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特開2024-64464表示方法、プロジェクター、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064464
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】表示方法、プロジェクター、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240507BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240507BHJP
   G03B 21/26 20060101ALI20240507BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240507BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240507BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G03B21/00 D
G03B21/26
G09G5/00 510B
G09G5/02 B
G09G5/00 X
G09G5/36 520M
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173073
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】松本 守生
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA62
2K203FA94
2K203GB35
2K203KA67
2K203KA83
2K203MA23
5C058BA23
5C058BA27
5C058EA03
5C182AA03
5C182AA04
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC13
5C182AC33
5C182BA03
5C182BB04
5C182BB05
5C182BB11
5C182BB23
5C182BB26
5C182BC01
5C182BC14
5C182BC22
5C182CA21
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB42
5C182CB54
5C182CC26
5C182DA02
5C182DA41
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】簡便にタイリング投射の表示設定ができる表示方法を提供すること。
【解決手段】結合画像の調整を含む表示方法は、第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、前記第1プロジェクターを用いて、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射することと、前記第2プロジェクターを用いて、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記第1プロジェクターを用いて、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射することと、
前記第2プロジェクターを用いて、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射することと、
を含む、表示方法。
【請求項2】
前記第3画像における前記重畳領域の幅を示すパターンに用いられる第1色と、前記第4画像における前記重畳領域の幅を示すパターンに用いられる第2色とは異なる、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記第1色と、前記第2色とは、重畳表示した場合に白色となる、
請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記タイリング投射における前記第1画像と前記第2画像との位置関係を指定する位置情報を受け付けることと、
前記位置情報に基づいて、前記第3画像の4辺のうち前記第4画像と重畳する一辺に沿って前記第3画像における前記重畳領域の幅を示すパターンを配置することと、
前記第4画像の4辺のうち前記第3画像と重畳する一辺に沿って前記第4画像における前記重畳領域の幅を示すパターンを配置することと、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示方法。
【請求項5】
光学装置と、
少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
第1画像と、他のプロジェクターを用いて投射された第2画像と、を結合してタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記光学装置を制御することによって、投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を表示することと、
を実行する、プロジェクター。
【請求項6】
第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記第1プロジェクターに、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射させることと、
前記第2プロジェクターに、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射させることと、
をコンピューターに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法、プロジェクター、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のプロジェクターの投射画像を用いて、大きな画像を実現する画像投射システムが知られている。当該システムによれば、複数の投射画像を上下左右に並べることで、個々の画像よりも大きな画像を得るタイリング投射を行うことができる。このようなタイリング投射を行う場合、複数のプロジェクターからの投射画像の位置を合わせる必要があるため、様々な位置合わせ方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数のプロジェクターにより複数の画像を並べて投写して一つの大きな画像を表示する画像投写システムにおいて、第1の画像の端部に第1のパターンを投写し、端部から少なくとも第1の距離だけ離れた位置に一部が位置するように、第1のパターンとは色の異なる第2のパターンを投写することにより、第2の画像とどの程度重ね合わせれば良いのかをユーザーが把握できるようにしている。また、当該文献によれば、第1の距離が2つの画像を重ね合わせる重畳領域の幅であるブレンド幅に相当し、ブレンド幅はユーザーが指定するとしている。これにより、プロジェクターの設置時の手間や時間を軽減していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-184625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、ブレンド幅をユーザーが指定する必要があるが、一般のユーザーが容易に指定することは困難であった。詳しくは、ブレンド幅が狭すぎると画像のつなぎ目のスムーズさが損なわれてしまい、ブレンド幅が広すぎると投写範囲が狭くなり、画質が劣化するなど、ブレンド幅の違いによる特性を理解しないと設定が難しいという課題があった。
つまり、簡便にタイリング投射の表示設定ができる表示方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る表示方法の一態様は、第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、前記第1プロジェクターを用いて、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射することと、前記第2プロジェクターを用いて、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射することと、を含む。
【0007】
本願に係る表示方法の一態様のプロジェクターは、光学装置と、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1画像と、他のプロジェクターを用いて投射された第2画像と、を結合してタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、前記光学装置を制御することによって、投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を表示することと、を実行する。
【0008】
本願に係る表示方法の一態様のプログラムは、第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、前記第1プロジェクターに、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射させることと、前記第2プロジェクターに、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射させることと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の画像投射システムの概略構成図。
図2】プロジェクターの概略構成を示すブロック図。
図3】リモコンの平面図。
図4】結合画像の調整方法の流れを示すフローチャート図。
図5】環境設定メニューを示す画像の一態様を示す図。
図6】環境設定メニューを示す画像の一態様を示す図。
図7】配置設定画面の一態様を示す図。
図8】アスペクト設定画面の一態様を示す図。
図9】環境設定メニューを示す画像の一態様を示す図。
図10】結合画像調整における画面の一態様を示す図。
図11】結合画像の寸法関係を示す平面図。
図12】結合アスペクト比とブレンド幅の相関関係を示す一覧表。
図13】ズーム調整における調整用の画面の一態様を示す図。
図14】レンズシフト調整における調整用の画面の一態様を示す図。
図15】調整後の結合画像の一態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態1
***画像投射システムの概要***
図1は、本実施形態に係る画像投射システムの概略構成図である。
画像投射システム200は、第1プロジェクターとしてのプロジェクター100a、第2プロジェクターとしてのプロジェクター100b、及び、画像信号供給装置としてのコンピューター110などから構成されている。
【0011】
図1に示すように、画像投射システム200は、プロジェクター100aが投射する第1画像51と、プロジェクター100bが投射する第2画像52とを左右に並べてスクリーンSc上に、横長の結合画像55を投射している。なお、図1では、第1画像51と第2画像52との位置合わせを行っている状態を示しているため、両画面の高さは揃っておらず、接合部に段差がある状態となっている。なお、本実施形態では、このように2つの画像を並べて投射することを、タイリング投射という。本実施形態ではタイリング投射は2つの画像を並べて投射するが、3つ以上の画像を並べて投射する形態であってもよい。
【0012】
図1では、設置台114の設置面115の上に、プロジェクター100aと、プロジェクター100bとが、各々の光学装置28をスクリーンSc側に向けた状態で、左右に並んで配置されている。好適例において、プロジェクター100aと、プロジェクター100bとは、同じプロジェクターを用いている。設置台114は、例えば、テーブルなどを用いることができるが、平坦な設置面115を備えていれば良く、例えば、キャビネットなどを用いても良い。また、スクリーンScは、設置台114が設置された部屋の壁に沿ってセットされているが、壁面に直接投射することであっても良い。
【0013】
詳しくは後述するが、図1では、プロジェクター100aをメインプロジェクターとしており、結合画像55が連続したスムーズな画像となるように、セカンダリープロジェクターであるプロジェクター100bとの間で、タイリング投射における表示設定が行われる。
プロジェクター100aとプロジェクター100bとの間は、LAN(Local Area Network)ケーブル85で接続されている。詳しくは、プロジェクター100aのLAN端子95aと、プロジェクター100bのLAN端子95bとの間は、LANケーブル85で接続されている。
【0014】
プロジェクター100aには、入力用のHDMI(登録商標、High-Definition Multimedia Interface)端子91aと、出力用のHDMI端子92aとが設けられている。同様に、プロジェクター100bにも、入力用のHDMI端子91bと、出力用のHDMI端子92bとが設けられている。
プロジェクター100aの入力用のHDMI端子91aと、コンピューター110の出力用のHDMI端子90との間は、HDMIケーブル80により接続されている。これにより、プロジェクター100aには、コンピューター110から画像信号が供給される。
プロジェクター100aの出力用のHDMI端子92aと、プロジェクター100bとの入力用のHDMI端子91bとの間は、HDMIケーブル81により接続されている。換言すれば、プロジェクター100aとプロジェクター100bとの間は、HDMIケーブル81によりデイジーチェーン接続される。なお、デイジーチェーン接続に限定するものではなく、プロジェクター100a,100bに、共通の画像信号を供給可能な接続方法であれば良い。
【0015】
***プロジェクターの概略構成***
図2は、プロジェクターの概略構成を示すブロック図である。図3は、リモコンの平面図である。
前述したようにプロジェクター100a,100bは、同一のプロジェクターであるため、代表としてプロジェクター100aの構成について説明する。
【0016】
図2に示すように、プロジェクター100aは、制御部10、記憶部11、IF部12、画像情報入力部13、画像情報処理部14、OSD処理部15、光学装置28、レンズ調整部16、操作信号受信部17、操作部18などから構成されている。
制御部10は、1つ又は複数のプロセッサーを備えて構成され、記憶部11に記憶されている制御プログラムに従って動作することによりプロジェクター100aの動作を統括制御する。制御部10は、例えば、周辺装置とのインターフェイス、演算装置及びレジスタを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、制御部10の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)といったハードウェアによって実現してもよい。制御部10は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0017】
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)を備えて構成される。RAMは、各種データ等の一時記憶に用いられ、ROMは、プロジェクター100aの動作を制御するための制御プログラムや、付随するデータなどを記憶する。制御プログラムには、プロジェクター100aを起動させるときの処理の順序と内容を指示する起動プログラムや、タイリング投射における結合画像の調整プログラムなどが記憶されている。付随データには、結合画像のアスペクト比とブレンド幅とを規定した設定テーブルなどが含まれている。また、プロジェクター100aは、EDID(Extended Display Identification Data)機能を搭載しているため、当該機能に係るプログラムや、付随データも、記憶部11に記憶されている。アスペクト比は、投射範囲のサイズを示す情報に相当する。また、アスペクト比ではなく結合画像の解像度を用いてもよい。
なお、制御部10および記憶部11は、コンピューターに相当し、上記の結合画像の調整プログラムを実行する。また、コンピューター110により、結合画像の調整プログラムが実行されることでも良い。
【0018】
IF部12は、外部機器とのインターフェイス部分であり、上述のHDMI端子91a,92a、LAN端子95a(図1)を含む複数の接続端子を備えている。複数の接続端子としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、VGA(Video Graphics Array)端子を、さらに備えていても良い。
【0019】
画像情報入力部13は、コンピューター110などの外部の画像信号供給装置から画像信号などの画像情報の供給を受ける。本実施形態では、IF部12の入力用のHDMI端子91aから画像情報が入力される。また、画像情報入力部13は、制御部10から位置合わせ用のパターン画像などの供給を受けると、必要な画像処理を施し、処理後の画像情報を画像情報処理部14に出力する。なお、画像信号供給装置は、コンピューターに限定するものではなく、画像情報を供給し得る装置であれば良く、例えば、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)プレーヤーや、ストリーミングメディアプレーヤーであっても良い。
【0020】
画像情報処理部14は、制御部10の制御に基づいて、画像情報入力部13から入力される画像情報に対して、必要な画像処理を施し、処理後の画像情報をOSD処理部15に出力する。
OSD処理部15は、制御部10の制御に基づいて、画像上にメッセージ画像やメニュー画像等のOSD(On-Screen Display)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部15は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報や、後述する帯状パターンの形状、配置、色調情報などを記憶している。制御部10が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部15は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像情報処理部14から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。
【0021】
光学装置28は、光源21、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ22R,22G,22B、投写光学系としての投写レンズ23、ライトバルブ駆動部24などから構成されている。光学装置28は、光源21から射出された光を、液晶ライトバルブ22R,22G,22Bで変調して画像光を形成し、このフルカラーの画像光を投写レンズ23からスクリーンScに投射する。
【0022】
光源21は、発光ダイオードや半導体レーザー等の固体光源を含んで構成されている。なお、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの放電型の光源ランプを用いても良い。光源21から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ22R,22G,22Bに入射する。
液晶ライトバルブ22R,22G,22Bは、それぞれ一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。各液晶パネルには、マトリクス状に配列された複数の画素からなる矩形の画像形成領域22iが形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0023】
ライトバルブ駆動部24は、液晶ライトバルブ22R,22G,22Bの画像形成領域22iに画像を形成する。具体的には、ライトバルブ駆動部24は、OSD処理部15から入力される画像情報に応じた駆動電圧を、画像形成領域22iの各画素に印加し、各画素を画像情報に応じた光透過率に設定する。光源21から射出された光は、液晶ライトバルブ22R,22G,22Bの画像形成領域22iを透過することによって画素毎に変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となり、投写レンズ23によってスクリーンScに拡大投射される。
【0024】
なお、上記では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ22R,22G,22Bを用いるものとして説明したが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることであっても良い。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源21から射出された光を変調するデジタルミラーデバイス等を用いても良い。また、色光別に複数の光変調装置を備える構成に限定されず、1つの光変調装置で複数の色光を時分割で変調する構成としても良い。
また、画像情報入力部13、画像情報処理部14、およびOSD処理部15は、1つ又は複数のプロセッサー等によって構成されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの専用の処理装置によって構成されても良い。
【0025】
投写レンズ23は、複数の凹凸レンズを含んで構成されており、複数の凹凸レンズにおける特定のレンズには、ズーム調整用、フォーカス調整用、レンズシフト用のアクチュエーターが取付けられている。アクチュエーターとしては、圧電モーターなどのモーターを含むリニアアクチュエーターなどが好適である。
レンズ調整部16は、これらのアクチュエーターを駆動する駆動回路を備えており、制御部10からの指示により、ズーム調整、フォーカス調整、及び、レンズシフト調整を行う。レンズシフト調整では、投写レンズ23の中心光軸と略直交する面上において、投写レンズ23を上下左右に移動させる。
操作信号受信部17は、リモコン3からの赤外線通信を用いた操作信号を受信してデコードし、制御部10に送信する。なお、赤外線通信に限定するものではなく、近距離無線通信が可能な構成であれば良く、例えば、リモコン3、操作信号受信部17がBluetooth(登録商標)に準拠した通信デバイスを備える構成であっても良い。
【0026】
図3に示すように、リモコン3には、プロジェクター100aの電源のオンとオフとを切り替えるための電源キー30、スタンバイ時に投射を開始するための投射キー31を含む複数の操作ボタンが設けられている。
複数の操作ボタンには、メニューキー32、選択キー33、決定キー34、戻るキー35、ズームキー36、フォーカスキー37、歪補正キー38、レンズシフトキー39が含まれている。
【0027】
メニューキー32は、第1画像51(図1)にメニュー画像を表示させるための操作キーである。メニューキー32を押すと、図5に示す環境設定メニューを示す画像40が第1画像51に重畳される。
選択キー33は、メニュー画面の中から実行したい項目を選択する際などに用いられる環状の十字キーであり、上下左右の項目を選択可能に設けられている。
決定キー34は、選択キー33の中心に設けられた円形のボタンであり、選択キー33で選択した項目を実行する際に押下げする。
戻るキー35は、直近に行った操作が行われる前の状態に戻すための操作ボタンである。
【0028】
ズームキー36は、レンズ調整部16により第1画像51(図1)のズーム調整を行うためのキーであり、2つの操作部を備えた縦長のボタンである。ズームキー36の上側はプラスボタン、下側はマイナスボタンとなっており、プラス側を押すと画像が拡大し、マイナス側を押すと画像が縮小する。
フォーカスキー37は、レンズ調整部16により第1画像51のフォーカス調整を行うためのキーであり、ズームキー36と同様に、上側にプラスボタン、下側にマイナスボタンを備えている。プラス側またはマイナス側を押すことにより画像の焦点位置を調整する。
歪補正キー38は、第1画像51の歪を補正するためのキーであり、ズームキー36と同様に、上側にプラスボタン、下側にマイナスボタンを備えている。プラス側またはマイナス側を押すことにより画像の歪具合を調整する。
レンズシフトキー39は、レンズ調整部16のレンズシフト調整機能により第1画像51の位置を動かす際に用いられ、当該キーが操作されると、第1画像51に、図14のレンズシフト調整用の画像64が重畳される。
【0029】
図2に戻る。
操作部18は、プロジェクター100a(図1)の本体に設けられた操作部であり、リモコン3と同様の複数の操作キーを備えている。
【0030】
***結合画像の調整方法***
図4は、タイリング投射における結合画像の調整方法の流れを示すフローチャート図である。図5図6図9は、環境設定メニューを示す画像の一態様を示す図である。図7は、配置設定画面の一態様を示す図である。図8は、アスペクト設定画面の一態様を示す図である。図10は、結合画像調整における画面の一態様を示す図である。
ここでは、画像投射システム200におけるタイリング投射の結合画像の調整方法の流れについて、図4を主体に、適宜、他の図面を交えて説明する。なお、結合画像の調整方法のことを、表示方法ともいう。
【0031】
ステップS11では、プロジェクター100a,100b、および、コンピューター110を含む画像投射システム200を準備する。具体的には、図1に示すように、ユーザーがプロジェクター100a,100bを設置台114の設置面115の上に並べてセットする。プロジェクター100aとプロジェクター100bとの間を、LANケーブル85で接続する。そして、コンピューター110とプロジェクター100aとの間をHDMIケーブル80で接続し、プロジェクター100aとプロジェクター100bとの間をHDMIケーブル81で接続した後、プロジェクター100a,100bの電源を入れる。
ユーザーは、プロジェクター100aが投射する第1画像51と、プロジェクター100bが投射する第2画像52とが、図1のように概ね左右に並ぶように、本体の下の脚部71,72を調整して投射位置を粗調整する。
【0032】
ステップS12では、タイリング投射におけるメインプロジェクターの位置を決定する。まず、ユーザーがリモコン3のメニューキー32を押すと、第1画像51に、図5に示す投射環境設定用メニュー画像である画像40が重畳される。
図5に示すように、画像40の左側には、設定項目が並んでおり、上から、画質、映像、設定、拡張設定41、ネットワーク、情報、初期化となっており、デフォルトで拡張設定41が選択された状態となっている。画像40の右側には、拡張設定41の設定項目が並んでおり、上から、プロジェクターID、配置設定、幾何学歪み補正、エッジブレンディング、スクリーンマッチング、シンプルスタッキング、シンプルタイリング42が表示されている。ここでは、左右に横長の結合画像55を形成するため、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作してシンプルタイリング42を選択し、決定キー34を押下げる。
【0033】
シンプルタイリング42が実行されると、タイリング投射における結合画像の調整プログラムが起動する。起動後、画面が遷移し、図6に示す画像40bに切替わる。
画像40bには、シンプルタイリングの設定項目が並んでおり、上から、配置設定43、結合画面アスペクト44、自動調整開始45、スクリーンマッチングが表示されている。ここでは、メインプロジェクターとセカンダリープロジェクターを決めるため、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作して配置設定43を選択し、決定キー34を押下げる。配置設定43を実行すると、画面が遷移し、図7に示す画像46に切替わる。
【0034】
図7に示す画像46は、シンプルタイリングを構成するプロジェクターAにより投射される第1画像51と、プロジェクターBにより投射される第2画像52の位置関係に基づいて表示が行われる。本実施例では、第1画像51を投射するプロジェクターAが左に、第2画像52を投射するプロジェクターBが右に並んで選択可能に表示されている。
ここでは、左側のプロジェクターAをメインプロジェクターとするため、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作してプロジェクターAを選択し、決定キー34を押下げる。これにより、プロジェクターAに該当するプロジェクター110a(図1)がメインプロジェクターに決定する。同時に、プロジェクター110bがセカンダリープロジェクターとなる。なお、プロジェクターBをメインプロジェクターとしても良い。プロジェクターAを選択決定すると、画面が遷移し、図6の画像40bに戻る。本実施形態においては、位置情報にはプロジェクターAに対して、プロジェクターBが右側に配置されることを示す情報が含まれる。位置情報には、いずれのプロジェクターがメインプロジェクターであるかの情報を含んでも良い。また、位置情報はプロジェクターもしくは投射される画像の配置場所を示す情報でもよい。例えば、図7に示す1行A列にプロジェクターAが配置され、1行B列にプロジェクターBが配置されるという情報を含んでいてもよい。
【0035】
ステップS13では、結合画面のアスペクト比を設定する。図6の画像40bにおいて、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作して結合画面アスペクト44を選択し、決定キー34を押下げる。結合画面アスペクト44が実行されると、画面が遷移し、図8に示す画像47に切替わる。なお、アスペクト比は、投射範囲のサイズを示す情報の一例であり、これに限定するものではなく、例えば、投射範囲のサイズを示す情報として結合画像の解像度を用いても良い。換言すれば、ステップS13では、投射範囲のサイズを示す情報を設定する。
ユーザーは、所望のアスペクト比を選択し、決定する。図8の画像47の事例では、リモコン3の選択キー33を操作してアスペクト比21:9(3440×1440)を選択し、決定キー34を押下げている。これにより、結合画面のアスペクト比が設定される。結合アスペクト比が設定されると、画面が遷移し、図9の画像40cに切替わる。
【0036】
ステップS14では、セカンダリープロジェクターの検索、および、結合アスペクト比に適合するブレンド幅の計算が行われる。
図9の画像40cにおいて、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作して自動調整開始45を選択し、決定キー34を押下げる。これにより、自動調整が開始し、まず、一緒にタイリング投射を行うセカンダリープロジェクターを検索する。前述したように、2つのプロジェクター間はLANケーブル85(図1)により接続されているため、ネットワーク検索によりプロジェクター100bが検索され、セカンダリープロジェクターとして認識される。なお、ケーブルが接続されていないなど、セカンダリープロジェクターが見つからない場合は、「タイリングするプロジェクターが見つかりませんでした。ネットワークの接続を確認してください。」という内容を含む画像が表示され、接続の確認を促す。
【0037】
図11は、結合画像の寸法関係を示す平面図である。図12は、結合アスペクト比とブレンド幅の相関関係を示す一覧表である。
検索によりセカンダリープロジェクターが認識されると、結合画面のアスペクト比に適合するブレンド幅の計算が行われる。
図11において、プロジェクター100aによる第1画像51の解像度は、光変調装置の解像度に準じており、光変調装置を構成する液晶パネルの解像度で表される。以降プロジェクター100aもしくはプロジェクター100bのいずれか一台の光変調装置の解像度を基準パネル解像度と記載する。詳しくは、図12に示すように、第1画像51の基準パネル解像度は、例えば、基準パネル幅W1が1920pixelで、基準パネル高さHが1200pixelとなる。なお、プロジェクター100bによる第2画像52の解像度も、同一であり、基準パネル幅W1が1920pixelで、基準パネル高さHが1200pixelとなる。以降、第1画像51のサイズ(幅、高さ)を、基準パネル幅W1、基準パネル高さHとして説明する。
【0038】
図11において、第1画像51における第2画像52との重畳領域を帯状パターン51bとしている。帯状パターン51bは、第1画像51の右端に設けられており、その幅がブレンド幅W2となる。同様に、第2画像52における第1画像51との重畳領域を帯状パターン52bとしている。帯状パターン52bは、第2画像52の左端に設けられており、その幅は、帯状パターン51bと同じでブレンド幅W2となる。また、図11では、2つの画像を識別し易くするために、第2画像52の高さを第1画像51よりも下げているが、実際は、2つの画像の高さは揃っている。
そして、第1画像51と第2画像52とを結合した結合画像55の幅を結合画面幅W3としている。結合画面幅W3、および、ブレンド幅W2は、以下の数式(1)、数式(2)により求められる。
【0039】
結合画面幅W3=(基準パネル高さH/EDID高さEH)*EDID幅EW…式(1)
ブレンド幅W2=(基準パネル幅W1*2)-結合画面幅W3 …式(2)
なお、EDID高さEH、EDID幅EWは、図12の表61を参照。
【0040】
例えば、結合アスペクト比21:9(3440×1440)が選択された場合、数式(1)により、結合画面幅W3は、(1200/1440)*3440=2866pixelとなる。
数式(2)により、ブレンド幅W2は、(1920*2)-2866=974pixelとなる。なお、EDID幅EW、EDID高さEHは、EDID規格に準じた数値である。
図12の表61は、結合アスペクト比と、結合画面幅W3およびブレンド幅W2の相関関係を示す一覧表であり、図8の画像47に示されている他の結合アスペクト比における結合画面幅W3、ブレンド幅W2も記載されている。なお、いずれの結合アスペクト比においても、結合画面高さは、基準パネル高さHと同じとなる。
【0041】
ステップS15では、第1画像51には帯状パターン51bが重畳され、第2画像52には帯状パターン52bが重畳されて投射される。また、合せて、第1画像51には、図10の画像60が重畳投射される。このときの状態が、図1に示されている。
ここで、帯状パターン51bの色調と、帯状パターン52bの色調とは異なっている。好適例では、第1色としての帯状パターン51bの色調をマゼンタとし、第2色としての帯状パターン52bの色調をグリーンとしている。このため、帯状パターン51bと帯状パターン52bとが、重なっている部分の色調は、白色となっている。なお、この色調に限定するものではなく、第1色と、第2色とを重ねた際に、白色となる色光であれば良い。
【0042】
なお、重畳領域の幅を示す帯状パターン51bを含む第1画像51のことを第3画像ともいう。同様に、重畳領域の幅を示す帯状パターン52bを含む第2画像52のことを第4画像ともいう。換言すれば、第3画像における重畳領域の幅を示す帯状パターン51bに用いられる第1色と、第4画像における重畳領域の幅を示す帯状パターン52bに用いられる第2色とは異なる。そして、第1色と、第2色とは、重畳表示した場合に白色となる。
【0043】
図10の画像60には、「1)緑パターンと、マゼンタパターンとが重なるように位置を調整してください。重なった部分は、白いパターンになります。」という文章と、「2)位置合わせが終了したら、「はい」を押してください。」という文章が記載されている。
【0044】
ステップS16では、結合画像の位置合わせ調整が行われる。詳しくは、ユーザーは、リモコン3を操作して、帯状パターン51bと帯状パターン52bとが重なり合って白くなるように調整する。調整には、ズーム調整、フォーカス調整、歪補正、および、レンズシフト調整を用いることができる。なお、全ての調整を行う必要はなく、結合画像55の状態に応じて必要な調整を行えば良い。
【0045】
図13は、ズーム調整における調整用の画面の一態様を示す図である。図14は、レンズシフト調整における調整用の画面の一態様を示す図である。
例えば、第1画像51のズーム調整を行う場合、リモコン3のズームキー36を用いて拡大、縮小を行う。また、OSD機能がオンになっている場合は、図13の画像62が表示されるため、画像62を用いてズーム調整を行っても良い。画像62には、バー状のインジケーター63が表示されるため、ズーム度合いを確認することができる。また、フォーカス調整を行う場合は、リモコン3のフォーカスキー37を用いて拡大、縮小を行う。また、フォーカス調整においても、OSD機能がオンになっている場合は、図13の画像62と同様なフォーカス調整用の画面が表示されるため、その画像を用いてフォーカス調整を行っても良い。また、歪補正を行う場合は、リモコン3の歪補正キー38を用いて歪補正を行う。
【0046】
また、第1画像51のレンズシフト調整を行う場合は、リモコン3のレンズシフトキー39を押下げる。レンズシフトキー39が操作されると、図14の画像64が表示される。ユーザーは、リモコン3の選択キー33、または、画像64の矢印ボタンを用いて第1画像51を移動することができる。また、画像64には、バー状のインジケーター65が表示されるため、縦方向、横方向における移動度合いを確認することができる。
なお、第2画像52の調整を行う場合は、プロジェクター100b用のリモコン3を用いて、同様の調整を行うことができる。
【0047】
図10に戻る。
結合画像の位置合わせ調整が終了したら、ユーザーは、リモコン3の選択キー33を操作して、図10の画像60の「はいボタン」を選択し、決定キー34を押下げる。これにより、結合画面の調整が完了する。
換言すれば、結合画像の調整を含む表示方法によれば、第1プロジェクターとしてのプロジェクター100aを用いて投射された第1画像51と、第2プロジェクターとしてのプロジェクター100bを用いて投射された第2画像52と、をタイリング投射するときの投射範囲のアスペクト比の選択を受け付けることと、アスペクト比に基づいて第1画像51と第2画像52との重畳領域の幅としてのブレンド幅W2を決定することと、プロジェクター100aに、重畳領域の幅を示す帯状パターン51bを含む第3画像を投射させることと、プロジェクター100bに、重畳領域の幅を示す帯状パターン52bを含む第4画像を投射させることと、を含む。
【0048】
図15は、調整後の結合画像の一態様を示す図である。
図15に示すように、調整後の結合画像55は、シームレスで違和感のない横長のタイリング投射画像となっている。帯状パターン51bと帯状パターン52bとは、きれいに重なり合って結合画像55の一部となっている。
また、上記では、プロジェクター100aとプロジェクター100bとの間は、HDMIケーブル81(図1)によりデイジーチェーン接続されるとして説明したが、この構成に限定するものではない。例えば、図15に示すように、コンピューター110とプロジェクター100a,100bとの間に、画像信号分配器120を設ける構成としても良い。この場合、コンピューター110と画像信号分配器120との間は、HDMIケーブル80により接続する。そして、画像信号分配器120とプロジェクター100aとの間はHDMIケーブル82で接続し、画像信号分配器120とプロジェクター100bとの間はHDMIケーブル83で接続する。この配線態様であっても、上記と同様に、結合画像の調整を行うことが可能であり、シームレスで違和感のない横長のタイリング投射画像を簡便に得ることができる。
【0049】
また、上記では、横長のタイリング投射画像である結合画像55を得るための結合画像の調整方法について説明したが、これに限定するものではなく、この調整方法を、例えば、第1画像51と第2画像52とを縦に結合したタイリング投射画像に適用しても良い。この場合は、第1画像51の下側の長辺に沿って帯状パターンを表示させるとともに、第2画像52の上側の長辺に沿って帯状パターンを表示させる。そして、上記と同様に、2つの帯状パターンを重ね合わせれば良い。この場合、位置情報には、例えば、図7の1行A列にプロジェクターAが配置され、2行A列にプロジェクターBが配置されるという情報が含まれる。
換言すれば、結合画像の調整を含む表示方法によれば、タイリング投射における第1画像51と第2画像52との位置関係を指定する位置情報を受け付けることと、位置情報に基づいて、第3画像の4辺のうち何れか一辺に接するように重畳領域の幅を示す帯状パターンを配置し、第4画像の4辺のうち何れか一辺に接するように重畳領域の幅を示す帯状パターンを配置する。
【0050】
以上、述べた通り、本実施形態の表示方法、プロジェクター100a,100b、プログラムによれば、以下の効果を得ることができる。
結合画像の調整を含む表示方法によれば、第1プロジェクターとしてのプロジェクター100aを用いて投射された第1画像51と、第2プロジェクターとしてのプロジェクター100bを用いて投射された第2画像52と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の一例としての投射範囲のアスペクト比の選択を受け付けることと、アスペクト比に基づいて第1画像51と第2画像52との重畳領域の幅としてのブレンド幅W2を決定することと、プロジェクター100aに、重畳領域の幅を示す帯状パターン51bを含む第3画像を投射することと、プロジェクター100bに、重畳領域の幅を示す帯状パターン52bを含む第4画像を投射することと、を含む。
【0051】
この方法によれば、タイリング投射における投射範囲のサイズを示す情報が選択されれば、当該情報に基づいてブレンド幅W2が演算により自動的に決定される。例えば、投射範囲のサイズを示す情報としての投射範囲のアスペクト比が選択されると、当該アスペクト比に基づいてブレンド幅W2が演算により自動的に決定される。そして、第1画像51には算出されたブレンド幅W2の帯状パターン51bが表示され、第2画像52には算出されたブレンド幅W2の帯状パターン52bが表示されるため、帯状パターン51bと帯状パターン52bとを重ね合わせることにより、シームレスな結合画像55を得ることができる。特に、ユーザーによるブレンド幅の指定が必要であった従来の方法と異なり、タイリング投射におけるアスペクト比などの投射範囲のサイズを示す情報だけを選択すれば良いため、ブレンド幅に関する知識のない一般ユーザーでも簡便にタイリング投射を行うことができる。
従って、簡便にタイリング投射の表示設定ができる表示方法を提供することができる。
【0052】
また、第3画像における重畳領域の幅を示す帯状パターン51bに用いられる第1色と、第4画像における重畳領域の幅を示す帯状パターン52bに用いられる第2色とは異なる。
これによれば、2つの帯状パターン51b,52bが異なる色調で投射されるため、ユーザーは、重ね合せ量が識別し易くなり、結合画像55の位置合わせが容易になる。
【0053】
また、第1色と、第2色とは、重畳表示した場合に白色となる。
これによれば、2つの帯状パターン51b,52bが重なった部分が白くなるため、重なり具合を容易に視認できるため、結合画像55の位置合わせが容易になる。
【0054】
また、結合画像の調整を含む表示方法によれば、タイリング投射における第1画像51と第2画像52との位置関係を指定する位置情報を受け付けることと、位置情報に基づいて、第3画像の4辺のうち第4画像と重畳する一辺に沿って第3画像における重畳領域の幅を示すパターンを配置することと、第4画像の4辺のうち第3画像と重畳する一辺に沿って第4画像における重畳領域の幅を示すパターンを配置すること、とを含む。
これによれば、横長、縦長いずれのタイリング投射においても、適切な位置にブレンド幅を示す2つの帯状パターンを表示することができる。よって、2つの帯状パターンを重ね合わせることにより、シームレスな結合画像を得ることができる。
従って、簡便にタイリング投射の表示設定ができる表示方法を提供することができる。
【0055】
また、プロジェクター100aは、光学装置28と、少なくとも1つのプロセッサーを含む制御部10と、を含み、少なくとも1つのプロセッサーを含む制御部10は、第1画像51と、他のプロジェクター100bを用いて投射された第2画像52と、を結合してタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の一例としての投射範囲のアスペクト比の選択を受け付けることと、アスペクト比に基づいて第1画像51と第2画像52との重畳領域の幅を決定することと、光学装置28を制御することによって、重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を表示することと、を実行する。
これによれば、簡便にタイリング投射の表示設定ができるプロジェクター100aを提供することができる。そして、簡便にタイリング投射の表示設定ができる画像投射システム200を提供することができる。
【0056】
また、結合画像の調整プログラムによれば、第1プロジェクターとしてのプロジェクター100aを用いて投射された第1画像51と、第2プロジェクターとしてのプロジェクター100bを用いて投射された第2画像52と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の一例としての投射範囲のアスペクト比の選択を受け付けることと、アスペクト比に基づいて第1画像51と第2画像52との重畳領域の幅としてのブレンド幅W2を決定することと、プロジェクター100aに、重畳領域の幅を示す帯状パターン51bを含む第3画像を投射させることと、プロジェクター100bに、重畳領域の幅を示す帯状パターン52bを含む第4画像を投射させることと、を制御部10、記憶部11を含むコンピューターに実行させる。
これによれば、簡便にタイリング投射の表示設定ができるプログラムを提供することができる。
【0057】
***本開示のまとめ***
以下に、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記第1プロジェクターを用いて、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射することと、
前記第2プロジェクターを用いて、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射することと、
を含む、表示方法。
【0058】
この方法によれば、タイリング投射における投射範囲のアスペクト比が選択されれば、当該アスペクト比に基づいて重畳領域の幅が演算により自動的に決定される。そして、第1画像、第2画像のそれぞれに算出された重畳領域の幅を示すパターンが表示されるため、2つのパターンを重ね合わせることにより、タイリング投射を実現できる。特に、ユーザーによる重畳領域の幅の指定が必要であった従来の方法と異なり、タイリング投射におけるアスペクト比を選択すれば重畳領域の幅が演算により決定されるため、重畳領域の幅に関する知識のない一般ユーザーでも簡便にタイリング投射を行うことができる。
【0059】
(付記2)
前記第3画像における前記重畳領域の幅を示すパターンに用いられる第1色と、前記第4画像における前記重畳領域の幅を示すパターンに用いられる第2色とは異なる、
付記1に記載の表示方法。
【0060】
これによれば、2つのパターンが異なる色調で投射されるため、ユーザーは、重ね合せ量が識別し易くなり、タイリング投射の位置合わせが容易になる。
【0061】
(付記3)
前記第1色と、前記第2色とは、重畳表示した場合に白色となる、
付記2に記載の表示方法。
【0062】
これによれば、2つのパターンが重なった部分が白くなるため、重なり具合を容易に視認できるため、タイリング投射の位置合わせが容易になる。
【0063】
(付記4)
前記タイリング投射における前記第1画像と前記第2画像との位置関係を指定する位置情報を受け付けることと、
前記位置情報に基づいて、前記第3画像の4辺のうち前記第4画像と重畳する一辺に沿って前記第3画像における前記重畳領域の幅を示すパターンを配置することと、
前記第4画像の4辺のうち前記第3画像と重畳する一辺に沿って前記第4画像における前記重畳領域の幅を示すパターンを配置することと、を含む、
付記1~付記3のいずれか一項に記載の表示方法。
【0064】
これによれば、横長、縦長いずれのタイリング投射においても、適切な位置に重畳領域の幅を示す2つのパターンを表示することができる。よって、2つのパターンを重ね合わせることにより、シームレスなタイリング投射を行うことができる。
従って、簡便にタイリング投射の表示設定ができる表示方法を提供することができる。
【0065】
(付記5)
光学装置と、
少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
第1画像と、他のプロジェクターを用いて投射された第2画像と、を結合してタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記光学装置を制御することによって、投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を表示することと、
を実行する、プロジェクター。
【0066】
これによれば、簡便にタイリング投射の重畳領域の幅を設定できるプロジェクターを提供することができる。
【0067】
(付記6)
第1プロジェクターを用いて投射された第1画像と、第2プロジェクターを用いて投射された第2画像と、をタイリング投射するときの投射範囲のサイズを示す情報の選択を受け付けることと、
前記第1プロジェクターに、前記投射範囲のサイズを示す情報に基づく重畳領域の幅を示すパターンを含む第3画像を投射させることと、
前記第2プロジェクターに、前記重畳領域の幅を示すパターンを含む第4画像を投射させることと、
をコンピューターに実行させる、プログラム。
【0068】
これによれば、簡便にタイリング投射の重畳領域の幅を設定できるプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
3…リモコン、10…制御部、11…記憶部、12…IF部、13…画像情報入力部、14…画像情報処理部、15…OSD処理部、16…レンズ調整部、17…操作信号受信部、18…操作部、21…光源、22i…画像形成領域、22R,22G,22B…液晶ライトバルブ、23…投写レンズ、24…ライトバルブ駆動部、28…画像投射部、30…電源キー、31…投射キー、32…メニューキー、33…選択キー、34…決定キー、35…戻るキー、36…ズームキー、37…フォーカスキー、38…歪補正キー、39…レンズシフトキー、40…画像、40b…画像、40c…画像、41…拡張設定、42…シンプルタイリング、43…配置設定、44…結合画面アスペクト、45…自動調整開始、46…画像、47…画像、51…第1画像、51b…帯状パターン、52…第2画像、52b…帯状パターン、55…結合画像、60…画像、61…表、62…画像、63…インジケーター、64…画像、65…インジケーター、71,72…脚部、80~83…HDMIケーブル、85…LANケーブル、90…HDMI端子、91a,91b…HDMI端子、92a,92b…HDMI端子、95a,95b…LAN端子、100a…プロジェクター、100b…プロジェクター、110…コンピューター、114…設置台、115…設置面、120…画像信号分配器、200…画像投射システム、W1…基準パネル幅、W2…ブレンド幅、W3…結合画面幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15