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特開2024-64866横コンベヤーによりゴルフボールを回収する室内ゴルフ練習場用ゴルフ練習機
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  • 特開-横コンベヤーによりゴルフボールを回収する室内ゴルフ練習場用ゴルフ練習機 図1
  • 特開-横コンベヤーによりゴルフボールを回収する室内ゴルフ練習場用ゴルフ練習機 図2
  • 特開-横コンベヤーによりゴルフボールを回収する室内ゴルフ練習場用ゴルフ練習機 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024064866
(43)【公開日】2024-05-14
(54)【発明の名称】横コンベヤーによりゴルフボールを回収する室内ゴルフ練習場用ゴルフ練習機
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A63B69/36 522V
A63B69/36 522A
A63B69/36 513C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022173800
(22)【出願日】2022-10-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】306014493
【氏名又は名称】日本シー・エー・ディー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193046
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 正彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 佳雄
(57)【要約】
【課題】 室内ゴルフ練習場において練習者が打ったゴルフボールを安価な装置にて自動的に効率よく回収することのできるゴルフ練習機を提供することを目的とする。
【解決手段】 練習者が打って練習場フィールドに落下したゴルフボールを回収するための横コンベヤーをティーアップ装置の左右に備え、前記横コンベヤー上には複数の長方形状の転送板が搭載されており、前記転送板を前記ティーアップ装置方向に下り傾斜させる傾斜装置を備え、前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが、傾斜した前記転送板上を転がることにより前記ティーアップ装置方向に転送され、前記ティーアップ装置に回収される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機であって、練習者がゴルフボールを打つ打席と前記ゴルフボールをセットするティーを有し、前記ゴルフボールを前記ティー上にセットするためのティーアップ装置と制御装置を備え、前記練習者が打って練習場フィールドに落下した前記ゴルフボールを回収するための横コンベヤーを前記ティーアップ装置の左右に備え、左右の前記横コンベヤーはそれぞれ前期ティーアップ装置に連結されており、前記横コンベヤー上には複数の長方形状の転送板が搭載されており、前記転送板を前記ティーアップ装置方向に下り傾斜させる傾斜装置を備え、前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが、傾斜した前記転送板上を転がることにより前記ティーアップ装置方向に転送され、前記ティーアップ装置に回収されることを特徴とする室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機。
【請求項2】
前記転送板には前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置側に落下するのを防止する落下防止治具が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機システム。
【請求項3】
前記ゴルフボールが前記横コンベヤー上で前記ティーアップ装置方向に転送されるための前記傾斜装置の駆動方法は、一つ置きずつの前記転送板が連動して傾斜するようにして、奇数番目の前記転送板が傾斜している間は偶数番目の前記転送板は水平を保つモードと、偶数番目の前記転送板が傾斜している間は奇数番目の前記転送板は水平を保つモードを有し、傾斜した前記転送板上の前記ゴルフボールが隣接する水平を保った前記転送板に移動したタイミングで二つのモードを相互に切り替えることで、連続して前記転送板上の前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置方向に転送される方法であることを特徴とする請求項1または2に記載の室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内ゴルフ練習場において、練習者の打ったゴルフボールを回収することのできるゴルフ練習機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習場において、練習者が打って練習場(フィールド)に落ちたゴルフボールを運営者が手動で回収することは、費用や手間がかかるという問題があった。そこでゴルフボールを自動回収するための様々な工夫がなされている。
特許文献1には、打撃台に向かって下り傾斜するスロープを練習場に形成し、転がり落ちるゴルフボールを打撃台の下部に設けた回収通路に導き、ゴルフボールを回収する発明が開示されている。これは回収通路が設備的に大掛かりになる欠点がある。
特許文献2には、プレーグラウンドの前端における各打席に対応する個所に、対応するティーアップ装置にゴルフボールを導くゴルフボール導入口を設け、前記落下面に、前記各ゴルフボール導入口に向かって下向きに収束する傾斜面を設ける発明が開示されている。これは室外用のゴルフ練習場であり、複数の打席と複数のティーアップ装置を備えているが、やはり大掛かりな装置となっている。
室内ゴルフ練習場では打席とティーアップ装置は各々一つで良く、低コストな練習機が求められている。
打撃台に向かって下り傾斜するスロープを練習場に形成し、転がり落ちるゴルフボールが打撃台とほぼ同一高さにある横コンベヤーに入るようにしておき、横コンベヤー上の左右のゴルフボールをチェイン搬送し、中央部にあるティーアップ装置に集める装置は実用化されている。チェイン搬送装置は高額であることが難点になっている。横コンベヤーを左右が高く、中央が低くなるように配置しておき、左右のゴルフボールが自然落下により中央に集まるようにしておけばチェイン搬送装置は不要となる。しかし、この場合、スロープの下端が左右で盛り上がる形になっていて、左右、中央どこでも落下してきたゴルフボールが横コンベヤーにスムーズに入り込むことが必要となり、スロープ形成の費用が高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2919463号
【特許文献2】特開2011-4971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、室内練習場において練習者が打ったゴルフボールを安価な装置にて自動的に効率よく回収することのできるゴルフ練習機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機は、練習者がゴルフボールを打つ打席と前記ゴルフボールをセットするティーを有し、前記ゴルフボールを前記ティー上にセットするためのティーアップ装置と制御装置を備え、前記練習者が打って練習場フィールドに落下した前記ゴルフボールを回収するための横コンベヤーを前記ティーアップ装置の左右に備え、左右の前記横コンベヤーはそれぞれ前期ティーアップ装置に連結されており、前記横コンベヤー上には複数の長方形状の転送板が搭載されており、前記転送板を前記ティーアップ装置方向に下り傾斜させる傾斜装置を備え、前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが、傾斜した前記転送板上を転がることにより前記ティーアップ装置方向に転送され、前記ティーアップ装置に回収されることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機は、前記転送板には前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置側に落下するのを防止する落下防止治具が備えられていることを特徴とする。また、前記ゴルフボールが前記横コンベヤー上で前記ティーアップ装置方向に転送されるための前記傾斜装置の駆動方法は、一つ置きずつの前記転送板が連動して傾斜するようにして、奇数番目の前記転送板が傾斜している間は偶数番目の前記転送板は水平を保つモードと、偶数番目の前記転送板が傾斜している間は奇数番目の前記転送板は水平を保つモードを有し、傾斜した前記転送板上の前記ゴルフボールが隣接する水平を保った前記転送板に移動したタイミングで二つのモードを相互に切り替えることで、連続して前記転送板上の前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置方向に転送される方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、練習者の打ったゴルフボールがフィールド内に落下した後、人力を介すことなく、ゴルフボールを安価で簡便な装置によってティーアップ装置に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】横コンベヤーの一部を拡大して示す図である。
図2】室内ゴルフ練習場の上面図である。
図3】横コンベヤー及びティーアップ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2は室内ゴルフ練習場1の上面図である。室内ゴルフ練習場1にはティーアップ装置2、ティー3、ゴルフボール4,打席5,制御装置6、横コンベヤー7から成る室内用ゴルフ練習機8が配置され、横コンベヤー7に近接して横コンベヤー7方向に下り傾斜するスロープが形成されたフィールド9が配置されている。ティーアップ装置2から送られてティー3上に置かれたゴルフボール4を打席5にいる練習者が打つと、ゴルフボール4は室内ゴルフ練習場1のフィールド9に落下する。フィールド9に落下したゴルフボール4は下り傾斜するスロープに沿って横コンベヤー7方向に転がり落ちる。
【0010】
転がり落ちたゴルフボール4はスロープの最下部に隙間なく設けられている横コンベヤー7に入り込む。図3は横コンベヤー7及びティーアップ装置2の斜視図である。横コンベヤー7はティーアップ装置2の左右に設けられていて、左右の横コンベヤー7にはそれぞれ複数の長方形の転送板10が搭載されている。
【0011】
複数の長方形転送板10はそれぞれティーアップ装置2側の長辺に落下防止治具11を備えていて、スロープから転がり落ちたゴルフボール4が転送板10に乗った後、ティーアップ装置2側に落下することを防いでいる。
【0012】
図1は横コンベヤー7の一部を拡大して示す図である。転送板10のそれぞれにはその長辺方向でティーアップ装置2方向に下り傾斜させる傾斜装置12が配置されている。傾斜装置12としては、モータの回転を転送板10の傾斜に変換する装置などを利用できる。
【0013】
傾斜装置12が駆動すると、転送板10は傾斜し、転送板10上に乗っていたゴルフボール4は中央のティーアップ装置2方向に転がり落ちる。この時、ティーアップ装置2に近い方の隣接する転送板10は水平を保つようにしておく。これによりゴルフボール4は隣接する転送板10に移動する。
【0014】
隣接する転送板10にゴルフボール4が移動したタイミングでゴルフボール4の乗ったその転送板10を傾斜させる。このように複数の転送板10の内、ティーアップ装置2に近い方から数えて奇数番目の転送板10が傾斜して偶数番目の転送板10は水平を保つモードにし、奇数番目の転送板10上のゴルフボール4がティーアップ装置2に近い方の隣接する偶数番目の転送板10上に移動したタイミングで、奇数番目の転送板10を水平に保ち、偶数番目の転送板10を傾斜させるモードにする。今度は偶数番目の転送板10上のゴルフボールがティーアップ装置2に近い方の隣接する奇数番目の転送板10に移動したタイミングで、奇数番目の転送板10が傾斜して、偶数番目の転送板10は水平を保つモードに戻す。以上の二つのモードを交互に繰り返すことにより、横コンベヤー7のどの位置の転送板10にゴルフボール4が乗っても、次々にゴルフボールはティーアップ装置2の方向へ転送されていく。
【0015】
横コンベヤー7の終点からティーアップ装置2へゴルフボール4を回収する機構が設けられており、ゴルフボール4は制御装置6による制御の下で、ティーアップ装置2からティー3に供給される。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明により、安価で簡便な装置により、人手を煩わすことなく、練習者の打ったゴルフボールを回収することができる。このような室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機システムを提供できることの産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0017】
1 室内ゴルフ練習場
2 ティーアップ装置
3 ティー
4 ゴルフボール
5 打席
6 制御装置
7 横コンベヤー
8 室内用ゴルフ練習機
9 フィールド
10 転送板
11 落下防止治具
12 傾斜装置
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機であって、練習者がゴルフボールを打つ打席と前記ゴルフボールをセットするティーを有し、前記ゴルフボールを前記ティー上にセットするためのティーアップ装置と制御装置を備え、前記練習者が打って練習場フィールドに落下した前記ゴルフボールを回収するための横コンベヤーを前記ティーアップ装置の左右に備え、左右の前記横コンベヤーはそれぞれ前記ティーアップ装置に連結されており、前記横コンベヤー上には複数の長方形状の転送板が搭載されており、前記転送板をその長辺方向で前記ティーアップ装置方向に下り傾斜させる傾斜装置を備え、前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが、傾斜した前記転送板上を転がることにより前記ティーアップ装置方向に転送され、前記ティーアップ装置に回収されることを特徴とする室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機。
【請求項2】
前記転送板には前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置側に落下するのを防止する落下防止治具が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機システム。
【請求項3】
前記ゴルフボールが前記横コンベヤー上で前記ティーアップ装置方向に転送されるための前記傾斜装置の駆動方法は、一つ置きずつの前記転送板が連動して傾斜するようにして、奇数番目の前記転送板が傾斜している間は偶数番目の前記転送板は水平を保つモードと、偶数番目の前記転送板が傾斜している間は奇数番目の前記転送板は水平を保つモードを有し、傾斜した前記転送板上の前記ゴルフボールが隣接する水平を保った前記転送板に移動したタイミングで二つのモードを相互に切り替えることで、連続して前記転送板上の前記ゴルフボールが前記ティーアップ装置方向に転送される方法であることを特徴とする請求項1または2に記載の室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る室内ゴルフ練習場向けゴルフ練習機は、練習者がゴルフボールを打つ打席と前記ゴルフボールをセットするティーを有し、前記ゴルフボールを前記ティー上にセットするためのティーアップ装置と制御装置を備え、前記練習者が打って練習場フィールドに落下した前記ゴルフボールを回収するための横コンベヤーを前記ティーアップ装置の左右に備え、左右の前記横コンベヤーはそれぞれ前記ティーアップ装置に連結されており、前記横コンベヤー上には複数の長方形状の転送板が搭載されており、前記転送板をその長辺方向で前記ティーアップ装置方向に下り傾斜させる傾斜装置を備え、前記フィールドから前記横コンベヤー上の前記転送板に乗った前記ゴルフボールが、傾斜した前記転送板上を転がることにより前記ティーアップ装置方向に転送され、前記ティーアップ装置に回収されることを特徴とする。