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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064693
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/36 20060101AFI20240507BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240507BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20240507BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J5/30 Z
G06K1/12 A
G06K19/06 037
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173462
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 功一
【テーマコード(参考)】
2C055
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C187AD06
2C187AE01
2C187AE07
2C187AG07
2C187BF36
2C187BH13
2C187CC03
2C187CD05
2C187CD08
2C187CD19
2C187DB27
(57)【要約】
【課題】プリンタの表示部の解像度が低い場合であっても、印刷画像を含む印刷結果物の内容を適切に確認できる技術を提供する。
【解決手段】表示部11と、印刷部17と、制御部13と、を備え、制御部13は、特定の種類の二次元コードOB1,OB2および特定の種類とは異なる種類のテキストOB3を含む複数のオブジェクトから構成される印刷データで表される印刷画像PIを、印刷部17に印刷させるステップS40と、印刷データのうち、二次元コードOB1,OB2に対応する縮小コード画像PI1a,PI2aを含みテキストOB3を含まない確認画像を、ステップS40による印刷より前に、印刷部17に印刷させるステップS200と、を実行させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
印刷部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
特定の種類の第1オブジェクトおよび前記特定の種類とは異なる種類の第2オブジェクトを含む複数のオブジェクトから構成される印刷データで表される印刷画像を、前記印刷部に印刷させる第1印刷処理と、
前記印刷データのうち、前記第1オブジェクトに対応する画像を含み前記第2オブジェクトで表される画像を含まない確認画像を、前記第1印刷処理による印刷より前に、前記印刷部に印刷させる第2印刷処理と、
を実行させる、プリンタ。
【請求項2】
前記第1オブジェクトで表される第1画像は、所定の文字列をコード化したコード画像である、請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記所定の文字列は、
URL(Uniform Resource Locator)を示す文字列である、請求項2記載のプリンタ。
【請求項4】
通信部をさらに有し、
前記制御部は、さらに、
前記通信部を介して、外部装置にアクセス可能か否かを判断する第1判断処理を実行し、
前記第1判断処理でアクセス可能と判定された場合は、前記第2印刷処理を実行することなく、前記所定の文字列で表されるURLにアクセスを行った結果を報知し、前記第1判断処理でアクセス不可能と判定された場合は、前記第2印刷処理を実行する、
請求項3記載のプリンタ。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記所定の文字列の文字数が所定数より小さいか否かを判断する第2判断処理を実行し、
前記第2判断処理で前記所定数より小さいと判断された場合は、前記所定の文字列を前記表示部に表示させる表示処理を実行し、前記第2判断処理で前記所定数以上であると判断された場合は、前記第2印刷処理を実行する、
請求項2記載のプリンタ。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2印刷処理において、前記所定の文字列をコード化しかつ前記第1画像より小さいサイズの第1縮小画像を生成して印刷する、
請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載のプリンタ。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2印刷処理において、
前記コード化における訂正レベルを低くすること、
前記コード化におけるセルサイズを低くすること、
コード規格を変更すること、
のうち少なくとも1つを行うことにより、前記第1縮小画像を生成する、
請求項6記載のプリンタ。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2印刷処理において、
予め設定された所定範囲内において前記訂正レベルおよび前記セルサイズを最小化した後、前記コード規格の変更が可能であれば当該変更を行うことにより、前記第1縮小画像を生成する、
請求項7記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を印刷するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、印刷結果のプレビュー表示を行うディスプレイを備える印刷装置について開示されている。また、特許文献2には、URLを格納する二次元コードを生成して、ラベルに印刷する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-132768号公報
【特許文献2】特開2019-86870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷画像に二次元コードや写真等を含む場合、プリンタの表示部の解像度が低いと、プレビュー表示で印刷結果物の内容を適切に確認できない恐れがある。例えば、特許文献2のように、二次元コードを印刷する場合、印刷画像を構成する最小ドットサイズまで表示できない可能性がある。また、二次元コードに限られず、例えば写真等の印刷画像についても同様の課題が生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、プリンタの表示部の解像度が低い場合であっても、印刷画像を含む印刷結果物の内容を適切に確認できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明のプリンタは、表示部と、印刷部と、制御部と、を備え、前記制御部は、特定の種類の第1オブジェクトおよび前記特定の種類とは異なる種類の第2オブジェクトを含む複数のオブジェクトから構成される印刷データで表される印刷画像を、前記印刷部に印刷させる第1印刷処理と、前記印刷データのうち、前記第1オブジェクトに対応する画像を含み前記第2オブジェクトで表される画像を含まない確認画像を、前記第1印刷処理による印刷より前に、前記印刷部に印刷させる第2印刷処理と、を実行させる。
【0007】
本願発明によれば、印刷画像のうち、第1オブジェクトに対応する画像を含み第2オブジェクトで表される画像を含まない確認画像が、第1印刷処理による印刷より前に、第2印刷処理により印刷される。これにより、特定の種類の第1オブジェクトがプリンタの表示部の解像度が低く十分に表示できない場合でも、第2印刷処理により得られる印刷物から、印刷結果物の内容を適切に確認することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリンタの表示部の解像度が低い場合であっても、印刷画像を含む印刷結果物の内容を適切に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るプリンタの外観構成の一例を表す図である。
図2】本発明の実施形態に係るプリンタのハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
図3】プリンタで印刷される印字ラベルとサンプルラベルの一例を表す図である。
図4】プリンタの制御部が実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。
図5】コード画像確認処理の詳細内容を表すフローチャートである。
図6】サンプルラベル印刷処理の詳細内容を表すフローチャートである。
図7】コード画像最小化処理の詳細内容を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0011】
<プリンタの構成>
図1に、実施形態に係るプリンタ1の外観構成の一例を示す。図1において、プリンタ1は、ラベル用テープTPに印刷データを印刷して印字ラベルLを作成するラベルプリンタであり、表示部11と、入力部12とを有する。
【0012】
表示部11は、例えば液晶ディスプレイ等であり、各種情報やメッセージを表示する。表示部11は、印刷画像をカラーで表示することが可能なカラー表示機能を備えてもよいし、モノクロ表示でもよい。入力部12は、複数のボタン等で構成されており、ユーザからの指示や情報が入力される。
【0013】
なお、プリンタ1は、表示部11の解像度が低いものであればタイプを限定されるものではなく、例えばハンディタイプのプリンタ等でもよい。
【0014】
図2に、プリンタ1のハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように、プリンタ1は、上記表示部11および入力部12と、制御部13と、カートリッジホルダ14と、カートリッジセンサ15と、通信部16と、印刷部17と、記憶部18と、カッタ19とを有する。
【0015】
制御部13は、CPU13aと、RAM13bと、ROM13c等を有する。制御部13は、後述の図4乃至図7に示すフローチャートの各処理を実行する。カートリッジホルダ14は、ラベル用テープTPを供給するカートリッジ5を着脱可能に装着する。カートリッジセンサ15はカートリッジホルダ14に設けられ、機械的検出または光学的・磁気的検出等、公知の適宜の手法により、カートリッジ5の情報を検出する。通信部16は、例えばインターネット等のネットワークNWを介して外部装置との間で通信を行う。
【0016】
印刷部17は、例えば印字ヘッドであり、ラベル用テープTPに印刷画像を印刷する。カッタ19は、印刷部17により印刷が行われた長尺状のラベル用テープTPを所定の長さに切断し、印字ラベルLを作成する。
【0017】
記憶部18は、例えば不揮発性RAMやハードディスク等で構成される大容量記憶装置である。記憶部18は、CPU13aに対し後述の図4乃至図7に示すフローチャートの各処理を実行させるための印刷プログラムや、各種のデータ等を記憶する。印刷プログラムや各種のデータ等は、制御部13のRAM13bやROM13cに記憶されてもよい。
【0018】
<本発明の特徴>
プリンタ1では、表示部11に表示される編集画面やプレビュー画面において、ラベル用テープTPに印刷される印刷画像が表示される。この際、表示部11の解像度が印刷画像の解像度よりも低い場合には、印刷画像を構成する最小ドットサイズまで表示することができない。このため、印刷画像に例えば所定の文字列をコード化したコード画像が含まれる場合、表示部11に表示されたコード画像では復号化することができず、印字ラベルLの印刷内容を適切に確認することができない。また、印刷画像に例えば写真画像等が含まれる場合も、表示部11に表示された写真画像が粗くなったりつぶれが生じる等により、同様の課題が生じ得る。このように、印刷の実行前に表示部11により印字ラベルLの印刷内容を適切に確認できない場合、印刷内容に誤りがあった場合には印字ラベルLの作成後に気が付くこととなる。その結果、ラベル用テープTPやカートリッジ5のインクの無駄な消費を招く結果となる。
【0019】
そこで本実施形態のプリンタ1では、印刷画像に特定の種類のオブジェクトの画像が含まれる場合には、所定の条件が具備されると、通常のラベル印刷とは別のサンプルラベル印刷が行われる。特定の種類のオブジェクトの画像は、表示部11の解像度が低い場合に十分に表示できない可能性があるコード画像や写真画像等である。サンプルラベルには、通常の印字ラベルLに印刷される印刷画像のうち、表示部11の解像度では十分に表示できない画像部分のみが抽出されると共に縮小化されて印刷される。その結果、ラベル用テープTPやカートリッジ5のインクの消費を抑制しつつ、印字ラベルLの印刷内容を適切に確認することができる。
【0020】
図3に、印字ラベルLとサンプルラベルSLの一例を示す。図3に示す例では、印字ラベルLには、例えば二次元コードOB1,OB2およびテキストOB3から構成される印刷データで表される印刷画像PIが印刷されている。印刷画像PIは、コード画像PI1、コード画像PI2、および、テキスト画像PI3を含む。コード画像PI1は、例えば資産コードを表す所定の文字列をコード化した二次元コードOB1で表される印刷画像である。コード画像PI2は、例えばマニュアル番号を表す所定の文字列をコード化した二次元コードOB2で表される印刷画像である。二次元コードOB1,OB2は例えばQRコード(登録商標)である。テキスト画像PI3は、例えば印字ラベルLの貼り付け対象である品名「プロジェクタ」、資産コード「07-123」、および、マニュアル番号「10.161.60.8」を含むテキストOB3で表される印刷画像である。二次元コードOB1,OB2が特定の種類の第1オブジェクトの一例であり、テキストOB3が特定の種類とは異なる種類の第2オブジェクトの一例であり、コード画像PI1,PI2が第1画像の一例である。
【0021】
コード画像PI1,PI2を構成する最小ドットサイズが、表示部11で表示可能な最小ドットサイズよりも小さい場合、上述した問題が生じる。そこで、所定の条件が具備された場合に、印字ラベルLの作成前に、サンプルラベルSLが作成される。所定の条件は、例えばコード画像PI1,PI2がURLを表す文字列をコード化したものであり、プリンタ1が当該URLにアクセスできない場合を含む。また、所定の条件は、例えばコード画像PI1,PI2がURL以外の文字列をコード化したものであり、当該文字列の文字数が所定値以上である場合を含む。
【0022】
サンプルラベルSLには、確認画像SIが印刷される。確認画像SIは、例えば「Sample」のテキストOB4で表されるテキスト画像PI4と、二次元コードOB1,OB2に対応する縮小コード画像PI1a,PI2aを含み、テキスト画像PI3を含まない。なお、テキスト画像PI4は確認画像SIに含まれなくともよい。二次元コードOB1に対応する縮小コード画像PI1aは、コード画像PI1より小さいサイズの縮小したコード画像である。二次元コードOB2に対応する縮小コード画像PI2aは、コード画像PI2より小さいサイズの縮小したコード画像である。縮小コード画像PI1a,PI2aが第1オブジェクトに対応する画像の一例であると共に、第1縮小画像の一例であり、テキスト画像PI3が第2オブジェクトで表される画像の一例である。
【0023】
なお、二次元コードOB1,OB2はQRコード(登録商標)に限られず、例えばPDF417、データマトリックス、MaxiCode、AzteCode等の二次元コードでもよい。また、二次元コードに限るものではなく、例えばバーコード等の一次元コードでもよい。
【0024】
<制御手順>
上述した印刷機能等を実現するために、プリンタ1の制御部13が実行する制御手順の一例を、図4乃至図7のフローチャートにより説明する。
【0025】
図4に示すように、ステップS10では、制御部13は、ユーザにより入力部12を介して入力された情報に基づいて印刷データの編集を行う。印刷データには、前述の図3に示すように、例えば二次元コードOB1,OB2およびテキストOB3が含まれる。編集された印刷データは例えば記憶部18等に記憶される。
【0026】
次のステップS20では、制御部13は、ユーザにより印刷開始の指示がなされたか否かを判定する。制御部13は、例えば入力部12に含まれる印刷ボタンが押されたか否かに基づいて上記判定を行う。制御部13は、印刷開始の指示がなされていない場合には(ステップS20:No)、上記ステップS10に戻る。一方、制御部13は、印刷開始の指示がなされた場合には(ステップS20:Yes)、次のステップS100に移行する。
【0027】
ステップS100では、制御部13は、コード画像確認処理を実行する。コード画像確認処理の詳細については後述する(図5参照)。
【0028】
次のステップS30では、制御部13は、印刷データに問題がないか否かを判定する。制御部13は、例えば表示部11に印刷データに問題がないか否かを問うメッセージを表示し、ユーザにより「はい」又は「YES」に対応するボタンが押された場合には問題ないと判定し、「いいえ」又は「NO」に対応するボタンが押された場合には問題ありと判定する。制御部13は、印刷データに問題があると判定した場合には(ステップS30:No)、上記ステップS10に戻る。一方、制御部13は、印刷データに問題がないと判定した場合には(ステップS30:Yes)、次のステップS40に移行する。
【0029】
ステップS40では、制御部13は、二次元コードOB1,OB2およびテキストOB3を含む複数のオブジェクトから構成される印刷データで表される印刷画像PIを、印刷部17によりラベル用テープTPに印刷させる。また制御部13は、印刷されたラベル用テープTPをカッタ19により所定の長さに切断して、印字ラベルLを作成する。当該ステップS40が第1印刷処理の一例である。以上により、本フローチャートを終了する。
【0030】
図5に、上記ステップS100のコード画像確認処理の詳細内容を示す。図5に示すように、ステップS110では、制御部13は、印刷データを例えば記憶部18から読み出し取得する。
【0031】
ステップS120では、制御部13は、上記ステップS110で取得した印刷データに、所定の文字列をコード化したコード画像PI1,PI2が含まれるか否かを判定する。制御部13は、印刷データにコード画像PI1,PI2が含まれないと判定した場合には(ステップS120:No)、本サブルーチンを終了し、図4に示すステップS30に移行する。一方、制御部13は、印刷データにコード画像PI1,PI2が含まれると判定した場合には(ステップS120:Yes)、次のステップS130に移行する。
【0032】
ステップS130では、制御部13は、コード画像PI1,PI2がURL(Uniform Resource Locator)を示す文字列をコード化したものか否かを判定する。制御部13は、コード画像PI1,PI2がURLをコード化したものであると判定した場合には(ステップS130:Yes)、次のステップS140に移行する。
【0033】
ステップS140では、制御部13は、通信部16を介して外部装置にアクセス可能か否かを判定する。具体的には、制御部13は、ネットワークNWを介して上記URLが示すアドレスにアクセス可能か否かを判定する。制御部13は、例えばプリンタ1がオフラインである等により、URLが示すアドレスにアクセスできないと判定した場合には(ステップS140:No)、後述のステップS200に移行する。一方、制御部13は、URLが示すアドレスにアクセス可能と判定した場合には(ステップS140:Yes)、ステップS200を実行することなく、次のステップS150に移行する。当該ステップS140が第1判断処理の一例である。
【0034】
ステップS150では、制御部13は、所定の文字列で表されるURLにアクセスを行った結果を表示部11に表示する。アクセス結果は、例えばURLが示すアドレス先の画面を表示してもよいし、当該画面の代わりにアクセスできたことを示すメッセージ等を表示してもよい。なお、アクセスを行った結果の報知は、表示部11への表示に限るものではなく、例えばスピーカ等の発音部による発声や、バイブレータ等による発振等により実行されてもよい。その後、本サブルーチンを終了し、図4に示すステップS30に移行する。
【0035】
一方、上記ステップS130において、制御部13は、コード画像PI1,PI2がURLをコード化したものでないと判定した場合には(ステップS130:No)、次のステップS160に移行する。
【0036】
ステップS160では、制御部13は、コード画像PI1,PI2が表す文字列の文字数が閾値以上であるか否か、すなわち文字数が所定数より小さいか否かを判断する。閾値は、文字列を表示部11に表示した場合にユーザが容易に適否を確認できる上限の文字数であり、例えば5文字等に設定される。制御部13は、文字数が閾値以上である場合には(ステップS160:Yes)、次のステップS200に移行する。当該ステップS160が第2判断処理の一例であり、閾値は所定数の一例である。
【0037】
ステップS200では、制御部13は、サンプルラベル印刷処理を実行する。サンプルラベル印刷処理の詳細については後述する(図6参照)。その後、本サブルーチンを終了し、図4に示すステップS30に移行する。
【0038】
一方、上記ステップS160において、制御部13は、文字数が閾値未満である場合には(ステップS160:No)、次のステップS170に移行する。
【0039】
ステップS170では、制御部13は、コード画像PI1,PI2が表す所定の文字列を表示部11に表示する。その後、本サブルーチンを終了し、図4に示すステップS30に移行する。当該ステップS170が表示処理の一例である。
【0040】
図6に、上記ステップS200のサンプルラベル印刷処理の詳細内容を示す。図6に示すように、ステップS210では、制御部13は、上記ステップS110で取得した印刷データからコード画像PI1,PI2を抽出する。印刷データに含まれるコード画像は単数でも複数でもよいが、印刷データにコード画像が複数含まれる場合、制御部13は各コード画像をそれぞれ抽出する。
【0041】
ステップS300では、制御部13は、コード画像最小化処理を実行する。印刷データにコード画像が複数含まれる場合、制御部13は各コード画像に対してコード画像最小化処理をそれぞれ実行する。コード画像最小化処理の詳細については後述する(図7参照)。
【0042】
ステップS220では、制御部13は、上記ステップS300で最小化処理が施された縮小コード画像PI1a,PI2aを含み、テキスト画像PI3を含まない確認画像SIを印刷部17によりラベル用テープTPに印刷する。制御部13は、印刷されたラベル用テープTPをカッタ19により所定の長さに切断し、サンプルラベルSLを作成する。サンプルラベルSLには、印刷データからコード画像PI1,PI2の領域が抽出され、且つ、抽出されたコード画像PI1,PI2が縮小化されて印刷されることから、サンプルラベルSLの長さは印字ラベルLよりも大幅に短くなる。その後、本サブルーチンを終了し、図5を介して図4に示すステップS30に移行する。以上説明したステップS200が第2印刷処理の一例である。
【0043】
図7に、上記ステップS300のコード画像最小化処理の詳細内容を示す。図7に示すように、ステップS310では、制御部13は、上記ステップS210で抽出したコード画像PI1,PI2のコード化におけるセルサイズを縮小する。セルは二次元コードを構成する黒と白の四角い点であり、セルサイズは当該四角い点のサイズである。制御部13は、セルサイズを縮小することにより、コード画像PI1,PI2を縮小して縮小コード画像PI1a,PI2aを生成する。セルサイズは、予め設定された所定範囲内で可変に設定可能である。制御部13は、セルサイズを例えば上記所定範囲内の最小値に設定することで、縮小コード画像PI1a,PI2aを生成してもよい。
【0044】
ステップS320では、制御部13は、上記ステップS210で抽出したコード画像PI1,PI2のコード化におけるエラー訂正レベルを減少させる。エラー訂正は、二次元コードの一部のセルがエラーにより読み取れなくても正しい情報を復元できることである。エラー訂正レベルはエラー訂正できる度合であり、コード画像の全体面積に対してどのぐらいの割合の面積にエラーが発生してもエラー訂正できるかを表す数値である。制御部13は、エラー訂正レベルを減少させることにより、コード画像PI1,PI2の中のエラー訂正情報が占める領域を小さくし、コード画像PI1,PI2を縮小して縮小コード画像PI1a,PI2aを生成する。エラー訂正レベルは、予め設定された所定範囲内で可変に設定可能である。制御部13は、エラー訂正レベルを例えば上記所定範囲内の最小値に設定することで、縮小コード画像PI1a,PI2aを生成してもよい。
【0045】
ステップS330では、制御部13は、コード画像PI1,PI2が表す文字列の文字数が閾値以下であるか否かを判断する。閾値は、コード規格により規定された、コード画像に含むことのできる最大文字数であり、例えばQRコード(登録商標)であれば1817文字、マイクロQRコード(登録商標)であれば9文字である。制御部13は、例えばQRコード(登録商標)が表す文字列の文字数が9文字以下である場合には、コード画像の規格をQRコード(登録商標)からマイクロQRコード(登録商標)に変更可能であると判断する。制御部13は、文字数が閾値よりも多い場合には(ステップS330:No)、本サブルーチンを終了し、図6に示すステップS220に移行する。一方、制御部13は、文字数が閾値以下である場合には(ステップS330:Yes)、次のステップS340に移行する。
【0046】
ステップS340では、制御部13は、コード画像PI1,PI2の規格を変更することにより、コード画像PI1,PI2を縮小して縮小コード画像PI1a,PI2aを生成する。制御部13は、例えばQRコード(登録商標)からマイクロQRコード(登録商標)に変更することでコード画像PI1,PI2を縮小する。その後、制御部13は本サブルーチンを終了し、図6に示すステップS220に移行する。
【0047】
以上では、ステップS330がNoの場合にはステップS310およびステップS320を実行し、Yesの場合にはステップS310、ステップS320およびステップS340を実行してコード画像を縮小したが、これに限られない。例えば、ステップS310、ステップS320およびステップS340のうちのいずれか1つ又は2つを行うことにより、縮小コード画像PI1a,PI2aを生成してもよい。
【0048】
<実施形態の効果>
本実施形態のプリンタ1によれば、印字ラベルLの印刷画像PIに、プリンタ1の表示部11の解像度が低く十分に表示できない画像(本実施形態ではコード画像PI1,PI2)が含まれる場合には、印字ラベルLの作成前にサンプルラベルSLが作成される。サンプルラベルSLには、印字ラベルLを作成するステップS40より前のステップS200において、印刷部17により、プリンタ1の表示部11の解像度が低く十分に表示できない画像(本実施形態ではコード画像PI1,PI2)に対応する確認画像が印刷される。その結果、ユーザはサンプルラベルSLを確認することで、印字ラベルLの印刷内容を事前に確認することができる。また、確認画像にはテキスト画像PI3が含まれないため、ラベル用テープTPの消費を抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、ステップS200で印刷したサンプルラベルSLに含まれる縮小コード画像PI1a,PI2aに対して読み取りを行って復号化することで、所定の文字列が正しくコード化されているどうかを印字ラベルLの作成前に確認することができる。
【0050】
また、本実施形態では特に、印刷データに含まれるコード画像PI1,PI2がURLをコード化したものである場合、コード画像PI1,PI2を復号化することで、通信部16によりURLにアクセスすることが可能となる。本実施形態によれば、当該URLへのアクセス結果に基づき、正しくコード化されているどうかを印字ラベルLの作成前に確認することができる。
【0051】
また、本実施形態では特に、プリンタ1が、印刷データに含まれるコード画像PI1,PI2の復号化を行って得たURLにアクセスできた場合は、そのアクセス結果が表示部11に表示される。これにより、ステップS200によるサンプルラベルSLの印刷がなされなくても、ユーザは正しくコード化されたことを確認できる。一方、URLにアクセスできなかった場合は、ユーザはステップS200で印刷されたサンプルラベルSLにより正しくコード化されたことを確認できる。
【0052】
また、本実施形態では特に、コード画像PI1,PI2から得られる所定の文字列の文字数が所定数より小さい場合は、表示部11による表示で確認できる可能性が高い。このため、ステップS200によるサンプルラベルSLの印刷が行われることなく、その文字列が表示部11に表示される。その結果、ユーザは当該文字列の内容が正しいか否かを表示部11の表示に基づき適切に確認することができる。コード画像PI1,PI2から得られる所定の文字列の文字数が所定数以上の場合は、ステップS200によるサンプルラベルSLの印刷が行われる。これにより、ユーザはそのサンプルラベルSLに含まれる縮小コード画像PI1a,PI2aに対して読み取りを行って復号化することで、所定の文字列が正しくコード化されているどうかを確認できる。
【0053】
また、本実施形態では特に、ステップS200において、サンプルラベルSLにコード画像PI1,PI2を縮小した縮小コード画像PI1a,PI2aが印刷される。サンプルラベルSLには、印刷データからコード画像PI1,PI2の領域が抽出され、且つ、縮小化されて印刷されることから、サンプルラベルSLの長さは印字ラベルLよりも大幅に短くなる。本実施形態によれば、ラベル用テープTPの消費を抑制しつつ、印字ラベルLの印刷内容を事前に確認することができる。
【0054】
また、本実施形態では特に、コード化におけるエラー訂正レベルを低くしたり、コード化におけるセルサイズを低くしたり、コード規格を変更したりすることで、コード画像PI1,PI2を縮小する。このように多様な手法を用いてコード画像PI1,PI2を縮小することで、コード化の規格の種類に応じて縮小コード画像PI1a,PI2aを生成することができる。
【0055】
また、本実施形態では特に、まずコード化のエラー訂正レベルおよびセルサイズの最小化が行われた後、さらに可能であればコード規格の変更が行われる。本実施形態によれば、円滑かつ効率的にコード画像PI1,PI2を縮小して縮小コード画像PI1a,PI2aを生成することができる。
【0056】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0057】
上記実施形態では、ステップS210で印刷データに含まれるコード画像を全て抽出し、ステップS300でそれらにコード画像最小化処理を施して、ステップS220でサンプルラベルSLに印刷するようにしたが、これに限られない。例えば、サンプルラベルSLに印刷するコード画像をユーザが選択できるようにしてもよい。この場合、例えばステップS210において印刷データに含まれるコード画像を抽出すると共に、抽出したコード画像の中からユーザが所望のコード画像を選択可能とすればよい。その後は、ステップS300でユーザにより選択されたコード画像にコード画像最小化処理を施し、ステップS220でサンプルラベルSLに印刷する。このようにすることで、ユーザが確認したいコード画像のみをサンプル印刷することが可能となるので、ラベル用テープTPの消費をさらに抑制できると共に、利便性を向上できる。
【0058】
また、上記実施形態では、ステップS340において例えばQRコード(登録商標)からマイクロQRコード(登録商標)に規格を変更することでコード画像を縮小する場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、PDF417からマイクロQRコード(登録商標)、データマトリックスからマイクロQRコード(登録商標)、MaxiCodeからマイクロQRコード(登録商標)、AzteCodeからマイクロQRコード(登録商標)に規格を変更してもよい。すなわち、コード規格を変更することでコード画像を縮小することが可能であれば、規格の種類は特に限定されるものではない。
【0059】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値(図5図7のフローチャート参照)や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
【0060】
また、図4乃至図7に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨および技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0061】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0062】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0063】
1 プリンタ
11 表示部
13 制御部
16 通信部
17 印刷部
OB1 二次元コード(第1オブジェクトの一例)
OB2 二次元コード(第1オブジェクトの一例)
OB3 テキスト(第2オブジェクトの一例)
PI 印刷画像
PI1 コード画像(第1画像の一例)
PI1a 縮小コード画像(第1縮小画像の一例)
PI2 コード画像(第1画像の一例)
PI2a 縮小コード画像(第1縮小画像の一例)
SI 確認画像
S40 ステップ(第1印刷処理の一例)
S140 ステップ(第1判断処理の一例)
S160 ステップ(第2判断処理の一例)
S170 ステップ(表示処理の一例)
S200 ステップ(第2印刷処理の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7