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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006457
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】安全運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240110BHJP
   B60W 30/16 20200101ALI20240110BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107330
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】鷹左右 康
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BB27
3D241BC01
3D241CD11
3D241CD12
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DC02Z
3D241DC04Z
3D241DC05Z
3D241DC42Z
3D241DC43Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】カーブの先に自車両から確認できない障害物等があったときに、先行車両に急接近することなく、運転者が安心して走行することができる安全運転支援装置を提供する。
【解決手段】安全運転支援装置1は、自車両MVの前方を走行する先行車両SVと自車両MVとの車間距離Lを検出する車間距離検出部30と、先行車両SVの走行速度VSVを検出する先行車両速度検出部50と、先行車両SVの走行速度VSVに基づいて、先行車両SVの減速度GSVを検出する先行車両減速度検出部60と、車間距離Lと、先行車両SVの走行速度VSVと、自車両MVの現在位置と、地図情報から取得したカーブの情報とに基づいて、先行車両SVがカーブに進入するときの想定減速度Gtを算出する想定減速度算出部90と、減速度GSVが想定減速度Gtよりも大きい場合には、自車両MVの走行速度を減速させる制御を行う車両制御部110とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前方を走行する先行車両と前記自車両との車間距離を検出する車間距離検出部と、
前記先行車両の走行速度を検出する先行車両速度検出部と、
前記先行車両の走行速度に基づいて、前記先行車両の減速度を検出する先行車両減速度検出部と、
前記車間距離と、前記先行車両の走行速度と、地図情報から取得したカーブの情報とに基づいて、前記先行車両が前記カーブに進入するときの想定減速度を算出する想定減速度算出部と、
前記先行車両の減速度が前記想定減速度よりも大きい場合には、前記自車両の速度を減速させる制御を行う車両制御部と、
を備えることを特徴とする安全運転支援装置。
【請求項2】
想定減速度算出部は、前記地図情報から、少なくとも前記カーブの開始位置および前記カーブの曲率半径を取得することを特徴とする請求項1に記載の安全運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転者の車両操作における負担を軽減させつつ、車両の安全走行を支援する運転支援システムが実用化され、広く普及している。
例えば、先行車両との車間距離を保ちながら、自車両の速度を自動制御する運転支援システムが知られている。
ここで、自車両の速度を自動制御する運転支援システムとして、ナビゲーション装置から取得した自車両前方のカーブの道路形状に応じて、自車両の車速を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-262895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した運転支援システムでは、道路形状等に基づいて、走行速度が決定されるため、例えば、ブラインドカーブの先に障害物(工事、停車車両、渋滞の最後尾車両等)があり、先行車両が急減速した場合には、自車両と先行車両との距離が、急激に近くなってしまうという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、カーブの先に自車両から確認できない障害物等があったときに、先行車両に急接近することなく、運転者が安心して走行することができる安全運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、自車両の前方を走行する先行車両と前記自車両との車間距離を検出する車間距離検出部と、前記先行車両の走行速度を検出する先行車両速度検出部と、前記先行車両の走行速度に基づいて、前記先行車両の減速度を検出する先行車両減速度検出部と、前記車間距離と、前記先行車両の走行速度と、地図情報から取得したカーブの情報とに基づいて、前記先行車両が前記カーブに進入するときの想定減速度を算出する想定減速度算出部と、前記先行車両の減速度が前記想定減速度よりも大きい場合には、前記自車両の速度を減速させる制御を行う車両制御部と、を備える安全運転支援装置を提案している。
【0007】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、想定減速度算出部は、前記地図情報から、少なくとも前記カーブの開始位置および前記カーブの曲率半径を取得する想定減速度算出部は、前記地図情報から、少なくとも前記カーブの開始位置および前記カーブの曲率半径を取得する安全運転支援装置を提案している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、カーブの先に自車両から確認できない障害物等があったときに、先行車両に急接近することなく、運転者が安心して走行することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る安全運転支援装置の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る安全運転支援装置の車間距離検出部、自車両速度検出部および先行車両検出部が検出するパラメータと、地図情報から取得するカーブ情報と、を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る安全運転支援装置の減速制御が行われるときの、先行車両、自車両および障害物との位置関係を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る安全運転支援装置の処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
図1から図4を用いて、本実施形態に係る安全運転支援装置1について説明する。
【0011】
<安全運転支援装置1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る安全運転支援装置1は、撮像部10と、先行車両検出部20と、車間距離検出部30と、自車両速度検出部40と、先行車両速度検出部50と、先行車両減速度検出部60と、現在位置検出部70と、地図情報格納部80と、想定減速度算出部90と、ブレーキ制御部100と、車両制御部110と、を含んで構成されている。
【0012】
撮像部10は、例えば、単眼カメラやステレオカメラ等で構成され、自車両の前方の画像を撮像し、その画像を後述する先行車両検出部20および車間距離検出部30に送信する。
【0013】
先行車両検出部20は、自車両の前方に車両が走行しているか否かを検出する。
具体的には、図2に示すように、先行車両検出部20は、撮像部10から受信した、自車両MVの前方を撮像した画像を解析し、自車両MVが走行する車両通行帯の前方を先行車両SVが走行しているか否かを検出する。
先行車両検出部20は、検出結果を、後述する車両制御部110に送信する。
【0014】
車間距離検出部30は、自車両MVの前方を走行する先行車両SVと自車両MVとの車間距離を検出する。
具体的には、図2に示すように、車間距離検出部30は、撮像部10から受信した、自車両MVの前方を撮像した画像を解析し、自車両MVと先行車両SVとの車間距離Lを検出する。
車間距離検出部30は、検出した車間距離Lを、後述する先行車両速度検出部50、想定減速度算出部90および車両制御部110に送信する。
【0015】
自車両速度検出部40は、自車両MVの走行速度VMVを検出する。
具体的には、自車両速度検出部40は、例えば、車速パルスを取得して、自車両MVの現在の走行速度VMVを検出し、検出した走行速度VMVを、後述する先行車両速度検出部50に送信する。
【0016】
先行車両速度検出部50は、先行車両SVの走行速度VSVを検出する。
具体的には、先行車両速度検出部50は、車間距離検出部30から受信した車間距離Lの単位時間当たりの変化量から、自車両MVと先行車両SVとの相対速度差を算出し、自車両速度検出部40から受信した自車両MVの走行速度VMVに基づいて、先行車両SVの走行速度VSVを検出する。
先行車両速度検出部50は、検出した走行速度VSVを、後述する先行車両減速度検出部60および想定減速度算出部90に送信する。
【0017】
先行車両減速度検出部60は、先行車両SVの走行速度VSVに基づいて、先行車両SVの減速度GSVを検出する。
具体的には、先行車両減速度検出部60は、先行車両速度検出部50から受信した、走行速度VSVの単位時間当たりの変化量から、先行車両SVの減速度GSVを検出する。
先行車両減速度検出部60は、検出した減速度GSVを、後述する車両制御部110に送信する。
【0018】
現在位置検出部70は、自車両MVの現在位置を検出する。
具体的には、現在位置検出部70は、例えば、GPS受信機であって、GPS衛星からの信号を受信し、自車両MVの現在位置を検出する。
現在位置検出部70は、検出した現在位置情報を、後述する想定減速度算出部90および車両制御部110に送信する。
【0019】
地図情報格納部80は、地図情報を格納している。
具体的には、地図情報格納部80は、少なくとも、道路情報、特に、道路のカーブ情報(カーブの開始位置、カーブの曲率半径R)を格納している。
なお、自車両MVがナビゲーション装置を搭載している場合には、ナビゲーション装置の地図情報格納部と地図情報格納部80とを共用して、安全運転支援装置1を構成してもよい。
また、地図情報格納部80が、インターネット回線に接続されたサーバであってもよい。
このとき、安全運転支援装置1は、図示しない通信部を介して、インターネット回線に接続し、サーバから地図情報およびカーブ情報を取得する。
【0020】
想定減速度算出部90は、車間距離Lと、先行車両SVの走行速度VSVと、地図情報から取得したカーブの情報とに基づいて、先行車両SVがカーブに進入するときの想定減速度Gtを算出する。
想定減速度算出部90は、地図情報格納部80から、少なくとも、カーブの開始位置およびカーブの曲率半径Rを取得する。
想定減速度算出部90は、算出した想定減速度Gtを、後述する車両制御部110に送信する。
ここで、想定減速度算出部90が算出する想定減速度Gtの算出方法の一例について説明する。
【0021】
想定減速度算出部90は、地図情報格納部80から取得した、自車両MVが走行する前方にあるカーブの曲率半径R(m)と、予め設定された規定横加速度G(m/sec)とから、そのカーブにおける想定走行速度V(m/sec)を算出する。
つまり、想定減速度算出部90は、カーブの曲率半径Rに基づいた、カーブの走行速度(想定走行速度V)を算出する。
なお、想定走行速度Vは、以下の数1により算出される。
【0022】
【数1】
【0023】
ここで、横加速度とは、カーブ走行時に、車両の横方向に発生する加速度のことであり、規定横加速度Gとは、車両が安全にカーブを走行できる横方向の加速度の最大値である。
なお、想定減速度算出部90は、例えば、規定横加速度G=0.2×9.8(m/sec)に設定し、想定走行速度Vを算出する。
【0024】
次に、想定減速度算出部90は、先行車両速度検出部50から受信した、先行車両SVの走行速度VSV(m/sec)と、先行車両SVの現在位置からカーブの開始位置までの距離Lt(m)と、想定走行速度V(m/sec)と、に基づいて、想定減速度Gt(m/sec)を算出する。
具体的には、図2に示すように、想定減速度算出部90は、現在位置検出部70から取得した自車両MVの現在位置情報と、地図情報格納部80から取得したカーブの開始位置情報とに基づいて、自車両MVの現在位置からカーブの開始位置までの距離LMVを算出する。
想定減速度算出部90は、自車両MVの現在位置からカーブの開始位置までの距離LMVと、車間距離検出部30から取得した車間距離Lとに基づいて、先行車両SVの現在位置からカーブの開始位置までの距離Ltを算出する。
先行車両SVの現在位置からカーブの開始位置までの距離Ltは、以下の数2により算出される。
【0025】
【数2】
【0026】
想定減速度算出部90は、想定減速度Gtを、以下の数3により算出する。
【0027】
【数3】
【0028】
上述したように、想定減速度算出部90は、先行車両SVが前方のカーブを走行するときの想定走行速度Vを算出し、先行車両SVがカーブに進入するまでに(距離Ltを走行するまでに)、現在の走行速度VSVを想定走行速度Vまで減速させたときの減速度(想定減速度Gt)を算出する。
【0029】
ブレーキ制御部100は、後述する車両制御部110から自車両MVの速度を減速させる指示を受信したときに、ブレーキ等を制御して自車両MVの走行速度を減速させる。
【0030】
車両制御部110は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従って、安全運転支援装置1全体の動作を制御する。
本実施形態においては、車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtよりも大きい場合には、自車両MVの速度を減速させる制御を行う。
具体的には、車両制御部110は、想定減速度算出部90において算出された想定減速度Gtと、先行車両減速度検出部60において算出された減速度GSVとを比較し、減速度GSVが想定減速度Gtよりも大きい場合には、自車両MVの速度を減速させる旨の指示を、ブレーキ制御部100に送信し、自車両MVの速度を減速させる。
つまり、図3に示すように、先行車両SVが前方のカーブに近づいたときに、例えば、街路樹や建物等の遮蔽物により確認することができなかった障害物(例えば、カーブの先にある渋滞の最後尾車両JV)を発見し、急な減速が行われたときに、車両制御部110は、自車両MVの速度を減速させる。
なお、車両制御部110は、自車両MVの速度を減速させる制御を行うときには、自車両MVの運転者に対して、警告音の出力や、衝突に対する注意喚起を行う表示等を合わせて行う。
【0031】
<安全運転支援装置1の処理>
図4を用いて、安全運転支援装置1の処理の詳細について説明する。
【0032】
車両制御部110は、自車両MVの前方に先行車両SVが走行しているか否かを判定する(ステップS110)。
具体的には、車両制御部110は、先行車両検出部20から受信した検出結果に基づいて、自車両MVの前方に先行車両SVが走行しているか否かを判定する。
車両制御部110は、自車両MVの前方に先行車両SVが走行していると判定した場合(ステップS110の「YES」)には、処理をステップS120に移行させる。
一方で、車両制御部110は、自車両MVの前方に先行車両SVが走行していないと判定した場合(ステップS110の「NO」)には、処理をステップS110に戻し、待機状態に移行する。
【0033】
車両制御部110は、自車両MVの前方に先行車両SVが走行していると判定した場合(ステップS110の「YES」)には、自車両MVの前方にカーブがあるか否かを判定する(ステップS120)。
具体的には、車両制御部110は、現在位置検出部70から受信した自車両MVの現在位置情報と、地図情報格納部80から取得したカーブ情報とに基づいて、自車両MVの前方にカーブがあるか否かを判定する。
車両制御部110は、自車両MVの前方にカーブがあると判定した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行させる。
一方で、車両制御部110は、自車両MVの前方にカーブがないと判定した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS110に戻し、処理を継続させる。
【0034】
車両制御部110において、自車両MVの前方にカーブがあると判定された場合(ステップS120の「YES」)には、想定減速度算出部90は、先行車両SVの想定減速度Gtを算出し(ステップS130)、処理をステップS140に移行させる。
【0035】
先行車両減速度検出部60は、先行車両SVの減速度GSVを算出し(ステップS140)、処理をステップS150に移行させる。
【0036】
車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより大きいか否かを判定する(ステップS150)。
車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより大きいと判定した場合(ステップS150の「YES」)には、処理をステップS170に移行させる。
一方で、車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより小さいと判定した場合(ステップS150の「NO」)には、処理をステップS160に移行させる。
【0037】
車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより小さいと判定した場合(ステップS150の「NO」)には、先行車両SVが前方のカーブに進入したか否かを判定する(ステップS160)。
具体的には、車両制御部110は、現在位置情報とカーブの開始位置情報とから算出した、自車両MVからカーブの開始位置までの距離LMVと、車間距離検出部30から受信した車間距離Lとを比較し、車間距離Lが距離LMVより大きい場合には、先行車両SVがカーブに進入したと判定する。
車両制御部110は、先行車両SVが前方のカーブに進入したと判定した場合(ステップS160の「YES」)には、処理を終了させる。
つまり、自車両MVの前方のカーブに先行車両SVが進入すると、想定減速度算出部90において、想定減速度Gtが算出できなくなるため、処理を終了させる。
一方で、車両制御部110は、先行車両SVが前方のカーブに進入していないと判定した場合(ステップS160の「NO」)には、処理をステップS130に戻し、処理を継続させる。
【0038】
車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより大きいと判定した場合(ステップS150の「YES」)には、自車両MVの速度を減速させる旨の指示をブレーキ制御部100に送信し(ステップS170)、自車両MVの速度を減速させ、処理を終了させる。
【0039】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る安全運転支援装置1は、自車両MVの前方を撮像する撮像部10と、撮像部10において撮像した画像に基づいて、自車両MVの前方を走行する先行車両SVを検出する先行車両検出部20と、先行車両SVと自車両MVとの車間距離Lを検出する車間距離検出部30と、自車両MVの走行速度VMVを検出する自車両速度検出部40と、先行車両SVの走行速度VSVを検出する先行車両速度検出部50と、先行車両SVの走行速度VSVに基づいて、先行車両SVの減速度GSVを検出する先行車両減速度検出部60と、自車両MVの現在位置を検出する現在位置検出部70と、車間距離Lと、先行車両SVの走行速度VSVと、地図情報格納部80から取得したカーブの情報と、に基づいて、先行車両SVがカーブに進入するときの想定減速度Gtを算出する想定減速度算出部90と、自車両MVの走行速度を減速させるブレーキ制御部100と、先行車両SVの減速度GSVが想定減速度Gtよりも大きい場合には、自車両MVの走行速度を減速させる制御を行う車両制御部110と、を備えている。
想定減速度算出部90は、地図情報格納部80から取得した、自車両MVの前方にあるカーブの曲率半径Rに基づいて、先行車両SVがカーブを走行するときの想定走行速度Vを算出し、現在の先行車両SVの走行速度VSVから想定走行速度Vまで減速された場合の減速度(想定減速度Gt)を算出する。
車両制御部110は、減速度GSVが想定減速度Gtより大きいと判定した場合には、ブレーキ制御部100に対して、自車両MVの速度を減速させる旨の指示を送信し、自車両MVの走行速度を減速させる。
すなわち、車両制御部110は、先行車両SVの減速度GSVが想定減速度Gtより大きいと判定したときには、先行車両SVの運転者が、カーブの先に障害物等(工事、停車車両、渋滞の最後尾車両等)を発見し、急な減速をしたと判定する。
これにより、自車両MVの運転者から確認できない障害物等が、カーブの先にあったときには、事前に自車両MVの走行速度を減速することができるため、運転者は安心して走行することができる。
また、先行車両SVの減速度GSVが、想定減速度Gtより大きいと判定されたときに、自車両MVの運転者が加速操作を行っていたとしても、車両制御部110は、自車両MVの走行速度を減速させる制御を行うため、自車両MVが先行車両SVに急接近することを未然に防止することができる。
これにより、カーブの先に自車両MVから確認できない障害物等があった場合でも、運転者は安心して走行することができる。
また、先行車両SVの運転手がカーブの手前で脇見運転等を行い、カーブの手前で急な減速を行った場合であっても、車両制御部110は、自車両MVの走行速度を減速させる制御を行うため、自車両MVが先行車両SVに急接近することを防止することができ、運転者は安心して走行することができる。
また、車両制御部110は、自車両MVを減速させるときには、警報や表示等を行うため、運転者に対して注意喚起を行うことができる。
【0040】
また、想定減速度算出部90は、地図情報格納部80から、自車両MVの前方にあるカーブの情報としてカーブの曲率半径Rを取得する。
すなわち、想定減速度算出部90は、所定の想定走行速度ではなく、カーブ毎に算出した想定走行速度Vに基づいて、想定減速度Gtを算出することができるため、自車両MVの運転者から確認できない障害物等の有無の判定精度を向上することができる。
【0041】
<変形例1>
上述した車間距離検出部30は、撮像部10から受信した、自車両MVの前方の画像に基づいて、自車両MVと先行車両SVとの車間距離Lを検出していたが、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、Lidar(light detection and ranging)等を用いて、車間距離Lを検出するようにしてもよい。
また、先行車両速度検出部50は、車車間通信(V2V)によって、先行車両SVの走行速度VSVを取得するようにしてもよい。
これにより、より精度の高い車間距離Lおよび走行速度VSVに基づいて、想定減速度Gtおよび減速度GSVを算出することができるため、自車両MVの運転者から確認できない障害物等の有無の判定精度を向上することができる。
【0042】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1;安全運転支援装置
10;撮像部
20;先行車両検出部
30;車間距離検出部
40;自車両速度検出部
50;先行車両速度検出部
60;先行車両減速度検出部
70;現在位置検出部
80;地図情報格納部
90;想定減速度算出部
100;ブレーキ制御部
110;車両制御部
MV;自車両
SV;先行車両
図1
図2
図3
図4