(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064819
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】状態監視システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240507BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240507BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20240507BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q50/10
G16Y20/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173714
(22)【出願日】2022-10-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 開催日 令和3年10月29日 集会名、開催場所 KPS Solution Fair 2021 In Tokyo ホテルニューオータニ ザ・メイン(〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4-1) 開催日 令和4年2月15日~18日 集会名、開催場所 HCJ2022(第50回国際ホテル・レストラン・ショー、第43回フード・ケータリングショー、第22回厨房設備機器展) 東京ビッグサイト 東展示棟1ホール(〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1)
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522124150
【氏名又は名称】cynaps株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】工藤 安未
(72)【発明者】
【氏名】山本 一帆
(72)【発明者】
【氏名】岩屋 雄介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由治
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施設に配置されたセンサの検知能力を加味せずに検知結果を表示する場合に比べ、より正しく施設の状態をユーザに提示する状態監視システムを提供する。
【解決手段】状態監視システムは、1又は複数のプロセッサは、複数箇所に設置され、各々の箇所の状態に影響する情報として温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光および音の少なくとも何れか一つを検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、複数の状態センサからの検知結果に応じて、各々の箇所の状態を示す状態情報を把握し、区画を含むフロアマップの情報を取得し、フロアマップの情報の区画に対応させて複数の状態センサが配置される各々の箇所を特定し、フロアマップの情報の区画に対応させ、各々の状態センサの検知能力に応じた領域を区画に応じて設定し、フロアマップの情報の区画毎又は領域毎に、把握した状態情報に応じた表示をさせる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
複数箇所に設置され、配置される各々の当該箇所の状態に影響する情報として温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、および音の少なくとも何れか一つを検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、
複数の前記状態センサからの検知結果に応じて、複数の当該状態センサが配置される各々の前記箇所の状態を示す状態情報を把握し、
表示のための情報であって、区画を含むフロアマップの情報を取得し、
前記フロアマップの情報の前記区画に対応させて複数の前記状態センサが配置される各々の箇所を特定し、
前記フロアマップの情報の前記区画に対応させ、および/または各々の前記状態センサの検知能力に応じた領域を当該区画に応じて設定し、当該フロアマップの情報の当該区画ごとまたは当該領域ごとに、把握した前記状態情報に応じた表示をさせること、
を特徴とする状態監視システム。
【請求項2】
前記状態センサが配置される各々の前記箇所に応じて、当該状態センサの検知能力に応じて一つの前記区画に複数の前記領域が設定され、前記区画ごとおよび前記領域ごとの前記状態情報が混在して表示されること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項3】
前記状態情報は、当該状態情報の内容に応じて色分けして表示され、同一の区画に設定された連続する複数の前記領域にて同一の色が用いられる場合には、同一の色が連続して表示されること、を特徴とする請求項1または2記載の状態監視システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、
ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知する他のセンサからの検知結果を取得し、
複数の前記状態センサからの検知結果と前記他のセンサからの検知結果とに応じて前記状態情報を把握すること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、
複数の前記状態センサからの検知結果のうちの現在の検知結果に応じて、現在の状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
前記現在の状態情報に応じた表示がされた前記区画または前記領域の前記状態情報の履歴の表示をさせること、を特徴とする請求項5記載の状態監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空調管理システムで、現在室温が設定温度よりも高いときには暑い状態を表す濃淡を含む色データとし、現在室温が設定温度よりも低いときには寒い状態を表す濃淡を含む色データとして、空調対象エリア全体を色表示するものが開示されている。
特許文献2では、環境センサとして「CO2センサ、温度センサ、照明センサ、音響計測器」が開示され、作業空間における座席レイアウトを、センサの検出値と関連付けて表示する技術が開示されている。
特許文献3では、建物内の監視対象としての電力消費量、蓄電量、ガス消費量、ガス残量、水使用量、貯水残量、温度及び湿度の状況を表示可能な表示装置にて、建物内の間取りに区切りが設けられて区画表示可能とされ、この区画毎に、監視対象の状況を、色や光量により表示可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5032452号公報
【特許文献2】特開2019-196877号公報
【特許文献3】特開2010-107816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、危険状態に応じて空調対象エリア全体を色表示する技術(特許文献1参照)や、作業空間における座席レイアウトに応じてセンサの検出を表示する技術(特許文献2参照)や、建物内の区画毎に温度や湿度などを監視して表示する技術(特許文献3参照)が存在する。
しかしながら、センサによる検出といっても、検出できる範囲はセンサの種類によっても異なり、また、検出する空気質によっても検出できる範囲は異なる。そのため、従来技術のような建物内の区画や座席レイアウトなどの定まった空間に適合させて表示しただけでは、ユーザに対して正しく空気質の状況を提示することができない。
本発明の目的は、施設に配置されたセンサの検知能力を加味せずに検知結果を表示する場合に比べ、より正しく施設の状態をユーザに提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、複数箇所に設置され、配置される各々の当該箇所の状態に影響する情報として温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、および音の少なくとも何れか一つを検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、複数の前記状態センサからの検知結果に応じて、複数の当該状態センサが配置される各々の前記箇所の状態を示す状態情報を把握し、表示のための情報であって、区画を含むフロアマップの情報を取得し、前記フロアマップの情報の前記区画に対応させて複数の前記状態センサが配置される各々の箇所を特定し、前記フロアマップの情報の前記区画に対応させ、および/または各々の前記状態センサの検知能力に応じた領域を当該区画に応じて設定し、当該フロアマップの情報の当該区画ごとまたは当該領域ごとに、把握した前記状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする状態監視システムである。
請求項2に記載の発明は、前記状態センサが配置される各々の前記箇所に応じて、当該状態センサの検知能力に応じて一つの前記区画に複数の前記領域が設定され、前記区画ごとおよび前記領域ごとの前記状態情報が混在して表示されること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項3に記載の発明は、前記状態情報は、当該状態情報の内容に応じて色分けして表示され、同一の区画に設定された連続する複数の前記領域にて同一の色が用いられる場合には、同一の色が連続して表示されること、を特徴とする請求項1または2記載の状態監視システムである。
請求項4に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知する他のセンサからの検知結果を取得し、複数の前記状態センサからの検知結果と前記他のセンサからの検知結果とに応じて前記状態情報を把握すること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項5に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、複数の前記状態センサからの検知結果のうちの現在の検知結果に応じて、現在の状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項6に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記現在の状態情報に応じた表示がされた前記区画または前記領域の前記状態情報の履歴の表示をさせること、を特徴とする請求項5記載の状態監視システムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の目的は、施設に配置されたセンサの検知能力を加味せずに検知結果を表示する場合に比べ、より正しく施設の状態をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る状態監視システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態が適用されるユーザ端末における表示の一例を示す図であり、(A)はフロアマップ情報の登録を受け付ける場合の表示、(B)はフロアマップ情報の登録を受け付けた後の表示を示した図である。
【
図5】本実施形態が適用されるセンサの位置情報を特定する処理を説明するための図であり、(A)は複数のセンサが配置された箇所を示す図であり、(B)はセンサの位置情報を反映させたプレビュー画像を示す図である。
【
図6】本実施形態が適用されるエリアを設定する処理を説明するための図であり、(A)はエリアの設定を受け付ける場合のプレビュー画像を示す図であり、(B)は区画内に複数のエリアを指定した場合のプレビュー画像を示す図である。
【
図7】本実施形態が適用される管理施設の状態情報に関する通知処理を説明するための図であり、(A)は管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の一例を示す図であり、(B)はリアルタイム画像を示す図である。
【
図8】本実施形態が適用される操作画面におけるエリアの履歴情報の表示の一例を示した図であり、(A)は第1のフロアマップにて選択された一のエリアの履歴情報のみを表示する場合、(B)は履歴情報が表示されるエリアの切替えを受け付ける場合を示す図である。
【
図9】本実施形態が適用される操作画面におけるエリアごとの状態情報の一覧表示の一例を示した図であり、(A)はエリアごとの状態情報が詳細に一覧表示された場合、(B)はエリアごとの状態情報が簡易的に一覧表示された場合を示す図である。
【
図10】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図11】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図12】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図13】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図14】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図15】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図16】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図17】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図18】本実施形態が適用される管理施設の状態情報に関する通知処理を説明するための図であり、(A)は管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図であり、(B)は積み上げリアルタイム画像を示す図である。
【
図19】管理施設の状態情報に関して通知する操作画面の他の例を示す図である。
【
図20】本実施形態に係る状態監視システムによる処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図21】本実施形態に係る状態監視システムによる処理の流れの他の例を示したフローチャートである。
【
図22】本実施形態に係る状態監視システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図23】本実施形態に係る状態監視システムの全体構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔状態監視システムの全体構成〕
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る状態監視システム1の全体構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る状態監視システム1は、施設の状態に影響する情報を検知するセンサが施設に配置され、このセンサの配置される箇所に応じて施設の状態に関する情報を出力することで、施設の状態をユーザに提示するシステムである。施設としては、例えば、住宅、店舗、工場、研究所、事務所、福祉施設、フィットネス、学校等の施設が挙げられる。もっとも、本実施形態に係る施設は、上記の施設とは異なってもよい。
【0009】
本実施形態の状態監視システム1は、システム全体を制御するサーバ10と、ユーザが例えば環境を管理する施設である管理施設20で使用されるセンサ22と、ユーザが使用する端末装置であるユーザ端末30とを有している。本実施の形態にて例示しているセンサ22は、施設に複数配置され、例えば環境の状態に影響する情報を検知する。
【0010】
本実施形態におけるサーバ10は、施設の状態に影響する情報を処理し、施設の状態に関する情報を出力するサーバである。サーバ10は、センサ22の配置される箇所に応じて施設の状態に関する情報を出力する。
図1に示す状態監視システム1には、サーバ10は1台のサーバで構成されているが、複数台のサーバで構成されてもよい。
【0011】
本実施形態における管理施設20には、複数のセンサ22との間で情報の送受信を行うとともに、ネットワーク40を介してサーバ10に接続される接続機器21が設けられている。接続機器21としては、例えばWi-Fi(登録商標)接続や、Bluetooth(登録商標)接続などの無線通信を実現させる機器が用いられる。また、接続機器21として、例えばデータ通信用のSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を用いた機器を採用してもよい。かかる場合には、所定の基地局を介してネットワーク40に接続されることとなる。なお、センサ22自体がネットワーク40を介してサーバ10に接続される場合には、別途接続機器21を設けなくてもよい。
また、管理施設20には、管理施設20内の設備の一例として、室内の換気を行う換気扇や全熱交換器などの換気設備23が設けられている。換気設備23は、バスや信号線、無線を通じてセンサ22と接続されている。
【0012】
本実施形態におけるセンサ22は、配置されている箇所の状態に影響する情報を検知する。具体的には、センサ22は、例えば配置されている箇所の空気質の状態に影響する情報を検知する。
センサ22は、温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、および音の少なくとも何れか一つを検知する。センサ22は、揮発性有機化合物について、例えば揮発性有機化合物の濃度または有無を検知する。また、センサ22は、微粒子として、例えばPM1.0や、PM2.5、PM4.0、PM10、塵、埃、粉じんなどを検知する。また、センサ22は、光として、例えばUVや、赤外線、可視光などを検知する。
【0013】
その他、センサ22は、ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知してもよい。センサ22は、被検体として人または物体を対象とし、被検体の有無、数または密度を検知してもよい。また、センサ22は、扉や窓などの対象物の距離と磁気とに基づいて、対象物の開閉を検知してもよい。また、センサ22は、例えばガスの流量や水の流量を検知してもよい。
なお、センサ22は、配置されている箇所の環境の状態など、施設の状態に影響する情報を検知するセンサであればよく、検出する対象は上記とは異なってもよい。
【0014】
また、センサ22は、接続機器21や換気設備23と通信する通信機能を有する。例えば、センサ22は、接続機器21を介して、検知した検知結果をサーバ10へ送信する。その他、センサ22が、接続機器21を介さず、ネットワーク40を経由してサーバ10に接続してもよい。また、例えば、センサ22は、検知結果に応じて換気設備23を制御する信号を換気設備23へ送信する。換気設備23は、信号に応じて、稼働されたり、稼働の設定を変更されたりする。なお、センサ22は、プロセッサやメモリを有している。
【0015】
本実施形態におけるユーザ端末30は、施設の状態に関する情報を確認するためにユーザが使用する情報端末装置である。ユーザ端末30は、管理施設20に関する情報やセンサ22に関する情報を入力する操作をユーザから受け付けたり、管理施設20の状態に関する情報を提示したりする。
ユーザ端末30には、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネルなどからなる表示部が設けられている。ユーザ端末30としては、例えば、コンピュータ装置、タブレット型情報端末、スマートフォン、その他の情報処理装置が挙げられる。
【0016】
〔サーバの構成〕
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
サーバ10は、例えばデスクトップPCやノートPCなどであるコンピュータ装置で構成される。サーバ10は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13と、を有している。また、サーバ10は、ネットワーク40を介してデータの送受信を行う通信部14を有している。更に、サーバ10は、サーバ10側のユーザからの入力操作を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの操作部15と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。
なお、サーバ10は、オンプレミス型のサーバとして構成されてもよいし、いわゆるクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0017】
図3は、サーバ10の機能構成の一例を示す図である。
サーバ10は、管理施設20のフロアマップに関するフロアマップ情報を取得するフロアマップ取得部111と、管理施設20におけるセンサ22の位置に関する位置情報を特定する位置情報特定部112とを有している。また、サーバ10は、センサ22が検知した検知結果を取得する検知結果取得部113と、取得した検知結果を解析する解析部114とを有している。また、サーバ10は、解析部114によって生成される管理施設20の状態を示す状態情報をユーザ端末30に向けて出力する状態情報出力部115を有している。さらに、サーバ10は、解析部114によって生成された状態情報を、状態情報の内容に応じて変換する変換部116を有してもよい。
また、サーバ10は、管理施設20の識別情報やフロアマップなど、管理施設20に関する各種情報を記憶する施設情報記憶部117と、解析部114によって生成された状態情報を記憶する状態情報記憶部118とを有している。また、サーバ10は、管理施設20での温湿度変化やCO
2濃度変化などを履歴情報として記憶する履歴情報記憶部119と、ユーザが使用するユーザ端末30などに対して、記憶されている履歴情報等を出力する履歴情報出力部120とを有する。
【0018】
フロアマップ取得部111は、管理施設20内の区画を示すフロアマップに関する情報を取得する。換言すると、フロアマップ取得部111は、管理施設20内の部屋を示す間取りに関する情報を取得する。具体的には、フロアマップ取得部111は、少なくとも管理施設20を識別する識別情報と、管理施設20内に設けられた壁を示す情報とを取得する。
位置情報特定部112は、管理施設20に配置されたセンサ22の位置情報を特定する。具体的には、位置情報特定部112は、フロアマップ取得部111にて取得したフロアマップの区画に対応させて複数のセンサ22が配置される箇所を示す情報を特定する。位置情報特定部112は、センサ22からの信号などに基づいて位置情報を特定してもよいし、ユーザがユーザ端末30を介して入力した入力情報に基づいて位置情報を特定してもよい。センサ22の位置情報には、管理施設20の各箇所に配置されたセンサ22の識別情報や、センサ22の検知能力などの各種情報が含まれる。
検知結果取得部113は、ネットワーク40を介してセンサ22が検知した検知結果を取得する。
【0019】
解析部114は、フロアマップ取得部111にて取得したフロアマップ情報と、位置情報特定部112にて特定したセンサ22の位置情報とを解析する。解析部114は、フロアマップ情報にセンサ22の位置情報を反映して生成した施設情報を、施設情報記憶部117に記憶させる。
また、解析部114は、検知結果取得部113にて取得した検知結果を解析する。具体的には、解析部114は、検知結果取得部113にて取得した検知結果を、施設情報記憶部117に記憶された施設情報を用いて解析する。解析部114は、複数のセンサ22の検知結果に応じて管理施設20の状態を把握し、生成した状態情報を状態情報記憶部118や、履歴情報記憶部119に記憶させる。
【0020】
状態情報出力部115は、位置情報特定部112にて特定したセンサ22の位置情報が反映された、解析部114または変換部116から取得した状態情報を出力し、管理施設20やユーザ端末30へ送信する。ユーザ端末30では、状態情報に関する通知処理が行われる。この通知処理として、例えば表示や電子メールなどによる状態情報の内容の通知が行われる。その他、通知処理として、例えば表示、音、光、および振動の少なくとも1つを用いた状態情報に基づく警告が行われてもよい。この警告は、例えば複数のセンサ22の検知結果に基づく危険度に応じて行われる。危険度は、例えば換気の必要性を示す度合いである。
【0021】
変換部116は、解析部114によって生成された状態情報を、管理施設20の換気を促す情報や、換気設備23を制御する情報に変換する。
履歴情報出力部120は、履歴情報記憶部119に記憶されている履歴情報自体や、履歴情報から算出される情報を出力し、ユーザ端末30などへ送信する。
【0022】
〔フロアマップ情報の取得例〕
続いて、フロアマップ情報の取得例について説明する。
図4は、本実施形態が適用されるユーザ端末30における表示の一例を示す図であり、(A)はフロアマップ情報の登録を受け付ける場合の表示、(B)はフロアマップ情報の登録を受け付けた後の表示を示した図である。
ユーザ端末30には、ユーザの操作を受け付ける操作画面300が表示される。
この処理例の場合、操作画面300には、フロアマップ情報の登録を受け付ける登録画面303の表示に係る指示をユーザから受け付ける登録画面表示ボタン301が含まれる。また、操作画面300には、センサ22の検知結果に応じた領域であるエリアの設定に係る指示をユーザから受け付けるエリア設定ボタン302が含まれる。
【0023】
図4(A)に示す表示例では、登録画面表示ボタン301がユーザにより選択された場合を示しており、登録画面303が操作画面300に表示されている。
登録画面303には、フロアマップ情報として登録するファイルの選択を受け付けるファイル選択欄304と、選択されたファイルに含まれるデータをフロアマップ情報として登録する指示をユーザから受け付ける登録ボタン305とが含まれる。ファイル選択欄304では、例えばユーザ端末30を用いてユーザがアクセスすることが可能なファイルであって、フロアマップ情報に用いることが可能なファイル形式のファイルの選択を受け付ける。フロアマップ情報に用いることが可能なファイル形式としては、例えばSVG、JPEG、PNGなどが挙げられる。選択されたファイルは、登録ボタン305がユーザにより選択された場合、サーバ10へ送信される。
【0024】
本実施形態では、ユーザが、ファイル選択欄304にてファイルを選択後に登録ボタン305を選択した場合に、
図4(B)に示すように、フロアマップをプレビュー表示したプレビュー画像306が表示される。具体的には、本実施形態では、管理施設20についてのファイルをユーザが登録した場合は、管理施設20のフロアマップを示す情報として、登録されたこのファイルに対応するプレビュー画像306が表示される。
プレビュー画像306には、少なくとも管理施設20の区画が示されている。また、プレビュー画像306には、例えば各区画に対して、「個室」、「トイレ」、「厨房」、「出入口」などの各区画の名称を示すテキストメッセージを対応付けて表示してもよい。また、プレビュー画像306は、管理施設20内に設けられた壁を示すだけでなく、窓や扉なども示されてもよい。
【0025】
〔位置情報の特定例〕
次に、位置情報の特定例について説明する。
図5は、本実施形態が適用されるセンサ22の位置情報を特定する処理を説明するための図であり、(A)は複数のセンサ22が配置された箇所を示す図であり、(B)はセンサ22の位置情報を反映させたプレビュー画像306を示す図である。
この処理例の場合、
図5(A)に示すように、管理施設20内の複数個所にセンサ22が配置されている。具体的には、この処理例の場合、一の区画に1つのセンサ22が設置され、他の区画内に4つのセンサ22が設置されている。
なお、センサ22が配置される箇所は
図5(A)に示す例に限られず、また、センサ22の設置されていない箇所でもよく、センサ22の数は少なくとも1つ設置されていればよい。
【0026】
本実施形態では、ユーザが、管理施設20内に複数のセンサ22を、
図5(A)に示すように設置した場合に、
図5(B)に示すように、複数のセンサ22の各々の位置情報を反映させたプレビュー画像306が表示される。具体的には、管理施設20内に複数のセンサ22が設置された状態にて、エリア設定ボタン302(
図4(B)参照)がユーザにより選択された場合に、複数のセンサ22の各々の位置情報を反映させたプレビュー画像306が表示される。また、操作画面300には、エリアの設定の終了に係る指示をユーザから受け付ける設定終了ボタン309が表示される。
【0027】
図5(B)に示す表示例では、プレビュー画像306に、複数のセンサ22の各々が配置された箇所に対応する位置を示す、センサ画像307が表示されている。
センサ画像307は、絵記号だけではなく、センサ22の機種名や名称などのセンサ22の各々を識別するテキストメッセージなどを含んでもよい。また、センサ画像307は、センサ22の外観や検知能力を反映させた画像であってもよい。
【0028】
例えば、センサ画像307は、各センサ22からの信号などに基づいて複数のセンサ22の各々の位置情報がサーバ10によって特定された場合に、プレビュー画像306上であって、複数のセンサ22の各々が配置された箇所に対応する位置に表示される。
その他、例えば、センサ画像307は、ユーザが入力した複数のセンサ22の各々の座標などの位置を示す入力情報に基づいて複数のセンサ22の各々の位置情報がサーバ10によって特定された場合に、プレビュー画像306上であって、複数のセンサ22の各々が配置された箇所に対応する位置に表示される。
また、その他、例えば、サーバ10は、ユーザが一のセンサ画像307を選択したまま移動した後に一のセンサ画像307の選択を解除した場合に、センサ22の位置情報を特定する。この場合、一のセンサ画像307は、ユーザによる選択が解除された位置に表示される。また、センサ22は、一のセンサ画像307の選択が解除された位置に対応する管理施設20内の箇所に配置されていると特定される。
【0029】
〔センサ22の検知結果に応じたエリアの設定例〕
次に、センサ22の検知結果に応じたエリアの設定例について説明する。
図6は、本実施形態が適用されるエリアを設定する処理を説明するための図であり、(A)はエリアの設定を受け付ける場合のプレビュー画像306を示す図であり、(B)は区画内に複数のエリアを指定した場合のプレビュー画像306を示す図である。
この処理例の場合、エリアの指定を受け付けるエリア指定画像308がプレビュー画像306に表示される。
【0030】
図6(A)に示す表示例では、エリア設定ボタン302(
図4(B)参照)がユーザにより選択された場合を示しており、エリア指定画像308と、エリアの設定の終了に係る指示をユーザから受け付ける設定終了ボタン309が表示されている。
エリア指定画像308は、センサ22の位置情報が特定された場合に、プレビュー画像306上に少なくとも1つが表示される。エリア指定画像308は、例えば管理施設20の区画に対応させてプレビュー画像306上に表示される。また、エリア指定画像308は、例えば管理施設20の区画であってセンサ22が配置された区画に対応させてプレビュー画像306上に表示される。
この表示例では、センサ22が1つ配置されている「個室」の区画内に、エリア指定画像308として「エリア1」が表示されている。
【0031】
また、エリア指定画像308は、ユーザの操作に基づいて、表示位置や表示領域が変更されてもよい。このユーザの操作としては、例えば、ユーザがエリア指定画像308の一の箇所を選択したまま移動した後に一の箇所の選択を解除する操作や、ユーザがエリア指定画像308の座標などを示す情報を入力する操作などが挙げられる。
エリア指定画像308は、例えば
図6(A)に示す例では一の区画よりも小さい領域で表示されているが、一のエリア指定画像308に対して一の区画内の全てを覆うようにするユーザの操作が行われた場合には、
図6(B)に示すように一の区画と同等の領域で表示されてもよい。
【0032】
本実施形態の場合、設定終了ボタン309がユーザにより選択されると、一のエリア指定画像308によって覆われている領域が、この領域内に配置されたセンサ22の検知結果に応じた領域であるエリアとして設定される。
また、一の区画に対して複数のエリア指定画像308を表示させた状態で設定終了ボタン309がユーザにより選択された場合、一の区画に対して複数のエリアを設定してもよい。
【0033】
図6(B)に示す表示例では、「個室」の区画とは異なる他の区画であって複数のセンサ22が配置された他の区画に対し、複数のエリア指定画像308が表示されている。この表示例では、エリア指定画像308として、「個室」の区画に対して「エリア1」が表示され、他の区画に対して「エリア2-1」、「エリア2-2」、「エリア2-3」、「エリア2-4」が表示されている。エリア指定画像308によって覆われている領域の各々は、それぞれの領域内に配置されたセンサ22の検知能力に応じた領域であるエリアとして設定される。
【0034】
例えば、エリア指定画像308は、ユーザの操作に基づいて、追加または削除される。その他、例えば、エリア指定画像308の数は、各センサ22の位置情報に含まれる、センサ22が配置される箇所を示す情報や、識別情報、センサ22の検知能力などの各種情報に基づいて決定されてもよい。
エリア指定画像308の形状は、矩形だけではなく、ユーザが指定した形状であってもよい。また、エリア指定画像308は、例えば透過処理され、プレビュー画像306をユーザが視認できるように表示されてもよい。
【0035】
〔状態情報に関する通知例〕
次に、状態情報に基づく表示例について説明する。
図7は、本実施形態が適用される管理施設20の状態情報に関する通知処理を説明するための図であり、(A)は管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の一例を示す図であり、(B)はリアルタイム画像312を示す図である。
この処理例の場合、
図5(A)に示すように管理施設20内に5つのセンサ22が配置され、
図6(B)のように「エリア1」、「エリア2-1」、「エリア2-2」、「エリア2-3」、「エリア2-4」の5つのエリアが設定されている場合を例としている。また、各エリアに配置されたセンサ22の検知結果として、CO
2濃度、温度、湿度が取得される場合を例としている。
【0036】
図7(A)に示す表示例では、管理施設20における状態情報の内容を通知するとともに、換気について警告を行う操作画面300が表示されている。
操作画面300には、エリアごとに状態情報を反映させた第1のフロアマップ311と、センサ22のリアルタイムの検知結果を示すリアルタイム画像312とが表示されている。また、操作画面300には、第1のフロアマップ311の表示態様と換気の必要性との関係を説明する説明欄313と、第1のフロアマップ311のエリアの非表示に係る指示をユーザから受け付けるエリア非表示ボタン314とが表示されている。さらに、操作画面300には、第1のフロアマップ311の表示に係る指示をユーザから受け付けるマップ表示ボタン315、エリアごとの状態情報の一覧表示に係る指示をユーザから受け付ける第1の一覧表示ボタン316、第1の一覧表示ボタン316とは異なる表示態様の一覧表示に係る指示をユーザから受け付ける第2の一覧表示ボタン317が表示されてもよい。また、操作画面300には、状態情報の通知に伴う音を消音にする指示をユーザから受け付ける消音ボタン318、操作画面300の表示に係る各種の指示をユーザから受け付ける指示ボタン319が表示されてもよい。なお、消音ボタン318に対するユーザの操作に基づいて、状態情報の通知に伴って音が出力されてもよいし、出力される音の音量が調整されるようにしてもよい。
【0037】
第1のフロアマップ311は、管理施設20のフロアマップに対応させて設定されたエリアごとに状態情報に基づく表示が行われる。第1のフロアマップ311には、管理施設20の区画ごとの状態情報に基づく表示と、区画内に配置される複数のセンサ22の検知能力に応じた領域ごとの状態情報に基づく表示とが混在している。
また、第1のフロアマップ311は、一のエリアの状態情報と、一のエリアと隣り合う他のエリアの状態情報とが一致する場合、連続した表示が行われる。換言すると、第1のフロアマップ311は、同一の区画に設定された連続する複数のエリアにて同一の色が用いられる場合に、同一の色が連続して表示される。
【0038】
第1のフロアマップ311は、エリアごとの状態情報に応じて色分けが行われる。例えば、第1のフロアマップ311は、エリアごとの空気質に応じて色分けが行われる。具体的には、例えば換気が必要であるエリアは赤色で表示され、換気の必要性が中程度に高く注意が必要であるエリアは黄色で表示され、換気の必要性が低いエリアは青色で表示される。
エリアごとの空気質に応じて色分けが行われる場合には、各エリアにて換気が不要であるか否かを、ユーザによって一目で認識されることを図る。
【0039】
なお、エリアごとに状態情報に基づく表示は、赤色、黄色、青色などの色分けに限られない。例えば、換気が必要であるエリアについては、赤色などで表示せず、「ただいま換気中です」のようなテキストメッセージなどが表示されてもよい。換気が必要であるエリアが換気の必要性が低いエリアと識別されるように表示されればよい。
【0040】
また、第1のフロアマップ311には、リアルタイム画像312が、対応するエリア上に表示されている。
リアルタイム画像312は、複数のセンサ22からの検知結果のうちの現在の検知結果を反映させて表示される。この「現在の検知結果」とは、出力することが可能な検知結果のうち、最新の検知結果のことである。なお、本明細書において、「現在」とは、出力することが可能な対象の中で、最新のものを指す。
【0041】
リアルタイム画像312は、対応するエリアに付された色に合わせた色で表示されてもよい。例えば、リアルタイム画像312は、対応するエリアと同系色であり、かつ対応するエリアに付された色よりも濃い色で表示される。
また、リアルタイム画像312は、対応するエリアに関連付けて表示される。例えば、リアルタイム画像312は、対応するエリア内に表示される。また、例えば、リアルタイム画像312は、センサ22が配置された箇所に対応する位置に表示される。
【0042】
リアルタイム画像312には、例えば
図7(B)に示すように、センサ22のリアルタイムの検知結果の表示領域として、CO
2濃度の現在値を示すCO
2濃度表示領域3121と、温度の現在値を示す温度表示領域3122と、湿度の現在値を示す湿度表示領域3123とが含まれる。この表示例では、CO
2濃度がメインとして表示されているが、CO
2濃度表示領域3121、温度表示領域3122、湿度表示領域3123の配置や表示面積は変更することが可能である。また、表示される数値の単位も変更することが可能である。また、表示される項目の数は、3つに限られず、1つや2つ、4つ以上にも変更することが可能である。
また、リアルタイム画像312には、換気の必要性に応じてバーの長さが変わるゲージ表示領域3124が設けられてもよい。ゲージ表示領域3124にて、例えば換気が必要な状態ではバーが一周するように、換気の必要性が高まるにつれてバーの長さが伸びる。
【0043】
上述の例では、操作画面300にて、複数のセンサ22からの検知結果のうちの現在の検知結果に応じて、現在の状態情報に応じた表示が行われているが、これに限られない。例えば、現在の状態情報に応じた表示がされたエリアについて、状態情報の履歴が表示されてもよい。
【0044】
図8は、本実施形態が適用される操作画面300におけるエリアの履歴情報の表示の一例を示した図であり、(A)は第1のフロアマップ311にて選択された一のエリアの履歴情報のみを表示する場合、(B)は履歴情報が表示されるエリアの切替えを受け付ける場合を示す図である。
この処理例の場合、操作画面300にて、「エリア2-1」(
図6(B)参照)の履歴情報について表示されている場合を例としている。
【0045】
本実施形態では、ユーザが、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)にて一のエリアを選択した場合に、
図8(A)に示すように、選択された一のエリアの履歴情報が表示される。具体的には、例えば、第1のフロアマップ311にて「エリア2-1」(
図6(B)参照)内のリアルタイム画像312がユーザにより選択された場合に、
図8(A)に示すように、「エリア2-1」の履歴情報を操作画面300に表示させる。
【0046】
図8(A)に示す表示例では、操作画面300には、エリアの名称を示すエリア名欄321と、エリアの現在の状態について通知する通知画像322とが表示される。また、操作画面300には、エリアに配置されているセンサ22のリアルタイムの検知結果を示すリアルタイム欄323と、エリアの履歴情報を示す履歴欄324とが表示される。また、操作画面300には、履歴情報についての表示の終了に係る指示をユーザから受け付ける表示終了ボタン325が表示されてもよい。表示終了ボタン325がユーザにより選択された場合、
図8(A)に示す表示は解除され、操作画面300の表示は、
図7(A)に示す状態となる。なお、履歴情報として表示されている項目の順序や、履歴情報として表示される項目自体や項目の数の変更に係る指示をユーザから受け付けるボタンが表示されてもよい。
【0047】
通知画像322は、エリアの状態を通知する。通知画像322にて、例えばエリアの現在の空気質の状態や、現在の換気状況が適正であるか否かが通知される。通知画像322による通知は、テキストメッセージに限られず、絵記号や色によって行われてもよい。
リアルタイム欄323には、エリアに配置されたセンサ22のリアルタイムの検知結果として、CO2濃度の現在値や、温度の現在値、湿度の現在値などが表示される。
【0048】
履歴欄324は、エリアに配置されたセンサ22から現在までに取得した検知結果である履歴情報を、例えば1時間ごとなど予め定められた間隔で表示している。履歴欄324にて、履歴情報は、例えば横軸を時間、縦軸を検知した数値として、棒グラフとして表示される。棒グラフのうちの現在の時間帯の数値を示す棒グラフと、他の時間帯の棒グラフとの間で、表示態様を異ならせる。
【0049】
また、履歴欄324には、各項目において設けられた基準値を表示してもよい。換言すると、履歴欄324には、各項目において設けられた上限値や下限値を表示してもよい。
基準値として、例えば感染症の感染拡大の観点から設定された値や、熱中症のリスクの観点から設定された値、カビの発生の観点から設定された値などが採用される。また、履歴欄324に、各項目において最適な数値帯を示すように基準値を表示してもよい。履歴欄324の各項目の基準値は、ユーザにより設定または変更されてもよい。
図8(A)に示す表示例では、各項目にて上限値を超えた時間帯の棒グラフが、上限値を超えていない他の時間帯の棒グラフに比べて強調されるように表示されている。
なお、履歴欄324の各項目に表示される値は、基準値に限られず、履歴内の最高値や最低値を示すようにしてもよい。この場合、各項目にて履歴内の最高値の時間帯の棒グラフや、最低値の時間帯の棒グラフが、他の時間帯の棒グラフに比べて強調されるように表示される。
【0050】
また、本実施形態では、一のエリアの履歴情報が表示された状態で、他のエリアの履歴情報の表示を受け付けるようにしてもよい。
図8(B)に示す表示例では、「エリア2-1」(
図6(B)参照)の履歴情報が操作画面300に表示されているが、ユーザの操作に基づいて、履歴情報を表示する対象のエリアを変更することが可能である。
また、表示終了ボタン325(
図8(A)参照)に代えて、マップ表示ボタン315がユーザにより選択された場合に、
図8(B)に示す表示が解除され、操作画面300の表示が
図7(A)に示す状態となってもよい。
【0051】
上述した例では、第1のフロアマップ311が非表示の状態の操作画面300に、エリアの履歴情報が表示されたが、これに限られない。例えば、操作画面300に、第1のフロアマップ311とともに、エリアの履歴情報が表示されてもよい。
【0052】
図9は、本実施形態が適用される操作画面300におけるエリアごとの状態情報の一覧表示の一例を示した図であり、(A)はエリアごとの状態情報が詳細に一覧表示された場合、(B)はエリアごとの状態情報が簡易的に一覧表示された場合を示す図である。
この処理例の場合、各エリアに配置されたセンサ22の検知結果として、CO
2濃度、温度、湿度が取得される場合を例としている。
【0053】
本実施形態では、ユーザが、第2の一覧表示ボタン317を選択した場合に、
図9(A)に示すように、エリアごとの状態情報が一覧表示される。具体的には、例えば、第2の一覧表示ボタン317がユーザにより選択された場合に、
図9(A)に示すように、「エリア1」、「エリア2-1」、「エリア2-2」、「エリア2-3」、「エリア2-4」の現在の状態について通知する。
【0054】
図9(A)に示す表示例では、操作画面300には、管理施設20の区画やエリアの名称を示す区画/エリア名欄331と、CO
2濃度の現在値を示すCO
2濃度欄332とが表示される。また、操作画面300には、温度の現在値を示す温度欄333と、湿度の現在値を示す湿度欄334とが表示される。各エリアに配置されたセンサ22に応じて、CO
2濃度欄332、温度欄333、湿度欄334は変更される。具体的には、各エリアに配置されたセンサ22によって検知される対象の現在値が表示されるように変更される。
また、操作画面300には、管理施設20の区画やエリアの現在の状態について通知する通知欄335が表示される。また、マップ表示ボタン315がユーザにより選択された場合、
図9(A)に示す表示は解除され、操作画面300の表示は、
図7(A)に示す状態となる。
【0055】
区画/エリア名欄331に、設定されたエリアである「エリア1」、「エリア2-1」、「エリア2-2」、「エリア2-3」、「エリア2-4」の他に、管理施設20の区画であってセンサ22が配置されていない「厨房」や「トイレ」が表示されている。区画/エリア名欄331には、センサ22が配置されている区画やエリアの名称のみを表示してもよく、配置されたセンサ22が稼働している区画やエリアの名称のみを表示してもよい。
【0056】
図9(A)に示す表示例では、リアルタイム画像312(
図7(B)参照)に表示されるセンサ22の検知結果よりも、詳細な検知結果を表示してもよい。具体的には、例えば温度欄333や湿度欄334に表示される数値は、温度表示領域3122や湿度表示領域3123に表示される数値よりもセンサ22の検知結果を正確に表示してもよい。
なお、センサ22が配置されていない「厨房」と「トイレ」については、CO
2濃度の現在値や、温度の現在値、湿度の現在値は非表示となる。
【0057】
また、通知欄335に表示される「良好」、「注意」、「警告」は、第1のフロアマップ311にて対応するエリアに付された色に合わせた色で表示されてもよい。なお、通知欄335は、管理施設20の区画やエリアの現在の状態について通知されればよく、表示される文言として他の文言が表示されてもよいし、絵記号が表示されてもよい。
また、センサ22が配置されていない「厨房」および「トイレ」については、通知欄335にて「切断」が表示されている。通知欄335の表示は、「切断」に限られず、センサ22が配置されていない場合には「未配置」などと表示されてもよく、センサ22が配置されているものの接続が途絶えている場合には「未接続」などと表示されてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、ユーザが、第1の一覧表示ボタン316を選択した場合に、
図9(B)に示すように、エリアごとの状態情報を簡易的に一覧表示してもよい。具体的には、例えば、第1の一覧表示ボタン316がユーザにより選択された場合に、
図9(B)に示すように、センサ22の検知結果を取得している「エリア1」、「エリア2-1」、「エリア2-2」、「エリア2-3」、「エリア2-4」の現在の状態について通知する。
図9(B)に示す表示例では、操作画面300には、エリアごとに、エリアの名称と、センサ22の代表的な検知結果と、現在の状態とをまとめて示す、一括通知画像336が表示されている。
【0059】
上述した例では、第1のフロアマップ311が非表示の状態の操作画面300に、エリアの状態情報が一覧表示されたが、これに限られない。例えば、操作画面300に、第1のフロアマップ311とともに、エリアの状態情報が一覧表示されてもよい。
また、エリアの状態情報が一覧表示されている状態にて、ユーザが、一のエリアの状態情報を選択した場合に、選択された一のエリアの履歴情報が表示されてもよい。
【0060】
〔管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例〕
フロアマップにおけるエリアごとの状態情報に基づく表示は、
図7(A)に示す例に限られない。
図10は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図10に示す表示例では、操作画面300には、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)に代えて、エリアごとにセンサ22の検知結果を反映させた第2のフロアマップ341が表示されている。
【0061】
第2のフロアマップ341は、管理施設20のフロアマップに対応させて設定されたエリアごとに、各エリアに配置されたセンサ22の検知結果に基づく表示が行われる。例えば、第2のフロアマップ341は、一のエリアに配置されたセンサ22の検知結果と、一のエリアの換気の必要性と一致する他のエリアに配置されたセンサ22の検知結果とに差が生じている場合には、色の濃淡を変えて表示が行われる。
具体的には、例えば換気の必要性が低いエリアのうち、より換気の必要性が低いエリアは青色よりも薄い色である水色で表示され、まだ換気は必要ないが注意が必要となりそうなエリアは青色よりも濃い紺色で表示される。
なお、センサ22の検知結果に基づく表示は、色の濃淡などの色分けに限られず、換気の必要性が一致するがセンサ22の検知結果に差が生じていることが識別されるように表示されればよい。
【0062】
図11は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図11に示す表示例では、操作画面300には、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)に代えて、一の区画内に設定されたエリアどうしの間に余白352を設けた第3のフロアマップ351が表示されている。
余白352は、一の区画内に設定されたエリアどうしの間に対して、全て設けられているが、これに限られない。例えば、余白352は、エリアの換気の必要性が異なるエリアどうしの間に設けてもよいし、エリアの換気の必要性が一致するエリアどうしの間に設けてもよい。
【0063】
図12は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図12に示す表示例では、操作画面300には、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)に代えて、エリアごとに状態情報を円形で反映させた第4のフロアマップ361が表示されている。
第4のフロアマップ361は、管理施設20のフロアマップに対応させて設定されたエリアごとに状態情報に基づく円形状の表示が行われる。例えば、第4のフロアマップ361は、センサ22が配置された箇所に対応する位置を中心とする円形の領域にて、状態情報に基づく表示が行われる。この円形の領域は、エリアの領域の大きさを反映させてもよく、センサ22の検知範囲を反映させてもよい。
【0064】
図13は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
本実施形態では、ユーザが、エリア非表示ボタン314(
図7(A)参照)を選択した場合に、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)に代えて、
図13に示すような、エリアごとの色分けを非表示とした第5のフロアマップ371が表示される。また、操作画面300には、エリアごとの色分けの表示に係る指示をユーザから受け付けるエリア表示ボタン374が表示される。
第5のフロアマップ371にて、状態情報に応じた色分けによるエリアの表示は解除されるが、リアルタイム画像312の表示は維持される。例えば、リアルタイム画像312は、対応するエリアの換気の必要性を反映した色であって説明欄313に示されている換気の必要性に対応づけられた色にて表示される。
【0065】
図14は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図14に示す表示例では、操作画面300には、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)に代えて、エリアごとの状態情報に基づいて、換気の必要性をグラデーションで反映させた第6のフロアマップ381が表示されている。また、操作画面300には、説明欄313(
図7(A)参照)に代えて、第6のフロアマップ381の表示態様と換気の必要性との関係を説明するグラデーション説明欄383が表示される。
第6のフロアマップ381は、隣り合うエリアどうしの色が混じり合うように表示される。また、第6のフロアマップ381は、管理施設20を3次元表示している。これらにより、現在の状態情報をより正確に反映させることを図る。
また、第6のフロアマップ381上に、リアルタイム画像312(
図7(A)参照)を表示してもよい。
【0066】
図15は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図15に示す表示例では、操作画面300には、管理施設20に設けられた扉を表示したフロアマップにエリアごとに状態情報を反映させた第7のフロアマップ391が表示されている。第7のフロアマップ391には、管理施設20に設けられた窓や換気設備、電化製品を反映させてもよい。
また、第7のフロアマップ391において、符号392に示す領域のように、区画を越えてエリアが設定されてもよい。第7のフロアマップ391は、第1のフロアマップ311に比べて、各センサ22の検知範囲をより正確に反映している。
【0067】
図16は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図16に示す表示例では、操作画面300には、リアルタイム画像312(
図7(A)参照)に代えて、各エリアの現在の換気の必要性が継続している時間に応じて表示領域が変化する継続リアルタイム画像402が表示されている。
例えば、継続リアルタイム画像402は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が長くなるほど表示領域が大きくなるように表示されてもよい。その他、例えば、継続リアルタイム画像402は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が短いほど、表示領域が大きくなるように表示されてもよい。
また、例えば、継続リアルタイム画像402は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が長くなるほど表示領域が小さくなるように表示されてもよい。その他、例えば、継続リアルタイム画像402は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が短いほど、表示領域が小さくなるように表示されてもよい。
【0068】
図17は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図17に示す表示例では、操作画面300には、リアルタイム画像312(
図7(A)参照)に代えて、各エリアの現在の換気の必要性を強調するように表示領域が変化する強調リアルタイム画像412が表示されている。換気が必要であるエリアや注意が必要であるエリアに対応する強調リアルタイム画像412の表示領域は、換気の必要性が低いエリアに対応する強調リアルタイム画像412の表示領域よりも大きい。これにより、換気が求められるエリアを、ユーザが認識しやすくなることを図る。
その他、例えば、換気の必要性が低いエリアに対応する強調リアルタイム画像412の表示領域を、換気が必要であるエリアや注意が必要であるエリアに対応する強調リアルタイム画像412の表示領域よりも大きくしてもよい。これにより、最適な換気状況が保たれているエリアを、ユーザが認識しやすくなることを図る。
また、その他、例えば、ユーザが選択した換気の必要性が継続している時間に応じてエリアを強調するように、強調リアルタイム画像412が表示されてもよい。
【0069】
図18は、本実施形態が適用される管理施設20の状態情報に関する通知処理を説明するための図であり、(A)は管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図であり、(B)は積み上げリアルタイム画像432を示す図である。
この処理例の場合、管理施設20のフロアマップが3次元表示されている場合を例としている。
【0070】
図18(A)に示す表示例では、操作画面300には、エリアごとに状態情報を反映させるフロアマップを3次元表示した第8のフロアマップ421と、センサ22のリアルタイムの検知結果を3次元表示した3次元リアルタイム画像422とが表示されている。
第8のフロアマップ421は、3次元表示されたフロアマップに対応させて設定されたエリアごとに状態情報に基づく表示が行われる。具体的には、第8のフロアマップ421は、エリアごとの状態情報に応じて色分けが行われる。
【0071】
また、第8のフロアマップ421には、3次元リアルタイム画像422が、対応するエリア上に表示されている。3次元リアルタイム画像422は、各エリアの現在の換気の必要性が継続している時間に応じて高さが変化する。
例えば、3次元リアルタイム画像422は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が長くなるほど、高くなるように表示されてもよい。その他、例えば、3次元リアルタイム画像422は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が短いほど、高くなるように表示されてもよい。
また、例えば、3次元リアルタイム画像422は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が長くなるほど、低くなるように表示されてもよい。その他、例えば、3次元リアルタイム画像422は、対応するエリアの現在の換気の必要性が継続している時間が短いほど、低くなるように表示されてもよい。
【0072】
また、3次元リアルタイム画像422に代えて、
図18(B)に示すように、一の換気の必要性を維持して予め定められた時間が経過した場合に高さが積み上がる積み上げリアルタイム画像432が表示されてもよい。
図18(B)に示す表示例では、積み上げリアルタイム画像432に、一の換気の必要性を維持している場合に表示される第1のリアルタイム画像4321、第2のリアルタイム画像4322、第3のリアルタイム画像4323が含まれる。
例えば、第1のリアルタイム画像4321のみが表示されているときの一の換気の必要性を維持して予め定められた時間が経過した場合、第2のリアルタイム画像4322が表示される。さらに、第2のリアルタイム画像4322が表示されてからも一の換気の必要性を維持して予め定められた時間が経過した場合、第3のリアルタイム画像4323が表示される。第3のリアルタイム画像4323の最上面には、対応するエリアに配置されたセンサ22のリアルタイムの検知結果が表示される。
【0073】
図19は、管理施設20の状態情報に関して通知する操作画面300の他の例を示す図である。
図19に示す表示例では、操作画面300には、リアルタイム画像312(
図7(A)参照)に代えて、各エリアの現在の換気の必要性を数値ではなく絵記号などで表示するアイコン画像442が表示されている。
アイコン画像442は、例えば表情によって、各エリアの現在の換気の必要性を示している。アイコン画像442として、換気の必要性が低いエリアには笑顔の表情を示す第1のアイコン画像4421、まだ換気は必要ないが注意が必要となりそうなエリアには普通の表情を示す第2のアイコン画像4422が表示されている。また、アイコン画像442として、換気が必要であるエリアには悲しい表情を示す第3のアイコン画像4423が表示されている。
【0074】
その他、例えば、アイコン画像442として、動物が表示されてもよい。この場合、例えば、換気の必要性が低いエリアに寝ている状態の動物、まだ換気は必要ないが注意が必要となりそうなエリアに起きている状態の動物、換気が必要であるエリアに怒っている状態の動物が表示されてもよい。
また、その他、例えば、アイコン画像442として、花を表示してもよい。この場合、例えば、換気の必要性が低いエリアに花束、まだ換気は必要ないが注意が必要となりそうなエリアに一輪の花、換気が必要であるエリアに枯れた状態の花が表示されてもよい。
【0075】
また、その他、例えば、アイコン画像442として、爆弾を表示してもよい。この場合、例えば、換気の必要性が低いエリアに導火線が長い爆弾、まだ換気は必要ないが注意が必要となりそうなエリアに導火線が短くなった爆弾、換気が必要であるエリアに爆弾が爆発する様子が表示されてもよい。
また、その他、例えば、アイコン画像442として、うずまきを表示してもよい。この場合、例えば、換気の必要性が低いほど大きなうずまきが表示されてもよい。
【0076】
〔処理の流れ〕
図20は、本実施形態に係る状態監視システム1による処理の流れの一例を示したフローチャートである。
サーバ10が、複数のセンサ22の検知結果を取得する(S501)。サーバ10は、各センサ22の検知結果に応じて状態情報を把握する(S502)。
そして、サーバ10は、施設情報記憶部117に記憶されたフロアマップを含む施設情報を取得する(S503)。サーバ10は、複数のセンサ22の位置情報を特定する(S504)。
【0077】
上記では省略したが、サーバ10が、複数のセンサ22の位置情報が反映された状態情報を出力し、ユーザ端末30へ送信する。
ユーザ端末30は、受信した状態情報に基づいて、状態情報に関する通知画像を作成する(S505)。ユーザ端末30が、作成した通知画像を表示して(S506)、処理を終了する。
具体的には、ユーザ端末30は、状態情報に関する通知画像として、例えば
図7(A)に示す操作画面300を作成して表示し、処理を終了する。
【0078】
図21は、本実施形態に係る状態監視システム1による処理の流れの他の例を示したフローチャートである。
サーバ10が、施設情報記憶部117に記憶されたフロアマップを含む施設情報を取得する(S601)。サーバ10は、複数のセンサ22の位置情報を特定する(S602)。
サーバ10は、複数のセンサ22の位置情報が反映された施設情報を出力し、ユーザ端末30へ送信する。
【0079】
ユーザ端末30は、受信した施設情報に基づいて、状態情報の通知に用いられる通知画像を作成する(S603)。
そして、サーバ10が、複数のセンサ22の検知結果を取得する(S604)。サーバ10は、各センサ22の検知結果に応じて状態情報を把握する(S605)。
【0080】
上記では省略したが、サーバ10が、複数のセンサ22の位置情報が反映された状態情報を出力し、ユーザ端末30へ送信する。
ユーザ端末30が、状態情報を反映させた通知画像を表示して(S606)、処理を終了する。具体的には、ユーザ端末30は、状態情報を反映させた通知画像として、例えば
図7(A)に示す操作画面300を作成して表示し、処理を終了する。
【0081】
本実施形態に係る状態監視システム1による処理の流れは、
図20,
図21に限られない。例えば、
図20,
図21にて示した各処理が並行して実行されてもよい。
【0082】
〔変形例1〕
図1では、管理施設20の一例として、センサ22と接続されている換気設備23を用いて、本実施の形態を説明した。しかし、管理施設20の換気を行う機器の種類は、上記に限定されず、例えば、電気製品などを用いて空気質を改善させることが可能である。
【0083】
図22は、本実施形態に係る状態監視システム2の全体構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る状態監視システム2では、ネットワーク40を介してサーバ10に接続される接続機器221と、複数のセンサ222と、冷暖房機やサーキュレータなどの電気製品223とが、管理施設220に設けられている。センサ222は、
図1に示すセンサ22と同様な機能構成を備えている。
【0084】
接続機器221は、ネットワーク40を介してサーバ10に接続されるとともに、複数のセンサ222や電気製品223との間で情報の送受信を行う。接続機器221としては、例えば無線通信を実現させる機器が用いられる。
電気製品223は、接続機器221との間で情報の送受信を行う通信モジュールを備えている。通信モジュールは、電気製品223の内部に備えられているものでもよく、電気製品223の外部に後付けによって接続されてもよい。また、電気製品223は、センサ222を備えてもよい。
これにより、電気製品223は、複数のセンサ222を介することなく、接続機器221との情報の交換を実現させることが可能になる。
【0085】
〔変形例2〕
図1,
図22では、管理施設20,220の換気に関する通知を用いて、本実施の形態を説明した。しかし、サーバ10が通知する内容の種類は、上記に限定されず、各種センサの検知結果に基づく内容であればよい。
【0086】
図23は、本実施形態に係る状態監視システム3の全体構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る状態監視システム3には、各種のセンサデバイス50と、サーバ10が通知する内容について表示が行われる表示端末60と、センサデバイス50の検知結果に応じて制御される各種の機器70とが設けられている。サーバ10、各種のセンサデバイス50、表示端末60、各種の機器70は、ネットワーク80を介して接続される。
状態監視システム3では、センサデバイス50、表示端末60、機器70が、サーバ10に集約されている。これにより、サーバ10にて各種の情報が一元管理されるため、管理したい項目の設定や変更に柔軟に対応することが可能となる。
【0087】
各種のセンサデバイス50は、温度、湿度、CO
2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、音、ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知する。
表示端末60は、
図1に示すユーザ端末30と同様な機能構成を備えている。表示端末60としては、例えば、コンピュータ装置、タブレット型情報端末、スマートフォン、その他の情報処理装置が挙げられる。
各種の機器70は、稼働状況がセンサデバイス50の検知する情報に影響を与える機器である。機器70は、センサデバイス50の検知結果に応じて制御される機器である。機器70としては、例えば、換気機器、冷暖房機器、加湿器、空気清浄機、電子錠、冷凍機などが挙げられる。
【0088】
また、例えば、ユーザ端末30や表示端末60に、第1のフロアマップ311(
図7(A)参照)のような状態情報に基づく表示を行うだけでなく、換気設備23や電気製品223、機器70のメンテナンスを促す通知を行ってもよい。例えば、ユーザ端末30や表示端末60に表示された画面は、画像としてダウンロードされたり、リンク掲載を可能とするようにURLが発行されたりしてもよい。
【0089】
また、例えば、センサ22などの検知結果が閾値を超えた場合に、管理施設20を管理するユーザである、管理施設20を管理する企業や、管理施設20にて働く従業員などに、アラート送信が行われてもよい。
また、例えば、状態情報の内容の通知や状態情報に基づく警告が、管理施設20を管理する企業や管理施設20にて働く従業員だけでなく、管理施設20に訪れた客にも行われてもよい。
【0090】
各実施形態にてプロセッサの一例としてのCPUによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ10やユーザ端末30などへ提供しうる。また、CPUによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバ10やユーザ端末30などへ提供してもよい。なお、プログラムは、プロセッサを有するセンサ22,222、センサデバイス50へも提供しうる。
【0091】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0092】
各実施形態における情報処理システムが行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。このプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0093】
1,2,3…状態監視システム、10…サーバ、20…管理施設、21…接続機器、22,222…センサ、23…換気設備、30…ユーザ端末、40…ネットワーク、300…操作画面、311…第1のフロアマップ、312…リアルタイム画像
【手続補正書】
【提出日】2023-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
複数箇所に設置され、配置される各々の当該箇所の状態に影響する情報として温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、および音の少なくとも何れか一つを検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、
複数の前記状態センサからの検知結果に応じて、複数の当該状態センサが配置される各々の前記箇所の状態を示す状態情報を把握し、
表示のための情報であって、区画を含むフロアマップの情報を取得し、
各々の前記状態センサの検知能力に応じた領域であってユーザによって指定された当該領域を前記フロアマップの情報の前記区画に対して設定し、
前記フロアマップの情報の前記区画ごとまたは前記領域ごとに、把握した前記状態情報に応じた表示をさせること、
を特徴とする状態監視システム。
【請求項2】
前記状態センサが配置される各々の前記箇所に応じて一つの前記区画に複数の前記領域が設定され、前記区画ごとおよび前記領域ごとの前記状態情報が混在して表示されること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項3】
前記状態情報は、当該状態情報の内容に応じて色分けして表示され、同一の区画に設定された連続する複数の前記領域にて同一の色が用いられる場合には、同一の色が連続して表示されること、を特徴とする請求項1または2記載の状態監視システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、
ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知する他のセンサからの検知結果を取得し、
複数の前記状態センサからの検知結果と前記他のセンサからの検知結果とに応じて前記状態情報を把握すること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、
複数の前記状態センサからの検知結果のうちの現在の検知結果に応じて、現在の状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
前記現在の状態情報に応じた表示がされた前記区画または前記領域の前記状態情報の履歴の表示をさせること、を特徴とする請求項5記載の状態監視システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1に記載の発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、複数箇所に設置され、配置される各々の当該箇所の状態に影響する情報として温度、湿度、CO2濃度、臭気、ガス漏れ、揮発性有機化合物、気圧、微粒子、光、および音の少なくとも何れか一つを検知する複数の状態センサからの検知結果を取得し、複数の前記状態センサからの検知結果に応じて、複数の当該状態センサが配置される各々の前記箇所の状態を示す状態情報を把握し、表示のための情報であって、区画を含むフロアマップの情報を取得し、各々の前記状態センサの検知能力に応じた領域であってユーザによって指定された当該領域を前記フロアマップの情報の前記区画に対して設定し、前記フロアマップの情報の前記区画ごとまたは前記領域ごとに、把握した前記状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする状態監視システムである。
請求項2に記載の発明は、前記状態センサが配置される各々の前記箇所に応じて一つの前記区画に複数の前記領域が設定され、前記区画ごとおよび前記領域ごとの前記状態情報が混在して表示されること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項3に記載の発明は、前記状態情報は、当該状態情報の内容に応じて色分けして表示され、同一の区画に設定された連続する複数の前記領域にて同一の色が用いられる場合には、同一の色が連続して表示されること、を特徴とする請求項1または2記載の状態監視システムである。
請求項4に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、ガス、照度、位置、被検体、距離、磁気、電流、電力、電圧、流量、重量、振動、回転、角度、加速、形状、歪み、水質、味覚、および色の少なくとも何れか一つを検知する他のセンサからの検知結果を取得し、複数の前記状態センサからの検知結果と前記他のセンサからの検知結果とに応じて前記状態情報を把握すること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項5に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、複数の前記状態センサからの検知結果のうちの現在の検知結果に応じて、現在の状態情報に応じた表示をさせること、を特徴とする請求項1記載の状態監視システムである。
請求項6に記載の発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記現在の状態情報に応じた表示がされた前記区画または前記領域の前記状態情報の履歴の表示をさせること、を特徴とする請求項5記載の状態監視システムである。