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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064703
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】基板対基板コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/52 20110101AFI20240507BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H01R12/52
H01R13/03 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173482
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB45
5E223BA07
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CB83
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223EA03
5E223EA13
5E223EA32
(57)【要約】
【課題】コンタクトのバネ部のバネ長を確保する技術の提供。
【解決手段】本開示に係るコネクタ30は、ハウジング31と、ハウジング31に保持される複数のコンタクト40とを備える。入出力ボード10とCPUボード20とが対向する方向を基板対向方向とするとき、各コンタクト40は、保持部42と接続部41とバネ部43とを備える。保持部42は、基板対向方向に延びて、ハウジング31に圧入により保持される。バネ部43は、接触部44と、延伸部46と、突出部45とを含む。突出部45は、基板対向方向に延び、保持部42と対向する。接続部41は、突出部45の入出力ボード10側の端部45Aと、保持部42の入出力ボード10側の端部42Aとを接続する。延伸部46は、突出部45のCPUボード20側の端部45Aから保持部42とCPUボード20との間を通過するよう延伸する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板の間に挟まれることで、前記第1基板の複数のパッドと前記第2基板の複数のパッドをそれぞれ電気的に接続する基板対基板コネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに保持される複数のコンタクトと、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とが対向する方向を基板対向方向とするとき、
各コンタクトは、保持部と接続部とバネ部とを、備え、
前記保持部は、前記基板対向方向に延びて、前記ハウジングに圧入により保持され、
前記バネ部は、接触部と、延伸部と、突出部と、を含み、
前記突出部は、前記基板対向方向に延び、前記保持部と対向し、
前記接続部は、前記突出部の前記第1基板側の端部と、前記保持部の前記第1基板側の端部とを接続し、
前記延伸部は、前記突出部の前記第2基板側の端部から前記保持部と前記第2基板との間を通過するよう延伸し、
前記接触部は、前記第2基板の対応するパッドに接触可能に前記延伸部に設けられた、
基板対基板コネクタ。
【請求項2】
前記各コンタクトの前記保持部又は前記バネ部は、キャリヤ切断面を有する、
請求項1に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項3】
前記各コンタクトの前記保持部が、前記キャリヤ切断面を有する場合、
前記キャリヤ切断面は、前記第2基板側に向いている、
請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項4】
前記各コンタクトの前記バネ部が、前記キャリヤ切断面を有する場合、
前記キャリヤ切断面は、前記第1基板側に向いている、
請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項5】
前記キャリヤ切断面は、前記第2基板側から観察可能である、
請求項3に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項6】
前記各コンタクトは、前記キャリヤ切断面を除いて、メッキされた、
請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項7】
前記各コンタクトは、打ち抜き加工面を有し、
前記キャリヤ切断面の表面粗度は、前記打ち抜き加工面の表面粗度と比較して高い、
請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項8】
前記キャリヤ切断面は、前記各コンタクトの展開形状において、前記バネ部の前記延伸部が前記突出部の前記第2基板側の端部から延伸する方向と反対の方向を向いている、
請求項2に記載の基板対基板コネクタ。
【請求項9】
前記複数のコンタクトは、隣り合う第1のコンタクトと第2のコンタクトとを含み、
前記第1のコンタクトの前記バネ部の前記延伸部は、前記第2のコンタクトの前記バネ部の前記延伸部と前記基板対向方向で対向している、
請求項1又は2に記載の基板対基板コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板対基板コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6901603号公報)は、本願の図21に示すように、複数の電極を有する第1基板(入出力ボード)と、複数の電極を有する第2基板(CPUボード)と、の間に配置され、第1基板の複数の電極と第2基板の複数の電極をそれぞれ電気的に接続するコネクタのコンタクト300を開示している。
【0003】
図21に示すように、各コンタクト300は、圧入部320と半田付け部321、電気接触バネ片322を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6901603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、電気接触バネ片322は、CPUボードの対応するパッドとの電気的接点として機能する部分である。電気接触バネ片322は、バネ片連結部325の下端から延びると共に、幅方向に凸となるU字状に形成されている。接触部327は、CPUボードの対応するパッドと電気的に接触可能な部分である。接触部327は、弾性変形容易部326の上直線部326Cの先端に設けられており、上方に向かって凸となるように湾曲して形成されている。
【0006】
このようなコネクタを含む基板対基板コネクタにおいては、コンタクトとパッドとの電気的な接続の信頼性の観点から、接触部を含むバネ部のバネ長、言い換えると、弾性変形可能な部分の長さについて検討する余地が有った。
【0007】
本発明の目的は、コンタクトのバネ部のバネ長を確保する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の観点によれば、第1基板と第2基板の間に挟まれることで、前記第1基板の複数のパッドと前記第2基板の複数のパッドをそれぞれ電気的に接続する基板対基板コネクタであって、ハウジングと、前記ハウジングに保持される複数のコンタクトと、を備え、前記第1基板と前記第2基板とが対向する方向を基板対向方向とするとき、各コンタクトは、保持部と接続部とバネ部とを、備え、前記保持部は、前記基板対向方向に延びて、前記ハウジングに圧入により保持され、前記バネ部は、接触部と、延伸部と、突出部と、を含み、前記突出部は、前記基板対向方向に延び、前記保持部と対向し、前記接続部は、前記突出部の前記第1基板側の端部と、前記保持部の前記第1基板側の端部とを接続し、前記延伸部は、前記突出部の前記第2基板側の端部から前記保持部と前記第2基板との間を通過するよう延伸し、前記接触部は、前記第2基板の対応するパッドに接触可能に前記延伸部に設けられた基板対基板コネクタが提供される。
前記各コンタクトの前記保持部又は前記バネ部は、キャリヤ切断面を有してもよい。
前記各コンタクトの前記保持部が、前記キャリヤ切断面を有する場合、前記キャリヤ切断面は、前記第2基板側に向いているとよい。
前記各コンタクトの前記バネ部が、前記キャリヤ切断面を有する場合、前記キャリヤ切断面は、前記第1基板側に向いているとよい。
前記キャリヤ切断面は、前記第2基板側から観察可能であるとよい。
前記各コンタクトは、前記キャリヤ切断面を除いて、メッキされるとよい。
前記各コンタクトは、打ち抜き加工面を有し、前記キャリヤ切断面の表面粗度は、前記打ち抜き加工面の表面粗度と比較して高いとよい。
前記キャリヤ切断面は、前記各コンタクトの展開形状において、前記バネ部の前記延伸部が前記突出部の前記第2基板側の端部から延伸する方向と反対の方向を向いているとよい。
前記複数のコンタクトは、隣り合う第1のコンタクトと第2のコンタクトとを含み、
前記第1のコンタクトの前記バネ部の前記延伸部は、前記第2のコンタクトの前記バネ部の前記延伸部と前記基板対向方向で対向しているとよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、バネ部のバネ長を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1基板との電気的な接続が解除された情報処理装置の斜視図である。(第1実施形態)
図2図1のII-II矢視断面図である。(第1実施形態)
図3図2のB部の拡大図である。(第1実施形態)
図4】第1基板及び第2基板を電気的に接続する基板対基板コネクタの側面図である。(第1実施形態)
図5図4のV-V矢視断面図である。(第1実施形態)
図6】キャリヤ付きコンタクトの斜視図である。(第1実施形態)
図7】第1基板、基板対基板コネクタ、及び第2基板の分解斜視図である。(第2実施形態)
図8】第1基板に実装された基板対基板コネクタの斜視図である。(第2実施形態)
図9図8のIX-IX矢視断面図である。(第2実施形態)
図10図9のC部の拡大図である。(第1実施形態)
図11】第1基板に実装された基板対基板コネクタの平面図である。(第2実施形態)
図12】第1基板及び第2基板を電気的に接続する基板対基板コネクタの側面図である。(第2実施形態)
図13図12のXIII-XIII矢視断面図である。(第2実施形態)
図14】キャリヤ付きコンタクトの斜視図である。(第2実施形態)
図15】第1基板に実装された基板対基板コネクタの平面図である。(第3実施形態)
図16】キャリヤ付きコンタクトの斜視図である。(第3実施形態)
図17】キャリヤ付きコンタクトの斜視図である。(第4実施形態)
図18】第1基板及び第2基板を電気的に接続する基板対基板コネクタの断面図である。(第5実施形態)
図19】フローティングコンタクトがZ軸正方向に移動した、第1基板と電気的に接続する基板対基板コネクタの断面図である。(第5実施形態)
図20】フローティングコンタクトがZ軸負方向に移動した、第1基板と電気的に接続する基板対基板コネクタの断面図である。(第5実施形態)
図21】特許文献1の図13を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系XYZ座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものであり、後述するコネクタ30等の実際の使用状態における姿勢を示唆するものではない。通常、X軸方向が幅方向であり、Y軸方向がピッチ方向であり、Z軸方向が、後述する入出力ボード10及びCPUボード20が対向する基板対向方向であり、XY平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0013】
(第1実施形態)
以下、図1から図6を参照して、本開示の第1実施形態を説明する。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置100は、入出力ボード10(第1基板)、CPUボード20(第2基板)、及びコネクタ30(基板対基板コネクタ)を含む。コネクタ30は、入出力ボード10とCPUボード20との間に配置される。
【0015】
入出力ボード10、及びCPUボード20は、例えば、CPUボードや入出力ボードである。CPUボードや入出力ボードは、例えば、紙フェノール基板やガラスエポキシ基板などのリジット基板である。
【0016】
入出力ボード10は、CPUボード20と対向する対向面10Aを有する。図2に示すように複数のパッド11は、対向面10Aに設けられている。本実施の形態において、複数のパッド11は、対向面10Aにおいて、15行6列のマトリックス状に配置される。また、図2に示すように6つのパッド11は、幅方向(ここでは、X軸方向)に並んで配置される。
【0017】
CPUボード20は、入出力ボード10と対向する対向面20Aを有する。複数のパッド21は、対向面20Aに設けられている。本実施の形態において、複数のパッド21は、対向面20Aにおいて、15行6列のマトリックス状に配置される。列方向がX軸方向に相当し、行方向がY軸方向に相当する。また、図2に示す断面において、6つのパッド21は、幅方向に並んで配置される。
【0018】
コネクタ30は、ハウジング31と、複数のコンタクト列32とを備える。
【0019】
ハウジング31は、複数のコンタクト保持溝31Aと、複数の延伸部収容空間31Bとを備える。ハウジング31は、絶縁樹脂製の矩形平板状体である。複数のコンタクト保持溝31Aは、それぞれ複数のパッド11及び複数のパッド21に対応するようハウジング31内に配置されているとよい。各延伸部収容空間31Bは、各コンタクト列32の一端に配置されているとよい。また、本実施形態において、6つのコンタクト保持溝31Aは、幅方向に並んで配置される。各延伸部収容空間31Bは、6つのコンタクト保持溝31Aが構成する各コンタクト列32の一端に配置される。
【0020】
複数のコンタクト列32は、ハウジング31に保持される。複数のコンタクト列32は、互いに平行に延びている。本実施の形態において、複数のコンタクト列32の列数は、15である。各コンタクト列32は、金属製の複数のコンタクト40を含む。コンタクト40は、例えば、銅又は銅合金を打ち抜いて曲げることで形成することができる。
【0021】
図2及び図3に示すように、各コンタクト40は、保持部42と、接続部41と、バネ部43とを備える。保持部42と、接続部41と、バネ部43とがこの順に連なる板状体である。
【0022】
ここで、入出力ボード10とCPUボード20とが対向する方向は、基板対向方向(ここでは、Z軸方向)とする。
【0023】
保持部42は、基板対向方向に延びて、ハウジング31のコンタクト保持溝31Aに圧入により保持される。保持部42は、入出力ボード10側(ここでは、Z軸負方向)の端部42Aを有する。
【0024】
バネ部43は、接触部44と、延伸部46と、突出部45とを含む。突出部45は、基板対向方向に延び、保持部42と対向する。突出部45は、入出力ボード10側の端部45Aと、CPUボード20側(ここでは、Z軸正方向)の端部45Bとを備える。突出部45と保持部42とは、互いに対向する方向(ここでは、X軸方向)において重なるとよい。これによって、隣り合うコンタクト列32同士の距離(ここでは、Y軸方向)、すなわち、複数のコンタクト40のピッチを短縮することができる。
【0025】
バネ部43は、弾性変形可能な板状体であり、例えば、板バネと同じ機能を発揮する。例えば、接触部44が入出力ボード10側に押されると、突出部45と延伸部46とが端部45A周りに保持部42側(ここでは、X軸正方向)へ傾くように、バネ部43は撓む。
【0026】
接続部41は、突出部45の入出力ボード10側の端部45Aと、保持部42の入出力ボード10側の端部42Aとを機械的に接続する。また、接続部41は、例えば、パッド11と半田接続することで、電気的に接続するとよい。延伸部46は、突出部45のCPUボード20側の端部45Bから保持部42とCPUボード20との間を通過するよう延伸する。延伸部46は、基板対向方向(ここでは、Z軸方向)で保持部42と対向している。接触部44は、CPUボード20の対応するパッド21に接触可能に延伸部46に形成される。接触部44は、延伸部46の先端又はその近傍に配置されているとよい。
【0027】
また、本実施の形態において、複数のコンタクト40は、隣り合う第1のコンタクト40Aと第2のコンタクト40Bとを含む。第1のコンタクト40Aのバネ部43の延伸部46は、第2のコンタクト40Bのバネ部43の延伸部46と基板対向方向で対向している。これによって、隣り合う第1のコンタクト40Aと第2のコンタクト40Bとの距離(ここでは、X軸方向)を短縮できるため、各コンタクト列32を短縮することができる。
【0028】
<接続方法>
次に、コネクタ30を用いて入出力ボード10とCPUボード20とを電気的に接続する接続方法について説明する。
【0029】
図4には、入出力ボード10及びCPUボード20を電気的に接続するコネクタ30の側面図を示す。図5には、図4に示すコネクタ30の断面図を示す。図4及び図5に示すように、CPUボード20の対向面20Aと入出力ボード10の対向面10Aとが対向したまま、CPUボード20をコネクタ30に押し当てる。なお、複数のパッド21が、それぞれ、複数のコンタクト40の接触部44と接触するように、CPUボード20をコネクタ30に押し当てる。
【0030】
すると、パッド21が接触部44を入出力ボード10側に押し返す。接触部44が入出力ボード10側に押されると、バネ部43は撓み、端部45A周りに保持部42側へ傾く。
【0031】
バネ部43は弾性変形しており、接触部44は、接触部44と接触するパッド21にCPUボード20側へ押す力を与える。接触部44とパッド21とが押し合うため、接触部44とパッド21との電気的な接続が行われる。
【0032】
ここで、バネ部43の弾性変形の大きさは、バネ部43のバネ長、すなわち、弾性変形可能な部分が長いほど大きくできる。バネ部43は、弾性変形可能な板状体である。また、バネ部43の突出部45は基板対向方向に延びて、延伸部46は突出部45のCPUボード20側の端部45Bから保持部42とCPUボード20との間を通過するよう延伸する。そのため、バネ部43は、バネ長を確保することができる。これによって、バネ部43の弾性変形の大きさ、及び、接触部44とパッド21との押し合う力を確保して、接触部44とパッド21との電気的な接続の信頼性の向上を図ることができる。
【0033】
以上より、コネクタ30が、入出力ボード10とCPUボード20の間に挟まれることで、入出力ボード10の複数のパッド11とCPUボード20の複数のパッド21をそれぞれ電気的に接続する。
【0034】
<コンタクトの製造方法>
次に、複数のコンタクト40の製造方法の一例について説明する。
【0035】
銅又は銅合金からなるフープ材を打ち抜き、打ち抜き加工体を形成する。また、打ち抜き加工体を曲げて、キャリヤ付きコンタクトを形成する。図6は、キャリヤ付きコンタクトの斜視図である。図6に示すように、キャリヤ付きコンタクト50は、キャリヤ51と、複数のコンタクト40とを備える。本実施の形態において、複数のコンタクト40は、15個のコンタクト40である。キャリヤ付きコンタクト50において、各コンタクト40は、それぞれ、各切断部48を介して、キャリヤ51と機械的に接続する。ここで、各コンタクト40は、保持部42と、接続部41と、バネ部43とがこの順に連なる板状体であり、この板状体の端面は、打ち抜き加工面である。
【0036】
続いて、必要に応じて、キャリヤ付きコンタクト50をメッキする。
【0037】
最後に、切断部48を切断することによって、複数のコンタクト40とキャリヤ51とを分離する。この分離された各コンタクト40は、図2図3、及び図5に示すキャリヤ切断面47を有する。キャリヤ切断面47は切断部48が切断されることによって形成される。キャリヤ切断面47は保持部42のCPUボード20側の端部に形成される。各コンタクト40の保持部42は、キャリヤ切断面47を有する。コネクタ30内において、キャリヤ切断面47はCPUボード20側に向いている。キャリヤ切断面47はCPUボード20側から観察可能であるとよい。具体的には、キャリヤ切断面47は、キャリヤ切断面47からCPUボード20側において、キャリヤ切断面47の前方(ここでは、Z軸正方向)、又は、キャリヤ切断面47の斜め方向から観察可能であるとよい。キャリヤ切断面47の斜め方向は、例えば、キャリヤ切断面47の法線と交差する仮想直線に沿った方向である。キャリヤ付きコンタクト50がメッキされた場合、各コンタクト40は、キャリヤ切断面47を除いて、メッキされている。ここで、各コンタクト40の保持部42と接続部41とバネ部43とがこの順に連なる板状体の端面は、キャリヤ切断面47を除いて、打ち抜き加工面である。キャリヤ切断面47は、この打ち抜き加工面の表面粗度と比較して高い。コンタクト40の展開形状は、キャリヤ付きコンタクトを形成する前の打ち抜き加工体におけるコンタクト40に相当する部位の形状である。キャリヤ切断面47は、コンタクト40の展開形状において、延伸部46が突出部45のCPUボード20側の端部45Bから延伸する方向と反対の方向を向いている。
【0038】
なお、キャリヤ付きコンタクト50をハウジング31のCPUボード20側から押し当てて、キャリヤ付きコンタクト50の各コンタクト40の保持部42を各コンタクト保持溝31Aに圧入する。そして、キャリヤ51を切断部48周りに揺らして、切断部48を切断してもよい。また、この圧入を行いつつ切断部48の切断を行ってもよい。これらによって、ハウジング31が複数のコンタクト列32を容易に保持することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、図7から図13を参照して第2の実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0040】
図7及び図8に示すように、コネクタ30A(基板対基板コネクタ)は、ハウジング131と、複数のコンタクト列32Aとを備える。
【0041】
ハウジング131は、複数のコンタクト保持溝31Aと、複数の延伸部収容空間31Bとを備える。ハウジング131は、絶縁樹脂製の矩形平板状体である。複数のコンタクト保持溝31Aは、それぞれ複数のパッド11及び複数のパッド21に対応するようハウジング31内に配置されているとよい。図9に示すように、各延伸部収容空間31Bは、各コンタクト40の一端に配置されているとよい。また、本実施の形態において、6つのコンタクト保持溝31Aは、幅方向(ここでは、X軸方向)に並んで配置される。各延伸部収容空間31Bは、各コンタクト保持溝31Aの一端に配置される。
【0042】
複数のコンタクト列32Aは、ハウジング131に保持される。複数のコンタクト列32Aは、互いに平行に延びている。また、複数のコンタクト列32Aはマトリックス状に配置されている。複数のコンタクト列32Aの延びる方向(ここでは、X軸方向)と直交する方向(ここでは、Y軸方向)に並んだ複数のコンタクト列33A、33Bが形成されている。本実施の形態において、複数のコンタクト列32Aは、15個のコンタクト列32Aを含む。複数のコンタクト列33Aの列数は、3である。複数のコンタクト列33Bの列数は、3である。複数のコンタクト列32Aは、金属製の複数のコンタクト140を含む。
【0043】
各コンタクト140は、図2に示すコンタクト40と同様の構成を備えるが、適宜、製品仕様に応じてサイズを変更されていてもよい。各コンタクト列32Aにおいて、各コンタクト140の突出部45と延伸部46とがコンタクト列32Aの中央に傾斜する。言い換えると、複数のコンタクト列33Aにおいて各コンタクト140の突出部45と延伸部46と、複数のコンタクト列33Bにおいて各コンタクト140の突出部45と延伸部46とが相互に対向するように、それぞれ傾斜する。
【0044】
図9図11に示すように、各コンタクト保持溝31Aは、凹部31Cを備える。凹部31Cは、ハウジング131におけるCPUボード20側の表面において開口している。図9及び図10に示す断面において、凹部31Cは、保持部42のCPUボード20側の端部、つまり、後述するキャリヤ切断面47AからCPUボード20側に略V字状に広がる。
【0045】
なお、図12及び図13に示すように、コネクタ30と同様に、コネクタ30Aを用いて入出力ボード10とCPUボード20とを電気的に接続することができる。
【0046】
<コンタクトの製造方法>
次に、複数のコンタクト140の製造方法の一例について説明する。上記した複数のコンタクト40の製造方法の一例と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0047】
図14に示すように、キャリヤ付きコンタクト50Aは、キャリヤ51Aと、複数のコンタクト140とを備える。本実施の形態において、複数のコンタクト140は、15個のコンタクト140である。各コンタクト40は、それぞれ、各2つの切断部48Aを介して、キャリヤ51Aと機械的に接続する。各2つの切断部48Aを切断することによって、各コンタクト140は、キャリヤ51Aと分離される。この分離された各コンタクト140は、2つのキャリヤ切断面47Aを有する。2つのキャリヤ切断面47Aは、2つの切断部48Aが切断されることによって形成される。図10に示すキャリヤ切断面47Aは、保持部42のCPUボード20側の端部に形成される。つまり、各コンタクト140の保持部42は、2つのキャリヤ切断面47Aを有する。2つのキャリヤ切断面47Aは、保持部42のCPUボード20側の端部において、ピッチ方向(ここでは、Y軸方向)に間隔を空けて配置されている。キャリヤ切断面47AはCPUボード20側に向いている。キャリヤ切断面47AはCPUボード20側から観察可能であるとよい。具体的には、キャリヤ切断面47Aは、キャリヤ切断面47AからCPUボード20側において、キャリヤ切断面47Aの前方(ここでは、Z軸正方向)、又は、キャリヤ切断面47Aの斜め方向から観察可能であるとよい。キャリヤ切断面47Aの斜め方向は、例えば、キャリヤ切断面47Aの法線と交差する仮想直線に沿った方向である。
【0048】
なお、キャリヤ付きコンタクト50Aを、図7に示すハウジング131のCPUボード20側から押し当てて、キャリヤ付きコンタクト50Aの各コンタクト140の保持部42を各コンタクト保持溝31Aに圧入して、切断部48Aを切断してもよい。また、この圧入を行いつつ切断部48Aの切断を行ってもよい。キャリヤ51Aを切断部48A周りに揺すって、切断部48Aを切断してもよい。図9図11に示す凹部31Cは、図14に示すキャリヤ付きコンタクト50Aのコンタクト140Aとキャリヤ51Aとを分離させる場合に、キャリヤ51Aが切断部48A周りに大きな振り幅で揺すれるように十分な大きさの空間を有するとよい。これによって、キャリヤ51Aは切断部48A周りに容易に揺することができる。これらによって、ハウジング131が複数のコンタクト列32を容易に保持することができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、図15から図16を参照して第3の実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第2実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0050】
図15に示すように、コネクタ30B(基板対基板コネクタ)において、コネクタ30Aと異なり、各コンタクト保持溝31Aが凹部31Cを有しない。各コンタクト保持溝31Aは、ハウジング131における入出力ボード10側の表面において開口する凹部(図示略)を有する。当該凹部は、開口する場所を除いて、凹部31Cと同様の構成を備えるとよい。
【0051】
<コンタクトの製造方法>
次に、複数のコンタクト140Aの製造方法の一例について説明する。上記した複数のコンタクト140の製造方法の一例と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0052】
図16に示すように、キャリヤ付きコンタクト50Bは、キャリヤ51Bと、複数のコンタクト140Aとを備える。コンタクト140Aは、キャリヤ切断面の位置を除いて、コンタクト140と同じ構成を有する。各コンタクト140Aは、それぞれ、各2つの切断部48Bを介して、キャリヤ51Bと機械的に接続する。各2つの切断部48Bを切断することによって、各コンタクト140Aは、キャリヤ51Bと分離される。この分離された各コンタクト140Aは、2つのキャリヤ切断面47Bを有する。2つのキャリヤ切断面47Bは、2つの切断部48Bが切断されることによって形成される。図10に示すキャリヤ切断面47Bは、バネ部43のCPUボード20側の端部に形成される。各コンタクト140Aのバネ部43は、2つのキャリヤ切断面47Bを有する。2つのキャリヤ切断面47Bは、バネ部43のCPUボード20側の端部において、ピッチ方向(ここでは、Y軸方向)に間隔を空けて配置されている。2つのキャリヤ切断面47Bは入出力ボード10側に向いている。2つのキャリヤ切断面47Bは入出力ボード10側から観察可能であるとよい。具体的には、2つのキャリヤ切断面47Bは、キャリヤ切断面47Bから入出力ボード10側において、2つのキャリヤ切断面47Bの前方(ここでは、Z軸負方向)、又は、2つのキャリヤ切断面47Bの斜め方向から観察可能であるとよい。2つのキャリヤ切断面47Bの斜め方向は、例えば、2つのキャリヤ切断面47Bの一方の法線と交差する仮想直線に沿った方向である。
【0053】
なお、キャリヤ付きコンタクト50Bをハウジング131の入出力ボード10側から押し当てて、キャリヤ付きコンタクト50Bの各コンタクト140Aの保持部42を各コンタクト保持溝31Aに圧入して、切断部48Bを切断してもよい。また、この圧入を行いつつ切断部48Bの切断を行ってもよい。キャリヤ51Bを切断部48B周りに揺すって、切断部48Bを切断してもよい。上記した通り、各コンタクト保持溝31Aは、凹部(図示略)を備えることから、キャリヤ51Bは切断部48B周りに容易に揺すれる。これらによって、ハウジング131が複数のコンタクト列32を容易に保持することができる。
【0054】
(第4実施形態)
次に、図17を参照して第4の実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第3実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0055】
<コンタクトの製造方法>
複数のコンタクト140Bの製造方法の一例について説明する。上記した複数のコンタクト140Aの製造方法の一例と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0056】
図17に示すように、キャリヤ付きコンタクト50Cは、キャリヤ51Cと、複数のコンタクト140Bとを備える。各コンタクト140Bは、それぞれ、各切断部48Cを介して、キャリヤ51Cと機械的に接続する。切断部48Cを切断することによって、複数のコンタクト140Bは、キャリヤ51Cと分離される。この分離された各コンタクト140Bは、1つのキャリヤ切断面47Cを有する。キャリヤ切断面47Cは、切断部48Cが切断されることによって形成される。図10に示すキャリヤ切断面47Cは、保持部42のCPUボード20側の端部に形成される。つまり、図13に示すキャリヤ切断面47Cは、バネ部43のCPUボード20側の端部に形成される。各コンタクト140Bの保持部42は、1つのキャリヤ切断面47Cを有する。1つのキャリヤ切断面47Cは、CPUボード20側から視ると、延伸部46と重なる。これにより、キャリヤ付きコンタクト50Cにおける複数のコンタクト140B同士間の距離を短縮することができる。キャリヤ切断面47CはCPUボード20側に向いている。
【0057】
なお、キャリヤ付きコンタクト50Cをキャリヤ付きコンタクト50Bと同様に、保持部42を各コンタクト保持溝31Aに圧入して、切断部48Cを切断してもよい。また、この圧入を行いつつ切断部48Cの切断を行ってもよい。キャリヤ51Bを切断部48C周りに揺すって、切断部48Cを切断してもよい。上記した通り、各コンタクト保持溝31Aは、凹部(図示略)を備えることから、キャリヤ51Bは切断部48C周りに容易に揺すれる。これらによって、ハウジング131が複数のコンタクト列32を容易に保持することができる。
【0058】
(第5実施形態)
次に、図18から図20を参照して第5の実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0059】
図18に示すように、コネクタ30C(基板対基板コネクタ)は、フローティングコンタクト60を備える。フローティングコンタクト60は、例えば、図18に示す断面(ここでは、ZX平面)において直角状に延びる板状のコンタクトである。フローティングコンタクト60は、担持部61と、端子部62と、突起部63とを備える。担持部61は、保持部42と、コンタクト保持溝31Aとの間に挟まれることで、コンタクト保持溝31Aに沿って移動可能に担持される。例えば、フローティングコンタクト60は、フローティングコンタクト60の自重によって、コンタクト保持溝31Aに沿って入出力ボード10側に移動可能である。フローティングコンタクト60の端子部62はハウジング31の底面より突き出て、入出力ボード10のパッド11と電気的に接続可能である。なお、ハウジング31の底面は、ハウジング31における入出力ボード10側の表面である。フローティングコンタクト60は保持部42と電気的に接続する。この状態において、端子部62とパッド11が半田接続することで、電気的に接続するとよい。この際、端子部62の上面に半田が回り込むことで端子部62と接続部41が半田接続される。なお、端子部62の上面は、端子部62のCPUボード20側の表面である。また、ハウジング31のコンタクト保持溝31Aは、X軸負方向に突き出た段差部31Dを有する。フローティングコンタクト60の突起部63は、担持部61からコンタクト保持溝31A側に突起している。段差部31Dは、コンタクト保持溝31Aの入出力ボード10側に配置されている。フローティングコンタクト60がZ軸負方向に移動し続けた場合、突起部63が段差部31Dに接触して、フローティングコンタクト60のZ軸負方向への移動が停止する。
【0060】
図19は、入出力ボード10等の基板とコネクタ30Cとが良好な平面度、又は平坦度を有する、言い換えると、入出力ボード10等の基板とコネクタ30Cとが反り、うねり、ゆがみ等を殆ど有しない場合、コネクタ30Cを入出力ボード10に搭載した状態を示す。このときハウジング31の底面は、入出力ボード10に接した状態であり、フローティングコンタクト60の端子部62は入出力ボード10のパッド11と接した状態で、フローティングコンタクト60がZ軸正方向に移動した状態となる。
【0061】
図20図19の状態からハウジング31を少し持ち上げた状態を示したものである。このとき、フローティングコンタクト60は重力によりZ軸負方向に移動し、端子部62は入出力ボード10のパッド11と接した状態となる。図19図20のいずれの場合においても、端子部62とパッド11が半田接続することで、電気的に接続するとよい。この際、端子部62の上面に半田が回り込むことで端子部62と接続部41が半田接続される。
【0062】
以上より、フローティングコンタクト60が基板対向方向(ここでは、Z軸方向)に移動して、入出力ボード10の各パッド11と電気的に接続することができる。よって、入出力ボード10の対向面10Aが多少の凹凸を有したり、傾斜したりしても、フローティングコンタクト60が基板対向方向に移動して、各コンタクト40は、入出力ボード10の各パッド11と高い信頼性で電気的に接続することができる。すなわち、入出力ボード10とCPUボード20との電気的な接続の信頼性の向上を図ることができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 入出力ボード(第1基板)
10A 対向面
11 パッド
20 CPUボード(第2基板)
20A 対向面
21 パッド
30 コネクタ(基板対基板コネクタ)
30A コネクタ(基板対基板コネクタ)
30B コネクタ(基板対基板コネクタ)
30C コネクタ(基板対基板コネクタ)
31 ハウジング
31A コンタクト保持溝
31B 延伸部収容空間
31C 凹部
31D 段差部
32 コンタクト列
32A コンタクト列
33A コンタクト列
33B コンタクト列
40 コンタクト
40A 第1のコンタクト
40B 第2のコンタクト
41 接続部
42 保持部
42A 端部
43 バネ部
44 接触部
45 突出部
45A 端部
45B 端部
46 延伸部
47 キャリヤ切断面
47A キャリヤ切断面
47B キャリヤ切断面
47C キャリヤ切断面
48 切断部
48A 切断部
48B 切断部
48C 切断部
50 コンタクト
50A コンタクト
50B コンタクト
50C コンタクト
51 キャリヤ
51A キャリヤ
51B キャリヤ
51C キャリヤ
60 フローティングコンタクト
61 担持部
62 端子部
63 突起部
100 情報処理装置
131 ハウジング
140 コンタクト
140A コンタクト
140B コンタクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21