(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064785
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20240507BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240507BHJP
H04N 1/407 20060101ALI20240507BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
H04N1/60
G06F3/12 308
G06F3/12 344
G06F3/12 354
G06F3/12 385
H04N1/407 780
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173646
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石部 充弘
【テーマコード(参考)】
2C061
5C077
5C079
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AR01
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN15
5C077LL11
5C077LL19
5C077MM27
5C077PP33
5C077PP36
5C077PP37
5C077PQ08
5C077TT02
5C079HA19
5C079HB03
5C079HB08
5C079LA02
5C079LA31
5C079LB01
5C079MA10
5C079NA03
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】第1の印刷装置で、印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする。
【解決手段】情報処理システムは、情報処理装置と、複数の印刷装置と、を有し、情報処理装置はプロセッサを備え、プロセッサは、第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、第1の印刷指示に基づいて、印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、第1の実測値と第2の実測値との差異である第1の差異を、第2の印刷装置に対して送信し、第2の印刷装置は、第1の差異に基づいて算出される設定値を用いて、第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
複数の印刷装置と、を有し、
前記複数の印刷装置は、
第1の印刷装置と、
1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、
前記情報処理装置はプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異を、前記第2の印刷装置に対して送信し、
前記第2の印刷装置は、
前記第1の差異に基づいて算出される設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する、
情報処理システム。
【請求項2】
情報処理装置と、
複数の印刷装置と、を有し、
前記複数の印刷装置は、
第1の印刷装置と、
1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、
前記情報処理装置はプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異に基づいて、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を算出し、
前記設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信し、
前記第2の印刷装置は、
前記設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する、
情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置から前記第1の印刷物の色の実測値をそれぞれ取得し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の実測値との差異である第2の差異が小さい順に、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、
提示した前記印刷装置の中から受け付けた1の前記印刷装置を前記第2の印刷装置として決定する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第1の実測値と、前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第1の値を算出し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異を算出し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置のうち、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値以下の印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値よりも大きい印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示しない、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記複数の印刷装置毎に、前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第2の値を算出し、
前記複数の前記第2の値のうち、最大でなく、かつ最小でない前記第2の値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
複数の前記第2の値のうち、中央値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異、または前記第1の差異に基づいて算出され、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信する、
情報処理装置。
【請求項8】
第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異、または前記第1の差異に基づいて算出され、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信する、
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワーク上に複数のカラー印刷機と複数のクライアントPCとが介在した画像処理装置が開示されている。この画像処理装置は、複数のカラー印刷機よりカラーパッチを出力し、各カラー印刷機を管理する印刷オペレータによって付属の測色機によって測色データを取得する手段を備える。また、この画像処理装置は、前記測色データをネットワーク上に存在する各カラー印刷機の色管理を一手に引き受けるカラー管理者に転送する手段を備える。また、この画像処理装置は、前記カラー管理者が各印刷オペレータより転送されたカラー印刷機の測色データの出力特性情報に基づき、前記各カラー印刷機でのカラー再現状態をマッチングさせるためのカラープロファイルデータを作成する手段を備える。また、この画像処理装置は、前記作成したカラープロファイルデータを含み、その他色調整情報を加えたデータの集合体である色のお気に入りを作成する手段を備える。また、この画像処理装置は、前記色のお気に入りをカラー管理者よりネットワーク上の各印刷オペレータが管理するカラー印刷機を制御するクライアントPCへ転送する手段を備える。
【0003】
特許文献2には、色変換を行うCMM(Color Management Module)を有するプリンタに色検証チャートを出力させて色検証を行う装置で動作する色変換制御プログラムが開示されている。この色変換制御プログラムは、前記装置に、前記色検証チャートの出力対象のプリンタの情報を取得し、前記出力対象のプリンタのCMMを特定する第1処理を実行させる。また、この色変換制御プログラムは、自装置のCMMと前記出力対象のプリンタのCMMとが異なる場合に、CMMの差による色変換の誤差を取得する第2処理、及びICC(International Color Consortium)プロファイルを設定する第3処理を実行させる。また、この色変換制御プログラムは、設定された前記ICCプロファイルを適用し、前記自装置のCMMを用いて、前記色検証チャートの画像データに対して色変換を行う第4処理を実行させる。また、この色変換制御プログラムは、予め記憶した補正LUTを参照して、前記色変換を行った前記色検証チャートの画像データに対して、前記色変換の誤差の補正を行う第5処理を実行させる。また、この色変換制御プログラムは、前記色変換及び前記補正を行った前記色検証チャートの画像データを、前記出力対象のプリンタに送信する第6処理を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-037405号公報
【特許文献2】特開2018-093377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、第1の印刷装置で印刷された印刷物の色を考慮せずに定められた設定値を用いて第2の印刷装置で印刷ジョブを印刷する場合と比べて、第1の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする情報処理システム、情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理システムは、情報処理装置と、複数の印刷装置と、を有し、前記複数の印刷装置は、第1の印刷装置と、1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、前記情報処理装置はプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異を、前記第2の印刷装置に対して送信し、前記第2の印刷装置は、前記第1の差異に基づいて算出される設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する。
【0007】
第2態様に係る情報処理システムは、情報処理装置と、複数の印刷装置と、を有し、前記複数の印刷装置は、第1の印刷装置と、1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、前記情報処理装置はプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異に基づいて、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を算出し、前記設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信し、前記第2の印刷装置は、前記設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する。
【0008】
第3態様に係る情報処理システムは、第1態様又は第2態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置から前記第1の印刷物の色の実測値をそれぞれ取得し、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の実測値との差異である第2の差異が小さい順に、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、提示した前記印刷装置の中から受け付けた1の前記印刷装置を前記第2の印刷装置として決定する。
【0009】
第4態様に係る情報処理システムは、第3態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の実測値と、前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第1の値を算出し、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異を算出し、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置のうち、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値以下の印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値よりも大きい印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示しない。
【0010】
第5態様に係る情報処理システムは、第1態様又は第2態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記複数の印刷装置毎に、前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第2の値を算出し、前記複数の前記第2の値のうち、最大でなく、かつ最小でない前記第2の値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する。
【0011】
第6態様に係る情報処理システムは、第5態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、複数の前記第2の値のうち、中央値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する。
【0012】
第7態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異、または前記第1の差異に基づいて算出され、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信する。
【0013】
第8態様に係る情報処理プログラムは、第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異、または前記第1の差異に基づいて算出され、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様、第7態様、及び第8態様によれば、第1の印刷装置で印刷された印刷物の色を考慮せずに定められた設定値を用いて第2の印刷装置で印刷ジョブを印刷する場合と比べて、第1の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする。
【0015】
第2態様によれば、第1の印刷装置で印刷された印刷物の色を考慮せずに定められた設定値を用いて第2の印刷装置で印刷ジョブを印刷する場合と比べて、第1の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする。
【0016】
第3態様によれば、第2の差異が小さい順に第2の印刷装置の候補を提示しない場合に比較して、第2の差異が相対的に小さい印刷装置が第2の印刷装置として決定する可能性が高くなる。
【0017】
第4態様によれば、第1の印刷物の色の実測値と第1の印刷物の色の期待値との差異が第1の値以下の印刷装置が、第2の印刷装置として決定されることを防ぐことができる。
【0018】
第5態様によれば、最大又は最小の第2の値に対応する印刷装置を第1の印刷装置とする場合に比較して、補正する量を低減して印刷物を印刷できる。
【0019】
第6態様によれば、中央値の第2の値に対応する印刷装置を第1の印刷装置としない場合に比較して、補正する量を低減して印刷物を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る連携データベースの構成の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る測定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る候補画面の構成の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る比較処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態に係る印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2の実施形態に係る印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置10と、複数の印刷装置20とを有している。また、複数の印刷装置20は、第1の印刷装置20Aと、1以上の印刷装置から構成される印刷装置群30と、を有する。印刷装置群30は、第2の印刷装置20Bを含む。以下では、第1の印刷装置20Aと、第2の印刷装置20Bと、印刷装置群30に含まれる第2の印刷装置20B以外の印刷装置20とを区別しない場合は、単に「印刷装置20」という。なお、情報処理システム100が含む印刷装置20の数は、
図1に示した数に限定されない。
【0023】
情報処理装置10と、それぞれの印刷装置20とは、通信手段Nを介して相互に通信可能とされている。本実施形態では、通信手段Nとしてインターネット又は電話回線等の公共の通信回線を適用している。しかし、この例に限られない。通信手段NとしてLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用してもよいし、企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、通信手段Nとして無線の通信回線を適用している。しかし、通信手段Nとして、有線の通信回線を適用してもよいし、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0024】
図2に示すように、印刷装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ストレージ24、入力部25、表示部26、通信I/F27、画像処理部31、及び印刷制御部32の各構成を有する。各構成は、バス29を介して相互に通信可能に接続されている。
【0025】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又はストレージ24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又はストレージ24に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM22又はストレージ24には、印刷処理プログラムが格納されている。
【0026】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ24は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0027】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0028】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25として機能しても良い。
【0029】
通信I/F27は、情報処理装置10等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0030】
画像処理部31は各種画像処理を行う。印刷制御部32は、用紙に画像を形成する印刷処理、トレイに給紙された用紙を検知する検知処理、及び用紙を搬送する搬送処理等を行う。
【0031】
図3に示すように、情報処理装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14、入力部15、表示部16、及び通信I/F17の各構成を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0032】
本実施形態では、情報処理装置10の一例としてサーバを適用している。しかし、この例に限られない。情報処理装置10として、サーバに代えて、パーソナルコンピュータ等を適用しても良い。
【0033】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、情報処理プログラムが格納されている。
【0034】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD又はSSD等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0035】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0036】
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0037】
通信I/F17は、印刷装置20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0038】
次に、情報処理システム100の作用について説明する。
【0039】
図4は、情報処理装置10による記憶処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、記憶処理が行なわれる。
【0040】
図4のステップS100において、CPU11は、情報処理システム100が含む全ての印刷装置20から、第1の印刷指示に基づいて印刷された第1の印刷物の色の実測値を取得する。それぞれの印刷装置20が上記実測値を測定する測定処理については後述する。また、上記実測値には、第1の印刷物の平均色差、第1の印刷物の最大色差、第1の印刷物のL*a*b*色空間におけるL*平均、a*平均、b*平均、及びCMYKの色再現性等の情報が含まれる。
【0041】
ステップS102において、CPU11は、ステップS100において取得した実測値同士の差異をそれぞれ算出する。上記差異には、第1の印刷物の平均色差、第1の印刷物の最大色差、第1の印刷物のL*a*b*色空間におけるL*平均、a*平均、b*平均、及びCMYKの色再現性等の情報が含まれる。
【0042】
ステップS104において、CPU11は、ステップS100において取得した第1の印刷物の色の実測値、ステップS102において算出した差異、及び更新日時としてのステップS104の実行日時を、連携データベースに記憶し、本記憶処理を終了する。
【0043】
図5に示すように、連携データベースには、印刷装置20毎の実測情報、及び印刷装置20同士の差異情報が記憶されている。実測情報とは、第1の印刷物の色の実測値(すなわち、記憶処理のステップS100で取得した実測値)、及び更新日時である。また、差異情報とは、第1の印刷物の色の実測値同士の差異(すなわち、記憶処理のステップS102で算出した差異)、及び更新日時である。
図5に示す例では、印刷装置Aの実測情報として、実測情報Aが記憶されている。また、
図5に示す例では、印刷装置A及び印刷装置Bの差異情報として、差異情報ABが記憶されている。
【0044】
図6は、印刷装置20による測定処理の流れを示すフローチャートである。CPU21がROM22又はストレージ24から印刷処理プログラムを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、測定処理が行なわれる。
【0045】
図6のステップS200において、CPU21は、第1の印刷物の色の実測値を測定する指示を受け付けるまで待機する。CPU21は、第1の印刷物の色の実測値を測定する指示を受け付けると(ステップS200:YES)、ステップS202に移行する。
【0046】
ステップS202において、CPU21は、第1の印刷物の色の実測値を取得する。具体的に、印刷装置20が備えるインラインセンサが第1の印刷物に光を照射し、第1の印刷物から反射された光を受光することで、CPU21は第1の印刷物の色の実測値を取得する。
【0047】
ステップS204において、CPU21は、ステップS202において取得した第1の印刷物の色の実測値を、印刷装置20のROM12又はストレージ14に記憶し、本測定処理を終了する。なお、第1の印刷物の色の実測値は、印刷装置20とは別体で構成された測色機によって測定されてもよい。
【0048】
図7は、情報処理装置10による情報処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、情報処理が行なわれる。なお、
図7に示す例では、予め連携データベースが記憶処理によって構築されている場合について説明する。
【0049】
図7のステップS300において、CPU11は、第1の印刷装置20Aを決定する決定処理を実行する。決定処理については後述する。
【0050】
ステップS302において、CPU11は、第1の実測値を取得する。第1の実測値とは、第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置20Aによって印刷された第1の印刷物の色の実測値である。具体的に、CPU11は、連携データベースから、ステップS300において決定した第1の印刷装置20Aに関連付けられた実測値を取得する。
【0051】
ステップS304において、CPU11は、ステップS302において取得した第1の実測値と、ステップS300において実行した決定処理において取得した、第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第1の値を算出する。
【0052】
ステップS306において、CPU11は、情報処理システム100が含む全ての印刷装置20のうち、印刷装置群30に含まれる印刷装置20毎に、第1の印刷物の色の実測値を取得する。具体的に、CPU11は、連携データベースから、印刷装置群30に含まれる印刷装置20毎に、第1の印刷物の色の実測値を取得する。
【0053】
ステップS308において、CPU11は、印刷装置群30に含まれる印刷装置20毎に、第1の印刷物の色の実測値と、第1の印刷物に期待される色の期待値との差異を算出する。
【0054】
ステップS310において、CPU11は、第2の印刷装置20Bの候補として提示する提示候補を決定する。具体的に、CPU11は、印刷装置群30に含まれる印刷装置20のうち、ステップS308において算出した差異が、ステップS304において算出した第1の値以下の印刷装置を、提示候補として決定する。
【0055】
ステップS312において、CPU11は、ステップS310において決定した提示候補毎に、第1の印刷物の色の実測値と、第1の実測値との差異である第2の差異を取得する。具体的に、CPU11は、連携データベースから、ステップS300において決定した第1の印刷装置20Aと、提示候補とに関連付けられた差異をそれぞれ取得する。
【0056】
ステップS314において、CPU11は、予め定められたフォーマットに従った候補画面を表示部16に表示する。
【0057】
図8に示すように、本実施形態に係る候補画面には、提示候補の中から、第2の印刷装置20Bとして決定する何れか1の印刷装置20の選択を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る候補画面には、ステップS312において取得した第2の差異が小さい順に、ステップS310において決定した提示候補が表示されている。言い換えると、本実施形態に係る候補画面には、印刷装置群30に含まれる印刷装置20のうち、ステップS308において算出した差異が第1の値よりも大きい印刷装置は表示されない。
【0058】
ステップS316において、CPU11は、候補画面に表示した提示候補の中から、何れか1の印刷装置20の選択を、入力部15を介して受け付けるまで待機する。CPU11は、候補画面に表示した提示候補の中から、何れか1の印刷装置の選択を受け付けると(ステップS316:YES)、ステップS318に移行する。
【0059】
ステップS318において、CPU11は、ステップS316において受け付けた1の印刷装置を第2の印刷装置20Bとして決定する。
【0060】
ステップS320において、CPU11は、比較処理を実行する。比較処理については後述する。
【0061】
ステップS322において、CPU11は、比較処理において決定した第1の差異を、ステップS318において決定した第2の印刷装置20Bに対して送信し、本情報処理を終了する。
【0062】
図9は、情報処理装置10による情報処理において実行される決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
図9のステップS400において、CPU11は、第1の印刷物に期待される色の期待値を取得する。期待値は、印刷装置20が第1の印刷指示と共に受け付けている。また、期待値は、印刷装置20のROM22又はストレージ24に記憶されている。
【0064】
ステップS402において、CPU11は、情報処理システム100が含む全ての印刷装置20毎に、第1の印刷物の色の実測値と期待値との差異である第2の値を算出する。具体的に、CPU11は、連携データベースから取得した、全ての印刷装置20の第1の印刷物の色の実測値と、ステップS400において取得した期待値との差異を、それぞれ算出する。
【0065】
ステップS404において、CPU11は、ステップS402において算出した第2の値のうち、中央値に対応する印刷装置20を第1の印刷装置20Aとして決定し、本決定処理を終了する。
【0066】
図10は、情報処理装置10による情報処理において実行される比較処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図10のステップS500において、CPU11は、連携データベースから、第1の実測値、第2の実測値、及び第1の印刷装置20Aと第2の印刷装置20Bとに関連付けられた差異の各更新日時を取得する。第2の実測値とは、第2の印刷装置20Bで印刷された第1の印刷物の色の実測値である。
【0068】
ステップS502において、CPU11は、第1の差異の更新日時が、第1の実測値の更新日時より後であるか否かを判定する。CPU11は、第1の差異の更新日時が、第1の実測値の更新日時より後である場合(ステップS502:YES)、ステップS504に移行する。一方、CPU11は、第1の差異の更新日時が、第1の実測値の更新日時以前である場合(ステップS502:NO)、ステップS508に移行する。
【0069】
ステップS504において、CPU11は、第1の差異の更新日時が、第2の実測値の更新日時より後であるか否かを判定する。CPU11は、第1の差異の更新日時が、第2の実測値の更新日時より後である場合(ステップS504:YES)、ステップS506に移行する。一方、CPU11は、第1の差異の更新日時が、第2の実測値の更新日時以前である場合(ステップS504:NO)、ステップS508に移行する。
【0070】
ステップS506において、CPU11は、連携データベースに記憶された、第1の印刷装置20Aと第2の印刷装置20Bとに関連付けられた差異を、第1の差異として決定し、本比較処理を終了する。
【0071】
ステップS508において、CPU11は、連携データベースに記憶された、第1の実測値と第2の実測値との差異を算出する。
【0072】
ステップS510において、CPU11は、ステップS508において算出した差異を第1の差異として決定し、当該算出した差異とステップS510の実行日時とを連携データベースに上書きして、本比較処理を終了する。
【0073】
図11は、第2の印刷装置20Bによる印刷処理の流れを示すフローチャートである。第2の印刷装置20Bが備えるCPU21がROM22又はストレージ24から印刷処理プログラムを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、印刷処理が行なわれる。
【0074】
図11のステップS600において、第2の印刷装置20BのCPU21は、第2の印刷指示を受け付けるまで待機する。第2の印刷指示は、第1の印刷装置20Aに対しても指示された印刷指示であって、第1の印刷指示とは異なる印刷指示である。第2の印刷装置20BのCPU21は、第2の印刷指示を受け付けると(ステップS600:YES)、ステップS602に移行する。
【0075】
ステップS602において、第2の印刷装置20BのCPU21は、情報処理装置10から、第1の差異を受信するまで待機する。第2の印刷装置20BのCPU21は、情報処理装置10から、第1の差異を受信すると(ステップS602:YES)、ステップS602に移行する。
【0076】
ステップS604において、第2の印刷装置20BのCPU21は、情報処理装置10から受信した第1の差異に基づいて設定値を算出する。
【0077】
ステップS606において、第2の印刷装置20BのCPU21は、ステップS604において算出した設定値を用いて、第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する。そして、本印刷処理を終了する。
【0078】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、第2の印刷装置20BのCPU21が、情報処理装置10から受信した第1の差異に基づいて設定値を算出していた。第2の実施形態では、情報処理装置10のCPU11が、第1の差異から設定値を算出し、当該設定値を第2の印刷装置20Bに対して送信する。
【0079】
なお、本実施形態に係る情報処理システム100、情報処理装置10、及び印刷装置20の構成については、第1の実施形態に係る構成(
図1、
図2、及び
図3参照。)と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0080】
まず、
図12を参照して、第2の実施形態に係る情報処理装置10による情報処理の流れについて説明する。なお、
図12に示す情報処理において、
図7に示す情報処理と同一の処理を実行するステップについては
図7と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0081】
図12に示す情報処理と
図7に示す情報処理とでは、ステップS322の処理に代えて、ステップS324及びステップS326の処理を適用している点が異なっている。
【0082】
図12のステップS324において、情報処理装置10のCPU11は、比較処理において決定した第1の差異に基づいて設定値を算出する。
【0083】
ステップS326において、CPU11は、ステップS324において算出した設定値を、ステップS318において決定した第2の印刷装置20Bに対して送信し、本情報処理を終了する。
【0084】
次に、
図13を参照して、第2の実施形態に係る第2の印刷装置20Bによる印刷処理の流れについて説明する。なお、
図13に示す印刷処理において、
図11に示す印刷処理と同一の処理を実行するステップについては
図11と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図13に示す印刷処理と
図11に示す印刷処理とでは、ステップS602及びステップS604の処理に代えて、ステップS603の処理を適用している点が異なっている。
【0086】
図13のステップS603において、第2の印刷装置20BのCPU21は、情報処理装置10から、設定値を受信するまで待機する。第2の印刷装置20BのCPU21は、情報処理装置10から、設定値を受信すると(ステップS603:YES)、ステップS606に移行する。
【0087】
なお、第2の実施形態に係る測定処理、決定処理、及び比較処理の流れについては、第1の実施形態に係る測定処理、決定処理、及び比較処理の流れと同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0088】
また、上記の各処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0089】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0090】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0091】
また、情報処理装置10及び印刷装置20を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、情報処理装置10及び印刷装置20の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0092】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0093】
例えば、情報処理装置10のCPU11は、第2の差異が大きい順に提示候補を表示してもよい。また、情報処理装置10のCPU11は、提示候補を、例えば音声を介して提示してもよい。
【0094】
また、情報処理装置10のCPU11は、第1の印刷物の色の実測値と期待値との差異が第1の値よりも大きいか否かに関わらず、全ての印刷装置群30に含まれる印刷装置20を提示候補として決定してもよい。
【0095】
また、情報処理装置10のCPU11は、複数の第2の値のうち、平均値又は最頻値等の、最大でなく、かつ最小でない第2の値に対応する印刷装置を第1の印刷装置として決定してもよい。
【0096】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
情報処理装置と、
複数の印刷装置と、を有し、
前記複数の印刷装置は、
第1の印刷装置と、
1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、
前記情報処理装置はプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異を、前記第2の印刷装置に対して送信し、
前記第2の印刷装置は、
前記第1の差異に基づいて算出される設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する、
情報処理システム。
【0097】
(((2)))
情報処理装置と、
複数の印刷装置と、を有し、
前記複数の印刷装置は、
第1の印刷装置と、
1以上の前記印刷装置から構成される印刷装置群と、を有し、
前記情報処理装置はプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて前記第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて、前記印刷装置群に含まれる第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異に基づいて、前記第2の印刷装置で用いられる設定値を算出し、
前記設定値を、前記第2の印刷装置に対して送信し、
前記第2の印刷装置は、
前記設定値を用いて、前記第1の印刷装置に対しても指示された第2の印刷指示に基づいて第2の印刷物を印刷する、
情報処理システム。
【0098】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置から前記第1の印刷物の色の実測値をそれぞれ取得し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の実測値との差異である第2の差異が小さい順に、前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、
提示した前記印刷装置の中から受け付けた1の前記印刷装置を前記第2の印刷装置として決定する、
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理システム。
【0099】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記第1の実測値と、前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第1の値を算出し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置毎の前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異を算出し、
前記印刷装置群に含まれる前記印刷装置のうち、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値以下の印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示し、前記第1の印刷物の色の実測値と前記期待値との差異が前記第1の値よりも大きい印刷装置を、前記第2の印刷装置の候補として提示しない、
(((3)))に記載の情報処理システム。
【0100】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記複数の印刷装置毎に、前記第1の印刷物の色の実測値と前記第1の印刷物に期待される色の期待値との差異である第2の値を算出し、
前記複数の前記第2の値のうち、最大でなく、かつ最小でない前記第2の値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する、
(((1)))~(((4)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0101】
(((6)))
前記プロセッサは、
複数の前記第2の値のうち、中央値に対応する前記印刷装置を前記第1の印刷装置として決定する、
(((5)))に記載の情報処理システム。
【0102】
(((7)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異を、前記第2の印刷装置に対して送信する、
情報処理装置。
【0103】
(((8)))
第1の印刷指示に基づいて第1の印刷装置で印刷された第1の印刷物の色の実測値である第1の実測値を取得し、
前記第1の印刷指示に基づいて第2の印刷装置で印刷された前記第1の印刷物の色の実測値である第2の実測値を取得し、
前記第1の実測値と前記第2の実測値との差異である第1の差異を、前記第2の印刷装置に対して送信する、
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0104】
(((1)))、(((7)))、及び(((8)))によれば、第1の印刷装置で印刷された印刷物の色を考慮せずに定められた設定値を用いて第2の印刷装置で印刷ジョブを印刷する場合と比べて、第1の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする。
【0105】
(((2)))によれば、第1の印刷装置で印刷された印刷物の色を考慮せずに定められた設定値を用いて第2の印刷装置で印刷ジョブを印刷する場合と比べて、第1の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色と、第2の印刷装置で、当該印刷ジョブを印刷した印刷物の色との差異を小さくする。
【0106】
(((3)))によれば、第2の差異が小さい順に第2の印刷装置の候補を提示しない場合に比較して、第2の差異が相対的に小さい印刷装置が第2の印刷装置として決定する可能性が高くなる。
【0107】
(((4)))によれば、第1の印刷物の色の実測値と第1の印刷物の色の期待値との差異が第1の値以下の印刷装置が、第2の印刷装置として決定されることを防ぐことができる。
【0108】
(((5)))によれば、最大又は最小の第2の値に対応する印刷装置を第1の印刷装置とする場合に比較して、補正する量を低減して印刷物を印刷できる。
【0109】
(((6)))によれば、中央値の第2の値に対応する印刷装置を第1の印刷装置としない場合に比較して、補正する量を低減して印刷物を印刷できる。
【符号の説明】
【0110】
10 情報処理装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ストレージ
15 入力部
16 表示部
17 通信I/F
19 バス
20 印刷装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 ストレージ
25 入力部
26 表示部
27 通信I/F
29 バス
30 印刷装置群
31 画像処理部
32 印刷制御部
100 情報処理システム