(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064469
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】振動デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/02 20060101AFI20240507BHJP
H03B 5/32 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H03H9/02 A
H03B5/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173078
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】松澤 勇介
【テーマコード(参考)】
5J079
5J108
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA39
5J079BA43
5J079BA47
5J079HA04
5J079HA07
5J079HA25
5J108BB02
5J108CC04
5J108CC11
5J108DD02
5J108EE03
5J108EE07
5J108FF06
5J108GG03
5J108GG14
(57)【要約】
【課題】電気的特性の劣化を抑えることが可能な、振動デバイスを提供する。
【解決手段】一方面に配置された第1励振電極11A、及び、他方面に配置された第2励振電極11B、を有する振動素子12と、振動素子12を囲む枠部と、を備えた素子基板と、枠部の一方面に接合されたリッド基板と、枠部の他方面に接合されたベース基板と、振動素子12と電気的に接続された発振回路を含む半導体素子と、を有し、枠部と、リッド基板と、ベース基板とにより、振動素子12及び半導体素子を収容するキャビティーが設けられ、ベース基板は、第2励振電極11Bと対向する面に配置され、第1励振電極11Aと半導体素子とを電気的に接続する第1配線31を含み、第1配線31は、平面視で、第2励振電極11Bと重ならない位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面に配置された第1励振電極、及び、他方面に配置された第2励振電極、を有する振動素子と、前記振動素子を囲む枠部と、を備えた素子基板と、
前記枠部の一方面に接合された第1基板と、
前記枠部の他方面に接合された第2基板と、
前記振動素子と電気的に接続された発振回路を含む半導体素子と、
を有し、
前記枠部と、前記第1基板と、前記第2基板とにより、前記振動素子及び前記半導体素子を収容するキャビティーが設けられ、
前記第2基板は、前記第2励振電極と対向する面に配置され、前記第1励振電極と前記半導体素子とを電気的に接続する第1配線を含み、
前記第1配線は、平面視で、前記第2励振電極と重ならない位置に配置されている、振動デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の振動デバイスであって、
前記振動素子は、前記第2励振電極に接続された第2引出電極を備え、
前記第1配線は、平面視で、前記第2励振電極、及び、前記第2引出電極と重ならない位置に配置されている、振動デバイス。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイスであって、
前記第2基板は、前記第2励振電極と対向する面に配置され、前記第2励振電極と前記半導体素子とを電気的に接続する第2配線を含み、
前記第1配線は、前記第2基板の一方側に配置され、
前記第2配線は、前記第2基板の前記一方側と反対の方向である他方側に配置されている、振動デバイス。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイスであって、
前記振動素子は、前記第1励振電極に接続された第1引出電極を備え、
前記第1引出電極は、平面視で、前記第1配線と重なる位置に配置されている、振動デバイス。
【請求項5】
請求項2に記載の振動デバイスであって、
前記第2基板は、前記第2励振電極と対向する面に配置され、前記第2励振電極と前記半導体素子とを電気的に接続する第2配線を含み、
前記第2配線は、平面視で、前記第2引出電極と重なる位置に配置されている、振動デバイス。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の振動デバイスであって、
前記第1配線は、平面視で、前記振動素子と重ならない位置に配置されている、振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、両主面に形成された一対の励振電極により振動する圧電振動部と、圧電振動部を気密に封止するリッド部及びベース部と、ベース部の圧電振動部側に配置された集積回路と、を備えた圧電デバイスの構成が開示されている。
【0003】
ここで、集積回路に近い側の励振電極を第1励振電極と称し、集積回路から遠い励振電極を第2励振電極と称すると、一対の励振電極から集積回路に接続された配線のうち第2励振電極に電気的に接続された配線は、第1励振電極に対向する位置に引き回されて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、第2励振電極に接続された配線が第1励振電極と対向する位置に配置されている、つまり、平面視で重なるように配置されており、配線と第1励振電極との間に電位差が生じることから、寄生容量が大きくなり、発振器の電気的特性が劣化する恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
振動デバイスは、一方面に配置された第1励振電極、及び、他方面に配置された第2励振電極、を有する振動素子と、前記振動素子を囲む枠部と、を備えた素子基板と、前記枠部の一方面に接合された第1基板と、前記枠部の他方面に接合された第2基板と、前記振動素子と電気的に接続された発振回路を含む半導体素子と、を有し、前記枠部と、前記第1基板と、前記第2基板とにより、前記振動素子及び前記半導体素子を収容するキャビティーが設けられ、前記第2基板は、前記第2励振電極と対向する面に配置され、前記第1励振電極と前記半導体素子とを電気的に接続する第1配線を含み、前記第1配線は、平面視で、前記第2励振電極と重ならない位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1に示す振動デバイスのA-A線に沿う断面図。
【
図4】振動デバイスの素子基板の構成を示す平面図。
【
図5】振動デバイスの第1基板としてのリッド基板の構成を示す平面図。
【
図6】振動デバイスの第2基板としてのベース基板の構成を示す平面図。
【
図9】変形例の振動デバイスの素子基板の構成を示す平面図。
【
図10】変形例の振動デバイスのベース基板の構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸を、X軸、Y’軸、及びZ’軸として説明する。これらX軸、Y’軸、及びZ’軸は、後述するように水晶の結晶軸を示す。また、X軸に沿う方向を「X方向」、Y’軸に沿う方向を「Y’方向」、Z’軸に沿う方向を「Z’方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Y’方向を「上」又は「上方」又は「表側」、-Y’方向を「下」又は「下方」又は「裏側」ということもあり、+Y’方向及び-Y’方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Y’方向+側の面を「上面」又は「表面」、これと反対側となるY’方向-側の面を「下面」又は「裏面」として説明する。
【0009】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、振動デバイス100の構成を説明する。
【0010】
図1及び
図2に示すように、振動デバイス100は、一対の励振電極11を有する素子基板10と、素子基板10の一方に配置された第1基板としてのリッド基板20と、素子基板10の他方に配置された第2基板としてのベース基板30と、ベース基板30上に配置された半導体素子40と、を備えている。
【0011】
具体的には、素子基板10は、水晶で構成されており、一方面12aに配置された第1励振電極11A、及び、他方面12bに配置された第2励振電極11B、を有する振動素子12と、振動素子12を囲む枠部13と、を備えている。本実施形態の素子基板10は、ATカット水晶基板で構成されている。
【0012】
ATカットの水晶基板について簡単に説明すると、素子基板10は、互いに直交する結晶軸X、Y、Zを有する。なお、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ、電気軸、機械軸、光学軸と呼ばれる。そして、
図3に示すように、素子基板10は、XZ面をX軸回りに所定の角度θ回転させた平面に沿って切り出された「回転Yカット水晶基板」であり、θ=35°15’回転させた平面に沿って切り出した基板を「ATカット水晶基板」という。以下では、角度θに対応してX軸まわりに回転したY軸およびZ軸をY’軸およびZ’軸とする。すなわち、素子基板10は、Y’軸方向に厚みを有し、X-Z’面方向に広がりを有する。
【0013】
リッド基板20は、素子基板10の枠部13の一方面13aに接合されている。ベース基板30は、素子基板10の枠部13の他方面13bに接合されている。素子基板10と、リッド基板20と、ベース基板30とは、例えば、Au(金)-Au(金)表面活性化接合によって接合されている。半導体素子40は、発振回路を含み、振動素子12と電気的に接続されている。
【0014】
素子基板10の枠部13と、リッド基板20と、ベース基板30と、が合わさることにより、振動素子12及び半導体素子40を収容するキャビティーCが設けられる。キャビティーC内は、例えば、減圧状態、好ましくは、より真空に近い状態となっている。これにより、振動デバイス100の振動特性が高まる。
【0015】
次に、
図4~
図6を参照しながら、素子基板10、リッド基板20、ベース基板30の構成について、具体的に説明する。
【0016】
図4に示すように、素子基板10は、枠状の枠部13と、枠部13の内側に配置された振動素子12と、を有する。振動素子12は、例えば、厚みすべり振動モードとして機能するATカット水晶基板であり、三次の周波数温度特性を有する。なお、素子基板10は、ATカット水晶基板に限定されず、他のカット角、例えば、Zカット、SCカット、STカット、BTカット等の水晶基板であってもよい。
【0017】
また、
図4に示すように、素子基板10には、第1励振電極11Aを枠部13の位置まで引き出す第1引出電極11A1と、第2励振電極11Bを枠部13の位置まで引き出す第2引出電極11B1と、が配置されている。
【0018】
素子基板10において、第1引出電極11A1の端部11A2と重なる位置には、枠部13を貫通する貫通電極14が設けられている。貫通電極14は、ベース基板30に配置された第1配線31(
図6参照)と電気的に接続されている。つまり、第1励振電極11Aは、第1配線31と電気的に接続されている。第1配線31は、半導体素子40と電気的に接続されている。
【0019】
素子基板10において、第2引出電極11B1及び端部11B2と重なる位置には、ベース基板30に配置された第2配線32(
図6参照)と、貫通電極を設けることなく、直接電気的に接続されている。
【0020】
励振電極11A,11Bや引出電極11A1,11B1の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、Ti(チタン)、タングステン(W)等の金属材料、これら金属材料を含む合金を用いることができる。なお、第1配線31及び第2配線32も、上記の材料と同様の材料で構成されている。
【0021】
図5に示すように、リッド基板20は、水晶又はガラス基板で構成されており、裏面側(-Y’軸方向)に、キャビティーCを形成するための凹部(
図2参照)が設けられている。
【0022】
図6に示すように、ベース基板30には、上記したように、半導体素子40、第1配線31、第2配線32、が配置されている。また、ベース基板30には、半導体素子40と電気的に接続された端子部33a,33b,33c,33dが配置されている。
【0023】
各端子部33a,33b,33c,33dは、ベース基板30を貫通する貫通電極34a,34b,34c,34dと電気的に接続されている。各貫通電極34a,34b,34c,34dは、ベース基板30の裏面に配置された外部電極50a,50b,50c,50dと電気的に接続されている。
【0024】
このように、第1励振電極11Aと接続された第1配線31は、平面視で、第2励振電極11Bや第2引出電極11B1と重ならない位置に配置されている。つまり、
図1に示すように、電位の異なる第2励振電極11Bと第1配線31とが重ならないように配置されているため、第1配線31と第2励振電極11Bとの間に寄生容量が発生することを抑えることができる。また、電位の異なる第1配線31と第2引出電極11B1とが重ならないように配置されているため、第1配線31と第2引出電極11B1との間に寄生容量が発生することを抑えることができる。よって、発振回路の電気的特性が劣化することを抑えることができる。
【0025】
一方、第2励振電極11Bと接続された第2配線32は、平面視で、第1励振電極11Aや第1引出電極11A1と重ならない位置に配置されている。つまり、
図1に示すように、電位の異なる第1励振電極11Aと第2配線32とが重ならないように配置されているため、第2配線32と第1励振電極11Aとの間に寄生容量が発生することを抑えることができる。また、電位の異なる第2配線32と第1引出電極11A1とが重ならないように配置されているため、第2配線32と第1引出電極11A1との間に寄生容量が発生することを抑えることができる。よって、発振回路の電気的特性が劣化することを抑えることができる。
【0026】
また、第1引出電極11A1、及び、第1配線31は、ベース基板30、即ち、振動デバイス100の一方側である-Z’方向に引き出されている。第2引出電極11B1、及び、第2配線32は、ベース基板30、即ち、振動デバイス100の他方側である+Z’方向に引き出されている。
【0027】
このように、第1配線31や第2配線32が、一対の励振電極11から互いに離れる方向に延在しているので、引出電極11A1,11B1と、配線31,32とを、平面視で、重ならないように配置することができる。よって、電位の異なる配線が平面視で重なることによる寄生容量の発生を抑えることができる。
【0028】
以上述べたように、本実施形態の振動デバイス100は、一方面12aに配置された第1励振電極11A、及び、他方面12bに配置された第2励振電極11B、を有する振動素子12と、振動素子12を囲む枠部13と、を備えた素子基板10と、枠部13の一方面12aに接合された第1基板としてのリッド基板20と、枠部13の他方面12bに接合された第2基板としてのベース基板30と、振動素子12と電気的に接続された発振回路を含む半導体素子40と、を有し、枠部13と、リッド基板20と、ベース基板30とにより、振動素子12及び半導体素子40を収容するキャビティーCが設けられ、ベース基板30は、第2励振電極11Bと対向する面に配置され、第1励振電極11Aと半導体素子40とを電気的に接続する第1配線31を含み、第1配線31は、平面視で、第2励振電極11Bと重ならない位置に配置されている。
【0029】
この構成によれば、平面視で、電位の異なる第1配線31と第2励振電極11Bとが重ならないように配置されているので、第1配線31と第2励振電極11Bとの間に寄生容量が発生することを抑えることができる。よって、発振回路の電気的特性が劣化することを抑えることができる。
【0030】
また、本実施形態の振動デバイス100において、振動素子12は、第2励振電極11Bに接続された第2引出電極11B1を備え、第1配線31は、平面視で、第2励振電極11B、及び、第2引出電極11B1と重ならない位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、電位の異なる第1配線31と、第2励振電極11B及び第2引出電極11B1と、が平面視で重ならないように配置されているので、第1配線31と第2励振電極11Bとの間、第1配線31と第2引出電極11B1との間、に寄生容量が発生することを抑えることができる。
【0031】
また、本実施形態の振動デバイス100において、ベース基板30は、第2励振電極11Bと対向する面に配置され、第2励振電極11Bと半導体素子40とを電気的に接続する第2配線32を含み、第1配線31は、ベース基板30の一方側に配置され、第2配線32は、ベース基板30の一方側と反対の方向である他方側に配置されていることが好ましい。この構成によれば、ベース基板30において、第1配線31と第2配線32とが離れて配置されているため、互いに電位の異なる配線間で寄生容量が発生することを抑えることができる。
【0032】
以下、上記した実施形態の変形例を説明する。
【0033】
上記したように、同電位である第1引出電極11A1と第1配線31とを、平面視で重ならないように配置することに限定されず、
図7~
図10に示すように、同電位であれば、第1引出電極11A1と第1配線31とを、平面視で重なるように配置してもよい。
【0034】
具体的には、
図7、
図9、
図10に示すように、素子基板10Aに形成された第1引出電極11A1は、ベース基板30に形成された第1配線31と平面視で重なるように配置されている。
図8に示すように、第1引出電極11A1と第1配線31とは、素子基板10Aに形成された貫通電極14によって電気的に接続されている。つまり、同電位である第1引出電極11A1と第1配線31とは、平面視で重なるように配置されている。
【0035】
このように、第1引出電極11A1と第1配線31とは同電位であるので、第1引出電極と第1配線とが平面視で重なるように配置された場合でも、寄生容量が発生することを抑えることができる。更に、ベース基板30A上において、面積が限られたスペースに第1配線31を配置することができる。
【0036】
また、
図7、
図9、
図10に示すように、素子基板10Aに形成された第2引出電極11B1は、ベース基板30Aに形成された第2配線32と平面視で重なるように配置されている。
図8に示すように、第2引出電極11B1と第2配線32とは、貫通電極を設けることなく、直接電気的に接続されている。つまり、同電位である第2引出電極11B1と第2配線32とは、平面視で重なるように配置されている。
【0037】
このように、第2引出電極11B1と第2配線32とは同電位であるので、第2引出電極11B1と第2配線32とが平面視で重なるように配置された場合でも、寄生容量が発生することを抑えることができる。更に、ベース基板30A上において、面積が限られたスペースに第2配線32を配置することができる。
【0038】
以上のように、変形例の振動デバイス100Aにおいて、振動素子12は、第1励振電極11Aに接続された第1引出電極11A1を備え、第1引出電極11A1は、平面視で、第1配線31と重なる位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、第1引出電極11A1は、第1配線31と同様、第1励振電極11Aと電気的に接続された同電位の電極である。よって、第1引出電極11A1と第1配線31とが平面視で重なるように配置された場合でも、寄生容量が発生することを抑えることができる。更に、ベース基板30A上において、面積が限られたスペースに第1配線31を配置することができる。
【0039】
以上のように、変形例の振動デバイス100Aにおいて、振動素子12は、第2励振電極11Bに接続された第2引出電極11B1を備え、第2配線32は、平面視で、第2引出電極11B1と重なる位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、第2引出電極11B1は、第2配線32と同様、第2励振電極11Bと電気的に接続された同電位の電極である。よって、第2引出電極11B1と第2配線32とが平面視で重なるように配置された場合でも、寄生容量が発生することを抑えることができる。更に、ベース基板30A上において、面積が限られたスペースに第2配線32を配置することができる。
【0040】
また、上記したように、凹部を有するベース基板30上に半導体素子40を配置することに限定されず、凹部を有するリッド基板20に半導体素子を配置するようにしてもよい。
【0041】
また、上記したように、第1配線31は、平面視で第2励振電極11Bと重ならないように配置することに限定されず、振動素子12と平面視で重ならないように配置するようにしてもよい。このようにすることにより、第1配線31と第2励振電極11Bとの距離を平面視で遠くすることが可能となり、より寄生容量が発生することを抑えることができる。なお、第2配線32についても同様である。
【0042】
以上のように、変形例の振動デバイスにおいて、第1配線31は、平面視で、振動素子12と重ならない位置に配置されていることが好ましい。この構成によれば、振動素子12と重ならないように第1配線31が配置されているので、第1配線31と第2励振電極11Bとの距離を確保することが可能となり、振動素子12に接続される配線間で寄生容量が発生することを抑えることができる。なお、第2配線32においても同様に配置されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
10,10A…素子基板、11A…第1励振電極、11A1…第1引出電極、11B…第2励振電極、11B1…第2引出電極、12…振動素子、12a…一方面、12b…他方面、13…枠部、13a…一方面、13b…他方面、14…貫通電極、20…第1基板としてのリッド基板、30,30A…第2基板としてのベース基板、31…第1配線、32…第2配線、33a,33b,33c,33d…端子部、34a,34b,34c,34d…貫通電極、40…半導体素子、50a,50b,50c,50d…外部電極、100,100A…振動デバイス。