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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006469
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】骨盤底筋支持補助用装着具
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/04 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A41B9/04 D
A41B9/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107353
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】509038108
【氏名又は名称】株式会社北里コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110003111
【氏名又は名称】あいそう弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 太
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA02
3B128EB15
3B128EC05
3B128EC11
(57)【要約】
【課題】使用者の体型に柔軟に対応でき、使用者の骨盤底筋を下方から良好に支持補助を行うことができる骨盤底筋支持補助用装着具を提供する。
【解決手段】骨盤底筋支持補助用装着具1は、パンツ状本体部2の股部2cに固定された伸縮性股部引上用バンド部5、伸縮性腰部ベルト3を備え、引上用バンド部5は、伸縮性前側引上用バンド部6,7、伸縮性後側引上用バンド部8,9、それぞれ先端部61,71,81,91の内側に設けられた4つの第1の面ファスナー部62,72,82,92を備え、伸縮性腰部ベルト3は、前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部31と、後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部32とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨盤底筋支持補助用装着具であって、
骨盤底筋支持補助用装着具は、パンツ状本体部と、前記パンツ状本体部の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルトと、前記パンツ状本体部の股部に、固定部にて固定された伸縮性股部引上用バンド部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部と、前記パンツ状本体部の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部と、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部および前記2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれ先端部の内側に設けられた第1の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性腰部ベルトは、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部と、前記2本の伸縮性後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、各伸縮性前側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性前側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの前側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であり、かつ、各伸縮性後側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性後側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であることを特徴とする骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項2】
前記パンツ状本体部は、伸縮性前身頃部と、伸縮性後身頃部と、前記伸縮性前身頃部と前記伸縮性後身頃部間に位置する低伸縮性の前記股部を備えている請求項1に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項3】
前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた後側引上用バンド一体化部を備えている請求項1に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項4】
前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた伸縮性後側引上用バンド一体化部を備えている請求項2に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項5】
前記股部の内面には、低伸縮性布帛が取り付けられている請求項2に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項6】
前記環状の伸縮性腰部ベルトは、ほぼ全長にわたり前記第2の面ファスナー部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項7】
前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項1ないし5のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項8】
前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項1ないし5のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項9】
前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっており、かつ、前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項1ないし5のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項10】
骨盤底筋支持補助用装着具であって、
骨盤底筋支持補助用装着具は、パンツ状本体部と、前記パンツ状本体部の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルトと、前記パンツ状本体部の股部に、固定部にて固定された伸縮性股部引上用バンド部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部と、前記パンツ状本体部の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部と、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部および前記2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれ先端部の内側に設けられた第1の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性腰部ベルトは、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部と、前記2本の伸縮性後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部とを備え、
前記パンツ状本体部は、伸縮性前身頃部と、伸縮性後身頃部と、前記伸縮性前身頃部と前記伸縮性後身頃部間に位置する低伸縮性の前記股部を備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた伸縮性後側引上用バンド一体化部を備え
前記伸縮性股部引上用バンド部は、各伸縮性前側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性前側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの前側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であり、かつ、各伸縮性後側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性後側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であることを特徴とする骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項11】
前記股部の内面には、低伸縮性布帛が取り付けられている請求項10に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項12】
前記環状の伸縮性腰部ベルトは、ほぼ全長にわたり前記第2の面ファスナー部を備えている請求項10または11に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項13】
前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項10または11に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項14】
前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項10または11に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【請求項15】
前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっており、かつ、前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている請求項10または11に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着対象者の骨盤底筋を下方から支持補助を行うための骨盤底筋支持補助用装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
骨盤底筋(肛門挙筋(骨盤隔膜)、肛尾靭帯、深会陰横筋、尿道括約筋、肛門挙筋等の総称で骨盤底筋群とも呼ばれる)は、骨盤の下部に位置し、主に内臓を支える働きをするが、出産、加齢等によりその機能に衰えが生じる場合がある。
骨盤底筋の機能の衰えは、尿漏れ、姿勢の崩れ、運動機能の低下等の要因になる場合があり、さらには骨盤臓器が正常の位置から下垂する骨盤臓器脱につながる場合もある。
上記のような臓器下垂症状および骨盤臓器脱の改善のための器具としては、再表2017/175663(特許文献1)のものが提案されている。特許文献1の骨盤底用サポーター(1)は、腹部から股間を経由して肛門部に接し背面腰部に至る布(10)と、この布を引き上げる力を腸骨周囲の摩擦力で支える腰ベルト部分(20)とから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2017/175663
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、腰ベルト部分(20)への着脱部分30を備えている。そして、着脱部分30は、略T字状の帯に形成されており、左右両側が斜め上方に向かう非伸縮性または高弾性素材よりなる帯31・32を有する。帯31・32の先端には、腰ベルト部分20の接続構造20cに接続可能なホック等の接続構造30cが設けられている。また、着脱部分30に使用されるホック等の接続構造30cは、面ファスナーのような物を適用してもよいとの開示もある。また、股間を経由する布10は、腹部から股間を経由して肛門部に接し背面腰部に至る布で、一部または全部が伸縮性弾性素材から成り、背面腰部で、腰ベルト部分20に縫製等で接続され、他端は腹部で、着脱部分30に接続される。
特許文献1のものでは、着脱部分30に使用されるホック等の接続構造30cとして、面ファスナーのような物を適用したとしても、着脱部分30の腰ベルト部分20への接合位置は、上下のわずかなレベルでしか調整できない。
使用者の体型は、年齢等も関係し、一律なものではなく、体のゆがみが生じているケースもあり、サイズのみで対応できるものではない。
【0005】
本発明の目的は、使用者の体型に柔軟に対応でき、使用者の骨盤底筋を下方から良好に支持補助を行うことができる骨盤底筋支持補助用装着具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 骨盤底筋支持補助用装着具であって、
骨盤底筋支持補助用装着具は、パンツ状本体部と、前記パンツ状本体部の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルトと、前記パンツ状本体部の股部に、固定部にて固定された伸縮性股部引上用バンド部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部と、前記パンツ状本体部の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部と、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部および前記2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれ先端部の内側に設けられた第1の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性腰部ベルトは、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部と、前記2本の伸縮性後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、各伸縮性前側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性前側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの前側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であり、かつ、各伸縮性後側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性後側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能である骨盤底筋支持補助用装着具。
【0007】
(2) 前記パンツ状本体部は、伸縮性前身頃部と、伸縮性後身頃部と、前記伸縮性前身頃部と前記伸縮性後身頃部間に位置する低伸縮性の前記股部を備えている上記(1)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(3) 前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた後側引上用バンド一体化部を備えている上記(1)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(4) 前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた伸縮性後側引上用バンド一体化部を備えている上記(2)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(5) 前記股部の内面には、低伸縮性布帛が取り付けられている上記(2)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(6) 前記環状の伸縮性腰部ベルトは、ほぼ全長にわたり前記第2の面ファスナー部を備えている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(7) 前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(8) 前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(9) 前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっており、かつ、前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【0008】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(10) 骨盤底筋支持補助用装着具であって、
骨盤底筋支持補助用装着具は、パンツ状本体部と、前記パンツ状本体部の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルトと、前記パンツ状本体部の股部に、固定部にて固定された伸縮性股部引上用バンド部とを備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部と、前記パンツ状本体部の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部と、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部および前記2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれ先端部の内側に設けられた第1の面ファスナー部とを備え、
前記伸縮性腰部ベルトは、前記2本の伸縮性前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部と、前記2本の伸縮性後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部とを備え、
前記パンツ状本体部は、伸縮性前身頃部と、伸縮性後身頃部と、前記伸縮性前身頃部と前記伸縮性後身頃部間に位置する低伸縮性の前記股部を備え、
前記伸縮性股部引上用バンド部は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものであり、さらに、前記伸縮性股部引上用バンド部は、前記パンツ状本体部との前記固定部と前記2本の伸縮性後側引上用バンド部との間に設けられた伸縮性後側引上用バンド一体化部を備え
前記伸縮性股部引上用バンド部は、各伸縮性前側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性前側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの前側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であり、かつ、各伸縮性後側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの前記伸縮性後側引上用バンド部の先端部を前記第1の面ファスナー部を用いて前記伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能である骨盤底筋支持補助用装着具。
【0009】
(11) 前記股部の内面には、低伸縮性布帛が取り付けられている上記(10)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(12) 前記環状の伸縮性腰部ベルトは、ほぼ全長にわたり前記第2の面ファスナー部を備えている上記(10)または(11)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(13) 前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(10)または(11)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(14) 前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(10)または(11)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
(15) 前記伸縮性腰部ベルトの後側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっており、かつ、前記伸縮性腰部ベルトの前側かつ前記股部の真上に位置する部位は、前記第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部となっている上記(10)または(11)に記載の骨盤底筋支持補助用装着具。
【発明の効果】
【0010】
本発明の骨盤底筋支持補助用装着具は、パンツ状本体部と、パンツ状本体部の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルトと、パンツ状本体部の股部に、固定部にて固定された伸縮性股部引上用バンド部とを備え、伸縮性股部引上用バンド部は、パンツ状本体部の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部と、パンツ状本体部の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部と、2本の伸縮性前側引上用バンド部および2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれ先端部の内側に設けられた4つの第1の面ファスナー部とを備え、伸縮性腰部ベルトは、2本の伸縮性前側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部と、2本の伸縮性後側引上用バンド部の各第1の面ファスナー部と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部とを備え、伸縮性股部引上用バンド部は、2本の各伸縮性前側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの伸縮性前側引上用バンド部の先端部を第1の面ファスナー部を用いて伸縮性腰部ベルトの前側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能であり、かつ、2本の各伸縮性後側引上用バンド部を引っ張った状態にて、それぞれの伸縮性後側引上用バンド部の先端部を第1の面ファスナー部を用いて伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部の離間した部位に装着可能となっている。
このため、2本の伸縮性前側引上用バンド部のそれぞれを伸縮性腰部ベルトの前側部分の任意の部位に装着することができる。さらに、2本の伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれを伸縮性腰部ベルトの後側部分の任意の部位に装着することができる。このように、4本の引上用バンド部の先端部の伸縮性腰部ベルトへの装着を調整することにより、使用者の体型に柔軟に対応でき、かつ、伸縮性前側引上用バンド部および伸縮性後側引上用バンド部のそれぞれにて、股部を引き上げることができるので、使用者の骨盤底筋を下方から良好に支持補助を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の実施例を示す正面図である。
図2図2は、図1の骨盤底筋支持補助用装着具の背面図である。
図3図3は、図1の骨盤底筋支持補助用装着具の股部を説明するための説明図である。
図4図4は、図1の骨盤底筋支持補助用装着具の股部の内側を説明するための説明図である。
図5図5は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の前側の装着過程を説明するための説明図である。
図6図6は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の前側の装着状態を説明するための説明図である。
図7図7は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の後側の装着過程を説明するための説明図である。
図8図8は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の後側の装着状態を説明するための説明図である。
図9図9は、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具の他の実施例を示す正面図である。
図10図10は、図9の骨盤底筋支持補助用装着具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の骨盤底筋支持補助用装着具を図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の骨盤底筋支持補助用装着具1は、パンツ状本体部2と、パンツ状本体部2の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルト3と、パンツ状本体部2の股部2cに、固定部12にて固定された伸縮性股部引上用バンド部5とを備え、伸縮性股部引上用バンド部5は、パンツ状本体部2の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7と、パンツ状本体部2の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9と、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7および2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9のそれぞれ先端部61,71,81,91の内側に設けられた4つの第1の面ファスナー部62,72,82,92とを備える。伸縮性腰部ベルト3は、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7の各第1の面ファスナー部62,72と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部31と、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9の各第1の面ファスナー部82,92と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部32とを備え、伸縮性股部引上用バンド部5は、2本の各伸縮性前側引上用バンド部6,7を引っ張った状態にて、それぞれの伸縮性前側引上用バンド部6,7の先端部61,71を第1の面ファスナー部62,72を用いて伸縮性腰部ベルト3の前側第2の面ファスナー部31の離間した部位に装着可能であり、かつ、2本の各伸縮性後側引上用バンド部8,9を引っ張った状態にて、それぞれの伸縮性後側引上用バンド部8,9の先端部81,91を第1の面ファスナー部82,92を用いて伸縮性腰部ベルトの後側第2の面ファスナー部32の離間した部位に装着可能となっている。
【0013】
図1ないし図4に示すように、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具1は、パンツ状本体部2と、パンツ状本体部2の上部に固定された環状の伸縮性腰部ベルト3と、パンツ状本体部2の股部2cに、固定部12にて固定された伸縮性股部引上用バンド部5とを備える。
【0014】
パンツ状本体部2は、図1ないし図4に示すように、前身頃部2aと、後身頃部2bと、股部2cとを備える。パンツ状本体部2は、全体(前身頃部2a、後身頃部2b、股部2cの表面)が、伸縮性布帛により形成されている。また、十分な強度を有するものとなっている。伸縮性布帛としては、縦方向および横方向の両方に伸縮性を有するものが好ましい。さらに、伸縮性布帛は、通気性を有するものが好ましい。
【0015】
具体的には、伸縮性布帛の構成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイロン6やナイロン66等のナイロン、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維や、これらを混繊したもの等が挙げられる。
【0016】
また、伸縮性布帛の構成としては、上記繊維を単独で使用した織物、編物、不織布や、上記繊維の交編織品など、特に限定するものではないが、ポリウレタン弾性糸を含むことによって伸縮性を有していることが好ましい。ポリウレタン弾性糸を含む伸縮性を有する布帛を用いることで、繰り返し伸縮時においても本発明の伸縮性樹脂加工布帛に伸縮性を保持させることができ、本発明の伸縮性樹脂加工布帛を使用して衣料とした際に着用者の動きに追従するため、着用感の優れたものとなる。
【0017】
伸縮性布帛は後述の伸度測定法において、タテ方向、ヨコ方向共に30~300%の伸度を有していることが好ましく、さらに好ましくは50~250%である。
【0018】
そして、この実施例では、パンツ状本体部2は、伸縮性前身頃部2aと、伸縮性後身頃部2bと、伸縮性前身頃部2aと伸縮性後身頃部間2bに位置する低伸縮性の股部2cを備えている。この実施例では、図4に示すように、股部2cは、表側が上述した伸縮性布帛により形成され、内側に低伸縮性布帛15が取り付けられており、この低伸縮性布帛15により、股部2cが低伸縮性のものとなっている。股部2cが低伸縮性のものとなっているため、後述する伸縮性股部引上用バンド部5の引き上げ時に股部2cが伸縮することがなく、引き上げが良好となるとともに、股部2cの内側での布帛の動きが抑制される。
【0019】
図1および図2に示すように、環状の伸縮性腰部ベルト3は、パンツ状本体部2の上部に取り付けられている。伸縮性腰部ベルト3は、さらに、前側に、前側第2の面ファスナー部31を、後ろ側に、後側第2の面ファスナー部32を備えている。第2の面ファスナー部としては、ループ面ファスナーが好適である。
【0020】
また、この実施例では、パンツ状本体部2の足挿入開口部の環状周縁には、パイピング16,17が設けられている。パイピング16,17は、パンツ状本体部2の形成素材である伸縮性布帛の端部を被包するように、布帛を配置し、接合(縫合)することにより、形成することができる。
【0021】
伸縮性腰部ベルト3としては、例えば、ゴムベルトと、ゴムベルトの両面に布帛を備え、伸縮可能な環状に形成されたものが使用できる、この場合、布帛としては、コットン、ウール、ポリエステルなどの各種の天然繊維や合成繊維の布地か、フリース、ネル、タオル地、ガーゼなどの布地が用いられる。ゴムベルトとしては、所定幅の平ゴムベルトが好適である。
【0022】
伸縮性腰部ベルト3は、長手方向に伸縮可能とする生地を用いて、その両端を接合することにより形成したものでもよい。第2の面ファスナー部を備える伸縮性腰部ベルト3の形成素材は、織物、編物、不織布などとして形成できる。例えば、織物であれば、縦糸を伸縮性の糸、好ましくはポリウレタンのような高伸縮性の繊維やゴム糸、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等を主体にした糸で構成し、横糸として第2の面ファスナー部(ループ面ファスナー)として機能する有毛性繊維、例えば紡績糸や表面に羽毛を有するフィラメント糸を用いて織物とし、そのまま有毛状態に仕上げることにより形成したものを用いることができる。編物では、伸縮性糸とポリエステル仮撚加工糸のような羽毛がなく、バルキーなフィラメント糸で編み上げた後、起毛処理を施し、有毛状態に仕上げて実施することもできる。また、不織布では、短繊維を用いて起毛性の糸を用いて不織布とし、熱収縮処理を行うことで緻密で伸縮性のある有毛性不織布としたものを用いることができる。
【0023】
伸縮性腰部ベルト3の素材(生地)は、比較的厚手、具体的には厚さ0.7~1.5mmであることが好ましい。また、伸縮性腰部ベルト3は、ある程度の幅(長手方向に直交する幅)を有することが好ましい。ある程度の幅を有することにより、伸縮性股部引上用バンド部5の引上用バンド部6,7、8,9の先端部61,71、81,91の上下方向における装着位置を調整することが可能である。具体的には、伸縮性腰部ベルト3の幅は、30~70mm、好ましくは、35~60mmであることが好ましい。また、この実施例では、環状の伸縮性腰部ベルト3は、ほぼ全長(全体)にわたり第2の面ファスナー部を備えるものとなっている。
【0024】
図1および図2に示すように、伸縮性股部引上用バンド部5は、パンツ状本体部2の前側に位置する2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7と、パンツ状本体部2の後側に位置する2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9と、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7および2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9のそれぞれ先端部61,71,81,91の内側に設けられた4つの第1の面ファスナー部62,72,82,92とを備える。
【0025】
また、伸縮性腰部ベルト3は、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7の各第1の面ファスナー部62,72と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される前側第2の面ファスナー部31と、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9の各第1の面ファスナー部82,92と着脱可能かつ装着位置選択可能に係止される後側第2の面ファスナー部32とを備える。
【0026】
この実施例では、図3に示すように、伸縮性股部引上用バンド部5は、2本のバンド部材を重ね合わせ、部分的に接合したものとなっており、後側引上用バンド一体化部52を備えている。後側引上用バンド一体化部52は、ある程度の伸縮性を有する伸縮性後側引上用バンド一体化部となっている。
【0027】
伸縮性股部引上用バンド部5は、パンツ状本体部2の股部2cにおいて、固定部12により固定されている。具体的には、伸縮性股部引上用バンド部5は、パンツ状本体部2との固定部12と2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9との間に設けられた後側引上用バンド一体化部52を有するものとなっている。また、後側引上用バンド一体化部52の前側の一端に固定部12が形成されており、パンツ状本体部2の股部2cに固定されている。
【0028】
伸縮性股部引上用バンド部5は、図1に示すように、パンツ状本体部2の前側に位置し、伸縮性股部引上用バンド部5の前側非一体化部により形成された2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7を備えている。2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7は、所定長を備えており、先端部61,71は、所定長離間可能となっている。また、伸縮性前側引上用バンド部6の先端部61の内側には、第1の面ファスナー部62が設けられている。伸縮性前側引上用バンド部7の先端部71の内側には、第1の面ファスナー部72が設けられている。
【0029】
そして、この実施例では、伸縮性股部引上用バンド部5は、上述したパンツ状本体部2との固定部12より前側に延びる2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7を有している。このため、図5および図6に示すように、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7の引き上げにより、パンツ状本体部2との固定部12より前方が引き上げられることにより、装着者の股部中央部位より前方を良好に引き上げ可能となっている。
【0030】
伸縮性前側引上用バンド部6,7の長さとしては、骨盤底筋支持補助用装着具のサイズによっても相違するが、固定部12と伸縮性腰部ベルト3の下端間距離と同じ程度であることが好ましい。具体的には、伸縮性前側引上用バンド部6,7の長さとしては、固定部12と伸縮性腰部ベルト3の下端間距離に対して、-15mm~+10mmであることが好ましく、特に、-10mm~+5mmが好ましいと考える。
【0031】
また、伸縮性股部引上用バンド部5は、パンツ状本体部2の後側に位置し、伸縮性股部引上用バンド部5の後側非一体化部より形成された2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9(具体的には、一体化部52の終端51より延びる伸縮性後側引上用バンド部8,9)を備えている。2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9は、所定長を備えており、先端部81,91は、所定長離間可能となっている。また、伸縮性後側引上用バンド部8の先端部81の内側には、第1の面ファスナー部82が設けられている。伸縮性後側引上用バンド部9の先端部91の内側には、第1の面ファスナー部92が設けられている。第1の面ファスナー部62,72,82,92としては、フック面ファスナーが好適である。
【0032】
そして、図7および図8に示すように、この実施例では、伸縮性股部引上用バンド部5は、上述したパンツ状本体部2との固定部12より後ろ側に延びる伸縮性後側引上用バンド一体化部52を有し、後側引上用バンド一体化部52の先端は、固定部12に位置し、さらに、後側引上用バンド一体化部52の終端51より、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9が延びるものとなっている。このため、図7および図8に示すように、この実施例では、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9の引き上げにより、パンツ状本体部2との固定部12に連結された後側引上用バンド一体化部52が引き上げられることにより、装着者の股部中央部位より後方を良好に引き上げ可能となっている。
【0033】
後側引上用バンド一体化部52の長さとしては、骨盤底筋支持補助用装着具のサイズによっても相違するが、60mm~130mmであることが好ましく、特に、70mm~120mmが好ましいと考える。また、伸縮性後側引上用バンド部8,9の長さとしては、骨盤底筋支持補助用装着具のサイズによっても相違するが、100mm~160mmであることが好ましく、特に、110mm~150mmが好ましいと考える。
【0034】
伸縮性股部引上用バンド部の形成素材としては、伸縮性腰部ベルト3にて説明したものが好適に使用できる。
【0035】
上述した実施例では、環状の伸縮性腰部ベルト3は、ほぼ全長にわたり第2の面ファスナー部を備えるものとなっているが、このようなものに限定されるものではなく、図9および図10に示す実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1aのよ
うなものであってもよい。
【0036】
この実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1aと上述した実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1との相違は、伸縮性腰部ベルトに設けられた第1の面ファスナー部の係止が不能な装着不能部の有無のみである。骨盤底筋支持補助用装着具1aのその他の構成は、上述した実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1と同じである。
【0037】
この実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1aは、図10に示すように、伸縮性腰部ベルト3の後側かつ股部2cの真上に位置する部位には、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9の第1の面ファスナー部82,92の係止が不能な装着不能部35が設けられている。
【0038】
このため、伸縮性後側引上用バンド部8,9は、その先端部81,91を、伸縮性腰部ベルト3の後側かつ股部2cの真上に位置するように装着できないものとなっている。このため、伸縮性後側引上用バンド部8,9が、装着者の臀裂内を通過するように装着することを防止し、装着者に不快感を与えることを防止する。また、伸縮性後側引上用バンド部8,9の先端部81,91は、少なくとも装着不能部35の幅部分、離間して装着されることになるため、良好な引き上げを行うことができる。
【0039】
さらに、この実施例の骨盤底筋支持補助用装着具1aでは、図9に示すように、伸縮性腰部ベルト3の前側かつ股部2cの真上に位置する部位には、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7の第1の面ファスナー部62,72の係止が不能な装着不能部34が設けられている。
【0040】
このため、伸縮性前側引上用バンド部6,7は、その先端部61,71を伸縮性腰部ベルト3の前側かつ股部2cの真上に位置するように装着できないものとなっている。このため、伸縮性前側引上用バンド部6、7の先端部61、71は、少なくとも装着不能部34の幅部分、離間して装着されることになるため、良好な引き上げを行うことができる。
【0041】
装着不能部34、35は、例えば、第1の面ファスナー部(フック面ファスナー)と係合不能な布帛、フィルム等を、貼着、縫合などにより、取り付けることにより、形成することができる。
【0042】
本発明の作用を図5ないし図8を用いて説明する。
図5に示すように、装着者が、本発明の骨盤底筋支持補助用装着具1を装着した後、伸縮性前側引上用バンド部6の先端部を引き上げ、図6に示すように、伸縮性腰部ベルト3の股部真上の位置より、所定長側部側となる部位に、第1の面ファスナー部62を用いて装着する。同様に、伸縮性前側引上用バンド部7の先端部を引き上げ、図6に示すように、伸縮性前側引上用バンド部6の先端部より所定長離間する伸縮性腰部ベルト3の部位に、第1の面ファスナー部72を用いて装着する。
【0043】
続いて、図7に示すように、伸縮性後側引上用バンド部8の先端部を引き上げ、図8に示すように、伸縮性腰部ベルト3の股部真上の位置より、所定長側部側となる部位に、第1の面ファスナー部82を用いて装着する。同様に、伸縮性後側引上用バンド部9の先端部を引き上げ、図8に示すように、伸縮性後側引上用バンド部8の先端部より所定長離間する伸縮性腰部ベルト3の部位に、第1の面ファスナー部92を用いて装着する。これにより、装着作業が終了する。なお、調整が必要な場合は4つの引上用バンド部より選択されたもののを外し、再度装着を行うことにより、容易に調整できる。
【0044】
そして、この実施例では、図5および図6に示すように、2本の伸縮性前側引上用バンド部6,7の引き上げにより、パンツ状本体部2との固定部12より前方が引き上げられることにより、装着者の股部中央部位より前方を良好に引き上げ可能となっている。図7および図8に示すように、この実施例では、2本の伸縮性後側引上用バンド部8,9の引き上げにより、パンツ状本体部2との固定部12に連結された伸縮性後側引上用バンド一体化部52が引き上げられることにより、装着者の股部中央部位より後方を良好に引き上げ可能となっている。
【符号の説明】
【0045】
1 骨盤底筋支持補助用装着具
2 パンツ状本体部
2a 前身頃部
2b 後身頃部
2c 股部
3 環状の伸縮性腰部ベルト
31,32 第2の面ファスナー部
5 伸縮性股部引上用バンド部
6,7 伸縮性前側引上用バンド部
8,9 伸縮性後側引上用バンド部
12 固定部
52 一体化部
61,71,81,91 先端部
62,72,82,92 第1の面ファスナー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10