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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064656
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】物品取付具
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/00 20060101AFI20240507BHJP
   A45C 13/30 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A45C13/00 S
A45C13/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173414
(22)【出願日】2022-10-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和4年10月5日 掲載アドレス https://www.instagram.com/p/CjUHCEnPqkG/
(71)【出願人】
【識別番号】522424429
【氏名又は名称】南幅 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100185476
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 桂輔
(72)【発明者】
【氏名】南幅 隆
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045CE07
3B045LA10
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】
バッグのショルダーベルト等の任意の場所に装着可能で、比較的に重い物品を取り付けても、ショルダーベルト等の装着場所からずれることなく安定して物品を保持できる物品取付具を提供することを目的とする。
【解決手段】
物品取付具1の本体右部3を4つに区画し、各区画部の表面にそれぞれ係着部材を9・10・11・12を設けるとともに、各区画部の内部にそれぞれプレート13・14・15・16を設け、本体左部4の裏面に係着部材20・21・22・23を設ける。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体右部(3)と本体左部(4)で構成された本体部(2)と、
前記本体右部(3)が略中空であるとともに、右上区画部(5)、左上区画部(6)、右下区画部(7)及び左下区画部(8)に区画され、
前記右上区画部(5)の表面に設けられた表面右上係着部材(9)と、
前記左上区画部(6)の表面に設けられた表面左上係着部材(10)と、
前記右下区画部(7)の表面に設けられた表面右下係着部材(11)と、
前記左下区画部(8)の表面に設けられた表面左下係着部材(12)と、
前記右上区画部(5)の内部に設けられた右上プレート(13)と、
前記左上区画部(6)の内部に設けられた左上プレート(14)と、
前記右下区画部(7)の内部に設けられた右下プレート(15)と、
前記左下区画部(8)の内部に設けられた左下プレート(16)と、
前記本体左部(4)の表面右寄りの位置に上下方向に延在するように設けられた帯部材(17)と、
前記本体右部(3)の裏面に設けられた滑り止め部材(19)と、
前記右上区画部(5)及び前記右下区画部(7)を裏面方向に折り曲げ、さらに、前記左上区画部(6)及び前記左下区画部(8)を裏面方向に折り曲げた場合に、前記表面右上係着部材(9)及び前記表面右下係着部材(11)がそれぞれ接する前記本体左部(4)の裏面の位置に、それぞれ設けられた裏面左上係着部材(20)及び裏面左下係着部材(21)と、
さらに、前記帯部材(17)が設けられた前記本体左部(4)の表面右寄りの部位を裏面方向に折り曲げた場合に、前記表面左上係着部材(10)及び前記表面左下係着部材(12)がそれぞれ接する前記本体左部(4)の裏面の位置に、それぞれ設けられた裏面右上係着部材(22)及び裏面右下係着部材(23)を備えたことを特徴とする物品取付具(1)。
【請求項2】
前記帯部材(17)は、上側部位(24)、下側部位(25)及び中央部位(26)から構成され、
前記上側部位(24)及び前記下側部位(25)が前記本体左部(4)の表面に固定され、
前記中央部位(26)は、前記本体左部(4)に固定されずに、前記上側部位(24)の下端部と前記下側部位(25)の上端部から延出して立ち上がるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品取付具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を取り付けるための物品取付具に関し、具体的には、ショルダーバッグやリュックサック等のバッグのショルダーベルト等に着脱可能な物品取付具であり、バッグのショルダーベルト等の任意の位置に物品取付具を捲回して装着し、その状態で物品取付具に任意の物品を取り付けることを可能にする物品取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外出時にショルダーバッグやリュックサック等のバッグを携行し、外出時に必要な物品をバッグ内に収容することが行われている。しかし、物品の中には、頻繁に利用する物もあり、いちいちバッグから出し入れするのが面倒であったり、或いは、濡れていたり汚れている物品は、バッグの中に収容したくないような物も存在する。そのため、このような濡れていたり、汚れている物品は、止む無く手で持つ必要があった。
【0003】
一方、例えば、リュックサックのショルダーベルトに、元々、所謂Dカンが取り付けられており、Dカンに物品を取り付けることができるようなバッグもあり、上述したようなバッグ内に収容したくない物品を手に持つことなく、バッグに取り付けることができるものも存在する。しかしながら、こうしたDカンは、バッグの製造時に元々設けられたものであり、Dカンの位置を変更することができず不便であり、また、そもそも、そのようなDカンが予め設けられたバッグを探して購入する必要があった。
或いは、通常のショルダーバッグにおいても、ショルダーベルトとバッグ本体の付け根部分に物品を引っ掛けることもできるが、引っ掛ける位置は限定されるし、また、引っ掛ける物品の形状も限定されるという問題があった。
【0004】
特許文献1は、螺旋状ゴム紐部と、該螺旋状ゴム紐部の一端に設けられる閉ループ状部と、を備え、上記螺旋状ゴム紐部は、芯用ゴム糸状体及び芯用補強糸状体を有しており、該芯用ゴム糸状体及び該芯用補強糸状体を同時に引っ張った状態で該芯用ゴム糸状体又は該芯用補強糸状体の周りを2以上の旋回紐を旋回させつつ組まれて表皮層を形成され、該芯用ゴム糸状体及び該芯用補強糸状体の両端を互いに固定した状態で前記引っ張り状態を解除すると該芯用ゴム糸状体が収縮して螺旋ループの内周側に配置され且つ該芯用補強糸状体が該螺旋ループの外周側に配置された螺旋状となるものであり、上記閉ループ状部は、上記螺旋状ゴム紐部の端部から延長突出された芯用補強糸状体の先端を、その根元部又は該螺旋状ゴム紐部の端部に固定することにより設けられる携帯用品係止具を開示している。
【0005】
特許文献1に開示される携帯用品係止具は、後付けでバッグ等に装着できるものではあるが、携帯用品係止具のバッグ等への装着がクリップで行われるものであるため、係止する物品が軽量のものに限られるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3044777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ショルダーバッグやリュックサックのショルダーベルト等の任意の場所に装着可能で、比較的に重い物品を取り付けても、ショルダーベルト等の装着場所からずれることなく安定して物品を保持できる物品取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様の物品取付具(1)は、本体右部(3)と本体左部(4)で構成された本体部(2)と、前記本体右部(3)が略中空であるとともに、右上区画部(5)、左上区画部(6)、右下区画部(7)及び左下区画部(8)に区画され、前記右上区画部(5)の表面に設けられた表面右上係着部材(9)と、前記左上区画部(6)の表面に設けられた表面左上係着部材(10)と、前記右下区画部(7)の表面に設けられた表面右下係着部材(11)と、前記左下区画部(8)の表面に設けられた表面左下係着部材(12)と、前記右上区画部(5)の内部に設けられた右上プレート(13)と、前記左上区画部(6)の内部に設けられた左上プレート(14)と、前記右下区画部(7)の内部に設けられた右下プレート(15)と、前記左下区画部(8)の内部に設けられた左下プレート(16)と、前記本体左部(4)の表面右寄りの位置に上下方向に延在するように設けられた帯部材(17)と、前記本体右部(3)の裏面に設けられた滑り止め部材(19)と、前記右上区画部(5)及び前記右下区画部(7)を裏面方向に折り曲げ、さらに、前記左上区画部(6)及び前記左下区画部(8)を裏面方向に折り曲げた場合に、前記表面右上係着部材(9)及び前記表面右下係着部材(11)がそれぞれ接する前記本体左部(4)の裏面の位置に、それぞれ設けられた裏面左上係着部材(20)及び裏面左下係着部材(21)と、さらに、前記帯部材(17)が設けられた前記本体左部(4)の表面右寄りの部位を裏面方向に折り曲げた場合に、前記表面左上係着部材(10)及び前記表面左下係着部材(12)がそれぞれ接する前記本体左部(4)の裏面の位置に、それぞれ設けられた裏面右上係着部材(22)及び裏面右下係着部材(23)を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様の物品取付具(1)は、前記帯部材(17)は、上側部位(24)、下側部位(25)及び中央部位(26)から構成され、前記上側部位(24)及び前記下側部位(25)が前記本体左部(4)の表面に固定され、前記中央部位(26)は、前記本体左部(4)に固定されずに、前記上側部位(24)の下端部と前記下側部位(25)の上端部から延出して立ち上がるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ショルダーベルト等に直に接する部分に滑り止め部材を設けて、滑り止め部材でショルダーベルト等を挟み込むことで、物品取付具をショルダーベルト等に捲回して装着し、物品取付具に物品を取り付けた場合でも、物品取付具がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となる。
また、4組の係着部材をそれぞれ係着することで物品取付具をより強固にショルダーベルト等に装着することが可能となり、その結果、物品取付具に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となる。
さらに、4つの独立したプレートを設けたことから、物品取付具に物品を取り付けた場合、上側のプレートが取り付けた物品による荷重によって下方に引っ張られることで、上側のプレートの挟み込む力を発生・増大させて、物品取付具に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となる。
また、上側プレートと下側プレートとの間には、プレートが存在しない部分があるが、取り付けた物品による荷重によって上側のプレートが下方に引っ張られることで、上側プレートと下側プレートとの間のプレートが存在しない部分にクランク(角度)が生じることで摩擦抵抗が増加し、これにより、物品取付具に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、帯部材の中央部位が、本体左部に固定されずに、上側部位の下端部と下側部位の上端部から延出して立ち上がるように設けられていることから、物品が、立ち上がった頂部に取り付けられ、物品の荷重が頂部にかかった場合、中央部位から上側部位に荷重が加わり、その結果、上述した上側プレートの挟み込む力をより一層有効に発生させることが可能となり、物品取付具に物品を取り付けた場合でも、より一層有効に物品取付具がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の物品取付具を展開した状態の一例を示す正面図である。
図2図2は、本発明の物品取付具を展開した状態の一例を示す背面図である。
図3図3は、本発明の物品取付具を展開した状態の一例を示す一部透視的正面図である。
図4図4は、本発明の物品取付具を捲回した状態の一例を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の物品取付具を捲回した状態の一例を示す左側面図である。
図6図6は、本発明の物品取付具をバッグのショルダーベルトに装着途中の状態の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の物品取付具をバッグのショルダーベルトに捲回し装着した状態の一例を示す斜視図である。
図8図8は、本発明の物品取付具をバッグのショルダーベルトに捲回し装着した状態の一例を示す右側面図である。
図9図9は、本発明の物品取付具の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の物品取付具1は、図1乃至図3に示す展開状態から、図4及び図5並びに図7乃至9に示す捲回状態にしてバッグのショルダーベルト等に装着して使用されるものである。
【0014】
図1は、本発明の物品取付具1を展開した状態の一例を示す正面図である。
図1に示すように、物品取付具1は、主として本体部2から構成される。
本体部2は、布、革等の素材で構成することができる。
本体部2は、例えば、表生地と裏生地の2枚の生地を縫い合わせたり、又は1枚の生地を略半分に折り曲げて縫い合わせること等により製造することができる。
なお、図1乃至3に示す破線は、縫い合わせの位置の一例を示すものである。
【0015】
本体部2は、図1に示すように、物品取付具1の展開状態で正面右側の本体右部3と正面左側の本体左部4で構成されている。本体右部3と本体左部4の境界は、概ね、図1に示す、帯部材17と表面左上係着部材10・表面左下係着部材12の間の縦方向の破線の位置付近であるが、必ずしも、その位置の厳密性は要求されるものではない。
【0016】
本体右部3は、略中空に形成されている。具体的には、例えば、本体右部3は、上述のように、2枚の生地を縫い合わせたり、又は1枚の生地を半分に折り返してから縫い合わせて構成されるが、縫い合わせの位置を本体右部3の外縁付近とすることで本体右部3を中空に形成することができる。なお、図1は、1枚の生地を半分に折り返してから縫い合わせる態様を示するものであり、本体右部3の右端部が折り返し部に相当するため、右端部側に縫い合わせ部分は存在しない。
【0017】
本発明において、本体右部3が略中空であるとは、上述のように、本体右部3を中空に形成したうえで、図1の帯部材17と表面左上係着部材10・表面左下係着部材12の間の縦方向の破線、表面左上係着部材10・表面左下係着部材12と表面右上係着部材9・表面右下係着部材11の間の縦方向の破線、並びに表面右上係着部材9・表面左上係着部材10と表面右下係着部材11・表面左下係着部材12の間の2本の横方向の破線で示す位置が縫い合わされており、本体右部3が、右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8に区画されていることを意味する。
より具体的には、本体右部3の内部は、右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8の4つの区画に対応する4つの中空部分を備えている。
図1では、帯部材17と表面左上係着部材10・表面左下係着部材12の間の縦方向の破線及び表面左上係着部材10・表面左下係着部材12と表面右上係着部材9・表面右下係着部材11の間の縦方向の破線の縫い合わせ部分は、本体右部3の上端及び下端まで到達していないため、右上区画部5と左上区画部6、右下区画部7と左下区画部8は、それぞれ連通しているが、帯部材17と表面左上係着部材10・表面左下係着部材12の間の縦方向の破線及び表面左上係着部材10・表面左下係着部材12と表面右上係着部材9・表面右下係着部材11の間の縦方向の破線の縫い合わせ部分が本体右部3の上端及び下端まで到達するように設けることも可能である。
右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8は、要すれば、後述する右上プレート13、左上プレート14、右下プレート15及び左下プレート16が、それぞれ右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8から、他の区画部に移動できないように区画されていれば足りるものである。
【0018】
図1に示すように、右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8の表面には、それぞれ表面右上係着部材9、表面左上係着部材10、表面右下係着部材11及び表面左下係着部材12が設けられている。
これらの表面係着部材9・10・11・12は、特に限定されるものではないが、典型的には面ファスナーである。
【0019】
図3に示すように、右上区画部5、左上区画部6、右下区画部7及び左下区画部8の内部、すなわち、中空部分には、それぞれ右上プレート13、左上プレート14、右下プレート15及び左下プレート16が設けられている。
右上プレート13、左上プレート14、右下プレート15及び左下プレート16は、図3に示すように、4つの独立したプレートであり、好ましくは、図3に示すように、右上プレート13、左上プレート14、右下プレート15及び左下プレート16は、それぞれが所定の間隔を空けた位置で固定されるように、各区画部5・6・7・8内に設けることが望ましい。すなわち、上側プレート13・14と下側プレート15・16の間には、プレートが存在しない部分が存在し、及び右側プレート13・15と左側プレート14・16の間には、プレートが存在しない部分が存在するように、右上プレート13、左上プレート14、右下プレート15及び左下プレート16を設けることが望ましい。
これらのプレートは、例えば、樹脂製、金属製、木製等の板状部材であり、アクリル板程度の強度を有するものが望ましい。また、これらのプレートの厚さは、例えば、1~3mmとすることが望ましい。
【0020】
図1に示すように、本体左部4の右寄りの位置には上下方向に延在するように帯部材17が設けられてる。
帯部材17は、例えば、所定の幅を有する織物製の部材である。
【0021】
帯部材17の中央位置には、好ましくは、取付具18を設けることができる。
取付具18は、特に限定されるものではないが、Dの字状や環状の金属製や樹脂製の部材であり、典型的には、所謂Dカン等を用いることができる。
例えば、取付具18には、図9に示すように、物品取付具1に取り付ける物品を直接又はカラビナ、チェーン、紐等を介して間接的に取り付けることができる。
【0022】
図2に示すように、本体右部3の裏面(背面視で左側)に滑り止め部材19が設けられている。
滑り止め部材19は、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂製やゴム製の部材であり、好ましくは、弾力性を有するものを用いることが望ましく、具体的には、例えば、表面に凹凸加工を施す等により摩擦抵抗を高めたものが望ましい。
【0023】
図2に示すように、右上区画部5及び右下区画部7を裏面方向に折り曲げ、さらに、左上区画部6及び左下区画部8を裏面方向に折り曲げた場合に、表面右上係着部材9及び表面右下係着部材11がそれぞれ接する本体左部4の裏面の位置(背面視で右側)に、それぞれ裏面左上係着部材20及び裏面左下係着部材21が設けられ、さらに、帯部材17が設けられた本体左部4の表面右寄りの部位を裏面方向に折り曲げた場合に、表面左上係着部材10及び表面左下係着部材12がそれぞれ接する本体左部4の裏面の位置(背面視で右側)に、それぞれ裏面右上係着部材22及び裏面右下係着部材23が設けられている。
物品取付具1は、使用状態においてバッグのショルダーベルト等に捲回して装着されるものであり、その捲回時に、それぞれ、表面右上係着部材9と裏面左上係着部材20、表面右下係着部材11と裏面左下係着部材21、表面左上係着部材10と裏面右上係着部材22、及び、表面左下係着部材12と裏面右下係着部材23が接するように構成されている。
これらの裏面係着部材は、特に限定されるものではないが、典型的には面ファスナーである。具体的には、例えば、表面係着部材9・10・11・12がフック状面ファスナーであれば、裏面係着部材20・21・22・23はループ状面ファスナーで構成することができ、その逆も当然可能であるし、また、表面右上係着部材9と裏面左上係着部材20、表面右下係着部材11と裏面左下係着部材21、表面左上係着部材10と裏面右上係着部材22、及び、表面左下係着部材12と裏面右下係着部材23が、それぞれ係着できればよいので、これらの組み合わせの一方がフック状面ファスナーであれば、当該組み合わせの他方はループ状面ファスナーとすることができる。
【0024】
本発明の好ましい態様では、帯部材17は、上側部位24、下側部位25及び中央部位26から構成されている。もっとも、帯部材17が上側部位24、下側部位25及び中央部位26から構成されるといっても、帯部材17は、1本の帯状部材から構成できるものであり、むしろ、上側部位24、下側部位25及び中央部位26の名称は、本発明の説明のため便宜的に利用されるものである。
【0025】
図5及び図8に示すように、上側部位24及び下側部位25は、本体左部4の表面に固定され、中央部位26は、本体左部4に固定されずに、上側部位24の下端部と下側部位25の上端部から延出して立ち上がるように設けられ、立ち上がった上端部は頂部27を形成している。
【0026】
図5及び図8に示すように、本好ましい態様では、例えば、取付具18を設ける場合には、中央部位26の立ち上がった頂部27に設けることができる。具体的には、中央部位26の立ち上がった部分は、上側部位24の下端部側から延出している部分と下側部位25の上端部側から延出している部分が合流して構成されており、立ち上がった部分の中間部は、図5及び図8に示すように、上側部位24の下端部側から延出している部分と下側部位25の上端部側から延出している部分が、例えば、縫い合わされることで固定されることで、頂部27は、側面視において略環状に形成され、該環状部分に物品を取り付けることができるし、又は、取付具18を設ける場合には、取付具18を頂部27に取り付け、取付具18に物品を取り付けることができる。
【0027】
次に、物品取付具1の使用方法について説明する。
【0028】
まず、図6に示すように、バッグのショルダーベルト等を滑り止め部材19で挟み込むように、右上区画部5及び右下区画部7を裏面方向に折り曲げる。
次いで、さらに左上区画部6及び左下区画部8を裏面方向に折り曲げる。これにより、表面右上係着部材9及び裏面左上係着部材20が係着し、並びに、表面右下係着部材11及び裏面左下係着部材21が係着する。
さらに、帯部材17が設けられた本体左部4の表面右寄りの部位を裏面方向に折り曲げる。これにより、表面左上係着部材10及び裏面右上係着部材22、並びに、表面左下係着部材12及び裏面右下係着部材23が係着し、図4、5、7及び8に示す状態となる。
この状態で、図9に示すように、例えば、帯部材17の中央部位26に取付具18を設けた場合には、取付具18に、物品取付具1に取り付ける物品、例えば、ペットボトルや傘等を、直接、又はカラビナ、チェーン、紐等を介して間接的に取り付ける。
【0029】
ここで、上述の通り、ショルダーベルト等に直に接する部分に滑り止め部材19を設けて、滑り止め部材19で直接、ショルダーベルト等を挟み込むことで、物品取付具1をショルダーベルト等に捲回して装着し、物品取付具1に物品を取り付けた場合でも、物品取付具1がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となっている。
また、4組の係着部材9・10・11・12・20・21・22・23をそれぞれ係着することで物品取付具1をより強固にショルダーベルト等に装着することが可能となり、その結果、物品取付具1に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具1がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となっている。
さらに、4つの独立したプレート13・14・15・16を設けたことから、物品取付具1に物品を取り付けた場合、上側のプレート13・14が取り付けた物品による荷重によって下方に引っ張られることで、上側のプレート13・14の挟み込む力を発生・増大させて、物品取付具1に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具1がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となっている。
また、上側プレート13・14と下側プレート15・16との間には、プレートが存在しない部分があるが、取り付けた物品による荷重によって上側のプレート13・14が下方に引っ張られることで、上側プレート13・14と下側プレート15・16との間のプレートが存在しない部分にクランク(角度)が生じることで摩擦抵抗が増加し、これにより、物品取付具1に物品を取り付けた場合でも、より有効に物品取付具1がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となっている。
【0030】
上述した物品取付具1の使用方法の好ましい態様の使用状態では、図5及び図8に示すように、帯部材17の上側部位24及び下側部位25は、本体左部4の表面に固定され、中央部位26は、本体左部4に固定されずに、上側部位24の下端部と下側部位25の上端部から延出して立ち上がるように設けられ、例えば、取付具18を中央部位26の立ち上がった頂部27に設けた場合、取付具18に物品が取り付けられ、取付具18に荷重がかかった場合、中央部位26から上側部位24に荷重が加わり、その結果、上述した上側プレート13・14の挟み込む力をより有効に発生させることが可能となり、その結果、物品取付具1に物品を取り付けた場合でも、より一層有効に物品取付具1がショルダーベルト等の装着位置からずれることを防止することが可能となっている。
【符号の説明】
【0031】
1 物品取付具
2 本体部
3 本体右部
4 本体左部
5 右上区画部
6 左上区画部
7 右下区画部
8 左下区画部
9 表面右上係着部材
10 表面左上係着部材
11 表面右下係着部材
12 表面左下係着部材
13 右上プレート
14 左上プレート
15 右下プレート
16 左下プレート
17 帯部材
18 取付具
19 滑り止め部材
20 裏面左上係着部材
21 裏面左下係着部材
22 裏面右上係着部材
23 裏面右下係着部材
24 上側部位
25 下側部位
26 中央部位
27 頂部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9