス部42は、受容部43を有する。受容部43は、ノズル26から排出される液体を受けるように構成される。すなわち、受容部43は、第1吐出部23から排出される液体を受ける。受容部43は、第2吐出部24から排出される液体を受ける。
【0032】
受容部43は、メンテナンスによってノズル26から排出される液体を受ける。受容部43は、例えば、クリーニングによってノズル26から排出される液体を受ける。これにより、受容部43は、吐出部をメンテナンスする。
【0033】
受容部43は、クリーニングに限らず、例えば、フラッシングによってノズル26から排出される液体を受ける。フラッシングは、ノズル26の目詰まりを抑制するために、ノズル26から液体を吐出する動作である。フラッシングによって、例えば、ノズル26から増粘した液体が排出される。受容部43は、フラッシングによって排出される液体を受けることによって、吐出部をメンテナンスする。
【0034】
受容部43は、例えば、走査方向Xにおいて支持部17と並ぶ。一例では、受容部43は、支持部17よりも第3方向A3に位置する。受容部43は、自身と対向する吐出部から排出される液体を受ける。すなわち、受容部43は、第1吐出部23が自身と対向する位置に位置する場合に、第1吐出部23から排出される液体を受ける。これにより、受容部43は、第1吐出部23をメンテナンスする。受容部43は、第2吐出部24が自身と対向する位置に位置する場合に、第2吐出部24から排出される液体を受ける。これにより、受容部43は、第2吐出部24をメンテナンスする。
【0035】
受容部43は、受容部材44を有する。受容部材44は、液体を受ける部材である。受容部材44は、例えば、布である。そのため、受容部材44は、ノズル26から排出される液体を受けるとともに、その液体を吸収する。
【0036】
受容部43は、2つの保持ローラー45を有してもよい。2つの保持ローラー45には、受容部材44が巻き掛けられる。すなわち、2つの保持ローラー45に、受容部材44が懸架される。これにより、2つの保持ローラー45は、受容部材44を保持する。2つの保持ローラー45が受容部材44を保持することによって、受容部材44においてノズル面25と対向する領域が形成される。受容部材44は、この領域で液体を受ける。
【0037】
受容部43は、供給ローラー46と、回収ローラー47とを有してもよい。供給ローラー46は、未使用の受容部材44を供給するローラーである。回収ローラー47は、使用済みの受容部材44を回収するローラーである。例えば、受容部材44が液体を一定量受けるたびに、供給ローラー46及び回収ローラー47が回転する。
【0038】
受容部材44は、液体を受けるボックスでもよい。この場合、受容部43は、保持ローラー45、供給ローラー46、及び、回収ローラー47を有しなくてもよい。受容部43は、受容部材44が受けた液体を回収する廃液回収体を有してもよい。
【0039】
メンテナンス部42は、払拭部48を有する。払拭部48は、複数のノズル面25を払拭するように構成される。払拭部48は、ノズル面25に接触することによって、そのノズル面25を払拭する。払拭部48は、第1吐出部23のノズル面25に接触することによって、そのノズル面25を払拭する。払拭部48は、第2吐出部24のノズル面25に接触することによって、そのノズル面25を払拭する。払拭部48がノズル面25を払拭することによって、ノズル面25に付着する液体が除去される。すなわち、払拭部48は、吐出部にワイピングを実行する。これにより、払拭部48は、吐出部をメンテナンスする。
【0040】
払拭部48は、例えば、クリーニング後にノズル面25を払拭する。クリーニングを実行すると、ノズル26から液体が排出されることに伴い、ノズル面25に液体が付着する。そのため、クリーニング後に払拭部48がノズル面25を払拭するとよい。これにより、ノズル面25に付着する液体が除去される。
【0041】
払拭部48は、例えば、走査方向Xにおいて受容部43と並ぶ。一例では、払拭部48は、受容部43よりも第3方向A3に位置する。払拭部48は、自身と対向する吐出部と接触する。すなわち、払拭部48は、直上に位置する吐出部と接触する。
【0042】
払拭部48は、ノズル面25に接触する状態で、吐出部に対して相対的に移動することによって、ノズル面25を払拭する。例えば、払拭部48は、キャリッジ22が移動することによって、ノズル面25を払拭する。詳しくは、払拭部48は、ノズル面25に接触しながらキャリッジ22が第3方向A3に移動することによって、ノズル面25を払拭する。これにより、払拭部48は、吐出部が受容部43に液体を吐出した後に、スムーズにノズル面25を払拭できる。
【0043】
払拭部48は、吸収部材49を有する。吸収部材49は、複数のノズル面25に接触することによって、複数のノズル面25に付着する液体を吸収する部材である。吸収部材49は、例えば、布である。吸収部材49が複数のノズル面25を払拭することによって、複数のノズル面25から液体が除去される。払拭部48の詳しい構成については、後で改めて説明する。
【0044】
メンテナンス部42は、移動機構50を有する。移動機構50は、払拭部48を移動させる機構である。詳しくは、移動機構50は、払拭部48を吐出部に接近させたり吐出部から離れたりするように移動させる。すなわち、移動機構50は、払拭部48に対向する吐出部と払拭部48との間の距離を小さくしたり大きくしたりするように、払拭部48を移動させる。移動機構50は、例えば、払拭部48を昇降させる。移動機構50は、例えば、エアシリンダーである。
【0045】
移動機構50は、払拭部48を待機位置と払拭位置とに移動させる。払拭位置は、払拭部48と対向する吐出部に払拭部48が接触する位置である。待機位置は、払拭部48と対向する吐出部に払拭部48が接触しない位置である。払拭部48は、待機位置に位置する場合、払拭部48の上方を通過する吐出部のノズル面25に接触しない。これにより、払拭部48がノズル面25に対して無用に接触するおそれが低減される。したがって、ノズル面25の摩耗が低減される。払拭部48は、吐出部が払拭部48に接近することによってノズル面25に接触してもよい。この場合、吐出部が昇降する。
【0046】
メンテナンス部42は、キャップ部51を有する。キャップ部51は、吐出部に接触することによって、ノズル26と通じる空間を形成するように構成される。キャップ部51は、例えば、ノズル面25又は固定板34に接触することによって、ノズル26と通じる空間を形成する。キャップ部51は、第1吐出部23に接触することによって、そのノズル26を保湿する。キャップ部51は、第2吐出部24に接触することによって、そのノズル26を保湿する。これにより、ノズル26に目詰まりが生じるおそれが低減される。
【0047】
キャップ部51は、1以上のキャップを有する。キャップ部51は、例えば、第1キャップ52と第2キャップ53とを有する。第1キャップ52は、第1吐出部23に接触することによって、ノズル26と通じる空間を形成する。すなわち、第1キャップ52は、第1吐出部23にキャッピングを実行する。これにより、第1吐出部23のノズル26が保湿される。第2キャップ53は、第2吐出部24に接触することによって、ノズル26と通じる空間を形成する。すなわち、第2キャップ53は、第2吐出部24にキャッピングを実行する。これにより、第2吐出部24のノズル26が保湿される。このように、キャップ部51は、ノズル26を保湿することによって、吐出部をメンテナンスする。
【0048】
キャップ部51は、例えば、走査方向Xにおいて払拭部48と並ぶ。一例では、キャップ部51は、払拭部48よりも第3方向A3に位置する。したがって、キャップ部51、払拭部48、受容部43は、第2方向A2にこの順で並ぶ。これにより、キャップ部51は、払拭部48がノズル面25を払拭した後に、スムーズに吐出部をキャッピングできる。第1キャップ52は、第2キャップ53よりも第3方向A3に位置する。
【0049】
キャップ部51は、例えば、吐出部が自身と対向する位置に位置する場合に、吐出部に接近することによってノズル面25に接触する。すなわち、第1キャップ52は、第1吐出部23が自身と対向する位置に位置する場合に、第1吐出部23に接近することによってそのノズル面25に接触する。第2キャップ53は、第2吐出部24が自身と対向する位置に位置する場合に、第2吐出部24に接近することによってそのノズル面25に接触する。キャップ部51は、吐出部がキャップ部51に接近することによってノズル面25に接触してもよい。メンテナンス部42は、払拭部48と同様に、キャップ部51を移動させる機構を有してもよい。
【0050】
第1キャップ52及び第2キャップ53は、第1吐出部23及び第2吐出部24が待機する場合に、それぞれをキャッピングする。すなわち、第1キャップ52及び第2キャップ53は、第1吐出部23及び第2吐出部24が印刷をしない場合、例えば、印刷データの入力を待機している場合、及び、液体吐出装置11の電源がオフの場合などに、それぞれをキャッピングする。
【0051】
<払拭部>
次に、払拭部48の一例について詳しく説明する。
図5及び
図6に示すように、払拭部48は、取付フレーム56と、繰出軸57と、巻取軸58と、押付部59とを有する。
【0052】
取付フレーム56は、繰出軸57、巻取軸58、及び、押付部59が取り付けられるフレームである。取付フレーム56は、底板60と、第1取付板61と、第2取付板62とを含む。底板60は、第1取付板61と第2取付板62とを連結する。第1取付板61及び第2取付板62は、第1方向A1において互いに対向する。第1取付板61及び第2取付板62は、底板60に対して垂直に延びる。第1取付板61及び第2取付板62に、繰出軸57、巻取軸58、及び、押付部59が取り付けられる。例えば、第1取付板61及び第2取付板62に、繰出軸57、巻取軸58、及び、押付部59が架設される。
【0053】
第1取付板61には、繰出溝63と、巻取溝64とが形成される。同様に、第2取付板62には、繰出溝63と、巻取溝64とが形成される。2つの繰出溝63は、第1取付板61及び第2取付板62をそれぞれ切り欠くように形成される。2つの繰出溝63に繰出軸57の両端がそれぞれ挿入されることによって、繰出軸57が第1取付板61及び第2取付板62に支持される。これにより、第1取付板61及び第2取付板62に繰出軸57が取り付けられる。2つの巻取溝64は、第1取付板61及び第2取付板62をそれぞれ切り欠くように形成される。2つの巻取溝64に巻取軸58の両端がそれぞれ挿入されることによって、巻取軸58が第1取付板61及び第2取付板62に支持される。これにより、第1取付板61及び第2取付板62に巻取軸58が取り付けられる。
【0054】
第1取付板61には、第1ガイド溝65が形成されてもよい。同様に、第2取付板62にも、第1ガイド溝65が形成されてもよい。2つの第1ガイド溝65は、第1取付板61及び第2取付板62をそれぞれ切り欠くように形成される。第1ガイド溝65は、後述する第1保護板67の回転をガイドする溝である。
【0055】
第1取付板61には、第2ガイド溝66が形成されてもよい。同様に、第2取付板62にも、第2ガイド溝66が形成されてもよい。2つの第2ガイド溝66は、第1取付板61及び第2取付板62をそれぞれ切り欠くように形成される。第2ガイド溝66は、後述する第2保護板68の回転をガイドする溝である。
【0056】
取付フレーム56は、第1保護板67と、第2保護板68とを含んでもよい。第1保護板67は、繰出溝63から繰出軸57が外れることを抑制する部材である。第2保護板68は、巻取溝64から巻取軸58が外れることを抑制する部材である。
【0057】
第1保護板67は、第1回転軸69を有する。第1保護板67は、第1回転軸69を中心に回転可能である。第1保護板67は、第1回転軸69を介して、第1取付板61と第2取付板62とに取り付けられる。第1保護板67は、例えば、第1取付板61と第2取付板62とに架設される。
【0058】
第2保護板68は、第2回転軸70を有する。第2保護板68は、第2回転軸70を中心にそれぞれ回転可能である。第2保護板68は、第2回転軸70を介して、第1取付板61と第2取付板62とに取り付けられる。第2保護板68は、例えば、第1取付板61と第2取付板62とに架設される。
【0059】
第1保護板67は、第1ガイド軸71を有する。第1ガイド軸71は、第1ガイド溝65に挿入される。第1ガイド軸71は、第1保護板67が回転する場合に、第1ガイド溝65に沿って移動する。
【0060】
第2保護板68は、第2ガイド軸72を有する。第2ガイド軸72は、第2ガイド溝66に挿入される。第2ガイド軸72は、第2保護板68が回転する場合に、第2ガイド溝66に沿って移動する。
【0061】
第1保護板67及び第2保護板68が閉じることによって、第1ガイド軸71及び第2ガイド軸72が第1ガイド溝65及び第2ガイド溝66にそれぞれ収まる。この場合、第1保護板67は、繰出溝63の一部を覆う。第2保護板68は、巻取溝64の一部を覆う。これにより、繰出溝63から繰出軸57が外れること、及び、巻取溝64から巻取軸58が外れることが抑制される。
図5及び
図6において、第1保護板67及び第2保護板68は、閉じている。
【0062】
第1保護板67及び第2保護板68が開くことによって、第1ガイド軸71及び第2ガイド軸72が第1ガイド溝65及び第2ガイド溝66からそれぞれ外れる。この場合、第1保護板67は、繰出溝63を覆わない。第2保護板68は、巻取溝64を覆わない。そのため、繰出溝63から繰出軸57を取り外すこと、及び、巻取溝64から巻取軸58を取り外すことが可能となる。
【0063】
第1保護板67は、第1把持部73を有してもよい。第2保護板68は、第2把持部74を有してもよい。ユーザーが第1把持部73と第2把持部74との距離を大きくするように、第1把持部73及び第2把持部74を引っ張ることによって、第1保護板67及び第2保護板68が開く。このように、第1把持部73及び第2把持部74によって、ユーザーが第1保護板67及び第2保護板68を操作しやすい。
【0064】
繰出軸57には、未使用の吸収部材49が巻き重ねられている。繰出軸57は、回転することによって、未使用の吸収部材49を繰り出す。巻取軸58には、使用済みの吸収部材49が巻き重ねられている。巻取軸58は、回転することによって、使用済みの吸収部材49を巻き取る。例えば、吸収部材49がノズル面25を所定回数払拭するたびに、繰出軸57及び巻取軸58が回転する。ユーザーは、取付フレーム56から繰出軸57及び巻取軸58を取り外すことによって、吸収部材49を交換できる。
【0065】
押付部59は、複数のノズル面25に吸収部材49を押し付けるように構成される。押付部59には、吸収部材49が巻き掛けられる。押付部59がノズル面25に吸収部材49を押し付けることによって、吸収部材49がノズル面25に密着できる。
【0066】
図7、
図8、及び、
図9に示すように、押付部59は、保持部材75と、複数の押付ユニット76とを有する。一例では、押付部59は、保持部材75と、10個の押付ユニット76とを有する。
【0067】
保持部材75は、複数の押付ユニット76を保持する部材である。保持部材75は、保持部分77と、カバー部分78とを有する。保持部分77は、複数の押付ユニット76を囲う。カバー部分78は、保持部分77に取り付けられる。これにより、保持部分77及びカバー部分78の内部に、複数の押付ユニット76が収容される空間が形成される。カバー部分78には、複数の貫通口79が開口する。複数の貫通口79は、複数の押付ユニット76と対応する。貫通口79から押付ユニット76の一部が飛び出すように、保持部材75は、複数の押付ユニット76を保持する。
【0068】
保持部材75は、複数の挿入軸80を有する。挿入軸80は、押付ユニット76に挿入される軸である。一例では、1個の押付ユニット76に対して、2本の挿入軸80が挿入される。そのため、保持部材75は、20本の挿入軸80を有する。挿入軸80は、保持部分77から延びる。詳しくは、挿入軸80は、保持部分77の底面から延びる。
【0069】
押付ユニット76は、取付部材81と、押付部材82とを有する。
取付部材81は、押付部材82が取り付けられる部材である。取付部材81は、1以上の挿入筒83を有する。一例では、取付部材81は、2つの挿入筒83を有する。2つの挿入筒83は、第1方向A1において、取付部材81の両端にそれぞれ位置する。挿入筒83は、保持部分77の底面に向けて開口する。挿入筒83には、挿入軸80が挿入される。これにより、押付ユニット76が保持部材75に保持される。1つの取付部材81に対して2本の挿入軸80が挿入されることによって、1本の挿入軸80のみが挿入される場合と比べて、押付ユニット76の姿勢が安定しやすい。
【0070】
押付部材82は、複数のノズル面25に吸収部材49を押し付ける部材である。詳しくは、押付部材82は、繰出軸57から繰り出される吸収部材49を複数のノズル面25に押し付ける。
【0071】
押付部材82は、例えば、回転可能なローラーである。これにより、繰出軸57から巻取軸58にかけて吸収部材49が移動しやすい。一例では、押付部材82は、円筒部分84と、軸部分85とを有する。円筒部分84は、吸収部材49が巻き掛けられる部分である。軸部分85は、円筒部分84に挿入される部分である。軸部分85は、取付部材81に取り付けられる。軸部分85は、例えば、第1方向A1に延びる。押付部材82は、ローラーで構成されることによって、吸収部材49をノズル面25に密着させやすくなる。これにより、ノズル面25に付着する液体が払拭されやすくなる。円筒部分84は、例えば、スポンジ、ゴムなどの弾性を有する部材で構成されるとよい。この場合、吸収部材49がノズル面25に一層密着しやすくなる。
【0072】
複数の軸部分85は、それぞれ異なる取付部材81に取り付けられる。そのため、複数の軸部分85は、それぞれ異なる角度に傾くことができる。したがって、複数の円筒部分84は、複数のノズル面25を払拭するにあたって、ノズル面25に合わせてそれぞれ傾くことができる。これにより、吸収部材49がノズル面25に密着しやすくなる。
【0073】
複数の押付部材82は、第1押付部材82Aと、第2押付部材82Bとを含む。第1押付部材82A及び第2押付部材82Bは、第1方向A1に並ぶ2つの押付部材82である。第1押付部材82A及び第2押付部材82Bは、第1方向A1で隣り合う。第1押付部材82A及び第2押付部材82Bのそれぞれが吸収部材49を複数のノズル面25に押し付けることによって、複数のノズル面25において高さにばらつきがある場合にも、複数のノズル面25に対して吸収部材49が均一に接触できる。したがって、払拭部48が複数のノズル面25を好適に接触できる。仮に、1つの長尺な押付部材82で吸収部材49を複数のノズル面25に押し付ける場合、複数のノズル面25において高さにばらつきがあると、吸収部材49に加わる荷重がノズル面25ごとに異なる。その結果、複数のノズル面25に対して吸収部材49が均一に接触できず、液体を正しく除去できないおそれがある。
【0074】
第1押付部材82Aは、第1円筒部分84Aと、第1軸部分85Aとを有する。第2押付部材82Bは、第2円筒部分84Bと、第2軸部分85Bとを有する。上述したように、第1軸部分85A及び第2軸部分85Bは、それぞれ異なる角度に傾くことが可能である。そのため、第1円筒部分84A及び第2円筒部分84Bは、複数のノズル面25を払拭するにあたって、ノズル面25に合わせてそれぞれ傾くことができる。これにより、吸収部材49がノズル面25に密着しやすくなる。
【0075】
複数の押付部材82は、第3押付部材82Cを含んでもよい。第3押付部材82Cは、第3円筒部分と、第3軸部分とを有する。第3押付部材82Cは、第1方向A1から見た場合に、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bと重ならない位置に位置する押付部材82である。第3押付部材82Cの少なくとも一部は、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと第2押付部材82Bとの間に位置する。第3押付部材82Cの全体が、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと第2押付部材82Bとの間に位置してもよい。したがって、第1押付部材82A、第2押付部材82B、及び、第3押付部材82Cは、互い違いに位置する。
【0076】
第1方向A1において、第1押付部材82Aと第2押付部材82Bとの間に隙間が生じる。吐出部と払拭部48との位置関係によっては、複数のノズル面25においてこの隙間と重なる領域が存在することがある。この場合、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bは、この隙間と重なるノズル面25の領域に吸収部材49を押し付けることができない。これに対し、第3押付部材82Cは、この隙間と重なるノズル面25の領域に対して吸収部材49を押し付けることができる。したがって、払拭部48が複数のノズル面25を好適に払拭できる。
【0077】
第3押付部材82Cは、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと重なる且つ第2押付部材82Bと重なる位置に位置する。すなわち、第3押付部材82Cは、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bとオーバーラップしてもよい。第3押付部材82Cの一部は、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bと重なってもよい。一例では、第3押付部材82Cの一端部分は、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと重なる。第3押付部材82Cの他端部分は、第2方向A2から見た場合に、第2押付部材82Bと重なる。これにより、第1押付部材82A及び第3押付部材82Cによって、複数のノズル面25のうち一部の領域が2回払拭される。第2押付部材82B及び第3押付部材82Cによって、複数のノズル面25のうち一部の領域が2回払拭される。そのため、ノズル面25に付着する液体がより確実に除去される。
【0078】
第1押付部材82A、第2押付部材82B、及び、第3押付部材82Cを含む複数の押付部材82は、上流押付体87と、下流押付体88とを構成する。第1押付部材82A及び第2押付部材82Bは、上流押付体87及び下流押付体88のうちの一方を構成する。第3押付部材82Cは、上流押付体87及び下流押付体88のうちの他方を構成する。
【0079】
上流押付体87及び下流押付体88の少なくとも一方は、一方向に並ぶ複数の押付部材82によって構成される。すなわち、上流押付体87及び下流押付体88の何れかは、1つの押付部材82によって構成されてもよい。一例では、上流押付体87及び下流押付体88の双方が、第1方向A1に並ぶ複数の押付部材82によってそれぞれ構成される。上流押付体87は、例えば、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bを含む。下流押付体88は、例えば、第3押付部材82Cを含む。
【0080】
上流押付体87において、複数の押付部材82は、第1方向A1に等間隔で並ぶ。一例では、上流押付体87において、5個の押付部材82が第1方向A1に等間隔で並ぶ。すなわち、上流押付体87において、3個の押付部材82は、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bとともに第1方向A1に並ぶ。上流押付体87は、下流押付体88よりも第2方向A2に位置する。そのため、払拭部48がノズル面25を払拭する場合に、上流押付体87は、下流押付体88よりも先にノズル面25に吸収部材49を押し付ける。
【0081】
下流押付体88において、複数の押付部材82は、第1方向A1に等間隔で並ぶ。一例では、下流押付体88において、上流押付体87と同様に5個の押付部材82が第1方向A1に等間隔で並ぶ。すなわち、下流押付体88において、4個の押付部材82は、第3押付部材82Cとともに第1方向A1に並ぶ。
【0082】
上流押付体87及び下流押付体88において、複数の押付部材82は、互い違いに並ぶ。そのため、第1方向A1において、下流押付体88を構成する押付部材82の位置は、上流押付体87を構成する押付部材82の位置に対してずれるように位置する。すなわち、第2方向A2から見た場合に、下流押付体88を構成する押付部材82の少なくとも一部は、上流押付体87を構成する押付部材82と重ならない。これにより、払拭部48は、複数のノズル面25に対し、全域にわたって払拭できる。また、第2方向A2から見た場合に、下流押付体88を構成する押付部材82の一部は、上流押付体87を構成する押付部材82と重なってもよい。
【0083】
押付部59は、複数の弾性部材90を有する。複数の弾性部材90は、吐出部に向けて複数の押付部材82をそれぞれ押し付ける。弾性部材90は、例えば、ばねである。複数の弾性部材90は、複数の挿入軸80にそれぞれ挿入される。そのため、押付部59は、20個の弾性部材90を有する。弾性部材90は、取付部材81と保持部分77とに挟まれる。詳しくは、弾性部材90は、挿入筒83と保持部分77の底面とに挟まれる。そのため、弾性部材90は、挿入軸80に沿って取付部材81を吐出部に向けて押し付ける。弾性部材90は、取付部材81を押し付けることによって、押付部材82を吐出部に向けて押し付ける。その結果、押付部材82が吸収部材49を複数のノズル面25に押し付ける。
【0084】
複数の押付部材82をそれぞれ異なる弾性部材90が複数のノズル面25に押し付けることによって、ノズル面25の高さにばらつきがある場合にも、複数のノズル面25に対して吸収部材49が均一に接触できる。したがって、払拭部48が複数のノズル面25を好適に払拭できる。仮に、複数の押付部材82を共通の弾性部材90が複数のノズル面25に押し付ける場合、ノズル面25の高さにばらつきがあると、吸収部材49に加わる荷重がノズル面25ごとに異なる。その結果、複数のノズル面25に対して吸収部材49が均一に接触できず、液体を正しく除去できないおそれがある。
【0085】
<払拭動作>
次に、払拭部48によるノズル面25の払拭動作について説明する。払拭動作において、払拭部48は、第1吐出部23のノズル面25及び第2吐出部24のノズル面25を払拭する。
【0086】
図10及び
図11に示すように、払拭部48に対して吐出部が第3方向A3に移動することによって、払拭部48が複数のノズル面25を払拭する。まず、上流押付体87が第1吐出部23のノズル面25に吸収部材49を押し付ける。その後、下流押付体88が第1吐出部23のノズル面25に吸収部材49を押し付ける。これにより、第1吐出部23における複数のノズル面25が払拭される。次に、上流押付体87が第2吐出部24のノズル面25に吸収部材49を押し付ける。その後、下流押付体88が第2吐出部24のノズル面25に吸収部材49を押し付ける。これにより、第2吐出部24における複数のノズル面25が払拭される。
【0087】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)払拭部48は、複数のノズル面25に吸収部材49を押し付ける複数の押付部材82を有する。払拭部48は、吐出部に向けて複数の押付部材82をそれぞれ押し付ける複数の弾性部材90を有する。複数の押付部材82は、第1方向A1に並ぶ第1押付部材82Aと、第2押付部材82Bとを含む。
【0088】
上記構成によれば、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bがそれぞれ異なる弾性部材90によって、複数のノズル面25に吸収部材49を押し付ける。これにより、ノズル面25の高さにばらつきがある場合に、複数のノズル面25に対して吸収部材49が均一に接触できる。したがって、払拭部48が複数のノズル面25を好適に払拭できる。
【0089】
(2)複数の押付部材82は、第3押付部材82Cを含む。第3押付部材82Cは、第1方向A1から見た場合に、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bと重ならない位置に位置する。第3押付部材82Cの少なくとも一部は、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと第2押付部材82Bとの間に位置する。
【0090】
上記構成によれば、第3押付部材82Cは、第1押付部材82Aと第2押付部材82Bとの間に生じる隙間と重なるノズル面25の領域に対して吸収部材49を押し付けることができる。したがって、払拭部48が複数のノズル面25を好適に払拭できる。
【0091】
(3)第3押付部材82Cは、第2方向A2から見た場合に、第1押付部材82Aと重なる且つ第2押付部材82Bと重なる位置に位置する。
上記構成によれば、第1押付部材82A及び第3押付部材82Cによって、ノズル面25のうち一部の領域が2回払拭される。第2押付部材82B及び第3押付部材82Cによって、ノズル面25のうち一部の領域が2回払拭される。これにより、ノズル面25に付着する液体がより確実に除去される。
【0092】
(4)第1押付部材82Aは、第1円筒部分84Aと、第1軸部分85Aとを有する。第2押付部材82Bは、第2円筒部分84Bと、第2軸部分85Bとを有する。上記構成によれば、第1押付部材82A及び第2押付部材82Bがそれぞれ異なる軸部分を有するため、複数のノズル面25を払拭するにあたって第1円筒部分84A及び第2円筒部分84Bがそれぞれ異なる角度に傾くことができる。これにより、複数の押付部材82が吸収部材49を複数のノズル面25に密着させやすい。したがって、払拭部48は、複数のノズル面25に付着する液体を払拭しやすくなる。
【0093】
(5)複数の弾性部材90は、複数の挿入軸80にそれぞれ挿入され、複数の取付部材81と保持部分77とにそれぞれ挟まれる。
上記構成によれば、弾性部材90が挿入軸80に沿って取付部材81を吐出部に向けて押し付ける。そのため、取付部材81の姿勢が安定しやすい。これにより、払拭部48は、複数のノズル面25を好適に払拭できる。
【0094】
(6)複数のヘッドユニット32は、複数のノズル面25のうち1以上のノズル面25をそれぞれ有し、それぞれ個別に交換可能に構成される。
複数のヘッドユニット32の位置がそれぞれずれることによって、ノズル面25の高さにばらつきが生じやすい。この点、上記構成によれば、ノズル面25の高さにばらつきが生じる場合において、払拭部48が複数のノズル面25を好適に払拭できる。
【0095】
(7)払拭部48は、キャリッジ22が移動することによって、複数のノズル面25を払拭する。
上記構成によれば、払拭部48が移動することなく、複数のノズル面25を払拭できる。
【0096】
(8)液体吐出装置11は、払拭部48を吐出部に接近させたり吐出部から離したりするように移動させる移動機構50を備える。
上記構成によれば、複数のノズル面25を払拭する必要がない場合には、払拭部48は吐出部から離れる。これにより、払拭部48が複数のノズル面25を無用に払拭するおそれを低減できる。
【0097】
(9)第2方向A2において、キャップ部51、払拭部48、受容部43は、この順で並ぶ。
液体吐出装置11においては、通常、吐出部が受容部43に向けて液体を排出することによって、ノズル面25に液体が付着する。そのため、吐出部が受容部43に向けて液体を排出した後に、払拭部48がノズル面25を払拭することが好ましい。そのため、上記構成によれば、吐出部が受容部43に向けて液体を排出した後、払拭部48によってノズル面25を払拭し、キャップ部51によってキャッピングできる。
【0098】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0099】
・第1押付部材82A及び第2押付部材82Bが、複数のノズル面25に対してその全域を払拭してもよい。
・第1押付部材82A、第2押付部材82B及び第3押付部材82Cが、複数のノズル面25に対してその全域を払拭してもよい。
【0100】
・第1吐出部23及び第2吐出部24が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、第1吐出部23及び第2吐出部24が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材又は画素材料などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0101】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0102】
(A)液体吐出装置は、一方向に並ぶ複数のノズル面を有し、複数の前記ノズル面にそれぞれ開口するノズルから液体を吐出する吐出部と、複数の前記ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記払拭部は、複数の前記ノズル面に接触することによって、複数の前記ノズル面に付着する液体を吸収する吸収部材と、複数の前記ノズル面に前記吸収部材を押し付ける複数の押付部材と、前記吐出部に向けて複数の前記押付部材をそれぞれ押し付ける複数の弾性部材と、を有し、複数の前記押付部材は、前記一方向に並ぶ第1押付部材と、第2押付部材と、を含む。
【0103】
上記構成によれば、第1押付部材及び第2押付部材がそれぞれ異なる弾性部材によって、複数のノズル面に吸収部材を押し付ける。これにより、ノズル面の高さにばらつきがある場合に、複数のノズル面に対して吸収部材が均一に接触できる。したがって、払拭部が複数のノズル面を好適に払拭できる。
【0104】
(B)上記液体吐出装置において、前記一方向は、第1方向であり、複数の前記押付部材は、第3押付部材を含み、前記第3押付部材は、前記第1方向から見た場合に、前記第1押付部材及び前記第2押付部材と重ならない位置に位置し、前記第3押付部材の少なくとも一部は、前記第1方向と異なる第2方向から見た場合に、前記第1押付部材と前記第2押付部材との間に位置してもよい。
【0105】
第1方向において、第1押付部材と第2押付部材との間に隙間が生じる。複数のノズル面においては、この隙間と重なる領域が存在することがある。第1押付部材及び第2押付部材は、この隙間と重なるノズル面の領域に吸収部材を押し付けることができない。この点、上記構成によれば、第3押付部材は、第1押付部材と第2押付部材との間に生じる隙間と重なるノズル面の領域に対して吸収部材を押し付けることができる。したがって、払拭部が複数のノズル面を好適に払拭できる。
【0106】
(C)上記液体吐出装置において、前記第3押付部材は、前記第2方向から見た場合に、前記第1押付部材と重なる且つ前記第2押付部材と重なる位置に位置してもよい。
上記構成によれば、第1押付部材及び第3押付部材によって、ノズル面のうち一部の領域が2回払拭される。第2押付部材及び第3押付部材によって、ノズル面のうち一部の領域が2回払拭される。これにより、ノズル面に付着する液体がより確実に除去される。
【0107】
(D)上記液体吐出装置において、前記第1押付部材は、前記吸収部材が巻き掛けられる第1円筒部分と、前記第1円筒部分に挿入される第1軸部分と、を有し、前記第2押付部材は、前記吸収部材が巻き掛けられる第2円筒部分と、前記第2円筒部分に挿入される第2軸部分と、を有してもよい。上記構成によれば、第1押付部材及び第2押付部材がそれぞれ異なる軸部分を有するため、複数のノズル面を払拭するにあたって第1円筒部分及び第2円筒部分がそれぞれ異なる角度に傾くことができる。これにより、複数の押付部材が吸収部材を複数のノズル面に密着させやすい。したがって、払拭部は、複数のノズル面に付着する液体を払拭しやすくなる。
【0108】
(E)上記液体吐出装置において、前記払拭部は、複数の前記押付部材がそれぞれ取り付けられる複数の取付部材と、複数の前記取付部材を保持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、複数の前記取付部材にそれぞれ挿入される複数の挿入軸と、複数の前記挿入軸が延びる保持部分と、を有し、複数の前記取付部材は、複数の前記挿入軸がそれぞれ挿入される複数の挿入筒を有し、複数の前記弾性部材は、複数の前記挿入軸にそれぞれ挿入され、複数の前記取付部材と前記保持部分とにそれぞれ挟まれてもよい。
【0109】
上記構成によれば、弾性部材が挿入軸に沿って取付部材を吐出部に向けて押し付ける。そのため、取付部材の姿勢が安定しやすい。これにより、払拭部は、複数のノズル面を好適に払拭できる。
【0110】
(F)上記液体吐出装置において、前記吐出部は、前記一方向に並ぶ複数のヘッドユニットを有し、複数の前記ヘッドユニットは、複数の前記ノズル面のうち1以上のノズル面をそれぞれ有し、それぞれ個別に交換可能に構成されてもよい。
【0111】
複数のヘッドユニットの位置がそれぞれずれることによって、ノズル面の高さにばらつきが生じやすい。この点、上記構成によれば、ノズル面の高さにばらつきがある場合において、払拭部が複数のノズル面を好適に払拭できる。
【0112】
(G)上記液体吐出装置は、前記吐出部を搭載するキャリッジを備え、前記払拭部は、前記キャリッジが移動することによって、複数の前記ノズル面を払拭してもよい。
上記構成によれば、払拭部が移動することなく、ノズル面を払拭できる。
【0113】
(H)上記液体吐出装置は、前記払拭部を前記吐出部に接近させたり前記吐出部から離したりするように移動させる移動機構を備えてもよい。
上記構成によれば、複数のノズル面を払拭する必要がない場合には、払拭部は吐出部から離れる。これにより、払拭部が複数のノズル面を無用に払拭するおそれを低減できる。
【0114】
(I)上記液体吐出装置は、前記吐出部に接触することによって前記ノズルと通じる空間を形成するキャップ部と、前記ノズルから排出される液体を受ける受容部と、を備え、
前記一方向は、第1方向であり、前記第1方向とは異なる第2方向において、前記キャップ部、前記払拭部、前記受容部は、この順で並んでもよい。
【0115】
液体吐出装置においては、通常、吐出部が受容部に向けて液体を排出することによって、ノズル面に液体が付着する。そのため、吐出部が受容部に向けて液体を排出した後に、払拭部がノズル面を払拭することが好ましい。そのため、上記構成によれば、吐出部が受容部に向けて液体を排出した後、払拭部によってノズル面を払拭し、キャップ部によってキャッピングできる。
【符号の説明】
【0116】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…繰出部、14…繰出ローラー、15…巻取部、16…巻取ローラー、17…支持部、18…搬送部、19…搬送ローラー、21…乾燥部、22…キャリッジ、23…第1吐出部、24…第2吐出部、25…ノズル面、26…ノズル、31…ホルダー、32…ヘッドユニット、33…ヘッドチップ、34…固定板、35…露出口、36…保持体、41…加圧部、42…メンテナンス部、43…受容部、44…受容部材、45…保持ローラー、46…供給ローラー、47…回収ローラー、48…払拭部、49…吸収部材、50…移動機構、51…キャップ部、52…第1キャップ、53…第2キャップ、56…取付フレーム、57…繰出軸、58…巻取軸、59…押付部、60…底板、61…第1取付板、62…第2取付板、63…繰出溝、64…巻取溝、65…第1ガイド溝、66…第2ガイド溝、67…第1保護板、68…第2保護板、69…第1回転軸、70…第2回転軸、71…第1ガイド軸、72…第2ガイド軸、73…第1把持部、74…第2把持部、75…保持部材、76…押付ユニット、77…保持部分、78…カバー部分、79…貫通口、80…挿入軸、81…取付部材、82…押付部材、82A…第1押付部材、82B…第2押付部材、82C…第3押付部材、83…挿入筒、84…円筒部分、85…軸部分、87…上流押付体、88…下流押付体、90…弾性部材、99…媒体、100…ロール体、A1…第1方向、A2…第2方向、A3…第3方向、B1…中心線、X…走査方向。