(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064745
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】多機能口腔内洗浄組成物および多機能口腔内洗浄ユニット
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20240507BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20240507BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240507BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q11/00
A61K8/73
A61K8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173558
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】300018150
【氏名又は名称】株式会社ミリオナ化粧品
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(74)【代理人】
【識別番号】100217227
【弁理士】
【氏名又は名称】野呂 亮仁
(72)【発明者】
【氏名】阪本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】山下 昌浩
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB052
4C083AB282
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD532
4C083AD662
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD27
4C083EE31
4C083EE50
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】洗口剤、舌磨剤、および歯磨剤として使用できる多機能口腔内洗浄組成物および多機能口腔内洗浄ユニットを提供し、ユーザの満足度を向上させることを目的とする。
【解決手段】口腔内洗浄剤と、増粘剤とを含有し、B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において1000~5000mPa・sの粘度を有する多機能口腔内洗浄組成物とした。また、水80質量%に対して20質量%含有させた5倍希釈時の粘度が50~200mPa・sである多機能口腔内洗浄組成物とした。さらに、水50質量%に対して50質量%含有させた2倍希釈時の粘度が100~1500mPa・sである多機能口腔内洗浄組成物とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内洗浄剤と、
増粘剤とを含有し、
B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において1000~5000mPa・sの粘度を有する
多機能口腔内洗浄組成物。
【請求項2】
水80質量%に対して20質量%含有させた5倍希釈時において、B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において50~200mPa・sの粘度を有する
請求項1記載の多機能口腔内洗浄組成物。
【請求項3】
水50質量%に対して50質量%含有させた2倍希釈時において、B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において100~1500mPa・sの粘度を有する
請求項1記載の多機能口腔内洗浄組成物。
【請求項4】
請求項1、2、または3記載の多機能口腔内洗浄組成物を収容する収容部と
前記多機能口腔内洗浄組成物を希釈溶媒で希釈する場合に、前記多機能口腔内洗浄組成物および希釈溶媒の少なくとも一方の量の目安の表示である目安表示部を備えた希釈計量部とを備えた
多機能口腔内洗浄ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、複数の使用方法を有する多機能口腔内洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口腔疾患であるう蝕や歯周病の予防方法として、口腔内を日常的に清掃、洗浄する方法が行われてきた。口腔内の清掃方法、洗浄方法としては、専用のブラシに粘度の高い練り歯磨剤を付着させて歯を磨くといった方法がある。
【0003】
例えば、エリスリトール、還元デキストリン及び/又は難消化性デキストリン、および水を所定の質量%含有し、エリスリトールと水の質量比が1~5.5である口腔内の清掃に使用する練り歯磨組成物が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、このような練り歯磨組成物は、専用のブラシ等に付着させ、ブラシで歯を磨く必要があり、歯の清掃、洗浄には手間がかかっていた。これに対して、口腔内に含んですすぐことで口腔内を清掃、洗浄する洗口剤(マウスウォッシュ)が使用されている。また、口腔内の清掃、洗浄の一種として、舌を専用の舌磨剤およびブラシを使用して磨く方法も行われてきた。しかし、歯を重点的に清掃、洗浄できる練り歯磨剤と、舌を重点的に磨く舌磨剤と、口内全体を軽く清掃、洗浄する洗口剤とでは役割が異なり、消費者が使い分けるには、練り歯磨きと舌磨剤と洗口剤とをすべて所持するしかなく、不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、洗口剤、舌磨剤、および歯磨剤として使用できる多機能口腔内洗浄組成物を提供し、消費者の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、口腔内洗浄剤と、増粘剤とを含有し、B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において1000~5000mPa・sの粘度を有する多機能口腔内洗浄組成物であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明により、洗口剤、舌磨剤、および歯磨剤として使用できる多機能口腔内洗浄組成物および多機能口腔内洗浄ユニットを提供し、消費者の満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】多機能口腔内洗浄ユニットの一例を示す説明図。
【
図2】多機能口腔内洗浄ユニットの他の一例を示す説明図。
【
図3a】実施例を精製水とともに容器に投入した直後の写真。
【
図3b】実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真。
【
図3c】実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真。
【
図3d】実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真。
【
図4a】比較例1を精製水とともに容器に投入した直後の写真であり、
【
図4b】比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真。
【
図4c】比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真。
【
図4d】比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真。
【
図5a】比較例2を精製水とともに容器に投入した直後の写真。
【
図5b】比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真。
【
図5c】比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真。
【
図5d】比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真。
【
図6a】比較例3を精製水とともに容器に投入した直後の写真。
【
図6b】比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真。
【
図6c】比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真。
【
図6d】比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態の一つを示す。
本実施の形態の多機能口腔内洗浄組成物について、まず多機能口腔内洗浄組成物について説明し、次にこの多機能口腔内洗浄組成物を収容する多機能口腔内洗浄ユニットについて説明する。
【0011】
<多機能口腔内洗浄組成物>
本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、粘度を有する半液体状(ゲル状)であって、基剤に少なくとも口腔内洗浄剤と、増粘剤とを含有している。また、殺菌剤、洗浄助剤、清涼剤、保湿剤、甘味剤、可溶化剤、抗酸化剤、着香剤、防腐剤、pH調整剤、および着色剤から1つ以上の添加剤を選択して含有することができる。また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、研磨剤を含有しないことが好ましい。さらに、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、多機能口腔内洗浄組成物中に粉体で存在する成分を含有せず、水性溶媒に添加した多機能口腔内洗浄組成物から分離して水中に沈殿、浮上するような成分を含有していない。したがって、多機能口腔内洗浄組成物は、水道水や精製水等の水と混合された際に成分の一部が分離、沈殿、あるいは浮上するといったことがなく、良好に希釈できる。
【0012】
基剤は、多機能口腔内洗浄組成物のベースとなる成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、水を使用することができる。なお、本明細書における口腔用組成物とは、例えば、歯磨剤、舌磨剤、洗口剤として使用できる組成物である。
【0013】
口腔内洗浄剤は、歯や舌に対して洗浄性を有する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、ココアンホ酢酸Na(2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)を使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する口腔内洗浄剤の含有量は、歯や舌に対して十分な洗浄性を発揮できる量であれば特に限定されない。口腔内洗浄剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.1質量%以上とすることが好ましく、0.2質量%以上とすることがより好ましく、0.3質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに口腔内洗浄剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましく、4質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0014】
増粘剤は、多機能口腔内洗浄組成物の粘度に寄与する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、キサンタンガムを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する増粘剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の粘度がB型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において1000~5000mPa・sとなるように調整される。増粘剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.1質量%以上とすることが好ましく、0.3質量%以上とすることがより好ましく、0.5質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、増粘剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、2質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0015】
殺菌剤は、口腔内の悪性の菌を殺菌する殺菌性を有する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、o-シメン-5-オール(イソプロピルメチルフェノール)を使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する殺菌剤の含有量は、口腔内の悪性の菌に対して十分な殺菌性を発揮できる量であれば特に限定されない。また、殺菌剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.0001質量%以上とすることが好ましく、0.0005質量%以上とすることがより好ましく、0.001質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、殺菌剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.5質量%以下とすることが好ましく、0.3質量%以下とすることがより好ましく、0.2質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0016】
洗浄助剤は、歯、舌、および口腔内の少なくとも1か所に良好な効果をもたらす成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用され成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、三リン酸5Na(トリポリリン酸ナトリウム)、ポリオクタニウム-51(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液)を使用することができる。また、洗浄助剤としては、少なくとも三リン酸5ナトリウムを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する洗浄助剤の含有量は、洗浄助剤それぞれの効果が口腔内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。また、洗浄助剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましく、0.1質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、洗浄助剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0017】
三リン酸5Na(トリポリリン酸ナトリウム)は、口内でポリリン酸となり、歯の表面に付着しているステイン(茶しぶやヤニといった成分由来の黄ばみや汚れ)を歯の表面から剥離させ、ポリリン酸自身が歯の表面に付着して歯をコーティングする。すなわち、三リン酸5Na(トリポリリン酸ナトリウム)を含有することで、歯を綺麗にするとともに歯質を強化してステインの再付着を防止することができる。
【0018】
ポリオクタニウム-51(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液)は、歯への菌の付着を防止する。すなわち、ポリオクタニウム-51(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液)を含有することで、綺麗な歯を保持し、菌による口臭の発生を予防することができる。
【0019】
清涼剤は、本発明の多機能口腔内洗浄組成物を口内に含んだ消費者が清涼感を感じる効果をもたらす成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、メントール、エタノールを使用することができる。また、清涼剤としては、メントールおよびエタノールを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する清涼剤の含有量は、清涼剤それぞれの効果が口腔内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。また、清涼剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.005質量%以上とすることが好ましく、0.01質量%以上とすることがより好ましく、0.02質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、清涼剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、25質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましく、17質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0020】
保湿剤は、口内の保湿に寄与する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、グリセリンを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する保湿剤の含有量は、保湿剤それぞれの効果が口腔内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。保湿剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.1質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがより好ましく、1質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、保湿剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、50質量%以下とすることが好ましく、40質量%以下とすることがより好ましく、30質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0021】
甘味剤は、多機能口腔内洗浄組成物を口内に含んだ消費者が甘みを感じる成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、ステビア葉/茎エキスを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する甘味剤の含有量は、甘味剤それぞれの効果が口腔内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。甘味剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.005質量%以上とすることが好ましく、0.01質量%以上とすることがより好ましく、0.05質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、甘味剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0022】
可溶化剤は、多機能口腔内洗浄組成物に含有されている各成分が、基剤に溶解しやすくなる成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、PEG-60水添ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)を使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する可溶化剤の含有量は、可溶化剤それぞれの効果が多機能口腔内洗浄組成物内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。可溶化剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましく、0.1質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、可溶化剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、5質量%以下とすることが好ましく、4質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0023】
抗酸化剤は、多機能口腔内洗浄組成物に含有されている各成分が、時間経過などによって酸化することを防止する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。このような成分としては、例えば、トコフェロールを使用することが好ましい。口腔内洗浄組成物全体に対する抗酸化剤の含有量は、抗酸化剤それぞれの効果が多機能口腔内洗浄組成物内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。抗酸化剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.0001質量%以上とすることが好ましく、0.0005質量%以上とすることがより好ましく、0.001質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、可溶化剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、2質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下とすることがより好ましく、0.5質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0024】
着香剤は、多機能口腔内洗浄組成物を口内に含んだ消費者が香りを感じる成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。口腔内洗浄組成物全体に対する着香剤の含有量は、着香剤それぞれの効果が多機能口腔内洗浄組成物内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。着香剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、0.001質量%以上とすることが好ましく、0.01質量%以上とすることがより好ましく、0.05質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、着香剤の含有量は、多機能口腔内洗浄組成物の全体を100質量%として、3質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましく、1.5質量%以下とすることがさらに好ましい。
【0025】
防腐剤は、多機能口腔内洗浄組成物に含有されている各成分が、時間経過などによって腐食することを防止する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。口腔内洗浄組成物全体に対する防腐剤の含有量は、防腐剤それぞれの効果が多機能口腔内洗浄組成物内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。
【0026】
pH調整剤は、多機能口腔内洗浄組成物の水素イオン濃度(pH)の調整する成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。口腔内洗浄組成物全体に対するpH調整剤の含有量は、pH調整剤によって多機能口腔内洗浄組成物のpHが所定の範囲内となる量であれば特に限定されない。多機能口腔内洗浄組成物のpHの範囲としては、例えば、多機能口腔内洗浄組成物に含有されている防腐剤が、腐食を防止する効果を発揮できる4~6の間、より詳細には5.5付近とすることができる。
【0027】
着色剤は、多機能口腔内洗浄組成物の外観を、所定の色とする成分であって、口腔内の洗浄または清掃に使用できる組成物(口腔用組成物)に一般的に使用される成分を1種類以上使用することができる。口腔内洗浄組成物全体に対する着色剤の含有量は、着色剤それぞれの効果が多機能口腔内洗浄組成物内で十分に発揮できる量であれば特に限定されない。また、多機能口腔内洗浄組成物の外観の色は、特に限定されないが、清潔感と量の視認の容易さから、青、水色、または薄紫といった青系の色とすることが好ましい。また、多機能口腔内洗浄組成物の外観は、清潔感から透明または半透明であることが好ましい。
【0028】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、歯磨き用および舌磨き用のブラシの上に形状を崩さず静置させることができる程度の粘度を有する。より詳細には、B型粘度計によるロータNo.3、回転数20rpmの測定条件において粘度が1000~5000mPa・sである。多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、下限を1500mPa・s以上とすることが好ましく、2000mPa・s以上とすることがより好ましい。また、多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、上限を4500mPa・s以下とすることが好ましく、4000mPa・s以下とすることがより好ましい。さらに、本発明の多機能口腔内洗浄組成物と水とを5:5の割合(全体を100質量%として多機能口腔内洗浄組成物を50質量%、水を50質量%の割合)で混合した状態の多機能口腔内洗浄組成物(2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物)は、人が口の中(口内)に含んだ状態でゆすぐことができる程度の粘度を有する。より詳細には、上述した測定条件において、粘度が100~1500mPa・sである。2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、下限を300mPa・s以上とすることが好ましく、500mPa・s以上とすることがより好ましい。また、2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、上限を1200mPa・s以下とすることが好ましく、1000mPa・s以下とすることがより好ましい。また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物と水とを2:8の割合(全体を100質量%として多機能口腔内洗浄組成物を20質量%、水を80質量%の割合)で混合した状態の多機能口腔内洗浄組成物(5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物)は、人が口の中(口内)に含んだ状態でゆすぐことができる程度の粘度を有する。より詳細には、上述した測定条件において、粘度が50~200mPa・sである。5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、下限を60mPa・s以上とすることが好ましく、70mPa・s以上とすることがより好ましい。また、5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、上述した測定条件において、上限を180mPa・s以下とすることが好ましく、160mPa・s以下とすることがより好ましい。したがって、消費者は、本発明の多機能口腔内洗浄組成物を希釈しない状態では歯磨剤および舌磨剤として使用することができ、水などの水性溶媒で希釈した状態では洗口剤として使用することができる。多機能口腔内洗浄組成物を洗口剤として使用する場合の希釈倍率は、2~20倍とすることができ、2~10倍とすることが好ましく、2~5倍とすることがより好ましい。このような希釈倍率の範囲であれば、刺激性、爽快性、および味(苦み)といった、消費者の官能評価を洗口剤として好適な範囲とすることができる。
【0029】
<多機能口腔内洗浄ユニット>
図1は、多機能口腔内洗浄ユニット1の一例を示す説明図である。
多機能口腔内洗浄ユニット1は、多機能口腔内洗浄組成物16を収容する収容部11と、収容部11に収容されている多機能口腔内洗浄組成物16を外部からの操作によって外部へと放出する放出部15と、収容部11に収容されている多機能口腔内洗浄組成物を放出部15へと送り出す伝送部14と、放出部15と伝送部14とを覆う蓋部12とを備える。
【0030】
収容部11は、底部を有する内部空洞の円筒形状であって、底部と対向する一方の端部に開口部(図示せず)を有し、内部に半液体状の多機能口腔内洗浄組成物16を収容している。開口部は、伝送部14によって閉じられている。収容部11は、収容されている多機能口腔内洗浄組成物16の量を消費者が視認できるように透明または半透明とすることが好ましい。
【0031】
伝送部14は、収容部11の開口部を閉じるように配置されており、収容部11に収容されている多機能口腔内洗浄組成物16を放出部15へと送り出す機構を備える。このような機構としては、例えば、収容部11の内部空洞と放出部15とを連通するように中空の管17を備え、放出部15からの吸い上げ操作によって収容部11に収容されている半液体状の多機能口腔内洗浄組成物16を管17の内部を経由して放出部15へ向かって吸い上げる機構とすることができる。
【0032】
放出部15は、伝送部14から伝送された多機能口腔内洗浄組成物16を外部へ放出する機構を備える。このような機構としては、例えば、放出部15の頂部が押し込まれる(プッシュ操作される)ことで、収容部11から一定量の多機能口腔内洗浄組成物16を、管17および伝送部14を通して吸い上げ、放出部15に備えられた開口部(図示せず)から放出する機構とすることができる。
【0033】
蓋部12は、無色透明で底部を有する内部空洞の円筒形状であって、底部と対向する一方の端部に開口部(図示せず)を有し、放出部15と伝送部14とを覆うように配置されており、収容部11に対して着脱可能な構成である。蓋部12は、多機能口腔内洗浄組成物16を水等の溶媒で希釈するにあたって、希釈する溶媒である希釈溶媒の量を示唆する表示である目安線13(目安表示部)を備える。本実施例では、目安線13が赤線で蓋部12の周方向に1周配置されており、無色透明な蓋部12の外部からでも目安線13が視認可能となっている。すなわち、蓋部12は、本発明における希釈計量部に相当する。
【0034】
したがって、消費者は、蓋部12を収容部11から取り外し、市販の歯磨き用または舌磨き用のブラシの上に所定量の多機能口腔内洗浄組成物16を垂らすように乗せ、あるいは噴霧して静置させ、多機能口腔内洗浄組成物16の乗ったブラシで歯および舌を磨くなどして、多機能口腔内洗浄組成物16を歯磨剤および舌磨剤として使用することができる。また、蓋部12の内部空洞へ所定量の多機能口腔内洗浄組成物16を投入し、目安線13を目安として水を投入することで、多機能口腔内洗浄組成物16を任意の倍率で希釈し、希釈した多機能口腔内洗浄組成物16を口内でゆすぐなどして、多機能口腔内洗浄組成物16を洗口剤として使用することができる。このとき、収容部11や蓋部12の外周、あるいは多機能口腔内洗浄ユニット1を販売時に収容した外箱に、希釈倍率に対応する多機能口腔内洗浄組成物16の投入量を記載してもよい。例えば、目安線13によって10mlの希釈した多機能口腔内洗浄組成物16を作成する場合、多機能口腔内洗浄ユニット1の放出部15の頂部を1回押し込めば(プッシュ操作すれば)0.5mlの多機能口腔内洗浄組成物16が放出部15から放出されるとして、放出部15の頂部を押し込む回数(プッシュ操作する回数)が4回であれば5倍希釈(2.0ml放出し、水8.0mlと混合する)、10回であれば2倍希釈となる(5.0ml放出し、水5.0mlと混合する)ことを記載してもよい。
【0035】
図2は、多機能口腔内洗浄ユニット100の別の形態の一例を示す説明図である。
多機能口腔内洗浄ユニット100は、収容部11の内部空洞の容量が多機能口腔内洗浄ユニット1の収容部11よりも小さく、放出部15の頂部を1回押し込んだ場合の放出量も多機能口腔内洗浄ユニット1と比較して少量である。このような、多機能口腔内洗浄ユニットの大きさが異なる場合であっても、目安線13の蓋部12の底部からの距離を適宜変更する、または、放出部15の頂部を押し込む回数(プッシュ操作する回数)を適宜変更することで、5倍希釈および2倍希釈の多機能口腔内洗浄組成物16を消費者に作成させることができる。例えば、目安線13によって10mlの希釈した多機能口腔内洗浄組成物16を作成する場合、多機能口腔内洗浄ユニット100の放出部15の頂部を1回押し込めば(プッシュ操作すれば)0.2mlの多機能口腔内洗浄組成物16が放出部15から放出されるとして、放出部15の頂部を押し込む回数(プッシュ操作する回数)が10回であれば5倍希釈(2.0ml放出し、水8.0mlと混合する)、20回であれば2倍希釈となる(5.0ml放出し、水5.0mlと混合する)ことを記載すればよい。
【0036】
以上の構成により、洗口剤、舌磨剤、および歯磨剤として使用できる多機能口腔内洗浄組成物を提供できる。
本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、口腔内洗浄剤と、増粘剤とを含有し、1000~5000mPa・sの粘度を有する。この構成により、希釈しない状態では歯磨き用のブラシや舌磨き用のブラシの上に乗せた状態を維持できるため歯磨剤および舌磨剤として好適に使用でき、所定の倍率で希釈した状態では溶媒中に多機能口腔内洗浄組成物が均一に分散または溶解し、洗口剤として好適に使用できる。すなわち、消費者が異なる歯磨剤と舌磨剤と洗口剤とをすべて持ち歩くようなことをせずとも外出先などで使い分けることができ、消費者の満足度を向上させることができる。
【0037】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、水80質量%に対して多機能口腔内洗浄組成物を20質量%含有させた状態の多機能口腔内洗浄組成物(5倍希釈口腔内洗浄組成物)の粘度が50~200mPa・sである。この構成により、消費者が5倍希釈口腔内洗浄組成物を口内に含んでゆすぐ行為をスムーズに行うことができ、洗口剤として好適に使用できる。
【0038】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、水50質量%に対して多機能口腔内洗浄組成物を50質量%含有させた状態の多機能口腔内洗浄組成物(2倍希釈口腔内洗浄組成物)の粘度が100~1500mPa・sである。この構成により、消費者が5倍希釈口腔内洗浄組成物よりも大きい口内洗浄の効果を求め、より希釈倍率が低い2倍希釈口腔内洗浄組成物であっても、口内に含んでゆすぐ行為をスムーズに行うことができ、洗口剤としてより好適に使用できる。
【0039】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、口腔内洗浄剤として、少なくともココアンホ酢酸Naを含有している。この構成により、ココアンホ酢酸Naが有する刺激緩和作用によって、弱酸性領域でpH緩衝効果を発揮し、アルカリまたは酸性物質の刺激から口腔内を保護することができる。
【0040】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、研磨剤を含有しない。この構成により、多機能口腔内洗浄組成物を希釈して洗口剤として使用する場合であっても、消費者が研磨剤によって口腔内でざらざらとした感触を感じることがなく、希釈した多機能口腔内洗浄組成物を洗口剤としてより好適に使用することができる。
【0041】
また、本発明の多機能口腔内洗浄組成物は、多機能口腔内洗浄組成物中に粉体で存在する成分を含有せず、水性溶媒に添加した多機能口腔内洗浄組成物から分離して水中に沈殿、浮上するような成分を含有していない。この構成により既存の練り歯磨剤と比較して水性溶媒への溶解性が高く、歯磨剤および舌磨剤としてだけでなく、希釈することで洗口剤としても好適に使用することができる。さらに、消費者が粉体の含有成分によって口腔内でざらざらとした感触を感じることがなく、希釈した多機能口腔内洗浄組成物を洗口剤としてより好適に使用することができる。
【0042】
また、本発明の多機能口腔内洗浄ユニット1は、多機能口腔内洗浄組成物16を収容する収容部11と、多機能口腔内洗浄組成物16を水などの希釈溶媒で希釈する場合に希釈溶媒の量の目安の表示である目安線13を備えた蓋部12とを備えている。この構成により、消費者が、歯磨剤または舌磨剤ではなく洗口剤として多機能口腔内洗浄組成物16を使用したい場合に、簡単に洗口剤として適した粘度となるように多機能口腔内洗浄組成物16の粘度を調整することができる。
【0043】
<実施例>
表1に示す複数の成分を、表1に示す配合割合で配合した多機能口腔内洗浄組成物を作成し、実施例とした。
【0044】
【0045】
作成した多機能口腔内洗浄組成物について粘度を測定した。なお、本実施例および本明細書記載の比較例において、粘度の測定には、B型粘度計(東機産業株式会社製、型番TVB-10R)を使用した。B型粘度計は、測定タイプ(型番等で区別、高粘度タイプおよび低粘度タイプに大別される)、ロータ、および回転数の設定によって測定結果の粘度の値が変化するが、ロータに割り振られた番号(ロータNo.)および回転数が大きくなるほど測定結果の粘度の値が低くなる。また。本明細書における測定条件とは、ロータNo.および回転数の設定条件を示す。なお、本実施例では、東機産業株式会社製のB型粘度計である型番TVB-10Rを使用したが、東機産業株式会社製のB型粘度計である型番TVB-10Hや、ブルックフィールド社製の高粘度タイプのB型粘度計を使用しても、同様の測定結果を得ることができる。多機能口腔内洗浄組成物の粘度は、ロータNo.3、回転数20rpmの条件における粘度が2660mPa・sであった。また、作成した多機能口腔内洗浄組成物は、市販の歯磨用ブラシ上および舌磨用ブラシ上で形を崩すことなく静置し、歯磨剤および舌磨剤として好適に使用できた。
【0046】
また、作成した多機能口腔内洗浄組成物を2gと、精製水8gとを混合した5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物について、作成した多機能口腔内洗浄組成物と同じ測定条件で粘度の測定を行ったところ、120mPa・sであった。また、5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、ややさらっとした液体状であり、市販の歯磨用ブラシ上および舌磨用ブラシ上では重力によって形が崩れた。そして、人の口腔内でゆすぐことが可能であった。さらに、作成した多機能口腔内洗浄組成物を5gと、精製水5gとを混合した2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物について、作成した多機能口腔内洗浄組成物と同じ測定条件で粘度の測定を行ったところ、780mPa・sであった。また、2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、ジェル状であり、市販の歯磨用ブラシ上および舌磨用ブラシ上では重力によって形が崩れた。そして、人の口腔内でゆすぐことが可能であった。さらに、作成した多機能口腔内洗浄組成物を1gと、精製水9gとを混合した10倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、さらっとした液体状であり、市販の歯磨用ブラシ上および舌磨用ブラシ上では重力によって形が崩れた。なお、いずれの希釈倍率の場合であっても口腔内に含んだ際の刺激感はなかった。また、希釈倍率を高めるにつれて口腔内に含んだ際の爽快感が低くなった。したがって、5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、一般的な洗口剤として好適に使用でき、2倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、口臭が気になる場合といった、より強く口腔内を洗浄したい場合に洗口剤として好適に使用できた。さらに、希釈倍率を高めた10倍希釈多機能口腔内洗浄組成物は、5倍希釈多機能口腔内洗浄組成物よりもさらに爽快感が低くなり、子供および高齢者の洗口剤としての使用に好適であった。
【0047】
図3aは、実施例を精製水とともに容器に投入した直後の写真であり、
図3bは、実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真であり、
図3cは、実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真であり、
図3dは、実施例を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真である。
実施例の多機能口腔内洗浄組成物2gと、精製水8gとを容器に投入し、容器を水平方向に50回、100回、および150回振って多機能口腔内洗浄組成物の精製水への分散性を確認した。その結果、
図3dに示すように150回振った後には多機能口腔内洗浄組成物が精製水中で細かく混ざり合っている状態となった。したがって、実施例1の多機能口腔内洗浄組成物は、水への分散性が良好であった。
【0048】
<比較例1>
図4aは、比較例1を精製水とともに容器に投入した直後の写真であり、
図4bは、比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真であり、
図4cは、比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真であり、
図4dは、比較例1を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真である。
市販品の舌磨剤を比較例1とした。比較例1について、多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)と同じ測定条件で粘度の測定を行ったところ、測定限界値である10000mPa・sを超えており測定できなかった。ロータの種類をNo.5とし、回転数20rpmの測定条件で測定したところ、粘度が23420mPa・sであった。また、比較例1を2gと、精製水8gとを混合した5倍希釈状態の比較例1について、ロータの種類をNo.3とし、回転数100rpmの測定条件で測定したところ、粘度が70mPa・sであった。さらに、比較例1を5gと、精製水5gとを混合した2倍希釈状態の比較例1について、実施例1と同じ測定条件で粘度の測定を行ったところ、2140mPa・sであった。したがって、比較例1は、希釈していない状態、5倍希釈状態、および2倍希釈状態において多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)よりも粘度が高かった。比較例1の舌磨剤2gと、精製水8gとを容器に投入し、容器を水平方向に50回、100回、および150回振って比較例1の精製水への分散性を観察した。その結果、
図4dに示すように150回振った後であっても比較例1が精製水中で大きな粒で残留しており、混ざり合っていない状態であった。したがって、比較例1の多機能口腔内洗浄組成物は、水への分散性が不良であった。
【0049】
<比較例2>
図5aは、比較例2を精製水とともに容器に投入した直後の写真であり、
図5bは、比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真であり、
図5cは、比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真であり、
図5dは、比較例2を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真である。
市販品のジェル状の歯磨剤を比較例2とした。比較例2について、多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)と同じ条件で粘度の測定を行ったところ、測定限界値である10000mPa・sを超えており測定できなかった。ロータの種類をNo.4とし、回転数20rpmの測定条件で測定したところ、粘度が10040mPa・sであった。したがって、比較例2は、希釈していない状態において多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)よりも粘度が高かった。比較例2の歯磨剤2gと、精製水8gとを容器に投入し、容器を水平方向に50回、100回、および150回振って比較例2の精製水への分散性を観察した。その結果、
図5dに示すように150回振った後であっても比較例2が精製水中で大きな粒で残留しており、混ざり合っていない状態であった。したがって、比較例2の歯磨剤は、水への分散性が不良であった。
【0050】
<比較例3>
図6aは、比較例3を精製水とともに容器に投入した直後の写真であり、
図6bは、比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に50回振った後の写真であり、
図6cは、比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に100回振った後の写真であり、
図6dは、比較例3を精製水とともに容器に投入した後、容器を水平方向に150回振った後の写真である。
比較例2とは異なる市販品のジェル状の歯磨剤を比較例3とした。比較例3について、多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)と同じ条件で粘度の測定を行ったところ、測定限界値である10000mPa・sを超えており測定できなかった。ロータの種類をNo.4とし、回転数20rpmの測定条件で測定したところ、粘度が7360mPa・sであった。また、比較例3を2gと、精製水8gとを混合した5倍希釈状態の比較例1について、ロータの種類をNo.3とし、回転数20rpmの測定条件で測定したところ、粘度が240mPa・sであった。さらに、比較例3を5gと、精製水5gとを混合した2倍希釈状態の比較例3について、実施例1と同じ測定条件で粘度の測定を行ったところ、1620mPa・sであった。したがって、比較例3は、希釈していない状態、5倍希釈状態、および2倍希釈状態において多機能口腔内洗浄組成物(実施例1)よりも粘度が高かった。比較例3の歯磨剤2gと、精製水8gとを容器に投入し、容器を水平方向に50回、100回、および150回振って比較例3の精製水への分散性を観察した。その結果、
図6dに示すように150回振った後であっても比較例3が精製水中で大きな粒で残留しており、混ざり合っていない状態であった。したがって、比較例3の歯磨剤は、水への分散性が不良であった。
【0051】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、歯磨剤、舌磨剤、および洗口剤として使用できる口腔用組成物の製造および販売に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…多機能口腔内洗浄ユニット
11…収容部
12…蓋部
13…目安線
14…伝送部
15…放出部
16…多機能口腔内洗浄組成物
17…管