(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064488
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】泡洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240507BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240507BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q19/10
A61K8/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173107
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】390003001
【氏名又は名称】川研ファインケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平沼 健永
(72)【発明者】
【氏名】中村 寧々
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083BB04
4C083BB07
4C083CC23
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】
十分な弾力のある泡で洗浄することができ、洗浄後のさっぱり感に優れ、経時安定性に優れる、二酸化炭素などのガスを用いない泡洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】
(A)ココイルグルタミン酸塩 2.0~10.0重量%と、
(B)両性界面活性剤 2.0~10.0重量%と、
(C)非イオン界面活性剤 0.5~3.5重量%と、
(D)サクシノイルアルギニンNa 0.001~3.0重量%と、
を含み、
かつ(A)成分/(B)成分=0.2~5.0、
(A)成分+(B)成分=4.0~20.0重量%
の組成であり、pH 5.0~7.0である泡洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ココイルグルタミン酸塩 2.0~10.0重量%と、
(B)両性界面活性剤 2.0~10.0重量%と、
(C)非イオン界面活性剤 0.5~3.5重量%と、
(D)サクシノイルアルギニンNa 0.001~3.0重量%と、
を含み、
かつ(A)成分/(B)成分=0.2~5.0、
(A)成分+(B)成分=4.0~20.0重量%
の組成であり、pH 5.0~7.0である泡洗浄剤組成物。
【請求項2】
(B)成分である両性界面活性剤がラウラミドプロピルアミンオキシド、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシンのうち少なくとも1種である、請求項1に記載の泡洗浄剤組成物。
【請求項3】
(C)成分である非イオン界面活性剤がPPG-2コカミドである、請求項1又は請求項2に記載の泡洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄時には弾力のある泡で洗浄することができ、洗浄後にはさっぱりとした感触が得られ、経時安定性に優れる、二酸化炭素などのガスを使用しない泡洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
泡タイプの洗浄料は液体タイプの洗浄料と比較し、皮膚への負担が少なく、従来、洗顔や身体を目的とした洗浄料として広く使用されている。
例えば、特許文献1では、N-長鎖アシル-α-アミノ酸またはその塩の一種または二種以上を含有することを特徴とするノンガスフォーマー用組成物が提案されているが、泡性能については不十分な場合があった。特許文献2では、N-アシルグルタミン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、及びアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが配合された原液と二酸化炭素を含む泡の洗浄料が提案されているが、二酸化炭素等の圧縮ガスを使用するためには、耐圧容器を必要とし多種多量の包装材料を使用することからリサイクルに多大な労力を必要とすること及び、使用に際して大気中に放出される圧縮ガスが、地球温暖化を促進させる懸念があり、圧縮ガスを使用しない製品と同等の環境負荷で使用するためには、なお改善の余地があった。特許文献3では、アシルグルタミン酸などの陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤と増粘剤を組み合わせた洗浄料が提案されているが、泡性能を向上させるものの、洗浄後のさっぱり感に劣る場合があり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-131809号公報
【特許文献2】特開2020-121945号公報
【特許文献3】特開2018-95606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような問題を解決するために、本発明は、十分な弾力のある泡で洗浄することができ、洗浄後のさっぱり感に優れ、経時安定性に優れる、二酸化炭素などのガスを用いない泡洗浄剤組成物を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ココイルグルタミン酸塩と、特定の両性界面活性剤と、非イオン界面活性剤と、サクシノイルアルギニンNaの組成とした、特定のpH範囲の泡洗浄剤組成物にて、上記課題が解決できることを見出した。さらに、課題である泡弾力性や洗浄後のさっぱり感を改善することを見出し、さらに経時安定性も向上すること見出した為、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)
(A)ココイルグルタミン酸塩 2.0~10.0重量%と、
(B)両性界面活性剤 2.0~10.0重量%と、
(C)非イオン界面活性剤 0.5~3.5重量%と、
(D)サクシノイルアルギニンNa 0.001~3.0重量%と、
を含み、
かつ(A)成分/(B)成分=0.2~5.0、
(A)成分+(B)成分=4.0~20.0重量%
の組成であり、pH 5.0~7.0である泡洗浄剤組成物。
(2)
(B)成分である両性界面活性剤がラウラミドプロピルアミンオキシド、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシンのうち少なくとも1種である、(1)の泡洗浄剤組成物である。
(3)
(C)成分である非イオン界面活性剤がPPG-2コカミドである、(1)又は(2)の泡洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、十分な弾力のある泡で洗浄することができ、洗浄後のさっぱり感に優れ、経時安定性に優れる、二酸化炭素などのガスを用いない泡洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(A)成分であるココイルグルタミン酸塩として、具体的には、ココイルグルタミン酸2Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸Naが好ましく、ココイルグルタミン酸2Na、ココイルグルタミン酸TEAが特に好ましい。
【0009】
(A)成分は、洗浄の主成分である。(A)成分は、泡洗浄剤組成物中に2.0~10.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは3.0~7.0重量%である。2.0重量%を下回ると、本発明の泡洗浄剤組成物における泡弾力が感じられない場合があり、10.0重量%を超えた場合、洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。(A)成分は、1種単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0010】
(B)成分である両性界面活性剤として、アミンオキシド型両性界面活性剤、カルボベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。アミンオキシド型両性界面活性剤として、具体的には、ラウラミドプロピルアミンオキシド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリン(登録商標)LAO-C)、コカミドプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシドなどが挙げられる。カルボベタイン型両性界面活性剤として、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLMEB)、アルキルベタインなどが挙げられる。アミドベタイン型両性界面活性剤として、具体的には、ラウラミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLPB)、コカミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCPB)、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンPKPB)、(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ウンデシレナミドプロピルベタインなどが挙げられる。スルホベタイン型両性界面活性剤として、具体的には、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLSB)、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどが挙げられる。イミダゾリン型界面活性剤として、具体的には、ココアンホ酢酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンCH、CL)、ラウロアンホ酢酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンLHL)、パームアンホ酢酸Na、ココアンホプロピオン酸Na(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のソフタゾリンNS、SF、SFD)、ココアンホジプロピオン酸2Naなどが挙げられる。(B)成分である両性界面活性剤として、ラウラミドプロピルアミンオキシド、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシンが特に好ましい。
【0011】
(B)成分は、泡弾力や洗浄後のさっぱり感を向上させる目的で配合する。(B)成分の泡洗浄剤組成物中の含有量は2.0~10.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは3.0~7.0重量%である。2.0重量%を下回ると、本発明の泡洗浄剤組成物における泡弾力や洗浄後のさっぱり感が感じられない場合があり、10.0重量%を超えた場合、泡洗浄剤組成物における経時安定性が悪くなる場合がある。(B)成分は、1種単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0012】
(A)成分/(B)成分は0.2~5.0とすることが望ましい。より好ましくは0.4~2.2である。(A)成分/(B)成分が0.2を下回ると泡洗浄剤組成物における洗浄後のさっぱり感が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。(A)成分/(B)成分が5.0を超えると泡洗浄剤組成物における洗浄後のさっぱり感が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。(A)成分+(B)成分は4.0~20.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは6.0~14.0重量%である。(A)成分+(B)成分が4.0重量%を下回ると本発明の泡洗浄剤組成物における泡弾力や洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。(A)成分+(B)成分が20.0重量%を超えると、泡洗浄剤組成物における洗浄後のさっぱり感が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。
【0013】
(C)成分である非イオン界面活性剤として、具体的には、PPG-2コカミド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット(登録商標)1PC)、コカミドMEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾール(登録商標)CME)、コカミドDEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾールCDE-G)、パーム核脂肪酸アミドDEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾールKD-1)、ラウラミドDEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾールLDE-G)、(ラウラミド/ミリスタミド)DEA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾールLMDE-Y)、ラウラミドMIPA(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゾールPLME-A)、PEG-3ラウラミド(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のアミゼット2L-Y)、(ラウリル/ミリスチル)グリコールヒドロキシプロピルエーテル(入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のビスコセーフ(登録商標)LMPE)、コカミドメチルMEA、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、2-エチルヘキサン酸グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルサッカライド、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、アルキルポリグルコシド、アルキレングリコール脂肪酸エステル類、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソデシルグリセリルエーテル、オレイン酸とメチルグルコースのジエステルまたはトリエステルのポリエチレングリコールエーテル、グリセリンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース、ジステアリン酸エチレングリコール、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル類、セスキオレイン酸ソルビタン、セテアレス-60ミリスチルグリコール、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル、テトライソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラグリセリンモノラウリルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、プルロニック(登録商標)型類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンエステル類、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンジメチルダイマージオールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・POPアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン-オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルココエート、ポリオキシエチレン-グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンスタノールエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン-ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル類、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸PEG-グリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシブチレン・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル類、ポリオキシプロピレンモノオクチルエーテル、ポリグリセリルエーテル、ポリグリセリルモノアルキルエーテル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリプロピレングリコールカプリリルエーテル、モノアルキルグリセリルエーテル、モノアルケニルグリセリルエーテル、モノオレイン酸エチレングリコール、モノグリセリド誘導体、モノグリセリンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ラウリン酸PEG-4、ラウリン酸ジエチレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、硬化ヒマシ油誘導体、高級脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸オキシブチレン、脂肪酸グリコールエステル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ジオキシブチレン、脂肪族アルキル基を含むブロックポリマー、多価アルコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、糖エーテル系、糖エステル系などが挙げられる。(C)成分である非イオン界面活性剤として、PPG-2コカミドが特に好ましい。
【0014】
(C)成分は、泡弾力や経時安定性を向上させる目的で配合する。(C)成分の泡洗浄剤組成物中の含有量は0.5~3.5重量%とすることが望ましい。より好ましくは1.0~3.0重量%である。0.5重量%を下回ると本発明の泡洗浄剤組成物における泡弾力が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。3.5重量%を上回ると泡洗浄剤組成物における泡弾力や洗浄後のさっぱり感が感じられない場合がある。
【0015】
(D)成分であるサクシノイルアルギニンNaは、例えば、アルギニンと無水コハク酸を反応させることで得られる。サクシノイルアルギニンNaの入手可能な市販品として、川研ファインケミカル社製のカワテクト(登録商標)SASが挙げられる。
【0016】
(D)成分は、泡弾力を向上させる目的で配合する。(D)成分の泡洗浄剤組成物中の含有量は0.001~3.0重量%とすることが望ましい。より好ましくは0.1~2.0重量%である。0.001重量%を下回ると本発明の泡洗浄剤組成物における泡弾力が感じられない場合がある。3.0重量%を上回ると泡洗浄剤組成物における洗浄後のさっぱり感が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。
【0017】
泡洗浄剤組成物のpHは5.0~7.0とすることが望ましい。より好ましくは5.5~6.5である。5.0を下回ると本発明の泡洗浄剤組成物における洗浄後のさっぱり感が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。7.0を上回ると泡洗浄剤組成物における泡弾力が感じられない場合や経時安定性が悪くなる場合がある。泡洗浄剤組成物に使用されるpH調整剤として、KOH、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、クエン酸、乳酸、グルタミン酸、リンゴ酸などの有機酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸が挙げられる。
【0018】
その他、本発明の泡洗浄剤組成物には、必要に応じて、上記以外の成分を本発明の効果を実質上損なわない質的、量的な範囲内で配合することができる。ただし、(A)~(D)成分の効果を阻害する場合がある成分については、添加量のコントロールが必要な場合がある。
【0019】
その他の成分として、例えば、ポリマー類、シリコーン類、グリセリン誘導体類、ポリオール類、糖類又はその誘導体類、保湿剤類、水溶性保湿油類、ホスホコリン誘導体類、ラクトン類、エステル油類又はその誘導体類、天然型セラミド又はその誘導体類、天然油類、水添油類、炭化水素油類、エキス類、天然物抽出物類、天然物抽出成分類、蛋白質類又はその加水分解物類、低級アルコール類、界面活性助剤類、乳化剤類、乳濁剤類、金属イオン封鎖剤類、紫外線吸収剤類、酸化防止剤類、防腐剤類、粉末成分類、ウレタン類、血行促進剤、抗脂漏剤、抗老化薬剤、エモリエント剤、角質溶解剤、皮膚コンディショニング剤、消炎剤、抗炎症剤、清涼剤、アミノ酸又はその誘導体、ビタミン類又はその誘導体、ポリフェノール類、染料、色材、香料等が挙げられる。
【0020】
本発明の泡洗浄剤組成物は、性状は透明の液体であり、洗顔料や身体洗浄料等の製品に用いることが出来る。
【実施例0021】
本発明の効果に関して、以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。実施例において、特に断りのない限り、使用成分は富士フイルム和光純薬社より購入したものを使用した。
【0022】
試験方法
表1、2に示す組成の泡洗浄剤組成物を公知の手法(「実務をふまえた化粧品処方設計と処方関連技術への対応、株式会社情報機構発行、2020年6月24日」に記載)に準じて調製した。pHはクエン酸で調整した。また、pHはpH/ION METER(堀場製作所社、LAQUA(登録商標)F-72)で、25℃で測定した。実施例1~10および比較例1~8に記載する泡洗浄剤組成物を得た。組成における数値は、純分の重量%を示す。実施例1~10の泡洗浄剤組成物の外観は無色透明であった。得られた泡洗浄剤組成物について下記評価を行った。その結果を表1、2に示す。
【0023】
評価方法
泡弾力の評価方法
実施例1~10、および比較例1~8で調製した評価用の泡洗浄剤組成物サンプルをボトル(竹本容器株式会社:AWA-702)に充填し、ポンプヘッド(大和製罐株式会社:M1ポンプフォーマー)を装着し、吐出した泡(0.5g)を回転型レオメーター(Malvern社:Kinexus(登録商標))により、直径50mmのパラレルプレートで、Gap 1.0mm、ひずみ振幅 0.5%、周波数 10Hz、25℃の条件で貯蔵弾性率を測定した。その後、30秒後の貯蔵弾性率において、下記の評価基準により判定した。
<泡弾力の評価基準>
◎:貯蔵弾性率が50Pa以上
〇:貯蔵弾性率が49~26Pa
×:貯蔵弾性率が25Pa以下
【0024】
洗浄後のさっぱり感の評価方法
社内専門パネラー10人に、実施例1~10、および比較例1~8で調製した評価用の泡洗浄剤組成物サンプルをボトル(竹本容器株式会社:AWA-702)に充填し、ポンプヘッド(大和製罐株式会社:M1ポンプフォーマー)を装着し、吐出した泡(1g)を被験者の左腕内側部に乗せ洗浄し、すすいで、タオルドライした。洗浄後のさっぱり感を下記基準により評価した。10名の評価ポイントの平均点でランク分けした。
<洗浄後のさっぱり感>
4:さっぱり感を強く感じる
3:さっぱり感をやや感じる
2:どちらともいえない
1:さっぱり感を全く感じない
ランクは◎:4~3.5、○:3.5未満~3、×:3未満~1とした。
【0025】
経時安定性の評価方法
実施例1~10、および比較例1~8で調製した評価用の泡洗浄剤組成物サンプルをガラス容器(第一硝子株式会社:PS-13K)に100g採取し充填した。その後、50℃で4週間保管した時の外観を下記の評価基準により判定した。
〈経時安定性の評価基準〉
〇:外観が無色透明 変化なし
×:外観に析出物あり
【0026】
【表1】
※1:味の素ヘルシーサプライ社製 アミソフト(登録商標)ECS-22W、※2:味の素ヘルシーサプライ社製 アミソフトCT-12S、※3:川研ファインケミカル社製 ソフタゾリンLAO-C、※4:川研ファインケミカル社製 ソフタゾリンLMEB、※5:川研ファインケミカル社製 アミゼット1PC、※6:川研ファインケミカル社製 カワテクトSAS
【0027】
【0028】
結果
本発明の泡洗浄剤組成物の範囲内で調製された実施例1~10は、泡弾力に優れ、洗浄後のさっぱり感に優れていた。さらに、50℃における経時安定性にも優れていた。
一方で、(A)成分が範囲外、(B)成分が範囲外、(A)成分+(B)成分が範囲外、pHが範囲未満となる比較例1では、洗浄後のさっぱり感、経時安定性が劣った。(A)成分が範囲未満、(B)成分が範囲未満、(A)成分+(B)成分が範囲未満、pHが範囲外となる比較例2では、泡弾力、洗浄後のさっぱり感、経時安定性が劣った。(A)成分が範囲外、(B)成分が範囲未満、(A)成分/(B)成分が範囲外となる比較例3では、泡弾力、洗浄後のさっぱり感、経時安定性が劣った。(A)成分が範囲未満、(B)成分が範囲外、(A)成分/(B)成分が範囲未満となる比較例4では、泡弾力、洗浄後のさっぱり感、経時安定性が劣った。(C)成分が範囲外となる比較例5では、泡弾力、洗浄後のさっぱり感が劣った。(C)成分が範囲未満となる比較例6では、泡弾力、経時安定性が劣った。(D)成分が範囲外となる比較例7では、洗浄後のさっぱり感、経時安定性が劣った。(D)成分が範囲未満となる比較例8では、泡弾力が劣った。