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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064711
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】パネル部材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/82 20060101AFI20240507BHJP
   E04C 2/284 20060101ALI20240507BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20240507BHJP
   E04B 2/78 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E04B1/82 J
E04C2/284
E04B2/74 551E
E04B2/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173504
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【弁理士】
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】▲高木▼ 将司
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001DF06
2E001FA03
2E001FA06
2E001FA07
2E001GA12
2E001GA42
2E001GA44
2E001GA46
2E001GA55
2E001GA82
2E001HA03
2E001HB01
2E001HB02
2E001HF14
2E001JA25
2E001KA05
2E162BB03
2E162CA16
2E162CB01
2E162CD04
2E162FA16
(57)【要約】
【課題】本発明は、遮音性の高いパネル部材を提供する。
【解決手段】本発明のパネル部材1は、枠材により矩形に囲まれ、前記枠材の内側に少なくとも遮音材7及び第1の桟5を具備するとともに、前記枠材を覆って表裏面を形成する一対の表面材4,4を備え、第1の桟5は、一対の表面材4,4間に跨るように配され直線状に延びる底壁部53と、底壁部53の長手方向に延びる両端縁から立ち上がり前記表面材の内面に接する一対の立ち上がり壁部54,54とを有し、一対の立ち上がり壁部54,54は、互いに形状が異なり、一対の表面材4,4が一対の立ち上がり壁部54,54の少なくとも一部に固定されることで保持されている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠材により矩形に囲まれ、前記枠材の内側に少なくとも遮音材及び第1の桟を具備するとともに、前記枠材を覆って表裏面を形成する一対の表面材を備え、
前記第1の桟は、前記一対の表面材間に跨るように配され直線状に延びる底壁部と、底壁部の長手方向に延びる両端縁から立ち上がり前記表面材の内面に接する一対の立ち上がり壁部とを有し、
前記一対の立ち上がり壁部は、互いに形状が異なり、
前記一対の表面材が前記一対の立ち上がり壁部の少なくとも一部に固定されることで保持されているパネル部材。
【請求項2】
前記一対の立ち上がり壁部の一方は、前記一対の立ち上がり壁部の他方よりも前記表面材との接触面積が小さい請求項1に記載のパネル部材。
【請求項3】
前記一対の立ち上がり壁部は、前記底壁部からの立ち上がり寸法が異なっている請求項2に記載のパネル部材。
【請求項4】
前記第1の桟の両端部は、前記表面材を固定させている一対の前記前記立ち上がり壁部間よりも幅狭にし、縦框に嵌合可能に形成されている請求項1に記載のパネル部材。
【請求項5】
前記一対の表面材同士の間には、第2の桟が更に設けられ、
前記第2の桟は、前記一対の表面材のいずれかに接する第1壁部及び第2壁部並びにこれら第1壁部及び第2壁部を連結させ前記表面材に対して垂直に配される垂直壁部を有し、
前記第1壁部の少なくとも一部は、前記第2壁部と対向しない向きに形成され、
前記第1壁部及び前記第2壁部は、互いに形状が異なっている請求項1から4のいずれか一項に記載のパネル部材。
【請求項6】
前記第2壁部の先端縁において、前記垂直壁部に対向するように折れ曲がって、前記第1壁部が接する表面材の内面に達しない位置まで延びる補助垂直壁部が形成されている請求項5に記載のパネル部材。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音性の高いパネル部材に関する。
【背景技術】
【0002】
遮音効果のあるパネル部材として、パネルの内部に発泡性樹脂の仕切部材を配し、仕切られた内部にロックウール等の遮音材を充填する技術が知られている。仕切部材は、遮音材を所定空間内に保持しておくのみならず、パネル材の表裏両面に配する表面材を接着等により固定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の遮音性を有するパネルは、仕切部材を介して音が伝わってしまうという課題があった。
そこで本発明は、仕切部材による音の伝播を回避してより遮音性の高いパネル部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のパネル部材は、枠材により矩形に囲まれ、前記枠材の内側に少なくとも遮音材及び第1の桟を具備するとともに、前記枠材を覆って表裏面を形成する一対の表面材を備え、前記第1の桟は、前記一対の表面材間に跨るように配され直線状に延びる底壁部と、底壁部の長手方向に延びる両端縁から立ち上がり前記表面材の内面に接する一対の立ち上がり壁部とを有し、前記一対の立ち上がり壁部は、互いに形状が異なり、前記一対の表面材が前記一対の立ち上がり壁部の少なくとも一部に固定されることで保持されている。
この構成によれば、一対の表面材間に接触する第1の桟の立ち上がり壁部の形状が互いに異なっているため、表面材間で固有振動数を変更することができる。
【0005】
本発明のパネル部材の前記一対の立ち上がり壁部の一方は、前記一対の立ち上がり壁部の他方よりも前記表面材との接触面積が小さくてもよい。
この構成によれば、一対の表面材間に接触する第1の桟の立ち上がり壁部の面積が互いに異なっているため、表面材間で固有振動数を変更することができる。
【0006】
本発明のパネル部材の前記一対の立ち上がり壁部は、前記底壁部からの立ち上がり寸法が異なっていてもよい。
この構成によれば、一対の立ち上がり壁部の形状及び面積を簡便に変更することができる。
【0007】
本発明のパネル部材の前記第1の桟の両端部は、前記表面材を固定させている前記立ち上がり壁部よりも幅狭に形成し、縦框に嵌合可能に形成されていてもよい。
この構成によれば、第1の桟を水平方向に配して縦框に固定するにあたり、第1の桟の端部を縦框に直接接続させることができる。
【0008】
本発明のパネル部材の前記一対の表面材同士の間には、第2の桟が更に設けられ、前記第2の桟は、前記一対の表面材のいずれかに接する第1壁部及び第2壁部並びにこれら第1壁部及び第2壁部を連結させ前記表面材に対して垂直に配される垂直壁部を有し、前記第1壁部の少なくとも一部は、前記第2壁部と対向しない向きに形成され、前記第1壁部及び前記第2壁部は、互いに形状が異なっていてもよい。
この構成によれば、第2の桟によっても表面材を保持してパネル部材の強度を高めるとともに、第2の桟による音の伝播を抑制することができるという効果を奏する。
【0009】
本発明のパネル部材の前記第2壁部の先端縁において、前記垂直壁部に対向するように折れ曲がって、前記第1壁部が接する表面材の内面に達しない位置まで延びる補助垂直壁部が形成されていてもよい。
この構成によれば、垂直壁部と第2壁部と補助垂直面部とにより囲まれた部分にパネルを操作する機構などを収容して、ロックウールなどの遮音材との接触を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のパネル部材は、桟をパネル部材の内部の仕切空間としても利用するとともに、より高い遮音性を発揮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)本発明の一実施形態のパネル部材の全体を示す概略図であって、内部の概略構造が分かるように手前側の表面材を省略して示した正面図である。(b)は、表面材を省略せずに(b)(a)をA-A線で矢視した断面図である。
図2図1(a)に示す図をB-B線で矢視した断面図である。
図3図1(a)をA-A線で矢視した断面図の上下の横框を含む部分を拡大して示した断面図である。
図4】(a)本発明の一実施形態のパネル部材の第1の桟を、一部を省略して示した平面図である。(b)本発明の一実施形態のパネル部材の第1の桟を、一部を省略して示した正面図である。(c)本発明の一実施形態のパネル部材の第1の桟を示した側面図である。
図5図1(a)に示す図をC-C線で矢視した断面図である。
図6図1(a)をA-A線で矢視した断面図を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明のパネル部材の一実施形態について説明する。本実施形態のパネル部材は、一例として、室内空間を分けるスライディングウォールにより説明する。
図1(a),(b)に示すように、本発明のパネル部材1は、枠材を構成する左右一対の縦框2,2及び上下一対の横框3,3、枠材の表裏に貼り合わせる一対の表面材4,4、第1の桟5、第2の桟6、遮音材7を主として備えている(図1(a)においては、手前側の表面材を省略して示している)。
【0013】
縦框2は、矩形の枠材の左右の竪枠を構成する骨格部材である。
図2に示すように、縦框2は、表面材4,4の左右端部間を塞ぐ長尺なほぼ矩形の基板部8と、表面材4,4の内側に向けるように、基板部8の一方の偏平面に形成された桟保持部9と、基板部8の他方の偏平面に形成された接続部10とを有している。
【0014】
桟保持部9は、基板部8の短手方向(即ちパネル1の厚さ方向)両端から基板部8の偏平面に対してほぼ垂直に突出する一対の側面部11,11と、一対の側面部11,11の先端から互いに対向する方向に折れ曲がって延びた後、再び折れ曲がって反対側の縦框2に向かって延びた一対の狭持部12,12とを有している。
狭持部12のうち表面材4,4に平行に延びた部分は、第1の桟5の端部に面接触する接触部13を構成している。接触部13,13間は、第1の桟5を挿入させる開口部となっている。
【0015】
接続部10は、基板部8、係止壁10a,10a、及び化粧板嵌合部17,17を有している。
係止壁10a,10aは、それぞれ基板部8の短手方向の両端近傍から突出した後、階段状に2度略直角に折れ曲がりつつ互いに近接する方向に延び、開口部をすぼめている。このようにして係止壁10a,10aは、桟保持部9の開口と反対の方向に開口している。
【0016】
基板部8及び係止壁10a,10aに囲まれた接続部10内は、隣り合うパネル部材1,1間に介在させる不図示の連結ゴムを嵌合させる凹所になっている。
係止壁10a,10aには、やや厚板状の化粧板嵌合部17が互いに反対方向を向いて張り出している。
【0017】
化粧板嵌合部17は、一対の表面材4,4の外面に向かって基板部8にほぼ平行に形成されている。
化粧板嵌合部17には、その張り出し方向の先端の面を開口部として、化粧板嵌合部17を厚さ方向に二分する溝17aが形成されている。溝17aは、後述する表面材4の化粧板31の先端をぴったりと嵌合できる幅を有し、縦框2の延在の方向に貫通している。
【0018】
基板部8、桟保持部9を形成している側面部11及び狭持部12、並びに接続部10は、表面材4の上端から下端に亘って一定形状で延伸している。
【0019】
表面材4は、パネル部材1の偏平面の基盤となる矩形のボード部材30と、ボード部材30の表面に貼り合わせられる化粧板31とを備えている。
ボード部材30は、石膏ボード等により形成されている。
化粧板31は、薄い鋼板又は樹脂製の板等により形成されている。化粧板31の端部は、左右の両端で端面側に折り返されて、化粧板嵌合部17の溝17aに嵌め込まれている。
【0020】
図3に示すように、横框3は、表面材4,4の上端間及び下端間を塞ぐ骨格部材である。
横框3は、表面材4の上端縁又は下端縁の長手方向の両端間に亘って延びる側面視略矩形の凹部を成す凹状部22と、凹状部22の上端部から表面材4に向かって張り出すフランジ部23とを有している。
【0021】
凹状部22は、側壁22a,22a及び側壁22a,22a間を連結している底壁22bを有している。側壁22aは、偏平面が立ち上がった矩形の板部で、ボード部材30の幅方向(図3の紙面奥行き方向)に亘って延在している。側壁22a,22a間は、ボード部材30,30間の幅よりも小さい幅に形成されている。フランジ部23は、化粧板31の折り曲げられた上端部の下面及び下端部の上面に接した状態で、化粧板31及びボード部材30とビスによって固定されている。
横框3には、圧接フレーム21が被せられている。
【0022】
圧接フレーム21は、横框3の凹状部22の上端開口及び下端開口を覆う水平板24と横框3内に挿入する挿入壁部25を有している。
水平板24は、表面材4,4がなす上端面又は下端面と略同等の長辺及び表面材4,4がなす上端面又は下端面よりもやや短い短辺を有する矩形板で、横框3の開口部を覆っている。
【0023】
水平板24の短辺の両端には、不図示の圧接ゴムを保持する略C型の嵌合部26,26が長辺に沿って水平板24の上面に形成されている。
圧接フレーム21の水平板24の下面(又は上面)には、短手方向の両端部から下方に延びる挿入壁部25が形成されている。
【0024】
挿入壁部25は、偏平面が側壁22aにほぼ沿って立ち上がった矩形板により構成され、側壁22aの内壁面とわずかな間隔を空けて横框5の長手方向のほぼ全体に亘って設けられている。
なお、上側の横框3の凹状部22の下方には、シャフト57を固定可能な吊りボックス27と、その更に下方に固定された補強材28が設けられている。下側の横框3は、凹状部22の上方に補強材28が設けられている。
【0025】
図2に示すように、第1の桟5は、表面材4,4同士の間で縦框2,2間に略水平方向に延びるように配される長尺な棒状の部材である。
図4に示すように、第1の桟5は、長手方向の両端部に形成され縦框2の桟保持部9に嵌合させる端部嵌合部51と、端部嵌合部51,51間に形成され、表面材4,4を密着させて保持する保持部52とを有している。
【0026】
端部嵌合部51及び保持部52のいずれも、表面材4,4間を覆うように略水平方向に配され左右方向に延びる底壁部53と、底壁部53の長手方向に延びる両端縁から立ち上がる一対の立ち上がり壁部54,54とを有している。
【0027】
端部嵌合部51の底壁部53の幅は、保持部52の底壁部53の幅よりも小さく形成されている。端部嵌合部51と保持部52との間には、底壁部53の幅を端部嵌合部51の底壁部53の幅よりも小さくしたくびれ部55が形成されている。
一対の立ち上がり壁部54,54は、対向する一方側と他方側とで高さ寸法が異なる矩形板により形成されており、その結果、表面材4に接触する面積が互いに異なっている。
【0028】
第1の桟5は、図1に示すように、上下の横框3,3の間に間隔を空けて複数配されている。
全ての第1の桟5には、図5に示すように、シャフト57を直線的に貫通可能なシャフト挿通孔Hが長手方向のほぼ中央に形成されている。
【0029】
図1に示すパネル1の内部には、上下の横框3,3間を伸縮自在で圧接フレーム21を上下動可能な不図示の圧接機構が設けられている。圧接機構としては、不図示の操作ハンドルを回転させる等により圧接フレーム21を操作する公知の機構が採用されている。
【0030】
圧接機構の周辺部分には、圧接機構を収める空間の保護のために第1の桟5が配されているとよい。
第1の桟5は、図2及び図6に示すように、互いに形状及び表面積の異なる立ち上がり壁部54,54の外表面を表面材4のボード部材30の内面に接着させることにより表面材4を固定及び保持している。
【0031】
図1に示すように、第2の桟6は、表面材4,4内の適宜の箇所に配される長尺な棒状の部材である。
図5に示すように、第2の桟6は、対向する一方の表面材4の内面に偏平面を接触させる第1壁部61、第1壁部61の側縁からほぼ直角に折れ曲がり他方の表面材4に延びる垂直壁部62、及び、垂直壁部62の側縁から折れ曲がり他方の表面材4に接着させる第2壁部63を少なくとも有している。
【0032】
第1壁部61と第2壁部63とは、パネル部材1の水平方向の長さが異なる矩形板により形成されており、それぞれ垂直壁部62の互いに異なる面側に折れ曲がって、離間する方向に延びている。
本実施形態では、更に、第2壁部63の先端縁においてほぼ直角に折れ曲がって垂直壁部62に対向し、一方の表面材4に達しない位置まで延びる補助垂直壁部64が連設している。
【0033】
垂直壁部62、第2壁部63及び補助垂直壁部64は、全体として図5に示す断面形状で、パネル部材1内に設けられたパネル部材1内の空間を仕切ることができる適宜の長さ寸法(図5の紙面奥行き方向の寸法)で形成されている。これにより、垂直壁部62、第2壁部63及び補助垂直壁部64は、他のパーツなどに遮音材7が接触することを防止する収容部Sを形成している。
【0034】
第1壁部61と第2壁部63とは、表面材4に接着する幅の寸法が異なっている。本実施形態では、第2壁部63が第1壁部61よりも幅寸法が大きく形成されている。
図1に示すように、第2の桟6は、本実施形態では、パネル部材1内に設けられたシャフト57を取り囲むように設けられている。
【0035】
上下の横框3,3及び左右の縦框2,2及び表面材4,4間に囲まれ、かつ、第1の桟5及び第2の桟6に仕切られたパネル部材1の内部空間には、ロックウールなどの遮音材7が充填されている。
このように、第2の桟6は、パネル部材1の補強及び内部の機構等の所定の領域と他の領域との区分けのために、縦又は横方向に適宜配されている。
【0036】
以上の構成を有するパネル部材1は、第1の桟5の一対の立ち上がり壁部54,54の高さ寸法を異ならせることで、立ち上がり壁部54の表面材4に対する接触面積を異ならせていることから、表面材4,4間で音の固有振動数を変えることができる。したがって、パネル部材1の一方の面から他方の面への音の伝播を抑えることによる遮音を達成することができるという効果を奏する。
【0037】
また、第1の桟5の両端部を保持部52よりも底壁部53の短手寸法が短い端部嵌合部51とし、端部嵌合部51と保持部52とを一体的に形成している。
したがって、第1の桟5の保持部52と桟保持部9の開口部との寸法が異なっていても、他の連結用の部品を用いることなく、第1の桟5を直接縦框2に固定しシンプルな構成とすることができるという効果を奏する。
【0038】
また、第2の桟6の第1壁部61と第2壁部63の表面材4への接触面積を異ならせているため、表面材4,4間で音の固有振動数を変えることができる。したがって、パネル部材1の一方の面から他方の面への音の伝播を抑えることによる遮音を達成することができるという効果を奏する。
【0039】
また、第2の桟6によってシャフト57等の収容部Sを形成しているため、表面材4,4間にロックウールなどの遮音材7を充填していても、遮音材7がシャフトなどの機構に絡んでしまうことを防止することができるという効果を奏する。
【0040】
なお、上記実施形態において、第1の桟5の立ち上がり壁54,54は、立ち上がり寸法の異なる矩形板により形成されることにより、形状を異ならせた例を示したが、立ち上がり壁54,54は上記態様以外の態様により接触面積を異ならせていてもよい。具体的には、立ち上がり壁54,54は、それぞれ矩形以外の形状、例えば端部を波形又は櫛型等にすることで互いの表面材4への接触面積を異ならせていてもよい。
【0041】
また、本発明のパネル部材1は、スライディングウォールとしてのみならず、遮音したい空間を形成するパネルとして広く用いることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 パネル部材
2 縦框(枠材)
3 横框(枠材)
4 表面材
5 第1の桟
6 第2の桟
51 端部嵌合部
53 底壁部
54 立ち上がり壁部
55 くびれ部
61 第1壁部
62 垂直壁部
63 第2壁部
64 補助垂直壁部
S 収容部

図1
図2
図3
図4
図5
図6