IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -中継プログラム、及び中継装置 図1
  • -中継プログラム、及び中継装置 図2
  • -中継プログラム、及び中継装置 図3
  • -中継プログラム、及び中継装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064520
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】中継プログラム、及び中継装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20240507BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173163
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】水野 晃子
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA16
5B376CA39
5B376CA57
(57)【要約】
【課題】制御プログラムの更新が成功したか否かを把握できるようにする。
【解決手段】中継プログラムは、第1及び第2取得部と、指示部と、判定部とを備える。第1取得部は、更新後の端末装置の制御プログラムのバージョンを取得するよう構成される。指示部は、端末装置における制御プログラムの更新を指示するよう構成される。第2取得部は、再起動した端末装置に搭載されている制御プログラムのバージョンを取得するよう構成される。判定部は、第1取得部が取得したバージョンと、第2取得部が取得したバージョンとに基づき、端末装置にて制御プログラムの更新が行われたか否かを判定するよう構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと端末装置との間の通信を中継するよう構成された中継装置として、コンピュータを動作させる中継プログラムであって、
前記端末装置を制御する制御プログラムの更新を指示する更新指示を前記サーバから受け付けるよう構成された受付部と、
前記更新指示による更新後の前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成された第1取得部と、
前記端末装置における前記制御プログラムの更新を指示するよう構成された指示部と、
再起動した前記端末装置に搭載されている前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成された第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記制御プログラムのバージョンと、前記第2取得部が取得した前記制御プログラムのバージョンとに基づき、前記端末装置にて前記制御プログラムの更新が行われたか否かを判定し、判定結果を外部に出力するよう構成された判定部と、
を備える中継プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載された中継プログラムにおいて、
前記端末装置は、当該端末装置の状態を示すステータス情報を前記中継装置に提供するよう構成されており、
前記ステータス情報は、前記端末装置の起動後最初の通知であることを示す情報と、前記端末装置に搭載されている前記制御プログラムのバージョンを示す情報と、を少なくとも含み、
前記第2取得部は、前記指示部が前記端末装置に対し前記制御プログラムの更新を指示した後、前記端末装置の起動後最初の通知であることを示す情報を含む前記ステータス情報を取得すると、取得した前記ステータス情報から、前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成されている
中継プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された中継プログラムにおいて、
前記第1取得部は、前記更新指示による更新後の前記制御プログラムを取得し、取得した前記制御プログラムを解析することで、更新後の前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成されている
中継プログラム。
【請求項4】
サーバと端末装置との間の通信を中継するよう構成された中継装置であって、
前記端末装置を制御する制御プログラムの更新を指示する更新指示を前記サーバから受け付けるよう構成された受付部と、
前記更新指示による更新後の前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成された第1取得部と、
前記端末装置における前記制御プログラムの更新を指示するよう構成された指示部と、
再起動した前記端末装置に搭載されている前記制御プログラムのバージョンを取得するよう構成された第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記制御プログラムのバージョンと、前記第2取得部が取得した前記制御プログラムのバージョンとに基づき、前記端末装置にて前記制御プログラムの更新が行われたか否かを判定し、判定結果を外部に出力するよう構成された判定部と、
を備える中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバと端末装置との間の通信を中継するための中継プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、スマートフォン等の端末装置を一元管理するMDMシステムにより、プリンタやスキャナ等といった画像形成装置としての機能を有する端末装置を管理する技術が知られている。特許文献1のMDMシステムでは、スマートフォン等を管理するサーバが、中継装置を介して画像形成装置としての端末装置と通信を行い、これらの端末装置を管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-70493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、MDMシステムでは、サーバからの指示に応じて、端末装置にて、当該端末装置を制御する制御プログラム(換言すれば、ファームウェア)の更新を行う場合がある。しかし、制御プログラムの更新のためには端末装置の再起動が必要だが、制御プログラムが更新された端末装置にて、再起動後も更新前の制御プログラムのバージョン情報を保持し続けることは困難である。このため、端末装置では、当該端末装置での制御プログラムの更新の成功を正確に把握するのは困難であり、制御プログラムの更新を指示したサーバにおいても、これを正確に把握することが困難であった。
【0005】
本開示は、制御プログラムの更新が成功したか否かを把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、サーバと端末装置との間の通信を中継するよう構成された中継装置として、コンピュータを動作させる中継プログラムであって、受付部と、第1取得部と、指示部と、第2取得部と、判定部と、を備える。受付部は、端末装置を制御する制御プログラムの更新を指示する更新指示をサーバから受け付けるよう構成される。第1取得部は、更新指示による更新後の制御プログラムのバージョンを取得するよう構成される。指示部は、端末装置における制御プログラムの更新を指示するよう構成される。第2取得部は、再起動した端末装置に搭載されている制御プログラムのバージョンを取得するよう構成される。判定部は、第1取得部が取得した制御プログラムのバージョンと、第2取得部が取得した制御プログラムのバージョンとに基づき、端末装置にて制御プログラムの更新が行われたか否かを判定し、判定結果を外部に出力するよう構成される。
【0007】
上記構成によれば、制御プログラムの更新前に取得した更新後の制御プログラムのバージョンと、再起動された端末装置に搭載されている制御プログラムのバージョンとに基づき、制御プログラムの更新が行われたか否かが判定される。したがって、制御プログラムの更新が成功したか否かを把握できる。
【0008】
本開示の一態様では、端末装置は、当該端末装置の状態を示すステータス情報を中継装置に提供するよう構成されていてもよい。ステータス情報は、端末装置の起動後最初の通知であることを示す情報と、端末装置に搭載されている制御プログラムのバージョンを示す情報と、を少なくとも含んでもよい。第2取得部は、指示部が端末装置に対し制御プログラムの更新を指示した後、端末装置の起動後最初の通知であることを示す情報を含むステータス情報を取得すると、取得したステータス情報から、制御プログラムのバージョンを取得するよう構成されていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、再起動された端末装置に搭載されている制御プログラムのバージョンを、好適に取得できる。
本開示の一態様では、第1取得部は、更新指示による更新後の制御プログラムを取得し、取得した制御プログラムを解析することで、更新後の制御プログラムのバージョンを取得するよう構成されていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、端末装置にて制御プログラムが更新される前に、更新後の制御プログラムのバージョンを好適に取得できる。
また、本開示の別の態様は、上記中継プログラムにより動作するコンピュータに相当する中継装置である。このような態様によれば、制御プログラムの更新が成功したか否かを把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】端末管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】中継装置の構成を示すブロック図である。
図4】端末装置の制御プログラムの更新処理についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0013】
[1.概要]
本実施形態の端末管理システム1は、管理サーバ2と、中継装置3と、複数の端末装置4と、複数のモバイル端末5とを有する(図1参照)。
【0014】
管理サーバ2及び中継装置3は、グローバルネットワークGに接続され、グローバルネットワークGを介して互いに通信可能である。管理サーバ2と中継装置3とは、例えばHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等により互いに通信可能となっている。また、グローバルネットワークGは、どのようなネットワークでもよく、一例としてインターネットであっても良い。
【0015】
端末管理システム1は、いわゆるモバイル端末管理システム(換言すれば、MDMシステム)としての機能を有する。管理サーバ2は、グローバルネットワークGを介して管理対象であるモバイル端末5と通信を行うことで、モバイル端末5を管理可能である。なお、一例として、管理サーバ2は、MDMシステムのサービスの提供者が保有しており、中継装置3は、MDMシステムを利用して各端末装置4を管理する管理者が保有している。
【0016】
[2.端末装置]
端末装置4は、画像形成装置としての機能を有しており、画像データに基づき画像を印刷するプリンタ機能と、シートの画像を読み取り、画像データを生成するスキャン機能とのうちの少なくとも一方を有する。端末装置4は、持ち運び可能な小型の装置として構成されていても良いし、据え置き型の装置として構成されていても良い。
【0017】
端末装置4は、一例として、グローバルネットワークGに接続されており、グローバルネットワークGを介して中継装置3と通信可能となっている。また、一例として、端末装置4は、中継装置3と共にローカルネットワークLに接続されており、ローカルネットワークLを介して中継装置3と通信可能となっていても良い。ローカルネットワークLとは、いわゆるイントラネットであっても良く、有線のネットワークであっても良いし、無線LAN等の無線のネットワークであっても良いし、有線と無線とが混在したネットワークであってもよい。この他にも、端末装置4は、例えば、USBやBluetooth(登録商標)等といった有線又は無線の通信ラインを介して、中継装置3と通信可能となっていても良い。
【0018】
なお、端末装置4は、例えばHTTPS等により、中継装置3と通信可能となっている。また、詳細は後述するが、端末装置4は、中継装置3を介して管理サーバ2と通信を行うよう構成されており、一例として、端末装置4は、中継装置3を介すること無く管理サーバ2と通信を行うことが不可能な構成となっていても良い。
【0019】
端末装置4は、制御部40と、記憶部41と、ユーザI/F42と、通信I/F43とを備える(図2参照)。また、端末装置4は、一例として、印刷部44及び読取部45を備える。
【0020】
制御部40は、CPUを有する。
記憶部41は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。つまり、端末装置4は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。
【0021】
記憶部41には、端末装置4を統括制御するための制御プログラム41A(換言すれば、ファームウェア)が保存されており、制御部40が制御プログラム41Aに従って動作することで、端末装置4の各種機能を実現する。なお、制御部40により実現される各種機能は、制御プログラム41Aの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0022】
ユーザI/F42は、例えばボタンやタッチパネル等、各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F42は、さらに、例えば液晶パネルやLED表示装置等の表示装置を備える。
【0023】
通信I/F43は、例えば、グローバルネットワークGや、ローカルネットワークLや、USBやBluetooth等の通信ラインを介して、中継装置3等の装置と通信を行うための部位である。
【0024】
また、印刷部44は、上述したプリンタ機能を実現するための部位であり、読取部45は、上述したスキャン機能を実現するための部位である。無論、端末装置4は、印刷部44及び読取部45の一方を備えていても良い。
【0025】
[3.中継装置]
中継装置3は、管理サーバ2と端末装置4との間の通信を中継するよう構成されている。つまり、端末装置4は、中継装置3を介して管理サーバ2と通信を行う。中継装置3は、制御部30と、記憶部31と、ユーザI/F32と、通信I/F33とを備える(図3参照)。
【0026】
制御部30は、CPUを有する。
記憶部31は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリ、SSDなどの半導体メモリを有する。さらに、記憶部31は、例えばハードディスクドライブ等を有していても。つまり、中継装置3は、CPU及び半導体メモリを含むコンピュータを備えている。
【0027】
中継装置3は、OS31Aや中継プログラム31B(詳細は後述する)を含む各種プログラムがインストールされている。記憶部31には、非遷移的実体的記録媒体としての構成を有しており、OS31Aや中継プログラム31B等のプログラムが保存される。制御部30が、非遷移的実体的記録媒体である記憶部31に保存されているOS31Aや中継プログラム31B等のプログラムを実行することで、中継装置3の各種機能が実現される。なお、制御部30により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0028】
中継プログラム31Bは、例えば、中継装置3に予めインストールされていても良い。また、中継プログラム31Bは、例えば、DVD-ROMやUSBメモリ等の記憶媒体に記憶された状態で提供され、中継装置3にて該記憶媒体から中継プログラム31Bを読み取ることで、中継装置3にインストールされてもよい。また、中継プログラム31Bは、例えば、グローバルネットワークGやローカルネットワークLを介してダウンロードすることで、中継装置3にインストールされてもよい。
【0029】
この他にも、記憶部31には、後述するアクションを登録するためのデータベースであるアクションDBが形成されている。
ユーザI/F32は、例えばキーボードやマウスなど、管理者による各種入力を受け付けるための入力装置を備える。ユーザI/F32は、さらに、例えば液晶パネルやLED表示装置等の表示装置を備える。
【0030】
通信I/F33は、例えばグローバルネットワークGを介して、管理サーバ2と通信を行う。また、通信I/F33は、例えば、グローバルネットワークGや、ローカルネットワークLや、USBやBluetooth等の通信ラインを介して、端末装置4と通信を行う。
【0031】
[4.端末管理システムの機能]
端末装置4の管理者は、例えばWebブラウザを用いて管理サーバ2における管理用サイトにアクセスすることにより、端末装置4を管理する。管理サーバ2は、管理用サイトを介して管理者から受け付けた指示に従い、中継装置3を介して端末装置4と通信を行うことで、端末装置4を管理する。なお、中継装置3における端末装置4を管理するための機能は、制御部30が中継プログラム31Bを実行することで実現される。
【0032】
一例として、端末管理システム1は、アクション指示機能と、定期監視機能と、セルフチェック監視機能とを有する。
アクション指示機能とは、端末装置4にアクションを実行させる機能である。アクションとは、例えば、各種設定値の更新、制御プログラム41Aの更新、証明書のインストール、ファイルのダウンロード、ステータス情報の送信等であっても良い。
【0033】
中継装置3は、端末装置4に実行させるアクションを記憶部31に設けられたアクションDBに登録する。また、端末装置4は、当該端末装置4にて実行すべきアクションの有無を判定するため、中継装置3に対しポーリングを行う。一例として、端末装置4は、周期的なタイミング(例えば、5秒間隔)で、端末装置4に対しポーリングコマンドを送信する。中継装置3は、端末装置4からポーリングコマンドを受信すると、該端末装置4が実行すべきアクションがアクションDBに登録されているか否かを判定する。そして、該アクションが登録されていれば、中継装置3は、該端末装置4に対し、実行すべきアクションを示すコマンドを送信する。
【0034】
定期監視機能とは、中継装置3が、端末装置4から、該端末装置4のステータスを示すステータス情報を定期的に取得する機能である。なお、ステータス情報に含まれるステータスとは、例えば、画像形成機能に関する各種設定値や、バッテリ56の残量や、着色剤の残量や、用紙の残量や、端末装置4が存在する場所や、端末装置のユーザ名等であっても良い。
【0035】
この他にも、ステータス情報は、端末装置4の制御プログラム41Aのバージョンを示すステータスと、端末装置4の起動後における最初のステータス情報の通知であることを示すステータス(以後、スタートアップフラグ)を含む。端末装置4は、電源投入による起動や、制御プログラム41Aの更新に伴う再起動に起因して、ステータス情報を送信する。そして、該ステータス情報のスタートアップフラグは、ON状態となる。一方、端末装置4の起動後又は再起動後、2回目以降に送信されるステータス情報のスタートアップフラグは、OFF状態となる。
【0036】
中継装置3の記憶部31には、各端末装置4のステータス情報を蓄積した管理DBが設けられている。中継装置3の制御部30は、ステータス情報を受信すると、該ステータス情報に基づいて管理DBを更新する。
【0037】
セルフチェック監視機能とは、端末装置4にてステータスが変化すると、変化後のステータスを示すステータス情報を該端末装置4から中継装置3に送信する機能である。中継装置3の制御部30は、該ステータス情報を受信すると、該ステータス情報に基づいて管理DBを更新する。
【0038】
このため、例えば、管理者は、管理用サイトを介して中継装置3の管理DBにアクセスし、端末装置4のステータスを確認できる。また、例えば、管理者は、管理用サイトを介して、端末装置4に対するアクションを要求できる。
【0039】
この他にも、管理者は、管理サーバ2を介することなく、中継装置3に直接アクセスすることによって、管理サーバ2を用いた場合と同様にして端末装置4を管理することもできる。例えば、管理者は、中継装置3のユーザI/F34を操作することによって、又は、Webブラウザを用いて中継装置3における管理用サイトにアクセスすることによって、端末装置4を管理することができる。
【0040】
[5.端末装置の制御プログラムの更新]
次に、サーバから提供される新たなバージョンの制御プログラム(以後、新制御プログラム)により、端末装置4の制御プログラム41Aを更新する更新処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。本処理は、上述したアクションの1つとして実行される。なお、新制御プログラムを提供するサーバは、グローバルネットワークGに接続されていても良いし、端末装置4が接続されているローカルネットワークLに接続されていても良い。また、本処理においては、中継装置3での処理は、制御部30が中継プログラム31Bに従って動作することで実現され、端末装置4での処理は、制御部40が制御プログラム41Aに従って動作することで実現される。
【0041】
S100では、管理サーバ2は、管理用サイトを介して端末装置4の管理者から受け付けた指示に従い、中継装置3に対し、制御プログラム41Aの更新指示を送信する。この時、管理サーバ2は、中継装置3に対し、制御プログラム41Aを更新する端末装置4の識別情報や、新制御プログラムを提供するサーバを特定するサーバ情報(例えば、URL等)を送信しても良い。
【0042】
S105では、制御プログラム41Aの更新指示を受信した中継装置3の制御部30は、サーバから新制御プログラムをダウンロードする。続くS110では、制御部30は、ダウンロードした新制御プログラムを解析し、新制御プログラムが端末装置4に対応するファームウェアであるか否かを判定すると共に、新制御プログラムのバージョンを把握する。そして、制御部30は、新制御プログラムのバージョンを記憶部31に保存すると共に、ダウンロードした新制御プログラムを破棄する。なお、制御部30は、サーバから新制御プログラムをダウンロードすること無く、サーバから新制御プログラムのバージョンを取得しても良い。続くS115では、制御部30は、「制御プログラム41Aの更新」を、管理サーバ2から指定された端末装置4のアクションとして、アクションDBに登録する。
【0043】
なお、例えば、中継装置3と通信可能な端末装置4が存在しない場合等のように、中継装置3による端末装置4の制御プログラム41Aの更新が不可能な場合が想定される。このような場合には、中継装置3の制御部30は、登録した「制御プログラム41Aの更新」をアクションDBから削除すると共に、管理サーバ2に対し、制御プログラム41Aの更新が不可能である旨を送信する。
【0044】
S120では、端末装置4の制御部40は、当該端末装置4にて実行すべきアクションの有無を確認するため、中継装置3に対しポーリングコマンドを送信する。そして、アクションDBに、該端末装置4に対するアクションとして「制御プログラム41Aの更新」が登録されている場合には、中継装置3の制御部30は、該端末装置4に対し、「制御プログラム41Aの更新」を指示するコマンドを送信する。この時、新制御プログラムを提供するサーバのサーバ情報も、該端末装置4に送信される。
【0045】
なお、上記コマンドを受信した端末装置4の制御部40は、中継装置3に対し、アクションDBからの指示されたアクションの削除を指示するコマンドを送信する。該コマンドを受信した中継装置3の制御部30は、該アクションをアクションDBから削除する。
【0046】
S125では、中継装置3の制御部30は、S110で把握した新制御プログラムのバージョンを、記憶部31に保存する。そして、S130にて、制御部30は、管理サーバ2に対し、端末装置4での制御プログラム41Aの更新が開始された旨を送信する。
【0047】
一方、S135では、端末装置4の制御部40は、サーバ情報により特定されたサーバから新制御プログラムをダウンロードする。そして、S140では、制御部40は、中継装置3に対し、新制御プログラムのダウンロードに成功したか否かを送信し、S145では、制御部40は、ダウンロードした新制御プログラムを記憶部41に保存する。そして、S150では、制御部40は、ダウンロードした新制御プログラムにより、記憶部41に保存されている制御プログラム41Aを更新する。
【0048】
なお、制御プログラム41Aの更新指示を受信した後、制限時間を経過しても端末装置4にて新制御プログラムのダウンロードがされない場合には、中継装置3の制御部30は、管理サーバ2に対し、制御プログラム41Aの更新に失敗した旨を送信する。
【0049】
制御プログラム41Aの更新が完了すると、端末装置4が再起動され(S155)、制御部40は、再起動に起因してステータス情報を中継装置3に送信する(S160)。そして、再起動後、最初に送信されるステータス情報のスタートアップフラグは、ON状態となっている。また、再起動後に送信されるステータス情報は、新制御プログラムのバージョンを含んでいる。
【0050】
一方、ステータス情報を受信した中継装置3の制御部30は、該ステータス情報に含まれるスタートアップフラグがON状態か否かを判定する(S165)。そして、制御部30は、該スタートアップフラグがON状態であれば、該ステータス情報に含まれる制御プログラム41Aのバージョンを、更新後の制御プログラム41Aのバージョンとして把握する。制御部30は、S125にて保存したバージョンと、新たに把握したバージョンが一致する場合には、制御プログラム41Aの更新が成功したと判定し、これらのバージョンが一致しない場合には、制御プログラム41Aの更新が失敗したと判定する。
【0051】
そして、S170では、中継装置3の制御部30は、管理サーバ2に対し、制御プログラム41Aの更新が成功したか否かの判定結果を送信する。続くS175では、制御部30は、管理サーバ2に対し、制御プログラム41Aの更新を指示した端末装置4における、最新のステータス情報を送信する。
【0052】
なお、S100にて管理サーバ2から中継装置3に送信される制御プログラム41Aの更新指示は、複数の端末装置4の制御プログラム41Aを一括して更新することを指示するものであっても良い。このような場合には、制御プログラム41Aが更新される各端末装置4に対応して、S115~S175と同様の処理を実行することで、これらの端末装置4の制御プログラム41Aが更新されても良い。
【0053】
[6.効果]
(1)上記実施形態によれば、端末装置4での制御プログラム41Aの更新前に取得した新制御プログラムのバージョンと、再起動された端末装置4に搭載されている制御プログラム41Aのバージョンとに基づき、制御プログラムの更新が行われたか否かが判定される。したがって、制御プログラム41Aの更新が成功したか否かを把握できる。
【0054】
(2)また、中継装置3は、スタートアップフラグがON状態であるステータス情報に含まれる制御プログラム41Aのバージョンを、更新後の制御プログラム41Aのバージョンとして把握する。このため、再起動された端末装置4に搭載されている制御プログラム41Aのバージョンを、好適に取得できる。
【0055】
(3)また、中継装置3は、端末装置4での制御プログラム41Aの更新前に、更新後の新制御プログラムをサーバからダウンロードし、新制御プログラムを解析することで、新制御プログラムのバージョンをチェックする。このため、端末装置4での制御プログラム41Aの更新前に、新制御プログラムのバージョンを好適に取得できる。
【0056】
[7.他の実施形態]
(1)上記実施形態では、中継装置3と端末装置4とは、直接通信を行うよう構成されている。しかし、これに限らず、中継装置3と端末装置4とは、仲介装置を介して通信を行っても良い。具体的には、上記実施形態では、一例として、中継装置3と端末装置4とはHTTPSにより通信を行うが、例えば、端末装置4がHTTPSに対応していない場合には、HTTPSによる通信が可能な仲介装置を用いても良い。すなわち、端末装置4と仲介装置との間では、例えばHTTPにより通信を行い、仲介装置と中継装置3との間ではHTTPSにより通信を行うことで、中継装置3と端末装置4との間の通信を、仲介装置により中継しても良い。
【0057】
なお、この場合においても、上述した更新処理と同様にして端末装置4の制御プログラム41Aが更新される。しかし、更新処理のS135では、端末装置4は、仲介装置を介してサーバから新制御プログラムをダウンロードしても良い。すなわち、仲介装置は、サーバから新制御プログラムをダウンロードした後、該新制御プログラムを、端末装置4に提供しても良い。無論、これに限らず、端末装置4は、サーバから新制御プログラムを直接ダウンロードしても良い。
【0058】
(2)また、端末装置4が中継装置3にポーリングを行うことで、中継装置3から端末装置4に対してアクションを示すコマンドが送信される。しかし、中継装置3から端末装置4への送信方法は、これに限らず、様々な方法で実現され得る。
【0059】
(3)上記実施形態では、スタートアップフラグ及び制御プログラム41Aのバージョンは、端末装置4のステータス情報の一部として、端末装置4から中継装置3に送信される。しかし、これに限らず、スタートアップフラグや制御プログラム41Aのバージョンは、ステータス情報とは別に、端末装置4から中継装置3に送信されても良い。具体的には、例えば、HTTPSにより端末装置4と中継装置3との間の通信が行われる場合であれば、クエリパラメータを用いて、スタートアップフラグや制御プログラム41Aのバージョンを中継装置3に送信しても良い。
【0060】
(4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0061】
(5)上述した中継装置3の他、中継プログラム31Bが記憶されている、例えば半導体メモリやハードディスクドライブ等の非遷移的実体的記録媒体や、中継プログラム31Bにより実現される更新処理に対応する方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0062】
[8.文言の対応関係]
更新処理のS100が受付部の一例に相当し、S105、S110が第1取得部の一例に相当し、S115、S120が指示部の一例に相当し、S160が第2取得部の一例に相当し、S165、S170が判定部の一例に相当する。
【符号の説明】
【0063】
1…端末管理システム、2…管理サーバ、3…中継装置、30…制御部、31…記憶部、31B…中継プログラム、4…端末装置、40…制御部、41…記憶部、41A…制御プログラム、42…印刷部、43…読取部、G…グローバルネットワーク、L…ローカルネットワーク。
図1
図2
図3
図4