(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064683
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】燃料電池発電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240507BHJP
H01M 8/04044 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/04029 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20240507BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240507BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04044
H01M8/04029
H01M8/04537
H01M8/249
H01M8/04858
H01M8/00 A
H01M8/04 J
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173447
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦幸
(72)【発明者】
【氏名】福村 琢
(72)【発明者】
【氏名】高野 洋
(72)【発明者】
【氏名】三上 誠
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB14
5H127AB29
5H127BA01
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA06
5H127BA12
5H127BA18
5H127BA19
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA57
5H127BA62
5H127BB02
5H127BB07
5H127BB12
5H127BB37
5H127BB39
5H127CC06
5H127DB72
5H127DC45
5H127DC58
(57)【要約】
【課題】様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置を提供すること。
【解決手段】燃料極と空気極を有する燃料電池と、前記燃料極に水素を供給する燃料管と、空気に含まれる不純物を取り除く空気フィルタと、前記空気フィルタを通して供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、前記燃料電池を冷却する第1冷却液を異種の冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、を備える、燃料電池発電装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
空気に含まれる不純物を取り除く空気フィルタと、
前記空気フィルタを通して供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を異種の冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、を備える、燃料電池発電装置。
【請求項2】
前記空気コンプレッサを冷却する第2冷却液を異種の冷熱源との間で熱交換可能な第2中間熱交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記第2中間熱交換器が前記第2冷却液の熱を放熱する冷熱源は、前記第1中間熱交換器が前記第1冷却液の熱を放熱する冷熱源と同じである、請求項2に記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1冷却液からイオンを取り除くイオン交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1冷却液の電気伝導度を測定するセンサを備える、請求項4に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第1タンクを備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項7】
前記燃料極の出口から排出される第1混相流から水素ガスを分離する第1気液分離器と、
前記第1気液分離器により分離された水素ガスを前記燃料極の入口へ循環させる水素ポンプと、を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項8】
前記排気管は、前記第1気液分離器により分離された排水と、前記排水に混入する水素と、前記空気極の出口から排出される排空気とを合流させた第2混相流を排出する、請求項7に記載の燃料電池発電装置。
【請求項9】
前記第2混相流から水と気体を分離する第2気液分離器を備える、請求項8に記載の燃料電池発電装置。
【請求項10】
複数の燃料電池プラットフォームを備え、
前記複数の燃料電池プラットフォームは、それぞれ、前記燃料電池、前記燃料管、前記空気フィルタ、前記空気コンプレッサ、前記排気管および前記第1中間熱交換器を有し、
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料電池の出力電力は、共通の出力線に出力される、
請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
【請求項11】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記第1中間熱交換器は、共通の冷熱源との間で熱交換する、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項12】
前記共通の冷熱源は、空冷冷却器、開放式冷却塔、密閉式冷却塔、工場の冷却水、上水、河川水、海水、液化水素の気化熱、または圧縮水素が膨張した際の冷熱である、請求項11に記載の燃料電池発電装置。
【請求項13】
前記出力線から外部への供給電力が所定値に維持されるように、複数の前記燃料電池の各出力を制御する制御装置を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項14】
前記制御装置は、複数の前記燃料電池のうち、一部の前記燃料電池を他の前記燃料電池から切り離し、前記供給電力が前記所定値に維持されるように、前記他の前記燃料電池の出力電力を制御する、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項15】
前記複数の燃料電池プラットフォームに個別の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項16】
前記複数の燃料電池プラットフォームに共通の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項17】
前記出力線に接続される二次電池を備え、
前記二次電池は、直列に接続された複数の蓄電池を含む、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項18】
前記出力線に接続される、並列に接続された複数の蓄電池を備え、
前記複数の蓄電池の数は、前記複数の燃料電池プラットフォームの数よりも少ない、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項19】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料管に不活性ガスを個別にパージするパージ系統を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池スタックから排出される第1冷却液を冷却する第1熱交換器と、燃料電池スタックの出力電圧を昇圧するコンバータ等のいくつかの補機から排出される第2冷却液を冷却する第2熱交換器とを備える燃料電池モジュールが知られている。熱交換器の具体例として、車両のラジエータが挙げられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、熱交換器が車両のラジエータに限られていると、燃料電池発電装置を様々な用途に適用することが難しい。
【0005】
本開示は、様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、燃料電池発電装置は、
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
空気に含まれる不純物を取り除く空気フィルタと、
前記空気フィルタを通して供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を異種の冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、を備える。
【0007】
第1態様によれば、前記燃料電池を冷却する第1冷却液を異種の冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器を備えるので、燃料電池発電装置を様々な用途に適用できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の燃料電池発電装置を備える燃料電池発電システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態の燃料電池発電装置の構成例を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態の燃料電池発電装置を備える燃料電池発電システムの構成例を示す図である。
図1に示す燃料電池発電システム201は、並列に接続された複数のFC(燃料電池)プラットフォームによって発電された電力を、給電対象である外部装置12に供給するシステムである。燃料電池発電システム201の用途の具体例として、定置用の発電システム、港湾クレーンなどの荷役機械用の発電システム、船舶用の発電システムなどが挙げられる。その他には、鉄道用、建設機械用などもある。燃料電池発電システム201の用途は、これらの例に限られず、燃料電池発電システム201は、他のアプリケーションに適用されてもよい。
【0012】
燃料電池発電システム201は、燃料電池発電装置101と補機システム301を備える。
【0013】
補機システム301は、主機である燃料電池発電装置101に接続される複数の補機を含み、燃料電池発電装置101の稼働を補助する周辺システムである。
図1は、複数の補機として、制御用電源32、パージ系統30、燃料系統18、給気系統19、出力線17、電力変換装置11、DC/DCコンバータ13、二次電池14、排気系統31及び冷却器15を例示する。複数の補機の一部又は全部は、燃料電池発電装置101に内蔵されてもよいし、ユニット化されてもよい。燃料電池発電装置101は、複数の補機の一部又は全部を、燃料電池発電装置101の内部に備えてもよいし、燃料電池発電装置101の外部に備えてもよい。
【0014】
燃料電池発電装置101は、外部装置12に供給される電力を複数のFCプラットフォームによって発電する。燃料電池発電装置101は、ユニット化されてもよい。燃料電池発電装置101は、出力線17に並列に接続された複数のFCプラットフォーム(この例では、3つのFCプラットフォーム1,2,3)と、それらの複数のFCプラットフォームを制御する制御装置10とを備える。並列に接続される複数のFCプラットフォームの台数は、3台に限られず、2台でも、4台以上でもよい。
【0015】
FCプラットフォーム1,2,3は、それぞれ、共通の出力線17に出力点16を経由して接続されるFCスタックを含む。FCスタックは、燃料電池の一例である。FCプラットフォーム1は、FCスタック21を含み、FCプラットフォーム2は、FCスタック22を含み、FCプラットフォーム3は、FCスタック23を含む。
【0016】
FCスタック21,22,23は、水素などの燃料の化学エネルギーを電気化学的に電気エネルギーに変換する装置である。FCスタック21,22,23は、燃料管を含む燃料系統18を介して供給される水素又は水素リッチなガスと、空気管を含む給気系統19を介して外部から供給される空気に含まれる酸素との電気化学反応によって発電する。FCスタック21,22,23(FCプラットフォーム1,2,3)の発電状態は、制御装置10によって制御される。FCスタック21,22,23の電気化学反応により発生した排ガスは、排気管を含む排気系統31を介して排出される。FCスタック21,22,23は、ラジエータなどの冷却器15から供給される冷却液(クーラント)により冷却される。
【0017】
FCスタック21,22,23は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)であり、多数の単セルを積層したスタック構造を備える。単セルは、水素イオンを選択的に輸送するための高分子電解質膜の両側面を多孔質材料により形成された一対の電極によって挟まれた膜-電極アッセンブリ(MEA)と、このMEAを両側から挟み込む一対のセパレータとを有する。一対の電極のそれぞれは、例えば白金系の金属触媒(電極触媒)を担持するカーボン粉末を主成分とする触媒層と、通気性及び電子導電性を併せ持つガス拡散層とを有している。
【0018】
FCスタック21,22,23には、それらの出力端子の電圧を検出するための電圧センサと、それらの出力端子からの出力電流を検出するための電流センサが取り付けられている。制御装置10は、FCスタック21,22,23から出力される各電圧の検出値を電圧センサにより取得し、FCスタック21,22,23から出力される各電流の検出値を電流センサにより取得する。制御装置10は、各電圧の検出値と各電流の検出値を用いて、FCスタック21,22,23の各出力電力p1,p2,p3を検出する。
【0019】
燃料電池発電装置101内のFCスタック21,22,23(FCプラットフォーム1,2,3)の発電により生成された発電電力は、電力変換装置11を介して、外部装置12に供給される。
【0020】
電力変換装置11は、入力される電力Paを、外部装置12に供給される電力Pcに変換する装置である。電力変換装置11は、例えば、FCスタック21,22,23の発電により得られた直流電力を交流電力に変換して外部装置12に供給するインバータである。インバータの具体例として、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)、系統連系インバータなどが挙げられる。外部装置12がモータの場合、電力変換装置11は、モータを駆動するインバータでもよい。電力変換装置11は、FCスタック21,22,23の発電により得られた直流電力の電圧を、異なる電圧の直流電力に変換して外部装置12に供給するコンバータでもよい。
【0021】
FCスタック21,22,23の発電により得られた直流電力は、出力線17にDC/DCコンバータ13を介して接続される二次電池14に充電されてもよい。二次電池14から放電された電力Pbは、電力変換装置11を介して外部装置12に供給される。外部装置12から電力変換装置11を介して入力(回生)された電力Pbが二次電池14に充電されてもよい。二次電池14の充電又は放電は、制御装置10からの駆動制御信号により動作するDC/DCコンバータ13により制御される。DC/DCコンバータ13は、無くてもよい。
【0022】
二次電池14は、充放電可能な電池である。二次電池14は、直列に接続された複数の蓄電池141,…,14nを含むものでもよい(nは、2以上の整数)。二次電池14(複数の蓄電池141,…,14n)の具体例として、リチウムイオンバッテリ、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどが挙げられる。
【0023】
燃料系統18は、外部から供給される炭化水素系燃料を水素リッチなガスに改質する改質機器を含んでもよい。改質機器は、炭化水素系燃料の改質反応により生成される水素リッチガスを水素管に出力する。改質機器は、例えば、炭化水素系燃料に含まれる硫黄分を除去する脱硫器と、脱硫された炭化水素系燃料を改質反応させる改質器と、改質時に発生する一酸化炭素(CO)を除去するCO除去器とを含む。
【0024】
炭化水素系燃料は、都市ガスに限られず、メタンガス、プロパンガス、下水汚泥等に由来する消化ガス、食品残渣等から発生するバイオガスなどを含んでもよい。
【0025】
制御装置10は、FCプラットフォーム1,2,3の動作を制御するコントローラである。制御装置10は、例えば、制御用電源32から供給される電力(例えば、DC12ボルトの直流電力)により動作する。制御用電源32は、例えば、制御用電池である。制御装置10の個数は、1つに限られず、複数でもよく、例えば、FCプラットフォーム1,2,3の各々に対して制御装置が設けられてもよい。
【0026】
図1は、燃料電池発電装置101がFCプラットフォーム1,2,3に共通の制御用電源32を備える形態を例示する。FCプラットフォーム1,2,3の電源が制御用電源32に共通化されることで、複数の制御用電源を備える形態の場合に比べて、燃料電池発電システム201及び燃料電池発電装置101を小型化できる。
【0027】
燃料電池発電装置101は、FCプラットフォーム1,2,3に個別の制御用電源32を備えてもよい。複数のFCプラットフォームの電源が個別に複数用意されることで、複数の制御用電源のうち一部の電源が故障又はメンテナンス等により使用不能な場合でも、残りの電源を用いて複数のFCプラットフォームの一部又は全部の動作を継続できる。
【0028】
制御装置10の機能(制御装置10が行う処理)は、例えば、メモリに記憶されたプログラムによって、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが動作することにより実現される。制御装置10の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されてもよい。
【0029】
図2は、第1実施形態の燃料電池発電装置101の構成例を詳細に示す図である。燃料電池発電装置101は、例えば、制御装置10及び複数のFCプラットフォーム1,2,3を備える。FCプラットフォーム1は、例えば、燃料管118、空気管119、空気フィルタ33、排気管131、第1冷却系統36、第2冷却系統90及びFCユニット51を備える。FCユニット51は、FCスタック21、昇圧コンバータ42、水素ポンプ43、空気コンプレッサ45、ウォーターポンプ44、空気入口遮断弁77及び排空気出口遮断弁78等を備える。昇圧コンバータ42、水素ポンプ43、空気コンプレッサ45、ウォーターポンプ44、空気入口遮断弁77及び排空気出口遮断弁78等は、制御装置10により制御される。FCプラットフォーム2,3は、FCプラットフォーム1と同じ構成及び機能を有し、FCプラットフォーム1と同様に、制御装置10により制御される。よって、FCプラットフォーム2,3の説明については、FCプラットフォーム1の説明を援用することで、省略する。
【0030】
FCスタック21は、燃料極71と空気極72を有する。FCスタック21は、燃料極71に供給された水素又は水素リッチなガスと、空気極72に供給された空気に含まれる酸素との電気化学反応によって発電する。FCスタック21は、昇圧コンバータ42を介して、出力線17に接続されている。昇圧コンバータ42は、FCスタック21から出力された電圧を昇圧し、昇圧後の直流電力を出力点16を経由して出力線17に出力するDC/DCコンバータである。複数のFCプラットフォーム1,2,3における複数のFCスタック21,22,23の出力電力は、対応する昇圧コンバータ42を介して、共通の出力線17に出力される。
【0031】
燃料管118は、複数のFCプラットフォーム1,2,3に共通に接続された燃料系統18から水素が供給される。燃料管118は、燃料極71に入口75を介して水素を供給する。
【0032】
空気管119は、複数のFCプラットフォーム1,2,3に共通に接続された給気系統19から空気が供給される。空気管119は、FCスタック21の空気極72に入口73を介して空気を供給する。空気管119は必須ではなく、FCプラットフォーム1,2,3の開放部から空気フィルタ33が直接空気を吸い込んでもよい。
【0033】
空気フィルタ33は、給気系統19及び空気管119を介して供給される空気に含まれる塵や燃料電池に悪影響を及ぼす不純物を取り除いて、空気コンプレッサ45に空気管120を介して供給する。空気フィルタは、エアクリーナーとも称される。
【0034】
空気コンプレッサ45は、空気フィルタ33を通して供給された空気を圧縮し、FCスタック21の空気極72に供給する。空気コンプレッサ45により圧縮された酸素を含む空気は、FCスタック21の空気極72に入口73を介して供給される。空気入口遮断弁77は、空気コンプレッサ45から空気極72の入口73へ供給される空気の流れを遮断する。
【0035】
排気管131は、複数のFCプラットフォーム1,2,3に共通に接続された排気系統31に、FCスタック21で発生する排ガスを排出する。排空気出口遮断弁78は、FCスタック21の空気極72の出口74から排気管131に排出されるオフガスの流れを遮断する。
【0036】
第1冷却系統36は、FCスタック21を冷却水等の第1冷却液によって冷却する。第1冷却系統36は、冷熱源39との間で第1冷却液の熱交換を行って第1冷却液を冷却する第1中間熱交換器34を有する。ウォーターポンプ44は、第1冷却液を、第1中間熱交換器34とFCスタック21との間で循環させる。ウォーターポンプ44により循環された第1冷却液により、FCスタック21は冷却される。
【0037】
第1中間熱交換器34は、FCスタック21を冷却する第1冷却液を異種の冷熱源39との間で熱交換可能な熱交換器である。異種の冷熱源39とは、利用する冷熱源39の種類を問わないことを意味する。第1中間熱交換器34は、利用する冷熱源39の種類を問わずに、任意の冷熱源39で第1冷却液を冷却できるので、上記のような様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置101が実現される。
【0038】
第1中間熱交換器34は、第1冷却系統36を循環する第1冷却液が通過する放熱部40と、冷熱源39との間で熱を移動させる熱媒が通過する受熱部41と、を有する。冷熱源39から供給される熱媒は、液体でも気体でもよい。第1中間熱交換器34において放熱部40から受熱部41へ放熱されることで、第1冷却液は、冷却される。第1中間熱交換器34の具体例として、プレート熱交換器などが挙げられるが、第1中間熱交換器34は、これに限られない。
【0039】
複数のFCプラットフォーム1,2,3における複数の第1中間熱交換器34は、それぞれ、複数のFCプラットフォーム1,2,3に共通に接続される冷熱源39との間で熱交換してもよい。これにより、冷熱源39が複数のFCプラットフォーム1,2,3間で共通化されるので、燃料電池発電装置101を小型化できる。なお、冷熱源39は、複数のFCプラットフォーム1,2,3間で相違してもよい。
【0040】
第2冷却系統90は、空気コンプレッサ45を冷却水等の第2冷却液によって冷却する。第2冷却系統90は、冷熱源94との間で第2冷却液の熱交換を行って第2冷却液を冷却する第2中間熱交換器92を有する。ポンプ91は、第2冷却液を、第2中間熱交換器92と空気コンプレッサ45との間で循環させる。ポンプ91により循環された第2冷却液により、空気コンプレッサ45は冷却される。
【0041】
第2中間熱交換器92は、空気コンプレッサ45を冷却する第2冷却液を異種の冷熱源94との間で熱交換可能な熱交換器である。異種の冷熱源94とは、利用する冷熱源94の種類を問わないことを意味する。第2中間熱交換器92は、利用する冷熱源94の種類を問わずに、任意の冷熱源94で第2冷却液を冷却できるので、上記のような様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置101が実現される。
【0042】
第2中間熱交換器92は、第2冷却系統90を循環する第2冷却液が通過する放熱部95と、冷熱源94との間で熱を移動させる熱媒が通過する受熱部96と、を有する。冷熱源94から供給される熱媒は、液体でも気体でもよい。第2中間熱交換器92において放熱部95から受熱部96へ放熱されることで、第2冷却液は、冷却される。第2中間熱交換器92の具体例として、プレート熱交換器などが挙げられるが、第2中間熱交換器92は、これに限られない。
【0043】
複数のFCプラットフォーム1,2,3における複数の第2中間熱交換器92は、それぞれ、複数のFCプラットフォーム1,2,3に共通に接続される冷熱源94との間で熱交換してもよい。これにより、冷熱源94が複数のFCプラットフォーム1,2,3間で共通化されるので、燃料電池発電装置101を小型化できる。なお、冷熱源94は、複数のFCプラットフォーム1,2,3間で相違してもよい。
【0044】
冷却器15(
図1)は、冷熱源39又は冷熱源94の一例である。冷熱源39又は冷熱源94は、例えば、空冷冷却器、開放式冷却塔、密閉式冷却塔、工場の冷却水、上水、河川水、海水、液化水素の気化熱、または圧縮水素が膨張した際の冷熱などである。
【0045】
第1中間熱交換器34の受熱部41の素材は、例えば、金属イオンの溶出性が比較的低い低溶出性金属(例えば、高耐食のオーステナイト系ステンレス(SUS316L)など)である。受熱部41に接触する熱媒が海水などであると、受熱部41の素材によっては、金属イオンが受熱部41から溶出するおそれがある。受熱部41の素材が上記のような低溶出性金属であると、冷熱源39から供給される熱媒の制約が緩和されるので、冷熱源39の選択肢が増える。その結果、上記のような様々な用途に適用可能な燃料電池発電装置101が実現される。これは、第2中間熱交換器92の受熱部96の素材についても同様である。
【0046】
また、第1中間熱交換器34の採用によって、第1冷却液が循環する経路をFCプラットフォームの外側の冷熱源39まで伸ばさなくても、第1冷却液を放熱できる。つまり、第1冷却液が循環する経路を短縮でき、燃料電池を冷却する高価な第1冷却液の使用量を削減できる。その結果、コスト低減が可能となる。同様に、第2中間熱交換器92の採用によっても、第2冷却液の使用量を削減でき、コスト低減が可能となる。
【0047】
第2中間熱交換器92が第2冷却液の熱を放熱する冷熱源94は、第1中間熱交換器34が第1冷却液の熱を放熱する冷熱源39と同じでも異なってもよい。冷熱源94と冷熱源39が同じであれば、冷熱源が第1中間熱交換器34と第2中間熱交換器92との間で共通化されるので、燃料電池発電装置101を小型化できる。
【0048】
第1冷却系統36は、第1冷却液からイオンを取り除くイオン交換器35を備えてもよい。第1冷却液からのイオンの取り除きによって、FCスタック21において入出力される第1冷却液の電気伝導度の上昇が抑制されるので、FCスタック21と第1冷却液との間の電気的な干渉が抑制される。
【0049】
また、第1中間熱交換器34が採用されることで、第1冷却系統36側の第1冷却液から冷熱源39側の熱媒へのイオンの溶出が抑制されるので、イオン交換器35のメンテナンスの頻度が低減する。
【0050】
第1冷却系統36は、第1冷却液の電気伝導度を測定するセンサ37を備えてもよい。センサ37を備えることで、第1冷却液の電気伝導度を管理できる。例えば、電気伝導度が上昇し始めたことがセンサ37により検知された場合、ユーザは、イオン交換器35をメンテナンスするタイミングを把握できる。また、電気伝導度を管理することで燃料電池の直流PN間(プラスとマイナス間)の絶縁性を保つことができる。センサ37又は制御装置10は、電気伝導度が第1閾値(例えば、1μS/cm)以上と測定された場合、ユーザが認知できるように、警報を発報してもよい。制御装置10は、電気伝導度が第1閾値よりも大きな第2閾値(例えば、5μS/cm)以上と測定された場合、第2閾値以上の電気伝導度が測定されたFCプラットフォームを停止させてもよい。
【0051】
第1冷却系統36は、第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第1タンク38を備えてもよい。これにより、第1冷却器の温度変化に伴う膨張又は収縮が抑制される。
【0052】
同様に、第2冷却系統90は、第2冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第2タンク93を備えてもよい。これにより、第2冷却器の温度変化に伴う膨張又は収縮が抑制される。
【0053】
FCプラットフォーム1は、第1気液分離器79及び水素ポンプ43を備えてもよい。第1気液分離器79は、燃料極71の出口76から排出される第1混相流から水素ガスと排水を分離する。水素ポンプ43は、第1気液分離器79により分離された水素ガスを燃料極71の入口75へ循環させる。これにより、FCスタック21での発電により生成された余剰の水素ガスを、FCスタック21での発電に再利用できる。
【0054】
FCプラットフォーム1は、混合器80を備えてもよい。排気管131は、第1気液分離器79により分離された排水と、当該排水に混入する水素と、空気極72の出口74から排出される排空気とを混合器80で合流させた第2混相流を排出する。これにより、排水と水素と排空気をまとめて排出できる。
【0055】
FCプラットフォーム1は、第2混相流から水と気体を分離する第2気液分離器81を備えてもよい。これにより、排水と排ガスを分離して排出できる。排水又は排ガスは、回収器82により回収されてもよい。これにより、排水又は排ガスによる周辺の汚染が抑制される。
【0056】
燃料電池発電装置101は、複数のFCプラットフォーム1,2,3における複数の燃料管118に窒素等の不活性ガスを個別にパージするパージ系統30を備えてもよい。パージ系統30は、複数の燃料管118を不活性ガスで個別にパージできるように、バルブで流路を切り替えてもよい。これにより、不活性ガスのパージによる特性劣化をFCスタック単位で管理できる。
【0057】
FCスタック21の出力電力p1の一部は、FCユニット51内の空気コンプレッサ45等の補機の動作電力として使用され、その余剰電力が、FCユニット51の出力電力P1として出力される。FCスタック22の出力電力p2及びFCスタック23の出力電力p3についても同様である。
【0058】
制御装置10は、出力線17から外部への供給電力を略一定の所定値に維持する制御を行う。例えば、制御装置10は、出力線17から電力変換装置11に向けて出力される供給電力Pa(=Po-Pb)が一定の目標値に維持されるように、FCスタック21,22,23(FCプラットフォーム1,2,3)の発電及びDC/DCコンバータ13の変換動作を制御する。Poは、出力点16における電力である。Poは、FCプラットフォーム1,2,3の各出力電力P1,P2,P3の和に等しい(Po=P1+P2+P3)。Pbは、二次電池14と出力線17との間でやり取りされる電力である。
【0059】
制御装置10は、電力変換装置11から外部装置12に向けて出力される電力Pcが目標値に追従するように、FCスタック21,22,23の発電及び電力変換装置11の変換動作を制御してもよい。Pa又はPcは、出力線17から外部への供給電力の一例である。
【0060】
制御装置10は、出力線17から外部への供給電力Paが略一定値に維持された状態で、FCスタック21,22,23の各出力電力p1,p2,p3を変化(より詳しくは、増減)させる制御(電力変動制御)を行ってもよい。供給電力Paは、電圧センサ及び電流センサにより検出可能である。
【0061】
制御装置10は、例えば、FCプラットフォーム1の昇圧コンバータ42の動作電流(負荷電流)を増減することでFCスタック21の負荷を増減させ、出力電力p1を増減させる。同様に、制御装置10は、FCプラットフォーム2の昇圧コンバータ42の動作電流(負荷電流)を増減することでFCスタック22の負荷を増減させ、出力電力p2を増減させる。制御装置10は、FCプラットフォーム3の昇圧コンバータ42の動作電流(負荷電流)を増減することでFCスタック23の負荷を増減させ、出力電力p3を増減させる。
【0062】
制御装置10が上記のような電力変動制御を行うことで、出力線17から外部への供給電力Paが略一定値に維持された状態で、複数のFCスタック21,22,23の各出力電力p1,p2,p3が増減する。これにより、出力線17から外部への一定の電力供給が確保された状態で、複数のFCスタック21,22,23のセル面内の湿度分布の偏りは、各出力電力p1,p2,p3が常に一定に制御される場合に比べて、減少する。セル面内の湿度分布の偏りが減少することで、有効反応面積の低下による電流密度の上昇が抑制されるので、電流密度の上昇による電解質膜の劣化が抑制される。したがって、供給電力Paが略一定値に維持された状態で各出力電力p1,p2,p3を増減させる電力変動制御が制御装置10により行われることで、略一定の電力供給が確保され、複数のFCスタック21,22,23の劣化が抑制される。複数のFCスタック21,22,23の劣化の抑制は、燃料電池発電装置101及び燃料電池発電システム201の耐久性の向上に貢献する。
【0063】
燃料電池発電システム201又は燃料電池発電装置101は、複数のFCプラットフォームのそれぞれに対して設けられた複数の開閉器(この例では、開閉器61,62,63)を備えてもよい。開閉器61は、FCスタック21及び昇圧コンバータ42と、出力線17に接続される出力点16との間の電力経路の遮断と接続を切り替える遮断器である。開閉器62は、FCスタック22及び不図示の昇圧コンバータと、出力線17に接続される出力点16との間の電力経路の遮断と接続を切り替える遮断器である。開閉器63は、FCスタック23及び不図示の昇圧コンバータと、出力線17に接続される出力点16との間の電力経路の遮断と接続を切り替える遮断器である。
【0064】
制御装置10は、複数のFCスタック21,22,23のうち、一部のFCスタックを他のFCスタックから開閉器61,62又は63により切り離してもよい。当該一部のFCスタックが切り離された状態で、制御装置10は、供給電力Paが略一定値に維持されるように、当該他のFCスタックの出力電力を制御してもよい。これにより、供給電力Paが略一定値に維持された状態で、当該一部のFCスタックの交換が容易になる。例えば、制御装置10は、FCスタック21が開閉器61によりFCスタック22,23から切り離された状態で、供給電力Paが略一定値に維持されるように、他のFCスタック22,23の出力電力を制御してもよい。開閉器61,62,63の開閉は、制御装置10によって自動で切り替えられるが、手動で切り替えられてもよい。
【0065】
燃料電池発電装置101は、複数のFCプラットフォームのうち、一部のFCプラットフォームが動作中に残りのFCプラットフォームを運転停止して取り外せるように、配管を遮断する遮断弁、及び、配線を遮断する開閉器を備えてもよい。配管は、液体(冷却液、排水など)又は気体(空気、水素、排ガスなど)を伝達し、配線は、電力や信号を伝送する。配管を遮断する遮断弁として、空気入口遮断弁77及び排空気出口遮断弁78が例示される。配線を遮断する開閉器として、開閉器61,62,63が例示される。
【0066】
燃料電池発電装置101は、複数のFCプラットフォームの地絡を個別に検出する機能を備えてもよい。例えば、制御装置10は、複数のFCプラットフォーム1,2,3のうち、対地間抵抗の低下もしくは地絡が検出されたFCプラットフォームを、開閉器61,62又は63により切り離してもよい。
【0067】
二次電池14の出力電圧と出力点16での出力電圧とが略等しくなるように、直列に接続される複数の蓄電池141,…,14nの数が調整されてもよい。これにより、DC/DCコンバータ13を削除して燃料電池発電装置101を小型化できる。
【0068】
外部装置12の電力需要と燃料電池発電装置101の関係から、二次電池14の容量を増加させるため、複数の蓄電池141,…,14nを並列に接続してもよい。複数の蓄電池141,…,14nの並列数は、出力線17に共通接続される複数のFCプラットフォームの数よりも少ないのが好ましい。この場合、複数のFCプラットフォームの各出力電力ラインに個別に蓄電池を接続する場合に比べて、燃料電池発電装置101を小型化できる。
【0069】
このように、本実施形態によれば、定置用発電機、港湾荷役機械(クレーンなど)用電源、船用電源、鉄道用電源、建設用重機、土木作業用重機などの分野において、水素発電による電源の脱炭素化の課題を解決できる。水素発電には、水素燃焼式と燃料電池式があるが、一般的に燃料電池式の方が高効率である。燃料電池を多用途に適用する際に、それぞれのシステム開発に時間と労力を要する。本実施形態によれば、様々な用途に共通して使用できる安価で高効率なプラットフォームの開発という課題を解決できる。より詳しくは、様々な用途(定置用、クレーン用、船舶用、鉄道用、建機用等)に適用するために、共通となる部分をFCプラットフォームとして構築することで、各用途のシステム開発リソース(設計、エンジニアリングなど)を低減できる。各用途共通のプラットフォームを使用することで、FCプラットフォームの量産効果が得られ、低価格化が実現する。
【0070】
また、本実施形態によれば、2つの冷却系(第1冷却系統36及び第2冷却系統90)について、適用するシステムや設置場所などに応じて冷却系の個別エンジニアリングが不要となる。より詳しくは、2つの冷却系のうち一方又は両方の中間熱交換器をFCプラットフォーム内に設置することで冷却系の個別エンジニアリングが不要になる。
【0071】
また、本実施形態によれば、FCプラットフォームの並列化により、拡張性向上及び高出力対応を実現できる。補機を組み込んだFCプラットフォームを構築することで、複数のFCプラットフォームを容易に並列化でき、拡張性向上及び高出力対応の実現が容易になる。
【0072】
また、本実施形態によれば、複数のFCプラットフォームをそれぞれ独立に切り離すことができ、運搬などの取り扱いが容易になるので、例えば、メンテナンスが容易化される。例えば、システム故障時にはFCプラットフォームごとの交換によって、システムの停止期間が短縮し、システムの稼働率が向上する。システム故障時には現地で修復するのではなく、FCプラットフォームを工場に引き取り、工場で修復することで、現地修復にかかるコストが低減する。工場引き取り期間は代替えのFCプラットフォームを入れ替えることで、システムの稼働率が向上する。
【0073】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0074】
例えば、
図1では、窒素を供給するパージ系統30が水素を供給する燃料系統18に合流する箇所は、燃料系統18がFCスタック21,22,23に向けて分岐した後の系統であるが、分岐する前の系統でもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,2,3 FCプラットフォーム
10 制御装置
11 電力変換装置
12 外部装置
13 DC/DCコンバータ
14 二次電池
141,14n 蓄電池
15 冷却器
16 出力点
17 出力線
18 燃料系統
19 給気系統
21,22,23 FCスタック
30 パージ系統
31 排気系統
32 制御用電源
33 空気フィルタ
34 第1中間熱交換器
35 イオン交換器
36 第1冷却系統
37 センサ
38 第1タンク
39 冷熱源
40 放熱部
41 受熱部
42 昇圧コンバータ
43 水素ポンプ
44 ウォーターポンプ
45 空気コンプレッサ
51 FCユニット
61,62,63 開閉器
71 燃料極
72 空気極
73,75 入口
74,76 出口
77 空気入口遮断弁
78 排空気出口遮断弁
79 第1気液分離器
80 混合器
81 第2気液分離器
82 回収器
90 第2冷却系統
91 ポンプ
92 第2中間熱交換器
93 第2タンク
94 冷熱源
95 放熱部
96 受熱部
101 燃料電池発電装置
118 燃料管
119,120 空気管
131 排気管
201 燃料電池発電システム
301 補機システム
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかの第1冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、を備える、燃料電池発電装置。
【請求項2】
前記空気コンプレッサを冷却する第2冷却液を前記第1冷熱源とは異なる第2冷熱源との間で熱交換可能な第2中間熱交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記空気コンプレッサを冷却する第2冷却液を前記第1冷熱源との間で熱交換可能な第2中間熱交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1冷却液からイオンを取り除くイオン交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1冷却液の電気伝導度を測定するセンサを備える、請求項4に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第1タンクを備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項7】
前記燃料極の出口から排出される第1混相流から水素ガスを分離する第1気液分離器と、
前記第1気液分離器により分離された水素ガスを前記燃料極の入口へ循環させる水素ポンプと、を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項8】
前記排気管は、前記第1気液分離器により分離された排水と、前記排水に混入する水素と、前記空気極の出口から排出される排空気とを合流させた第2混相流を排出する、請求項7に記載の燃料電池発電装置。
【請求項9】
前記第2混相流から水と気体を分離する第2気液分離器を備える、請求項8に記載の燃料電池発電装置。
【請求項10】
複数の燃料電池プラットフォームを備え、
前記複数の燃料電池プラットフォームは、それぞれ、前記燃料電池、前記燃料管、前記空気コンプレッサ、前記排気管および前記第1中間熱交換器を有し、
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料電池の出力電力は、共通の出力線に出力される、
請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
【請求項11】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記第1中間熱交換器は、共通の冷熱源との間で熱交換する、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項12】
前記共通の冷熱源は、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかである、請求項11に記載の燃料電池発電装置。
【請求項13】
前記出力線から外部への供給電力が所定値に維持されるように、複数の前記燃料電池の各出力を制御する制御装置を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項14】
前記制御装置は、複数の前記燃料電池のうち、一部の前記燃料電池を他の前記燃料電池から切り離し、前記供給電力が前記所定値に維持されるように、前記他の前記燃料電池の出力電力を制御する、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項15】
前記複数の燃料電池プラットフォームに個別の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項16】
前記複数の燃料電池プラットフォームに共通の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項17】
前記出力線に接続される二次電池を備え、
前記二次電池は、直列に接続された複数の蓄電池を含む、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項18】
前記出力線に接続される、並列に接続された複数の蓄電池を備え、
前記複数の蓄電池の数は、前記複数の燃料電池プラットフォームの数よりも少ない、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項19】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料管に不活性ガスを個別に供給するパージ系統を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1態様では、燃料電池発電装置は、
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかの第1冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1態様によれば、前記燃料電池を冷却する第1冷却液を、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかの第1冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器を備えるので、燃料電池発電装置を様々な用途に適用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
第1冷却系統36は、第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第1タンク38を備えてもよい。これにより、第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮が抑制される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
同様に、第2冷却系統90は、第2冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第2タンク93を備えてもよい。これにより、第2冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮が抑制される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
燃料電池発電装置101は、複数のFCプラットフォーム1,2,3における複数の燃料管118に窒素等の不活性ガスを個別に供給するパージ系統30を備えてもよい。パージ系統30は、複数の燃料管118を不活性ガスで個別にパージできるように、バルブで流路を切り替えてもよい。これにより、不活性ガスのパージによる特性劣化をFCスタック単位で管理できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかの第1冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、
前記空気コンプレッサを冷却する第2冷却液を前記第1冷熱源とは異なる第2冷熱源との間で熱交換可能な第2中間熱交換器と、を備える、燃料電池発電装置。
【請求項2】
燃料極と空気極を有する燃料電池と、
前記燃料極に水素を供給する燃料管と、
供給された空気を圧縮し、前記空気極に供給する空気コンプレッサと、
前記燃料電池で発生する排ガスを排出する排気管と、
前記燃料電池を冷却する第1冷却液を、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかの第1冷熱源との間で熱交換可能な第1中間熱交換器と、
前記空気コンプレッサを冷却する第2冷却液を前記第1冷熱源との間で熱交換可能な第2中間熱交換器と、を備える、燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記第1中間熱交換器に接続される冷却塔を備える、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1冷却液からイオンを取り除くイオン交換器を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1冷却液の電気伝導度を測定するセンサを備える、請求項4に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記第1冷却液の温度変化に伴う膨張又は収縮を吸収する第1タンクを備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項7】
前記燃料極の出口から排出される第1混相流から水素ガスを分離する第1気液分離器と、
前記第1気液分離器により分離された水素ガスを前記燃料極の入口へ循環させる水素ポンプと、を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項8】
前記排気管は、前記第1気液分離器により分離された排水と、前記排水に混入する水素と、前記空気極の出口から排出される排空気とを合流させた第2混相流を排出する、請求項7に記載の燃料電池発電装置。
【請求項9】
前記第2混相流から水と気体を分離する第2気液分離器を備える、請求項8に記載の燃料電池発電装置。
【請求項10】
複数の燃料電池プラットフォームを備え、
前記複数の燃料電池プラットフォームは、それぞれ、前記燃料電池、前記燃料管、前記空気コンプレッサ、前記排気管および前記第1中間熱交換器を有し、
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料電池の出力電力は、共通の出力線に出力される、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項11】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記第1中間熱交換器は、共通の冷熱源との間で熱交換する、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項12】
前記共通の冷熱源は、空気、液体、圧縮水素が膨張した際の冷熱、の何れかである、請求項11に記載の燃料電池発電装置。
【請求項13】
前記出力線から外部への供給電力が所定値に維持されるように、複数の前記燃料電池の各出力を制御する制御装置を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項14】
前記制御装置は、複数の前記燃料電池のうち、一部の前記燃料電池を他の前記燃料電池から切り離し、前記供給電力が前記所定値に維持されるように、前記他の前記燃料電池の出力電力を制御する、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項15】
前記複数の燃料電池プラットフォームに個別の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項16】
前記複数の燃料電池プラットフォームに共通の制御用電源を備える、請求項13に記載の燃料電池発電装置。
【請求項17】
前記出力線に接続される二次電池を備え、
前記二次電池は、直列に接続された複数の蓄電池を含む、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項18】
前記出力線に接続される、並列に接続された複数の蓄電池を備え、
前記複数の蓄電池の数は、前記複数の燃料電池プラットフォームの数よりも少ない、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項19】
前記複数の燃料電池プラットフォームにおける複数の前記燃料管に不活性ガスを個別に供給するパージ系統を備える、請求項10に記載の燃料電池発電装置。
【請求項20】
前記第2中間熱交換器に接続される冷却塔を備える、請求項1に記載の燃料電池発電装置。