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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006478
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】移載装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/54 20060101AFI20240110BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65G47/54 B
B65G47/68 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107366
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】三木 勇人
【テーマコード(参考)】
3F016
3F070
【Fターム(参考)】
3F016AA01
3F016CC08
3F070AA06
3F070BD01
3F070BG02
3F070CA05
3F070EA21
3F070EA39
(57)【要約】
【課題】物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止することが可能な移載装置を提供できる。
【解決手段】主搬送コンベヤ部と、副搬送コンベヤ部と、主搬送コンベヤ部又は副搬送コンベヤ部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段を有し、昇降手段によって主搬送状態と副搬送状態の切り替えで搬送物を所望の方向に搬送する移載装置において、搬送物の移動を規制する移動規制部11を有するものとする。そして、移動規制部11の少なくとも一部は、主搬送状態と副搬送状態の切り替えによって昇降するものであり、主搬送状態で主搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、及び/又は、副搬送状態で副搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制するものとする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主搬送コンベヤ部と、副搬送コンベヤ部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段を有し、前記主搬送コンベヤ部は、搬送物を所定方向に搬送する主搬送路を形成し、前記副搬送コンベヤ部は、前記主搬送コンベヤ部と同一の平面領域に配置され、前記主搬送路の搬送方向に対して交差する交差方向に搬送物を搬送する副搬送路を形成するものであり、
前記昇降手段によって前記主搬送路を前記副搬送路よりも上に位置させる主搬送状態と、前記副搬送路を前記主搬送路よりも上に位置させる副搬送状態の切り替えが可能であり、前記主搬送状態と前記副搬送状態を切り替えることで搬送物を所望の方向に搬送する移載装置において、
搬送物の移動を規制する移動規制部を有し、
前記移動規制部の少なくとも一部は、前記主搬送状態と前記副搬送状態の切り替えによって昇降するものであり、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、及び/又は、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、移載装置。
【請求項2】
前記移動規制部の少なくとも一部は、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送面よりも上方に突出し、且つ、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送面よりも下方に位置する、及び/又は、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送面よりも上方に突出し、且つ、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送面よりも下方に位置する、請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記移動規制部は、ベース部と、アーム部と、規制部を有し、
前記アーム部は、前記ベース部と連結するベース連結部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部と連結するコンベヤ連結部と、前記規制部と連結する規制板連結部を有し、
前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部と共に前記コンベヤ連結部が昇降することで、前記アーム部が回動して姿勢変更し、前記アーム部が姿勢変更することで前記規制部が昇降する、請求項1又は2に記載の移載装置。
【請求項4】
前記規制部及び前記アーム部は、前記平面領域の外側に隣接する位置に配され、
前記規制部は、板状の部材であり、前記アーム部は、長板状の部材であり、前記規制部と重ねて配される、請求項3に記載の移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤラインの一部を構成する移載装置に関するものであり、特に搬送物の搬送方向を搬入方向に対して交差する方向に転換することができる移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配送場や集荷場等で物品を搬送するコンベヤ装置(コンベヤライン)が使用されている。例えば、配送場では、物品を配送先ごとに仕分ける必要がある。このため、配送場で使用されるコンベヤ装置は、搬送路が多数に分岐されたものとなる。
【0003】
特許文献1には、所定の方向に物品を搬送する主搬送路と、主搬送路から分岐する副搬送路を有するコンベヤ装置が開示されている。詳細には、このコンベヤ装置は、上流側コンベヤの下流側に移載装置が配され、移載装置の下流側に下流側コンベヤと副搬送コンベヤが配されている。そして、主搬送路が上流側コンベヤ、移載装置、下流側コンベヤによって構成され、副搬送路が副搬送コンベヤによって構成されている。
【0004】
つまり、特許文献1のコンベヤ装置は、主搬送路と副搬送路が分岐する分岐部を有するコンベヤであり、分岐部に移載装置が配される。そして、移載装置は、物品の搬送方向を変更することが可能であり、上流側コンベヤから導入された物品を下流側コンベヤに向かって搬送する動作と、副搬送コンベヤに向かって搬送する動作が可能となっている。
【0005】
ここで、主搬送路に対して副搬送路が直角方向に配置されている場合等では、物品が移載装置をオーバーランしてしまうことが考えられる。すなわち、本来であれば、物品を移載装置から副搬送コンベヤ側に移動させるべきところ、上流側コンベヤから移載装置に導入された物品がそのまま下流側コンベヤ側へと移動してしまい、物品の一部が下流側コンベヤの搬送領域に侵入してしまうことが考えられる。
特許文献1の移載装置は、このようなオーバーランによって生じる分岐部でのジャムを解消する機能を備えたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-70537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来の移載装置には、オーバーランそのものの発生を抑制(防止)するという観点から、改良の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止することが可能な移載装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、主搬送コンベヤ部と、副搬送コンベヤ部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段を有し、前記主搬送コンベヤ部は、搬送物を所定方向に搬送する主搬送路を形成し、前記副搬送コンベヤ部は、前記主搬送コンベヤ部と同一の平面領域に配置され、前記主搬送路の搬送方向に対して交差する交差方向に搬送物を搬送する副搬送路を形成するものであり、前記昇降手段によって前記主搬送路を前記副搬送路よりも上に位置させる主搬送状態と、前記副搬送路を前記主搬送路よりも上に位置させる副搬送状態の切り替えが可能であり、前記主搬送状態と前記副搬送状態を切り替えることで搬送物を所望の方向に搬送する移載装置において、搬送物の移動を規制する移動規制部を有し、前記移動規制部の少なくとも一部は、前記主搬送状態と前記副搬送状態の切り替えによって昇降するものであり、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、及び/又は、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、移載装置である。
【0010】
本様相の移載装置は、移動規制部の少なくとも一部が主搬送状態と副搬送状態の切り替えによって昇降し、移動規制部が主搬送状態で主搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する、及び/又は、副搬送状態で副搬送路の搬送方向とは異なる方向への搬送物の移動を規制する。このため、主搬送状態、及び/又は、副搬送状態で物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止できる。また、主搬送状態と副搬送状態の切り替えによって移動規制部の少なくとも一部が昇降するため、主搬送状態と副搬送状態を切り替える昇降手段の他に移動規制部の昇降のための昇降手段を別途設ける必要がなく部品点数の削減が可能となる。
【0011】
好ましい様相は、前記移動規制部の少なくとも一部は、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送面よりも上方に突出し、且つ、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送面よりも下方に位置する、及び/又は、前記副搬送状態で前記副搬送路の搬送面よりも上方に突出し、且つ、前記主搬送状態で前記主搬送路の搬送面よりも下方に位置する。
【0012】
係る様相によると、簡単な構造で主搬送状態(及び/又は副搬送状態)での物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止可能であり、且つ、副搬送状態(及び/又は主搬送状態)の際に移動規制部が物品の搬送を邪魔しない。
【0013】
好ましい様相は、前記移動規制部は、ベース部と、アーム部と、規制部を有し、前記アーム部は、前記ベース部と連結するベース連結部と、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部と連結するコンベヤ連結部と、前記規制部と連結する規制板連結部を有し、前記主搬送コンベヤ部又は前記副搬送コンベヤ部と共に前記コンベヤ連結部が昇降することで、前記アーム部が回動して姿勢変更し、前記アーム部が姿勢変更することで前記規制部が昇降する。
【0014】
係る様相によると、簡単な構造で主搬送状態(及び/又は副搬送状態)での物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止可能である。また、主搬送コンベヤ部(及び/又は副搬送コンベヤ部)の移動距離が短い場合であっても簡単な構造で規制部の昇降距離を大きくすることが可能であり、規制部を搬送面上に大きく突出させることができる。
【0015】
上記した好ましい様相は、前記規制部及び前記アーム部は、前記平面領域の外側に隣接する位置に配され、
前記規制部は、板状の部材であり、前記アーム部は、長板状の部材であり、前記規制部と重ねて配される、ことがより好ましい。
【0016】
係る様相によると、移動規制部を薄く形成できるので、移載装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、物品の意図しない方向への移動をより確実に抑止することが可能な移載装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る移載装置を備えたコンベヤ装置を示す斜視図である。
図2図1の移載装置を示す斜視図である。
図3図2の移載装置を示す分解斜視図である。
図4】各搬送コンベヤ部のカムフォロアと水平移動部材の位置関係を示す説明図であり、(a)は、主搬送コンベヤ部が上昇位置にあり、副搬送コンベヤ部が下降位置にある状態を示す。(b)は、主搬送コンベヤ部と副搬送コンベヤ部が共に上昇位置にある状態を示し、(c)は、主搬送コンベヤ部が下降位置にあり、副搬送コンベヤ部が上昇位置にある状態を示す。
図5図3のベース部材を示す斜視図である。
図6図3の規制部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は厚さ方向を視線方向とした平面図である。
図7図3のアーム部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は厚さ方向を視線方向とした平面図である。
図8図2の移載装置の移動規制部を模式的に示す説明図であり、(a)は、主搬送状態で移動規制部が退避状態となる様子を示し、(b)は、副搬送状態で移動規制部が移動規制状態となる様子を示す。
図9図8の移載装置を別方向からみた様子を模式的に示す説明図であり、(a)は、主搬送状態で移動規制部が退避状態となる様子を示し、(b)は、副搬送状態で移動規制部が移動規制状態となる様子を示す。
図10図2の移載装置とは異なる実施形態に係る移載装置を示す図であり、(a)は、移動規制部のベース部材及びアーム部材を示す斜視図であり、(b)は、移動規制部材の厚さ方向を視線方向とした平面図である。
図11図2図10とは異なる実施形態に係る移載装置を模式的に示す説明図であり、(a)は、主搬送状態の様子を示し、(b)は、副搬送状態の様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、さらに本発明の実施形態に係る移載装置1について説明する。
【0020】
本実施形態の移載装置1は、図1で示されるように、コンベヤ装置2の分岐部に配される。詳細に説明すると、コンベヤ装置2は、上流側コンベヤ装置3と、移載装置1と、下流側コンベヤ装置4と、分岐側コンベヤ装置5を備えている。そして、コンベヤ装置2は、物品(搬送物)を一定の方向に搬送する主搬送路と、主搬送路から分岐する副搬送路との間で搬送方向の切り替えが可能となっている。
【0021】
主搬送路は、上流側コンベヤ装置3、移載装置1、下流側コンベヤ装置4によって構成される。対して、副搬送路は、分岐側コンベヤ装置5によって構成される。したがって、主搬送路で物品を搬送する場合には、物品が上流側コンベヤ装置3から移載装置1を経て下流側コンベヤ装置4に搬送される。また、副搬送路で物品を搬送する場合、上流側コンベヤ装置3から移載装置1に搬送された物品が、移載装置1から分岐側コンベヤ装置5に搬送される。つまり、移載装置1が配されている分岐部は、主搬送路と副搬送路が分岐する部分である。また、主搬送路の搬送方向(主搬送方向)と副搬送路の搬送方向(副搬送方向)は、平面視で交差する方向(本実施形態では直交する方向)となる。
【0022】
移載装置1は、図2で示されるように、本体部10と移動規制部11を有する。
【0023】
移載装置1の本体部10は、図3で示されるように、主搬送コンベヤ部20と、副搬送コンベヤ部21と、昇降手段22を有している。
【0024】
主搬送コンベヤ部20は、複数の搬送用部材30と、支持部材31,32と、駆動ローラ33を有する。そして、複数の搬送用部材30のそれぞれが搬送用の短尺ローラ(コロ)の列を有している。つまり、主搬送コンベヤ部20は、搬送用の短尺ローラ(コロ)の列を複数有するコンベヤである。
【0025】
搬送用部材30は、立板状の固定部材30aに対し、ローラ郡30bに属する複数のローラをそれぞれ回転可能な状態で取り付けて形成されている。ローラ郡30bに属するローラは、複数の短尺ローラ(コロ)と、複数のプーリである。
【0026】
複数の短尺ローラ(コロ)は、上記した搬送用のローラ列を形成する。ここで、搬送用のローラ列は、駆動ローラ33の動力がベルトを介して伝達されて回転する構造となっている。複数のプーリは、このベルトに張力を付与する部材である。
【0027】
この主搬送コンベヤ部20は、複数の固定部材30aが支持部材31,32に固定されて骨格部分を形成する。そして、上記したように、複数の固定部材30aのそれぞれに搬送用のローラ列が取り付けられている。つまり、主搬送コンベヤ部20では、複数の搬送用部材30と支持部材31,32とが一体化されて一つのユニットになっている。
【0028】
支持部材31,32の下部、すなわち、主搬送コンベヤ部20の下部には、カムフォロア(以下、主搬送側カムフォロア37とする)が設けられている。詳細には、支持部材31,32のうち、搬送用部材30の並列方向の一方側と他方側(図3の手前側と奥側)のそれぞれに主搬送側カムフォロア37が設けられている(図3の奥側となる他方側に設けられた主搬送側カムフォロア37については図示しない)。なお、主搬送側カムフォロア37は、コロである。
【0029】
主搬送コンベヤ部20は、複数の搬送用のローラ列によって搬送路を形成し、ローラ列に属する短尺ローラ(コロ)が回転することで、搬送路の上に載った物品を搬送する。すなわち、移載装置1を主搬送状態としたとき(詳しくは後述する)、複数のローラ列にそれぞれ属する短尺ローラの上側に主搬送コンベヤ部20の搬送面が形成される。
なお、ここでいう搬送面は、主搬送コンベヤ部20の搬送物を搬送する部分(搬送用のローラ列に属するローラの上端部分)の高さと同一の高さに形成される仮想平面であり、水平方向に広がりを持つ平面である。
【0030】
副搬送コンベヤ部21は、複数の搬送ローラ45(長尺状ローラ)と、複数の搬送ローラ45を回転可能に支持するフレーム部46を有している。すなわち、副搬送コンベヤ部21は、ローラコンベヤであり、複数の搬送ローラ45とフレーム部46とが一体化されたユニットである。
詳細には、フレーム部46は、第一フレーム部46a、第二フレーム部46b、第三フレーム部46c、第四フレーム部46dを有する。第一フレーム部46a、第二フレーム部46bは、搬送ローラ45の長手方向で離れた位置に配されており、それぞれ搬送ローラ45の回転軸を支持する。第三フレーム部46c、第四フレーム部46dは、搬送ローラ45の並列方向で離れた位置に配されている。
【0031】
そして、第三フレーム部46c、第四フレーム部46dは、第一フレーム部46a、第二フレーム部46bの間に配され、長手方向の一端側が第一フレーム部46aと連続し、他端側が第二フレーム部46bと連続している。つまり、第一フレーム部46a、第二フレーム部46b、第三フレーム部46c、第四フレーム部46dは、環状(四角環状)に連続するように形成されている。
【0032】
副搬送コンベヤ部21の下部、すなわち、第三フレーム部46cの下部と第四フレーム部46dの下部には、カムフォロア(以下、副搬送側カムフォロア47とする)が設けられている。なお、第四フレーム部46dの下部に設けられた副搬送側カムフォロア47については、作図の都合上図示しない。また、副搬送側カムフォロア47は、コロである。
【0033】
ここで、複数の搬送ローラ45のうちの少なくとも一つは駆動ローラであり、その他は従動ローラである。そして、駆動ローラと従動ローラがベルト部材を介して動力伝達されている。副搬送コンベヤ部21は、複数の搬送ローラ45によって搬送路を形成し、搬送ローラ45が回転することで、搬送路の上に載った物品を搬送する。すなわち、移載装置1を副搬送状態としたとき(詳しくは後述する)、複数の搬送ローラ45が並列する部分の上側に副搬送コンベヤ部21の搬送面が形成される。
なお、ここでいう搬送面は、副搬送コンベヤ部21の搬送物を搬送する部分(搬送ローラ45の上端部分)の高さと同一の高さに形成される仮想平面であり、水平方向に広がりを持つ平面である。
【0034】
昇降手段22は、動力源となるモータ内蔵ローラ54と、昇降機構55によって構成されている。
【0035】
モータ内蔵ローラ54は、ローラ本体内に図示しないモータと減速機が内蔵されたものであり、内部のモータに通電することによってローラ本体が回転する。本実施形態のモータ内蔵ローラ54には、ローラ本体の両端にピニオンギヤ60が取り付けられている。そして、ローラ本体が回転するとピニオンギヤ60が回転する構造としている。
【0036】
昇降機構55は、上記したピニオンギヤ60と、水平移動部材61と、上記した主搬送側カムフォロア37と、上記した副搬送側カムフォロア47を含んで構成されている。
【0037】
水平移動部材61は、直動カムであり、凹凸のある長尺状の上面を有する。
詳細には、水平移動部材61の長手方向の中心近傍に、ラック部61aが上向きに設けられている。このラック部61aは、上記したピニオンギヤ60を係合する。
そして、水平移動部材61の上面は、ラック部61aを挟んだ片側の部分と、他方側の部分とが山なりに形成されている。すなわち、いずれも2つの低位置部62の間に高位置部63を有している。また、水平移動部材61の下部には、誘導コロ65が設けられている。
【0038】
以上のことから、モータ内蔵ローラ54を回転することで、水平移動部材61に動力が伝動され、水平移動部材61が往復移動する。詳細には、水平移動部材61は、水平移動部材61の長手方向に往復移動する。
【0039】
ここで本実施形態の移載装置1では、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21が共にユニット化され、これら主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の下側部分がメインフレーム70の内側に配置されて、図2に示す様な外観を呈している。すなわち、移載装置1を平面視したとき、主搬送コンベヤ部20、副搬送コンベヤ部21は、同一の平面領域(平面視でメインフレーム70の縁部分で囲まれた領域)に配されている。また、同平面視において、副搬送コンベヤ部21の2つの搬送ローラ45の間に、主搬送コンベヤ部20の搬送用のローラ列が位置するように配されている(図2参照)。
【0040】
そして、モータ内蔵ローラ54を回転させることで、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21が交互に昇降する。
【0041】
詳細に説明すると、主搬送コンベヤ部20、副搬送コンベヤ部21は、規制手段によって水平方向への移動が制限され、メインフレーム70に対してまっすぐ直線状に昇降する構造となっている。そして、図4で示されるように、水平移動部材61の上面には、主搬送側カムフォロア37と、副搬送側カムフォロア47が載置された状態となっている。
【0042】
ここで、主搬送側カムフォロア37が高位置部63に載置され、副搬送側カムフォロア47が低位置部62に載置された状態(図4(a)参照)では、主搬送コンベヤ部20が上昇位置に配され、副搬送コンベヤ部21が下降位置に配される。この状態は、主搬送コンベヤ部20の搬送面が副搬送コンベヤ部21の搬送面よりも上方に位置し、移載装置1が主搬送コンベヤ部20によって物品を搬送する状態(以下、主搬送状態とする)である。
そして、主搬送状態から上記したように、水平移動部材61を水平移動させることで、主搬送側カムフォロア37、副搬送側カムフォロア47が共に高位置部63に載置された状態(図4(b)参照)となる。そして、そのまま水平移動部材61を水平移動させることで、主搬送側カムフォロア37が低位置部62に載置され、副搬送側カムフォロア47が高位置部63に載置された状態(図4(c)参照)となる。すなわち、主搬送コンベヤ部20が下降位置に配され、副搬送コンベヤ部21が上昇位置に配された状態となる。この状態は、副搬送コンベヤ部21の搬送面が主搬送コンベヤ部20の搬送面よりも上方に位置し、移載装置1が副搬送コンベヤ部21によって物品を搬送する状態(以下、副搬送状態とする)である。
【0043】
以上のように本実施形態の移載装置1は、主搬送状態から副搬送状態への切り替えが可能となっている。また、上記とは逆方向に水平移動部材61を水平移動させることで、副搬送状態から主搬送状態への切り替えが可能となる。すなわち、移載装置1は、主搬送状態と副搬送状態を適宜切り替え可能な装置である。
【0044】
移動規制部11は、本実施形態の特徴的な部分であり、図2図3で示されるように、ベース部材80(ベース部)と、2つで一対のアーム部材81(アーム部)と、移動規制部材82(規制部)と、押さえ板部材83を有する。
【0045】
ベース部材80は、図5で示されるように、上下方向で離れた位置にある上板部80a及び下板部80bと、これら上板部80a及び下板部80bを連結する立板部80cを有する金属製の部材である。すなわち、上板部80a、下板部80b、立板部80cが略コ字状に連続して形成される部材である。
上板部80a、下板部80bは、上下方向に厚さを有する板状部分である。上板部80aは、2つのアーム部材81と係合する係合部として機能する。また、下板部80bは、ベース部材80をメインフレーム70に固定する際の固定片(取り付け部)として機能する。
【0046】
アーム部材81は、図6で示されるように、金属製の長板状部材であり、長手方向の片側端部側にベース連結部86が設けられている。また、長手方向の他方端部側に規制板連結部87が設けられている。さらに、長手方向でベース連結部86と規制板連結部87の間となる位置にコンベヤ連結部88が設けられている。
【0047】
ベース連結部86は、アーム部材81の長手方向の片側端部側の縁部分から他方端部側に向かって延びるように形成された切り欠き溝状の部分である。このベース連結部86は、アーム部材81を厚さ方向に貫通する長孔状の部分でもある。また、このベース連結部86は、ベース部材80と係合する係合部として機能する。つまり、ベース連結部86と、上記したベース部材80の上板部80aは、対となる係合部となる。
【0048】
規制板連結部87、コンベヤ連結部88は、ボルト等の一時締結要素を挿通する孔である。すなわち、規制板連結部87、コンベヤ連結部88は、アーム部材81を厚さ方向に貫通する。
なお、ここでいう「一時締結要素」とは、締結要素の一種であって、被締結物を取り外せるように結合する機械構成要素の総称である。すなわち、締結及びその解除が可能であり、例えば、ねじ、ボルト等である。
【0049】
コンベヤ連結部88は、アーム部材81の長手方向の片側端部側の位置に形成されている。すなわち、コンベヤ連結部88からベース連結部86までの距離は、コンベヤ連結部88から規制板連結部87までの距離よりも短い。
【0050】
移動規制部材82は、図7で示されるように、金属製の板状部材である。この移動規制部材82の下側部分には、長手方向の中央側に欠落部90が設けられている。
また、移動規制部材82には、第一長孔部91、第二長孔部92、アーム連結部93が設けられている。
【0051】
第一長孔部91、第二長孔部92は、いずれも上下方向に延びる縦長の長孔であり、移動規制部材82を厚さ方向に貫通している。
【0052】
アーム連結部93は、移動規制部材82の長手方向(幅方向)に延びる横長の長孔であり、移動規制部材82を厚さ方向に貫通する。アーム連結部93は、移動規制部材82の長手方向の一方端側と他方端側にそれぞれ形成されている。これらは、いずれも移動規制部材82の下側部分(下端の近傍)に形成される。
【0053】
押さえ板部材83は、図3図8で示されるように、締結要素によって第一フレーム部46aに固定される立板状の部材である。また、押さえ板部材83には、取り付け用の締結要素を挿通する取付用孔と、内側に搬送ローラ45(図3参照)の軸等(副搬送コンベヤ部21の一部)を配する部材配置用孔が形成されている。取付用孔、部材配置用孔は、いずれも押さえ板部材83を厚さ方向に貫通する孔である。
【0054】
続いて、移動規制部11の組み立て構造について説明する。
【0055】
図3図8で示されるように、第一フレーム部46aの外側に2つのアーム部材81が配されており、下側部分の一部がアーム部材81の外側に位置するように移動規制部材82が配される。そして、移動規制部材82の外側に押さえ板部材83が配されている。
このとき、アーム部材81、移動規制部材82、押さえ板部材83は、いずれも厚さ方向が同方向(図8の手前奥方向であり、主搬送方向と平行な方向)となるように配されている。
【0056】
ここで、本実施形態では、図8等で示されるように、主搬送方向の下流側からみた平面視において、2つのアーム部材81が左右対称になるように配されている。すなわち、搬送ローラ45の並列方向(図8では左右方向、図2参照)で中心側となる位置に、ベース部材80が配されている。そして、一方のアーム部材81は、ベース部材80が位置する同方向の中心側の部分から同方向の一方端側に向かって延びるように配されている。そして、他方のアーム部材81は、同方向の中心側から他方端側に向かって延びるように配されている。以下の説明では、一方のアーム部材81について説明し、他方の詳細な説明を省略する。
【0057】
図8で示されるように、アーム部材81のベース連結部86と、ベース部材80の上板部80a(図5参照)が係合している。詳細には、ベース連結部86の内側に上板部80aが遊びを持って嵌められた状態となっている。このとき、アーム部材81は、ベース連結部86の内側に上板部80aが位置した状態のまま、規制板連結部87側の端部を揺動可能となっている。
【0058】
また、アーム部材81の一部分が第一フレーム部46a(副搬送コンベヤ部21)と締結要素を介して連結されている。具体的には、アーム部材81のコンベヤ連結部88の内側に軸部材(ボルトの軸部)が挿通されており、副搬送コンベヤ部21の昇降によって軸部材が昇降することで、アーム部材81のコンベヤ連結部88及びその周辺が昇降する。すなわち、副搬送コンベヤ部21が昇降すると、アーム部材81のコンベヤ連結部88及びその周辺が昇降する構造となっている。
【0059】
さらに、アーム部材81の一部分が移動規制部材82と締結要素を介して連結されている。具体的には、アーム部材81の規制板連結部87(図6参照、図8では図示しない)と、移動規制部材82のアーム連結部93の一部とが主搬送方向(図8の手前奥方向)で重なって連通孔を形成し、この連通孔に軸部材(ボルトの軸部)が挿通されている。
ここで、軸部材は、規制板連結部87(図6参照、図8では図示しない)の内側に略丁度挿通されている。その一方で、軸部材は、アーム連結部93に対して遊びを持って挿通された状態となっている(図8(a)、図8(b)参照)。このことから、アーム部材81は、移動規制部材82に対して回動自在に連結されている。また、軸部材がアーム連結部93に対して相対移動することで、軸部材がアーム連結部93内の異なる位置に配された(挿通された)状態となる(図8(a)、図8(b)参照)。
【0060】
ここで、図8で示されるように、移動規制部材82の第二長孔部92内の一部に、第一フレーム部46aの外側(図8では手前側)に突出する搬送ローラ45(図3参照)の軸等が挿通された状態となっている。つまり、第二長孔部92は、内側に搬送ローラ45の軸等(副搬送コンベヤ部21の一部)を配する孔である。
なお、複数の第二長孔部92のうちの一部は、押さえ板部材83の部材配置用孔と重なって連通孔を形成しており、この連通孔の内側に搬送ローラ45の軸等が配された状態となっている。
【0061】
ここで、押さえ板部材83は、フレーム部46(第一フレーム部46a)に対して締結要素を介して固定されている。すなわち、フレーム部46に相対移動しない状態で取り付けられている。
そして、押さえ板部材83をフレーム部46に取り付ける締結要素の軸部材(ボルトの軸部)の一部が、移動規制部材82の第一長孔部91に挿通された状態となっている。このとき、この締結要素(押さえ板部材83の取付用部材)の軸部材と、第一長孔部91は、移動規制部材82の水平方向(図8の左右方向であり、副搬送方向と平行な方向)への移動を規制する昇降時移動規制手段として機能する。
なお、上記した搬送ローラ45の軸等と、第二長孔部92(第二長孔部92と部材配置用孔からなる連通孔)もまた、昇降時移動規制手段として機能する。
【0062】
以上のことから、本実施形態の移載装置1は、主搬送状態であるとき、移動規制部材82が退避状態となる(図8(a)、図9(a)参照)。そして、副搬送状態であるとき、移動規制部材82が移動規制状態となる(図8(b)、図9(b)参照)。つまり、主搬送状態と副搬送状態を切り替えることで、移動規制部材82の退避状態と移動規制状態が切り替わる。
【0063】
詳細に説明すると、主搬送状態から副搬送状態に切り替えるとき、上記したように、主搬送コンベヤ部20が下降し、副搬送コンベヤ部21が上昇する。このとき、2つのアーム部材81のそれぞれの一部分が第一フレーム部46aと締結要素を介して連結されていることから、副搬送コンベヤ部21が上昇に伴って、2つのアーム部材81のコンベヤ連結部88及びその周辺が上昇する。
【0064】
このとき、ベース部材80はメインフレーム70に固定されており(図3参照)、昇降しない。このため、アーム部材81のコンベヤ連結部88及びその周辺が上昇する際、アーム部材81の一部がベース部材80の上板部80aに下方から当接する。詳細には、ベース連結部86を挟んで上下に位置する部分のうち、下方側の部分が上板部80aに下方から当接する。
【0065】
このことから、アーム部材81は、コンベヤ連結部88及びその周辺が上昇する一方、ベース連結部86が形成されている端部の上方への移動が規制される。ここで、上記したように、ベース連結部86の内側に上板部80aが遊びを持って嵌められていることから、アーム部材81が回動して姿勢変更する。すなわち、アーム部材81は、コンベヤ連結部88に挿通されている軸部材を中心に回動し、規制板連結部87(図6参照)側の端部が大きく上側に移動する。
【0066】
そして、図8(b)で示されるように、2つのアーム部材81のそれぞれが、ベース連結部86側の端部が下側に位置し、規制板連結部87(図6参照)側の端部が上側に位置する姿勢(回動後姿勢)となることで、移動規制部材82が上方に移動する。すなわち、上記したように、アーム部材81の規制板連結部87(図6参照)側の端部と、移動規制部材82とが軸部材を介して連結されている。このため、2つのアーム部材81の規制板連結部87(図6参照)側の端部が上方に移動することで、移動規制部材82が上方に移動する。
【0067】
ここで、副搬送コンベヤ部21が下降位置から上昇位置に移動する際の移動距離を距離L1とし、移動規制部材82が退避状態から突出状態に移行するときの移動距離を距離L2とすると、距離L2が距離L1よりも大きくなる。
【0068】
また、図9(a)のように、移動規制部材82が退避状態であるとき、その際の移載装置1の搬送面(主搬送コンベヤ部20の搬送面であり、主搬送路の搬送面)の高さH1が、移動規制部材82の上端の高さH2よりも高位置に位置した状態となる。
対して、図9(b)のように、移動規制部材82が移動規制状態であるとき、その際の移載装置1の搬送面(副搬送コンベヤ部21の搬送面であり、副搬送路の搬送面)の高さH1が、移動規制部材82の上端の高さH2よりも低位置に位置した状態となる。
【0069】
すなわち、本実施形態の移載装置1は、上記した構成とすることで、副搬送コンベヤ部21を昇降させる昇降手段22によって移動規制部材82を昇降させることが可能となる。したがって、移動規制部材82を昇降させるための動力源を別途設ける必要がなく、移載装置1の部品点数を削減して安価に製造可能であると共に、移載装置1のコンパクト化を図ることができる。
さらに、副搬送コンベヤ部21の移動距離(距離L1)が短い場合であっても、移動規制部材82の移動距離(距離L2)を長くすることができる。このことから、移動規制部材82を突出状態としたとき、移動規制部材82のうちで搬送面より上側に位置する部分を十分に長くすることが可能であり、物品(搬送物)の移動を十分に阻止可能となる。
【0070】
本実施形態のコンベヤ装置2(図1参照)では、物品を搬送する際、図示しないセンサ等によって物品が上流側コンベヤ装置3上に移動したことが確認されたことを条件として、移載装置1の主搬送状態と副搬送状態の切り替えを行う。例えば、物品を副搬送路で搬送する場合、移載装置1が主搬送状態であれば、物品が上流側コンベヤ装置3上に移動された際に移載装置1が副搬送状態に切り替わり、それに伴って移動規制部材82が退避状態から移動規制状態に切り替わる。このことにより、物品の一部が誤って下流側コンベヤ装置4上に侵入してしまう所謂オーバーランの発生を防止できる。
【0071】
より詳細には、移動規制部材82の上側の一部が、移載装置1と下流側コンベヤ装置4の境界となる位置の近傍で搬送面上に突出する。このことにより、物品が移載装置1側から下流側コンベヤ装置4に搬送できない状態となり、オーバーランの発生を防止できる。
【0072】
上記した実施形態では、ベース部材80を上板部80a、下板部80b、立板部80cが略コ字状に連続して形成される部材とした(図5参照)。そして、アーム部材81が切り欠き溝状のベース連結部86を有する構成とし(図6参照)、ベース連結部86に上板部80aが遊びを持って嵌められた状態とすることで(図8参照)、アーム部材81とベース部材80を係合させた。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
【0073】
例えば、図10(a)で示されるように、下板部184と立板部185を有し、これら下板部184と立板部185が略L字状に連続するベース部材180(ベース部)を採用してもよい。この場合、アーム部材181(アーム部)のベース連結部186は、アーム部材181を厚さ方向に貫通する貫通孔であってもよい。
そして、ベース部材180とアーム部材181は、締結要素を介して連結してもよい。すなわち、立板部185を厚さ方向に貫通する取付用孔をベース部材180に形成し、立板部185の取付用孔と、アーム部材181(アーム部)のベース連結部186を重ねて連通孔を形成する。そして、この連通孔に軸部材(ボルトの軸部)を挿通し、ベース部材180とアーム部材181を連結する。このことにより、アーム部材181は、ベース連結部186の内側に挿通された軸部材を中心に回動させることで、規制板連結部87側の端部が揺動する。すなわち、アーム部材181は、規制板連結部87側の端部が揺動可能な状態でベース部材180と連結した状態となる。
【0074】
この場合においても、図10(b)で示されるように、2つのアーム部材181のそれぞれと移動規制部材82を連結する。そして、副搬送コンベヤ部21の昇降に伴って、アーム部材181のコンベヤ連結部88及びその周辺が昇降することで、移動規制部材82の退避状態と移動規制状態が切り替わることとなる。
【0075】
上記した実施形態の移載装置1は、主搬送状態と副搬送状態の切り替えを行うとき、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の一方が上昇し、他方が下降する構成とした。すなわち、主搬送コンベヤ部20と副搬送コンベヤ部21の双方が上下方向に移動する構成した。しかしながら、本発明の移載装置は、いずれか一方のみが昇降することで主搬送状態と副搬送状態を切り替えてもよい。
【0076】
上記した実施形態の移載装置1では、副搬送コンベヤ部21の昇降によって移動規制部材82が昇降し、主搬送状態で退避状態となり、副搬送状態で移動規制状態となるものとした。また、移動規制状態では、物品の主搬送方向への移動を規制するものとした。
しかしながら、本発明はこれに限らず、主搬送コンベヤ部20の昇降によって移動規制部材が昇降し、主搬送状態で移動規制状態となり、副搬送状態で退避状態となる移動規制部を設けることも考えられる。この場合、移動規制状態では、物品の副搬送方向への移動を規制する。
また、副搬送コンベヤ部21の昇降によって移動規制部材が昇降する移動規制部(第一の移動規制部)と、主搬送コンベヤ部20の昇降によって移動規制部材が昇降する移動規制部(第二の移動規制部)の双方を設けることも考えられる。上記したように、第一の移動規制部は、移動規制状態で物品の主搬送方向への移動を規制し、第二の移動規制部は、移動規制状態で物品の副搬送方向への移動を規制する。
【0077】
ここで、上記した実施形態のうち、図8等で示される例において、ベース部材80の上板部80aとアーム部材81のベース連結部86とが連結する部分を第一連結部とする。また、コンベヤ部(副搬送コンベヤ部21)とアーム部材81のコンベヤ連結部88とが連結する部分を第二連結部とし、移動規制部材82のアーム連結部93とアーム部材81の規制板連結部87とが連結する第三連結部とする。
同様に、図10で示される例では、ベース部材180の取付用孔とアーム部材181のベース連結部186とが連結する部分を第一連結部とし、第二連結部と第三連結部は、図8等で示される例と同様とする。
【0078】
つまり、上記した実施形態では、アーム部材81(アーム部材181)が、ベース部材80(ベース部材180)、コンベヤ部、移動規制部材82のそれぞれと第一連結部、第二連結部、第三連結部で連結している例について説明した。そして、第三連結部では、アーム連結部93を横長の長孔とし、連結対象となるアーム部材81(アーム部材181)と移動規制部材82を連結させる際、これらの連結対象の間に介在する締結要素の軸部がアーム連結部93に対して相対移動可能とした。つまり、第三連結部では、連結対象となる部材(例えば、アーム部材81と移動規制部材82)の連結位置が水平方向(水平方向成分を含む方向)にずれることを許容した状態で連結させた。
上記した実施形態では、第一連結部、第二連結部、第三連結部から選択される2つ以下の部分で、連結位置が水平方向成分を含む方向にずれることを許容して連結させてもよい。また、その場合、二部材のいずれか一方に形成する孔を長孔とする構成の他、二部材の双方に形成する孔を長孔としてもよい。例えば、上記の図10で示される例において、第一連結部を「連結位置が水平方向成分を含む方向にずれることを許容して連結させる」場合について説明する。この場合、アーム部材181の立板部185に形成する取付用孔と、アーム部材181のベース連結部186のいずれか一方、又は双方を横長の長孔としてもよい。
【0079】
上記した実施形態では、移動規制部材82の移動距離(距離L2)を副搬送コンベヤ部21の移動距離(距離L1)よりも大きくした例を示した。
しかしながら、図11で示される移載装置201のように、移動規制部(移動規制部において搬送物の移動を規制する部分)と、副搬送コンベヤ部221の移動距離は同じであってもよい。本実施形態の移載装置201は、主搬送コンベヤ部220と副搬送コンベヤ部221を有している。そして、主搬送コンベヤ部220は昇降せず、副搬送コンベヤ部221が昇降することで主搬送状態と副搬送状態が切り替わる構造となっている。
【0080】
副搬送コンベヤ部221は、搬送ローラ45の回転軸の片側を支持する第一フレーム部材246aと、他方側を支持する第二フレーム部材246bを有する。第二フレーム部材246bの上端部分は、搬送ローラ45の上端部分よりも上方であり、第一フレーム部材246aの上端部分よりも上方に位置する。一方、第一フレーム部材246aの上端は、搬送ローラ45の上端部分よりも下方に位置する。
【0081】
第二フレーム部材246bは、一部が搬送ローラ45の上端部分よりも上方で延びる立板部211(移動規制部)を有している。そして、この立板部211のうち、搬送ローラ45の上端部分よりも上方で延びる部分が搬送物の移動を規制する部材(規制部)として機能する。
【0082】
すなわち、副搬送コンベヤ部221が下降位置に配された状態では、図11(a)で示されるように、主搬送コンベヤ部220の搬送面が副搬送コンベヤ部221の搬送面よりも上方に位置する主搬送状態となる。対して、副搬送コンベヤ部221が上昇位置に配された状態では、図11(b)で示されるように、副搬送コンベヤ部221の搬送面が主搬送コンベヤ部220の搬送面よりも上方に位置する副搬送状態となる。なお、本実施形態では、主搬送状態と副搬送状態のそれぞれで主搬送コンベヤ部220の上端部分の高さが同じ高さとなっている(上下方向の位置が同じ位置となっている)。そして、主搬送状態では、搬送面(主搬送路の搬送面)の高さH1が、立板部211の上端の高さH2よりも高位置に位置した状態となる(図11(a)参照)。対して、副搬送状態では、その際の移載装置1の搬送面(副搬送路の搬送面)の高さH1が、立板部211の上端の高さH2よりも低位置に位置した状態となる(図11(a)参照)。このように、副搬送コンベヤ部221を大きく上下に移動させる場合には、搬送物の移動を規制する部分と、副搬送コンベヤ部221の移動距離を同じとする構成としてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,201 移載装置
2 コンベヤ装置
11 移動規制部
20,220 主搬送コンベヤ部
21,221 副搬送コンベヤ部
22 昇降手段
80,180 ベース部材(ベース部)
81,181 アーム部材(アーム部)
82 移動規制部材(規制部)
86,186 ベース連結部
87 規制板連結部
88 コンベヤ連結部
211 立板部(移動規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11