(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064734
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】脱穀装置
(51)【国際特許分類】
A01F 12/48 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A01F12/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173540
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】栗原 大器
(72)【発明者】
【氏名】藤川 涼平
【テーマコード(参考)】
2B095
【Fターム(参考)】
2B095AA01
2B095AA12
2B095BA02
2B095CA02
2B095CB15
(57)【要約】
【課題】脱穀装置は、扱室の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室を備え、選別室に選別風を送風する唐箕を回転駆動する唐箕モータを設けている。唐箕モータの過熱により、唐箕の動作が停止してしまうことがあった。そこで、唐箕を回転駆動するモータの配置構成を工夫し、モータの過熱による作動停止を簡潔な構成で防止した脱穀装置を提供する。
【解決手段】扱胴が設けられた扱室の下方に揺動選別装置及び選別風を送風する風力選別装置30を設けた脱穀装置において、風力選別装置30を作動させる選別モータ37を風力選別装置30の吸気口30a近傍に設け、選別モータ37のモータ駆動軸37aのみ吸気口30a内に配置し、他の部分を吸気口30aよりも機体外側に配置するか、あるいは、選別モータ37の吸気口30a側の一部とモータ駆動軸37aを吸気口30a内に配置する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴(12)が設けられた扱室(10)の下方に揺動選別装置(20)及び選別風を送風する風力選別装置(30)を設けた脱穀装置において、該風力選別装置(30)を作動させる選別モータ(37)を風力選別装置(30)の吸気口(30a)近傍に設け、選別モータ(37)のモータ駆動軸(37a)のみ吸気口(30a)内に配置し、他の部分を吸気口(30a)よりも機体外側に配置するか、あるいは、選別モータ(37)の吸気口(30a)側の一部とモータ駆動軸(37a)を吸気口(30a)内に配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
選別モータ(37)の外周を囲う風洞(38)を設け、該風洞(38)が風力選別装置(30)側から選別モータ(37)の一部まで、あるいは、選別モータ(37)の機体外側端部までを囲うことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項3】
選別モータ(37)の外周を囲う風洞(38)を設け、該風洞(38)が吸気口(30a)から所定距離離れて配置され、風洞(38)と吸気口(30a)との間に隙間(39)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項4】
風洞(38)に複数の通気孔(38a)を形成するか、あるいは、風力選別装置(30)の吸気口(30a)から遠い側の通気孔(38b)を近い側の通気孔(38a)に比べて小さくしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の脱穀装置。
【請求項5】
選別モータ(37)の回転数を制御する制御装置を設けて風力選別装置(30)の回転数を可変とし、風力選別装置(30)の回転開始時に制御装置が風力選別装置(30)の回転速度を徐々に増速制御し、風力選別装置(30)の回転停止時に制御装置が風力選別装置(30)の回転速度を徐々に減速して停止することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の脱穀装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインや脱穀機等に装備される脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの脱穀装置としては、上部に穀稈の脱穀を行う扱室を備え、扱室の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室を備えている。そして、選別室に選別風を送風する唐箕を回転駆動する電動モータよりなる唐箕モータを唐箕の吸気口付近となる機体外側に設けている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、唐箕モータは、落下してくる藁屑などが当たりにくい位置も考慮して配置しなければならず、吸気口近くに配置しても十分に冷却ができず、過熱により唐箕の動作が停止してしまい、作業能率が低下する課題があった。
【0005】
本発明の目的は、風力選別装置としての唐箕を回転駆動するモータの配置構成を工夫し、モータの過熱による作動停止を簡潔な構成で防止した脱穀装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、扱胴12が設けられた扱室10の下方に揺動選別装置20及び選別風を送風する風力選別装置30を設けた脱穀装置において、該風力選別装置30を作動させる選別モータ37を風力選別装置30の吸気口30a近傍に設け、選別モータ37のモータ駆動軸37aのみ吸気口30a内に配置し、他の部分を吸気口30aよりも機体外側に配置するか、あるいは、選別モータ37の吸気口30a側の一部とモータ駆動軸37aを吸気口30a内に配置した脱穀装置である。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、風力選別装置30を選別モータ37で作動させることにより、収穫物の品種や作業場所の条件、穀粒や葉屑の量に合わせて選別モータ37の回転速度を調節して風力選別装置30の風力や送風量を変更することができるので、穀粒と夾雑物を効率よく分離させることができる。
【0008】
また、選別モータ37が風力選別装置30の吸気口30a近傍に設けられ、吸気口30aよりも機体外側に選別モータ37の大部分が配置される構成により、吸気口30aから取り込まれる外気で選別モータ37を冷却できるので、選別モータ37の冷却ファンが不要となり、部品数の削減が図れて安価で簡潔な構成にできる。
【0009】
請求項2記載の発明は、選別モータ37の外周を囲う風洞38を設け、該風洞38が風力選別装置30側から選別モータ37の一部まで、あるいは、選別モータ37の機体外側端部までを囲う請求項1に記載の脱穀装置である。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、風洞38が風力選別装置30側から選別モータ37の一部まで、あるいは、選別モータ37の機体外側端部までを囲うので、選別モータ37周辺の空気を吸引して選別モータ37の冷却効果が向上し、過熱による選別モータ37の停止を適切に防止することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、選別モータ37の外周を囲う風洞38を設け、該風洞38が吸気口30aから所定距離離れて配置され、風洞38と吸気口30aとの間に隙間39を設けた請求項1に記載の脱穀装置である。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、選別モータ37の外周を囲う風洞38が吸気口30aから所定距離離れて配置され、風洞38と吸気口30aとの間に隙間39を設けたので、選別モータ37本体部には風洞38にて外気が入り込むと共に、モータ駆動軸37aには隙間39から外気が入り込むので、選別モータ37全体の過熱が防止される。
【0013】
請求項4記載の発明は、風洞38に複数の通気孔38aを形成するか、あるいは、風力選別装置30の吸気口30aから遠い側の通気孔38bを近い側の通気孔38aに比べて小さくした請求項2または請求項3に記載の脱穀装置である。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、風洞38に複数の通気孔38aを設けることにより、外気を更に選別モータ37周辺に取り込みやすくなるので、選別モータ37の冷却効果が向上する。
【0015】
また、風力選別装置30の吸気口30aから遠い側の通気孔38bを近い側の通気孔38aに比べて小さくすることにより、気圧差により外気が取り込みやすくなり、選別モータ37の冷却効果が向上する。
【0016】
請求項5記載の発明は、選別モータ37の回転数を制御する制御装置を設けて風力選別装置30の回転数を可変とし、風力選別装置30の回転開始時に制御装置が風力選別装置30の回転速度を徐々に増速制御し、風力選別装置30の回転停止時に制御装置が風力選別装置30の回転速度を徐々に減速して停止する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の脱穀装置である。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、選別モータ37の回転数を制御する制御装置を設けて風力選別装置30の回転数を可変とし、風力選別装置30の回転開始時に制御装置が風力選別装置30の回転速度を徐々に増速制御し、風力選別装置30の回転停止時に制御装置が風力選別装置30の回転速度を徐々に減速して停止するので、選別モータ37の回転開始時または停止時に急に高速回転または急停止することによる多大な負荷が選別モータ37または風力選別装置30にかかることを防止して不具合や破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態にかかる脱穀装置を備えたコンバインの側面図である。
【
図6】同上脱穀装置の唐箕の要部の平断面図である。
【
図10】同上唐箕の他の例を示す要部の平断面図である。
【
図11】同上唐箕の他の例を示す要部の平断面図である。
【
図12】同上唐箕の他の例を示す要部の平断面図である。
【
図13】同上唐箕の他の例を示す要部の平断面図である。
【
図14】同上脱穀装置の他の例を示す作用説明用の側断面図である。
【
図15】同上コンバインの吸油パイプの配置構成を示す背面図である。
【
図16】同上コンバイン吸油パイプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態であるコンバインに装備される脱穀装置について添付図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0020】
図1~
図3に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後方左側に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0021】
操縦部5の下側にエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部8aと前後方向に延在する横排出部8bからなる排出オーガ8が設けられている。
【0022】
図4及び
図5に示すように、脱穀装置4の上部の扱室10には、フィードチェン11によって搬送されてくる穀稈を脱穀処理する扱胴12が設けられている。扱胴12の下側には、受網13が設けられ、扱胴12の上部は、扱胴カバー14で覆われている。
【0023】
脱穀装置4の下部の選別室15の上部には、扱胴12によって脱穀処理された穀粒を選別する揺動選別装置20が設けられている。
【0024】
揺動選別装置20は、前側から順に、板状体から形成された移送棚21と、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜に設けられた複数の板状体から形成された固定シーブ22と、前後方向に所定の間隔を隔てて後上がり傾斜角度を可変可能に設けられた複数の板状体から形成された可変シ-ブ23と、左右方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の板状体から形成されたストロ-ラック24から形成されている。
【0025】
固定シーブ22の傾斜角度は、角度変更手段26を介して脱穀装置4の右壁に設けられたシーブモータ27を駆動して変更することができる。角度変更手段26は、揺動選別装置20の枠体25の左壁の右面に揺動可能に設けられている。また、シーブモータ27の出力軸と角度変更手段26の基部は、左右方向に延在するロッド29を介して連結されている。
【0026】
揺動選別装置20の下側には、前側から順に、固定シーブ22と可変シーブ23に向けて選別風を送風する風力選別装置としての唐箕30と、固定シーブ22と可変シーブ23から漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋31と、ストロ-ラック24から漏下してくる枝梗等が付着した2番物を扱室10の右側に設けられた2番処理室16に搬送する2番螺旋32とが設けられている。また、ストローラック24の上側には、枝梗等の粉塵を外部に排出する排塵ファン35が設けられている。
【0027】
なお、1番螺旋31から第1揚穀筒40’にて穀粒をグレンタンク7に搬送し、2番螺旋32から2番物を第2揚穀筒41にて2番処理室16に搬送する。
【0028】
図6及び
図7に示すように、唐箕30は、脱穀装置4の右壁に設けられた電動モータで構成される選別モータとしての唐箕モータ37にて駆動回転される。
【0029】
唐箕モータ37は、制御装置にて駆動回転数が制御され、唐箕30の回転速度を調節する。
【0030】
即ち、操縦部5に設けた風力設定部の操作にて、制御装置が風力設定部の操作に合わせて唐箕モータ37の回転速度を制御する。
【0031】
更に、唐箕30の回転開始時には、制御装置が唐箕30の回転速度を徐々に増速するように制御し、例えば、回転開始時(唐箕モータ37のON)から1秒後に目標回転速度の20%、2秒後に目標回転速度の60%、3秒後に目標回転速度の100%になるように制御する。
【0032】
また、唐箕30の回転停止時には、制御装置が唐箕30の回転速度を徐々に減速して停止するように制御し、例えば、回転停止時(唐箕モータ37のOFF)から1秒後に元の回転速度の60%、2秒後に元の回転速度の20%、3秒後に停止になるように制御する。
【0033】
従って、唐箕モータ37の回転開始時または停止時に急に高速回転または急停止すると、唐箕モータ37及び唐箕30に過負荷化がかかって不具合を発生する恐れがあるが、上記のように制御すると過負荷を抑えて不具合や破損を防止できる。
【0034】
ここで、唐箕モータ37の配置構成について詳述する。
【0035】
唐箕モータ37は、脱穀装置4の右壁に組付けられ、唐箕30の吸気口30a近傍で吸気口30aよりも機体外側方に配置され、唐箕モータ37のモータ駆動軸37aのみ吸気口30a内に配置されている。
【0036】
そして、唐箕モータ37のモータ駆動軸37aは、唐箕30の回転軸30bと同一軸上に配置され、モータ駆動軸37a先端部と回転軸30a右端部は連結されている。
【0037】
よって、唐箕モータ37のモータ駆動軸37aの回転にて、唐箕30の回転軸30bが駆動回転され、唐箕モータ37にて唐箕30が回転駆動される。
【0038】
従って、唐箕30を唐箕モータ37で作動させることにより、収穫物の品種や作業場所の条件、穀粒や葉屑の量に合わせて風力設定部にて唐箕30の風力や送風量を変更することができるので、穀粒と夾雑物を効率よく分離させることができる。
【0039】
また、唐箕モータ37は、唐箕30の吸気口30a近傍に設けられ、吸気口30aよりも機体外側に唐箕モータ37の大部分が配置される構成により、吸気口30aから取り込まれる外気で唐箕モータ37を冷却できるので、唐箕モータ37の冷却ファンが不要となり、部品数の削減が図れて安価で簡潔な構成にできる。
【0040】
また、吸気口30a外周部から唐箕モータ37に向けて延びる円筒状の風洞38を設け、該風洞38にて唐箕モータ37の吸気口30a側部を囲っている(風洞38が唐箕モータ37のモータ駆動軸37a方向の一部を覆っている)。
【0041】
従って、吸気口30a外周部から唐箕モータ37に向けて延びる円筒状の風洞38を設けているので、唐箕モータ37周辺の空気を吸引して唐箕モータ37の冷却効果が向上し、過熱による唐箕モータ37の停止を適切に防止することができる。
【0042】
なお、風洞38は、唐箕モータ37の吸気口30a側部のみでなく、唐箕モータ37全体を囲っても良い。
【0043】
また、
図8に示すように、風洞38に通気孔38aを複数設けても良い。
【0044】
風洞38に通気孔38aを設けることにより、外気を更に唐箕モータ37周辺に取り込みやすくなるので、唐箕モータ37の冷却効果が向上する。
【0045】
また、
図9に示すように、風洞38に通気孔38a,38bを複数設けるに、唐箕30の吸気口30aから遠い側の通気孔38bを近い側の通気孔38aに比べて小さくしても良い。
【0046】
吸気口30aから遠い側の通気孔38bを小さくすることにより、気圧差により外気が取り込みやすくなり、唐箕モータ37の冷却効果が向上する。
【0047】
【0048】
即ち、風洞38は、唐箕モータ37本体部の周囲を囲い吸気口30aから所定距離離れて配置され、風洞38と吸気口30aとの間には隙間39が設けられている。
【0049】
従って、唐箕モータ37本体部には風洞38にて外気が入り込むと共に、モータ駆動軸37aには隙間39から外気が入り込むので、唐箕モータ37全体の過熱が防止される。
【0050】
図11は、唐箕モータ37の配置を変更した例を示す。
【0051】
即ち、唐箕モータ37は、その吸気口30a側の一部とモータ駆動軸37aが吸気口30a内に配置されている。
【0052】
そして、風洞38は、吸気口30a外周部から唐箕モータ37に向けて延び、唐箕モータ37全体を囲っている。
【0053】
なお、前記のように、風洞38が唐箕モータ37のモータ駆動軸37a方向の一部を囲う構成としても良い。
【0054】
また、前記のように、風洞38が唐箕モータ37本体部の周囲を囲い吸気口30aから所定距離離れて配置され、風洞38と吸気口30aとの間に隙間39を設けても良い。
【0055】
また、前記のように、風洞38に通気孔38aを複数設けても良い。そして、唐箕30の吸気口30aから遠い側の通気孔38bを近い側の通気孔38aに比べて小さくしても良い。
【0056】
従って、唐箕モータ37の吸気口30a側の一部とモータ駆動軸37aが吸気口30a内に配置されているので、唐箕モータ37の冷却効果が向上する。
【0057】
図12は、唐箕モータ37の機体外側に冷却ファン40を配置した例を示す。
【0058】
即ち、唐箕モータ37の唐箕30(吸気口30a)から遠い側で機体右外側に唐箕モータ37にて駆動される冷却ファン40を設け、該冷却ファン40にて唐箕30(吸気口30a)に向けて風を送る。
【0059】
なお、冷却ファン40の外径は、唐箕モータ37の外周よりも大きい。
【0060】
従って、唐箕モータ37の唐箕30(吸気口30a)から遠い側で機体右外側に唐箕モータ37にて駆動され唐箕30(吸気口30a)に向けて風を送る冷却ファン40を設けることにより、唐箕モータ37を冷却すると共に、唐箕30の吸気を補助し、風力選別をより効率的に行うことができる。
【0061】
なお、
図13に示すように、唐箕モータ37の唐箕30(吸気口30a)に近い側に唐箕モータ37にて駆動される冷却ファン40を設け、該冷却ファン40にて唐箕モータ37周辺の空気を吸って唐箕30(吸気口30a)に向けて風を送るようにしても、唐箕モータ37を冷却すると共に、唐箕30の吸気を補助し、風力選別をより効率的に行うことができる。
【0062】
図14は、唐箕30の送風を揺動選別装置20の下側に案内する風案内体50の構成を示す。
【0063】
即ち、風案内体50は、唐箕30の送風出口に配置された下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cにて構成され、各々回動軸51a,51b,51cにて唐箕30の送風出口側が位置調節及び固定自在に構成されている。
【0064】
よって、下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cの唐箕30の送風出口側を位置調節して、下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cの唐箕30の送風出口側の間隔を調節することができる。
【0065】
従って、下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cの唐箕30の送風出口側の間隔が大きくなるように調節すると、下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cの送風案内口の間隔が送風案内出口よりも大きくなるので、送風の風速が早くなる。
【0066】
よって、唐箕30の回転速度の変更に加えて、下風案内体50a、中風案内体50b及び上風案内体50cの唐箕30の送風出口側の間隔調節にて風速の調節が行えるので、風速の調節幅がひろくなり、作業条件の対応範囲が広くなって適切な脱穀作業が行える。
【0067】
図15は、エンジンEの燃料タンクの吸油パイプ60の配置構成を示す。
【0068】
即ち、吸油パイプ60は、グレンタンク7と該グレンタンク7の穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部8aの間をとおして機体後方に向けて設けている。
【0069】
そして、吸油パイプ60は、垂直なグレンタンク7背面と15度の角度で後方に向けて延びている。
【0070】
図16に示すように、吸油パイプ60は、樹脂製で吸油口60aに吸油キャップを開閉自在に装着する吸油口金具をインサート成形して設けている。
【0071】
なお、吸油口金具には、吸油キャップの開閉時に回らないように回り止め防止用突起を設けてインサート成形し、吸油キャップをロックする際のロック溝61を設けている。
【0072】
また、吸油キャップは、鍵付きである。
【0073】
従って、従来のニッケルメッキを施した鉄製の吸油パイプであると、溶接部品が多くて原価が高く、然も、亜鉛等の析出もあり、課題が多くあったが、吸油パイプ60を樹脂製にしたので、安価に構成でき、亜鉛等の析出も解消できる。更に、吸油パイプ60を樹脂製にすることにより、軽量化も図れる。
【0074】
また、吸油パイプ60に吸油口金具をインサート成形しないで、吸油キャップをロックする際のロック溝61を成形した全樹脂製としても良い。
【符号の説明】
【0075】
10 扱室
12 扱胴
20 揺動選別装置
30 風力選別装置
30a 吸気口
37 選別モータ
37a モータ駆動軸
38 風洞
38a 通気孔
38b 通気孔
39 隙間