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特開2024-64724連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064724
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/14 20060101AFI20240507BHJP
   E04G 1/34 20060101ALI20240507BHJP
   E04G 5/14 20060101ALI20240507BHJP
   E04G 1/30 20060101ALI20240507BHJP
   E04G 7/22 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E04G7/14 Z
E04G1/34 A
E04G5/14 302Z
E04G1/30 Z
E04G7/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173523
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中本 出
(57)【要約】
【課題】取付安定性に優れた連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットを提供する。
【解決手段】天板5の端縁部7に上方から当接される上係合部26と、上係合部26の下方位置に対向配置され、端縁部7に下方から当接される下係合部27と、上係合部26および下係合部27相互を上下移動可能に連結する連結軸部28と、上係合部26および下係合部27が共に端縁部7に当接された連結位置にて嵌合し、上係合部26および下係合部27の上下移動を阻止する爪部29および爪受部30と、爪部29を爪受部30に嵌合する方向へ付勢する付勢部材31と、爪部29および爪受部30の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子32と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業足場の天板に補助部材を連結させる連結ブラケットであって、
前記天板の端縁部に上方から当接される上係合部と、
前記上係合部の下方位置に対向配置され、前記端縁部に下方から当接される下係合部と、
前記上係合部および前記下係合部相互を上下移動可能に連結する連結軸部と、
前記上係合部および前記下係合部が共に前記端縁部に当接された連結位置にて嵌合し、前記上係合部および前記下係合部の上下移動を阻止する爪部および爪受部と、
前記爪部を前記爪受部に嵌合する方向へ付勢する付勢部材と、
前記爪部および前記爪受部の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子と、を備えた連結ブラケット。
【請求項2】
前記端縁部に立設される前記補助部材としての手摺の支柱下端部に設けられ、
前記上係合部は、前記支柱下端部に固定された固定枠部の前方へ延設され、
前記下係合部は、前記支柱下端部に対して上下摺動可能に連結された摺動枠部の前方へ延設されている請求項1に記載の連結ブラケット。
【請求項3】
前記端縁部に垂設される前記補助部材としての梯子の支柱上端部に設けられ、
前記上係合部は、前記支柱上端部に横設された連結枠部の前方へ延設され、
前記下係合部は、前記連結枠部に対して上下摺動可能に連結される摺動枠部の前方へ延設されている請求項1に記載の連結ブラケット。
【請求項4】
前記上係合部は、前記端縁部の上面部に設けられた上係合孔に嵌挿可能な略円柱状の上係合突起を有している請求項1に記載の連結ブラケット。
【請求項5】
前記下係合部は、前記端縁部の下面部に設けられた下係合孔に嵌挿可能な略円柱状の下係合突起を有している請求項4に記載の連結ブラケット。
【請求項6】
前記天板と、前記天板を下方から支持する脚体と、前記補助部材としての手摺および梯子と、請求項1~5のいずれか1項に記載の連結ブラケットと、を備えた足場ユニット。
【請求項7】
前記端縁部における前記上係合部の当接位置に、前記天板よりも高剛性の補強枠体が設けられている請求項6に記載の足場ユニット。
【請求項8】
前記手摺および前記梯子はそれぞれ、所定の間隔で並ぶ一対の前記連結ブラケットを有し、
前記天板は、前記上係合部に設けられた上係合突起を嵌挿可能な上係合孔として、前記手摺の前記連結ブラケットの配置間隔で並ぶ複数の第1係合孔と、前記梯子の前記連結ブラケットの配置間隔で並ぶ複数の第2係合孔と、を有している請求項6に記載の足場ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業足場の天板に手摺等の補助部材を連結させる連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
内装工事や小規模の建築工事などで用いられる作業足場において、足場面積を広く確保すべく、同形の作業足場を複数並べて連結させた組立式の足場ユニットが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された組立足場は、単独で使用可能な2台の足場を所定の離間で並べて設置し、それら足場間に連結用足場板を複数掛け渡して連結することによって構成されている。また、安全性を考慮して、足場の天板には手摺が連設されている。これら手摺や連結用足場板などの補助部材は、端部に設けられた連結具によって天板の端縁部に着脱可能に連結されている。
【0004】
連結具は、上記端部に固定される取付板と、ロックプレートと、上記端部に対してロックプレートを枢支連結する支軸と、ロックプレートを支軸の周方向一方(係合方向)へ付勢するコイルスプリングと、を有している。取付板の上部には、天板の端縁部に対して上方から係合する係合プレートおよび係合突起が設けられている。一方、ロックプレートの下端部には、同端縁部に取り付けられたアタッチメントの下端縁部に対して下方向から係合する鉤状のフック部が設けられており、取付板の係合プレートを天板の上面部に当接させると共に、係合突起を天板の上面に開設された孔部に上方から挿通係合させ、且つロックプレートのフック部をアタッチメントの下端縁部に下方向から係合させることによって、補助部材が天板の端縁部に連結保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-241715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記連結具は、ロックプレートを支軸回りに回動させ、下端のフック部をアタッチメントの下端縁部に天板の側端面外側から係合させることによって天板の端縁部を保持するように構成されている。そのため、フック部とその被係合端部(アタッチメントの下端縁部)との間に遊間が形成され易く、補助部材の取付状態にがたつきが生じる。また、使用中に連結具に対して支軸の周方向へ過剰な負荷が加わることで、フック部がアタッチメントの下端縁部から外れて、補助部材が足場から脱落する虞もある。
【0007】
本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであり、取付安定性に優れた連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットは、以下の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の連結ブラケットは、作業足場の天板に補助部材を連結させる連結ブラケットであって、前記天板の端縁部に上方から当接される上係合部と、前記上係合部の下方位置に
対向配置され、前記端縁部に下方から当接される下係合部と、前記上係合部および前記下係合部相互を上下移動可能に連結する連結軸部と、前記上係合部および前記下係合部が共に前記端縁部に当接された連結位置にて嵌合し、前記上係合部および前記下係合部の上下移動を阻止する爪部および爪受部と、前記爪部を前記爪受部に嵌合する方向へ付勢する付勢部材と、前記爪部および前記爪受部の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子と、を備えている。
【0010】
また、上記連結ブラケットは、前記端縁部に立設される前記補助部材としての手摺の支柱下端部に設けられ、前記上係合部は、前記支柱下端部に固定された固定枠部の前方へ延設され、前記下係合部は、前記支柱下端部に対して上下摺動可能に連結された摺動枠部の前方へ延設されてもよい。
【0011】
また、上記連結ブラケットは、前記端縁部に垂設される前記補助部材としての梯子の支柱上端部に設けられ、前記上係合部は、前記支柱上端部に横設された連結枠部の前方へ延設され、前記下係合部は、前記連結枠部に対して上下摺動可能に連結される摺動枠部の前方へ延設されてもよい。
【0012】
前記上係合部は、前記端縁部の上面部に設けられた上係合孔に嵌挿可能な略円柱状の上係合突起を有してもよい。
【0013】
さらに、前記下係合部は、前記端縁部の下面部に設けられた下係合孔に嵌挿可能な略円柱状の下係合突起を有してもよい。
【0014】
また、本発明の足場ユニットは、前記天板と、前記天板を下方から支持する脚体と、前記補助部材としての手摺および梯子と、上記いずれかの連結ブラケットと、を備えている。
【0015】
また、上記足場ユニットは、前記端縁部における前記上係合部の当接位置に、前記天板よりも高剛性の補強枠体が設けられてもよい。
【0016】
また、前記手摺および前記梯子はそれぞれ、所定の間隔で並ぶ一対の前記連結ブラケットを有し、前記天板は、前記上係合部に設けられた上係合突起を嵌挿可能な上係合孔として、前記手摺の前記連結ブラケットの配置間隔で並ぶ複数の第1係合孔と、前記梯子の前記連結ブラケットの配置間隔で並ぶ複数の第2係合孔と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットによれば、手摺等の補助部材を天板に対して強固に連結できるから、取付安定性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】足場ユニットの斜視図である。
図2】足場ユニットの上方視図である。
図3】天板の端縁部周辺の縦断面図である。
図4】手摺の斜視図である。
図5】手摺の連結ブラケット周辺の斜視図である。
図6】手摺の連結ブラケット周辺の縦断面図である。
図7】梯子の支柱上端部周辺の斜視図である。
図8】梯子の連結ブラケットの上方視図である。
図9】梯子の連結ブラケットの斜視図である。
図10】梯子の連結ブラケットの縦断面図である。
図11】変形例を示す天板の端縁部周辺の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る連結ブラケット、およびそれを備えた足場ユニットを、図面に基づき説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の足場ユニット1は、単体でも使用可能な平台状の作業足場2と、補助部材としての単数又は複数の手摺3および梯子4と、を備えている。本実施形態では、足場ユニット1は、左右幅方向の寸法が異なる大小二種類の手摺3(手摺大3Aおよび手摺小3B)と、梯子4とを備えている。尚、手摺3および梯子4は、必要に応じて何れか一方のみ設けられてもよい。また、足場ユニット1は、2つ以上の作業足場2を並べて連結されてもよい。
【0021】
作業足場2は、二つ折りに折畳可能な平台状の足場であり、作業者の足場板となる天板5と、天板5を下方から支持する左右一対の脚体6と、を備えている。尚、本実施形態では、天板5の短手方向(図1図2の矢視X1,X2方向)を前後方向、天板5の長手方向(図1図2の矢視Y1,Y2方向)を左右方向、天板5の厚さ方向(図1の矢視Z1,Z2方向)を上下方向とする。また、本実施形態の手摺3および梯子4は何れも、天板5外周の端縁部(天板端縁部)7に対して連結ブラケット8,9により取り付けられるが、天板端縁部7の後端縁部7aに取り付けられた手摺3および梯子4を基準として、その後端縁部7a側(図1図2の矢視X1側)を手摺3および梯子4の前方、後端縁部7aと反対側(図1図2の矢視X2側)を手摺3および梯子4の後方とする。
【0022】
図1図2に示すように、天板5は、上方視略長方形状の板体であり、左右間の中央部で2つに分割された上方視略長方形板状の天板本体11と、天板本体11の前後および左右の端面を外側から覆う外周枠部12と、を有している。
【0023】
図3に示すように、外周枠部12は、縦断面略E字状の枠体であり、天板本体11の端面に沿ってその全周に亘って設けられている。外周枠部12の上面部13および下面部14にはそれぞれ、手摺3および梯子4の連結固定部となる円形状の係合孔15,16が複数形成されている。
【0024】
図2に示すように、外周枠部12は、上面部13に設けられた上係合孔15として、手摺大3Aの取付対象部となる複数の第1係合孔15Aと、手摺小3Bおよび梯子4の取付対象部となる複数の第2係合孔15Bと、を有している。一対の第1係合孔15A相互の間隔W1は、一対の第2係合孔15B相互の間隔W2よりも大きく設定されている。尚、図示しないが、外周枠部12の下面部14における第1係合孔15Aの下方対向位置にも上面部13と同様の配置構成で下係合孔16が複数形成されている(図3参照)。
【0025】
図4に示すように、手摺3は、断面矩形状の枠材を略U字状に折曲して形成された外枠20と、上下方向に延在し且つ左右方向に所定の間隔を存して並設される左右一対の支柱21と、支柱21間に横架される横桟22と、支柱21の下端部(支柱下端部)21Uにそれぞれ配設される左右一対の連結ブラケット(手摺ブラケット)8と、を有しており、天板端縁部7に立設される(図3参照)。また、本実施形態では、支柱下端部21U相互間に巾板23が横設されている。
【0026】
尚、図4に示す手摺小3Bは、外枠20の左右の縦枠部が支柱21となり、これら支柱21相互の離間距離(支柱21の中心間距離)が天板5の外周枠部12に設けられた第2係合孔15B相互の間隔W2と一致している(図2参照)。一方、手摺大3Aは、外枠2
0の左右の縦枠部よりも内側に2本の支柱21が上下方向に延在しており(図1参照)、これら支柱21相互の離間距離が天板5の外周枠部12に設けられた第1係合孔15A相互の間隔W1と一致している(図2参照)。
【0027】
また、図1図2に示すように、手摺大3Aの支柱21相互の離間距離は、手摺小3Bの支柱21相互の離間距離よりも大きく設定されている。即ち、外周枠部12は、手摺大3Aの手摺ブラケット8の配置間隔で並ぶ複数の第1係合孔15Aと、手摺小3Bの手摺ブラケット8の配置間隔で並ぶ複数の第2係合孔15Bと、を有している。
【0028】
図3図5図6に示すように、手摺ブラケット8は、支柱下端部21Uの外側面部(前面部)21aに沿って固定される固定枠部24と、支柱下端部21Uに対して上下摺動可能に連結される摺動枠部25と、固定枠部24に設けられ、天板5の外周枠部12に上方から当接される上係合部26と、摺動枠部25に設けられ、且つ上係合部26の下方位置に対向配置され、天板5の外周枠部12に下方から当接される下係合部27と、上係合部26および下係合部27相互を上下移動可能に連結する上下一対の連結軸部28と、を有している。
【0029】
また、図6に示すように、手摺ブラケット8は、上係合部26および下係合部27が共に外周枠部12に当接された連結位置(図3参照)にて嵌合し、上係合部26および下係合部27の上下移動を阻止する爪部としての係合ピン29および爪受部としてのピン挿通孔30と、係合ピン29をピン挿通孔30に嵌合する方向へ付勢する付勢部材としての押圧ばね31と、係合ピン29およびピン挿通孔30の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子32と、を有している。
【0030】
図3図6に示すように、固定枠部24は、略矩形U字状に折曲形成された板体であって、支柱下端部21Uの前面部21aおよび左右両側面部21bを囲うように装着され、支柱下端部21Uに対して左右両側から連結軸部28により固定されている。
【0031】
図3図5図6に示すように、摺動枠部25は、断面略矩形状の筒体であり、支柱下端部21Uの内空部に下端開口から挿通されている。摺動枠部25の左右の側面部25bにはそれぞれ、上下方向に長い長円形状のガイド孔33が上下一対貫設されている。連結軸部28は、ガイド孔33にそれぞれ側面部25bの左右方向から貫挿されている。これにより、摺動枠部25は、支柱下端部21Uに対してガイド孔33の形成範囲内で上下摺動可能に保持される。
【0032】
図3図5に示すように、上係合部26は、略平板状の板片であり、一方の板面部(下面部)26Aを下向きにした姿勢で固定枠部24の中央上縁部から前方に向かって延長形成されている。上係合部26の下面部26Aには、外周枠部12の上係合孔15に嵌挿可能な円柱状の上係合突起35が形成されている。上係合突起35は、上係合部26の下面部26Aにおける左右間中央位置にて下向きに突設されており、上係合部26の下面部26Aを外周枠部12の上面部13に当接係合させることで、上係合孔15に対して上方から嵌挿される。
【0033】
下係合部27は、略平板状の板片であり、一方の板面部(上面部)27Aを上向きにした姿勢で摺動枠部25の下端部から前方に向かって延長形成されている。下係合部27の上面部27Aには、外周枠部12の下係合孔16に嵌挿可能な円柱状の下係合突起36が形成されている。下係合突起36は、下係合部27の上面部27Aにおける左右間中央位置にて上向きに突設されており、下係合部27の上面部27Aを外周枠部12の下面部14に当接係合させることで、下係合孔16に対して下方から嵌挿される。
【0034】
図6に示すように、係合ピン29は、円柱状の軸体であり、ロック解除操作子32の内側から支柱21の側面部21bに向かって左右方向に延在している。係合ピン29の先端部29Tは、側面部21bを貫通し、さらに摺動枠部25の側面部25bに開設されたピン挿通孔30に嵌挿される。
【0035】
押圧ばね31は、圧縮ばねであり、固定枠部24に連結固定されたシリンダケース37の内部に収容され、係合ピン29を常に支柱21側(側方)へ押圧付勢している。これにより、係合ピン29は、先端部29Tを摺動枠部25のピン挿通孔30に嵌挿させた状態で保持される。また、ロック解除操作子32を手動で引張操作し、係合ピン29を押圧ばね31の付勢力に抗してピン挿通孔30から抜脱させれば、摺動枠部25(下係合部27)は、自重によって支柱下端部21Uの下方へ摺動され、下係合部27を上係合部26から離反させる。このように、下係合部27は、ロック解除操作子32を引張操作することによって半自動的に上係合部26から離反した連結解除状態となる。
【0036】
尚、上記のように係合ピン29をピン挿通孔30から抜脱させ、摺動枠部25を下方に摺動させると、係合ピン29は、先端部29Tが摺動枠部25の側面部25bに対面して配された状態となる。そしてこの状態でロック解除操作子32の引張操作を中止すれば、上記先端部29Tは、押圧ばね31の付勢力によって摺動枠部25の側面部25bに押圧当接される。その結果、摺動枠部25は、支柱下端部21Uの下方へ摺動させた連結解除位置にて保持される。これにより、手摺3を天板5に連結させる際に下係合部27が邪魔になり難い。
【0037】
また、下係合部27が連結解除位置で保持された状態で、上係合部26を天板5の外周枠部12に上方から当接係合させ(上係合突起35を外周枠部12の上係合孔15に嵌挿させ)、下係合部27を上係合部26に近接させるように押し上げれば、係合ピン29が押圧ばね31の付勢力によって再びピン挿通孔30に挿入される。その結果、下係合部27が天板5の外周枠部12に下方から当接係合された状態(下係合突起36が外周枠部12の下係合孔16に嵌挿された状態)で固定保持される。これにより、手摺3を天板5に対して容易に連結させることができる。
【0038】
図1図7に示すように、梯子4は、上下方向に延在し且つ左右方向に所定の間隔を存して並設される左右一対の支柱41と、支柱41間に横架される横桟42と、支柱41の上端部(支柱上端部)41Tにそれぞれ配設される左右一対の連結ブラケット(梯子ブラケット)9と、を有しており、天板端縁部7に垂設される。
【0039】
図7図10に示すように、梯子ブラケット9は、左右の支柱上端部41T間に横設される連結枠部44と、連結枠部44に対して上下摺動可能に連結される摺動枠部45と、連結枠部44から前方に延設され、天板5の外周枠部12に上方から当接される上係合部26と、摺動枠部45から前方に延設され、且つ上係合部26の下方位置に対向配置され、天板5の外周枠部12に下方から当接される下係合部27と、上係合部26および下係合部27相互を上下移動可能に連結する上下一対の連結軸部28と、を有している。
【0040】
また、図10に示すように、梯子ブラケット9は、上係合部26および下係合部27が共に外周枠部12に当接された連結位置にて嵌合し、上係合部26および下係合部27の上下移動を阻止する爪部としての係合ピン29および爪受部としてのピン挿通孔30と、係合ピン29をピン挿通孔30に嵌合する方向へ付勢する付勢部材としての押圧ばね31と、係合ピン29およびピン挿通孔30の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子32と、を有している。
【0041】
図7に示すように、連結枠部44は、略L字状に折曲形成された板体であって、左右の
支柱上端部41T相互間に延設され、両支柱上端部41Tに連結支持されている。また、連結枠部44は、前後方向に延在する上板部44Aと、上板部44Aの後端縁から下方に延在する後板部44Bとを有しており、上板部44Aが上係合部26を構成している。尚、図8に示すように、連結軸部28は、後板部44Bの後面部における支柱41の連結位置よりも左右方向外側位置に固定されている。また、図9に示すように、連結軸部28は、後板部44Bの後面部に上下一対並んで設けられ、上記後面部から後方に向かって突出している。
【0042】
図9図10に示すように、上係合部26は、一方の板面部(下面部)26Aを下向きにした姿勢で後板部44Bの上縁部から前方に向かって延長形成されている。上係合部26の下面部26Aには、外周枠部12の上係合孔15に嵌挿可能な円柱状の上係合突起35が形成されている。
【0043】
上係合突起35は、上係合部26の下面部26Aに下向きに突設されている。また、上係合突起35は、上係合部26(上板部44A)における支柱41の連結位置よりも左右方向外側位置に設けられており(図8参照)、上係合部26の下面部26Aを外周枠部12の上面部13に当接係合させることで、2つの上係合孔15(第2係合孔15B)に対してそれぞれ上方から嵌挿される。また、上係合突起35相互の離間距離は、手摺小3Bの左右の手摺ブラケット8に設けられた上係合部26相互の離間距離と同一に設定されている。即ち、梯子ブラケット9の配置間隔は、手摺小3Bの手摺ブラケット8の配置間隔と同一に設定されている。従って、梯子ブラケット9および手摺小3Bの手摺ブラケット8は、共通の第2係合孔15Bを用いて天板5の外周枠部12に連結される。
【0044】
摺動枠部45は、上下方向に延在する略平板体であり、後板部44Bの後面部に面合わせの状態で配設されている(図9参照)。摺動枠部45にはそれぞれ、上下方向に長い長円形状のガイド孔33が上下一対貫設されている。連結軸部28は、ガイド孔33にそれぞれ前後方向から貫挿されている。これにより、摺動枠部45は、連結枠部44に対してガイド孔33の形成範囲内で上下摺動可能に保持される。
【0045】
図9図10に示すように、下係合部27は、略平板状の板片であり、一方の板面部(上面部)27Aを上向きにした姿勢で摺動枠部45の下端縁から前方に延在している。即ち、下係合部27および摺動枠部45は、L字状に一体形成された板体である。下係合部27の上面部27Aには、外周枠部12の下係合孔16に嵌挿可能な円柱状の下係合突起36が形成されている。下係合突起36は、下係合部27の上面部27Aにおける左右間中央位置にて上向きに突設されており、下係合部27の上面部27Aを外周枠部12の下面部14に当接係合させることで、下係合孔16に対して下方から嵌挿される。
【0046】
図10に示すように、係合ピン29は、円柱状の軸体であり、ロック解除操作子32の内側から連結枠部44に向かって左右方向に延在している。係合ピン29の先端部29Tは、連結枠部44の後板部44Bに開設されたピン挿通孔30に嵌挿される。
【0047】
押圧ばね31は、圧縮ばねであり、摺動枠部45に連結固定されたシリンダケース37の内部に収容され、係合ピン29を常に連結枠部44側(前方)へ押圧付勢している。これにより、係合ピン29は、先端部29Tを摺動枠部45のピン挿通孔30に嵌挿させた状態で保持される。また、ロック解除操作子32を手動で引張操作し、係合ピン29を押圧ばね31の付勢力に抗してピン挿通孔30から抜脱させれば、摺動枠部45(下係合部27)は、自重によって連結枠部44の下方へ摺動され、下係合部27を上係合部26から離反させる。このように、下係合部27は、ロック解除操作子32を引張操作することによって半自動的に上係合部26から離反した連結解除状態となる。
【0048】
尚、上記のように係合ピン29をピン挿通孔30から抜脱させ、摺動枠部45を下方に摺動させると、係合ピン29は、先端部29Tが連結枠部44の後板部44Bに対面して配された状態となる。そしてこの状態でロック解除操作子32の引張操作を中止すれば、上記先端部29Tは、押圧ばね31の付勢力によって連結枠部44の後板部44Bに押圧当接される。その結果、摺動枠部45は、連結枠部44の下方へ摺動させた連結解除位置で保持される。これにより、梯子4を天板5に連結させる際に下係合部27が邪魔になり難い。
【0049】
また、下係合部27が連結解除位置で保持された状態で、上係合部26を天板5の外周枠部12に上方から当接係合させ(上係合突起35を外周枠部12の上係合孔15に嵌挿させ)、下係合部27を上係合部26に近接させるように押し上げれば、係合ピン29が押圧ばね31の付勢力によって再びピン挿通孔30に挿入される。その結果、下係合部27が天板5の外周枠部12に下方から当接係合された状態(下係合突起36が外周枠部12の下係合孔16に嵌挿された状態)で固定保持される。これにより、梯子4を天板5に対して容易に連結させることができる。
【0050】
図11に示す足場ユニット1は、天板5の外周枠部12における上係合部26の当接位置に、天板5よりも高剛性の補強枠体50が設けられている。詳しくは、外周枠部12の上面部13には、上係合孔15の形成位置に沿って溝部51が凹没形成されている。また、溝部51には、天板5の外周枠部12よりも剛性の高い素材で形成された長尺平板状の補強枠体50が、外周枠部12の上面部13と面一致させた状態で埋設固定されている。
【0051】
また、補強枠体50における各上係合孔15との対向位置には、上係合孔15に繋がる貫通孔52が設けられており、上係合孔15に設けられた上係合突起35は、貫通孔52を通じて上係合孔15に嵌挿される。これにより、上記当接位置に変形や破損が生じ難く、天板5に対して手摺3および梯子4をがたつき少なく強固に固定保持できる。よって、手摺3および梯子4の取付安定性が一層向上する。
【0052】
尚、図示しないが、補強枠体50は、天板5の外周枠部12における下係合部27の当接位置にも同様に設けられてもよい。これにより、天板5の外周枠部12における上係合部26および下係合部27の当接位置の破損や変形を防止できるから、天板5に対して手摺3および梯子4をよりがたつき少なく強固に固定保持できる。よって、手摺3および梯子4の取付安定性がより一層向上する。
【0053】
このように、上記実施形態の連結ブラケット8,9は、作業足場2の天板5に補助部材3,4を連結させる連結ブラケット8,9であって、天板5の端縁部7に上方から当接される上係合部26と、上係合部26の下方位置に対向配置され、端縁部7に下方から当接される下係合部27と、上係合部26および下係合部27相互を上下移動可能に連結する連結軸部28と、上係合部26および下係合部27が共に端縁部7に当接された連結位置にて嵌合し、上係合部26および下係合部27の上下移動を阻止する爪部29および爪受部30と、爪部29を爪受部30に嵌合する方向へ付勢する付勢部材31と、爪部29および爪受部30の嵌合状態を手動で解除可能なロック解除操作子32と、を備えている。
【0054】
このものでは、上係合部26および下係合部27を天板5の端縁部7の上面部13および下面部14に対してそれぞれ上下方向から係合させることで爪部29および爪受部30が嵌合し、上係合部26および下係合部27の上下摺動が阻止されるから、天板5の端縁部7を上係合部26および下係合部27によって強固に固定保持できる。従って、天板5に対する補助部材の取付状態にがたつきが生じ難い。しかも、このものでは、連結ブラケット8,9に対して天板5の端縁部7の周方向、即ち、前後に回転する方向へ負荷が加わっても、上係合部26および下係合部27が天板5の端縁部7から外れ難いから、補助部
材3,4が天板5から脱落する虞も少ない。これにより、取付安定性の高い連結ブラケット8,9を実現できる。
【0055】
また、連結ブラケット8は、端縁部7に立設される補助部材としての手摺3の支柱下端部21Uに設けられ、上係合部26は、支柱下端部21Uに固定された固定枠部24の前方へ延設され、下係合部27は、支柱下端部21Uに対して上下摺動可能に連結された摺動枠部25の前方へ延設されている。
【0056】
このものでは、支柱下端部21Uに固設された上係合部26によって手摺3を天板5の端縁部7の上面部13に係合支持させ、この状態で下係合部27によって天板5の端縁部7を下方から係合固定することができるから、天板5に対して手摺3がより安定して取り付け可能となる。
【0057】
また、連結ブラケット9は、端縁部7に垂設される補助部材としての梯子4の支柱上端部41Tに設けられ、上係合部26は、支柱上端部41Tに横設された連結枠部44の前方へ延設され、下係合部27は、連結枠部44に対して上下摺動可能に連結される摺動枠部45の前方へ延設されている。
【0058】
このものでは、支柱上端部41Tに固設された上係合部26によって梯子4を天板5の端縁部7の上面部13に係合支持させ、この状態で下係合部27によって天板5の端縁部7を下方から係合固定することができるから、天板5に対して梯子4がより安定して取り付け可能となる。
【0059】
また、上係合部26は、端縁部7の上面部13に設けられた上係合孔15に嵌挿可能な略円柱状の上係合突起35を有している。このものでは、上係合突起35の外周面が上係合孔15の内周面に当接係合されるから、板体の端面や板面が天板5の被係合部に係合するように構成されたものに比べて、よりがたつき少なく上係合部26が天板5の端縁部7に係合される。よって、取付安定性が一層向上する。
【0060】
さらに、下係合部27は、端縁部7の下面部14に設けられた下係合孔16に嵌挿可能な略円柱状の下係合突起36を有している。このものでは、板体の端面や板面が天板5の被係合部に係合するように構成されたものに比べて、よりがたつき少なく下係合部27が天板5の端縁部7に係合されるから、取付安定性が一層向上する。
【0061】
上記実施形態の足場ユニット1は、天板5と、天板5を下方から支持する脚体6と、補助部材としての手摺3および梯子4と、上記連結ブラケット8,9と、を備えている。このものでは、手摺3および梯子4が天板5に対してがたつき少なく固定保持され、また、それら手摺3および梯子4が天板5から脱落する虞も少ない。これにより、手摺3および梯子4の取付安定性の高い足場ユニット1を実現できる。
【0062】
また、上記足場ユニット1は、端縁部7における上係合部26の当接位置に、天板5よりも高剛性の補強枠体50が設けられている。このものでは、天板5の端縁部7における上係合部26の当接位置に変形や破損が生じ難いから、手摺3および梯子4を天板5にがたつき少なく強固に固定保持できる。よって、手摺3および梯子4の取付安定性が一層向上する。
【0063】
また、手摺3および梯子4はそれぞれ、所定の間隔で並ぶ一対の連結ブラケット8,9を有し、天板5は、上係合部26に設けられた上係合突起35を嵌挿可能な上係合孔15として、手摺3(手摺大3A)の連結ブラケット8の配置間隔で並ぶ複数の第1係合孔15Aと、梯子4の連結ブラケット9の配置間隔で並ぶ複数の第2係合孔15Bと、を有し
ている。
【0064】
このものでは、手摺3および梯子4が天板5に対して一対の連結ブラケット8,9によって強固に連結されるから、手摺3および梯子4の取付安定性が一層向上する。しかも、このものでは、手摺3(手摺大3A)および梯子4をそれぞれ天板5の適切な位置に容易に取り付けることができるから、組立作業性も格段に向上する。
【符号の説明】
【0065】
1 足場ユニット
2 作業足場
3 手摺(補助部材)
4 梯子(補助部材)
5 天板
6 脚体
7 天板端縁部(端縁部)
8 手摺ブラケット(連結ブラケット)
9 梯子ブラケット(連結ブラケット)
15 上係合孔
16 下係合孔
21 支柱
24 固定枠部
25 摺動枠部
26 上係合部
27 下係合部
28 連結軸部
29 係合ピン(爪部)
30 ピン挿通孔(爪受部)
31 押圧ばね(付勢部材)
32 ロック解除操作子
35 上係合突起
36 下係合突起
41 支柱
44 連結枠部
45 摺動枠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11