(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064579
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240507BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240507BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20240507BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240507BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20240507BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240507BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H10/00
G06Q40/08
G06Q50/10
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173271
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】初雁 卓郎
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
5L099
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L049CC11
5L050CC11
5L055BB61
5L099AA03
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの疾患に関するリスクを評価できる情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータをユーザの端末から取得するデータ取得部と、取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価する評価部と、評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する出力部と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータをユーザの端末から取得するデータ取得部と、
取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価する評価部と、
評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、前記端末が入力を受け付けた前記ユーザの疾患に関する入力データを前記端末から取得し、
前記評価部は、取得された前記センシングデータおよび前記入力データに基づいて、前記疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
加入者の健康状態に応じて保険料が変動する保険について、前記ユーザが加入している前記保険の保険料を示す保険情報を取得する保険情報取得部と、
評価された前記疾患リスクレベルと前記保険情報とに基づいて、変動後の保険料を推定する保険料推定部と、をさらに備え、
前記出力部は、推定された前記変動後の保険料を前記端末に出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、それぞれ計測の種類が異なる複数のセンサから前記センシングデータを取得し、
前記評価部は、前記複数のセンサから得られる複数の前記センシングデータに基づいて、複数の疾患のそれぞれの疾患リスクレベルを評価し、
前記保険情報取得部は、前記ユーザが加入している複数の前記保険情報を取得し、
前記保険料推定部は、評価された前記複数の疾患の前記疾患リスクレベルと前記複数の保険情報とに基づいて、前記複数の疾患のそれぞれの変動後の保険料を推定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
評価された前記疾患リスクレベルに応じて、前記ユーザに対して疾患の改善を促すアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成部、をさらに備え、
前記出力部は、生成された前記アドバイス情報を前記端末に出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータを端末から取得し、
取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価し、
評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのバイタルデータを用いて行動変容を促すサービスが用いられている。関連する技術として、ユーザのバイタルデータが悪い方向に変化している場合、注意を喚起しつつ対象者に行動変容を促すようなメッセージを送信する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの疾患に関するリスクを評価できる情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様の情報処理装置は、ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータをユーザの端末から取得するデータ取得部と、取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価する評価部と、評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する出力部と、を備える。
【0006】
本開示の他の態様の情報処理方法は、ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータを端末から取得し、取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価し、評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のシステムの構成例を示す図である。
【
図2】クラウドサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】入力データを生成するための入力画面の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態の処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
【
図8】第2実施形態のシステムの一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。
【
図10】平均睡眠時間、眠りの規則性、呼吸イベント指数および平均中途覚醒時間の値の一例を示す図である。
【
図11】第3実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。
【
図12】睡眠時間、心拍数および呼吸数の値の一例を示す図である。
【
図13】第4実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。
【
図14】睡眠時間、血圧、呼吸数、心拍数および活動量の値の一例を示す図である。
【
図15】変形例における保険料の増減額を表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
<第1実施形態>
1―1.第1実施形態の構成例
以下、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のシステム100の構成例を示す図である。本実施形態のシステム100は、ユーザの疾患に関する状態をセンサが計測して得られるセンシングデータに基づき、ユーザの疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する。システム100は、評価した疾患リスクレベルを、ユーザの端末に出力する。システム100は、当該端末に、評価された疾患リスクレベルの情報とともに各種の情報を表示させる。これにより、ユーザの疾患ごとの疾患リスクレベルがユーザに提示される。第1実施形態は、肌のかゆみを伴う疾患の疾患リスクレベルを評価する例である。疾患は、肌のかゆみには限定されない。他の疾患については、第2実施形態以降で説明する。
【0010】
図1において、システム100は、端末110、ベッド120、ウェアラブルデバイス130およびクラウドサーバ140を含む。ベッド120は、空圧センサ121およびマットレス122を含む。ウェアラブルデバイス130は、加速度センサ131を内蔵している。
【0011】
端末110は、例えば、ユーザUのスマートフォンである。端末110は、ウェアラブルデバイス130に内蔵される加速度センサ131と近距離無線通信を行う。また、端末110は、外部ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、クラウドサーバ140と通信を行う。端末110は、タッチパネル110Aを有する。タッチパネル110Aは各種の情報を表示する機能、およびユーザUからの入力を受け付ける機能を有する。端末110は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置である。端末110は、パーソナルコンピュータ等の設置型の機器であってもよい。
【0012】
ベッド120はユーザUにより使用される。ベッド120の空圧センサ121は、
図1に示すように、ベッド120とマットレス122との間に載置され、ユーザの睡眠状態に関する計測(センシング)を行う。空圧センサ121は、ユーザが睡眠中に測定したセンシングデータを端末110に送信する。当該センシングデータは、ユーザUの睡眠疾患に関する状態を計測して得られるデータである。
【0013】
ウェアラブルデバイス130は、ユーザUの身体に装着されるデバイスである。
図1は、ウェアラブルデバイス130として時計型のデバイスを例示している。ウェアラブルデバイス130は、ヘッドセットやAR(Augmented Reality)グラス、MR(Mixed Reality)グラス等のデバイスであってもよい。以下、ユーザUは、ベッド120で睡眠中に、ウェアラブルデバイス130を腕に装着しているものとする。
【0014】
ウェアラブルデバイス130に内蔵される加速度センサ131は、ユーザUの睡眠中の腕の動作を計測し、計測したセンシングデータ(3軸の動きのデータ)を端末110に送信する。当該センシングデータは、ユーザUの腕の振動等を表すデータであり、ユーザUの睡眠中における掻破行動に関する動作を表す。
【0015】
端末110は、空圧センサ121からのセンシングデータおよび加速度センサ131からのセンシングデータを取得する。また、端末110は、ユーザUがタッチパネル110Aに入力したユーザUの疾患に関する入力データを受け付ける。端末110は、ユーザUを認識する個人認証データを記憶している。端末110は、センシングデータ、入力データおよび個人認証データをユーザデータとしてクラウドサーバ140に送信する。センシングデータの詳細は後述する。
【0016】
クラウドサーバ140は、端末110から取得したセンシングデータおよび入力データに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する情報処理装置である。クラウドサーバ140は、ユーザUが睡眠中に計測されたセンシングデータおよびユーザUが疾患に関して主観として入力した入力データに基づき、ユーザUの疾患リスクのレベルを示す疾患リスクレベルを評価する。クラウドサーバ140は、評価した疾患リスクレベルを含むデータを、端末110のタッチパネル110Aに表示させる表示データとして、端末110に出力する。
【0017】
図2は、クラウドサーバ140の構成の一例を示すブロック図である。クラウドサーバ140は、処理部210、記憶部211および通信部212を含む。処理部220は、本実施形態の各種の処理を実行する。
【0018】
処理部220は、例えば、プロセッサおよびメモリを有する。メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、クラウドサーバ140が実行する各種の処理が実現される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリである。また、処理部220は、FPGA(field-programmable gate array)等であってもよい。上記のプログラムは、非一時的な記録媒体に格納されており、処理部210に提供されるものであってもよい。
【0019】
記憶部211は、各種の情報を記憶する。記憶部211は、上記のメモリとして機能してもよい。通信部212は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェイスである。通信部212は、クラウドサーバ140から端末110に表示データを含む各種のデータを出力する出力部として機能する。
【0020】
処理部210は、状態情報取得部221、評価部222、アドバイス情報生成部223、保険情報取得部224および保険料推定部225を含む。状態情報取得部221は、通信部212を介して、端末110から上述したユーザデータを取得する。
【0021】
評価部222は、状態情報取得部221が取得したユーザデータに含まれるセンシングデータおよび入力データに基づき、ユーザUの疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する。アドバイス情報生成部223は、評価された疾患リスクレベルに応じて、ユーザUに対して疾患の改善を促すアドバイス情報を生成する。当該アドバイス情報は、通信部212から、ユーザUの端末110に出力される。疾患リスクレベルおよびアドバイス情報の詳細は後述する。
【0022】
ユーザデータは、上述したように、個人認証データを含む。個人認証データは、ユーザUを特定するデータである。クラウドサーバ140は、ユーザに対応する疾患の情報を管理する。例えば、記憶部211は、ユーザと1つ以上の疾患とが関連付けられたデータを記憶する。これにより、クラウドサーバ140は、各ユーザの疾患の情報を認識する。ユーザに対応する疾患の情報は、例えば、端末110からクラウドサーバ140に出力される個人認証データに紐づけられていてもよいし、個人認証データに含まれていてもよい。
【0023】
保険情報取得部224は、ユーザUが加入している疾患に関する保険の保険情報を取得する。以下で説明する保険は、加入者の健康状態に応じて保険料が変動する保険である。当該保険は、ダイナミックプライシングが適用される保険でもある。クラウドサーバ140は、各ユーザが加入している保険の情報を管理している。例えば、記憶部211は、ユーザと当該ユーザが加入している1つ以上の保険を示す情報を記憶する。これにより、クラウドサーバ140は、各ユーザが加入している保険を示す保険情報を認識する。保険情報は、例えば、端末110からクラウドサーバ140に出力される個人認証データに紐づけられていてもよいし、個人認証データに含まれていてもよい。上記の保険情報には、例えば、ユーザUの現在の保険料の情報および複数の疾患リスクレベルのそれぞれの保険料の情報が含まれる。
【0024】
保険料推定部225は、評価部222により評価された疾患リスクレベルに応じて、変動後(例えば、翌月)の保険料を推定する。上述したように、本実施形態の保険は、加入者の健康状態に応じて保険料が変動する保険である。評価部222により評価された疾患リスクレベルが高くなるに応じて、翌月の保険料は高くなる。一方、評価部222により評価された疾患リスクレベルが低くなるに応じて、翌月の保険料は安くなる。保険料推定部225は、上述した保険情報に含まれる現在の保険料を基準として、推定した翌月の保険料の現在の保険料に対する増減額を算出することがある。
【0025】
図3は、端末110の構成の一例を示すブロック図である。端末110は、処理部310、記憶部320、通信部330およびタッチパネル110Aを含む。処理部310は、端末110が実行する各種の処理を実行する。処理部310は、例えば、プロセッサおよびメモリを有する。
【0026】
記憶部320は、各種の情報を記憶する。通信部330は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェイスである。通信部330は、ネットワークを介して、上述したユーザ情報をクラウドサーバ140に送信する。タッチパネル110Aは、情報を表示するとともにユーザUからの入力を受け付ける。タッチパネル110Aの表示機能と入力機能とは別個に設けられる構成であってもよい。
【0027】
1-2.センシングデータ
次に、センシングデータについて説明する。まず、空圧センサ121からのセンシングデータについて説明する。空圧センサ121は、ベッド120のボトムに配置される。空圧センサ121は、例えば、ベッド120のボトムとマットレス122との間に設けられるシート状またはプレート状のデバイスである。空圧センサ121は、ユーザの睡眠に関する情報を検知する。
【0028】
空圧センサ121は、ユーザUが就床すると、マットレス122を介してユーザUの体振動(体動、振動)を検知する。空圧センサ121が検知した体振動に基づいて、呼吸数、心拍数、活動量、姿勢、覚醒/睡眠、離床/在床に関する情報を求めることができる。例えば、体動の周期性を分析し、ピーク周波数から呼吸数、心拍数が算出されてもよい。周期性の分析は、例えばフーリエ変換等である。呼吸数は、単位時間あたりの呼吸の回数である。心拍数は、単位時間あたりの心拍の回数である。単位時間は、例えば、1分である。
【0029】
また、サンプリング単位時間当たりに体振動を検出し、検出された体振動の回数が活動量として算出されてもよい。ユーザUの離床時には、在床時に比べて検出される圧力値が減少するため、圧力値やその時系列的な変化に基づいて離床/在床の判定が可能である。ユーザUが在床時且つ活動量が所定以上である場合に覚醒状態と判定され、在床時且つ活動量が所定未満である場合に睡眠状態と判定されてもよい。睡眠状態を細分化することによって、ノンレム睡眠とレム睡眠の判定や、睡眠の深さの判定が行われてもよい。
【0030】
空圧センサ121は、以上の各種の処理のための演算や判定等の処理を行い、ユーザUの睡眠に関するセンシングデータを生成し、生成したセンシングデータを端末110に出力する。当該センシングデータは、睡眠時間、中途覚醒時間および睡眠効率の各データを含む。睡眠時間は、1日の中で睡眠状態と判定された時間である。中途覚醒時間は、夜に就床してから翌朝の起床までの間に覚醒状態となった時間の合計である。睡眠効率は、就寝時刻から起床時刻までの時間における睡眠時間の割合である。センシングデータは、他の睡眠に関するデータを含んでいてもよい。
【0031】
ユーザUの睡眠に関するセンシングデータは、例えば、端末110が生成してもよい。端末110が、空圧センサ121が検知した体振動に関するデータを取得し、上記の演算や判定等の各種の処理を行って、ユーザUの睡眠に関するセンシングデータを生成する。そして、端末110が、生成したユーザUの睡眠に関するセンシングデータをクラウドサーバ140に出力してもよい。
【0032】
次に、加速度センサ131からのセンシングデータについて説明する。上述したように、加速度センサ131はベッド120で睡眠中にユーザUの腕に装着される。本実施形態では、加速度センサ131は、ユーザUの睡眠中の掻破に関する掻破行動を検知する。例えば、加速度センサ131は、人が掻破をするときの腕の振動として判定される振動を検知したときに、掻破行動を検知する。加速度センサ131は、ユーザUが睡眠中の間に掻破行動を検知する。本実施形態の掻破行動は、掻破回数および掻破時間である。掻破回数は、睡眠中に身体を掻破した回数である。掻破時間は、ユーザUが掻破した時間であり、例えば、睡眠時間に対する1時間あたりに掻破した時間である。掻破行動は、掻破を行っている総時間等の他の掻破に関する情報を含んでいてもよい。
【0033】
加速度センサ131は、ユーザUの腕の動きに基づき、掻破回数および掻破時間を得るための演算や判定等を行い、掻破回数および掻破時間を検知する。加速度センサ131は検知した掻破回数および掻破時間をセンシングデータとして、端末110に出力する。
【0034】
加速度センサ131は、空圧センサ121と連動してもよい。上述したように、空圧センサ121は睡眠時間を検知する。加速度センサ131は、空圧センサ121から睡眠時間の情報を取得することで、ユーザUが睡眠中の掻破回数および掻破時間を算出できる。加速度センサ131は、空圧センサ121以外のデバイスやユーザUからの睡眠時間の情報の入力等に基づいて、睡眠時間の情報を得てもよい。
【0035】
ユーザUの掻破回数および掻破時間のセンシングデータは、例えば、端末110が生成してもよい。端末110が、ユーザUの睡眠中における加速度センサ131が計測した3軸の動きの値を取得し、上記の演算や判定等の各種の処理を行って、掻破回数および掻破時間のセンシングデータを生成する。そして、端末110が、生成した掻破回数および掻破時間のセンシングデータをクラウドサーバ140に出力してもよい。
【0036】
1-3.入力データの一例
次に、入力データの一例について説明する。
図4は、入力データを生成するための入力画面の一例を示す図である。以下の各入力画面は、例えば、クラウドサーバ140の制御に基づき、端末110のタッチパネル110Aに表示される。
図4の入力画面410は、疾患(かゆみ)についてユーザUの主観的な評価を入力するための画面である。
【0037】
入力画面410は、「1週間のうちかゆみがあった日数は?」という質問項目を含む。当該項目に対応して、「毎日」、「3~5日」、「1~2日」および「なし」の4つの回答項目が設けられている。ユーザUは、当該4つの回答項目から何れかを選択可能である。選択された回答項目は、ユーザUの肌のかゆみについての主観的な評価である。肌のかゆみの質問項目としては、他の項目(例えば、掻破により出血した日数等)の項目が設けられていてもよい。
【0038】
入力画面410は、「湿疹の度合いは?」という質問項目を含む。当該項目に対応して、「大きい」、「普通」、「少し」および「ない」の4つの回答項目が設けられている。ユーザUは、当該4つの回答項目から何れかを選択可能である。選択された回答項目は、ユーザUの肌のかゆみについての主観的な評価である。上記の質問項目は、身体の部位ごとに細分化されていてもよい。
【0039】
入力画面410は、「最近、睡眠はよくとれていますか?」という質問項目を含む。当該項目に対応して、「とても」、「普通」、「少し」および「ない」の4つの回答項目が設けられている。ユーザUは、当該4つの回答項目から何れかを選択可能である。上記の質問項目は、睡眠に関するユーザUの主観的な評価の質問項目であるが、肌のかゆみに起因して睡眠に影響が妨げられたことも加味するための質問項目でもある。従って、当該質問項目に対して選択された回答項目は、ユーザUの肌のかゆみについての主観的な評価である。
【0040】
上記の3つの項目のうち、例えば、肌のかゆみの質問項目だけが用いられてもよい。一方、肌のかゆみだけでなく、肌の状態および睡眠についてのユーザUの肌のかゆみについての主観的な評価が入力されることで、ユーザUの肌のかゆみに関する、より的確な主観的な評価を得ることができる。
【0041】
次に、
図4の入力画面420について説明する。入力画面420は、ユーザUが実施している疾患(かゆみ)に対する対策情報を入力するための画面である。入力画面420は、「保湿剤を使っていますか?」という質問項目を含む。当該項目に対して、「種類」、「量」および「頻度」の3つの回答項目に入力することが可能である。例えば、3つの項目のそれぞれに直接的に数値や文字等を入力可能であってもよいし、プルダウン形式で回答を選択可能であってもよい。上記の質問項目は、肌のかゆみを改善するための対策の1つである。
【0042】
入力画面420は、「薬を使っていますか?」という質問項目を含む。「種類」、「量」および「頻度」の3つの回答項目に入力することが可能である。薬の種類としては、例えば、飲み薬や塗り薬等がある。上記の質問項目も、肌のかゆみを改善するための対策の1つである。
【0043】
入力画面420は、「その他の対策をしていますか?」という項目を含む。例えば、ミトンを使用している等の文字情報を回答項目に入力することが可能である。上記の質問項目も、肌のかゆみを改善するための対策の1つである。対策情報を得るための質問項目には、上述した例とは異なる質問項目が含まれていてもよいし、上記の3つの質問項目のうち一部が設けられなくてもよい。
【0044】
以上により、疾患についてのユーザUの主観的な評価の情報および疾患に対する対策情報が得られる。端末110は、得られた疾患についてのユーザUの主観的な評価の情報および疾患に対する対策情報を含む入力データをクラウドサーバ140に出力する。
【0045】
1-4.第1実施形態のデータの入出力
図5は、第1実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。上述したように、加速度センサ131からのセンシングデータは、掻破回数および掻破時間を示す情報である。また、空圧センサ121からのセンシングデータは、睡眠時間、中途覚醒時間および睡眠効率が端末110である。端末110は、上記の2つのセンシングデータを取得する。また、記憶部320にユーザUの個人認証データが記憶されており、端末110の処理部310は当該個人認証データを取得する。
【0046】
端末110は、上述した2つのセンシングデータ、入力データおよび個人認証データを含むユーザデータを、通信部330を介して、クラウドサーバ140に出力する。クラウドサーバ140の状態情報取得部221は、端末110から上記のユーザデータを取得する(
図5のInput)。
【0047】
ユーザデータは、ユーザUの個人認証データを含む。処理部210は、取得したユーザデータに含まれる個人認証データに基づき、ユーザUを特定する。上述したように、例えば、記憶部211は、ユーザと1つ以上の疾患とが関連付けられたデータを記憶している。処理部210は、記憶部211を参照して、特定したユーザUに対応する疾患を認識する。本実施形態は、ユーザUの疾患として肌のかゆみが認識される。
【0048】
評価部222は、ユーザデータに含まれる2つのセンシングデータおよび入力データと指標基準とに基づき、疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する(
図5のAnalyze)。本実施形態では、評価部222は疾患としてかゆみの疾患リスクレベルを評価する。
【0049】
評価部222は、2つのセンシングデータおよび入力データの各パラメータにそれぞれ異なる重み付けをして、疾患リスクの指標値を算出する。例えば、評価部222は、センシングデータが示す掻破回数、掻破時間、睡眠時間、中途覚醒時間および睡眠効率をそれぞれパラメータとして数値化する。評価部222は、例えば、掻破回数が多い場合、疾患リスクレベルを高くする値を掻破回数のパラメータに設定する。
【0050】
評価部222は、入力データが示すかゆみ、肌状態、睡眠、その他、保湿剤、薬およびその他の各情報をパラメータとして数値化する。例えば、かゆみの質問項目に対して、「毎日」が選択され場合、評価部222は、疾患リスクレベルを高くする値をかゆみのパラメータに設定する。また、例えば、対策情報が高い効果を発揮する保湿剤を高い頻度で塗布していることを示している場合、評価部222は、疾患リスクレベルを下げる値を保湿剤のパラメータに設定する。
【0051】
そして、評価部222は、数値化された各パラメータについて、重み付けをして、以下の式(1)により、疾患リスクの指標値を算出する。
「疾患リスクの指標値=掻破回数×W1+掻破時間×W2+睡眠時間×W3+中途覚醒時間×W4+睡眠効率×W5+肌状態×W6+睡眠×W7+その他×W8+保湿剤×W9+薬×W10+その他×W11」・・・(式1)
【0052】
各重みW1~W11は、それぞれ異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。例えば、主観的な評価よりもセンシングデータの方が重視される場合、W1~W5は、W6~W8よりも高い値に設定される。また、空圧センサ121のセンシングデータよりも加速度センサ131からのセンシングデータの方が重視される場合、W1およびW2は、W3~W5よりも高い値に設定される。各重みW1~W11は、疾患リスクの指標値の設定指針に応じて、任意の値に設定され得る。
【0053】
評価部222は、疾患リスクの指標値と指標基準とを比較して、疾患リスクの指標値が複数の疾患リスクレベルのうち何れに属するかを判定する。疾患リスクレベルは、複数のレベルに区分される。例えば、疾患リスクレベルは、レベルA~Dの4つのレベルの何れかに区分される。レベルAは疾患リスクレベルが最も低いことを表し、レベルDは疾患リスクレベルが最も高いことを表す。
【0054】
指標基準について説明する。指標基準は、疾患リスクの指標値をレベル分けするために用いられる基準である。疾患リスクレベルが4つにレベル分けされる場合、指標基準は4つの閾値A~Dで表される(閾値:A<B<C<D)。例えば、算出された疾患リスクの指標値が閾値Aよりも低い場合、評価部222は、疾患リスクレベルが最も低いレベルAと判定する。一方、算出された疾患リスクの指標値が閾値D以上である場合、評価部222は、疾患リスクレベルが最も高いレベルDと判定する。
【0055】
指標基準には、例えば、医師の診断結果が用いられる。医師の診断結果は、例えば、ユーザUが端末110に医師の診断結果を入力し、当該医師の診断結果をクラウドサーバ140が取得してもよい。医師の診断結果は、例えば、上記の疾患リスクの指標値を複数のレベルに区分するために用いられるためのユーザUの肌のかゆみのレベルを示す情報が含まれる。クラウドサーバ140は、医師の診断結果に基づき、上記の疾患リスクの指標値を複数のレベルに区分するための複数の閾値を設定してもよい。
【0056】
指標基準には、例えば、肌のかゆみの疾患を判断する一般的な指標(例えば、アトピー性皮膚炎評価指標等)が用いられてもよい。一般的な指標は、肌の疾患に関する複数の項目のそれぞれをスコア化した指標である。クラウドサーバ140の処理部210は、一般的な指標のスコアを、上記の各パラメータの指標値に対応させて、上記の疾患リスクの指標値を複数のレベルに区分するための複数の閾値を設定してもよい。クラウドサーバ140は、例えば、上記の一般的な指標を記憶している他のサーバから当該一般的な指標を取得してもよい。
【0057】
次に、アドバイス情報について説明する。アドバイス情報生成部223は、評価部222が評価した疾患リスクレベルに応じて、ユーザUに対して疾患の改善を促すアドバイス情報を生成する。
【0058】
アドバイス情報生成部223は、例えば、生活習慣、保湿剤/薬およびパーソナルケアについてのアドバイス情報を生成する。アドバイス情報生成部223は、上記の保湿剤のパラメータの値が低い場合、保湿剤の塗布を促すアドバイス情報を生成する。また、アドバイス情報生成部223は、ユーザUの疾患に応じたパーソナルケアを示す情報を生成する。アドバイス情報生成部223は、疾患リスクレベルが所定のレベル以下(例えば、レベルD(最も悪いレベル)以下)である場合、医療機関の診察を促すアドバイス情報を生成してもよい。
【0059】
次に、保険料の推定について説明する。上述したように、本実施形態における保険は、加入者の健康状態に応じて毎月の保険料が変動する保険である。上述したように、例えば、記憶部211は、ユーザと当該ユーザが加入している1つ以上の保険を示す情報を記憶する。保険情報取得部224は、記憶部211を参照して、個人認証データに基づき特定されるユーザUが何れの保険に加入しているかを認識する。保険情報取得部224は、認識した結果に基づき、ユーザUが加入している保険に関する保険情報を、例えば、保険会社のサーバから取得する。当該保険情報は、ユーザUの今月の保険料の情報、および疾患リスクレベルごとの保険料の情報を含み得る。
【0060】
保険料推定部225は、評価された疾患リスクレベルに対応する変動後(翌月)の保険料を推定する。アドバイス情報生成部223は、推定された翌月の保険料を示す情報をアドバイス情報に含めてもよい。また、保険料推定部225は、今月の保険料に対する推定した翌月の保険料の増減額を算出する。アドバイス情報生成部223は、算出された翌月の保険料の増減額を示す情報をアドバイス情報に含めてもよい。
【0061】
アドバイス情報生成部223は、保険料推定部225が算出した増減額に応じたアドバイスをアドバイス情報に含めてもよい。例えば、翌月の保険料の増額の度合いが所定の度合い以上である場合、アドバイス情報生成部223は、ユーザUに対して保湿剤を塗布する頻度、或いは薬の服用の頻度を高くすることを促す情報をアドバイス情報に含めてもよい。また、保険料の減額の度合いが所定の度合い以上である場合、アドバイス情報生成部223は、ユーザUに対して、現状の対策を維持することを促す情報をアドバイス情報に含めてもよい。
【0062】
次に、表示データについて説明する。表示データは、クラウドサーバ140から端末110に出力されて、端末110のタッチパネル110Aに表示されるデータである。表示データは、評価部222により評価された疾患リスクレベルを示す情報およびアドバイス情報を含む(
図5のOutput)。
【0063】
また、アドバイス情報は、上述した生活環境、保湿剤/薬、パーソナルケアおよび推定保険料を示す情報を含む。表示データには、疾患リスクレベルを示す情報は含まれるが、アドバイス情報が含まれない場合もある。
【0064】
1-5.表示画面
次に、端末110のタッチパネル110Aに表示される表示画面について説明する。
図6は、第1実施形態の表示画面430の一例を示す図である。表示画面430は、センシングデータ、主観および対策のそれぞれに対応したグラフを含む。センシングデータに対応するグラフは、センシングデータ、ユーザUの主観的な評価および対策情報の各値をグラフ化したものである。
【0065】
表示画面430に含まれるかゆみレベルは疾患リスク(かゆみ)を表す。疾患リスク(かゆみ)は、クラウドサーバ140が出力した表示データに含まれる疾患ごとの疾患リスクレベルを示す。表示画面430に、疾患としてかゆみの疾患リスクレベルが表示されている。これにより、ユーザUは、自身の肌のかゆみの疾患のリスクレベルを把握できる。
【0066】
表示画面430は、データ取得ボタン431を含む。データ取得ボタン431が押下されると、タッチパネル110Aに表示される画面は、表示画面440に遷移する。表示画面440では、センサの種別を選択できる。例えば、Aセンサは加速度センサ131でありBセンサはベッドセンサ121である。表示画面440のうち何れかのセンサの種別が選択されると、タッチパネル110Aに表示される画面は、表示画面450に遷移する。表示画面450では、センサのIDを選択できる。センサのIDは、選択された種別のセンサに属する複数のセンサのうち何れかを特定するIDである。
【0067】
表示画面430は、主観入力ボタン432を含む。主観入力ボタン432が押下されると、タッチパネル110Aに表示される画面は、
図4の入力画面410(主観入力項目)に遷移する。表示画面430は、対策変更ボタン433を含む。対策変更ボタン433が押下されると、タッチパネル110Aに表示される画面は、
図4の入力画面420(対策入力項目)に遷移する。
【0068】
表示画面430は、疾患変更ボタン434を含む。疾患変更ボタン434が押下されると、タッチパネル110Aに表示される画面は、表示画面460に遷移する。表示画面460では、ユーザUの疾患の情報を変更することができる。ユーザUの疾患の情報が変更された場合、変更された疾患の情報がクラウドサーバ140に送信されてもよい。
【0069】
クラウドサーバ140が出力した表示データには、アドバイス情報として「昼も保湿剤を塗布してみませんか?」という情報が含まれている。表示画面430には、当該情報が表示される。
【0070】
クラウドサーバ140が出力した表示データには、アドバイス情報として「来月は保険料が2000円下がる見込みです!」という情報が含まれている。表示画面430には、当該情報が表示される。
【0071】
クラウドサーバ140が出力した表示データには、アドバイス情報として「もう少しかゆみを抑えられれば保険料は3000円下がります!」という情報が含まれている。表示画面430には、当該情報が表示される。以上のような各種のアドバイス情報が端末110に表示されることで、ユーザUに対して、自身の疾患リスクレベルに応じた疾患の改善を促すことができる。
【0072】
以上のように、アドバイス情報に「昼も保湿剤を塗布してみませんか?」という情報が含まれ、「来月は保険料が2000円下がる見込みです!」という情報や「もう少しかゆみを抑えられれば保険料は3000円下がります!」という情報が含まれる。当該アドバイス情報は、アドバイス情報生成部223により生成される。このように、疾患に対する対策を示す情報と保険料を下げる情報とがアドバイス情報として表示されることで、疾患に対する対策を行った場合には保険料が下がることをユーザUに提示できる。以上の対策を示す情報は、例えば、現在の対策の1つ上のレベルの対策を示す情報であってもよいし、複数の対策を示す情報であってもよい。
【0073】
以上のアドバイス情報として、アドバイス情報生成部223はレコメンドを示す情報を含めてもよい。レコメンドとしては、例えば、保湿剤に関するレコメンドや、生活習慣に関するレコメンド、服薬(飲み薬や塗り薬、抗体医薬等)に関するレコメンド、クリニック受診に関するレコメンドが含まれ得る。
【0074】
例えば、表示画面430において、上記の各レコメンドに対する対策項目が選択可能であり、各対策項目のそれぞれに対応する対策の実施に関する情報が入力可能であってもよい。端末110は、入力された対策の実施に関する情報をクラウドサーバ140に送信する。クラウドサーバ140は、受信した対策の実施に関する情報に基づき、対策の効果を示す情報を端末110に送信してもよい。これにより、表示画面430には、実施した対策の効果が表示される。クラウドサーバ140は、例えば、保湿剤に関するレコメンドのそれぞれに対策の効果を示すスコアを付してもよい。これにより、表示画面430には、例えば、保湿剤Aを塗った場合には4.6点、保湿剤Bを塗った場合には3.2点といったスコアが表示される。
【0075】
また、クラウドサーバ140は、上記の各種のセンシングデータに基づき、ユーザUの睡眠時の動作と中途覚醒時の動作とに分けて、アドバイス情報(レコメンド)を生成してもよい。例えば、クラウドサーバ140は、睡眠時掻破時間比率と覚醒時掻破時間比率と睡眠時間と在床時間とに基づき、アドバイス情報(レコメンド)を生成してもよい。睡眠時掻破時間比率は、睡眠時間に対する掻破時間の比率である。覚醒時掻破時間比率は、中途覚醒時間に対する掻破時間の比率である。
【0076】
クラウドサーバ140は、例えば、疾患リスクレベル(肌のかゆみの疾患リスクレベル)についてのアドバイス情報(レコメンド)を生成する際、睡眠時掻破時間比率と覚醒時掻破時間比率とに応じて、異なるアドバイス情報(レコメンド)を生成してもよい。
【0077】
例えば、睡眠時掻破時間比率と覚醒時掻破時間比率とが同じであるか、両者の差分が一定範囲内である場合、対策としてはかゆみの抑えが好ましい。この場合、クラウドサーバ140は、保湿剤や薬の塗布等をアドバイス情報(レコメンド)として生成する。一方、睡眠時掻破時間比率が覚醒時掻破時間比率よりも一定範囲を超えて大きい場合、ミトン等を装着すれば、睡眠時の掻破行動が抑制されるため、ミトン等の装着をアドバイス情報(レコメンド)として生成する。
【0078】
以上のように、クラウドサーバ140は、ユーザUの睡眠時と中途覚醒時作とに分けて、異なるアドバイス情報(レコメンド)の内容を生成する。当該アドバイス情報(レコメンド)が端末110に送信されて、表示画面430に表示される。これにより、ユーザUは、睡眠時と中途覚醒時作とに分けたレコメンドを確認できる。
【0079】
また、クラウドサーバ140は、ミトン等の装着をアドバイス情報(レコメンド)として生成した場合、ミトン等の購入に費用がかかることになる。ミトン等の費用が保険料に適用される場合、クラウドサーバ140の保険料推定部225は、推定部した保険料に、アドバイス情報(レコメンド)として生成したミトン等の費用(保険適用の費用)を加算してもよい。
【0080】
1-6.シーケンスチャート
図7は、第1実施形態の処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。ステップS101において、空圧センサ121および加速度センサ131は、それぞれセンシングデータを端末110に出力する
【0081】
ステップS102において、端末110は、上述した主観的な評価の入力を受け付ける。ステップS103において、端末110は、上述した対策情報の入力を受け付ける。ステップS102およびS103の処理は、ステップS101の処理よりも前に行われてもよいし、並列的に行われてもよい。ステップS104において、端末110は、センシングデータ、入力データ(主観的な評価、対策情報)および個人認証データを含むユーザデータをクラウドサーバ140に出力する。
【0082】
ステップS105において、評価部222は、センシングデータおよび入力データに基づき、疾患リスクの指標値を算出する。ステップS106において、評価部222は、算出された疾患リスクの指標値と指標基準とを比較して、疾患リスクの指標値をレベル分けして、疾患リスクレベルを評価する。
【0083】
ステップS108において、保険料推定部225は、保険情報および評価された疾患リスクレベルに基づき、翌月の保険料を推定する。このとき、上述したように、保険料推定部225は、今月の保険料に対する翌月の保険料の増減額を算出してもよい。アドバイス情報生成部223は、推定された翌月の保険料と保険料の増減額とのうち一方または両方の情報をアドバイス情報に含めてもよい。
【0084】
ステップS109において、通信部212は、上記の各種の情報を含む表示データを端末110に出力する。ステップS110において、端末110は、クラウドサーバ140が出力した表示データの内容をタッチパネル110Aに表示させる。以上により、
図7のシーケンスチャートは終了する。
図7のシーケンスチャートは、以下の各実施形態にも適用され得る。
【0085】
1-7.その他
以上に説明したように、本実施形態は、空圧センサ121および加速度センサ131からのセンシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルを評価し、評価した疾患リスクレベルを端末110に出力する。これにより、ユーザUは、自身の疾患リスクレベルを把握できる。
【0086】
また、評価部222は、センシングデータだけでなく、ユーザUが入力した疾患に関する入力データ(主観的な評価および対策情報)も加味して、疾患リスクレベルを評価する。これにより、入力データも踏まえて、疾患リスクレベルを評価できるため、疾患リスクレベルの評価精度を向上させることができる。
【0087】
ここで、上述したように、端末110は、加速度センサ131からのセンシングデータおよび空圧センサ121からのセンシングの両者を取得し、取得した2種類のセンシングデータをクラウドサーバ140に出力する。評価部222は、当該2種類のセンシングデータに基づき、疾患リスクレベルを評価する。当該2種類のセンシングデータはそれぞれ計測の種類が異なるセンサから得られるデータである。本実施形態では、加速度センサ131からのセンシングデータは掻破行動を示し、空圧センサ121からのセンシングデータは睡眠状態を示す。
【0088】
睡眠状態は、肌のかゆみに直接的に影響する要素ではない。しかしながら、睡眠不足のように睡眠状態が悪いと、睡眠中の掻破行動に間接的に影響を及ぼすことが想定される。評価部222は、計測の種類が異なる複数のセンサから得られる複数のセンシングデータに基づいて疾患リスクレベルを評価する。
【0089】
例えば、空圧センサ121からのセンシングデータに基づき評価される疾患リスクレベル(睡眠の疾患リスクレベル)が一定レベル以上であるとする。この場合、評価部222は、加速度センサ131からのセンシングデータに基づき評価した疾患リスクレベル(肌のかゆみの疾患リスクレベル)を増加させてもよい。これにより、肌のかゆみに間接的に及ぼすことが想定される要因も考慮した肌のかゆみの疾患リスクレベルの評価精度が向上する。これに伴い、保険料推定部225は、評価部222が疾患リスクレベル(肌のかゆみの疾患リスクレベル)を増加させた場合、疾患リスクレベルの増加の度合いに応じて、推定する翌月の保険料を増加させてもよい。
【0090】
以上において、アドバイス情報生成部223は、入力データのうち対策情報が示す保湿剤とは異なる複数種類の保湿剤(または薬)をテストサンプルとして使用することを促すアドバイス情報を生成してもよい。このとき、アドバイス情報生成部223は、複数種類の保湿剤をそれぞれ使用する量および日数を示す情報をアドバイス情報に含めてもよい。
【0091】
保湿剤は、個人によって効力に差がある。薬も同様である。例えば、現在の保湿剤に基づき評価部222が評価した疾患リスクレベルが高い場合(悪い場合)、他の複数種類のテストサンプルを使用することは有用である。
【0092】
上記のアドバイス情報はクラウドサーバ140から端末110に出力される。端末110は、表示データとして、上記のアドバイス情報をタッチパネル110Aに表示する。これにより、ユーザUは、上記のアドバイス情報を視認して、テストサンプルの使用を開始することができる。
【0093】
端末110は、テストサンプルの使用を促すボタン(例えば、テストサンプルの実施ボタン)をタッチパネル110Aに表示してもよい。端末110は、当該ボタンを押下する操作を受け付けると、所定間隔ごとに(例えば、毎日)、加速度センサ131から掻破回数および掻破時間を取得する。そして、端末110の処理部310は、タッチパネル110Aに、取得した毎日の掻破回数および掻破時間を示す情報を表示してもよい。
【0094】
ユーザUは、タッチパネル110Aに表示された掻破回数および掻破時間を参照することで、アドバイス情報が示すテストサンプル(保湿剤)が自身に適した保湿剤であったかを認識できる。例えば、タッチパネル110Aに表示された掻破回数および掻破時間が前日よりも少なくなっていた場合、ユーザUは、クラウドサーバ140が提示した保湿剤が自身に適した保湿剤であったことを認識できる。
【0095】
また、端末110は、掻破回数および掻破時間が前日よりも少なくなったかに応じて、テストサンプル(保湿剤)の使用頻度を多くするか、減らすかをタッチパネル110Aに表示させてもよい。例えば、端末110は、掻破回数および掻破時間が前日よりも少なくなったと判定した場合、テストサンプル(保湿剤)の使用頻度を少なくすることを示す情報をタッチパネル110Aに表示させてもよい。また、端末110は、掻破回数および掻破時間が前日よりも多くなった場合、テストサンプル(保湿剤)の使用頻度を多くすることを示す情報をタッチパネル110Aに表示させてもよい。
【0096】
端末110の処理部310は、睡眠中とそれ以外とのそれぞれの条件で異なる態様(例えば、異なる色)で、上記の掻破回数および掻破時間を示す情報をタッチパネル110Aに表示してもよい。これにより、睡眠中とそれ以外の状況とで、適したテストサンプルを選択できる。また、端末110の処理部310は、睡眠中とそれ以外とのそれぞれの条件で、上記の掻破回数および掻破時間の平均値を示す情報をタッチパネル110Aに表示してもよい。
【0097】
以上のテストサンプルに関する処理は、クラウドサーバ140の制御に基づき、端末110の処理部310が行ってもよい。この場合、クラウドサーバ140は、タッチパネル110Aに表示される掻破回数および掻破時間を認識できる。
【0098】
また、第1実施形態では、加速度センサ131からのセンシングデータおよび空圧センサ121からのセンシングデータの2つのセンシングデータが用いられているが、加速度センサ131からのセンシングデータのみが用いられてもよい。加速度センサ131からのセンシングデータは、掻破回数および掻破時間の情報を含むため、当該2つの情報に基づいて、評価部222は、疾患(かゆみ)の疾患リスクレベルを評価できる。
【0099】
また、第1実施形態において、評価部222は、センシングデータに基づき、疾患ごとの疾患リスクレベルを評価しているが、例えば、疾患のレベルを評価してもよい。例えば、評価部222は、上述した式(1)を用いて求められる疾患リスクの指標値を、疾患の度合いとして用いて、疾患の度合いを評価してもよい。これにより、ユーザUに対して、疾患の度合いを提示することができる。
【0100】
<第2実施形態>
2-1.第2実施形態の構成例
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、疾患として睡眠疾患が適用される場合の例を示す。
図8は、第2実施形態のシステム200の一例を示す図である。第2実施形態のシステム200は、第1実施形態のシステム100のウェアラブルデバイス130および加速度センサ131がない点を除き、第1実施形態のシステム100と同様である。
【0101】
第2実施形態の空圧センサ121は、上述した睡眠時間、中途覚醒時間および睡眠効率を検知するとともに、体振動に基づき、心拍数、呼吸イベント指数および周期性体動指数を含むセンシングデータを検知する。空圧センサ121は、検知したセンシングデータを端末110に出力する。センシングデータは、上記以外のユーザUの睡眠状態に関するデータを含んでいてもよい。
【0102】
心拍数は、ユーザUの心拍数である。呼吸イベント指数は、睡眠1時間あたりの呼吸振幅の有意な変動回数である。呼吸イベント指数は、睡眠1時間当たりの無呼吸回数(無呼吸指数)を利用したものであってもよいし、睡眠1時間当たりの無呼吸及び低呼吸の合計回数(無呼吸低呼吸指数)を利用したものであってもよい。周期性体動指数は、睡眠1時間あたりの周期的な体動の発生回数である。周期性体動指数は、睡眠1時間あたりの周期性四肢運動の回数を利用したものであってもよい。
【0103】
2-2.第2実施形態のデータの流れ
次に、第2実施形態のデータの流れについて説明する。
図9は、第2実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。空圧センサ121は、睡眠時間、中途覚醒時間、睡眠効率および心拍数、呼吸イベント指数および周期性体動指数を含むセンシングデータを端末110に出力する。
【0104】
端末110は、睡眠に関する主観的な評価として、ユーザUから、睡眠習慣およびストレス要因の情報の入力を受け付ける。睡眠習慣は、例えば、過去1か月間の間における寝床時刻や眠るまでに要した時間、起床時刻等の睡眠習慣に関する入力項目である。ストレス要因は、ユーザUが感じているストレスに関する入力項目である。睡眠に関する主観的な評価は、上記には限定されない。
【0105】
端末110は、対策情報として、ユーザUから、寝具、居室環境および家族構成の情報の入力を受け付ける。寝具は、例えば、マットレス122やユーザUが睡眠中に着衣する衣服等を示す情報である。居室環境は、例えば、ユーザUが就寝する部屋の空調機や騒音等を示す情報である。家族構成は、ユーザUの家族構成を示す情報である。
【0106】
端末110は、上記センシングデータ、上記入力データおよび個人認証データを含むユーザデータをクラウドサーバ140に出力する。評価部222は、端末110が出力したセンシングデータおよび入力データに基づき、疾患(睡眠)の疾患リスクレベルを評価する。疾患リスクレベルの評価は、第1実施形態と同様である。例えば、評価部222は、端末110が出力したセンシングデータおよび入力データの各パラメータを数値化し、各パラメータに所定の重み付けを行い、疾患リスクの指標値を算出する。評価部222は、算出された疾患リスクの指標値と指標基準とを比較して、疾患リスクレベルを区分する。
【0107】
保険情報取得部224は、ユーザUが加入している睡眠に関する保険の保険情報を取得する。保険料推定部225は、現在の保険料と評価された疾患リスクレベルとに基づき、翌月の保険料を推定する。また、保険料推定部225は、翌月の保険料の増減額を算出してもよい。
【0108】
アドバイス情報生成部223は、評価された疾患リスクレベルに応じて、生活習慣、就寝環境および食生活に関するアドバイス情報を生成する。食生活のアドバイス情報は、睡眠を促すサプリメントの情報を含んでもよい。アドバイス情報生成部223は、推定された翌月の保険料と翌月の保険料の増減額との一方または両方をアドバイス情報に含めてもよい。
【0109】
通信部212は、評価された睡眠の疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報を端末110に出力する。端末110は、クラウドサーバ140が出力した評価された睡眠の疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報をタッチパネル110Aに表示させる。
【0110】
以上のように、第2実施形態では、1種類のセンシングデータが用いられる。この場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、テストサンプルを使用する際の処理は、第1実施形態と同様である。
【0111】
以上において、保険料推定部225は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の値に応じて、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。例えば、保険料推定部225は、平均睡眠時間、眠りの規則性、呼吸イベント指数および平均中途覚醒時間の各値に応じて、本実施形態における翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0112】
図10は、平均睡眠時間、眠りの規則性、呼吸イベント指数および平均中途覚醒時間の値の一例を示す図である。
図10において、破線は標準値を表し、実線はセンシングデータから得られた値を表す。センシングデータから得られた値は標準値に近い方が好ましい。保険料推定部225は、これらの値を総合的に勘案して、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0113】
アドバイス情報生成部223は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の睡眠に関する値に応じて、本実施形態におけるアドバイス情報の内容を変更してもよい。例えば、
図10の例では、呼吸イベント指数が基準値よりも大幅に低くなっている(基準値よりも一定量を超えて低い値になっている)。この場合、いびきの影響がある可能性があるため、アドバイス情報生成部223は、ベッド120の背上げや運動の推奨等をアドバイス情報(レコメンド)として生成してもよい。また、例えば、
図10の例では、眠りの規則性も基準値よりも大幅に低くなっている。この場合、起床時間を統一することが好ましいため、アドバイス情報生成部223は、ベッド120の背上げによる起床や香りによる目覚まし等をアドバイス情報(レコメンド)として生成してもよい。当該アドバイス情報(レコメンド)がタッチパネル110Aに表示されることで、ユーザUは自身の状態に応じた具体的なレコメンドを確認できる。
【0114】
また、評価部222は、睡眠に関する評価として、ユーザUが悪夢を見たかを評価してもよい。例えば、評価部222は、センシングデータに基づき、ユーザUが覚醒直前に心拍数、呼吸数および血圧の値の変動が所定の閾値以上となった場合に、ユーザUが悪夢を見たと判定してもよい。この場合、保険料推定部225は、保険料を推定する際に、一定額の割引や所定の報酬等を付加して、推定してもよい。
【0115】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態の疾患は、疾患として感染症(呼吸障害を引き起こす可能性のある感染症)が適用された場合の例を示す。
図11は、第3実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。第3実施形態のシステムの構成は、加速度センサ131の代わりにバイタルデータを計測する機器が用いられる点を除き、第1実施形態と同様である。
【0116】
第3実施形態は、第1実施形態の加速度センサ131からのデータではなく、体温のデータや血中酸素飽和濃度(SpO2)等のバイタルデータが用いられる。バイタルデータは、例えば、バイタルデータを計測する機器(体温計や血中酸素飽和濃度を計測する機器)から端末110が取得してもよい。バイタルデータは、ユーザUにより端末110が入力を受け付けたデータであってもよい。また、バイタルデータは、血圧や呼吸数、心拍数等の他の生体に関するデータであってもよい。
【0117】
第3実施形態では、上述したユーザUの主観的な評価は用いられない。クラウドサーバ140の状態情報取得部221は、空圧センサ121からのセンシングデータおよび上述したバイタルデータを取得する。
【0118】
評価部222は、取得したセンシングデータおよびバイタルデータに基づき、疾患(感染症)の疾患リスクレベルを評価する。疾患リスクレベルの評価は、第1実施形態と同様である。例えば、評価部222は、端末110から取得したセンシングデータおよび入力データの各パラメータを数値化し、各パラメータに所定の重み付けを行い、疾患リスクの指標値を算出する。評価部222は、算出された疾患リスクの指標値と指標基準とを比較して、疾患リスクレベルを区分する。
【0119】
保険情報取得部224は、ユーザUが加入している感染症に関わる保険の保険情報を取得する。保険料推定部225は、現在の保険料と評価された疾患リスクレベルとに基づき、翌月の保険料を推定する。また、保険料推定部225は、翌月の保険料の増減額を算出してもよい。
【0120】
アドバイス情報生成部223は、評価された疾患リスクレベルに応じて、生活習慣、就寝環境および食生活に関するアドバイス情報を生成する。食生活のアドバイス情報は、感染症を改善するサプリメントの情報を含む。アドバイス情報生成部223は、推定された翌月の保険料と翌月の保険料の増減額との一方または両方をアドバイス情報に含めてもよい。
【0121】
通信部212は、評価された感染症の疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報を端末110に出力する。端末110は、クラウドサーバ140が出力した評価された感染症の疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報をタッチパネル110Aに表示させる。
【0122】
以上のように、第3実施形態では、ユーザUの主観的な評価が用いられない。この場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図10の例では、評価部222は、2種類のデータ(センシングデータおよびバイタルデータ)を用いて評価を行っているが、1種類のデータ(例えば、センシングデータまたはバイタルデータ)を用いて評価を行ってもよい。なお、テストサンプルを使用する際の処理は、第1実施形態と同様である。
【0123】
以上において、保険料推定部225は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の値に応じて、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。例えば、保険料推定部225は、睡眠時間、心拍数および呼吸数の各値に応じて、本実施形態における翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0124】
図12は、睡眠時間、心拍数および呼吸数の値の一例を示す図である。
図12において、破線は標準値を表し、実線はセンシングデータから得られた値を表す。保険料推定部225は、これらの値を総合的に勘案して、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0125】
アドバイス情報生成部223は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の値に応じて、本実施形態におけるアドバイス情報の内容を変更してもよい。例えば、
図12の例では、心拍数および呼吸数が基準値よりも大幅に低くなっている(基準値よりも一定量を超えて低い値になっている)。この場合、アドバイス情報生成部223は、体温計測の推奨やSpO
2計測の推奨等を示すアドバイス情報(レコメンド)として生成してもよい。当該アドバイス情報(レコメンド)がタッチパネル110Aに表示されることで、ユーザUは自身の状態に応じた具体的なレコメンドを確認できる。
【0126】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、評価部222が評価する対象が健康の度合いを示す指標(健康指標)であるものとする。
図13は、第4実施形態のデータの入出力の関係の一例を示す図である。第4実施形態のシステムの構成は、加速度センサ131および空圧センサ121の代わりにバイタルデータを計測する機器が用いられる点を除き、第1実施形態と同様である。
【0127】
第4実施形態は、第1実施形態の加速度センサ131からのデータではなく、体温のデータや血中酸素飽和濃度(SpO2)、呼吸数、心拍数、血圧等のバイタルデータが用いられる。第3実施形態と同様、バイタルデータは、例えば、バイタルデータを計測する機器から端末110が取得してもよいし、ユーザUにより端末110が入力を受け付けたデータであってもよい。
【0128】
評価部222は、取得したバイタルデータに基づき、健康指標の指標値を算出する。健康指標の指標値の算出は、第1実施形態における疾患リスクレベルの算出と同様の手法が適用され得る。例えば、評価部222は、取得したバイタルデータの各パラメータに対して、それぞれ所定の重み付けを行い、健康指標の指標値を算出する。
【0129】
そして、評価部222は、算出された健康指標の指標値と所定の指標基準とを比較して、健康指標の指標値が複数の疾患リスクレベルのうち何れに属するかを判定する。当該複数の疾患リスクレベルは、第1実施形態~第3実施形態と異なり、疾患にかかる可能性を示すレベルである。第4実施形態の疾患リスクレベルが高いほど、疾患にかかるリスクが高くなる。疾患としては、例えば、高血圧や脂質異常症、心筋梗塞、狭心症等である。上記の所定の指標基準には、例えば、ユーザUの健康診断の結果が用いられてもよいし、ユーザUが端末110に入力した情報(例えば、睡眠に関する日々の記録や日中の活動)が用いられてもよいし、両者が用いられてもよい。
【0130】
保険情報取得部224は、ユーザUの健康指標に関わる保険の保険情報を取得する。当該保険は、疾患にかかっていない加入者の健康状態に応じて保険料が変動する保険である。保険料推定部225は、現在の保険料と評価された疾患リスクレベルとに基づき、翌月の保険料を推定する。また、保険料推定部225は、翌月の保険料の増減額を算出してもよい。
【0131】
アドバイス情報生成部223は、評価された健康指標の指標値に基づく疾患リスクレベルに応じて、生活習慣、就寝環境および食生活に関するアドバイス情報を生成する。食生活のアドバイス情報は、例えば、疾患かかるリスクを下げるサプリメントの情報である。アドバイス情報生成部223は、推定された翌月の保険料と翌月の保険料の増減額との一方または両方をアドバイス情報に含めてもよい。
【0132】
通信部212は、評価された健康指標の指標値に基づく疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報を端末110に出力する。端末110は、クラウドサーバ140が出力した評価された健康指標の指標値に基づく疾患リスクレベルおよび上記のアドバイス情報をタッチパネル110Aに表示させる。
【0133】
以上のように、第4実施形態では、評価する対象が健康指標の指標値である場合に、健康指標の指標値が複数の疾患リスクレベルのうち何れに属するかを評価できる。第4実施形態において、評価部222は、上述したバイタルデータに、ユーザUの主観的な評価も加味して、健康指標の指標値に基づく評価を行ってもよい。
【0134】
第4実施形態が対象とする保険は、疾患にかかることを予防するために健康を維持するための保険であり、ユーザUが当該保険の加入者であるかことの認証の必要性は第1実施形態~第3実施形態と比べると高い。そこで、例えば、第4実施形態で用いられる個人認証データは、例えば、指紋認証や顔認証、静脈認証等の生体認証データが用いられてもよい。
【0135】
また、第4実施形態のアドバイス情報生成部223が生成するアドバイス情報は、疾患の改善を促すアドバイスの情報ではなく、例えば、疾患にかからないようにするアドバイスの情報である。なお、テストサンプルを使用する際の処理は、第1実施形態と同様である。
【0136】
以上において、保険料推定部225は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の値に応じて、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。例えば、保険料推定部225は、睡眠時間、血圧、呼吸数、心拍数および活動量に応じて、本実施形態における翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0137】
図14は、睡眠時間、血圧、呼吸数、心拍数および活動量の値の一例を示す図である。
図14において、破線は標準値を表し、実線はセンシングデータから得られた値を表す。保険料推定部225は、これらの値を総合的に勘案して、翌月の保険料の増減額を推定してもよい。
【0138】
アドバイス情報生成部223は、例えば、空圧センサ121から得られたセンシングデータに含まれる各種の値に応じて、本実施形態におけるアドバイス情報の内容を変更してもよい。例えば、
図14の例では、心拍数および呼吸数が基準値よりも大幅に高くなっており(基準値よりも一定量を超えて高い値になっている)、活動量が基準値よりも大幅に低くなっている(基準値よりも一定量を超えて低い値になっている)。この場合、アドバイス情報生成部223は、運動の推奨および体温計測の推奨等を示すアドバイス情報(レコメンド)として生成してもよい。
【0139】
第4実施形態において、空圧センサ121が使用されてもよい。例えば、クラウドサーバ140は、空圧センサ121から得られたセンシングデータがユーザUの睡眠安静時に得られたデータであることを示している場合に、バイタルデータに基づく健康指標の指標値を算出してもよい。これにより、ユーザUの活動量が低下して睡眠が安定しているときのバイタルデータに基づく健康指標の指標値を算出できる。当該アドバイス情報(レコメンド)がタッチパネル110Aに表示されることで、ユーザUは自身の状態に応じた具体的なレコメンドを確認できる。
【0140】
<変形例>
次に、上述した各実施形態の変形例について説明する。ユーザUが複数種類の保険に加入している場合がある。例えば、ユーザUが、疾患としてのかゆみおよび睡眠の2つの保険に加入している場合、ユーザUには2種類の保険が紐づく。
【0141】
保険情報取得部224は、個人認証データに基づきユーザUを特定する。保険情報取得部224は、特定されたユーザUが加入している保険の保険を示す保険情報を、保険会社のサーバから取得する。当該保険情報が、例えば、疾患としてのかゆみの保険および睡眠の保険であったとする。この場合、クラウドサーバ140の状態情報取得部221は、ユーザUが加入している保険の保険情報に応じて、評価する対象の2つの疾患に用いられる2つのセンシングデータを端末110から取得する。
【0142】
睡眠に関する疾患の1つに睡眠不足がある。上述したように、肌のかゆみの疾患は、睡眠疾患に間接的に影響を与える。つまり、肌の疾患リスクレベルが高くなるに応じて、睡眠不足になる可能性が高くなる。評価部222は、肌のかゆみの疾患リスクレベルおよび睡眠の疾患リスクレベルをそれぞれ評価する際、相互の疾患リスクレベルを踏まえた評価を行ってもよい。そして、保険料推定部225は、評価された2種類の疾患リスクレベルのそれぞれに対応する保険の保険料を推定してもよい。
【0143】
保険料推定部225は、評価された肌のかゆみの疾患リスクレベルが所定のレベル以上である場合、睡眠の疾患リスクレベルに応じて推定した睡眠疾患の保険の保険料に所定の金額を加算してもよい。これにより、ユーザUの睡眠の保険について、ユーザUの肌のかゆみの疾患リスクレベルも考慮した保険料の推定が行われる。従って、保険料の推定精度が向上する。
【0144】
例えば、肌のかゆみの疾患リスクレベルが5段階(レベルA~E)であり、睡眠の疾患リスクレベルが5段階(レベルA~E)であるとする。レベルAが最良であることを示し、レベルEが最悪であることを示すものとする。また、5段階の睡眠の疾患リスクレベルのそれぞれに対応する保険料(F1~F5)が設定されているとする。睡眠の疾患リスクレベルAには保険料F1が対応し、睡眠の疾患リスクレベルEには保険料F5が対応する。この場合、保険料F1が最も低額であり、保険料F5が最も高額となる。
【0145】
また、肌のかゆみの疾患リスクレベルのそれぞれに対応する加算保険料(f1~f5)が設定されているとする。肌のかゆみの疾患リスクレベルAには加算保険料f1が対応し、肌のかゆみの疾患リスクレベルEには加算保険料f5が対応する。この場合、加算保険料f1が最も低額であり、加算保険料f5が最も高額である。
【0146】
例えば、評価部222が、睡眠の疾患リスクレベルをレベルCとして推定し、肌のかゆみの疾患リスクレベルをレベルAとして推定したとする。この場合、保険料推定部225は、レベルCに対応する保険料F3に加算保険料f1を加算した保険料(F3+f1)を睡眠保険の保険料として推定する。
【0147】
一方、評価部222が、睡眠の疾患リスクレベルをレベルCとして推定し、肌のかゆみの疾患リスクレベルをレベルEとして推定したとする。この場合、保険料推定部225は、レベルCに対応する保険料F3に加算保険料f5を加算した保険料(F3+f5)を睡眠保険の保険料として推定する。
【0148】
睡眠の疾患リスクレベルが同じレベルCであるとして評価されたとしても、保険料(F3+f5)は、保険料(F3+f1)よりも高額になる。以上のように、ユーザUの睡眠保険について、ユーザUの肌のかゆみの疾患リスクレベルも考慮した保険料の推定が行われることで、保険料の推定精度が向上する。肌のかゆみの疾患リスクレベルがレベルEとして評価された場合、保険料推定部225は、肌のかゆみの保険の保険料を最も高額な保険料として推定する。
【0149】
そして、ユーザUが肌のかゆみに対する対策を講じたことにより、評価部222がセンシングデータに基づき評価した肌のかゆみの疾患リスクレベルが低下したとする。例えば、睡眠の疾患リスクレベルがレベルCであり、肌のかゆみの疾患リスクレベルがレベルEからレベルCに改善されたとする。
【0150】
この場合、保険料推定部225は、睡眠保険の保険料を保険料(F3+f5)から保険料(F3+f3)として推定する。つまり、保険料推定部225は、減額した保険料を推定する。また、保険料推定部225は、肌のかゆみの保険の保険料を減額して推定する。推定された保険料の情報は、タッチパネル110Aに表示される。これにより、ユーザUは、疾患に対する対策を講じることにより、肌のかゆみの保険および睡眠保険の両方が減額されることを認識できる。
【0151】
保険料推定部225は、2種類の保険(例えば、睡眠保険および肌のかゆみの保険)に加入している場合、それぞれの保険に対して、一定額の割引をした保険料を推定してもよい。
【0152】
上記の例では、ユーザUがかゆみの保険および睡眠の保険の2種類の保険に加入している場合における保険料の推定について説明したが、上記の例は、かゆみの保険および睡眠の保険以外にも適用できる。また、ユーザUが3種類以上の保険に加入している場合にも上記の例を適用できる。
【0153】
次に、保険料の増減額の表示についての変形例について説明する。端末110は、次に保険料が変動する前に、保険料推定部225が推定した翌月の保険料の現在の保険料に対する増減額をタッチパネル110Aに表示してもよい。
図15は、変形例における保険料の増減額を表示する画面例を示す図である。アドバイス情報生成部223は、例えば、
図15に示されるように保険料の増減額を示す情報を生成する。当該保険料の増減額を示す情報は、疾患リスクレベルを示す情報とともに、端末110のタッチパネル110Aに表示される。これにより、ユーザUの疾患に対する行動変容が促される。
【0154】
アドバイス情報生成部223は、センシングデータの各パラメータについて、
図15に示されるように、所定期間前(例えば、1週間前)の各パラメータの値と現在の各パラメータの値とを表すグラフやチャートの情報をアドバイス情報に含めてもよい。これにより、ユーザUは自身の疾患に関する情報を認識できるようになる。なお、
図15の一点鎖線は1週間前の各パラメータの値を表し、実線は現在の各パラメータの値を表す。
【0155】
以上の各実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また各実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また理システム、情報処理装置、サーバシステム、端末装置等の構成及び動作等も、各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0156】
以上に説明した各種の例について、以下の付記を開示する。
(付記1)
ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータをユーザの端末から取得するデータ取得部と、
取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価する評価部と、
評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
(付記2)
前記データ取得部は、前記端末が入力を受け付けた前記ユーザの疾患に関する入力データを前記端末から取得し、
前記評価部は、取得された前記センシングデータおよび前記入力データに基づいて、前記疾患ごとの疾患リスクレベルを評価する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記入力データは、前記疾患についての前記ユーザの主観的な評価を示す情報および前記ユーザが実施している前記疾患に対する対策を示す対策情報を含む、付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記センシングデータは複数のパラメータを含み、
前記評価部は、前記複数のパラメータのそれぞれに所定の重み付けを行い、当該重み付けがされた前記複数のパラメータから得られる疾患リスクの指標値を算出し、算出された前記疾患リスクの指標値が複数の前記疾患リスクレベルのうち何れに属するかを判定し、
前記出力部は、判定された疾患リスクレベルを前記端末に出力する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記データ取得部は、それぞれ計測の種類が異なる複数のセンサから前記センシングデータを取得し、
前記評価部は、前記複数のセンサから得られる複数の前記センシングデータに基づいて、前記疾患リスクレベルを評価する、付記1乃至4のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
(付記6)
加入者の健康状態に応じて保険料が変動する保険について、前記ユーザが加入している前記保険の保険料を示す保険情報を取得する保険情報取得部と、
評価された前記疾患リスクレベルと前記保険情報とに基づいて、変動後の保険料を推定する保険料推定部と、をさらに備え、
前記出力部は、推定された前記変動後の保険料を前記端末に出力する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記データ取得部は、それぞれ計測の種類が異なる複数のセンサから前記センシングデータを取得し、
前記評価部は、前記複数のセンサから得られる複数の前記センシングデータに基づいて、複数の疾患のそれぞれの疾患リスクレベルを評価し、
前記保険情報取得部は、前記ユーザが加入している複数の前記保険情報を取得し、
前記保険料推定部は、評価された前記複数の疾患の前記疾患リスクレベルと前記複数の保険情報とに基づいて、前記複数の疾患のそれぞれの変動後の保険料を推定する、付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
評価された前記疾患リスクレベルに応じて、前記ユーザに対して疾患の改善を促すアドバイス情報を生成するアドバイス情報生成部、をさらに備え、
前記出力部は、生成された前記アドバイス情報を前記端末に出力する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記9)
ユーザの疾患に関する状態を計測するセンサが計測して得られるセンシングデータを端末から取得し、
取得された前記センシングデータに基づいて、疾患ごとの疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを評価し、
評価された前記疾患リスクレベルまたは前記疾患の度合いを前記端末に出力する、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0157】
100…システム、110…端末、110A…タッチパネル、120…ベッド、121…空圧センサ、122…マットレス、130…ウェアラブルデバイス、131…加速度センサ、処理部…210、記憶部…211、通信部…212、221…状態情報取得部、222…評価部、223…アドバイス情報生成部、224…保険情報取得部、225…保険料推定部、310…処理部、320…記憶部、330…通信部、ユーザ…U