(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064698
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】除細動器用電極パッド
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173469
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】古明地 勇哉
(72)【発明者】
【氏名】尾▲高▼ 龍吾
(72)【発明者】
【氏名】秋山 剛
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB06
4C053BB34
4C053BB35
(57)【要約】
【課題】金属製の部品の露出を避けつつ、かつ部品点数を少なくすることができる除細動器用電極パッドを提供する。
【解決手段】除細動器用電極パッド101は、除細動器からケーブル20を介して伝わる電気を拡散するための金属箔11と、金属箔11の一方の面の一部に設けられ、生体へ貼り付けられる導電性粘着層12と、金属箔11の他方の面に設けられた基材15と、金属箔11の上記一方の面のうち導電性粘着層12が設けられていない部分を覆い、金属箔11に対してケーブル20の端部に設けられたケーブル端子21を固定する絶縁部16と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除細動器からケーブルを介して伝わる電気を拡散するための金属箔と、
前記金属箔の一方の面の一部に設けられ、生体へ貼り付けられる導電性粘着層と、
前記金属箔の他方の面に設けられた基材と、
前記金属箔の前記一方の面のうち前記導電性粘着層が設けられていない部分を覆い、前記金属箔に対して前記ケーブルの端部に設けられたケーブル端子を固定する絶縁部と、を備える除細動器用電極パッド。
【請求項2】
前記絶縁部のうち、少なくとも前記金属箔を覆う部分が、樹脂により成形されている、請求項1に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項3】
前記絶縁部は、前記金属箔を覆う第1絶縁部と、前記第1絶縁部と嵌合可能である第2絶縁部とを含み、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部との間に、前記金属箔および前記ケーブル端子が挟持される、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項4】
前記第2絶縁部は、樹脂により成形されている、請求項3に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項5】
前記第2絶縁部は、1または複数の突起を有し、
前記第1絶縁部は、前記第2絶縁部における1または複数の前記突起がそれぞれ挿入される1または複数の孔を有する、請求項3に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項6】
前記第2絶縁部は、2つ以上の前記突起を有する、請求項5に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項7】
前記第1絶縁部および前記第2絶縁部は、一体的に成形されている、請求項3に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項8】
前記絶縁部には、前記金属箔に接触する面とは反対側の面に滑り止め加工が施されている、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項9】
前記金属箔は、角を有する形状であり、
前記絶縁部は、前記金属箔の前記角を覆うように設けられる、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項10】
前記絶縁部のうち、前記金属箔を覆った状態において前記金属箔の中央側に位置する端部は、前記金属箔の中央から離れる方向へ湾曲している、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項11】
前記絶縁部は、前記金属箔の前記一方の面を覆う被覆部を有し、
前記絶縁部の少なくとも前記被覆部と前記基材とは、一体的に成形されている、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項12】
前記被覆部は、前記基材から延出するように成形され、前記金属箔へ向けて折り曲げられることにより、前記金属箔を覆う、請求項11に記載の除細動器用電極パッド。
【請求項13】
前記除細動器用電極パッドは、さらに、
前記絶縁部と前記ケーブル端子との間に設けられるワッシャを備える、請求項1または請求項2に記載の除細動器用電極パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、除細動器用電極パッドに関するものである。
【0002】
従来、AED(Automated External Defibrillator)などの除細動器の使用時に生体に貼り付けられる電極パッドに関する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の生体用電極は、導電性ゲルと、当該導電性ゲルの片面に設けられた金属製の電極用素子と、生体用電極と外部機器とを電気的に接続するためのケーブルとを含み、当該電極用素子とケーブル末端に取り付けられた端子との接続は、金属製のリベットやハトメを用いて行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている生体用電極では、上記のとおり、ケーブルの端子と電極用素子とが金属製のリベットやハトメによって締結され、さらに、リベットの露出を避けるために当該リベットがラベルによって覆われている。これに対して、金属製の部品の露出を避けつつ、かつ部品点数を少なくすることのできる除細動器用の電極パッドが望まれている。
【0005】
本開示は、金属製の部品の露出を避けつつ、かつ部品点数を少なくすることができる除細動器用電極パッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る除細動器用電極パッドは、
除細動器からケーブルを介して伝わる電気を拡散するための金属箔と、
前記金属箔の一方の面の一部に設けられ、生体へ貼り付けられる導電性粘着層と、
前記金属箔の他方の面に設けられた基材と、
前記金属箔の前記一方の面のうち前記導電性粘着層が設けられていない部分を覆い、前記金属箔に対して前記ケーブルの端部に設けられたケーブル端子を固定する絶縁部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、金属製の部品の露出を避けつつ、かつ部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る除細動器用電極パッドの全体構成を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す除細動器用電極パッドが組み立てられた状態を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す第1絶縁部の外面の形状を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す第1絶縁部の内面の形状を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す第2絶縁部の外面の形状を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す第2絶縁部の内面の形状を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の第2の実施形態に係る除細動器用電極パッドの構成を示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す基材および被覆部の変形例1を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示す基材および被覆部の変形例2を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る除細動器用電極パッドの構成を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の第3の実施形態の変形例に係る第1スナップおよび第2スナップの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る除細動器用電極パッドの実施形態の一例を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る除細動器用電極パッド101の全体構成を示す分解斜視図である。
図2は、
図1に示す除細動器用電極パッド101が組み立てられた状態を示す図である。
【0011】
図1および
図2を参照して、除細動器用電極パッド101は、AED(Automated External Defibrillator)などの除細動器の使用時に生体に貼り付けられる電極パッドである。除細動器用電極パッド101は、金属箔11と、導電性粘着層12と、ワッシャ14と、基材15と、絶縁部16と、図示しない剥離シートとを備える。除細動器と除細動器用電極パッド101とは、ケーブル20を介して電気的に接続される。
【0012】
金属箔11は、錫箔などであり、除細動器からケーブル20を介して伝わる電気を拡散させる。また、金属箔11は、例えば、角を有する略正方形状または略長方形状である。角には、面取り加工またはR加工が施されていてもよい。
図2に示す金属箔11は、略正方形状であり、角にR加工が施されている。なお、金属箔11は、角を有する形状に限定されず、楕円形状など、角を有していない形状であってもよい。
【0013】
図1に示すように、金属箔11の一方の面(以下、「第1の面11a」と称する)の一部には、導電性粘着層12が付着している。また、金属箔11の他方の面、すなわち第1の面11aの反対側の面には、基材15が付着している。基材15は、例えば、金属箔11よりも大きい略正方形状または略長方形状であり、角にR加工が施されている。
【0014】
導電性粘着層12は、例えば粘性を有するゲルであり、除細動器の未使用時には剥離シートが付着している。除細動器の使用時において、作業者は、導電性粘着層12から剥離シートを剥がして、導電性粘着層12を生体へ貼り付ける。
【0015】
ケーブル20の端部に設けられたケーブル端子21は、例えば、円形状であり、内側に円形の孔21aを有する。ワッシャ14は、弾力のある樹脂などにより成形され、ケーブル端子21と同様に、内側に円形の孔14aを有する。
【0016】
絶縁部16は、金属箔11の第1の面11aのうち、導電性粘着層12が付着していない部分を覆う。例えば、
図1に示すように、金属箔11の角のうちの1つに導電性粘着層12が付着していないとする。この場合、絶縁部16は、金属箔11の当該角を覆うように設けられる。これにより、
図2に示すように、除細動器用電極パッド101が組み立てられた状態において、金属箔11は露出していない状態となる。
【0017】
また、絶縁部16は、
図1に示すケーブル端子21を、金属箔11に対して固定する。詳細には、絶縁部16は、金属箔11の第1の面11aを覆う第1絶縁部31と、第1絶縁部31に嵌合可能である第2絶縁部41とを含む。第1絶縁部31と第2絶縁部41との間に、金属箔11、ケーブル端子21およびワッシャ14が挟持された状態で、第1絶縁部31と第2絶縁部41とが嵌合される。これにより、金属箔11に対してケーブル端子21が固定される。
【0018】
(第1絶縁部の構成)
第1絶縁部31は、例えば略直角二等辺三角形であり、金属箔11に接する内面32と、内面32とは反対側の外面33とを有する。
図3は、
図1に示す第1絶縁部31の外面33の形状を示す図である。
図4は、
図1に示す第1絶縁部31の内面32の形状を示す図である。
【0019】
図3および
図4を参照して、第1絶縁部31は、強度および弾力を有し、水分に接触した場合であっても加水分解が行われず、かつ高温であっても割れない材料により成形されていることが好ましい。例えば、第1絶縁部31は、ポリアセタール(POM)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂により成形されている。
【0020】
また、第1絶縁部31は、直角の角を挟む2つの辺31a,31b、および直角の角に対向する辺31cを有する。
図2に示すように、第1絶縁部31が金属箔11を覆った状態、すなわち除細動器用電極パッド101が組み立てられた状態において、辺31cが金属箔11の中央側に位置する。辺31cは、例えば、金属箔11の中央から離れる方向、すなわち第1絶縁部31の中央側へ湾曲している。
【0021】
図3に示すように、第1絶縁部31の外面33には滑り止め加工が施されている。具体的には、外面33には、滑り止め加工の一例として、辺31cに沿う方向に沿って延びる複数の突起34が形成されている。
【0022】
また、第1絶縁部31は、辺31aに形成された係合部35と、辺31bに形成された係合部36と、第1絶縁部31の中央付近に形成された孔37と、第1絶縁部31の中央よりも直角の角側に形成された孔38とを有する。
図3および
図4に示す第1絶縁部31は、一例として、2つの係合部35と、2つの係合部36と、1つの孔37と、2つの孔38とを有する。さらに、
図4に示すように、第1絶縁部31の直角の角には、
図1に示すケーブル20を保持する溝39が設けられている。
【0023】
(第2絶縁部の構成)
再び
図1を参照して、第2絶縁部41は、第1絶縁部31と同様に、例えば略直角二等辺三角形であり、基材15に接する内面42と、内面42とは反対側の外面43とを有する。
図5は、
図1に示す第2絶縁部41の外面43の形状を示す図である。
図6は、
図1に示す第2絶縁部41の内面42の形状を示す図である。
図5および
図6を参照して、第2絶縁部41は、第1絶縁部31と同様に、例えばPOMまたはPETなどの樹脂により成形されている。
【0024】
また、第2絶縁部41は、第1絶縁部31と同様に、直角の角を挟む2つの辺41a,41b、および直角の角に対向する辺41cを有する。
図1に示すように、除細動器用電極パッド101が組み立てられた状態において、辺41cが金属箔11の中央側に位置する。辺41cは、例えば、金属箔11の中央から離れる方向、すなわち第2絶縁部41の中央側へ湾曲している。
【0025】
図5に示すように、第2絶縁部41の外面43には滑り止め加工が施されている。具体的には、外面43には、滑り止め加工の一例として、辺41cに沿う方向に沿って延びる複数の突起44が形成されている。
【0026】
また、第2絶縁部41は、
図6に示すように、辺41aの近くに形成された爪部45と、辺41bの近くに形成された爪部46と、第2絶縁部41の中央付近に形成された突起部47と、第2絶縁部41の中央よりも直角の角側に形成された突起部48とを有する。
図6に示す第2絶縁部41は、一例として、2つの爪部45と、2つの爪部46と、1つの突起部47と、2つの突起部48とを有する。さらに、第2絶縁部41の直角の角には、
図1に示すケーブル20を保持する溝49が設けられている。
【0027】
(除細動器用電極パッドの組み立て)
再び
図1を参照して、金属箔11のうち、導電性粘着層12が付着していない部分には、金属箔11および基材15を貫通する孔17が形成されている。また、基材15のうち、孔17の付近の角には、基材15を貫通する2つの孔18が形成されている。
【0028】
除細動器用電極パッド101の組み立て時は、第2絶縁部41の内面42を上方に向けた状態で、第2絶縁部41の突起部47を、基材15の孔17、ケーブル端子21の孔21aおよびワッシャ14の孔14aに挿入させる。さらに、このとき、第2絶縁部41の2つの突起部48を、基材15の2つの孔18にそれぞれ挿入させる。このような状態では、第2絶縁部41の2つの爪部45、2つの爪部46および溝49が基材15の外側に位置する。また、孔18から突起部48が露出している。
【0029】
また、ケーブル20を、2つの突起部48の間および溝49の内側を通るように配置する。そして、第1絶縁部31の内面32を下方に向けた状態で、第1絶縁部31と第2絶縁部41とを嵌合させる。
【0030】
より詳細には、第2絶縁部41の突起部47を、第1絶縁部31の孔37に挿入させる。ここで、例えば、第1絶縁部31の孔37の外周には、複数の切り欠きが形成されている(
図3参照)。また、第2絶縁部41の突起部47の先端には、径方向に広がる爪が形成されている。突起部47の爪が孔37の切り欠きを広げながら孔37を挿通し、当該爪が第1絶縁部31の外面33に到達すると、孔37の切り欠きが狭くなり、突起部47が孔37から外れない状態となる。
【0031】
また、第2絶縁部41の2つの突起部48を、第1絶縁部31の2つの孔38にそれぞれ挿入させる。さらに、第2絶縁部41の2つの爪部45を、第1絶縁部31の2つの係合部36にそれぞれ係合させ、第2絶縁部41の2つの爪部46を、第1絶縁部31の2つの係合部35にそれぞれ係合させる。これにより、第1絶縁部31と第2絶縁部41とが嵌合し、除細動器用電極パッド101の組み立てが完了する。
【0032】
なお、第1絶縁部31および第2絶縁部41は、直角二等辺三角形に限定されない。また、第1絶縁部31および第2絶縁部41は、金属箔11の角に設けられる構成に限定されず、例えば金属箔11の1つの辺の中央付近に設けられてもよい。
【0033】
また、第1絶縁部31と第2絶縁部41とは、互いに異なる色に着色されてもよい。これにより、除細動器用電極パッド101の組み立てを行う作業者において、第1絶縁部31と第2絶縁部41とを容易に見分けることができる。また、第1絶縁部31と第2絶縁部41とは、互いに異なる大きさであってもよく、例えば、第1絶縁部31が第2絶縁部41よりも小さい形状であってもよい。
【0034】
また、第1絶縁部31および第2絶縁部41は、樹脂によって成形されるものに限定されず、樹脂以外であって、導電性粘着層12よりも導電性の低い材料により成形されてもよい。さらに、第1絶縁部31および第2絶縁部41は、一方に設けられた突起部を他方に設けられた孔に嵌合させる構成に限定されず、例えば、熱溶着、超音波溶着または接着材を用いた接着などによって互いに接合されてもよいし、スライドロック機構などを有してもよい。
【0035】
また、第1絶縁部31の係合部35、係合部36、孔37および孔38のうちの1つ以上は形成されていなくてもよい。また、第2絶縁部41の爪部45、爪部46、突起部47および突起部48のうちの1つ以上は設けられていなくてもよい。また、第1絶縁部31の孔37に切り欠きが形成されていなくてもよい。また、第2絶縁部41の突起部47は、先端に爪が形成されていなくてもよい。
【0036】
また、ワッシャ14は、ケーブル端子21と第1絶縁部31との間に設けられる構成に限らない。また、ワッシャ14は、バネワッシャなどであってもよい。さらに、除細動器用電極パッド101は、ワッシャ14を備える構成に限定されず、ワッシャ14を備えない構成であってもよい。しかしながら、ワッシャ14が設けられることにより、金属箔11とケーブル端子21とを密着させることができるため、ワッシャ14が設けられる構成である方が好ましい。
【0037】
上記のように、本開示の第1の実施形態に係る除細動器用電極パッド101では、金属箔11が、除細動器からケーブル20を介して伝わる電気を拡散する。また、導電性粘着層12が、金属箔11の第1の面11aの一部に設けられ、生体へ貼り付けられる。また、基材15が、金属箔11の第1の面11aの反対側の面に設けられる。また、絶縁部16が、金属箔11の第1の面11aのうち導電性粘着層12が設けられていない部分を覆い、金属箔11に対してケーブル20の端部に設けられたケーブル端子21を固定する。
【0038】
このように、絶縁部16が、金属箔11の露出部分の被覆、および金属箔11に対するケーブル端子21の固定の両方を担う構成により、金属箔11の露出を避けることができ、かつ金属箔11に対してケーブル端子21を固定するためのリベット等を用いる必要がないため、部品点数を少なくすることができる。
【0039】
また、除細動器用電極パッド101では、絶縁部16のうち、少なくとも金属箔11を覆う部分が、樹脂により成形されている。このような構成により、除細動器用電極パッド101の組み立て時において、絶縁部16を人の手で取り付けることが可能であるため、大掛かりな設備の設置を避けることができ、さらに、生産工数の大幅な低減、および組み立て時における安全性の確保を実現することができる。
【0040】
また、除細動器用電極パッド101では、絶縁部16は、金属箔11を覆う第1絶縁部31と、第1絶縁部31と嵌合可能である第2絶縁部41とを含む。また、第1絶縁部31と第2絶縁部41との間に、金属箔11およびケーブル端子21が挟持される。このような構成により、金属箔11とケーブル端子21とをより確実に固定することができる。
【0041】
また、除細動器用電極パッド101では、第2絶縁部41は、樹脂により成形されている。このような構成により、金属箔11とケーブル端子21とをより確実に固定することのできる絶縁部16を、低コストで実現することができる。また、第1絶縁部31および第2絶縁部41の両方が樹脂により成形されている場合、第1絶縁部31および第2絶縁部41の少なくとも一方に導電性粘着層12からの水分が付着した場合であっても、これら第1絶縁部および第2絶縁部の腐食を避けることができる。
【0042】
また、除細動器用電極パッド101では、第2絶縁部41は、突起部47,48を有する。また、第1絶縁部31は、第2絶縁部41における突起部47,48がそれぞれ挿入される孔37,38を有する。このような構成により、第1絶縁部31と第2絶縁部41とを容易に嵌合させることができる。また、導電性粘着層12が位置する側に第1絶縁部31が配置され、導電性粘着層12の反対側に第2絶縁部41が配置されるため、導電性粘着層12を基材15に対して上に向けた状態で第2絶縁部41の突起部47,48が上方へ突出する。このため、第1絶縁部31と第2絶縁部41とを嵌合させるための突起部47,48が下方へ突出する場合と比較して、除細動器用電極パッド101の組み立て作業を行いやすくすることができる。
【0043】
また、除細動器用電極パッド101では、第2絶縁部41は、2つ以上の突起部48を有する。このような構成により、例えば、2つ以上の突起部48が基材15を貫通するように配置されることにより、金属箔11および基材15に対して絶縁部16が回転することを防ぐことができる。また、例えば、複数の突起部48の間をケーブル20が通るようにケーブル20を配置することにより、ケーブル20の位置を安定させることができる。
【0044】
また、除細動器用電極パッド101では、絶縁部16の第1絶縁部31および第2絶縁部41には、それぞれ、金属箔11に接触する面とは反対側の面、すなわち外面33,43に滑り止め加工が施されている。
【0045】
このような構成により、例えば、導電性粘着層12に付着されている剥離シートを剥がす際、絶縁部16を握るように作業者に対して促し、かつ剥離シートを剥がす作業を行いやすくすることができる。また、従来の除細動器用電極パッドにおけるリベットおよびラベルとは異なり、金属箔11の露出部分を覆うことのできる広い面積を有し、かつ金属箔11に対してケーブル端子21を固定することのできる強度を有する絶縁部16が設けられているため、上記のように、当該絶縁部16に対して滑り止め用の加工が施すことが可能となる。
【0046】
また、除細動器用電極パッド101では、金属箔11は角を有する形状であり、絶縁部16の第1絶縁部31および第2絶縁部41は、金属箔11の当該角を覆うように設けられる。このような構成により、例えば、導電性粘着層12に付着されている剥離シートを剥がす際、金属箔11の角の部分、すなわち剥離シートを剥がしやすい部分から当該剥離シートを剥がすように促すことができる。
【0047】
また、除細動器用電極パッド101では、絶縁部16のうち、金属箔11を覆った状態において金属箔11の中央側に位置する端部、すなわち第1絶縁部31の辺31aおよび第2絶縁部41の辺41cが、金属箔11の中央から離れる方向へ湾曲している。このような構成により、例えば、作業者が、第1絶縁部31および第2絶縁部41を握り、導電性粘着層12に付着されている剥離シートを第1絶縁部31の付近から剥がす際、金属箔11への応力の集中を避けて、金属箔11へのダメージを軽減させることができる。
【0048】
また、除細動器用電極パッド101は、さらに、第1絶縁部31とケーブル端子21との間に設けられるワッシャ14を備える。このような構成により、第1絶縁部31が金属箔11を覆った状態において、金属箔11とケーブル端子21とをより確実に密着させることができる。
【0049】
[第2の実施形態]
(全体構成)
次に、本開示の除細動器用電極パッドの他の実施形態について説明する。
図7は、本開示の第2の実施形態に係る除細動器用電極パッド201の構成を示す断面図である。以下で説明する構成を除き、除細動器用電極パッド201は、上述した第1の実施形態に係る除細動器用電極パッド101と同様の構成である。
【0050】
除細動器用電極パッド201は、金属箔211と、導電性粘着層212と、基材215と、絶縁部216と、第1ワッシャ217と、第2ワッシャ218と、図示しない剥離シートとを備える。
【0051】
金属箔211は、
図1に示す金属箔11と同様に、例えば、略正方形状または略長方形状である。金属箔211の一方の面(以下、「第1の面211a」と称する)の一部、具体的には4つの角のうちの1つを除く部分に導電性粘着層212が付着し、金属箔211の他方の面に基材215が付着している。また、金属箔211は、ケーブル20の端部に設けられたケーブル端子21を挟むように、当該角が折り曲げられている。
【0052】
絶縁部216は、第1スナップ(第1絶縁部)231と、第2スナップ(第2絶縁部)241と、被覆部251とを含む。第1スナップ231および第2スナップ241は、例えば、POMまたはPETなどの樹脂により成形されている。
【0053】
被覆部251は、基材215の一部であり、金属箔211の第1の面211aのうち、導電性粘着層212が付着していない部分を覆う。より詳細には、基材215は、金属箔211よりも大きい略正方形状または略長方形状であり、基材215の4つの角のうち、金属箔211の折り曲げられている角に対応する角が、金属箔211へ向けて折り曲げられている。基材215の折り曲げられた角が、被覆部251に相当する。
【0054】
第1スナップ231および第2スナップ241は、金属箔211に対してケーブル端子21を固定する。より詳細には、第1スナップ231は、頭部232と、頭部232の中央付近から延在する軸部233とを有する。軸部233のうち、頭部232と反対側の端部(以下、「先端」と称する)には、軸部233の延在方向に沿って切り欠き235が形成され、さらに、外周に嵌合溝234が形成されている。
【0055】
第2スナップ241には、第1スナップ231の軸部233を挿入可能な孔242が形成されている。また、孔242の内壁には、第1スナップ231の軸部233の嵌合溝234に嵌合可能な爪部243が設けられている。
【0056】
第1ワッシャ217および第2ワッシャ218は、例えば、樹脂により成形された円形状の部材であり、内側に円形の孔を有する。第1ワッシャ217は、第1スナップ231と被覆部251との間に設けられ、第2ワッシャ218は、第2スナップ241と基材215との間に設けられる。
【0057】
また、金属箔211には、上記角にケーブル端子21を挟んでいる状態において、ケーブル端子21の孔21aに対向する位置であって第1スナップ231側に、孔219aが形成されている。また、金属箔211には、当該状態において、ケーブル端子21の孔21aに対向する位置であって第2スナップ241側に、孔219bが形成されている。
【0058】
被覆部251には、金属箔211の孔219aに対向する位置に孔251aが形成されている。基材215には、金属箔211の孔219bに対向する位置に孔215aが形成されている。
【0059】
(除細動器用電極パッドの組み立て)
除細動器用電極パッド201の組み立て時は、金属箔211の折り曲げ箇所に形成された孔、および基材215の折り曲げ箇所に形成された孔に、ケーブル20を挿入する。そして、金属箔211の一部および被覆部251によりケーブル端子21を覆った状態で、第1スナップ231の軸部233を、第1ワッシャ217の孔、被覆部251の孔251a、金属箔211の孔219a、ケーブル端子21の孔21a、金属箔211の孔219b、および基材215の孔215aに挿入させる。
【0060】
さらに、第1スナップ231の軸部233を、第2ワッシャ218の孔218aおよび第2スナップ241の孔242に挿入させる。このとき、軸部233は、先端に形成された切り欠き235が狭くなるように変形し、軸部233の嵌合溝234に孔242の爪部243が嵌合すると、切り欠き235が広がる。これにより、第1スナップ231と第2スナップ241とが嵌合し、除細動器用電極パッド201の組み立てが完了する。
【0061】
なお、第1スナップ231の軸部233には、複数の嵌合溝234が形成されてもよい。この場合、第2スナップ241の孔242の内壁には、嵌合溝234の数と同数の爪部243が設けられる。このような構成では、第1スナップ231と第2スナップ241とを嵌合させる際、作業者において複数回の抵抗を感じるため、第1スナップ231と第2スナップ241とが嵌合していることを把握しやすい。
【0062】
また、第1スナップ231の軸部233における嵌合溝234は、軸部233の先端付近に限らず、切り欠き部235の根本付近に形成されてもよい。
【0063】
また、金属箔211は、
図7に示すように折り曲げられている構成に限定されない。しかしながら、金属箔211がケーブル端子21を挟むように折り曲げられる場合、金属箔211とケーブル端子21との電気的な接点が増えて、接触不良を防ぐことができる。このため、金属箔211は、ケーブル端子21を挟むように折り曲げられている構成が好ましい。
【0064】
上記のように、本開示の第2の実施形態に係る除細動器用電極パッド201では、絶縁部216は、金属箔211の第1の面211aを覆う被覆部251を有する。また、絶縁部216の少なくとも被覆部251と基材215とは、一体的に成形されている。このような構成により、部品点数をより少なくすることができるため、除細動器用電極パッド201の組み立て時の容易化、およびコストの削減を実現することができる。
【0065】
(変形例1)
図8は、
図7に示す基材215および被覆部251の変形例1を示す図である。上述のように、
図7に示す基材215は、略正方形または略長方形の1つの角が折り曲げられることにより、被覆部251として金属箔211の一部を覆う。これに対して、変形例1に係る被覆部251は、基材215から延出し、基材215と一体的に成形されている。
【0066】
具体的には、基材215の1つの角には、被覆部251として、第1被覆部261と、第2被覆部262とが延出している。第1被覆部261は、略直角二等辺三角形であり、直角の角を挟む2つの辺261a,261b、および直角の角に対向する辺261cを有する。第2被覆部262は、略直角二等辺三角形であり、直角の角を挟む2つの辺262a,262b、および直角の角に対向する辺262cを有する。
【0067】
第1被覆部261および第2被覆部262は、例えば、第1被覆部261の辺261aが基材215の1つの辺に接し、第2被覆部262の辺262bが基材215の他の辺に接し、かつ、第1被覆部261の直角の角と、第2被覆部262の直角の角とが対向するように設けられる。
【0068】
除細動器用電極パッド201の組み立て時は、
図7に示すケーブル端子21を金属箔211に接触させた状態で、第1被覆部261を、基材215のうち、金属箔211が接触している面に向けて折り曲げる。さらに、第2被覆部262を、折り曲げられた第1被覆部261に重なるように折り曲げる。これにより、金属箔211を第1被覆部261および第2被覆部262によって包み、金属箔211の露出を避けることができる。
【0069】
(変形例2)
図9は、
図7に示す基材215および被覆部251の変形例2を示す図である。変形例2に係る被覆部251は、
図8に示す被覆部251と同様に、第1被覆部261と、第2被覆部262とを有する。変形例2に係る被覆部251は、
図8に示す被覆部251と比較して、第2被覆部262の位置が異なる。具体的には、第2被覆部262の辺262aと、第1被覆部261の辺261bとが接している。また、第2被覆部262の直角の角と、基材215の角とが対向している。
【0070】
除細動器用電極パッド201の組み立て時は、
図7に示すケーブル端子21を金属箔211に接触させた状態で、第1被覆部261および第2被覆部262を、基材215のうち、金属箔211が接触している面に向けて折り曲げる。さらに、第2被覆部262を、基材215のうち、金属箔211が接触していない面に向けて折り曲げる。これにより、第1被覆部261と第2被覆部262とにより、基材215、金属箔211およびケーブル端子21を挟むことができる。
【0071】
上記のように、本開示の第2の実施形態の変形例1または変形例2に係る除細動器用電極パッド201では、被覆部251は、基材215から延出するように成形され、金属箔211へ向けて折り曲げられることにより、金属箔211を覆う。このような構成により、除細動器用電極パッド201の組み立てを、より一層容易に行うことができる。
【0072】
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態に係る除細動器用電極パッド301の構成を示す図である。
図10を参照して、第3の実施形態に係る除細動器用電極パッド301は、金属箔311と、導電性粘着層312と、基材315と、絶縁部316と、第1ワッシャ317と、第2ワッシャ318と、図示しない剥離シートとを備える。
【0073】
除細動器用電極パッド301の金属箔311、導電性粘着層312、基材315、第1ワッシャ317および第2ワッシャ318は、それぞれ、
図7に示す除細動器用電極パッド201の金属箔211、導電性粘着層212、基材215、第1ワッシャ217および第2ワッシャ218と同様の構成である。
【0074】
(絶縁部の構成)
絶縁部361は、被覆部351と、第1スナップ(第1絶縁部)331と、第2スナップ(第2絶縁部)341とを含む。被覆部351は、例えば、
図8に示す被覆部251と同様に、基材315から延出し、金属箔311を覆う。
【0075】
図11は、
図10に示す第1スナップ331および第2スナップ341の構成を示す図である。第1スナップ331および第2スナップ341は、
図7に示す第1スナップ231および第2スナップ241と比較して、面積が大きい。また、第1スナップ331および第2スナップ341は、基材315とは別体で設けられている。
【0076】
より詳細には、第1スナップ331および第2スナップ341は、
図1に示す第1の実施形態に係る第1絶縁部31および第2絶縁部41と同様に、例えば、略直角二等辺三角形であり、POMまたはPETなどの樹脂により成形されている。第1スナップ331および第2スナップ341は、例えば、
図10に示す被覆部351よりも面積が小さい。
【0077】
第1スナップ331は、直角の角を挟む2つの辺331a,331b、および直角の角に対向する辺331cを有する。また、第1スナップ331は、辺331aに沿って形成された突起部335と、辺331bに沿って形成された突起部336と、第1スナップ331の中央付近に形成された孔337とを有する。
図11に示す第1スナップ331は、一例として、3つの突起部335と、3つの突起部336と、1つの孔337とを有する。
【0078】
第2スナップ341は、直角の角を挟む2つの辺341a,341b、および直角の角に対向する辺341cを有する。また、第2スナップ341は、辺341aに沿って設けられた突起部345と、辺341bに沿って設けられた突起部346と、第2スナップ341の中央付近に設けられ、第1スナップ331の孔337に嵌合可能な突起部347とを有する。
図11に示す第2スナップ341は、一例として、3つの突起部345と、3つの突起部346と、1つの突起部347とを有する。
【0079】
また、第1スナップ331および第2スナップ341は、一体的に形成されている。具体的には、第1スナップ331および第2スナップ341は、連結部350を介して連結されている。連結部350には、
図10に示すケーブル20を挿通させる孔352が形成されている。連結部350の中央付近には折り曲げ部353が設けられており、折り曲げ部353が折り曲げられることにより、第1スナップ331と第2スナップ341とを重ねることができる。
【0080】
(除細動器用電極パッドの組み立て)
除細動器用電極パッド301の組み立て時は、第2スナップ341の3つの突起部345および3つの突起部346が金属箔311の外側に位置するように、第2スナップ341を配置する。また、
図10に示すケーブル端子21を金属箔311および被覆部351により覆った状態で、第2スナップ341の突起部347を、ケーブル端子21の孔21aおよび第2ワッシャ318の孔に挿入させる。
【0081】
また、ケーブル20を、連結部350の孔352を通るように配置する。そして、このような状態で、折り曲げ部353を折り曲げて、第1スナップ331と第2スナップ341と重ね、第2スナップ341の突起部347を第1スナップ331の孔337に嵌合させる。これにより、第1スナップ331と第2スナップ341とが嵌合し、除細動器用電極パッド301の組み立てが完了する。
【0082】
このように、第1スナップ331および第2スナップ341は、
図10に示す第1スナップ231および第2スナップ241よりも広い面積で被覆部351を覆うため、被覆部351が金属箔311から離れることを防ぐことができる。
【0083】
また、第1スナップ331の3つの突起部335と第2スナップ341の3つの突起部345とが、基材315および被覆部351を挟む。また、第1スナップ331の3つの突起部336と第2スナップ341の3つの突起部346とが、基材315および被覆部351を挟む。このため、被覆部351が金属箔311から離れることをより確実に防ぐことができる。
【0084】
なお、第1スナップ331は、突起部335および突起部336の少なくとも一方を含まない構成であってもよい。また、第2スナップ341は、突起部345および突起部346の少なくとも一方を含まない構成であってもよい。
【0085】
上記のように、本開示の第3の実施形態に係る除細動器用電極パッド301では、第1スナップ331および第2スナップ341は、一体的に成形されている。このような構成により、部品点数をより少なくすることができる。
【0086】
(変形例)
第1スナップ331および第2スナップ341は、
図11に示すような構成に限定されず、例えば、互いに連結されていない構成であってもよい。
図12は、本発明の第3の実施形態の変形例に係る第1スナップ(第1絶縁部)431および第2スナップ(第2絶縁部)441の構成を示す図である。第1スナップ431および第2スナップ441は、略直角二等辺三角形であり、互いに同一の形状を有する。
【0087】
より詳細には、第1スナップ431は、直角の角を挟む2つの辺431a,431b、および直角の角に対向する辺431cを有する。また、第1スナップ431は、辺431aに沿って形成された突起部435と、辺431bに沿って形成された突起部436と、第1スナップ431の中央よりも辺431a側に形成された孔437と、第1スナップ431の中央よりも辺431b側に設けられた突起部438とを有する。
図12に示す第1スナップ431は、一例として、2つの突起部435と、2つの突起部436と、1つの孔437と、1つの突起部438とを有する。
【0088】
第2スナップ441は、直角の角を挟む2つの辺441a,441b、および直角の角に対向する辺441cを有する。また、第2スナップ441は、辺441aに沿って設けられた突起部445と、辺441bに沿って設けられた突起部446と、第2スナップ441の中央よりも辺441a側に形成された孔447と、第2スナップ441の中央よりも辺441b側に設けられた突起部448とを有する。
図12に示す第2スナップ441は、一例として、2つの突起部445と、2つの突起部446と、1つの孔447と、1つの突起部448とを有する。
【0089】
第1スナップ431の突起部438は、第2スナップ441の孔447に嵌合可能である。また、第2スナップ441の突起部448は、第1スナップ431の孔437に嵌合可能である。
【0090】
除細動器用電極パッド301の組み立て時は、第1スナップ431と第2スナップ441とを重ねて、第1スナップ431の突起部438を第2スナップ441の孔437に嵌合させ、第2スナップ441の突起部448を第1スナップ431の孔437に嵌合させる。これにより、第1スナップ331と第2スナップ341とを嵌合させることができる。
【0091】
このように、第1スナップ431と第2スナップ441とを共通の部品にすることにより、コストの削減を図ることができる。また、第1スナップ431が孔437および突起部438の両方を有し、第2スナップ441が孔447および突起部448の両方を有するため、第1スナップ431と第2スナップ441とを2か所で嵌合させることができ、第1スナップ431と第2スナップ441との嵌合をより強化することができる。
【0092】
なお、本開示の第1から第3の実施形態、および各実施形態の変形例の2つ以上が組み合わされてもよい。以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本願の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本願の技術的範囲は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0093】
11:金属箔、12:導電性粘着層、14:ワッシャ、15:基材、16:絶縁部、20:ケーブル、21:ケーブル端子、31:第1絶縁部、35:係合部、36、係合部、37:孔、38、孔、41:第2絶縁部、45:爪部、46:爪部、47:突起部、48:突起部、101:除細動器用電極パッド