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特開2024-6483メータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006483
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】メータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/36 20060101AFI20240110BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20240110BHJP
   G06V 30/14 20220101ALI20240110BHJP
   G06V 30/16 20220101ALI20240110BHJP
   G06V 10/24 20220101ALI20240110BHJP
   G06V 30/12 20220101ALI20240110BHJP
   G06V 30/142 20220101ALI20240110BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240110BHJP
   G06V 10/772 20220101ALI20240110BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240110BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240110BHJP
【FI】
G08C19/36
G08C15/00 B
G06V30/14 340J
G06V30/16
G06V10/24
G06V30/12 Z
G06V30/142
G06T7/00 350B
G06V10/772
H04N5/232 290
H04N5/232 930
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107383
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】516177656
【氏名又は名称】センスシングスジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】高野 剛
【テーマコード(参考)】
2F073
5B029
5B064
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
2F073AA06
2F073AA12
2F073AA25
2F073AA33
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073BC04
2F073CC01
2F073CC14
2F073CD05
2F073CD11
2F073DD01
2F073DE02
2F073DE13
2F073EE01
2F073EF09
2F073EF10
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073FG08
2F073FG11
2F073FH07
2F073GG01
2F073GG05
2F073GG08
2F073GG09
5B029BB02
5B029BB17
5B029CC27
5B029EE04
5B064AA03
5B064AB13
5B064BA01
5B064CA07
5B064CA08
5B064DA27
5C122DA12
5C122EA42
5C122FH11
5C122FH14
5C122FJ03
5C122FK28
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB05
5C122HB06
5C122HB09
5L096BA08
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA16
5L096HA13
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】 メータ装置の指針値の画像を画像認識して指針値を読み取る際に、人為的な誤りの介入を抑制して検針の誤りの発生を抑えることができる。
【解決手段】 メータ検針装置であって、メータ装置の識別情報を取得する識別情報取得部と、メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得部と、識別情報と指針値画像と検針値との対応関係を予め機械学習した検針値学習モデルに、新たに取得した識別情報及び指針値画像を入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する検針値推定部と、検針値推定部に推定された検針値が検針値に係る識別情報に基づいて適切な数値か否かを判定する判定部と、指針値画像を対応する識別情報とともに記憶する指針値画像記憶部と、記憶された指針値画像をユーザに提示する提示部と、指針値画像に係る検針値を読み上げる検針値読み上げ部とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置であって、
前記メータ装置には前記メータ装置を識別するための固有の識別情報が予め前記メータ装置毎に付与され、前記識別情報を読み込み前記メータ装置の前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得部と、
前記識別情報と前記指針値画像と前記指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した前記識別情報及び前記指針値画像を前記検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した前記指針値画像における検針値を推定する検針値推定部と、
前記推定された検針値が、前記検針値に関する前記メータ装置の前記識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定部と、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像を、前記指針値画像と対応する前記識別情報とともに記憶する指針値画像記憶部と、
記憶された前記指針値画像を対応する前記識別情報とともにユーザに提示する提示部と、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像が前記提示部によりユーザに提示される際に、前記指針値画像に含まれる前記検針値の数値を読み上げる検針値読み上げ部と、
を備えるメータ検針装置。
【請求項2】
対応する識別情報に関連して記憶された前記メータ装置の過去の検針値を取得する過去検針値取得部を備え、
前記判定部は、対応する前記識別情報に関連する前記過去の検針値に基づいて、前記検針値推定部に推定された検針値が適切な数値か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のメータ検針装置。
【請求項3】
前記検針値推定部が検針値を推定した前記指針値画像について、前記指針値画像の傾きを検出する傾き検出部と、
前記判定部において適切な数値でないと判定された検針値の前記指針値画像について、前記傾きを補正してから前記検針値推定部に入力する傾き補正部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のメータ検針装置。
【請求項4】
前記検針値推定部は、
前記指針値画像の前記指針値の領域を前記指針値の桁ごとの領域に分割する領域分割部と、
前記領域分割部により分割された前記桁ごとの領域を前記識別情報とともに前記検針値学習モデルに入力し、前記桁ごとに数値を推定する数値推定部と、
前記数値推定部により推定された数値を、前記指針値における桁ごとに対応させることで前記指針値の検針値として合成する検針値合成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のメータ検針装置。
【請求項5】
請求項1に記載のメータ検針装置と、前記メータ検針装置とネットワークを介して接続されるサーバとを備えるメータ検針システムであって、
前記メータ検針装置は、
前記指針値画像に係る情報を前記サーバに送信する送信部を備え、
前記サーバは、
前記メータ検針装置より送信されてきた前記情報を含むウェブページを生成するウェブページ生成部を備えることを特徴とするメータ検針システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記情報を所定の帳票データとして生成する帳票データ生成部を備えることを特徴とする請求項5に記載のメータ検針システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記情報を所定の写真台帳データとして生成する写真台帳データ生成部を備えることを特徴とする請求項5に記載のメータ検針システム。
【請求項8】
メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置において実行されるメータ検針方法であって、
コンピュータが、
前記メータ装置には前記メータ装置を識別するための固有の識別情報が予め前記メータ装置毎に付与され、前記識別情報を読み込み前記メータ装置の前記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得ステップと、
前記識別情報と前記指針値画像と前記指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した前記識別情報及び前記指針値画像を前記検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した前記指針値画像における検針値を推定する検針値推定ステップと、
前記推定された検針値が、前記検針値に関する前記メータ装置の前記識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定ステップと、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像を、前記指針値画像と対応する前記識別情報とともに記憶する指針値画像記憶ステップと、
記憶された前記指針値画像を対応する前記識別情報とともにユーザに提示する提示ステップと、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像が前記提示ステップによりユーザに提示される際に、前記指針値画像に含まれる前記検針値の数値を読み上げる検針値読み上げステップと、
を実行するメータ検針方法。
【請求項9】
メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置において実行されるメータ検針プログラムであって、
コンピュータに、
前記メータ装置には前記メータ装置を識別するための固有の識別情報が予め前記メータ装置毎に付与され、前記識別情報を読み込み前記メータ装置の前記識別情報を取得する識別情報取得機能と、
前記メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得機能と、
前記識別情報と前記指針値画像と前記指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した前記識別情報及び前記指針値画像を前記検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した前記指針値画像における検針値を推定する検針値推定機能と、
前記推定された検針値が、前記検針値に関する前記メータ装置の前記識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定機能と、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像を、前記指針値画像と対応する前記識別情報とともに記憶する指針値画像記憶機能と、
記憶された前記指針値画像を対応する前記識別情報とともにユーザに提示する提示機能と、
前記適切な数値と判定された前記検針値に関する前記指針値画像が前記提示機能によりユーザに提示される際に、前記指針値画像に含まれる前記検針値の数値を読み上げる検針値読み上げ機能と、
を発揮させるメータ検針プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラムに関し、特に、指針値の画像を用いて検針を行うメータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル管理業務において、テナントの水道、ガス、電気などのメータ装置の検針は、検針員が二人一組となり行っていた。検針員の一人がメータ装置の指針値を目視で読み取り、もう一人の検針員が読み取った指針値に係る検針値を手書きで用紙に記入していた。用紙に記入された検針値は、その後、パーソナルコンピュータ等の端末機器に手入力して管理されていた。
【0003】
上記した検針員の一連の作業において、人手を介すことで検針値の読み取りの誤り、記入の誤り、及び端末機器への入力の誤りなど人為的な誤りが介入し易く、テナントへの過大請求もしくは過少請求の誤った請求による揉め事が生じる虞があった。
【0004】
近年、スマートフォンに代表される高機能携帯電話端末を使ってメータ装置を撮影して、メータ装置の指針値の画像を画像認識により検針するシステムが登場している。下記特許文献1では、メータ装置の指針値の画像の認識状態が所定以上の良好な認識状態となるまで撮影を行うとしている。
【0005】
具体的には、特許文献1の技術は、指針値の撮影画像と当該撮影画像の画像認識処理された認識結果とをユーザが比較できるようにディスプレイの同一画面上に並べて表示し、メータ装置の指針値の画像の認識状態が所定以上の良好な認識状態となるまで撮影を行うとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-166587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の技術は、カメラの撮影画像と当該撮影画像の認識状態とをカメラの操作者が比較し、当該撮影画像の認識状態が良好であるか否かを操作者が判断するものであり操作者が誤って判断する虞があった。
【0008】
そこで本開示は、この課題を解決するために、メータ装置の指針値の画像を画像認識して指針値を読み取る際に、人為的な誤りの介入を抑制して検針の誤りの発生を抑えることができるメータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、第1の態様に係るメータ検針装置は、メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置であって、メータ装置にはメータ装置を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置の識別情報を取得する識別情報取得部と、メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得部と、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する検針値推定部と、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定部と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像を、指針値画像と対応する識別情報とともに記憶する指針値画像記憶部と、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する提示部と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示部によりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる検針値読み上げ部と、を備える。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係るメータ検針装置において、対応する識別情報に関連して記憶されたメータ装置の過去の検針値を取得する過去検針値取得部を備え、判定部は、対応する識別情報に関連する過去の検針値に基づいて、検針値推定部に推定された検針値が適切な数値か否かを判定することとしてもよい。
【0011】
第3の態様は、第1の態様に係るメータ検針装置において、検針値推定部が検針値を推定した指針値画像について、指針値画像の傾きを検出する傾き検出部と、判定部において適切な数値でないと判定された検針値の指針値画像について、傾きを補正してから検針値推定部に入力する傾き補正部と、を備えることとしてもよい。
【0012】
第4の態様は、第1の態様に係るメータ検針装置において検針値推定部は、指針値画像の指針値の領域を指針値の桁ごとの領域に分割する領域分割部と、領域分割部により分割された桁ごとの領域を識別情報とともに検針値学習モデルに入力し、桁ごとに数値を推定する数値推定部と、数値推定部により推定された数値を、指針値における桁ごとに対応させることで指針値の検針値として合成する検針値合成部と、を備えることとしてもよい。
【0013】
第5の態様に係るメータ検針システムは、第1の態様に係るメータ検針装置と、メータ検針装置とネットワークを介して接続されるサーバとを備えるメータ検針システムであって、メータ検針装置は、指針値画像に係る情報をサーバに送信する送信部を備え、サーバは、メータ検針装置より送信されてきた情報を含むウェブページを生成するウェブページ生成部を備える。
第6の態様は、第5の態様に係るメータ検針システムにおいて、サーバは、情報を所定の帳票データとして生成する帳票データ生成部を備えることとしてもよい。
第7の態様は、第5の態様に係るメータ検針システムにおいて、サーバは、情報を所定の写真台帳データとして生成する写真台帳データ生成部を備えることとしてもよい。
【0014】
第8の態様に係るメータ検針方法は、メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置において実行されるメータ検針方法であって、コンピュータが、メータ装置にはメータ装置を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得ステップと、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する検針値推定ステップと、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定ステップと、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像を、指針値画像と対応する識別情報とともに記憶する指針値画像記憶ステップと、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する提示ステップと、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示ステップによりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる検針値読み上げステップと、を実行する。
【0015】
第9の態様に係るメータ検針プログラムは、メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置において実行されるメータ検針プログラムであって、コンピュータに、メータ装置にはメータ装置を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置の識別情報を取得する識別情報取得機能と、メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得機能と、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する検針値推定機能と、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定機能と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像を、指針値画像と対応する識別情報とともに記憶する指針値画像記憶機能と、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する提示機能と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示機能によりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる検針値読み上げ機能と、を発揮させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示に係るメータ検針装置、メータ検針システム、メータ検針方法、およびメータ検針プログラムは、メータ装置の指針値の画像を画像認識して指針値を読み取る際に、人為的な誤りの介入を抑制して検針の誤りの発生を抑えることができる。
【0017】
例えば、メータ検針装置は、メータ装置を検針して検針値を得るメータ検針装置であって、メータ装置にはメータ装置を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置の識別情報を取得する識別情報取得部と、メータ装置の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する指針値画像取得部と、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する検針値推定部と、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する判定部と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像を、指針値画像と対応する識別情報とともに記憶する指針値画像記憶部と、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する提示部と、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示部によりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる検針値読み上げ部と、を備えるので、メータ装置の指針値の画像を画像認識して指針値を読み取る際に、人為的な誤りの介入を抑制して検針の誤りの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係るメータ検針装置の使用例を説明する図である。
図2】本実施形態に係るメータ検針装置を含むメータ検針システムの概略図である。
図3】本実施形態に係るメータ検針装置の機械的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るメータ検針装置の検針の対象である機械式電気メータの一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るメータ検針装置の検針の対象である円読式水道メータの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るメータ検針装置の検針の対象である電子式電気メータの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係るメータ検針装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図8】本実施形態に係る指針値画像が過度に暗い状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る指針値画像が過度に明るい状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る指針値画像が正常状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図である。
図11】本実施形態に係る数値読取部に設けられている数字辞書を示す図である。
図12】本実施形態に係るメータ検針装置の傾き補正部の機能の説明に用いる図である。
図13】本実施形態に係るメータ検針装置の帳票データ出力部が出力する帳票の一例を示す図である。
図14】本実施形態に係るメータ検針装置において実行されるメータ検針プログラムのフローチャートである。
図15】本実施形態に係るメータ検針装置において実行されるメータ検針プログラムの検針値推定ステップのフローチャートである。
図16】本実施形態に係るサーバの機械的構成の一例を示すブロック図である。
図17】本実施形態に係るサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図18】本実施形態に係るサーバ制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(メータ検針装置10の概要)
図1乃至図13を参照して本実施形態に係るメータ検針装置10について説明する。
メータ検針装置10は、スマートフォンに代表される携帯情報通信端末に後述のメータ検針プログラムをインストールすることで実現される。なお、携帯情報通信端末の例として、スマートフォンの他に、ノート型パーソナルコンピュータ(以下、PC)、ラップトップ型PC、およびタブレット型PCなどを用いてもよい。また、メータ検針プログラムをインストールする携帯情報通信端末は、メータ検針装置10のために専用に設計された専用品を用いてもよい。
【0020】
図1を参照して、メータ検針装置10の使用の一例について説明する。図1は、メータ検針装置10の使用例を説明する図である。メータ検針装置10は、電気、水道、ガスなどの使用量を計測するメータ装置11の検針を行う。メータ検針装置10のユーザである検針員12がメータ検針装置10を操作して、入居する複数のテナントが使用する電気、水道、ガスなどの使用量を検針する。本実施形態において、指針値とはメータ装置11が表示する値のことをいい、検針値とはメータ検針装置10が指針値を読み取った値のことをいう。
【0021】
メータ検針装置10のユーザは、水道メータ、ガスメータ、および電気メータなどのメータ装置11の正面にカメラ部10hを向けてメータ検針装置10をかざす(図3参照)。メータ検針装置10のカメラ部10hにより、メータ装置11の指針値を含む領域を撮像する。メータ検針装置10は、カメラ部10hによって撮像された指針値の画像(以下、指針値画像)をディスプレイ10kに表示し、指針値画像から読み取られた検針値を後述の検針値読み上げ部190によって読み上げられ、その音声をスピーカ10jから出力する。このようにすることによって、ユーザは、メータ検針装置10によって画像認識された検針値を自分の視覚と聴覚によって確認することができる。
【0022】
高所に設置されたメータ装置11に対しては、自撮り棒(不図示)を利用する。自撮り棒の先端にメータ検針装置10を取り付けて使用することで、より楽な姿勢で、より離れた位置、より高い位置のメータ装置11の検針を行うことができる。なお、自撮り棒とは、先端にスマートフォンを取り付けて、自分撮り(セルフィー)を行うための長さ1メートルほどの棒状の器具である。
【0023】
図2を参照して、メータ検針装置10を含むメータ検針システム1について説明する。図2は、メータ検針装置10を含むメータ検針システム1の概略図である。メータ検針システム1は、メータ検針装置10およびサーバ14を備える。メータ検針システム1では、インターネットを含む双方向のデータ通信が可能なネットワーク13を介して、メータ検針装置10とサーバ14とが双方向に通信可能に接続される。なお、図2において、便宜上、メータ検針装置10およびサーバ14を1台ずつ表示しているが、台数に特に制限はなく、複数のメータ検針装置10と1台のサーバ14とがネットワーク13を介して双方向に通信可能に接続されてもよいし、複数のメータ検針装置10と複数のサーバ14とがネットワークを介して双方向に通信可能に接続されてもよい。
【0024】
メータ検針装置10は、無線LAN、移動通信システムなどを利用した無線データ通信により親機、基地局15などを経由してネットワーク13に接続される。メータ検針装置10は、ネットワーク13を介してサーバ14に接続される。メータ検針装置10は、指針値画像など取得した情報をサーバ14に送信し、当該情報はサーバ14に記憶される。サーバ14に記憶された情報は、ユーザのPC16を用いてサーバ14にアクセスすることで閲覧、編集などの利用が可能となる。
【0025】
(メータ検針装置10の機械的構成)
図3を参照して、メータ検針装置10の機械的構成について説明する。図3はメータ検針装置10の機械的構成の一例を示すブロック図である。メータ検針装置10は、Read Only Memory(ROM)10a、Random Access Memory(RAM)10b、記憶部10c、Central Processing Unit(CPU)10d、通信インターフェース10e入出力インターフェース10fなどを備えている。また、メータ検針装置10は、その外部装置として入力装置10g及び出力装置10iを備えている。
【0026】
通信インターフェース10eは、主にデータをネットワーク13に対して入出力を行う機能を備える。
記憶部10cは、記憶装置として利用でき、メータ検針装置10が動作する上で必要となる後述のメータ検針プログラム、各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記憶される。また、記憶部10cは、メータ検針装置10が取得した指針値画像、および検針値を記憶する。
【0027】
記憶部10cは、メータ検針装置10の検針の対象となるメータ装置11それぞれの仕様を仕様情報としてメータ装置11ごとに付与された識別情報に関連付けて記憶する。仕様情報とは、メータ装置11の種別、設置場所、並びに指針値23の桁数、小数点位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置などのことである。さらに、仕様情報には、メータ装置11の過去の検針値が含まれる。メータ装置11の設置場所とは、ビルなどの施設の名称、階数、テナントの名称、部屋番号のことである。
【0028】
入出力インターフェース10fは、メータ検針装置10の入力装置10g及び出力装置10iに対してデータなどの送受信を行う。入力装置10gはカメラ部10hなどのことであり、出力装置10iはスピーカ10j、ディスプレイ10kなどのことである。スピーカ10jは検針値読み上げ部190により駆動され検針値を音声により読み上げて出力する。ディスプレイ10kは提示部180により駆動され指針値画像をユーザに提示する。
【0029】
カメラ部10hは、メータ装置11の指針値領域22及び予めメータ装置11に付与された識別情報となるQRコード(登録商標)等の二次元コード32を撮影するためのカメラである。
メータ検針装置10は、後述するメータ検針プログラムをROM10a若しくは記憶部10cに保存し、RAM10bなどで構成されるメインメモリにメータ検針プログラムを取り込む。CPU10dは、メータ検針プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、メータ検針プログラムを実行する。
【0030】
(メータ装置11)
メータ装置11には、直読式メータと円読式メータとにおおよそ分類される。直読式メータは、例として機械式電気メータ20及び電子式電気メータ60が挙げられ指針値を数字で表示する。円読式メータは、例として円読式水道メータ35が挙げられ指針値の桁ごとに設けられたアナログ式メータ(40、42、44、46、48、50、52)の針が指した数字が各桁の数字を示す。
【0031】
図4乃至図6を参照して、メータ装置11の例として機械式電気メータ20(図4)、円読式水道メータ35(図5)、および電子式電気メータ60(図6)について説明する。図4はメータ検針装置10の検針の対象である機械式電気メータ20の一例を示す図であり、図5はメータ検針装置10の検針の対象である円読式水道メータ35の一例を示す図であり、図6はメータ検針装置10の検針の対象である電子式電気メータ60の一例を示す図である。
【0032】
先ず図4を参照して機械式電気メータ20について説明する。機械式電気メータ20の銘板21に指針値領域22が設けられ、指針値23が表示される。指針値23は整数桁4桁、小数点24以下1桁で表示される。単位はkWh(キロワットアワー)25である。
【0033】
一般的に機械式電気メータ20は、表示桁数が5桁、及び表示桁の最小桁の右に最小桁の1/10の目盛り33があり、この目盛り33まで合わせると6桁目まで読み取ることができる。
機械式電気メータ20の指針値23の表示形式には2種類あり、10kW以下の定格電力のものは小数点以下1桁(整数位4桁)までを表示する表示形式と、10kW超過の定格電力のものは小数点以下なし(整数桁5桁)の表示形式とがある。
【0034】
本実施形態では10kW以下の定格電力の機械式電気メータ20を例にあげて説明する。また、電気料金の算出では電力量の小数点以下は切り捨てられるので、機械式電気メータ20の指針値の読み取り値は小数点以下1桁までとし、第6桁目は無視するものとする。
【0035】
機械式電気メータ20の指針値23は、整数位4桁を示す最上位桁26、上第2桁目27、上第3桁目28、上第4桁目29、及び小数点以下1桁を示す最小位桁30からなる。図4に示す機械式電気メータ20の指針値23は「5108.2(kWh)」を表示する。
【0036】
機械式電気メータ20は、銘板21の全体を上部から覆うように保護ガラス31が設けられている。保護ガラス31は、機械式電気メータ20の銘板21を外部から見ることができるようにするとともに、機械式電気メータ20の内部に風雨、塵埃などが侵入するのを防ぐものである。
【0037】
保護ガラス31の表面には二次元コード32が貼り付けられている。二次元コード32は機械式電気メータ20に付与された固有の識別情報であり、メータ装置11たる機械式電気メータ20の仕様を示す仕様情報が含まれている。メータ装置11の仕様を示す仕様情報とは、メータ装置11の種別、並びに指針値23の桁数、小数点位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置などのことである。さらに、仕様情報には、メータ装置11の過去の検針値が含まれる。メータ装置11の設置場所とは、ビルなどの施設の名称、階数、テナントの名称、部屋番号のことである。
【0038】
次に図5を参照して円読式水道メータ35について説明する。円読式水道メータ35は、銘板36の指針値領域37に7個のアナログ針メータ(40、42、44、46、48、50、52)が設けられ、針が指した数字が各桁の数字を示す。円読式水道メータ35の単位は立方メートルであり、左1個目から左4個目のアナログ針メータは整数位4桁を示し、左5個目から左7個目のアナログ針メータは小数点以下3桁を示している。
【0039】
水道料金の計算では左1個目から左4個目のアナログ針メータの整数位4桁を用い、小数点以下は切り捨てられるので左5桁目から左7桁目のアナログ針メータの値は無視される。
円読式水道メータ35の指針値は次の様に示され、左1個目のアナログ針メータ40は整数位4桁の最上位桁の数字を指し、単位は1000立方メートル41である。左2個目のアナログ針メータ42は整数位4桁の上2桁目の数字を指し、単位は100立方メートル43である。左3個目のアナログ針メータ44は整数位4桁の上3桁目の数字を指し、単位は10立方メートル45である。左4個目のアナログ針メータ46は整数位4桁の上4桁目の数字を指し、単位は1立方メートル47である。左5個目のアナログ針メータ48は小数点以下第1桁目の数字を指し、単位は100リットル49である。左6個目のアナログ針メータ50は小数点以下第2桁目の数字を指し、単位は10リットル51である。左7個目のアナログ針メータ52は小数点以下第3桁目の数字を指し、単位は1リットル53である。
【0040】
円読式水道メータ35には水道水が使用されていることを示すパイロット54が設けられている。また、円読式水道メータ35は、機械式電気メータ20と同様に、銘板36の全体を覆うように保護ガラス55が備えられている。
【0041】
保護ガラス55の表面には二次元コード56が貼り付けられている。二次元コード56は円読式水道メータ35に付与された固有の識別情報であり、メータ装置11たる円読式水道メータ35の仕様を示す仕様情報が含まれている。メータ装置11の仕様を示す仕様情報とは、メータ装置11の種別、並びに指針値23の桁数、小数点位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置などのことである。さらに、仕様情報には、メータ装置11の過去の検針値が含まれる。メータ装置11の設置場所とは、ビルなどの施設の名称、階数、テナントの名称、部屋番号のことである。
【0042】
図6を参照して電子式電気メータ60について説明する。電子式電気メータ60は、液晶ディスプレイ61が備えられ、液晶ディスプレイ61の近くには二次元コード62が貼り付けされている。液晶ディスプレイ61は、整数桁5桁と小数点以下1桁とで指針値を表示する。電子式電気メータ60の単位はkWh(キロワットアワー)63である。メータ検針装置10は、液晶ディスプレイ61の表示領域及び予め電子式電気メータ60に付与された識別情報となる二次元コード62をカメラ部10hにより撮像する。
【0043】
(メータ検針装置10の機能的構成)
次に、図7を参照して、メータ検針装置10の機能的構成の一例について説明する。図7はメータ検針装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。メータ検針装置10は、メータ検針プログラムを実行することで、CPU10dに識別情報取得部100、指針値画像取得部110、検針値推定部120、領域分割部121、数値推定部122、検針値合成部123、傾き検出部130、過去検針値取得部140、判定部150、傾き補正部160、指針値画像記憶部170、提示部180、検針値読み上げ部190、帳票データ出力部200、送信部210などを機能部として備える。
【0044】
識別情報取得部100は、メータ装置11にはメータ装置11を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置11毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置11の識別情報を取得する。
識別情報取得部100は、カメラ部10hを用いて二次元コード32、56、62を読み取ることでメータ装置11の識別情報を取得する。本実施形態に係る二次元コード32、56、62の使い方は、メータ装置11の識別情報を直接二次元コード32、56、62の中に収納して用いる。あるいは、二次元コード32、56、62の使い方として、メータ装置11の識別情報に関連付けされた情報コードを二次元コード32、56、62の中に収納し、識別情報取得部100は、カメラ部10hを用いて二次元コード32、56、62を読み取ることで情報コードを取得し、この情報コードに関連付けられた識別情報を記憶部10cに予め記憶されていた識別情報の中から取得することとしてもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、メータ装置11の識別情報として二次元コードを用いたがこれに限定されるものではなく、各種の二次元コード等を用いてもよい。さらに、1次元バーコードに代表される1次元コードを用いてもよい。
【0046】
指針値画像取得部110は、メータ装置11の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する。
指針値画像取得部110は、カメラ部10hを用いてメータ装置11の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する。指針値画像取得部110は、指針値画像を取得する際に、識別情報取得部100が取得した識別情報を関連付けて指針値画像を取得する。
【0047】
指針値画像は、対応する識別情報に関連付けられることで、当該指針値画像に映るメータ装置11の種類、設置場所、並びに指針値23の桁数、小数点位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置などとともに指針値画像取得部110に取得される。
【0048】
検針値推定部120は、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する。
【0049】
次に検針値学習モデルの機械学習に用いる教師データについて説明する。メータ装置11の仕様ごとに、検針値が判明している指針値画像が複数用意されている。判明している当該検針値を正解に係るメタ情報として指針値画像に付加するアノテーションが実施され複数の教師データが作成される。作成した多数の教師データは検針値学習モデルとなるアプリケーションに入力されて機械学習が行われる。当該アプリケーションは、当該教師データを学習することで指針値画像と検針値とを関連づけるパターンを導き出すことで学習済みモデルとなり検針値学習モデルを形成する。検針値学習モデルは、予めメータ検針装置10の記憶部10c若しくはROM10aに記憶されて用いられる。
【0050】
メータ装置11の仕様とは、メータ装置11に予め付与された識別情報に含まれており、メータ装置11の種別、並びに指針値23の桁数、小数点24の位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置などのことである。
【0051】
なお、検針値推定部120は、指針値画像の検針値の推定の精度を向上させるために、指針値画像の輝度値ヒストグラムを用いてもよい。検針値推定部120は、指針値画像の輝度値ヒストグラムが正常状態にある場合にのみ検針値を推定することで、指針値画像の画像認識精度を向上させることができる。
【0052】
図8乃至図10を用いて指針値画像に係る画像の輝度値ヒストグラムについて説明する。図8は指針値画像が過度に暗い状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図であり、図9は指針値画像が過度に明るい状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図である。図10は指針値画像が正常状態の輝度値ヒストグラムの一例を示す図である。
【0053】
輝度値ヒストグラムは、横軸に輝度値(256階調)、縦軸に画像中に含まれる輝度値の画素数をグラフに表したものである。図8は、指針値画像が過度に暗い場合の輝度値ヒストグラムである。このような場合、検針値推定部120は指針値画像を画像認識し、正確に検針値を読み取ることが困難となる。
【0054】
図9は、指針値画像が過度に明るい場合の輝度値ヒストグラムである。このような場合も、検針値推定部120は指針値画像を画像認識し、正確に検針値を読み取ることが困難になる。
【0055】
図10は、指針値画像を画像認識し正確に検針値を読み取ることができる輝度値ヒストグラムの正常状態を示している。本実施形態において、輝度値ヒストグラムの正常状態とは、輝度値ヒストグラムのピーク値80が所定範囲81に包含されている状態のことをいう。所定範囲81は、事前の検証などにより予め設定されるものであり、ピーク値80が所定範囲81の範囲内にあれば、検針値推定部120が指針値画像の検針値を正確に読み取ることが出来る。
【0056】
検針値推定部120は、メータ装置11が円読式メータ、並びに直読式メータであって仕様によって指針値画像を画像認識して検針値を推定することが困難な場合に以下に説明する領域分割部121、数値推定部122、及び検針値合成部123を用いて指針値画像を画像認識して検針値を推定する。
【0057】
領域分割部121は、指針値画像の指針値の領域を指針値の桁ごとの領域に分割する。
領域分割部121は、識別情報取得部100が取得した識別情報に含まれるメータ装置11の仕様に係る仕様情報に基づき、指針値画像取得部110が取得した指針値画像を指針値の桁ごとの領域に分割する。領域分割部121は、仕様情報に含まれる情報(メータ装置11の種別、並びに指針値の桁数、小数点位置、単位、及び各桁の数字が表示される位置)に基づき、分割位置を決定する。各桁の数値が表示される位置について位置座標が与えられている場合は、領域分割部121は当該位置座標をも加味して分割位置を決定する。また、各桁の数値が表示される位置について位置座標が与えられていない場合は、領域分割部121は、機械学習モデルの画像認識による物体検出をもって指針値画像の中の各桁の数値が表示される位置を把握し分割位置を決定する。
【0058】
数値推定部122は、領域分割部121により分割された桁ごとの領域を識別情報とともに検針値学習モデルに入力し、桁ごとに数値を推定する。
検針値学習モデルは図11に示すように数字の辞書、すなわち、数字同士を識別するための個々の数字の参照となる図形の情報(参照図形情報)を有し、数値推定部122は、この辞書(参照図形情報)を参照して文字認識を行い、数字を推定する。桁ごとの領域に写し出された文字と辞書(参照図形情報)との比較を行うことにより文字認識を行う。なお、メータ装置11が円読式メータである場合は、数値推定部122は、桁ごとのアナログ針メータの針が指す数値を文字認識することにより数値を推定する。
【0059】
検針値合成部123は、数値推定部122により推定された数値を、指針値における桁ごとに対応させることで指針値の検針値として合成する。
傾き検出部130は、検針値推定部120が検針値を推定した指針値画像について、指針値画像の傾きを検出する。
指針値画像の傾きとは、図12(a)に示すように、当該指針値画像内におけるメータ装置11の傾きθのことを言う。当該傾きは、指針値画像内の指針値を表示する数字の傾きを意味する。
【0060】
過去検針値取得部140は、対応する識別情報に関連して記憶されたメータ装置11の過去の検針値を取得する。
メータ装置11の過去の検針値は、予めメータ検針装置10の記憶部10c若しくはROM10aに記憶されている。過去検針値取得部140は、予め記憶されたメータ装置11の過去の検針値の中から、識別情報取得部100が取得した識別番号に対応する過去の検針値を取得する。
【0061】
判定部150は、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置11の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する。
判定部150は、対応する識別情報に関連する過去の検針値に基づいて、検針値推定部120に推定された検針値が適切な数値であるか否かを判定する。
判定部150は、検針値推定部120が推定した検針値が、過去の検針値と比較して大幅に違っている場合、あるいは推定した検針値の一部の数字が推定できなかった場合などに適切な数値ではないと判定する。
判定部150により適切な数値であると判定された検針値は、メータ検針装置10のRAM10b又は記憶部10cに記憶される。
【0062】
傾き補正部160は、判定部150に適切な数値ではないと判定された検針値に係る指針値画像について、傾きを補正してから検針値推定部120に入力する。
傾き補正部160は、図12に示すように、傾き検出部130が検出した指針値画像内のメータ装置11の傾きθ(図12(a)参照)を補正するために、指針値画像をθ分傾きとは逆の方向に回転させる(図12(b)参照)。傾き補正部160は、指針値画像内の数字の傾きを補正した後に再び指針値画像を検針値推定部120に入力する。検針値推定部120は、数字の傾きが補正された指針値画像について画像認識処理を行い、検針値を推定する。
【0063】
指針値画像記憶部170は、判定部150に適切な数値であると判定された検針値に係る指針値画像を対応する識別情報とともに記憶する。
指針値画像記憶部170は、メータ検針装置10の記憶部10cに、対応する識別情報を関連付けて指針値画像を記憶する。
【0064】
提示部180は、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する。
提示部180は、メータ検針装置10の記憶部10cに記憶された指針値画像を、対応する識別情報とともに、メータ検針装置10のディスプレイ10kに表示してユーザに提示をする。ユーザは、ディスプレイ10kに表示された指針値画像を識別情報とともに視覚により確認することができる。
【0065】
検針値読み上げ部190は、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示部によりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる。
検針値読み上げ部190は、メータ検針装置10のスピーカ10jを駆動して指針値画像に係る検針値を音声として出力する。ユーザは、ディスプレイ10kに表示される指針値画像を視認しながら、スピーカ10jより出力される検針値の音声を聞くことで、指針値画像の中の検針値と、音声で聞く検針値とが一致しているか否かを確認することができる。指針値画像の中の検針値と音声で聞く検針値とが一致している場合は判定部150が下した判定において適切な数値の読み取りが行われていたことを確認することができ、指針値画像の中の検針値と音声で聞く検針値とが不一致の場合は判定部150の判定において適切な数値の読み取りが行われていなかったことがわかる。
帳票データ出力部200は、指針値画像を所定の帳票データとして出力する。
帳票とは、主に検針値、及び検針値に対応する識別情報を記載する書類のことであり、ユーザの顧客との取引及び会計などに関する情報を記載する資料などのことをいう。
写真台帳とは、主に検針値の根拠となる指針値画像を対応する検針値及び識別情報とともに掲載するものであり、これらを管理し易く整理しまとめておく資料のことをいう。
【0066】
図13を参照して本実施形態に係る帳票について説明する。図13はメータ検針装置10の帳票データ出力部200が出力する帳票の一例を示す図である。帳票データ出力部200は、ユーザが指定する仕様に合わせて帳票データを出力する。帳票データの出力先は、入出力インターフェース10fを経由して出力装置10iであるディスプレイ10k、およびプリンタ(不図示)などであり、又は通信インターフェース10eを経由してサーバ14及びユーザPC16などである。
【0067】
図13に示す帳票において、階数71、部屋番号72、テナント名73、項目74は識別情報取得部100が取得する識別情報に基づくものであり、前回検針値76は過去検針値取得部140が取得する過去の検針値に基づくものである。今回検針値75は検針値推定部120が推定した検針値に基づくものであり、当月使用量77は今回検針値75から前回検針値76を引いた差に基づくものである。なお、帳票データ出力部200は、帳票に指針値画像を含めることによって写真台帳データを出力することができる。写真台帳データの出力先は、入出力インターフェース10fを経由して出力装置10iであるディスプレイ10k、およびプリンタ(不図示)などであり、又は通信インターフェース10eを経由してサーバ14及びユーザPC16などである。
【0068】
送信部210は、指針値画像に係る情報をサーバに送信する。
送信部210は、メータ検針装置10に記憶された指針値画像に係る情報を、通信インターフェース10eを介してサーバ14に向けて送信する。サーバ14は、メータ検針装置10から送信されてきた指針値画像と当該指針値画像に対応する識別情報とを後述する通信インターフェース14fを介して受信し記憶部14cに記憶する。
指針値画像に係る情報とは、指針値画像記憶部170に記憶された検針値に関する指針値画像、及び当該指針値画像と対応する検針値、識別情報などのことをいう。
【0069】
(メータ検針方法及びメータ検針プログラム)
次に、図14及び図15を参照して、本実施形態に係るメータ検針方法についてメータ検針プログラムとともに説明する。図14はメータ検針装置10において実行されるメータ検針プログラムのフローチャートであり、図15はメータ検針装置10において実行されるメータ検針プログラムの検針値推定ステップS120のフローチャートである。
【0070】
図14に示す様に、メータ検針プログラムは、識別情報取得ステップS100、指針値画像取得ステップS110、検針値推定ステップS120、傾き検出ステップS130、過去検針値取得ステップS140、判定ステップS150、傾き補正ステップS160、指針値画像記憶ステップS170、提示ステップS180、検針値読み上げステップS190、帳票データ出力ステップS200、送信ステップS210などを含む。
【0071】
図15に示すフローチャートはメータ検針プログラムのサブルーチンであり、検針値推定ステップS120に内包される処理である。検針値推定ステップS120は、領域分割ステップS121、数値推定ステップS122、検針値合成ステップS123などを含む。
【0072】
メータ検針装置10は、ROM10a若しくは記憶部10cに保存されたメータ検針プログラム及びそのサブルーチンをメインメモリに取り込み、CPU10dによりメータ検針プログラム及びそのサブルーチンを実行する。
【0073】
メータ検針プログラムは、メータ検針装置10のCPU10dに対して、識別情報取得機能、指針値画像取得機能、検針値推定機能、傾き検出機能、過去検針値取得機能、判定機能、傾き補正機能、指針値画像記憶機能、提示機能、検針値読み上げ機能、帳票データ出力機能、送信機能などの機能を実現させる。
メータ検針プログラムのサブルーチンは、メータ検針装置10のCPU10dに対して、領域分割機能、数値推定機能、検針値合成機能などの機能を実現させる。
【0074】
これらの機能は図14及び図15のフローチャートに示す順序で処理を行う場合を例示したが、これに限らず、これらの順番を適宜入れ替えてメータ検針プログラム及びそのサブルーチンを実行してもよい。
【0075】
なお、上記した各機能は、前述のメータ検針装置10の識別情報取得部100、指針値画像取得部110、検針値推定部120、領域分割部121、数値推定部122、検針値合成部123、傾き検出部130、過去検針値取得部140、判定部150、傾き補正部160、指針値画像記憶部170、提示部180、検針値読み上げ部190、帳票データ出力部200、送信部210の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0076】
識別情報取得機能は、メータ装置11にはメータ装置11を識別するための固有の識別情報が予めメータ装置11毎に付与され、識別情報を読み込みメータ装置11の識別情報を取得する(S100:識別情報取得ステップ)。
【0077】
指針値画像取得機能は、メータ装置11の指針値を撮像した画像を指針値画像として取得する(S110:指針値画像取得ステップ)。
【0078】
検針値推定機能は、識別情報と指針値画像と指針値画像における検針値との対応関係を予め機械学習して、指針値画像における検針値を推定する検針値学習モデルを構築し、新たに取得した識別情報及び指針値画像を検針値学習モデルに入力することにより新たに取得した指針値画像における検針値を推定する(S120:検針値推定ステップ)。
【0079】
領域分割機能は、指針値画像の指針値の領域を指針値の桁ごとの領域に分割する(S121:領域分割ステップ)。
数値推定機能は、領域分割部121により分割された桁ごとの領域を識別情報とともに検針値学習モデルに入力し、桁ごとに数値を推定する(S122:数値推定ステップ)。
【0080】
検針値合成機能は、数値推定部122により推定された数値を、指針値における桁ごとに対応させることで指針値の検針値として合成する(S123:検針値合成ステップ)。
【0081】
傾き検出機能は、検針値推定部120が検針値を推定した指針値画像について、指針値画像の傾きを検出する(S130:傾き検出ステップ)。
【0082】
過去検針値取得機能は、対応する識別情報に関連して記憶されたメータ装置11の過去の検針値を取得する(S140:過去検針値取得ステップ)。
【0083】
判定機能は、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置11の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する(S150:判定ステップ)。
【0084】
傾き補正機能は、判定部150において適切な数値でないと判定された検針値の指針値画像について、傾きを補正してから検針値推定部120に入力する(S160:傾き補正ステップ)。
【0085】
指針値画像記憶機能、推定された検針値が、検針値に関するメータ装置の識別情報に基づいて適切な数値であるか否かを判定する(S170:指針値画像記憶ステップ)。
【0086】
提示機能は、記憶された指針値画像を対応する識別情報とともにユーザに提示する(S180:提示ステップ)。
【0087】
検針値読み上げ機能は、適切な数値と判定された検針値に関する指針値画像が提示部によりユーザに提示される際に、指針値画像に含まれる検針値の数値を読み上げる(S190:検針値読み上げステップ)。
【0088】
帳票データ出力機能は、指針値画像を所定の帳票データとして出力する(S200:帳票データ出力ステップ)。
送信機能は、指針値画像に係る情報をサーバに送信する(S210:送信ステップ)。
指針値画像に係る情報とは、指針値画像記憶ステップS170に記憶された検針値に関する指針値画像、及び当該指針値画像と対応する検針値、識別情報などのことをいう。
【0089】
(サーバ14の機械的構成)
次に、図16を参照してサーバ14の機械的構成について説明する。図16はサーバ14の機械的構成の一例を示すブロック図である。
サーバ14は、ROM(Read Only Memory)14a、RAM(Random Access Memory)14b、記憶部14c、CPU(Central Processing Unit)14d、データベース14e、通信インターフェース14f、入出力インターフェース14gなどを備えている。また、サーバ14は、その外部装置として出力装置14h及び入力装置14iを備えている。
【0090】
なお、サーバ14はデータベース14eを内蔵するが、これに限らず、サーバ14はデータベースを外部に備え、ネットワーク13を経由して接続する構成でもよい。
通信インターフェース14fは、主にデータをネットワーク13に対して入出力を行う機能を備える。
【0091】
記憶部14cは、記憶装置として利用でき、サーバ14が動作する上で必要となる後述のサーバ制御プログラム、各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記憶される。
入出力インターフェース14gは、サーバ14の入力装置14i及び出力装置14hに対してデータなどの送受信を行う。入力装置14iはキーボード、マウス、及びスキャナーなどのことであり、出力装置14hはモニター、プリンタ、及びスピーカなどのことであり、いわゆる周辺機器のことをいう。
【0092】
サーバ14は、後述するサーバ制御プログラムをROM14a若しくは記憶部114cに保存し、RAM14bなどで構成されるメインメモリにサーバ制御プログラムを取り込む。CPU14dは、サーバ制御プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、サーバ制御プログラムを実行する。
【0093】
(サーバ14の機能的構成)
次に、図17を参照してサーバ14の機能的構成の一例について説明する。図17はサーバ14の機能的構成の一例を示すブロック図である。
サーバ14は、サーバ制御プログラムを実行することで、CPU14dに帳票テンプレート受付部220、写真台帳テンプレート受付部230、帳票データ生成部240、写真台帳データ生成部250、ウェブページ生成部260、及びサーバ側送信部270などを機能部として備える。
帳票テンプレート受付部220は、ユーザが定める所定の帳票のテンプレートを受け付ける。
帳票テンプレート受付部220は、ユーザPC16から、または直接にユーザから所定の帳票のテンプレートを受け付ける。
帳票のテンプレートとは、帳票の記載内容、記載の形式、および記載の書式などを定めた型式のことである。
写真台帳テンプレート受付部230は、ユーザが定める所定の写真台帳のテンプレートを受け付ける。
写真台帳テンプレート受付部230は、ユーザPC16から、または直接にユーザから所定の写真台帳のテンプレートを受け付ける。
写真台帳のテンプレートとは、写真台帳の記載内容、記載の形式、および記載の書式などを定めた型式のことである。
帳票データ生成部240は、送信部210により送信されてきた情報を所定の帳票データとして生成する。
帳票データ生成部240は、送信部210により送信されてきた指針値画像に係る情報を、帳票テンプレート受付部220により受け付けられたユーザが定める帳票のテンプレートに合わせて帳票データを生成する。
写真台帳データ生成部250は、送信部210により送信されてきた情報を所定の写真台帳データとして生成する。
写真台帳データ生成部250は、送信部210により送信されてきた指針値画像に係る情報を、写真台帳テンプレート受付部230により受け付けられたユーザが定める写真台帳のテンプレートに合わせて写真台帳データを生成する。
ウェブページ生成部260は、メータ検針装置10より送信されてきた指針値画像に係る情報を含むウェブページを生成する。
サーバ側送信部270は、生成された帳票データ、写真台帳データ、及びウェブページをユーザPC16に向けて送信する。
【0094】
ユーザはユーザPC16(図2参照)を用いて、サーバ14にアクセスすることで、帳票データ、写真台帳データ、及びウェブページを閲覧、編集、削除、及び保存などを行うことができる。
【0095】
(サーバ制御方法及びサーバ制御プログラム)
次に、図18を参照して、本実施形態に係るサーバ制御方法についてサーバ制御プログラムとともに説明する。図18はサーバ制御プログラムの一例を示すフローチャートである。
図18に示す様に、サーバ制御プログラムは、帳票テンプレート受付ステップS220、写真台帳テンプレート受付ステップS230、帳票データ生成ステップS240、写真台帳データ生成ステップS250、ウェブページ生成ステップS260、及びサーバ側送信ステップS270などを含む。
【0096】
サーバ14は、ROM14a若しくは記憶部14cに保存されたサーバ制御プログラムをメインメモリに取り込み、CPU14dによりサーバ制御プログラムを実行する。
サーバ制御プログラムは、サーバ14のCPU14dに対して、帳票テンプレート受付機能、写真台帳テンプレート受付機能、帳票データ生成機能、写真台帳データ生成機能、ウェブページ生成機能、及びサーバ側送信機能などを実現させる。
なお、上記した機能は、前述のサーバ14の帳票テンプレート受付部220、写真台帳テンプレート受付部230、帳票データ生成部240、写真台帳データ生成部250、ウェブページ生成部260、及びサーバ側送信部270の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0097】
帳票テンプレート受付機能は、ユーザが定める所定の帳票のテンプレートを受け付ける(S220:帳票テンプレート受付ステップ)。
写真台帳テンプレート受付機能は、ユーザが定める所定の写真台帳のテンプレートを受け付ける(S230:写真台帳テンプレート受付ステップ)。
帳票データ生成機能は、送信部210により送信されてきた情報を所定の帳票データとして生成する(S240:帳票データ生成ステップ)。
写真台帳データ生成機能は、送信部210により送信されてきた情報を所定の写真台帳データとして生成する(S250:写真台帳データ生成ステップ)。
ウェブページ生成機能は、メータ検針装置10より送信されてきた指針値画像に係る情報を含むウェブページを生成する(S260:ウェブページ生成ステップ)。
サーバ側送信機能は、生成された帳票データ、写真台帳データ、及びウェブページをユーザPC16に向けて送信する(S270:サーバ側送信ステップ)。
【0098】
上記した実施形態によれば、メータ検針装置10の判定部150が、ユーザに代わって、検針値推定部120が推定した検針値が適切な数値か否かを判定するので、人的な誤りによる誤判定を抑制することができる。
【0099】
さらに、上記した実施形態によれば、メータ検針装置10の判定部150は、メータ装置11ごとの過去の検針値に基づいて、検針値推定部120に推定された検針値が適切な数値か否かを判定するので、メータ検針装置10はメータ装置11ごとに設けられた基準により検針値が適切な数値か否かを判定することができる。
さらに、上記した実施形態によれば、ユーザは自身が定める型式の帳票、及び写真台帳を、ユーザPC16を用いてサーバ14にアクセスすることで、閲覧、編集、削除、及び保存をすることができる。
【0100】
本開示は上記した実施形態に係るメータ検針装置10、メータ検針方法、メータ検針プログラム、及びメータ検針システム1に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、若しくは応用例により実施可能である。
【0101】
本実施形態に係るメータ検針システム1の利用場面として、ビル管理業務を例にあげたが、これに限定されるものではなく、工場、大型商業施設、病院、空港、及び公共施設などで使用される電気、水道、ガス、運転時間、温度などの一元管理に利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 メータ検針システム
10 メータ検針装置
10a ROM(Read Only Memory)
10b RAM(Random Access Memory)
10c 記憶部
10d CPU(Central Processing Unit)
10e 通信インターフェース
10f 入出力インターフェース
10g 入力装置
10h カメラ部
10i 出力装置
10j スピーカ
10k ディスプレイ
11 メータ装置
12 ユーザ(検針員)
13 ネットワーク
14 サーバ
14a ROM(Read Only Memory)
14b RAM(Random Access Memory)
14c 記憶部
14d CPU(Central Processing Unit)
14e データベース
14f 通信インターフェース
14g 入出力インターフェース
14h 出力装置
14i 入力装置
15 基地局
16 ユーザPC
20 機械式電気メータ
21 銘板
22 指針値領域
23 指針値
24 小数点
25 キロワットアワー
26 最上位桁
27 上2桁目
28 上3桁目
29 上4桁目
30 最小位桁
31 保護ガラス
32 二次元コード
33 目盛り
35 円読式水道メータ
36 銘板
37 指針値領域
39 スピーカ
40 アナログ針メータ
41 最上位桁の単位
42 アナログ針メータ
43 上2桁目の単位
44 アナログ針メータ
45 上3桁目の単位
46 アナログ針メータ
47 上4桁目の単位
48 アナログ針メータ
49 上5桁目の単位
50 アナログ針メータ
51 上6桁目の単位
52 アナログ針メータ
53 上7桁目の単位
54 パイロット
55 保護ガラス
56 二次元コード
60 電子式電気メータ
61 液晶ディスプレイ
62 二次元コード
63 キロワットアワー
70 帳票
71 階数
72 部屋番号
73 テナント名
74 項目
75 今回指示値
76 前回指示値
77 当月使用量
100 識別情報取得部
110 指針値画像取得部
120 検針値推定部
121 領域分割部
122 数値推定部
123 検針値合成部
130 傾き検出部
140 過去検針値取得部
150 判定部
160 傾き補正部
170 指針値画像記憶部
180 提示部
190 検針値読み上げ部
200 帳票データ出力部
210 送信部
220 帳票テンプレート受付部
230 写真台帳テンプレート受付部
240 帳票データ生成部
250 写真台帳データ生成部
260 ウェブページ生成部
270 サーバ側送信部
θ 傾き角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18