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特開2024-64807対象物移動装置およびウインドレギュレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064807
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】対象物移動装置およびウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/48 20060101AFI20240507BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
E05F11/48 D
E05F11/48 C
E05F11/48 F
B60J1/17 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173691
(22)【出願日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】山下 剛史
【テーマコード(参考)】
3D127
【Fターム(参考)】
3D127AA14
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF04
3D127DF10
3D127DF15
3D127DF26
3D127EE20
(57)【要約】
【課題】異音の発生を低減することが可能なウインドレギュレータを提供すること。
【解決手段】対象物移動装置では、キャリアプレート3は、窓ガラスWが取り付けられる。ガイドレール2は、窓ガラスWの移動方向に延伸し、キャリアプレート3と摺動自在に係合する。ケーブル6、7は、キャリアプレート3に接続される。ドラム11は、キャリアプレート3をガイドレール2に沿って移動させるように、ケーブル6、7を巻き取りまたは繰り出す。ケーブルガイド4は、ガイドレール2の延伸方向の端部2aに取り付けられ、ケーブル6、7の張力が作用する。ケーブルガイド4は、ガイドレール2との離脱を防止する嵌合部44を有する。ガイドレール2は、嵌合部44が遊嵌状態で嵌合する嵌合孔24を有する。ケーブル6、7の張力がケーブルガイド4に作用している状態において、嵌合部44は、ガイドレール2から離間して配置される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象物が取り付けられる移動部材と、
前記移動対象物の移動方向に延伸し、前記移動部材と摺動自在に係合するガイドレールと、
前記移動部材に接続されるケーブルと、
前記移動部材を前記ガイドレールに沿って移動させるように、前記ケーブルを巻き取りまたは繰り出すドラムと、
前記ガイドレールの延伸方向の端部に取り付けられ、前記ケーブルの張力が作用する取付部材と、を備え、
前記取付部材は、前記ガイドレールとの離脱を防止する嵌合部を有し、
前記ガイドレールは、前記嵌合部が遊嵌状態で嵌合する嵌合孔を有し、
前記ケーブルの張力が前記取付部材に作用している状態において、前記嵌合部は、前記ガイドレールから離間して配置される、
対象物移動装置。
【請求項2】
前記取付部材は、
前記ガイドレールが挿入される挿入部が形成された取付部材本体を更に有し、
前記嵌合部は、
少なくとも一部が前記嵌合孔に配置される突起部と、
前記取付部材本体から前記突起部に延び、前記ガイドレールの表面から離間して配置された延伸部と、を有し、
前記ケーブルの張力が前記取付部材に作用している状態において前記突起部は、前記嵌合孔の縁から離間している、
請求項1に記載の対象物移動装置。
【請求項3】
前記突起部は、勾配部を有し、
前記勾配部は、前記取付部材が前記ガイドレールに取り付けられた状態において、少なくとも一部が前記ガイドレールの前記端部とは対向しない側にある、
請求項2に記載の対象物移動装置。
【請求項4】
前記延伸部は、前記取付部材が前記ガイドレールに取り付けられた状態において、前記突起部に向かうに従って前記ガイドレールから離れるように傾斜している、
請求項2に記載の対象物移動装置。
【請求項5】
前記取付部材は、前記ケーブルを方向転換するケーブルガイドである、
請求項1に記載の対象物移動装置。
【請求項6】
前記取付部材は、前記ドラムが収納されるドラムハウジングである、
請求項1に記載の対象物移動装置。
【請求項7】
前記嵌合部は、前記ガイドレールの端面の厚み方向における一方の端のバリとは反対側に配置されている、
請求項1に記載の対象物移動装置。
【請求項8】
駆動部と、
窓ガラスを保持するキャリアプレートと、
前記キャリアプレートの移動方向に延伸し、前記キャリアプレートを摺動自在に係合するガイドレールと、
一端が前記キャリアプレートに連結され、前記駆動部により駆動されることで前記キャリアプレートを前記キャリアプレートの移動方向に牽引するケーブルと、
前記ケーブルの方向転換を行うケーブルガイドと、
前記ケーブルの他端が連結され、前記駆動部により駆動されることで前記ケーブルガイドに架け回された前記ケーブルの巻取りまたは繰り出しを行うドラムと、
前記ドラムを回転可能に収容するドラムハウジングと、を備え、
前記ケーブルガイドおよび前記ドラムハウジングの少なくとも一方に、前記ガイドレールとの離脱を防止する嵌合部が設けられ、
前記ガイドレールに、前記嵌合部が遊嵌状態で嵌合する嵌合孔が形成され、
前記ケーブルガイドおよび前記ドラムハウジングが前記ガイドレールに取り付けられ、前記ケーブルの張力が前記ケーブルガイドおよび前記ドラムハウジングに作用する状態において、前記嵌合部は、前記ガイドレールから離間して配置される、
ウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物移動装置およびウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の窓ガラスを昇降する装置としてウインドレギュレータが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示すウインドレギュレータは、窓ガラスを保持するキャリアプレートと、キャリアプレートを案内するガイドレールと、キャリアプレートに一端が接続されたケーブルと、ガイドレールの上端および下端に配置され、ケーブルの方向を変えるケーブルガイド等の方向転換部材と、ケーブルの他端が接続されたドラムと、ドラムを回転駆動する駆動モータと、ドラムを収容するドラムハウジングを備える。駆動モータがドラムを回転駆動することによって、ケーブルを巻き取りまたは繰り出し、それにより、キャリアプレートを上昇または下降させることで窓ガラスを昇降させる。
【0003】
このようなウインドレギュレータを組み立てる際、方向転換部材やドラムハウジング等の取付部材は、ガイドレールに挿入された状態で、ケーブルの張力によってガイドレールへ挿入される方向に押し付けられて拘束されることで、ガイドレールに固定されるが、ガイドレールに取付部材が挿入された状態において、ケーブルによる張力が生じる前にガイドレールから取付部材が脱落する場合があった。
【0004】
そのため、組立時にガイドレールに取り付けた取付部材がガイドレールから脱落しないようにするため、取付部材に抜け止めのための爪部材を設け、ガイドレールに爪部材と嵌合する嵌合孔を設けた構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-124515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、組立時の脱落防止のために爪部材を取付部材に設けた場合、ウインドレギュレータの組立後において取付部材に振動が伝わった時、爪部材が嵌合孔の内壁と接触し、異音が生じるといった問題があった。
【0007】
本発明は、異音の発生を低減することが可能な対象物移動装置およびウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の対象物移動装置は、移動部材と、ガイドレールと、ドラムと、取付部材と、を備える。移動部材は、移動対象物が取り付けられる。ガイドレールは、移動対象物の移動方向に延伸し、移動部材と摺動自在に係合する。ケーブルは、移動部材に接続される。ドラムは、移動部材をガイドレールに沿って移動させるように、ケーブルを巻き取りまたは繰り出す。取付部材は、ガイドレールの延伸方向の端部に取り付けられ、ケーブルの張力が作用する。取付部材は、ガイドレールとの離脱を防止する嵌合部を有する。ガイドレールは、嵌合部が遊嵌状態で嵌合する嵌合孔を有する。ケーブルの張力が取付部材に作用している状態において、嵌合部は、ガイドレールから離間して配置される。
【0009】
本発明のウインドレギュレータは、駆動部と、キャリアプレートと、ガイドレールと、ケーブルと、ケーブルガイドと、ドラムと、ドラムハウジングと、を備える。キャリアプレートは、窓ガラスを保持する。ガイドレールは、キャリアプレートの移動方向に延伸し、キャリアプレートを摺動自在に係合する。ケーブルは、一端がキャリアプレートに連結され、駆動部により駆動されることでキャリアプレートをキャリアプレートの移動方向に牽引する。ケーブルガイドは、ケーブルの方向転換を行う。ドラムは、ケーブルの他端が連結され、駆動部により駆動されることでケーブルガイドに架け回されたケーブルの巻取りまたは繰り出しを行う。ドラムハウジングは、ドラムを回転可能に収容する。嵌合部は、ケーブルガイドおよびドラムハウジングの少なくとも一方に設けられ、ガイドレールとの離脱を防止する。ガイドレールに、嵌合部が遊嵌状態で嵌合する嵌合孔が形成されている。ケーブルガイドおよびドラムハウジングがガイドレールに取り付けられ、ケーブルの張力がケーブルガイドおよびドラムハウジングに作用する状態において、嵌合部は、ガイドレールから離間して配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異音の発生を低減することが可能な対象物移動装置およびウインドレギュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明にかかる実施形態のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車外側から視た図である。
図2】本発明にかかる実施形態のウインドレギュレータを車両に取り付けた状態で車内側から視た図である。
図3】(a)、ガイドレールを示す斜視図、(b)図3(a)のEE間の断面図である。
図4】(a)ケーブルガイド近傍を車外側から視た図、(b)ケーブルガイド近傍を車内側から視た図である。
図5】(a)図4(a)のケーブルガイドとガイドレールの分解図、(b)図4(b)のケーブルガイドとガイドレールの分解図である。
図6】(a)図4(a)のFF間の断面図、(b)図6(a)においてケーブルガイドからガイドレールを取り除いた状態を示す断面図である。
図7図4(a)のGG間の断面図である。
図8】(a)~(c)ケーブルガイドのガイドレールへの取付動作を示す図である。
図9】(a)図1の巻き取り・繰り出し機構部近傍を示す拡大図、(b)図9(a)の巻き取り・繰り出し機構部からモータハウジングを取り除いてドラムハウジングとガイドレールを示した図である。
図10図9(b)のドラムハウジングとガイドレールの分解図である。
図11】(a)図9(b)のHH間の断面図、(b)図11(a)からガイドレールを取り除いた状態を示す図である。
図12】(a)図9(b)のII間の断面図、(b)図12(a)からガイドレールを取り除いた状態を示す図である。
図13】(a)~(c)ドラムハウジングのガイドレールへの取り付け動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる対象物移動装置の一例としてウインドレギュレータについて図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、対象物移動装置およびウインドレギュレータは以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
(ウインドレギュレータ1の概要)
ウインドレギュレータ1は、車両用ドアのドアパネルに配設される。ウインドレギュレータ1は、車両の窓ガラスW(移動対象物の一例)を昇降移動する機構である。図1は、ウインドレギュレータ1を車両に取り付けた状態において車外側から視た図である。図2は、ウインドレギュレータ1を車両に取り付けた状態において車内側から視た図である。図1および図2では、上下方向がAで示されている。上下方向Aのうち、上方向が矢印A1で示され、下方向が矢印A2で示されている。また、前後方向Bのうち前方向が矢印B1で示され、前後方向Bのうち後方向が矢印B2で示されている。
【0014】
図1および図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、ガイドレール2と、キャリアプレート3(移動部材の一例)と、ケーブルガイド4(取付部材の一例)と、巻取り・繰り出し機構部5と、ケーブル6、7と、を備える。
【0015】
ガイドレール2は、窓ガラスW(点線で一部のみ示す)の昇降方向に沿って配置されている。ガイドレール2は、キャリアプレート3を窓ガラスWの昇降方向に案内する部材である。
【0016】
キャリアプレート3は、窓ガラスWの下端部を保持する。キャリアプレート3は、ガイドレール2に係合して、窓ガラスWの昇降方向に摺動案内される部材である。キャリアプレート3は、ガイドレール2に沿って昇降する。
【0017】
ケーブルガイド4は、ケーブル6の配索方向を転換する。ケーブルガイド4は、例えばケーブルを摺動可能に案内する部材であり、本実施形態のウインドレギュレータ1においては、ケーブルガイド4は、ケーブルガイド4の湾曲部411によりケーブル6を摺動可能に案内しつつ、ケーブル6の配索方向を転換する。ケーブルガイド4は、ガイドレール2の上端に取り付けられている。
【0018】
巻取り・繰り出し機構部5は、ケーブル6、7の巻き取りおよび繰り出しを行う。巻取り・繰り出し機構部5は、ガイドレール2の下端に配置されている。巻取り・繰り出し機構部5には、ドラム11が設けられており、ケーブル6、7の端が接続されている。
【0019】
ケーブル6は、キャリアプレート3を上昇させるための上昇用ケーブルである。ケーブル6の一端は、キャリアプレート3に連結されている。ケーブル6は、キャリアプレート3から上方に向かって延びて、ケーブルガイド4に巻き掛けられ、ケーブルガイド4から下方に向かって延びている。ケーブル6の他端は、ドラムに連結されている。
【0020】
ケーブル7は、キャリアプレート3を下降させるための下降用ケーブルである。ケーブル7の一端はキャリアプレート3に連結されている。ケーブル7は、キャリアプレート3から下方に延びている。ケーブル7の他端は、ドラムに連結されている。
【0021】
ケーブル6、7として、複数の金属素線または樹脂繊維素線を寄り合わせた公知のものを用いることができる。
【0022】
巻取り・繰り出し機構部5は、ドラム11と、モータ12(駆動部の一例)と、ドラムハウジング13(取付部材の一例)と、モータハウジング14と、を有する。ドラムには、ケーブル6、7の端が連結されている。ドラム11は、ケーブル6、7の巻き取りおよび繰り出しを行う。モータ12は、ドラム11を回転させる。モータ12は、正逆回転可能に構成され、ドラムを正逆回転する。これにより、ドラム11に連結されたケーブル6、7がドラム11に巻き取られ、またはドラム11から繰り出される。図1および図2に示すように、モータ12は、モータハウジング14と一体に設けられている。モータ12の出力軸(図示せず)は、モータハウジング14に配置された減速機構(図示せず)を介して、ドラム11に接続され、ドラム11を回転させる。ドラムハウジング13は、ドラムを収納する。ドラムハウジング13とモータハウジング14は、ボルト等の締結部材によって締結されている。
【0023】
(ガイドレール2)
ガイドレール2は、キャリアプレート3を昇降可能に支持する。図3(a)は、ガイドレール2を示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)のEE間の断面図である。図3(a)および図3(b)には、上下方向Aおよび前後方向Bに対して垂直な車両の幅方向がCで示されている。車両幅方向Cのうち、ウインドレギュレータ1を車両に取り付けた状態における内方向が矢印C1で示され、外方向が矢印C2で示されている。
【0024】
図1および図2に示すように、ガイドレール2は、概ね上下方向Aに延びているが、車両の取り付けられた状態において、ガイドレール2の延伸方向は、上下方向Aに対して傾斜している。ガイドレール2は、図3(a)に示す上側の端部2aが下側の端部2bよりも後方向B2側に位置するように車両に取り付けられる。ガイドレール2の延伸方向がDで示され、延伸方向Dのうち延伸上方向が矢印D1で示され、延伸下方向が矢印D2で示されている。
【0025】
図3(a)および図3(b)に示すように、ガイドレール2は、レール本体部20と、第1立壁部21と、第2立壁部22と、延出部23と、嵌合孔24と、嵌合孔25と、を有する。
【0026】
レール本体部20は、前後方向Bと平行に配置された板状の部分である。レール本体部20は、上下方向Aに延びている。レール本体部20は、外方向C2に向かって膨らむように湾曲している。レール本体部20は、前後方向Bにおける前方向B1側の端20aと、後方向B2側の端20bと、を有する。レール本体部20の外方向C2側の表面が20cで示され、内方向C1側の表面が20dで示されている。
【0027】
第1立壁部21は、レール本体部20の前後方向B(幅方向の一例)における端20aに配置されている。第1立壁部21は、レール本体部20の端20aから外方向C2側に延びている。第1立壁部21は、レール本体部20に対して垂直に配置されている。
【0028】
第2立壁部22は、端20bに配置されている。第2立壁部22は、端20bから外方向C2側に延びている。第2立壁部22は、レール本体部20に対して垂直に配置されている。第2立壁部22は、第1立壁部21と、前後方向Bにおいて対向して配置されている。
【0029】
延出部23は、第2立壁部22の外方向C2側の端から前後方向Bにおいてレール本体部20とは反対側の方向となる前方向B1に向かって延びている。延出部23は、レール本体部20と平行に形成されている。
【0030】
嵌合孔24は、端部2aの近傍のレール本体部20に形成されている。嵌合孔24は、レール本体部20の表面20cから表面20dまで貫通している。嵌合孔25は、端部2bの近傍のレール本体部20に形成されている。嵌合孔25は、レール本体部20の表面20cから表面20dまで貫通している。
【0031】
(ケーブルガイド4)
図4(a)は、ケーブルガイド4の近傍を車外側から視た図である。図4(b)は、ケーブルガイド4の近傍を車内側から視た図である。図5(a)は、図4(a)のケーブルガイド4とガイドレール2の分解図である。図5(b)は、図4(b)のケーブルガイド4とガイドレールの分解図である。図6(a)は、図4(a)のFF間の断面図である。図6(b)は、図6(a)においてケーブルガイド4からガイドレール2を取り除いた状態を示す断面図である。図7は、図4(a)のGG間の断面図である。図8(a)~図8(c)は、ケーブルガイド4のガイドレール2への取付動作を示す図である。
【0032】
ケーブルガイド4は、図6(b)に示すように、ケーブルガイド本体41(取付部材本体の一例)と、レール挿入部42(挿入部の一例)と、貫通孔43と、嵌合部44と、を有する。
【0033】
ケーブルガイド本体41は、図5(a)に示すように、略半円形状である。ケーブルガイド本体41は、湾曲部411と、下面部412と、を有している。湾曲部411は、ケーブルガイド本体41の正面視における外形のうち湾曲した半円を構成する。湾曲部411は、ケーブルガイド本体41の上方向A1側に配置されている。ケーブル6は、湾曲部411に沿って巻き掛けられている。湾曲部411によってケーブル6は、上方向A1から下方向A2に方向転換する。下面部412は、ケーブルガイド本体41の下方向A2側の端面部分である。下面部412は、図6(a)に示すように、ケーブルガイド本体41の外形のうち半円の直径部分を構成する。下面部412からレール挿入部42が形成されている。
【0034】
レール挿入部42は、ガイドレール2が挿入される挿入孔である。レール挿入部42は、ケーブルガイド本体41に形成されている。レール挿入部42は、図6(a)および図6(b)に示すように、下面部412から延伸上方向D1に向かって形成されている。ケーブルガイド4をガイドレール2に取り付ける際には、ガイドレール2の端部2aがケーブルガイド4の下面部412からレール挿入部42に挿入され、ケーブルガイド4に対して相対的に延伸上方向D1に移動される。
【0035】
レール挿入部42は、図7に示すように、第1挿入部421、第2挿入部422、第3挿入部423および第4挿入部424と、を有する。第1挿入部421は、前後方向Bに沿って形成されている。第1挿入部421には、ガイドレール2のレール本体部20が挿入される。
【0036】
第2挿入部422は、第1挿入部421の後方向B2側の端から外方向C2に向かって形成されている。第2挿入部422には、ガイドレール2の第1立壁部21が挿入される。第3挿入部423は、第1挿入部421の前方向B1側の端から外方向C2に向かって形成されている。第3挿入部423には、ガイドレール2の第2立壁部22が挿入される。第4挿入部424は、第3挿入部423の外方向C2側の端から前方向B1に向かって形成されている。第4挿入部424には、ガイドレール2の延出部23が挿入される。
【0037】
貫通孔43は、図6(b)に示すように、ケーブルガイド本体41を貫通する。ケーブルガイド本体41は、内方向C1に向いた第1面41aと、外方向C2に向いた第2面41bと、を有する。貫通孔43は、第1面41aから第2面41bまで形成されている。貫通孔43は、レール挿入部42を貫いている。貫通孔43は、ガイドレール2が取り付けられた状態においてガイドレール2のレール本体部20に対して垂直に形成されている。図4(a)および図4(b)に示すように、ケーブルガイド4にガイドレール2が取り付けられた状態において、ガイドレール2の嵌合孔24が、貫通孔43の内側に位置する。
【0038】
嵌合部44は、ウインドレギュレータ1の組み付けをする際に、ケーブルガイド4がガイドレール2から離脱することを防止する。嵌合部44は、嵌合孔24に嵌合することによって、ケーブルガイド4のガイドレール2からの離脱を防止する。嵌合部44は、嵌合孔24に遊嵌状態で嵌合する。嵌合部44は、貫通孔43の内側に配置されている。
【0039】
嵌合部44は、図6(a)に示すように、ガイドレール2の表面20cの外方向C2側に配置されている。
【0040】
嵌合部44は、突起部441と、延伸部442と、を有する。突起部441は、図6(a)および図8(c)に示すように、ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、少なくとも一部が嵌合孔24に配置される。延伸部442は、ケーブルガイド本体41から突起部441に延び、ガイドレール2の表面から離間して配置されている。延伸部442は、貫通孔43の延伸上方向D1側の縁43eから延伸下方向D2に向かって延びている。延伸部442の縁43eに接続されている基端部442aは、図6(a)に示すように、ガイドレール2の表面20cから外方向C2側に離間している。図7に示すように、第1挿入部421の外方向C2側のケーブルガイド本体41の内壁面を414とすると、内壁面414には2つの突起415が設けられている。突起415は、図8(a)に示すように、延伸方向Dに沿って設けられている。これらの突起415の先端面415aは、図7に示すように、レール本体部20の外方向C2側への移動を規制する。基端部442aは、図8(a)に示すように、先端面415aよりも外方向C2側に離間している。ケーブルガイド4をガイドレール2に取り付けた状態において、図6(a)に示すように、延伸部442は、基端部442aから延伸下方向D2に向かうに従ってガイドレール2から離れるように傾斜している。
【0041】
突起部441は、図6(b)に示すように、延伸部442の延伸下方向D2側の端に配置されている。突起部441は、延伸部442から内方向C1に向かって突出するように形成されている。ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、図6(a)に示すように、突起部441は、延伸部442から嵌合孔24に向かって突出するように形成されている。
【0042】
突起部441は、勾配部443を有する。勾配部443は、図6(a)に示すように、ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、端部2aとは対向しない側に配置されている。勾配部443は、突起部441の内方向C1側に配置されている。勾配部443は、突起部441の延伸下方向D2側の端から延伸上方向D1側に向かうように形成されている。勾配部443は、延伸上方向D1に向かうに従って内方向C1に向かうように傾斜している。勾配部443は、端部2aに近づくに従って嵌合孔24に近づくように傾斜されている。先端部444は、勾配部443の最も内方向C1側の部分である。先端部444は、ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、嵌合孔24の内側に配置されている。
【0043】
(ガイドレール2へのケーブルガイド4の取り付け)
ガイドレール2にケーブルガイド4を取り付ける際には、図8(a)に示すように、ガイドレール2の端部2aが、ケーブルガイド4のレール挿入部42に挿入される。
【0044】
ガイドレール2の端部2aをレール挿入部42に挿入していくと、図8(b)に示すように、端部2aが、勾配部443に当接する。詳細には、図8(a)に示すように、ガイドレール2の端部2aは端面2cを有している。図8(b)に示すように、端面2cの外方向C2側の端2c1が勾配部443に当接する。
【0045】
更に端部2aをレール挿入部42の奥に移動すると、嵌合部44が撓みながら勾配部443が端2c1と摺動する。そして、更に移動すると、突起部441の先端部444がガイドレール2の表面20cと摺動し、図8(c)に示すように、先端部444が、嵌合孔24に嵌る。
【0046】
このように、嵌合部44の一部が嵌合孔24に嵌っているため、ウインドレギュレータ1の組み付けをする際に、ケーブルガイド4がガイドレール2から離脱することを防止できる。
【0047】
ウインドレギュレータ1が車両に取り付けられた状態では、ケーブル6、7の張力がガイドレール2とケーブルガイド4に作用した状態となる。このように張力が作用した状態において、嵌合部44は、ガイドレール2から離間している。詳しくは、嵌合部44の突起部441は、図4(b)および図6(a)に示すように、嵌合孔24の縁24eおよび表面20cには接触しておらず、縁24eおよび表面20cから離間している。また、延伸部442も、図8(c)に示すように、ガイドレール2の表面20cには接触しておらず、表面20cから離間している。
【0048】
このため、ケーブルガイド4に振動が伝わったとしても嵌合部44がガイドレール2に接触し難く、異音の発生を低減することができる。
【0049】
なお、図8(a)に示すガイドレール2の端面2cの内方向C1側の端2c2(厚み方向における一方の端の一例)には、製造過程においてバリが生じることがある。嵌合部44は、バリが生じることがある端2c2とは反対側に配置されている。これにより、勾配部443がガイドレール2の端2c2のバリに接触して破損することを防止できる。
【0050】
(ドラムハウジング13)
図9(a)は、図1の巻き取り・繰り出し機構部5近傍を示す拡大図である。図9(b)は、図9(a)の巻き取り・繰り出し機構部5からモータハウジング14を取り除き、ドラムハウジング13とガイドレール2を示した図である。図10は、図9(b)のドラムハウジング13とガイドレール2の分解図である。図11(a)は、図9(b)のHH間の断面図である。図11(b)は、図11(a)からガイドレール2を取り除いた状態を示す図である。図12(a)は、図9(b)のII間の断面図である。図12(b)は、図12(a)からガイドレール2を取り除いた状態を示す図である。図13(a)~図13(c)は、ドラムハウジング13のガイドレール2への取り付け動作を示す図である。
【0051】
図9(b)に示すように、ドラムハウジング13は、ハウジング本体51(取付部材本体の一例)と、レール挿入部52(図11参照)と、貫通孔53と、嵌合部54と、を有する。
【0052】
ハウジング本体51は、図10(a)および図10(b)に示すように、円柱形状の空間であるドラム収納部511と、複数の締結部512と、上面部513と、レールガイド部514と、を有する。ドラム収納部511には、ドラム11が収納される。複数の締結部512の各々には、貫通孔が形成されている。各々の締結部512に対応するモータハウジング14の位置にも貫通孔が形成された締結部141が設けられ、締結部512と締結部141にボルトが挿入されることによって、モータハウジング14とドラムハウジング13が組み合わされている。図11(b)に示すように、上面部513は、ドラム収納部511の上側に配置されている。上面部513からレール挿入部52が形成されている。レールガイド部514は、レール挿入部52にガイドレール2を挿入する際に、ガイドレール2をレール挿入部52に案内する。レールガイド部514は、上面部513から延伸上方向D1に延びている。レールガイド部514は、レール挿入部52の内方向C1側の縁に配置されている。
【0053】
レール挿入部52は、ガイドレール2の端部2bが挿入される挿入孔である。レール挿入部52は、図11(a)および図11(b)に示すように、ハウジング本体51の上面部513から延伸下方向D2に向かって形成されている。ドラムハウジング13をガイドレール2に取り付ける際には、ガイドレール2の端部2bがレール挿入部52に挿入され、ドラムハウジング13に対して相対的に延伸上方向D1に移動される。
【0054】
レール挿入部52は、図12(a)および図12(b)に示すように、第1挿入部521、第2挿入部522、第3挿入部523および第4挿入部524と、を有する。第1挿入部521は、前後方向Bに沿って形成されている。第1挿入部521には、ガイドレール2のレール本体部20が挿入される。
【0055】
第2挿入部522は、第1挿入部521の後方向B2側の端から外方向C2に向かって形成されている。第2挿入部522には、ガイドレール2の第1立壁部21が挿入される。第3挿入部523は、第1挿入部521の前方向B1側の端から外方向C2に向かって形成されている。第3挿入部523には、ガイドレール2の第2立壁部22が挿入される。第4挿入部524は、第3挿入部523の外方向C2側の端から前方向B1に向かって形成されている。第4挿入部524には、ガイドレール2の延出部23が挿入される。図11(b)に示すように、第2挿入部522の内方向C1側には、第2挿入部522を形成するハウジング本体51の内壁515が配置されている。内壁515は、レールガイド部514と繋がっている。レールガイド部514は、内壁151が延伸上方向D1に延びるように形成されている。内壁515とレールガイド部514の第1挿入部521側の面を516とすると、図12(a)および図12(b)に示すように、面516には2つの突起517が設けられている。突起517の先端面517aは、レール本体部20の内方向C1側への移動を規制する。
【0056】
貫通孔53は、図10および図11(b)に示すように、レールガイド部514および内壁515に亘って形成されている。貫通孔53は、レールガイド部514および内壁515を車両幅方向Cに沿って貫通する。貫通孔53は、図10に示すように、延伸方向Dに沿って長い矩形状に形成されている。
【0057】
嵌合部54は、ウインドレギュレータ1の組み付けをする際に、ドラムハウジング13がガイドレール2から離脱することを防止する。嵌合部54は、嵌合孔25に嵌合することによって、ドラムハウジング13のガイドレール2からの離脱を防止する。嵌合部54は、嵌合孔25に遊嵌状態で嵌合する。嵌合部54は、貫通孔53の内側に配置されている。
【0058】
嵌合部54は、図11(a)に示すように、ガイドレール2の表面20dの内方向C1側に配置されている。
【0059】
嵌合部54は、図11(b)に示すように、突起部541と、延伸部542と、を有する。突起部541は、図11(a)および図13(c)に示すように、ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、少なくとも一部が嵌合孔25に配置される。図13(c)に示すように、延伸部542は、ハウジング本体51から突起部541に延び、ガイドレール2の表面から離間して配置されている。延伸部542は、貫通孔53の延伸上方向D1側の縁53eから延伸下方向D2に向かって延びている。延伸部542の縁53eに接続されている基端部542aは、図13(c)に示すように、ガイドレール2の表面20dから内方向C1側に離間している。突起517は、図11(b)に示すように、延伸方向Dに沿って設けられている。図11(a)に示すように、基端部542aは、先端面517aよりも内方向C1側に位置している。基端部542aは突起517よりも低く形成されている。先端面517aは、ガイドレール2のレール本体部20の内方向C1への移動を規制するため、図13(c)に示すように、ガイドレール2にドラムハウジング13が取り付けられた状態において、基端部542aはガイドレール2から離間する。
【0060】
ドラムハウジング13をガイドレール2に取り付けた状態において、延伸部542は、基端部542aから延伸下方向D2に向かうに従ってガイドレール2から離れるように傾斜している。
【0061】
突起部541は、延伸部542の延伸下方向D2側の端に配置されている。突起部541は、延伸部542から外方向C2に向かって突出するように形成されている。ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、突起部541は、延伸部542から嵌合孔25に向かって突出するように形成されている。
【0062】
突起部541は、図11(b)に示すように、勾配部543を有する。図11(a)に示すように、勾配部543は、ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、端部2bとは対向しない側に配置されている。勾配部543は、図11(b)に示すように、突起部441の外方向C2側に配置されている。勾配部543は、突起部541の延伸上方向D1側の端から延伸下方向D2側に向かうように形成されている。勾配部443は、延伸下方向D2に向かうに従って外方向C2に向かうように傾斜している。勾配部543は、図11(a)に示すように、端部2bに近づくに従って嵌合孔25に近づくように傾斜されている。先端部544は、勾配部543の最も外方向C2側の部分である。先端部544は、ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、嵌合孔25の内側に配置されている。
【0063】
(ガイドレール2へのドラムハウジング13の取り付け)
ガイドレール2にドラムハウジング13を取り付ける際には、図13(a)に示すように、ガイドレール2の端部2bが、ドラムハウジング13のレール挿入部52に挿入される。
【0064】
ガイドレール2の端部2bをレール挿入部52に挿入していくと、図13(b)に示すように、端部2bが、勾配部543に当接する。詳細には、図13(a)に示すように、ガイドレール2の端部2bは端面2dを有している。端面2dの内方向C1側の端2d2が勾配部543に当接する。
【0065】
更に端部2bをレール挿入部52の奥に移動すると、嵌合部54が撓みながら勾配部543が端2c2と摺動する。そして、更に移動すると、突起部541の先端部544がガイドレール2の表面20dと摺動し、図13(c)に示すように、先端部544が、嵌合孔25に嵌る。
【0066】
このように、嵌合部54の一部が嵌合孔25に嵌っているため、ウインドレギュレータ1の組み付けをする際に、ドラムハウジング13がガイドレール2から離脱することを防止できる。
【0067】
ウインドレギュレータ1が車両に取り付けられた状態では、ケーブル6、7の張力がガイドレール2とドラムハウジング13に作用した状態となる。このように張力が作用した状態において、嵌合部54は、ガイドレール2から離間している。詳しくは、嵌合部54の突起部541は、図9(b)、図11(a)および図13(c)に示すように、嵌合孔25の縁25eおよび表面20dには接触しておらず、縁25eおよび表面20dから離間している。また、延伸部542も、図13(c)に示すように、ガイドレール2の表面20dには接触しておらず、表面20dから離間している。
【0068】
このため、ドラムハウジング13に振動が伝わったとしても嵌合部54がガイドレール2に接触し難く、異音の発生を低減することができる。
【0069】
なお、図13(a)に示すガイドレール2の端面2dの外方向C2側の端2d1(厚み方向における一方の端の一例)には、製造過程においてバリが生じることがある。嵌合部54は、バリが生じることがある端2d1とは反対側に配置されている。これにより、勾配部543がガイドレール2の端2d1のバリに接触して破損することを防止できる。
【0070】
(特徴等)
本実施形態のウインドレギュレータ1では、ケーブル6、7の張力がケーブルガイド4に作用している状態において、嵌合部44は、ガイドレール2から離間して配置される。これにより、ウインドレギュレータ1の組立の際にケーブルガイド4の離脱を防止する嵌合部44が、組立後のケーブル6、7を張った状態においてガイドレール2から離間しているため、ケーブルガイド4に振動が伝わったとしても、嵌合部44がガイドレール2に接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0071】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、ケーブル6、7の張力がドラムハウジング13に作用している状態において、嵌合部54は、ガイドレール2から離間して配置される。これにより、ウインドレギュレータ1の組立の際にドラムハウジング13の離脱を防止する嵌合部54が、組立後のケーブル6、7を張った状態においてガイドレール2から離間しているため、ドラムハウジング13に振動が伝わったとしても、嵌合部54がガイドレール2に接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0072】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、延伸部442は、ガイドレール2の表面20cから離間して配置され、ケーブル6、7の張力がケーブルガイド4に作用している状態において突起部441は、嵌合孔24の縁24eから離間している。
【0073】
このように、延伸部442は、ガイドレール2の表面20cから離間して設けられ、突起部441が嵌合孔24の縁24eから離間しているため、ケーブルガイド4に振動が伝わったとしても、嵌合部44のガイドレール2への接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0074】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、延伸部542は、ガイドレール2の表面20dから離間して配置され、ケーブル6、7の張力がドラムハウジング13に作用している状態において突起部541は、嵌合孔25の縁25eから離間している。
【0075】
このように、延伸部542は、ガイドレール2の表面20dから離間して設けられ、突起部541が嵌合孔25の縁25eから離間しているため、ドラムハウジング13に振動が伝わったとしても、嵌合部54のガイドレール2への接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0076】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、勾配部443は、ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、少なくとも一部がガイドレール2の端部2aとは対向しない側にある。
【0077】
これにより、延伸部442が撓みながら勾配部443がガイドレール2と摺動するため、ガイドレール2にケーブルガイド4が取り付け易くなる。
【0078】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、勾配部543は、ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、少なくとも一部がガイドレール2の端部2bとは対向しない側にある。
【0079】
これにより、延伸部542が撓みながら勾配部543がガイドレール2と摺動するため、ガイドレール2にケーブルガイド4が取り付け易くなる。
【0080】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、延伸部442が、ケーブルガイド本体41からガイドレール2の端部2aとは反対側に向かって延びて突起部441に接続している場合、勾配部443は、突起部441の延伸部442とは反対側に配置され、延伸部542が、ハウジング本体51からガイドレール2の端部2b側に向かって延びて突起部541に接続している場合、勾配部543は、突起部541の延伸部542側に配置されている。
【0081】
これにより、延伸部442が撓みながら勾配部443がガイドレール2と摺動するため、ガイドレール2にケーブルガイド4を取り付け易くなる。また、延伸部542が撓みながら勾配部543がガイドレール2と摺動するため、ガイドレール2にドラムハウジング13を取り付け易くなる。
【0082】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、延伸部442は、ケーブルガイド4がガイドレール2に取り付けられた状態において、突起部441に向かうに従ってガイドレール2から離れるように傾斜している。
【0083】
これにより、ケーブルガイド4に振動が伝わったとしても、延伸部442がガイドレール2に接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0084】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、延伸部542は、ドラムハウジング13がガイドレール2に取り付けられた状態において、突起部541に向かうに従ってガイドレール2から離れるように傾斜している。
【0085】
これにより、ドラムハウジング13に振動が伝わったとしても、延伸部542がガイドレール2に接触し難くなり、異音の発生を低減することができる。
【0086】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、嵌合部44は、ガイドレール2の端面2cの厚み方向における一方の端2c2のバリとは反対側に配置されている。
【0087】
これにより、勾配部443がガイドレール2の端2c2に接触して破損することを防止できる。
【0088】
本実施形態のウインドレギュレータ1では、嵌合部54は、ガイドレール2の端面2dの厚み方向における一方の端2d1のバリとは反対側に配置されている。
【0089】
これにより、勾配部543がガイドレール2の端2d1に接触して破損することを防止できる。
【0090】
(他の実施の形態)
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
(A)
上記実施形態では、ケーブルガイド4の嵌合部44がガイドレール2から離間し、ドラムハウジング13の嵌合部54がガイドレール2から離間しているが、一方の嵌合部のみがガイドレール2から離間するように構成されていてもよい。この場合でも従来よりも異音の発生を低減することができる。
【0092】
(B)
上記実施形態では、嵌合部44の延伸部442が表面20c側に配置され、突起部441がガイドレール2の表面20c側から嵌合孔24に挿入されており、嵌合部54の延伸部542が表面20d側に配置され、突起部541がガイドレール2の表面20d側から嵌合孔25に挿入されているが、これに限らず、逆であってもよい。すなわち、延伸部442が表面20d側に配置され、突起部441がガイドレール2の表面20d側から嵌合孔24に挿入されており、延伸部542が表面20c側に配置され、突起部541がガイドレール2の表面20c側から嵌合孔25に挿入されてもよい。
【0093】
また、延伸部442および延伸部542の双方が表面20c側に配置され、突起部441および突起部541の双方がガイドレール2の表面20c側から各々の嵌合孔に挿入されてもよい。更に、延伸部442および延伸部542の双方が表面20d側に配置され、突起部441および突起部541の双方がガイドレール2の表面20d側から各々の嵌合孔に挿入されてもよい。
【0094】
(C)
上記実施形態では、嵌合孔24,25、および突起部441、541は、車両幅方向Cに沿って視て円形状であるが、これに限らなくてもよく、矩形状等であってもよい。
【0095】
(D)
上記実施形態では、対象物移動装置の一例として、対象物として窓ガラスを移動させるウインドレギュレータ1を例に挙げて説明したが、これに限らなくてもよく、ドラムによってケーブルを巻き取り、送り出すことによって対象物を駆動する装置であれば、本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の対象物移動装置は、異音の発生を低減することが可能な効果を有し、ウインドレギュレータ等に有用である。
【符号の説明】
【0097】
1:ウインドレギュレータ、2:ガイドレール、2a:端部、2b:端部、2c:端面、2c1:端、2c2:端、2d:端面、2d1:端、3:キャリアプレート、4:ケーブルガイド、5:巻取り・繰り出し機構部、6:ケーブル、7:ケーブル、11:ドラム、12:モータ、13:ドラムハウジング、14:モータハウジング、20レール本体部、20a:端、20b:端、20c:表面、20d:表面、21:第1立壁部、22:第2立壁部、23:延出部、24:嵌合孔、24e:縁、25:嵌合孔、25e:縁、41:ケーブルガイド本体、41a:第1面、41b:第2面、42:レール挿入部、43:貫通孔、43e縁、44:嵌合部、51:ハウジング本体、52:レール挿入部、53:貫通孔、53e:縁、54:嵌合部、141:締結部、151:内壁、411:湾曲部、412:下面部、414:内壁面、415:突起、415a:先端面、421:第1挿入部、422:第2挿入部、423:第3挿入部、424:第4挿入部、441:突起部、442:延伸部、442a基端部、443:勾配部、444:先端部、511:ドラム収納部、512:締結部、513:上面部、514:レールガイド部、515:内壁、516:面、517:突起、517a:先端面、521:第1挿入部、522:第2挿入部、523:第3挿入部、524:第4挿入部、41:突起部、542:延伸部、542a:基端部、543:勾配部、544:先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13