(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064466
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20240507BHJP
B05B 1/02 20060101ALI20240507BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B05C11/10
B05B1/02 102
B08B3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173075
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】勝田 治
(72)【発明者】
【氏名】関野 博一
【テーマコード(参考)】
3B201
4F033
4F042
【Fターム(参考)】
3B201BB21
3B201BB92
4F033AA04
4F033BA03
4F033CA04
4F033CA07
4F033DA01
4F033EA01
4F033GA01
4F033GA11
4F033LA13
4F042AA01
4F042BA12
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB20
4F042CC07
4F042CC30
(57)【要約】
【課題】ヘッド部からの液体の噴射を停止した際に生じる液体の無駄を低減する。
【解決手段】液体3を貯留する液体貯留部8と、液体3を連続流3aで噴射するとともに連続流3aを液滴3b化させて液滴3b状で対象物に衝突させるノズル27を有するヘッド部2と、液体3を液体貯留部8からヘッド部2まで送液する送液部6と、一方の端部が送液部6に接続され他方の端部がヘッド部2に接続される第1流路7bと、一方の端部が第1流路7bに接続される第2流路7cと、第1流路7bと第2流路7cとの接続部に配置される流路切替部9と、を備え、流路切替部9は、ヘッド部2から液体3を噴射するとき第1流路7bを開放し第2流路7cを閉塞し、ヘッド部2からの液体3の噴射を停止したとき第1流路7bを閉塞し第2流路7cを開放する液体噴射装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で対象物に衝突させるノズルを有するヘッド部と、
前記液体を前記液体貯留部から前記ヘッド部まで送液する送液部と、
前記液体が流通し、一方の端部が前記送液部に接続され、他方の端部が前記ヘッド部に接続される第1流路と、
前記液体が流通し、一方の端部が前記第1流路に接続される第2流路と、
前記第1流路と前記第2流路との接続部に配置される流路切替部と、を備え、
前記流路切替部は、
前記ヘッド部から前記液体を噴射するとき、前記第1流路を開放し、前記第2流路を閉塞し、
前記ヘッド部からの前記液体の噴射を停止したとき、前記第1流路を閉塞し、前記第2流路を開放することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記第2流路の他方の端部が、前記液体貯留部に接続されることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記流路切替部の前記第1流路及び前記第2流路の開閉を制御する制御部を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記第2流路は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液体噴射装置において、
前記第2流路の他方の端部が、前記液体貯留部に接続され、
前記第2流路と前記液体貯留部との接続部は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ヘッド部からの前記液体の噴射を停止したときの前記第2流路の圧力は、大気圧よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記ヘッド部を収容する収容部を備え、
前記収容部は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
前記流路切替部は、前記液体を流通させる流路に対して3ポート以上で接続されることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液体噴射装置において、
前記流路切替部は、三方弁であることを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象物に対して液体を噴射させる様々な液体噴射装置が使用されている。このような液体噴射装置のうち、液体を高圧で噴射する液体噴射装置がある。例えば、特許文献1には、超音波ノズルから高圧で水を噴射する超音波ウォータージェット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような液体を高圧で噴射する液体噴射装置においては、ヘッド部からの液体の噴射を停止してからも、ヘッド部のノズルから液体がしばらく漏れ続け、液体を無駄にすることがあった。これは、例えば、液体の流路であるチューブが、ヘッド部に高圧で液体を送ることで一旦膨らみ、液体の噴射を停止することに伴い収縮することなどに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の液体噴射装置は、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で対象物に衝突させるノズルを有するヘッド部と、前記液体を前記液体貯留部から前記ヘッド部まで送液する送液部と、前記液体が流通し、一方の端部が前記送液部に接続され、他方の端部が前記ヘッド部に接続される第1流路と、前記液体が流通し、一方の端部が前記第1流路に接続される第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との接続部に配置される流路切替部と、を備え、前記流路切替部は、前記ヘッド部から前記液体を噴射するとき、前記第1流路を開放し、前記第2流路を閉塞し、前記ヘッド部からの前記液体の噴射を停止したとき、前記第1流路を閉塞し、前記第2流路を開放することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の液体噴射装置は、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体を連続流で噴射するとともに前記連続流を液滴化させて液滴状で対象物に衝突させるノズルを有するヘッド部と、前記液体を前記液体貯留部から前記ヘッド部まで送液する送液部と、前記液体が流通し、一方の端部が前記送液部に接続され、他方の端部が前記ヘッド部に接続される第1流路と、前記液体が流通し、一方の端部が前記第1流路に接続される第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との接続部に配置される流路切替部と、を備え、前記流路切替部は、前記ヘッド部から前記液体を噴射するとき、前記第1流路を開放し、前記第2流路を閉塞し、前記ヘッド部からの前記液体の噴射を停止したとき、前記第1流路を閉塞し、前記第2流路を開放することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、流路切替部は、ヘッド部から液体を噴射するときには第1流路を開放して第2流路を閉塞し、ヘッド部からの液体の噴射を停止したときには第1流路を閉塞して第2流路を開放する。このため、ヘッド部からの液体の噴射を停止したときにヘッド部のノズルに向かう液体の流れが抑制されるので、ヘッド部からの液体の噴射を停止した際に生じる液体の無駄を低減することができる。
【0009】
本発明の第2の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様において、前記第2流路の他方の端部が、前記液体貯留部に接続されることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、第2流路の他方の端部が液体貯留部に接続される。このため、第2流路の他方の端部から回収された液体を容易に再利用することができる。
【0011】
本発明の第3の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記流路切替部の前記第1流路及び前記第2流路の開閉を制御する制御部を備えることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、流路切替部の第1流路及び第2流路の開閉を制御する制御部を備える。このため、ユーザーが手動で流路切替部の第1流路及び第2流路の開閉を切り替える手間を省くことができる。
【0013】
本発明の第4の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様において、前記第2流路は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、第2流路は液体貯留部に貯留されている液体の液面よりも重力方向において上方に位置する。このため、第2流路において液体貯留部から流路切替部に向かって液体が逆流することで第1流路の液体がヘッド部に向けて流れることを抑制することができる。
【0015】
本発明の第5の態様の液体噴射装置は、前記第4の態様において、前記第2流路の他方の端部が、前記液体貯留部に接続され、前記第2流路と前記液体貯留部との接続部は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、第2流路の他方の端部が液体貯留部に接続され、第2流路と液体貯留部との接続部は液体貯留部に貯留されている液体の液面よりも重力方向において上方に位置する。このため、第2流路において液体貯留部から流路切替部に向かって液体が逆流することで第1流路の液体がヘッド部に向けて流れることを特に効果的に抑制することができる。
【0017】
本発明の第6の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ヘッド部からの前記液体の噴射を停止したときの前記第2流路の圧力は、大気圧よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、ヘッド部からの液体の噴射を停止したときの第2流路の圧力は、大気圧よりも小さくなるように構成されている。このため、第2流路において液体貯留部から流路切替部に向かって液体が逆流することで第1流路の液体がヘッド部に向けて流れることを抑制することができる。
【0019】
本発明の第7の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記ヘッド部を収容する収容部を備え、前記収容部は、前記液体貯留部に貯留されている前記液体の液面よりも重力方向において上方に位置することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、ヘッド部を収容する収容部を備え、収容部は液体貯留部に貯留されている液体の液面よりも重力方向において上方に位置する。このため、収容部に収容されたヘッド部から液体が漏れ出ることを抑制することができる。
【0021】
本発明の第8の態様の液体噴射装置は、前記第1または第2の態様において、前記流路切替部は、前記液体を流通させる流路に対して3ポート以上で接続されることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、流路切替部は液体を流通させる流路に対して3ポート以上で接続される。このような構成とすることで、第1流路及び第2流路を容易に形成することができる。
【0023】
本発明の第9の態様の液体噴射装置は、前記第8の態様において、前記流路切替部は、三方弁である。
【0024】
本態様によれば、流路切替部は三方弁である。このような構成とすることで、流路切替部を簡単な構成とすることができる。
【0025】
[実施例1]
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。ここで、各図中の上下方向は重力方向に対応している。最初に、
図1を参照して本発明の液体噴射装置1の一例である実施例1に係る液体噴射装置1Aの概要について説明する。
図1に示す本実施例の液体噴射装置1Aは、噴射する液体3を貯留する液体貯留部8と、ノズル27を有するヘッド部2と、ヘッド部2と液体貯留部8とをつなぐ流路7と、ポンプなどを有し液体3を液体貯留部8からヘッド部2まで送液する送液部6と、送液部6への制御信号線52を有する制御部5と、を備えている。
【0026】
ここで、ヘッド部2は、液体3を連続流3aで噴射するとともに連続流3aを液滴3b化させて液滴3b状で対象物に衝突させるノズル27を有する。したがって、ユーザーは、このような構成の液体噴射装置1Aを用い、ヘッド部2のノズル27から液体3を噴射させ、所望の対象物に液体3を衝突させることにより、対象物に付着した付着物を洗浄するなど対象物に液体3を塗布することができる。別の表現をすると、本実施例の液体噴射装置1Aは、ヘッド部2に設けられた1または複数のノズル27から方向bに連続状態で噴射された液体3の連続流3aが液滴3bとなる液滴化された状態で該液滴3bを対象物に衝突させる液体噴射装置である。
【0027】
このように、本実施例の液体噴射装置1Aは、噴射液としての液体3を溜める液体貯留部8、液体3を送液する送液部6、送液部6の動作を制御する制御部5及びヘッド部2から構成される。なお、液体貯留部8からヘッド部2までを接続する流路7として軟性樹脂材などを用いる事で、ハンドリング性を良くすることができる。
【0028】
また、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aは、流路7として、液体3が流通し液体貯留部8から送液部6まで接続される上流流路7aと、液体3が流通し一方の端部が送液部6に接続され他方の端部がヘッド部2に接続される第1流路7bと、液体3が流通し一方の端部が第1流路7bに接続される第2流路7cと、を備えている。なお、第2流路7cは、上流流路7aを介して液体貯留部8から流れてきた液体3を液体貯留部8に戻すことが可能な循環流路としての役割をしている。そして、第1流路7bと第2流路7cとの接続部には、流路切替部9が配置されている。
【0029】
流路切替部9は、ヘッド部2から液体3を噴射するときに第1流路7bを開放するとともに第2流路7cを閉塞し、ヘッド部2からの液体3の噴射を停止したときに第1流路7bを閉塞するとともに第2流路7cを開放することが可能な構成となっている。なお、流路切替部9としての本実施例の流路切替部9Aは、回動方向Rに回動可能な切替レバー11を有し、ユーザーが切替レバー11を操作することで、上流流路7aと繋がる流路7を第1流路7bと第2流路7cとで切り替え可能な構成となっている。
【0030】
このように、本実施例の液体噴射装置1Aは、ヘッド部2から液体3を噴射するときには第1流路7bを開放して第2流路7cを閉塞し、ヘッド部2からの液体3の噴射を停止したときには第1流路7bを閉塞して第2流路7cを開放することが可能な流路切替部9Aを備えている。このため、ヘッド部2からの液体3の噴射を停止したときにヘッド部2のノズル27に向かう液体3の流れが抑制されるので、本実施例の液体噴射装置1Aはヘッド部2からの液体3の噴射を停止した際に生じる液体3の無駄を低減することができる。
【0031】
ここで、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aは、第2流路7cの流路切替部9Aと繋がる側とは反対側である他方の端部が、液体貯留部8に接続されている。このため、第2流路7cの他方の端部から回収された液体3を容易に再利用することができる。なお、本実施例においては、第2流路7cの他方の端部から回収された液体3はそのまま液体貯留部8に回収されるので容易に再利用可能である。しかしながら、このような構成に限定されない。例えば、第2流路7cの他方の端部から液体貯留部8とは別の容器などに液体3を回収し、回収された液体3を再度ユーザーが液体貯留部8に入れることなどによって該液体3を再利用する構成などとしてもよい。
【0032】
なお、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aにおいては、第2流路7cは液体貯留部8に貯留されている液体3の液面3Fよりも重力方向において上方に位置するよう配置されている。このため、本実施例の液体噴射装置1Aは、第2流路7cにおいて液体貯留部8から流路切替部9Aに向かって液体3が逆流することで第1流路7aの液体3がヘッド部2に向けて流れることを抑制することができる。なお、「第2流路7cは液体貯留部8に貯留されている液体3の液面3Fよりも重力方向において上方に位置する」とは、第2流路7cの大部分が液面3Fよりも重力方向において上方に位置すれば足りる意味であり、第2流路7cの一部が液面3Fよりも重力方向において下方に位置していてもよい意味である。
【0033】
また、別の観点から説明すると、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aにおいては、第2流路7cの他方の端部が接続部10において液体貯留部8に接続され、第2流路7cと液体貯留部8との接続部10は液体貯留部8に貯留されている液体3の液面3Fよりも重力方向において上方に位置している。このため、本実施例の液体噴射装置1Aは、第2流路7cにおいて液体貯留部8から流路切替部9Aに向かって液体3が逆流することで第1流路7aの液体3がヘッド部2に向けて流れることを特に効果的に抑制している。
【0034】
さらに別の観点から説明すると、
図1で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Aにおいては、ヘッド部2からの液体3の噴射を停止したときの第2流路7cの圧力は、大気圧よりも小さくなるように構成されている。これは、第2流路7cの液体3が自重により液体貯留部8に向かって流れるためである。このため、本実施例の液体噴射装置1Aは、第2流路7cにおいて液体貯留部8から流路切替部9Aに向かって液体3が逆流することで第1流路7aの液体3がヘッド部2に向けて流れることを抑制することができる。なお、本実施例においては、第2流路7cが液体貯留部8に貯留されている液体3の液面3Fよりも重力方向において上方に位置することで第2流路7cの圧力が大気圧よりも小さくなる構成となっているが、このような構成に限定されない。例えば、第2流路7cや液体貯留部8などにポンプなどを接続し、該ポンプを駆動することによって第2流路7c内や液体貯留部8内などを負圧にする構成などとしてもよい。
【0035】
[実施例2]
以下に、実施例2の液体噴射装置1Bについて
図2を参照して説明する。
図2は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図1に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Bは、以下で説明する構成以外については、実施例1の液体噴射装置1Aと同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Bは、下記の説明箇所以外については実施例1の液体噴射装置1Aと同様の特徴を有している。そこで、
図2では上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0036】
図1で表されるように、実施例1の液体噴射装置1Aは、流路切替部9として、切替レバー11を有する流路切替部9Aを備えていた。一方、
図2で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Bは、流路切替部9として、切替レバー11を有さず、その代わりに、制御信号線51で制御部5に電気的に接続された流路切替部9Bを備えている。
【0037】
すなわち、本実施例の液体噴射装置1Bは、流路切替部9Bの第1流路7b及び第2流路7cの開閉を制御する制御部5を備えている。このため、本実施例の液体噴射装置1Bは、ユーザーが手動で流路切替部9の第1流路7b及び第2流路7cの開閉を切り替える手間を省くことができる構成となっている。なお、本実施例の流路切替部9Bは、電磁弁であるが、電磁弁の代わりにエアオペレート式の三方弁などとしてもよい。
【0038】
[実施例3]
以下に、実施例3の液体噴射装置1Cについて
図3を参照して説明する。
図3は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図1に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Cは、以下で説明する構成以外については、実施例2の液体噴射装置1Bと同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Cは、下記の説明箇所以外については実施例1及び実施例2の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図3では上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0039】
図3で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Cは、使用していない状態のヘッド部2を収容する収容部12を備えている。そして、
図3で表されるように、収容部12は、液体貯留部8に貯留されている液体3の液面3Fよりも重力方向において上方に位置するように配置されている。このため、本実施例の液体噴射装置1Cは、収容部12に収容されたヘッド部2から液体3が漏れ出ることを抑制することができる構成になっている。
【0040】
[実施例4]
以下に、実施例4の液体噴射装置1Dについて
図4を参照して説明する。
図4は、実施例1の液体噴射装置1Aにおける
図1に対応する図である。本実施例の液体噴射装置1Dは、以下で説明する構成以外については、実施例2の液体噴射装置1Bと同様である。このため、本実施例の液体噴射装置1Dは、下記の説明箇所以外については実施例1から実施例3の液体噴射装置1と同様の特徴を有している。そこで、
図4では上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示し、詳細な説明は省略する。
【0041】
図1から
図3で表されるように、実施例1から実施例3の液体噴射装置1においては、流路切替部9は、上流流路7a、第1流路7b及び第2流路7cの3本の流路7と接続される構成であった。別の表現をすると、実施例1から実施例3の液体噴射装置1においては、流路切替部9は、三方弁であった。流路切替部9が三方弁である構成とすることで、流路切替部9の構成自体を簡単な構成とすることができる。そして、流路切替部9を簡単な構成とすることで装置の小型化及び低コスト化を達成することができる。
【0042】
一方、
図4で表されるように、本実施例の液体噴射装置1Dにおいては、流路切替部9Cは、上流流路7a、第1流路7b及び第2流路7cに加え、液体回収容器13に繋がる第3流路7dに接続されている。すなわち、本実施例の液体噴射装置1Dにおいては、流路切替部9Cは、液体3を流通させる流路に対して4ポートで接続されている。このように、流路切替部9は液体3を流通させる流路7に対して3ポートに限られず、4ポート以上で接続されていてもよい。実施例1から実施例4の液体噴射装置1のように、流路切替部9は液体3を流通させる流路7に対して3ポート以上で接続されていれば、少なくとも第1流路7b及び第2流路7cを容易に形成することができる。
【0043】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…液体噴射装置、1A…液体噴射装置、1B…液体噴射装置、1C…液体噴射装置、1D…液体噴射装置、2…ヘッド部、3…液体、3a…連続流、3b…液滴、3F…液面、5…制御部、6…送液部、7…流路、7a…上流流路、7b…第1流路、7c…第2流路、7d…第3流路、8…液体貯留部、9…流路切替部、9A…流路切替部、9B…流路切替部、9C…流路切替部、10…接続部、11…切替レバー、12…収容部、13…液体回収容器、27…ノズル、51…制御信号線、52…制御信号線