(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064602
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】トランス鉄心
(51)【国際特許分類】
H01F 27/245 20060101AFI20240507BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20240507BHJP
H01F 30/12 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01F27/245 152
H01F27/24 E
H01F30/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173313
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 彰訓
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
(57)【要約】
【課題】効率を向上できるトランス鉄心を提供すること。
【解決手段】トランス鉄心は、一主面が第1方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含むヨーク鉄心と、第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層された第2鉄板を複数含む柱状鉄心とを備え、第1方向と第2方向とは互いに直交し、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とがそれぞれ接触している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一主面が第1方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含むヨーク鉄心と、
前記第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層された第2鉄板を複数含む柱状鉄心と
を備え、
前記第1方向と前記第2方向とは互いに直交し、
複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とがそれぞれ接触している、トランス鉄心。
【請求項2】
前記柱状鉄心の前記第2方向に垂直方向な方向から見た形状は矩形である、請求項1に記載のトランス鉄心。
【請求項3】
複数の前記第2鉄板は、同心円状に積層されている、請求項1に記載のトランス鉄心。
【請求項4】
前記柱状鉄心の前記第1方向から見た形状は円形である、請求項3に記載のトランス鉄心。
【請求項5】
複数の前記第1鉄板の前記一主面に垂直方向の厚さと、複数の前記第2鉄板の前記一主面に垂直方向の厚さとは等しい、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトランス鉄心。
【請求項6】
複数の前記第1鉄板の前記一主面以外の面と複数の前記第2鉄板の前記一主面以外の面とが接触する、請求項1に記載のトランス鉄心。
【請求項7】
複数の前記第1鉄板の前記一主面以外の前記面は前記第1方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直であり、
複数の前記第2鉄板の前記一主面以外の前記面は前記第2方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直である、請求項6に記載のトランス鉄心。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランス鉄心に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に備えられる大容量の三相のリアクトル装置や変圧器の鉄心は、一般に、動作時の損失(鉄損)を減らすために薄い珪素鋼板やアモルファス等の磁性材料を複数枚重ねて構成される積層鉄心が用いられる。そして、積層鉄心で構成され、平面上に形成された3本の磁脚に、3組のコイルが巻かれている。
【0003】
三相変圧器に関して、脚鉄心にヨーク鉄心をVノッチ接合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この三相変圧器によれば、コイルの巻回された上下方向の脚鉄心の上端・下端に、水平方向の上部ヨーク鉄心・下部ヨーク鉄心をVノッチ接合して変圧器素体を構成し、3個の変圧器素体を、各ヨーク鉄心が、平面が正三角形の各辺に位置するよう配置し、隣接する変圧器素体の両上部ヨーク鉄心及び両下部ヨーク鉄心のそれぞれの端部を、平面がほぼV形の上部接続鉄心及び下部接続鉄心により接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した技術では、平板形状であるヨーク鉄心及び柱状鉄心の端部の角度を揃えることが難しく、接触が不十分となる場合が想定される。接触が不十分となった場合には効率が悪くなる。
本発明の目的は、効率を向上できるトランス鉄心を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、一主面が第1方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含むヨーク鉄心と、前記第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層された第2鉄板を複数含む柱状鉄心とを備え、前記第1方向と前記第2方向とは互いに直交し、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とがそれぞれ接触している、トランス鉄心である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載のトランス鉄心において、前記柱状鉄心の前記第2方向に垂直方向な方向から見た形状は矩形である。
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載のトランス鉄心において、複数の前記第2鉄板は、同心円状に積層されている。
(4)本発明の一態様は、上記(3)に記載のトランス鉄心において、前記柱状鉄心の前記第1方向から見た形状は円形である。
(5)本発明の一態様は、上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載のトランス鉄心において、複数の前記第1鉄板の前記一主面に垂直方向の厚さと、複数の前記第2鉄板の前記一主面に垂直方向の厚さとは等しい。
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載のトランス鉄心において、複数の前記第1鉄板の前記一主面以外の面と複数の前記第2鉄板の前記一主面以外の面とが接触する。
(7)本発明の一態様は、上記(6)に記載のトランス鉄心において、複数の前記第1鉄板の前記一主面以外の前記面は前記第1方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直であり、複数の前記第2鉄板の前記一主面以外の前記面は前記第2方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、効率を向上できるトランス鉄心を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る電力変換装置1の一例を説明するための概略模式図である。
【
図3】本実施形態に係るトランス鉄心11の一例を示す図である。
【
図5】実施形態の変形例1に係る電力変換装置1aの一例を説明するための概略模式図である。
【
図6】実施形態の変形例1に係るトランス鉄心11aの一例を示す図である。
【
図7】実施形態の変形例2に係る電力変換装置1bの一例を説明するための概略模式図である。
【
図8】実施形態の変形例2に係るトランス鉄心11bの一例を示す図である。
【
図9】実施形態の変形例3に係る電力変換装置1cの一例を説明するための概略模式図である。
【
図10】実施形態の変形例3に係るトランス鉄心11cの一例を示す図である。
【
図11】実施形態の変形例4に係る電力変換装置1dの一例を説明するための概略模式図である。
【
図12】実施形態の変形例4に係るトランス鉄心11dの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態のトランス鉄心を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(実施形態)
(電力変換装置)
図1は本発明の実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す概略構成図である。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置1の一例を、高圧受電設備に組み込んだ状態を示している。
電力変換装置1は、高圧受電設備を収容するキュービクル等に収容され、高圧交流負荷開閉器(LBS)2を介して高圧引き込み線が接続される多相変圧器3と、多相変圧器3の出力を整流する整流回路4と、多相変圧器3と整流回路4とを収容する筐体HOとを備えている。
【0011】
ここでは、一例として、電力変換装置1は、高圧受電設備を収容するキュービクル等に収容される場合について説明するが、この例に限られない。受配電設備は高圧受電設備に限定されず、低圧入力の盤でもよい。
電力変換装置1の一例は、高圧3相電源10から受電した6600Vの高圧3相交流電力を、380V等の特定電圧の低圧交流電力に変換し、変換した電力を直流に変換して出力する。
【0012】
電力変換装置1の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る電力変換装置1の一例を説明するための概略模式図である。
図2において、水平面をX軸方向とY軸方向とで表し、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。図中の矢印の方向が正の方向であり、反対方向が負の方向である。電力変換装置1は、多相変圧器3と、整流回路4とを備える。
図2において、左図はトランス鉄心であり、右図はトランス鉄心にコイルを巻いたものである。
多相変圧器3の一例は、トランス鉄心11と、高低圧コイル12とを備える。
図2に示すように、トランス鉄心11の形状は、六角柱である。つまり、トランス鉄心11をZ軸の正の方向から見た場合に六角形(変形六角形)である。
【0013】
トランス鉄心11の形状を六角柱とすることによって全高調波歪み率(THD: Total Harmonic Distortion)を改善できる。全高調波歪み率とは、様々な周波数の成分が含まれることによって、正弦波から形が歪んでしまう割合であり、信号に含まれる高調波成分すべての実効値の総和と、基本波成分の実効値との比で表される。
トランス鉄心11は、ヨーク鉄心11-1と三個の柱状鉄心11-2とを含んで構成される。水平面上で、三個の柱状鉄心11-2の配置は、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置されている。このように構成することによって、電気的対称性を確保できる。
【0014】
ヨーク鉄心11-1の一例は、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成される。一主面の一例は、第1鉄板において、X軸とY軸とからなる面に平行な面である。
ヨーク鉄心11-1は、巻線を巻くことができる最小寸法で構成する。例えば、多相変圧器3のサイズの一例は、容量10kVAのとき、約480[mm]×500[mm]×400[mm]である。このように構成することによって、磁束を最短距離で通すことができる。
ヨーク鉄心11-1を、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成することによって、ヨーク鉄心に空洞を設けたもの(中心を空けたもの)を使用した場合と比較して、磁束を最短距離で通すことができるとともに、磁束の通り道を広くできる。このため、効率を向上できる。
【0015】
第1鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
複数の第1鉄板の各々は、六角柱において互いに隣接しない側面を対向する側面の方向に所定の長さ(以下「第1長」という)切り取ったものである。ここで、複数の第1鉄板の各々において第1長は異なる。第1長がゼロである場合は六角柱となる。
【0016】
さらに、複数の第1鉄板の各々において、側面が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向に対して所定の角度θ(以下「第1角度θ1」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第1角度θ1の一例は、0度より大きく90度未満である。
複数の第1鉄板の各々は、Z軸方向の正の方向に、一主面の重心が一致するとともに、第1長が長くなるように積層される。ヨーク鉄心11-1において、複数の第1鉄板の各々の側面が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向に対して第1角度θ1となる平面を構成する。
【0017】
三個の柱状鉄心11-2の各々の一例は、Z軸方向と長手方向が平行であり、角型である。つまり、Z軸の正の方向から見た場合に、三個の柱状鉄心11-2の各々の形状は、四角形である。三個の柱状鉄心11-2は、ヨーク鉄心11-1において、側面が切り取られた3か所の部分にそれぞれ接触することによって磁気的に接続している。
三個の柱状鉄心11-2の各々の一例は、一主面がZ軸方向に対して垂直になるように積層された第2鉄板を複数含んで構成される。複数の第2鉄板の各々は、四角形である。複数の第2鉄板の各々においてZ軸方向の長さは互いに異なる。
第2鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
さらに、複数の第2鉄板の各々において、Z軸方向の両端部分はZ軸方向に対して所定の角度θ(以下「第2角度θ2」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第2角度θ2の一例は、0度より大きく90度未満である。
【0018】
複数の第2鉄板の各々は、Z軸方向に垂直な同じ方向に、Z軸方向の両端の長さが短くなるように積層される。第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さは、第1鉄板のZ軸方向の厚さと等しい。例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、0.23[mm]である。また、例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、鉄損と磁束密度の違いによって、0.27[mm]、0.30[mm]、0.35[mm]の場合もある。さらに、第2鉄板の数は第1鉄板の数と等しい。
具体的には、複数の第2鉄板の各々は、ヨーク鉄心11-1の外周から内側にかけて、Z軸方向の長さが短くなるように積層される。柱状鉄心11-2において、複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に対して第2角度θ2となる平面を構成する。
さらに、複数の第2鉄板の各々が積層される方向に垂直な方向で、且つヨーク鉄心11-1に対向する部分である対抗部11-1Sは、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2の鉄板方向が揃っておらず電気的に導通しやすい。このため、ヨーク鉄心11-1の対抗部11-1Sと柱状鉄心11-2の対抗部11-1Sとの間に絶縁紙などの絶縁部材を挟む。このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1の対抗部11-1Sと柱状鉄心11-2の対抗部11-1Sとを絶縁することができる。
【0019】
複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積とが等しい。
さらに、複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分とが第1角度θ1と第2角度θ2との和が90度となるように接触される。例えば、第1角度θ1が30度の場合には第2角度θ2は60度であり、第1角度θ1が45度の場合には第2角度θ2は45度であり、第1角度θ1が60度の場合には第2角度θ2は30度である。このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2とを磁気的に接続できる。
柱状鉄心11-2において、ヨーク鉄心11-1と接触している部分の反対側も斜めに加工されている。
【0020】
図3は、本実施形態に係るトランス鉄心11の一例を示す図である。
図3は、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2との接触部CPの一例を示す。
図2に示す例では、ヨーク鉄心11-1は、第1鉄板11-1Aと第1鉄板11-1Bと第1鉄板11-1Cと第1鉄板11-1Dと第1鉄板11-1Eとを含む。
図2に示す例では、柱状鉄心11-2は、第2鉄板11-2Aと第2鉄板11-2Bと第2鉄板11-2Cと第2鉄板11-2Dと第2鉄板11-2Eとを含む。
【0021】
第1鉄板11-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11-2Aの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11-1Aの第1角度θ1と第2鉄板11-2Aの第2角度θ2との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。ここでは、第1角度θ1及び第2角度θ2は45度である。
第1鉄板11-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11-2Bの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11-1Bの第1角度θ1と第2鉄板11-2Bの第2角度θ2との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11-2Cの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11-1Cの第1角度θ1と第2鉄板11-2Cの第2角度θ2との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0022】
第1鉄板11-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11-2Dの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11-1Dの第1角度θ1と第2鉄板11-2Dの第2角度θ2との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11-2Eの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11-1Eの第1角度θ1と第2鉄板11-2Eの第2角度θ2との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
図1に戻り説明を続ける。
【0023】
筐体HOは、略三角形の上部クランプ(図示なし)と、略三角形の下部クランプ(図示なし)と、ボルト(図示なし)とを備える。ボルトは上部クランプと下部クランプとを連結する。
トランス鉄心11は水平面上で、Z軸の正の方向から見た場合に三個の柱状鉄心11-2が三角形となるように配置されている。
筐体HOにおいて、多相変圧器3を配置した残りの空いている空間に整流回路4が配置される。例えば、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置された三個の柱状鉄心11-2の重心を含む位置に整流回路4が配置されてもよい。空いているスペースに整流回路4を配置することによって、空いているスペースの有効活用が可能となる。
【0024】
電力変換装置1において、多相変圧器3の一例は3相変圧器である。3相変圧器は、低圧3相の電圧を出力する。整流回路4の一例は、3相全波整流回路を含んで構成される。3相全波整流回路は、1組の直流出力を生成する。
ここでは、多相変圧器3の一例として、3相変圧器について説明したが、この例に限られない。例えば、6相変圧器でもよいし、12相変圧器でもよいし、24相変圧器でもよい。多相変圧器3は、入力側に三相交流の端子、出力側に直流端子と交流端子又は直流端子を備えるようにしてもよい。
前述した実施形態では、多相変圧器3と整流回路4とが同一の筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1に二つの筐体を備えるように構成し、多相変圧器3と整流回路4とが異なる筐体に収容されるようにしてもよい。
【0025】
前述した実施形態では、多相変圧器3と整流回路4とが筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、多相変圧器3と整流回路4とのうち、少なくとも多相変圧器3が筐体HOに収容されるようにしてもよい。
前述した実施形態では、電力変換装置1に多相変圧器3と整流回路4とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1にヒートシンクが含まれてもよい。例えば、ヒートシンクによって、多相変圧器3と整流回路4とのいずれか一方又は両方が冷却されてもよい。ヒートシンクは、筐体HOに収容されてもよいし、筐体HOに収容されていなくてもよい。
【0026】
前述した実施形態では、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが等しい場合について説明したが、この例に限られない。例えば、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが異なっていてもよい。具体的には、第1鉄板の数が第2鉄板の数よりも1割から2割多くてもよい。
前述した実施形態では、ヨーク鉄心11-1が、第1鉄板11-1Aと第1鉄板11-1Bと第1鉄板11-1Cと第1鉄板11-1Dと第1鉄板11-1Eとを含み、柱状鉄心11-2が、第2鉄板11-2Aと第2鉄板11-2Bと第2鉄板11-2Cと第2鉄板11-2Dと第2鉄板11-2Eとを含む場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、ヨーク鉄心11-1が、2-4の第1鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第1鉄板を含んで構成されてもよい。例えば、柱状鉄心11-2が、2-4の第2鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第2鉄板を含んで構成されてもよい。
【0027】
前述した実施形態では、ヨーク鉄心11-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、六角形である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ヨーク鉄心11-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、三角形であってもよいし、円形であってもよいし、多角形であってもよい。
前述した実施形態では、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2とが接触部で接触することによって接続される場合について説明したがこの例に限られない。例えば、複数の第1鉄板を積層し、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2とを含む形状に加工し、折り曲げる加工を行ってもよい。
【0028】
本実施形態に係る高圧受電設備によれば、トランス鉄心11は、一主面が第1方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含むヨーク鉄心11-1と、第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層された第2鉄板を複数含む柱状鉄心11-2とを備える。第1方向と第2方向とは互いに直交し、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とがそれぞれ接触している。
このように構成することによって、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とをそれぞれ接触させることができるため、トランス鉄心11の効率を向上させることができる。
【0029】
図4は、トランス鉄心110の一例を示す図である。
図4において、左図は従来のトランス鉄心110を、Z軸の正の方向から見た図である。
トランス鉄心110は、ヨーク鉄心110-1と、柱状鉄心110-2とを含んで構成される。
図4において、右図はトランス鉄心110のヨーク鉄心110-1と、柱状鉄心110-2との接触部の拡大図である。
従来のトランス鉄心110によれば、ヨーク鉄心110-1を構成する平板状の鉄心と柱状鉄心110-2を構成する平板状の鉄心との角度を揃えることが難しいため、接触させることができず、効率が悪かった。
【0030】
本実施形態に係るトランス鉄心11によれば、複数の第1鉄板を一主面が第1方向に垂直になるように積層することによってヨーク鉄心11-1を構成し、複数の第2鉄板を第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層することによって柱状鉄心11-2が構成されるため、電気的に短絡場所をなくことができる。渦電流損がなくなるため、効率がよくなる。
また、複数の第1鉄板を一主面が第1方向に垂直になるように積層されたヨーク鉄心11-1と、複数の第2鉄板を第1方向と長手方向が平行であり、一主面が第2方向に垂直になるように積層された柱状鉄心11-2とにおいて、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とをそれぞれ接触させることができるため、複数の第1鉄板と複数の第2鉄板とをそれぞれ接触させない場合と比較して効率を向上できる。
【0031】
さらに、トランス鉄心11において、柱状鉄心11-2の第2方向に垂直方向な方向から見た形状は矩形である。
このように構成することによって、柱状鉄心11-2に含まれる複数の第2鉄板の各々を加工しやすくできる。
【0032】
トランス鉄心11において、複数の第1鉄板の一主面に垂直方向の厚さと、複数の第2鉄板の一主面に垂直方向の厚さとは等しい。
このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1に含まれる複数の第1鉄板と柱状鉄心11-2に含まれる複数の第2鉄板とをそれぞれ接触させやすくできる。
【0033】
トランス鉄心11において、複数の第1鉄板の一主面以外の面と複数の第2鉄板の一主面以外の面とが接触する。
このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1に含まれる複数の第1鉄板と柱状鉄心11-2に含まれる複数の第2鉄板とを斜めの断面で組み合わせる(接触させる)ことができるため、磁路を確保できる。磁気抵抗を小さくできるため、効率を向上できる。さらに、それぞれ接触する面の面積を、複数の第1鉄板の一主面又は複数の第2鉄板の一主面とを接触させる場合よりも増加させることができる。
【0034】
トランス鉄心11において、複数の第1鉄板の一主面以外の面は第1方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直であり、複数の第2鉄板の一主面以外の面は第2方向に対して0度より大きく90度未満の角度をなす方向に垂直である。
このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1に含まれる複数の第1鉄板と柱状鉄心11-2に含まれる複数の第2鉄板とを斜めの断面で組み合わせる(接触させる)ことができるため、ヨーク鉄心11-1に含まれる複数の第1鉄板と柱状鉄心11-2に含まれる複数の第2鉄板とがそれぞれ接触する面の面積を、複数の第1鉄板の一主面又は複数の第2鉄板の一主面とを接触させる場合よりも増加させることができる。
【0035】
(実施形態の変形例1)
(電力変換装置)
実施形態の変形例1に係る電力変換装置1aの一例は、
図1を適用できる。ただし、多相変圧器3の代わりに多相変圧器3aを備える点で、実施形態に係る電力変換装置1とは異なる。
【0036】
図5は、実施形態の変形例1に係る電力変換装置1aの一例を説明するための概略模式図である。
図5において、水平面をX軸方向とY軸方向とで表し、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。図中の矢印の方向が正の方向であり、反対方向が負の方向である。電力変換装置1aは、多相変圧器3aと、整流回路4とを備える。
図5は、多相変圧器3aのトランス鉄心である。
多相変圧器3aの一例は、トランス鉄心11aと、高低圧コイル12とを備える。
図5に示すように、トランス鉄心11aの形状は、円柱である。つまり、トランス鉄心11aをZ軸の正の方向から見た場合に円形である。
【0037】
トランス鉄心11aの形状を円柱とすることによって全高調波歪み率を改善できる。
トランス鉄心11aは、ヨーク鉄心11a-1と三個の柱状鉄心11a-2とを含んで構成される。水平面上で、三個の柱状鉄心11a-2の配置は、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置されている。このように構成することによって、電気的対称性を確保できる。
【0038】
ヨーク鉄心11a-1の一例は、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成される。一主面の一例は、第1鉄板において、X軸とY軸とからなる面に平行な面である。
ヨーク鉄心11a-1は、巻線を巻くことができる最小寸法で構成する。例えば、多相変圧器3aのサイズの一例は、容量10kVAのとき、約480[mm]×500[mm]×400[mm]である。このように構成することによって、磁束を最短距離で通すことができる。
ヨーク鉄心11a-1を、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成することによって、ヨーク鉄心に空洞を設けたもの(中心を空けたもの)を使用した場合と比較して、磁束を最短距離で通すことができるとともに、磁束の通り道を広くできる。このため、効率を向上できる。
【0039】
第1鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
複数の第1鉄板の各々は、円柱において上面の円の中心と六角形の重心とが合うように六角形を形成した場合に互いに隣接しない辺とその辺に直交する方向の所定の長さ(以下「第2長」という)の辺と円柱の高さとからなる直方体を切り取ったものである。ここで、複数の第1鉄板の各々において第2長は異なる。
【0040】
さらに、複数の第1鉄板の各々において、直方体が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向対して所定の角度θ(以下「第3角度θ3」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第3角度θ3の一例は、0度より大きく90度未満である。
複数の第1鉄板の各々は、Z軸方向の正の方向に、一主面の中心が一致するとともに、第2長が長くなるように積層される。ヨーク鉄心11a-1において、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に垂直な方向に対して第3角度θ3となる平面を構成する。
【0041】
三個の柱状鉄心11a-2の各々の一例は、Z軸方向と長手方向が平行であり、角型である。つまり、Z軸の正の方向から見た場合に、三個の柱状鉄心11a-2の各々の形状は、四角形である。三個の柱状鉄心11a-2は、ヨーク鉄心11a-1において、直方体が切り取られた3か所の部分にそれぞれ接触することによって磁気的に接続している。
三個の柱状鉄心11a-2の各々の一例は、一主面がZ軸方向に対して垂直になるように積層された第2鉄板を複数含んで構成される。複数の第2鉄板の各々は、四角形である。複数の第2鉄板の各々においてZ軸方向の長さは互いに異なる。
【0042】
第2鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
さらに、複数の第2鉄板の各々において、Z軸方向の両端部分はZ軸方向に対して所定の角度θ(以下「第4角度θ4」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第4角度θ4の一例は、0度より大きく90度未満である。
【0043】
複数の第2鉄板の各々は、Z軸方向に垂直な同じ方向に、Z軸方向の両端の長さが短くなるように積層される。第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さは、第1鉄板のZ軸方向の厚さと等しい。さらに、第2鉄板の数は第1鉄板の数と等しい。例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、0.23[mm]である。また、例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、鉄損と磁束密度の違いによって、0.27[mm]、0.30[mm]、0.35[mm]の場合もある。
具体的には、複数の第2鉄板の各々は、ヨーク鉄心11a-1の外周から内側にかけて、Z軸方向の長さが短くなるように積層される。柱状鉄心11a-2において、複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に対して第4角度θ4となる平面を構成する。
さらに、複数の第2鉄板の各々が積層される方向に垂直な方向で、且つヨーク鉄心11a-1に対向する部分である対抗部11a-1Sは、ヨーク鉄心11a-1と柱状鉄心11a-2の鉄板方向が揃っておらず電気的に導通しやすい。このため、ヨーク鉄心11a-1の対抗部11a-1Sと柱状鉄心11a-2の対抗部11a-1Sとの間に絶縁紙などの絶縁部材を挟む。このように構成することによって、ヨーク鉄心11a-1の対抗部11a-1Sと柱状鉄心11a-2の対抗部11a-1Sとを絶縁することができる。
【0044】
複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積とが等しい。
さらに、複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分とが第3角度θ3と第4角度θ4との和が90度となるように接触される。例えば、第3角度θ3が30度の場合には第4角度θ4は60度であり、第3角度θ3が45度の場合には第4角度θ4は45度であり、第3角度θ3が60度の場合には第4角度θ4は30度である。このように構成することによって、ヨーク鉄心11-1と柱状鉄心11-2とを磁気的に接続できる。
【0045】
図6は、実施形態の変形例1に係るトランス鉄心11aの一例を示す図である。
図6は、ヨーク鉄心11a-1と柱状鉄心11a-2との接触部の一例を示す。
図6に示す例では、ヨーク鉄心11a-1は、第1鉄板11a-1Aと第1鉄板11a-1Bと第1鉄板11a-1Cと第1鉄板11a-1Dと第1鉄板11a-1Eとを含む。
図6に示す例では、柱状鉄心11a-2は、第2鉄板11a-2Aと第2鉄板11a-2Bと第2鉄板11a-2Cと第2鉄板11a-2Dと第2鉄板11a-2Eとを含む。
【0046】
第1鉄板11a-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11a-2Aの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11a-1Aの第3角度θ3と第2鉄板11a-2Aの第4角度θ4との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。ここでは、第3角度θ3及び第4角度θ4は45度である。
第1鉄板11a-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11a-2Bの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11a-1Bの第3角度θ3と第2鉄板11a-2Bの第4角度θ4との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11a-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11a-2Cの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11a-1Cの第3角度θ3と第2鉄板11a-2Cの第4角度θ4との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0047】
第1鉄板11a-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11a-2Dの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11a-1Dの第3角度θ3と第2鉄板11a-2Dの第4角度θ4との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11a-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11a-2Eの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11a-1Eの第3角度θ3と第2鉄板11a-2Eの第4角度θ4との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0048】
筐体HOは、略三角形の上部クランプ(図示なし)と、略三角形の下部クランプ(図示なし)と、ボルト(図示なし)とを備える。ボルトは上部クランプと下部クランプとを連結する。
トランス鉄心11aは水平面上で、Z軸の正の方向から見た場合に三個の柱状鉄心11a-2が三角形となるように配置されている。
筐体HOにおいて、多相変圧器3aを配置した残りの空いている空間に整流回路4が配置される。例えば、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置された三個の柱状鉄心11a-2の重心を含む位置に整流回路4が配置されてもよい。空いているスペースに整流回路4を配置することによって、空いているスペースの有効活用が可能となる。
【0049】
電力変換装置1aにおいて、多相変圧器3aの一例は3相変圧器である。3相変圧器は、低圧3相の電圧を出力する。整流回路4の一例は、3相全波整流回路を含んで構成される。3相全波整流回路は、1組の直流出力を生成する。
ここでは、多相変圧器3aの一例として、3相変圧器について説明したが、この例に限られない。例えば、6相変圧器でもよいし、12相変圧器でもよいし、24相変圧器でもよい。多相変圧器3aは、入力側に三相交流の端子、出力側に直流端子と交流端子又は直流端子を備えるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例1では、多相変圧器3aと整流回路4とが同一の筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1aに二つの筐体を備えるように構成し、多相変圧器3aと整流回路4とが異なる筐体に収容されるようにしてもよい。
【0050】
前述した実施形態の変形例1では、多相変圧器3aと整流回路4とが筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、多相変圧器3aと整流回路4とのうち、少なくとも多相変圧器3aが筐体HOに収容されるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例1では、電力変換装置1に多相変圧器3aと整流回路4とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1aにヒートシンクが含まれてもよい。例えば、ヒートシンクによって、多相変圧器3aと整流回路4とのいずれか一方又は両方が冷却されてもよい。ヒートシンクは、筐体HOに収容されてもよいし、筐体HOに収容されていなくてもよい。
【0051】
前述した実施形態の変形例1では、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが等しい場合について説明したが、この例に限られない。例えば、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが異なっていてもよい。具体的には、第1鉄板の数が第2鉄板の数よりも1割から2割多くてもよい。
前述した実施形態の変形例1では、ヨーク鉄心11a-1が、第1鉄板11a-1Aと第1鉄板11a-1Bと第1鉄板11a-1Cと第1鉄板11a-1Dと第1鉄板11a-1Eとを含み、柱状鉄心11a-2が、第2鉄板11a-2Aと第2鉄板11a-2Bと第2鉄板11a-2Cと第2鉄板11a-2Dと第2鉄板11a-2Eとを含む場合について説明したが、この例に限られない。
【0052】
例えば、ヨーク鉄心11a-1が、2-4の第1鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第1鉄板を含んで構成されてもよい。例えば、柱状鉄心11a-2が、2-4の第2鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第2鉄板を含んで構成されてもよい。
前述した実施形態の変形例1では、ヨーク鉄心11a-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、円形である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ヨーク鉄心11a-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、三角形であってもよいし、多角形であってもよい。
実施形態の変形例1に係る高圧受電設備によれば、トランス鉄心11aは、実施形態に係るトランス鉄心11と同様の効果を奏する。
【0053】
(実施形態の変形例2)
(電力変換装置)
実施形態の変形例2に係る電力変換装置1bの一例は、
図1を適用できる。ただし、多相変圧器3の代わりに多相変圧器3bを備える点で、実施形態に係る電力変換装置1とは異なる。
【0054】
図7は、実施形態の変形例2に係る電力変換装置1bの一例を説明するための概略模式図である。
図7において、水平面をX軸方向とY軸方向とで表し、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。図中の矢印の方向が正の方向であり、反対方向が負の方向である。電力変換装置1bは、多相変圧器3bと、整流回路4とを備える。
図7は、多相変圧器3bのトランス鉄心である。
多相変圧器3bの一例は、トランス鉄心11bと、高低圧コイル12とを備える。
図7に示すように、トランス鉄心11bの形状は、円柱である。つまり、トランス鉄心11bをZ軸の正の方向から見た場合に円形である。
【0055】
トランス鉄心11bの形状を円柱とすることによって全高調波歪み率を改善できる。
トランス鉄心11bは、ヨーク鉄心11b-1と三個の柱状鉄心11b-2とを含んで構成される。水平面上で、三個の柱状鉄心11b-2の配置は、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置されている。このように構成することによって、電気的対称性を確保できる。
【0056】
ヨーク鉄心11b-1の一例は、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成される。一主面の一例は、第1鉄板において、X軸とY軸とからなる面に平行な面である。
ヨーク鉄心11b-1は、巻線を巻くことができる最小寸法で構成する。例えば、多相変圧器3bのサイズの一例は、容量10kVAのとき、約480[mm]×500[mm]×400[mm]である。このように構成することによって、磁束を最短距離で通すことができる。
ヨーク鉄心11b-1を、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成することによって、ヨーク鉄心に空洞を設けたもの(中心を空けたもの)を使用した場合と比較して、磁束を最短距離で通すことができるとともに、磁束の通り道を広くできる。このため、効率を向上できる。
【0057】
第1鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
複数の第1鉄板の各々は、円柱において上面の円の中心と三角形の重心とが合うように三角形を形成した場合に三角形の頂点を中心とし、所定の長さ(以下「第3長」という)を半径とする円と、円柱の高さとからなる円柱を切り取ったものである。ここで、複数の第1鉄板の各々において第3長は異なる。
【0058】
さらに、複数の第1鉄板の各々において、円柱が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向に対して所定の角度θ(以下「第5角度θ5という)となるように斜めに加工されている。ここで、第5角度θ5の一例は、0度より大きく90度未満である。
複数の第1鉄板の各々は、Z軸方向の正の方向に、一主面の中心が一致するとともに、第3長が長くなるように積層される。ヨーク鉄心11b-1において、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に垂直な方向に対して第5角度θ5となる平面を構成する。
【0059】
三個の柱状鉄心11b-2の各々の一例は、Z軸方向と長手方向が平行であり、円型である。つまり、Z軸の正の方向から見た場合に、三個の柱状鉄心11b-2の各々の形状は、円形である。三個の柱状鉄心11b-2は、ヨーク鉄心11b-1において、円柱(円錐台)が切り取られた3か所の部分にそれぞれ磁気的に接触している。
三個の柱状鉄心11b-2の各々の一例は、一主面がZ軸方向に対して垂直になるように積層された第2鉄板を複数含んで構成される。複数の第2鉄板の各々は、四角形である。複数の第2鉄板の各々においてZ軸方向の長さは互いに異なる。
第2鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
さらに、複数の第2鉄板の各々において、Z軸方向の両端部分はZ軸方向に対して所定の角度θ(以下「第6角度θ6」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第6角度θ6の一例は、0度より大きく90度未満である。
【0060】
複数の第2鉄板の各々は、Z軸方向に垂直な同じ方向に、Z軸方向の両端の長さが短くなるように巻回されることによって、同心円状に積層される。第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さは、第1鉄板のZ軸方向の厚さと等しい。例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、0.23[mm]である。また、例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、鉄損と磁束密度の違いによって、0.27[mm]、0.30[mm]、0.35[mm]の場合もある。さらに、第2鉄板の数は第1鉄板の数と等しい。
具体的には、複数の第2鉄板の各々は、内側から外側にかけて、Z軸方向の長さが短くなるように巻回されることによって、同心円状に積層される。柱状鉄心11b-2において、複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に対して第6角度θ6となる平面を構成する。
【0061】
複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積とが等しい。
さらに、複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分とが第5角度θ5と第6角度θ6との和が90度となるように接触される。例えば、第5角度θ5が30度の場合には第6角度θ6は60度であり、第5角度θ5が45度の場合には第6角度θ6は45度であり、第5角度θ5が60度の場合には第6角度θ6は30度である。このように構成することによって、ヨーク鉄心11b-1と柱状鉄心11b-2とを磁気的に接続できる。
柱状鉄心11b-2において、ヨーク鉄心11b-1と接触している部分の反対側も斜めに加工されている。
【0062】
図8は、実施形態の変形例2に係るトランス鉄心の一例を示す概略構成図である。
図8は、ヨーク鉄心11b-1と柱状鉄心11b-2との接触部の一例を示す。
図8に示す例では、ヨーク鉄心11b-1は、第1鉄板11b-1Aと第1鉄板11b-1Bと第1鉄板11b-1Cと第1鉄板11b-1Dと第1鉄板11b-1Eとを含む。
図8に示す例では、柱状鉄心11b-2は、第2鉄板11b-2Aと第2鉄板11b-2Bと第2鉄板11b-2Cと第2鉄板11b-2Dと第2鉄板11b-2Eとを含む。
【0063】
第1鉄板11b-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11b-2Aの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11b-1Aの第5角度θ5と第2鉄板11b-2Aの第6角度θ6との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。ここでは、第5角度θ5及び第6角度θ6は45度である。
第1鉄板11b-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11b-2Bの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11b-1Bの第5角度θ5と第2鉄板11b-2Bの第6角度θ6との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11b-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11b-2Cの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11b-1Cの第5角度θ5と第2鉄板11b-2Cの第6角度θ6との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0064】
第1鉄板11b-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11b-2Dの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11b-1Dの第5角度θ5と第2鉄板11b-2Dの第6角度θ6との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11b-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11b-2Eの斜めに加工された部分とが、第1鉄板11b-1Eの第5角度θ5と第2鉄板11b-2Eの第6角度θ6との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0065】
筐体HOは、略三角形の上部クランプ(図示なし)と、略三角形の下部クランプ(図示なし)と、ボルト(図示なし)とを備える。ボルトは上部クランプと下部クランプとを連結する。
トランス鉄心11bは水平面上で、Z軸の正の方向から見た場合に三個の柱状鉄心11b-2が三角形となるように配置されている。
筐体HOにおいて、多相変圧器3bを配置した残りの空いている空間に整流回路4が配置される。例えば、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置された三個の柱状鉄心11b-2の重心を含む位置に整流回路4が配置されてもよい。空いているスペースに整流回路4を配置することによって、空いているスペースの有効活用が可能となる。
【0066】
電力変換装置1bにおいて、多相変圧器3bの一例は3相変圧器である。3相変圧器は、低圧3相の電圧を出力する。整流回路4の一例は、3相全波整流回路を含んで構成される。3相全波整流回路は、1組の直流出力を生成する。
ここでは、多相変圧器3bの一例として、3相変圧器について説明したが、この例に限られない。例えば、6相変圧器でもよいし、12相変圧器でもよいし、24相変圧器でもよい。多相変圧器3bは、入力側に三相交流の端子、出力側に直流端子と交流端子又は直流端子を備えるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例2では、多相変圧器3bと整流回路4とが同一の筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1bに二つの筐体を備えるように構成し、多相変圧器3bと整流回路4とが異なる筐体に収容されるようにしてもよい。
【0067】
前述した実施形態の変形例2では、多相変圧器3bと整流回路4とが筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、多相変圧器3bと整流回路4とのうち、少なくとも多相変圧器3bが筐体HOに収容されるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例2では、電力変換装置1に多相変圧器3bと整流回路4とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1bにヒートシンクが含まれてもよい。例えば、ヒートシンクによって、多相変圧器3bと整流回路4とのいずれか一方又は両方が冷却されてもよい。ヒートシンクは、筐体HOに収容されてもよいし、筐体HOに収容されていなくてもよい。
【0068】
前述した実施形態の変形例2では、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが等しい場合について説明したが、この例に限られない。例えば、第1鉄板の数と第2鉄板の数とが異なっていてもよい。具体的には、第1鉄板の数が第2鉄板の数よりも1割から2割多くてもよい。
前述した実施形態の変形例2では、ヨーク鉄心11b-1が、第1鉄板11b-1Aと第1鉄板11b-1Bと第1鉄板11b-1Cと第1鉄板11b-1Dと第1鉄板11b-1Eとを含み、柱状鉄心11b-2が、第2鉄板11b-2Aと第2鉄板11b-2Bと第2鉄板11b-2Cと第2鉄板11b-2Dと第2鉄板11b-2Eとを含む場合について説明したが、この例に限られない。
【0069】
例えば、ヨーク鉄心11b-1が、2-4の第1鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第1鉄板を含んで構成されてもよい。例えば、柱状鉄心11b-2が、2-4の第2鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第2鉄板を含んで構成されてもよい。
前述した実施形態の変形例2では、ヨーク鉄心11b-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、円形である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ヨーク鉄心11b-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、三角形であってもよいし、六角形であってもよいし、多角形であってもよい。
【0070】
実施形態の変形例2に係るトランス鉄心11bによれば、トランス鉄心11bは、トランス鉄心11において、複数の第2鉄板は、同心円状に積層されている。さらに、トランス鉄心11bにおいて、柱状鉄心11b-2の第1方向から見た形状は円形である。このように構成することによって、複数の第2鉄板を積層させた場合と比較して、柱状鉄心11b-2を小型化できる。
【0071】
(実施形態の変形例3)
(電力変換装置)
実施形態の変形例3に係る電力変換装置1cの一例は、
図1を適用できる。ただし、多相変圧器3の代わりに多相変圧器3cを備える点で、実施形態に係る電力変換装置1とは異なる。
【0072】
図9は、実施形態の変形例3に係る電力変換装置1cの一例を説明するための概略模式図である。
図9において、水平面をX軸方向とY軸方向とで表し、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。図中の矢印の方向が正の方向であり、反対方向が負の方向である。電力変換装置1cは、多相変圧器3cと、整流回路4とを備える。
図9は、多相変圧器3cのトランス鉄心である。
多相変圧器3cの一例は、トランス鉄心11cと、高低圧コイル12とを備える。
図9に示すように、トランス鉄心11cの形状は、円柱である。つまり、トランス鉄心11cをZ軸の正の方向から見た場合に円形である。
【0073】
トランス鉄心11cの形状を円柱とすることによって全高調波歪み率を改善できる。
トランス鉄心11cは、ヨーク鉄心11c-1と三個の柱状鉄心11c-2とを含んで構成される。水平面上で、三個の柱状鉄心11c-2の配置は、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置されている。このように構成することによって、電気的対称性を確保できる。
ヨーク鉄心11c-1の一例は、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成される。一主面の一例は、第1鉄板において、X軸とY軸とからなる面に平行な面である。
【0074】
ヨーク鉄心11c-1は、巻線を巻くことができる最小寸法で構成する。例えば、多相変圧器3cのサイズの一例は、容量10kVAのとき、約480[mm]×500[mm]×400[mm]である。このように構成することによって、磁束を最短距離で通すことができる。
ヨーク鉄心11c-1を、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成することによって、ヨーク鉄心に空洞を設けたもの(中心を空けたもの)を使用した場合と比較して、磁束を最短距離で通すことができるとともに、磁束の通り道を広くできる。このため、効率を向上できる。
【0075】
第1鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
複数の第1鉄板の各々は、円柱において上面の円の中心と六角形の重心とが合うように六角形を形成した場合に互いに隣接しない辺とその辺に直交する方向の所定の長さ(以下「第4長」という)の辺と円柱の高さとからなる直方体を切り取ったものである。ここで、複数の第1鉄板の各々において第4長は異なる。
【0076】
さらに、複数の第1鉄板の各々において、直方体が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向対して所定の角度θ(以下「第7角度θ7という)となるように斜めに加工されている。ここで、第7角度θ7の一例は、0度より大きく90度未満である。
複数の第1鉄板の各々は、Z軸方向の正の方向に、一主面の中心が一致するとともに、第4長が長くなるように積層される。ヨーク鉄心11c-1において、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に垂直な方向に対して第7角度θ7となる平面を構成する。
【0077】
三個の柱状鉄心11c-2の各々の一例は、Z軸方向と長手方向が平行であり、角型である。つまり、Z軸の正の方向から見た場合に、三個の柱状鉄心11c-2の各々の形状は、四角形である。三個の柱状鉄心11c-2は、ヨーク鉄心11c-1において、直方体(四角錐台)が切り取られた3か所の部分にそれぞれ接触することによって磁気的に接続している。
三個の柱状鉄心11c-2の各々の一例は、一主面がZ軸方向に対して垂直になるように積層された第2鉄板を複数含んで構成される。複数の第2鉄板の各々は、四角形である。複数の第2鉄板の各々においてZ軸方向の長さは互いに異なる。
第2鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
さらに、複数の第2鉄板の各々において、Z軸方向の両端部分はZ軸方向に対して所定の角度θ(以下「第8角度θ8」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第8角度θ8の一例は、0度より大きく90度未満である。
【0078】
複数の第2鉄板の各々は、Z軸方向に垂直な同じ方向に、Z軸方向の両端の長さが長くなるように積層され、その後短くなるように積層される。第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さは、第1鉄板のZ軸方向の厚さと等しい。例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、0.23[mm]である。また、例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、鉄損と磁束密度の違いによって、0.27[mm]、0.30[mm]、0.35[mm]の場合もある。
具体的には、複数の第2鉄板の各々は、ヨーク鉄心11c-1の外周から内側にかけて、Z軸方向の長さが長くなるように積層され、その後短くなるように積層される。柱状鉄心11c-2において、複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に対して第8角度θ8となる平面を構成する。
さらに、複数の第2鉄板の各々が積層される方向に垂直な方向で、且つヨーク鉄心11c-1に対向する部分である対抗部11c-1Sは、ヨーク鉄心11c-1と柱状鉄心11c-2の鉄板方向が揃っておらず電気的に導通しやすい。このため、ヨーク鉄心11c-1の対抗部11c-1Sと柱状鉄心11c-2の対抗部11c-1Sとの間に絶縁紙などの絶縁部材を挟む。このように構成することによって、ヨーク鉄心11c-1の対抗部11c-1Sと柱状鉄心11c-2の対抗部11c-1Sとを絶縁することができる。
【0079】
複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積とが等しい。
さらに、複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分とが第7角度θ7と第8角度θ8との和が90度となるように接触される。例えば、第7角度θ7が30度の場合には第8角度θ8は60度であり、第7角度θ7が45度の場合には第8角度θ8は45度であり、第7角度θ7が60度の場合には第8角度θ8は30度である。このように構成することによって、ヨーク鉄心11c-1と柱状鉄心11c-2とを磁気的に接続できる。
柱状鉄心11c-2において、ヨーク鉄心11c-1と接触している部分の反対側も斜めに加工されている。柱状鉄心11c-2において、ヨーク鉄心11c-1と接触している部分の反対側の先端はV字型に加工されている。
【0080】
図10は、実施形態の変形例3に係るトランス鉄心の一例を示す概略構成図である。
図10は、ヨーク鉄心11c-1と柱状鉄心11c-2との接触部の一例を示す。
図10に示す例では、ヨーク鉄心11c-1は、第1鉄板11c-1Aと第1鉄板11c-1Bと第1鉄板11c-1Cと第1鉄板11c-1Dと第1鉄板11c-1Eとを含む。
図10に示す例では、柱状鉄心11c-2は、第2鉄板11c-2A1と第2鉄板11c-2A2と第2鉄板11c-2B1と第2鉄板11c-2B2と第2鉄板11c-2C1と第2鉄板11c-2C2と第2鉄板11c-2D1と第2鉄板11c-2D2と第2鉄板11c-2E1と第2鉄板11c-2E2とを含む。
【0081】
第1鉄板11c-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2A1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Aの第7角度θ7と第2鉄板11c-2A1の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。ここでは、第7角度θ7及び第8角度θ8は45度である。
第1鉄板11c-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2A2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Aの第7角度θ7と第2鉄板11c-2A2の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2B1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Bの第7角度θ7と第2鉄板11c-2B1の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2B2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Bの第7角度θ7と第2鉄板11c-2B2の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0082】
第1鉄板11c-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2C1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Cの第7角度θ7と第2鉄板11c-2C1の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2C2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Cの第7角度θ7と第2鉄板11c-2C2の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2D1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Dの第7角度θ7と第2鉄板11c-2D1の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2D2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Dの第7角度θ7と第2鉄板11c-2D2の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0083】
第1鉄板11c-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2E1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Eの第7角度θ7と第2鉄板11c-2E1の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11c-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11c-2E2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11c-1Eの第7角度θ7と第2鉄板11c-2E2の第8角度θ8との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0084】
筐体HOは、略三角形の上部クランプ(図示なし)と、略三角形の下部クランプ(図示なし)と、ボルト(図示なし)とを備える。ボルトは上部クランプと下部クランプとを連結する。
トランス鉄心11cは水平面上で、Z軸の正の方向から見た場合に三個の柱状鉄心11c-2が三角形となるように配置されている。
筐体HOにおいて、多相変圧器3cを配置した残りの空いている空間に整流回路4が配置される。例えば、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置された三個の柱状鉄心11c-2の重心を含む位置に整流回路4が配置されてもよい。空いているスペースに整流回路4を配置することによって、空いているスペースの有効活用が可能となる。
【0085】
電力変換装置1cにおいて、多相変圧器3cの一例は3相変圧器である。3相変圧器は、低圧3相の電圧を出力する。整流回路4の一例は、3相全波整流回路を含んで構成される。3相全波整流回路は、1組の直流出力を生成する。
ここでは、多相変圧器3cの一例として、3相変圧器について説明したが、この例に限られない。例えば、6相変圧器でもよいし、12相変圧器でもよいし、24相変圧器でもよい。多相変圧器3cは、入力側に三相交流の端子、出力側に直流端子と交流端子又は直流端子を備えるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例3では、多相変圧器3cと整流回路4とが同一の筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1cに二つの筐体を備えるように構成し、多相変圧器3cと整流回路4とが異なる筐体に収容されるようにしてもよい。
【0086】
前述した実施形態の変形例3では、多相変圧器3cと整流回路4とが筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、多相変圧器3cと整流回路4とのうち、少なくとも多相変圧器3cが筐体HOに収容されるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例3では、電力変換装置1に多相変圧器3cと整流回路4とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1cにヒートシンクが含まれてもよい。例えば、ヒートシンクによって、多相変圧器3cと整流回路4とのいずれか一方又は両方が冷却されてもよい。ヒートシンクは、筐体HOに収容されてもよいし、筐体HOに収容されていなくてもよい。
【0087】
前述した実施形態の変形例3では、ヨーク鉄心11c-1が、第1鉄板11c-1Aと第1鉄板11c-1Bと第1鉄板11c-1Cと第1鉄板11c-1Dと第1鉄板11c-1Eとを含み、柱状鉄心11c-2が、第2鉄板11c-2A1と第2鉄板11c-2A2と第2鉄板11c-2B1と第2鉄板11c-2B2と第2鉄板11c-2C1と第2鉄板11c-2C2と第2鉄板11c-2D1と第2鉄板11c-2D2と第2鉄板11c-2E1と第2鉄板11c-2E2とを含む場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、ヨーク鉄心11c-1が、2-4の第1鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第1鉄板を含んで構成されてもよい。例えば、柱状鉄心11c-2が、2-9の第2鉄板を含んで構成されてもよいし、11以上の第2鉄板を含んで構成されてもよい。
前述した実施形態の変形例3では、ヨーク鉄心11c-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、円形である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ヨーク鉄心11c-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、三角形であってもよいし、六角形であってもよいし、多角形であってもよい。
実施形態の変形例3に係る高圧受電設備によれば、トランス鉄心11cは、実施形態に係るトランス鉄心11と同様の効果を奏する。
【0088】
(実施形態の変形例4)
(電力変換装置)
実施形態の変形例4に係る電力変換装置1dの一例は、
図1を適用できる。ただし、多相変圧器3の代わりに多相変圧器3dを備える点で、実施形態に係る電力変換装置1とは異なる。
【0089】
図11は、実施形態の変形例4に係る電力変換装置1dの一例を説明するための概略模式図である。
図11において、水平面をX軸方向とY軸方向とで表し、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。図中の矢印の方向が正の方向であり、反対方向が負の方向である。電力変換装置1dは、多相変圧器3dと、整流回路4とを備える。
図11は、多相変圧器3dのトランス鉄心である。
多相変圧器3dの一例は、トランス鉄心11dと、高低圧コイル12とを備える。
図11に示すように、トランス鉄心11dの形状は、円柱である。つまり、トランス鉄心11dをZ軸の正の方向から見た場合に円形である。
【0090】
トランス鉄心11dの形状を円柱とすることによって全高調波歪み率を改善できる。
トランス鉄心11dは、ヨーク鉄心11d-1と三個の柱状鉄心11d-2とを含んで構成される。水平面上で、三個の柱状鉄心11d-2の配置は、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置されている。このように構成することによって、電気的対称性を確保できる。
ヨーク鉄心11d-1の一例は、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成される。一主面の一例は、第1鉄板において、X軸とY軸とからなる面に平行な面である。
【0091】
ヨーク鉄心11d-1は、巻線を巻くことができる最小寸法で構成する。例えば、多相変圧器3dのサイズの一例は、容量10kVAのとき、約480[mm]×500[mm]×400[mm]である。このように構成することによって、磁束を最短距離で通すことができる。
ヨーク鉄心11d-1を、一主面がZ軸方向に垂直になるように積層された第1鉄板を複数含んで構成することによって、ヨーク鉄心に空洞を設けたもの(中心を空けたもの)を使用した場合と比較して、磁束を最短距離で通すことができるとともに、磁束の通り道を広くできる。このため、効率を向上できる。
【0092】
第1鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
複数の第1鉄板の各々は、円柱において上面の円の中心と六角形の重心とが合うように六角形を形成した場合に互いに隣接しない辺の長さ(以下「第5長」という)とその辺に直交する方向の所定の長さ(以下「第6長」という)の辺と円柱の高さとからなる直方体を切り取ったものである。ここで、複数の第1鉄板の各々において第5長及び第6長は異なる。
【0093】
さらに、複数の第1鉄板の各々において、直方体が切り取られた部分はZ軸方向に垂直な方向対して所定の角度θ(以下「第9角度θ9」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第9角度θ9の一例は、0度より大きく90度未満である。
複数の第1鉄板の各々は、Z軸方向の正の方向に、一主面の中心が一致するとともに、第5長及び第6長が長くなるように積層される。ヨーク鉄心11d-1において、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に垂直な方向に対して第9角度θ9となる平面を構成する。
【0094】
三個の柱状鉄心11d-2の各々の一例は、Z軸方向と長手方向が平行であり、角型である。つまり、Z軸の正の方向から見た場合に、三個の柱状鉄心11d-2の各々の形状は、四角形である。三個の柱状鉄心11d-2は、ヨーク鉄心11d-1において、直方体(四角錐台)が切り取られた3か所の部分にそれぞれ磁気的に接触している。
三個の柱状鉄心11d-2の各々の一例は、一主面がZ軸方向に対して垂直になるように積層された第2鉄板を複数含んで構成される。複数の第2鉄板の各々は、六角形又は八角形である。複数の第2鉄板の各々においてZ軸方向の長さは互いに異なる。
【0095】
第2鉄板の一例は、薄い珪素鋼板やアモルファスなどの磁性材料を含んで構成される。このように構成することによって動作時の損失を減らすことができる。
さらに、複数の第2鉄板の各々において、Z軸方向の両端部分はZ軸方向に対して所定の角度θ(以下「第10角度θ10」という)となるように斜めに加工されている。ここで、第10角度θ10の一例は、0度より大きく90度未満である。
【0096】
複数の第2鉄板の各々は、Z軸方向に垂直な同じ方向に、Z軸方向の両端の長さが長くなるように積層され、その後短くなるように積層される。第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さは、第1鉄板のZ軸方向の厚さと等しい。例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、0.23[mm]である。また、例えば、第2鉄板のZ軸方向に垂直な方向の厚さ及び第1鉄板のZ軸方向の厚さの一例は、鉄損と磁束密度の違いによって、0.27[mm]、0.30[mm]、0.35[mm]の場合もある。
具体的には、複数の第2鉄板の各々は、ヨーク鉄心11d-1の外周から内側にかけて、Z軸方向の長さが長くなるように積層され、その後短くなるように積層される。柱状鉄心11d-2において、複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分はZ軸方向に対して第10角度θ10となる平面を構成する。
さらに、複数の第2鉄板の各々が積層される方向に垂直な方向で、且つヨーク鉄心11d-1に対向する部分である対抗部11d-1Sは、ヨーク鉄心11d-1と柱状鉄心11d-2の鉄板方向が揃っておらず電気的に導通しやすい。このため、ヨーク鉄心11d-1の対抗部11d-1Sと柱状鉄心11d-2の対抗部11d-1Sとの間に絶縁紙などの絶縁部材を挟む。このように構成することによって、ヨーク鉄心11d-1の対抗部11d-1Sと柱状鉄心11d-2の対抗部11d-1Sとを絶縁することができる。
【0097】
複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分の面積とが等しい。
さらに、複数の第1鉄板の各々と複数の第2鉄板の各々とは、複数の第1鉄板の各々の斜めに加工された部分と複数の第2鉄板の各々の斜めに加工された部分とが第9角度θ9と第10角度θ10との和が90度となるように接触される。例えば、第9角度θ9が30度の場合には第10角度θ10は60度であり、第9角度θ9が45度の場合には第10角度θ10は45度であり、第9角度θ9が60度の場合には第10角度θ10は30度である。このように構成することによって、ヨーク鉄心11d-1と柱状鉄心11d-2とを磁気的に接続できる。
柱状鉄心11d-2において、ヨーク鉄心11d-1と接触している部分の反対側も斜めに加工されている。柱状鉄心11d-2において、ヨーク鉄心11d-1と接触している部分の反対側の先端は四角錐型に加工されている。
【0098】
図12は、実施形態の変形例4に係るトランス鉄心の一例を示す概略構成図である。
図12は、ヨーク鉄心11d-1と柱状鉄心11d-2との接触部の一例を示す。
図12に示す例では、ヨーク鉄心11d-1は、第1鉄板11d-1Aと第1鉄板11d-1Bと第1鉄板11d-1Cと第1鉄板11d-1Dと第1鉄板11d-1Eとを含む。
図12に示す例では、柱状鉄心11d-2は、第2鉄板11d-2A1と第2鉄板11d-2A2と第2鉄板11d-2B1と第2鉄板11d-2B2と第2鉄板11d-2C1と第2鉄板11d-2C2と第2鉄板11d-2D1と第2鉄板11d-2D2と第2鉄板11d-2E1と第2鉄板11d-2E2とを含む。
【0099】
第1鉄板11d-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2A1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Aの第9角度θ9と第2鉄板11d-2A1の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。ここでは、第9角度θ9及び第10角度θ10は45度である。
第1鉄板11d-1Aの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2A2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Aの第9角度θ9と第2鉄板11d-2A2の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0100】
第1鉄板11d-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2B1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Bの第9角度θ9と第2鉄板11d-2B1の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11d-1Bの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2B2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Bの第9角度θ9と第2鉄板11d-2B2の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0101】
第1鉄板11d-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2C1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Cの第9角度θ9と第2鉄板11d-2C1の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11d-1Cの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2C2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Cの第9角度θ9と第2鉄板11d-2C2の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0102】
第1鉄板11d-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2D1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Dの第9角度θ9と第2鉄板11d-2D1の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11d-1Dの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2D2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Dの第9角度θ9と第2鉄板11d-2D2の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0103】
第1鉄板11d-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2E1の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Eの第9角度θ9と第2鉄板11d-2E1の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
第1鉄板11d-1Eの斜めに加工された部分と第2鉄板11d-2E2の斜めに加工された部分とが、第1鉄板11d-1Eの第9角度θ9と第2鉄板11c-2E2の第10角度θ10との和が90度となるように接触することによって磁気的に接続される。
【0104】
筐体HOは、略三角形の上部クランプ(図示なし)と、略三角形の下部クランプ(図示なし)と、ボルト(図示なし)とを備える。ボルトは上部クランプと下部クランプとを連結する。
トランス鉄心11dは水平面上で、Z軸の正の方向から見た場合に三個の柱状鉄心11d-2が三角形となるように配置されている。
筐体HOにおいて、多相変圧器3dを配置した残りの空いている空間に整流回路4が配置される。例えば、Z軸の正の方向から見た場合に三角形となるように配置された三個の柱状鉄心11d-2の重心を含む位置に整流回路4が配置されてもよい。空いているスペースに整流回路4を配置することによって、空いているスペースの有効活用が可能となる。
【0105】
電力変換装置1dにおいて、多相変圧器3dの一例は3相変圧器である。3相変圧器は、低圧3相の電圧を出力する。整流回路4の一例は、3相全波整流回路を含んで構成される。3相全波整流回路は、1組の直流出力を生成する。
ここでは、多相変圧器3dの一例として、3相変圧器について説明したが、この例に限られない。例えば、6相変圧器でもよいし、12相変圧器でもよいし、24相変圧器でもよい。多相変圧器3dは、入力側に三相交流の端子、出力側に直流端子と交流端子又は直流端子を備えるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例3では、多相変圧器3dと整流回路4とが同一の筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1cに二つの筐体を備えるように構成し、多相変圧器dcと整流回路4とが異なる筐体に収容されるようにしてもよい。
【0106】
前述した実施形態の変形例3では、多相変圧器3dと整流回路4とが筐体HOに収容される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、多相変圧器3dと整流回路4とのうち、少なくとも多相変圧器3dが筐体HOに収容されるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例3では、電力変換装置1に多相変圧器3dと整流回路4とが含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力変換装置1dにヒートシンクが含まれてもよい。例えば、ヒートシンクによって、多相変圧器3dと整流回路4とのいずれか一方又は両方が冷却されてもよい。ヒートシンクは、筐体HOに収容されてもよいし、筐体HOに収容されていなくてもよい。
【0107】
前述した実施形態の変形例4では、ヨーク鉄心11d-1が、第1鉄板11d-1Aと第1鉄板11d-1Bと第1鉄板11d-1Cと第1鉄板11d-1Dと第1鉄板11d-1Eとを含み、柱状鉄心11d-2が、第2鉄板11d-2A1と第2鉄板11d-2A2と第2鉄板11d-2B1と第2鉄板11d-2B2と第2鉄板11d-2C1と第2鉄板11d-2C2と第2鉄板11d-2D1と第2鉄板11d-2D2と第2鉄板11d-2E1と第2鉄板11d-2E2とを含む場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、ヨーク鉄心11d-1が、2-4の第1鉄板を含んで構成されてもよいし、6以上の第1鉄板を含んで構成されてもよい。例えば、柱状鉄心11d-2が、2-9の第2鉄板を含んで構成されてもよいし、11以上の第2鉄板を含んで構成されてもよい。
【0108】
前述した実施形態の変形例4では、ヨーク鉄心11d-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、円形である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ヨーク鉄心11d-1の形状が、Z軸の正の方向から見た場合に、三角形であってもよいし、六角形であってもよいし、多角形であってもよい。
実施形態の変形例4に係る高圧受電設備によれば、トランス鉄心11dは、実施形態に係るトランス鉄心11と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0109】
1、1a、1b、1c、1c…電力変換装置、2…LBS、3、3a、3b、3c、3d…多相変圧器、4…整流回路